R 6010 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,研削材工業協会
(AAIA) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業標準を改正すべきとの申し
出があり,工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS
R 6010 : 1991は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS R 6010には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 6010 : 2000
研磨布紙用研磨材の粒度
Coated abrasive grain sizes
序文 この規格は,1998年に第1版として発行されたISO 6344-1, Coated abrasives−Grain size analysis−Part
1 : Grain size distribution test, ISO 6344-2, Coated abrasives−Grain size analysis−Part 2 : Determination of grain
size distribution of macrogrits P12 to P220及びISO 6344-3, Coated abrasives−Grain size analysis−Part 3 :
Determination of grain size distribution of microgrits P240 to P2500を基に,対応する部分については対応国際
規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定され
ていない規定内容(電気抵抗試験方法による規定)を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS R 6111に規定する人造研削材のうち,研磨布紙に使用する研磨材の粒度
について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6344-1 : 1998 Coated abrasives−Grain size analysis−Part 1 : Grain size distribution test (MOD)
ISO 6344-2 : 1998 Coated abrasives−Grain size analysis−Part 2 : Determination of grain size
distribution of macrogrits P12 to P220 (MOD)
ISO 6344-3 : 1998 Coated abrasives−Grain size analysis−Part 3 : Determination of grain size
distribution of microgrits P240 to P2500 (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を引用する。
JIS R 6011 研磨布紙用研磨材の粗粒の粒度試験方法
JIS R 6012 研磨布紙用研磨材の微粉の粒度試験方法
JIS R 6111 人造研削材
3. 粒度の種類 粒度の種類は,表1による。
2
R 6010 : 2000
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表1 粒度の種類
区分
粒度の種類
粗粒 P12 P16 P20 P24 P30 P36 P40
P50 P60 P80 P100 P120 P150
P180 P220
微粉 P240 P280 P320 P360 P400
P500 P600 P800 P1000 P1200
P1500 P2000 P2500
備考 粒度の表示の方法は,粒度を表す数字
の前にPを付けて示し,呼び方はピー
○○とする。
4. 粒度分布
4.1
粗粒 粗粒の粒度分布は,JIS R 6011に規定するふるい分け試験方法によって粒度測定を行い,Q1,
Q2,Q3,Q4,Q5及び∆Qが表2の規定に適合しなければならない。
表2 粗粒の粒度分布
粒度
1段網上量
1+2段累積網上量
1+2+3段累積網上量 1+2+3+4段累積網上量 1+2+3+4+5段累積網上量 5段ふるい
の網下量
1段ふるい
の目開き
Q1 2段ふるい
の目開き
Q2
3段ふるい
の目開き
Q3
4段ふるい
の目開き
Q4
5段ふるい
の目開き
Q5
∆Q
mm
μm
%
mm
μm
%
mm
μm
%
mm
μm
%
mm
μm
%
%
P12
3.35
−
0
2.36
−
1以下
2.00
−
14±4 1.70
−
61±9 1.40
−
92以上
8以下
P16
2.36
−
0
1.70
−
3以下
1.40
−
26±6 1.18
−
75±9 1.00
−
96以上
4以下
P20
1.70
−
0
1.18
−
7以下
1.00
−
42±8
−
850 86±6
−
710
96以上
4以下
P24
1.40
−
0
1.00
−
1以下
−
850
14±4
−
710 61±9
−
600
92以上
8以下
P30
1.18
−
0
−
850
1以下
−
710
14±4
−
600 61±9
−
500
92以上
8以下
P36
1.00
−
0
−
710
1以下
−
600
14±4
−
500 61±9
−
425
92以上
8以下
P40
−
710
0
−
500
7以下
−
425
42±8
−
355 86±6
−
300
96以上
4以下
P50
−
600
0
−
425
3以下
−
355
26±6
−
300 75±9
−
250
96以上
4以下
P60
−
500
0
−
355
1以下
−
300
14±4
−
250 61±9
−
212
92以上
8以下
P80
−
355
0
−
250
3以下
−
212
26±6
−
180 75±9
−
150
96以上
4以下
P100
−
300
0
−
212
1以下
−
180
14±4
−
150 61±9
−
125
92以上
8以下
P120
−
212
0
−
150
7以下
−
125
42±8
−
106 86±6
−
90
96以上
4以下
P150
−
180
0
−
125
3以下
−
106
26±6
−
90
75±9
−
75
96以上
4以下
P180
−
150
0
−
106
2以下
−
90
15±5
−
75 62±12
−
63
90以上
10以下
P220
−
125
0
−
90
2以下
−
75
15±5
−
63 62±12
−
53
90以上
10以下
備考
Q1:1段ふるいの網上量
Q2:1+2段ふるいの累積網上量
Q3:1+2+3段ふるいの累積網上量
Q4:1+2+3+4段ふるいの累積網上量
Q5:1+2+3+4+5段ふるいの累積網上量
∆Q:5段ふるいの網下量
4.2
微粉
4.2.1
微粉 (P240〜P1200) 微粉P240〜P1200の粒度分布は,JIS R 6012に規定する沈降試験方法によ
って測定し,粒子径ds−0,ds−3,ds−50及びds−95が表3の規定に適合しなければならない。
3
R 6010 : 2000
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表3 微粉 (P240〜P1200) の粒度分布
単位 μm
粒度 最大粒子径 累積沈降高さ 累積沈降高さ 累積沈降高さ
3%の粒子径
50%の粒子径 95%の粒子径
ds−0
ds−3
ds−50
ds−95
P240
110以下
81.7以下
58.5±2.0
44.5以上
P280
101以下
74.0以下
52.2±2.0
39.2以上
P320
94以下
66.8以下
46.2±1.5
34.2以上
P360
87以下
60.3以下
40.5±1.5
29.6以上
P400
81以下
53.9以下
35.0±1.5
25.2以上
P500
77以下
48.3以下
30.2±1.5
21.5以上
P600
72以下
43.0以下
25.8±1.0
18.0以上
P800
67以下
38.1以下
21.8±1.0
15.1以上
P1000
63以下
33.7以下
18.3±1.0
12.4以上
P1200
58以下
29.7以下
15.3±1.0
10.2以上
4.2.2
微粉 (P1500〜P2500) 微粉P1500〜P2500の粒度分布は,JIS R 6012に規定する沈降試験方法又
は電気抵抗試験方法によって測定し,沈降試験方法による場合は表4の規定,電気抵抗試験方法による場
合は表5に規定に適合しなければならない。
表4 微粉 (P1500〜P2500) の粒度分布(沈降試験方法による)
単位 μm
粒度 最大粒子径 累積沈降高さ 累積沈降高さ 累積沈降高さ
3%の粒子径
50%の粒子径 95%の粒子径
ds−0
ds−3
ds−50
ds−95
P1500
58以下
25.8以下
12.6±1.0
8.3以上
P2000
58以下
22.4以下
10.3±0.8
6.7以上
P2500
58以下
19.3以下
8.4±0.5
5.4以上
表5 微粉 (P1500〜P2500) の粒度分布(電気抵抗試験方法による)
単位 μm
粒度 最大粒子径 累積沈降高さ 累積沈降高さ 累積沈降高さ
3%の粒子径
50%の粒子径 95%の粒子径
ds−0.1
ds−3
ds−50
ds−95
P1500
30以下
20以下
9.7±0.8
5.5以上
P2000
20以下
15以下
7.5±0.6
4.0以上
P2500
18以下
13以下
6.0±0.4
3.0以上
4
R 6010 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS R 6010 : 2000 研磨布紙用研磨材の粒度
ISO 6344-1 : 1998
研磨布紙−粒度分布 第1部 粒度分布測定
ISO 6344-2 : 1998
研磨布紙−粒度分布 第2部 P12〜P220の粗粒
の粒度分布測定
ISO 6344-3 : 1998
研磨布紙−粒度分布 第3部 P240〜P2500の微
粉の粒度分布測定
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技
術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
(V)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
表示箇所:
表示方法:
本体,附属書
点線の下線又
は実線の側線
項目番号 内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
研磨布紙用研磨材
の粒度
ISO
6344
-1
1.
JISに同じ
IDT
−
2.粒度の
種類
粗粒,微粉の種類
について規定
ISO
6344
-1
3.
4.
JISに同じ
IDT
−
3.粒度分
布
粗粒,微粉の粒度
分布について規定
ISO
6344
-1
ISO
6344
-2
ISO
6344
-3
5.
4.
5.
4.
5.
粗粒,微粉の粒度分
布について規定
MOD/
追加
電気抵抗試験方法
を用いた場合の粒
度分布を追加して
いる。
電気抵抗試験方法が国内
で広く普及しているため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT ················ 技術的差異がない。
− MOD/追加 ····· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD ·············· 国際規格を修正している。
5
R 6010 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS R 6010(研磨布紙用研磨材の粒度)原案作成委員会 構成表
1. 本委員会
氏名
所属
(委員長)
日 高 重 助
同志社大学工学部
(委員)
真 鍋 隆
通商産業省生活産業局住宅建材窯業建材課窯業室
八 田 勲
工業技術院標準部材料機械規格課
橋 本 進
財団法人日本規格協会
植 木 正 義
株式会社光陽社
堀 禎 之
研削砥石工業会
鈴 木 睦 郎
研磨布紙協会
佐 藤 完 司
昭和電工株式会社
勝 男 正 克
大平洋ランダム株式会社
久 保 昌 昭
株式会社フジミインコーポレーテッド
(事務局)
山 崎 保
研削材工業協会
2. 分科会
氏名
所属
(委員長)
佐 藤 完 司
昭和電工株式会社
(委員)
勝 男 正 克
大平洋ランダム株式会社
久 保 昌 昭
株式会社フジミインコーポレーテッド
関 一 郎
日本カーリット株式会社
本 多 一 紀
信濃電気製錬株式会社
(事務局)
山 崎 保
研削材工業協会