R 5214
:2009
(1)
目 次
ページ
序文
1
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
用語及び定義
1
4
種類及び構成並びに用途
2
4.1
種類及び構成
2
4.2
用途
2
5
品質
2
5.1
一般事項
2
5.2
全アルカリ量の算出
2
6
原材料
3
6.1
クリンカー
3
6.2
せっこう
3
6.3
硫酸ナトリウム
3
6.4
石灰石
3
6.5
粉砕助剤
4
7
試験方法
4
7.1
密度,比表面積,凝結,安定性及び圧縮強さ
4
7.2
化学成分
4
8
塩化物イオン残存比の測定
4
9
検査
4
10
包装
4
11
表示
4
12
報告
4
附属書 A(規定)エコセメントの塩化物イオン残存比の測定方法
7
附属書 B(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表
8
附属書 C(参考)特許権等に関する情報
11
R 5214
:2009
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人セメント
協会(JCA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS R 5214:2003 は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,
附属書 C に示す特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意すること。
附属書 C に示す特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等
の実施を許諾等する意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者
に対しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等にかかわる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新
案登録出願をいう。
日本工業規格
JIS
R
5214
:2009
エコセメント
Ecocement
序文
この規格は,2002 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2003 年に
行われた。この規格は,都市部などで発生する廃棄物のうち主たる廃棄物である都市ごみを焼却したとき
に発生する灰を主とし,必要に応じて下水汚泥などの廃棄物を従としてエコセメントクリンカーの主原料
に用いて製造される資源リサイクル型セメントの一種であるエコセメントについて規定している。
エコセメントの名称は,エコロジーのエコとセメントとを併せて名付けたものである。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,エコセメントについて規定する。
なお,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を
附属書 B に記載する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS A 1144
フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法
JIS A 1203
土の含水比試験方法
JIS K 0557
用水・排水の試験に用いる水
JIS K 1434
硫酸ナトリウム
JIS M 8850
石灰石分析方法
JIS R 5201
セメントの物理試験方法
JIS R 5202
ポルトランドセメントの化学分析方法
JIS R 5204
セメントの蛍光 X 線分析方法
JIS R 9151
セメント用天然せっこう
JIS Z 1505
クラフト紙袋−セメント用
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
エコセメント
都市部などで発生する廃棄物のうち主たる廃棄物である都市ごみを焼却したときに発生する灰を主とし,
2
R 5214
:2009
必要に応じて下水汚泥などの廃棄物を従としてエコセメントクリンカーの主原料に用い,製品 1 t につき
これらの廃棄物を JIS A 1203 に規定される乾燥ベースで 500 kg 以上用いてつくられるセメント。エコセメ
ントは,その特徴によって普通エコセメント及び速硬エコセメントの 2 種類に分類される。
3.2
普通エコセメント
エコセメントの製造過程で脱塩素化させ,塩化物イオン量がセメント質量の 0.1 %以下のもの。普通ポ
ルトランドセメントに類似する性質をもつセメントである。
3.3
速硬エコセメント
塩化物イオン量がセメント質量の 0.5 %以上 1.5 %以下のもの。塩素成分をクリンカー鉱物として固定し
た速硬性をもつセメントである。
4
種類及び構成並びに用途
4.1
種類及び構成
エコセメントの種類は次の 2 種類とし,エコセメントの構成は
表 1 による。また,粉砕助剤の使用量は
エコセメントに対し,質量で 1 %未満とする。
a)
普通エコセメント
b)
速硬エコセメント
表 1−エコセメントの構成
単位 質量%
種類
クリンカー及び
せっこうの合量
クリンカー,せっこう及び
硫酸ナトリウムの合量
石灰石
普通エコセメント 95 以上 100 以下
−
0
以上 5 以下
速硬エコセメント
− 100 0
4.2
用途
速硬エコセメントの用途は,無筋コンクリートとする。
5
品質
5.1
一般事項
エコセメントの品質は,箇条 7 によって試験し,
表 2 の規定に適合しなければならない。
なお,安定性は,パット法又はルシャテリエ法のいずれかの規定に適合すればよい。また,
表 2 の全ア
ルカリ量は 5.2 によって算出する。
5.2
全アルカリ量の算出
全アルカリ量は,JIS R 5202 又は JIS R 5204 による化学分析の結果から,式(1)によって算出し,四捨五
入によって小数点以下 2 けたに丸める。
Na
2
Oeq=Na
2
O+0.658×K
2
O (1)
ここに, Na
2
Oeq: エコセメント中の全アルカリの含有率(%)
Na
2
O: エコセメント中の酸化ナトリウムの含有率(%)
K
2
O: エコセメント中の酸化カリウムの含有率(%)
3
R 5214
:2009
表 2−エコセメントの品質
品質
普通
エコセメント
速硬
エコセメント
密度
a)
g/cm
3
−
−
比表面積 cm
2
/g 2
500
以上 3
300
以上
始発 h-m 1-00 以上
−
凝結
終結 h-m 10-00 以下 1-00 以下
パット法
良
良
安定性
ルシャテリエ法 mm
10
以下 10 以下
1 d
− 15.0 以上
3 d
12.5
以上 22.5 以上
7 d
22.5
以上 25.0 以上
圧縮
強さ
N/mm
2
28 d
42.5
以上 32.5 以上
酸化マグネシウム 5.0 以下 5.0 以下
三酸化硫黄 4.5 以下 10.0 以下
強熱減量 5.0 以下 3.0 以下
全アルカリ 0.75 以下 0.75 以下
化学
成分
%
塩化物イオン 0.1 以下 0.5 以上 1.5 以下
注
a)
測定値を報告する。
6
原材料
6.1
クリンカー
エコセメントクリンカーは,都市ごみを焼却した灰を主とし,必要に応じて下水汚泥などの都市部など
で発生する廃棄物を従として原料に用い,その他石灰質原料,粘土質などの副原料を用いて成分調整し,
その一部が溶融するまで焼成したものとする。エコセメントクリンカーには,普通エコセメントクリンカ
ー及び速硬エコセメントクリンカーの 2 種類がある。
注記 エコセメントクリンカーの原料に用いられる都市ごみの焼却灰及び下水汚泥には,重金属類及
び有機化合物であるダイオキシン類を含むことがある。原料からもち込まれる重金属類の鉛,
銅,カドミウム,水銀などの大部分は,1 300 ℃以上の焼成工程で塩化物の形態でセメントク
リンカーから分離,冷却されてアルカリ塩化物とともにダストとしてバグフィルターで回収さ
れる。また,ダイオキシン類などの有害な有機化合物は,焼成工程において 800 ℃以上の高温
によって分解され,排ガス,ダスト及びセメントクリンカー中には残存しない。
6.2
せっこう
JIS R 9151
に規定するセメント用天然せっこう又はこれに準じるものとする。
6.3
硫酸ナトリウム
JIS K 1434
に規定する硫酸ナトリウム又はこれに準じるものとする。
6.4
石灰石
炭酸カルシウムの含有率が 90 %以上,かつ,酸化アルミニウムの含有率が 1.0 %以下の品質をもつ石灰
石。石灰石中の酸化アルミニウム含有率は,JIS M 8850 又は JIS R 5204 によって求める。石灰石中の炭酸
カルシウム含有率は,JIS M 8850 又は JIS R 5204 によって酸化カルシウム含有率を求め,式(2)によって炭
酸カルシウム含有率に換算する。
08
.
56
09
.
100
3
×
= CaO
CaCO
(2)
4
R 5214
:2009
ここに,
CaCO
3
:
石灰石中の炭酸カルシウムの含有率(
%
)
CaO
:
JIS M 8850
又は JIS R 5204 によって求めた石灰石中の酸化
カルシウム含有率(
%
)
6.5
粉砕助剤
セメントの品質に影響を及ぼさないことを確かめたものとする。
7
試験方法
7.1
密度,比表面積,凝結,安定性及び圧縮強さ
密度,比表面積,凝結,安定性及び圧縮強さの試験は,JIS R 5201 による。
7.2
化学成分
化学成分の試験は,JIS R 5202 又は JIS R 5204 による。ただし,塩化物イオンの測定は,JIS R 5202 の
箇条 21(塩素の定量方法)による。
8
塩化物イオン残存比の測定
エコセメントの塩化物イオン残存比
1)
の測定は,
附属書 A による。
注
1)
エコセメントの塩化物イオン残存比は“フレッシュコンクリート中の水に溶出しないエコセメ
ント中の塩化物イオンの割合(残存比)
”を示す。
9
検査
エコセメントの検査は,合理的な抜取方法によって試料を採取し,箇条 5 については箇条 7 によって試
験を行い,合否を決定する。
10
包装
エコセメントを包装する場合は,JIS Z 1505 に規定する紙袋を用いる。
11
表示
エコセメントを包装する場合は,袋の外面に次の事項を表示する。
なお,出荷日は,受渡当事者間の協定によって適切な形式の表示を記入することができる。
a)
名称
b)
種類
c)
正味質量
d)
製造業者名又はその略号
12
報告
生産者は,購入者から要求があった場合には,試験成績表を提出しなければならない。試験成績表の標
準様式は,
表 3 及び表 4 による。
なお,これらの表は,必要に応じて合併してもよい。
5
R 5214
:2009
表 3−試験成績表の標準様式
エコセメント試験成績表
年 月度
生産者名
株式会社
普通エコセメント
試験成績
品 質
JIS
規格値
平均値
標準偏差
最大値
(最小値)
密度 g/cm
3
−
−
−
比表面積 cm
2
/g 2
500
以上
−
水量 %
−
−
−
始発 h-m 1-00 以上
−
(最小値)
凝 結
終結 h-m 10-00 以下
−
最大値
パット法
良
−
−
安定性
ルシャテリエ法 mm 10 以下
−
最大値
3 d
12.5
以上
−
7 d
22.5
以上
−
圧縮強さ
N/mm
2
28 d
42.5
以上
−
酸化マグネシウム 5.0 以下
−
最大値
三酸化硫黄 4.5 以下
−
最大値
強熱減量 5.0 以下
−
最大値
全アルカリ 0.75 以下
−
最大値
化学成分
%
塩化物イオン 0.1 以下
−
最大値
平均値
標準偏差
最大値
塩化物イオン残存比
備考
連絡先
社 名 ・ 担 当
所
在
地
電 話 番 号
6
R 5214
:2009
表 4−試験成績表の標準様式
エコセメント試験成績表
年 月度
生産者名
株式会社
速硬エコセメント
試験成績
品 質
JIS
規格値
平均値
標準偏差
最大値
(最小値)
密度 g/cm
3
−
−
−
比表面積 cm
2
/g 3
300
以上
−
水量 %
−
−
−
始発 h-m
−
−
−
凝 結
終結 h-m 1-00 以下
−
最大値
パット法
良
−
−
安定性
ルシャテリエ法 mm 10 以下
−
最大値
1 d
15.0
以上
−
3 d
22.5
以上
−
7 d
25.0
以上
−
圧縮強さ
N/mm
2
28 d
32.5
以上
−
酸化マグネシウム 5.0 以下
−
最大値
三酸化硫黄 10.0 以下
−
最大値
強熱減量 3.0 以下
−
最大値
全アルカリ 0.75 以下
−
最大値
化学成分
%
塩化物イオン 0.5 以上 1.5 以下
−
最大値
備考
連絡先
社 名 ・ 担 当
所
在
地
電 話 番 号
7
R 5214
:2009
附属書 A
(規定)
エコセメントの塩化物イオン残存比の測定方法
A.1
測定方法
A.1.1
試料
試料は,JIS R 5201 の 4.(試料)によって採取し,調製したものを用いる。
A.1.2
水
測定に用いる水は,JIS K 0557 に規定する
A2
又は
A3
に適合するものを用いる。
A.1.3
セメントペーストの練混ぜ及び試料溶液の調製
試料
100 g
に水
50 g
を加え,手練りによって,
3
分間練り混ぜる。練り混ぜた後,直ちにセメントペー
ストの全量を吸引ろ過又は遠心分離する。得られたろ液又は上澄み液を十分に混合して試料溶液とする。
なお,練混ぜを行う試験室の温度は
20
±
2
℃とし,相対湿度は
50 %
以上とする。
A.1.4
試料溶液中の塩化物イオン量の測定
試料溶液中の塩化物イオン量の測定方法は,JIS A 1144 の箇条 4(分析方法)による。試料溶液から一定
量を質量で量り採り,その溶液中の塩化物イオン量の測定を行い,試料溶液中の塩化物イオン量を質量
%
として小数点以下
4
けたまで求める。
なお,測定は,同一試料溶液について
2
回行う。
試料溶液中の塩化物イオン量は,
2
回の測定の平均とし,四捨五入によって小数点以下
3
けたに丸める。
A.2
残存比の計算
エコセメントの塩化物イオン残存比は,式
(A.1)
によって算出し,四捨五入によって小数点以下
2
けたに
丸める。
C
P
C
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
×
−
=
100
50
α
(A.1)
ここに,
α
:
エコセメントの塩化物イオン残存比
P
:
試料溶液中の塩化物イオン量(
%
)
C
:
エコセメント中の塩化物イオン量(
%
)
附属書 B
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS R 5214:2009)
旧規格(JIS R 5214:2003)
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
改正理由
4.1
種 類 及
び構成
普通エコセメントの構成として,石灰石を
0
以上 5 以下(質量%)と規定。
速硬エコセメントの構成として,石灰石を
0
(質量%)と規定。
4.1
種類
構成は規定されていない。
一部の普通エコセメントにおいて,注水後の早
い時間にセメントペーストの軟度が低下する場
合があり,これを改善するため。
4.2
用途
速硬エコセメントの用途は,無筋コンクリ
ートとする。
4.2
用途
エコセメントの用途は,次による。
a)
普通エコセメント 用途は,無筋コン
クリート及び鉄筋コンクリート(
1
)
とする。
注(
1
)
ここでの鉄筋コンクリートとは,高
強度・高流動コンクリートを用いたものを
除く。
b)
速硬エコセメント 用途は,無筋コン
クリートとする。
この規格で用途制限を定めていると,新しい技
術が確立しても,当該用途には規格体系上使用
することができない。こうした状況を踏まえ,
今回の改正では普通エコセメントの用途制限に
関する規定が削除された。一方,法令,日本工
業規格,土木学会のコンクリート標準示方書,
日本建築学会の調合設計・施工指針(案)など
では現時点でも用途を制限している。したがっ
て,今回の改正によって普通エコセメントの用
途制限に関する規定が削除されても,それはす
べてのコンクリートに使用できることを意味す
るものではなく,普通エコセメントの使用に当
たっては適用性を調査の上,使用する必要があ
る。
速硬エコセメントについては塩化物イオン量が
0.5
%以上,1.5%以下と規定されており,鉄筋コ
ンクリートへの使用は鉄筋の腐食の観点から困
難であると判断し,引き続き,用途を制限して
いる。
8
R
521
4
:
2
009
現行規格(JIS R 5214:2009)
旧規格(JIS R 5214:2003)
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
改正理由
5
品質
普通エコセメントの強熱減量の規格値:
5.0 %
以下
5.
品質
普通エコセメントの強熱減量の規格値:
3.0 %
以下
少量混合成分として石灰石を最大で 5.0 %混合
した場合,強熱減量は 3.0 %を超える可能性があ
り,規定内容での矛盾をなくすため。
6
原材料
原材料として,クリンカー,せっこう,硫
酸ナトリウム,石灰石及び粉砕助剤を規定。
6.
原材料
原材料として,クリンカー,せっこう及び
硫酸ナトリウムを規定。
4.1
(種類及び構成)が規定され,エコセメント
の構成が明確になったため,構成に規定されて
いる材料を,原材料として明確に規定した。
6.4
石灰石
炭酸カルシウムの含有率が 90 %以上,か
つ,酸化アルミニウムの含有率が 1.0 %以
下の品質をもつ石灰石。
石灰石中の酸化アルミニウムの含有率及び
炭酸カルシウムの含有率の求め方を規定。
−
−
石灰石の品質を明確化した。規定内容は同時に
改正された JIS R 5210(ポルトランドセメント)
と同じである。
7
試験方法
7.1
密度,比表面積,凝結,安定性及び圧
縮強さの試験は,JIS R 5201 による。
7.2
化学成分の試験は,JIS R 5202 又は JIS
R 5204
による。ただし,塩化物イオンの測
定は,JIS R 5202 の箇条 21(塩素の定量方
法)による。
8.
試験
エコセメントの試験は,JIS R 5201,JIS R
5202
及び JIS R 5204 による。
試験項目ごとに適用する規格を明確化した。
8
塩化物イ
オン残存比
の測定
塩化物イオン残存比の測定方法を
附属書 A
に規定。
−
−
12
報告
試験成績表の普通エコセメントの標準様式
に塩化物イオン残存比の欄を追加。
12.
報告
−
旧規格の解説において,普通エコセメントの塩
化物イオン残存比は 0.7 の固定値として取り扱
うことが示されていた。しかし,実勢の残存比
は 0.7 より小さくなっており,この固定値を用
いて,普通エコセメントを用いたコンクリート
の塩化物イオン量の品質管理及び検査を実施し
た場合には,普通エコセメントを用いたコンク
リートの塩化物イオン量の品質管理値と実際の
コンクリート中の塩化物イオン量とがかい(乖)
離してしまう。そのため,塩化物イオン残存比
の測定方法を
附属書 A で規定した上で,その値
を試験成績表で報告することとした。
9
R
521
4
:
2
009
現行規格(JIS R 5214:2009)
旧規格(JIS R 5214:2003)
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
改正理由
−
− 7.
製 造 方
法
7.1
普通エコセメント 普通エコセメン
トは,普通エコセメントクリンカーに適量
のせっこうを加え,粉砕してつくる。なお,
粉砕するときに粉砕助剤を用いる場合は,
エコセメントの品質に悪影響を及ぼさない
ことを確かめなければならない。
その量は,
エコセメント質量の 1 %以下とする。
7.2
速硬エコセメント 速硬エコセメン
トは,速硬エコセメントクリンカーに適量
のせっこう及び硫酸ナトリウムを加え,粉
砕してつくる。なお,粉砕するときに粉砕
助剤を用いる場合は,エコセメントの品質
に悪影響を及ぼさないことを確かめなけれ
ばならない。その量は,エコセメント質量
の 1 %以下とする。
現行規格に,4.1(種類及び構成)を新たに追加
し,旧規格の製造方法の内容を置き換えたため,
この箇条は削除された。
10
R
521
4
:
2
009
11
R 5214
:2009
附属書 C
(参考)
特許権等に関する情報
この規格に関連する特許権等の情報を,次に示す。
氏名
住所
出願番号
発明の名称
出願日
5-345731
環境調和型水硬性組成物及びその
製造方法
平成 5.12.10
7-202404
セメントキルン排ガス中のダスト
の処理方法および装置
平成 7.8.8
7-301978
セメント製造方法及び製造装置
平成 7.10.25
8-22722
セメントプラントにおける脱硝装
置及び方法
平成 8.2.8
8-99302
セメントの製造方法
平成 8.3.28
9-94988
ロータリーキルン内壁面の付着物
除去方法
平成 9.3.28
10-81719
重金属含有廃棄物の処理方法
平成 10.3.27
10-83575
固化材
平成 10.3.30
10-104040
排ガス急冷装置、セメント及びセメ
ント系固化材の製造方法及び製造
装置
平成 10.3.31
10-184758
ダイオキシンの熱分解方法および
装置
平成 10.6.30
10-198923
セメントの湿式製造装置及び方法
平成 10.7.14
6-99057
キルン排ガスダストの処理法及び
その装置
平成 6.3.31
7-175073
焼却方法および装置
平成 7.7.11
9-72068
セメント組成物の製造方法
平成 9.3.25
10-18189
水硬性セメント組成物
平成 10.1.13
10-30646
空洞充填材
平成 10.1.27
10-83576
流動化埋め戻し用固化材
平成 10.3.30
10-198922
焼却灰の仮置方法
平成 10.7.14
11-233885
鉛・塩素の低減方法およびその装置 平成 11.8.20
2000-226624
モルタル・コンクリート製品および
その製造方法
平成 12.7.27
太平洋セメント株式
会社
東京都港区台場 2-3-5
台場ガーデンシティビル
2000-270189
コンクリート組成物およびその製
造方法
平成 12.9.6
10-33109
ロータリーキルンの操業制御方法
及び装置
平成 10.2.16
10-112078
ロータリーキルンへの原料挿入装
置及びその制御方法
平成 10.4.22
クリーンジャパンセ
ンター
太平洋セメント株式
会社
株式会社荏原製作所
麻生セメント株式会
社
東京都港区赤坂一丁目 9-20
第 16 興和ビル北館 6 階
東京都港区台場 2-3-5
台場ガーデンシティビル
東京都大田区羽田旭町 11-1
福岡県福岡市早良区百道浜
2-4-27
AI ビル 11 階
10-200658
セメント原料への塩素またはアル
カリ源の供給装置及び方法
平成 10.7.15