R 3416:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類及び製品の呼び方 ······································································································· 1
5 品質······························································································································· 1
6 外観······························································································································· 2
7 試験方法························································································································· 2
7.1 幅 ······························································································································· 2
7.2 密度(織り密度) ·········································································································· 2
7.3 厚さ ···························································································································· 2
7.4 長さ ···························································································································· 3
7.5 質量(1 m2当たりの質量) ······························································································ 3
7.6 外観 ···························································································································· 3
8 検査······························································································································· 3
9 包装······························································································································· 3
10 表示 ····························································································································· 4
附属書A(規定)処理ガラスクロスの種類及び品質 ···································································· 5
R 3416:2010
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,硝子繊維協会(GFA)
及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS R 3416:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 3416:2010
処理ガラスクロス
Finished textile glass fabrics
序文
この規格は,1966年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2003年に
行われたが,その後のJIS R 3414の改正に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,プラスチック(熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂など)の強化材として使用される処理ガラス
クロスについて規定する。この規格の処理ガラスクロスとは,JIS R 3414に規定するガラスクロス及びこ
れに準じるガラスクロスを用い,プラスチックの種類,用途などの使用目的に合致するよう,クリーニン
グ処理後,カップリング剤などで表面処理した織物とする。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 0101 テックス方式
JIS R 3410 ガラス繊維用語
JIS R 3414 ガラスクロス
JIS R 3420 ガラス繊維一般試験方法
JIS R 3911 補強用糸−線密度の試験方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 3410による。
4
種類及び製品の呼び方
処理ガラスクロスの種類及び種類を表す記号は,表A.1及び表A.2による。
なお,製品の呼び方は,表A.1及び表A.2による。
5
品質
処理ガラスクロスの品質は,箇条7によって試験を行ったとき,次の各項の規定に適合しなければなら
ない。
a) 幅 100 mm以上2 351 mm未満とし,表示に対する許容差は,表1による。
2
R 3416:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−幅の許容差
単位 mm
幅
許容差
100以上
901未満
+10
0
901以上
1 351未満
+15
0
1 351以上
2 351未満
+30
0
b) 密度(織り密度) たて糸及びよこ糸の25 mm又は10 mm間の密度(織り密度)は,表A.1及び表
A.2による。また,その許容差は,表2による。
表2−密度(織り密度)の許容差
密度(織り密度)
本/25 mm
許容差
本
密度(織り密度)
本/10 mm
許容差
本
20未満
±1.0
8未満
±0.4
20以上
±2.0
8以上
±0.8
c) 厚さ 厚さの許容差は,±15 %とする。
なお,厚さの中心値は,受渡当事者間の協定によるものとする。
d) 1巻の長さ 通常,30 m,50 m又はこれらの整数倍とする。ただし,受渡当事者間の協定がある場合
は,これ以外の長さとすることができる。1巻の中に継ぎ目のある場合は,1片の長さは10 m以上と
し,3片以下をもって1巻の長さとすることができる。
e) 質量(1 m2当たりの質量) “質量(1 m2当たりの質量)”の下限値は,表A.1及び表A.2による。
なお,A.1及びA.2に規定のない種類については,JIS R 3414の5. e)(1 m2当たりの質量)の計算
式によって算出した値を下限値とする。ただし,中心値を設けた場合,質量(1 m2当たりの質量)の
許容差は,±5 %とする。
なお,質量(1 m2当たりの質量)の中心値は,受渡当事者間の協定によるものとする。
6
外観
外観は,7.6によって試験したとき平均減点数は15以下とする。また,使用上重大な障害となる欠点が
あってはならない。主な外観の欠点は,JIS R 3414の表7による。
7
試験方法
7.1
幅
幅の測定は,JIS R 3420の7.7(クロスの幅及び長さ)による。
7.2
密度(織り密度)
密度(織り密度)の測定は,JIS R 3420の7.9(織り密度)による。
7.3
厚さ
厚さの測定は,JIS R 3420の7.10.1(クロスの厚さ)による。ただし,約75 mm以上の間隔をおいた5
か所について測定する。
3
R 3416:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.4
長さ
長さの測定は,JIS R 3420の7.7(クロスの幅及び長さ)による。
7.5
質量(1 m2当たりの質量)
質量(1 m2当たりの質量)の測定は,JIS R 3420の7.2(質量)による。JIS R 3420の7.2.5 a) 2)のクロ
ス1巻の正味質量から算出する場合は,JIS R 3420の7.7(クロスの幅及び長さ)によって求めたクロスの
幅及び長さの値を用いる。クロス1巻の正味質量は,その質量の1 000分の1以下の感量をもつはかりで
量り,有効数字3けたで表す。
7.6
外観
外観の試験は,目視又は同等の検知能力をもつ機器によって,処理ガラスクロス全長にわたり欠点検査
を行う。欠点は減点として扱い,処理ガラスクロス長さ100 m当たりの平均減点数として表す。また,減
点数は欠点を含む長さ方向1 mの範囲を減点範囲とし,複数個の欠点があっても減点数“1”とする。
なお,目視による場合には,欠点を判別できる明るさの照明の下で検査を行う。外観検査機の例を,図
1に示す。
図1−外観検査機の概念図(例)
8
検査
検査は,合理的な抜取検査方式によって試料を採取し,箇条7によって試験を行い,箇条5及び箇条6
の規定に適合しなければならない。ただし,合理的な理由がある場合は,受渡当事者間の協定によって検
査項目の一部を省略することができる。
9
包装
処理ガラスクロスは,つぶれないような強さをもった巻しんを用いたロール状のものを,処理ガラスク
4
R 3416:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ロスが損傷しないような適切な方法及び包装材を用いて包装する。
10 表示
処理ガラスクロスには,包装の見やすいところに,かつ,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) 規格番号
b) 種類を表す記号
c) 幅及び1巻の長さ
d) 継ぎ目のある場合にはその数
e) 製造業者名又はその略号
f)
製造年月又はその略号
5
R 3416:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
処理ガラスクロスの種類及び品質
A.1 処理ガラスクロスの種類(Eガラス)
処理ガラスクロスの種類(Eガラス)は,表A.1による。
表A.1−処理ガラスクロスの種類及び品質(Eガラス)
種類を表
す記号a)
番手b), c)
tex
密度(織り密度)
質量(1 m2
当たりの質
量)の下限値
g/m2
組織
(織り組織)
本/25 mm
本/10 mm
たて
よこ
たて
よこ
たて
よこ
EPF03D
5.6
2.8
60
52
24.0
20.8
17
平織
EPF03F
5.6
5.6
39
70
15.6
28.0
22
平織
EPF03E
5.6
5.6
56
56
22.4
22.4
23
平織
EPF03G
5.6
5.6
60
30
24.0
12.0
18
平織
EPF03A
5.6
5.6
60
35
24.0
14.0
20
平織
EPF03B
5.6
5.6
60
51
24.0
20.4
23
平織
EPF04A
11.2
5.6
48
30
19.2
12.0
26
平織
EPF05A
11.2
5.6
60
35
24.0
14.0
32
平織
EPF05B
11.2
11.2
55
49
22.0
19.6
44
平織
EPF06
11.2
11.2
60
46
24.0
18.4
44
平織
EPF06B
11.2
11.2
70
60
28.0
24.0
54
平織
EPF08D
16.5
16.5
60
62
24.0
24.8
72
平織
EPF08A
22.5
11.2
60
64
24.0
25.6
77
平織
EPF08B
22.5
22.5
39
39
15.6
15.6
65
平織
EPF08C
22.5
22.5
42
42
16.8
16.8
70
平織
EPF09F
22.5
11.2
70
70
28.0
28.0
88
平織
EPF09A
22.5
22.5
54
49
21.6
19.6
87
平織
EPF09B
33.7
33.7
20
20
8.0
8.0
47
平織
EPF09E
33.7
33.7
30
25
12.0
10.0
66
平織
EPF09C
33.7
33.7
30
30
12.0
12.0
73
平織
EPF09D
33.7
67.5
20
10
8.0
4.0
47
平織
EPF10A
22.5
22.5
60
58
24.0
23.2
99
平織
EPF10C
22.5
22.5
62
58
24.8
23.2
101
平織
EPF10D
22.5
22.5
65
55
26.0
22.0
101
平織
EPF10B
22.5
33.7
43
39
17.2
15.6
83
平織
EPF10E
33.7
33.7
33
33
13.2
13.2
80
平織
EPF11F
33.7
33.7
40
32
16.0
12.8
88
平織
EPF11C
33.7
33.7
42
32
16.8
12.8
92
平織
EPF11D
67.5
67.5
13
13
5.2
5.2
63
平織
EPF11E
67.5
67.5
16
15
6.4
6.0
76
平織
EPF12D
33.7
67.5
30
20
12.0
8.0
83
平織
EPF12E
67.5
67.5
19
17.5
7.6
7.0
90
平織
EPF12C
67.5
67.5
19
19
7.6
7.6
94
平織
EPF13C
33.7
33.7
60
50
24.0
20.0
138
平織
EPF13B
67.5
67.5
25
25
10.0
10.0
121
平織
6
R 3416:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−処理ガラスクロスの種類及び品質(Eガラス)(続き)
種類を表
す記号a)
番手b), c)
tex
密度(織り密度)
質量(1 m2
当たりの質
量)の下限値
g/m2
組織
(織り組織)
本/25 mm
本/10 mm
たて
よこ
たて
よこ
たて
よこ
EPF14A
45.0
45.0
42
40
16.8
16.0
137
平織
EPF15C
45.0
45.0
46
42
18.4
16.8
146
平織
EPF15B
45.0
45.0
46
45
18.4
18.0
151
平織
EPF15D
45.0
45.0
49
42
19.6
16.8
151
平織
EPF16C
45.0
67.5
40
36
16.0
14.4
157
平織
EPF16A
67.5
67.5
32
25
12.8
10.0
139
平織
EPF16D
101.2
101.2
17.5
17.5
7.0
7.0
131
平織
EPF17B
101.2
101.2
19
19
7.6
7.6
142
平織
EPF18A
67.5
67.5
42
32
16.8
12.8
184
平織
EPF18B
67.5
67.5
44
32
17.6
12.8
191
平織
EPF19C
74.0
74.0
42
31
16.8
12.4
194
平織
EPF20
135.0
135.0
18
18
7.2
7.2
178
平織
EPF21A
135.0
135.0
19
18
7.6
7.2
184
平織
EPF21B
135.0
135.0
19
19
7.6
7.6
189
平織
EPF21C
33.7
337.5B
16
10
6.4
4.0
132
平織
EPF23
67.5
135.0
42
23
16.8
9.2
215
平織
EPF24
135.0
135.0
25
24
10.0
9.6
246
平織
EPF25
135.0
135.0
32
21
12.8
8.4
257
平織
EPF28A
135.0
135.0
32
25
12.8
10.0
293
平織
EPF30D
135.0
135.0
30
29
12.0
11.6
297
平織
EPF30E
135.0
135.0
32
27
12.8
10.8
297
平織
EPF30A
270.0
270.0
15
15
6.0
6.0
293
平織
EPF30B
270.0
270.0
16
15
6.4
6.0
304
平織
EPF33
270.0
270.0
11
11
4.4
4.4
210
平織
EPF35B
337.5
337.5
9
9
3.6
3.6
210
平織
EPF37B
404.9
404.9
9
9
3.6
3.6
251
平織
EPF38A
270.0
270.0
20
19
8.0
7.6
378
平織
EPF38B
337.5
337.5
10
10
4.0
4.0
236
平織
EPF40B
404.9
404.9
10
10
4.0
4.0
283
平織
EPF40C
472.5
472.5
8
8
3.2
3.2
256
平織
EPF42
337.5
337.5
16
16
6.4
6.4
394
平織
EPF44
540.0
540.0
8
8
3.2
3.2
314
平織
ESF07
22.5
11.2
65
33
26.0
13.2
69
朱子織
ESF09A
22.5
22.5
60
58
24.0
23.2
99
朱子織
ESF11B
45.0
22.5
54
30
21.6
12.0
115
朱子織
ESF13
67.5
22.5
50
30
20.0
12.0
150
朱子織
ESF13D
67.5
22.5
52
30
20.8
12.0
150
朱子織
ESF15A
67.5
33.7
57
30
22.8
12.0
175
朱子織
ESF16
101.2
22.5
46
25
18.4
10.0
193
朱子織
ESF22A
67.5
67.5
54
52
21.6
20.8
267
朱子織
ESF22B
67.5
67.5
57
54
22.8
21.6
281
朱子織
ESF22C
135.0
33.7
46
26
18.4
10.4
262
朱子織
ESF23
135.0
33.7
50
25
20.0
10.0
282
朱子織
7
R 3416:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−処理ガラスクロスの種類及び品質(Eガラス)(続き)
種類を表
す記号a)
番手b), c)
tex
密度(織り密度)
質量(1 m2
当たりの質
量)の下限値
g/m2
組織
(織り組織)
本/25 mm
本/10 mm
たて
よこ
たて
よこ
たて
よこ
ESF46
135.0
135.0
54
48
21.6
19.2
513
朱子織
ESF64
270.0
270.0
43
36
17.2
14.4
785
朱子織
ETF22
67.5
67.5
54
55
21.6
22.0
275
あや織
ETF26
67.5
67.5
77
39
30.8
15.6
293
あや織
ETF33
168.5
168.5
30
30
12.0
12.0
366
あや織
ETF45
270.0
270.0
34
22
13.6
8.8
562
あや織
ETF46
135.0
135.0
47
34
18.8
13.6
420
あや織
注a) 種類を表す記号は,JIS R 3414の製品の呼び方に処理ガラスクロスの記号“F”を付け加えて呼ぶ。
例 E P F 05 B
糸の番手の違い及び密度(織り密度)の違いを示すための任意の記号
厚さを示す記号(JIS R 3414の厚さで小数点以下の数値で表す。)
処理ガラスクロスを示す記号
組織(織り組織)を示す記号(平織はP,朱子織はS,あや織はT)
ガラスの種類を示す記号(EガラスはE,CガラスはC)
b) JIS L 0101によるテックス(tex)を表し,この値はJIS R 3911の8.3(サイズされた試験片での試験)又はJIS
R 3911の8.2(脱サイズした試験片での試験)による。
c) 番手のよこに記載されているBは,バルキー加工糸をいう。
A.2 処理ガラスクロスの種類(Cガラス)
処理ガラスクロスの種類(Cガラス)は,表A.2による。
表A.2−処理ガラスクロスの種類及び品質(Cガラス)
種類を表
す記号a)
番手b)
tex
密度(織り密度)
質量(1 m2
当たりの質
量)の下限値
g/m2
組織
(織り組織)
本/25 mm
本/10 mm
たて
よこ
たて
よこ
たて
よこ
CPF12
70.0
70.0
19
18
7.6
7.2
98
平織
CPF22
140.0
140.0
19
18
7.6
7.2
196
平織
注a) 表A.1の注a)による。
b) 表A.1の注b)による。
参考文献 ISO 1887,Textile glass−Determination of combustible-matter content
ISO 1889,Reinforcement yarns−Determination of linear density
ISO 2113,Reinforcement fibres−Woven fabrics−Basis for a specification
ISO 3374,Reinforcement products−Mats and fabrics−Determination of mass per unit area
ISO 4602,Reinforcements−Woven fabrics Determination of number of yarns per unit length of warp
and weft
ISO 4603,Textile glass−Woven fabrics−Determination of thickness
ISO 4604,Textile glass−Woven fabrics−Determination of conventional flexural stiffness−Fixed
angle flexometer method
ISO 5025,Reinforcement products−Woven fabrics−Determination of width and length