R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,硝子繊維協会(GFA)
/財団法人 日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS R 3410:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
R 3410:2006
(3)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
3.1 ガラスの基本 ················································································································ 2
3.2 ガラス繊維製造工程(ガラス溶融及び紡糸) ······································································· 2
3.3 ガラス繊維加工工程 ······································································································· 4
3.4 ガラス繊維製品 ············································································································· 7
3.5 検査及び試験 ··············································································································· 13
3.6 品質 ··························································································································· 18
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
R 3410:2006
ガラス繊維用語
Glossary of terms relating to textile glass
1. 適用範囲 この規格は,ガラス長繊維及びその製品において用いる主な用語について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1321 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法
JIS C 6480 プリント配線板用銅張積層板通則
JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法
JIS L 1096 一般織物試験方法
JIS R 3103-1 ガラスの粘性及び粘性定点 − 第1部:軟化点の測定方法
JIS R 3411 ガラスチョップドストランドマット
JIS R 3412 ガラスロービング
JIS R 3413 ガラス糸
JIS R 3414 ガラスクロス
JIS R 3415 ガラステープ
JIS R 3416 処理ガラスクロス
JIS R 3417 ガラスロービングクロス
JIS R 3420 ガラス繊維一般試験方法
JIS R 3421 集じん用処理ガラスクロス
JIS R 3425 表面ばり用ガラスクロス
ISO 472:1999 Plastics ‒ Vocabulary
3. 定義 用語及び定義は,3.1から3.6による。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考1. 用語に丸括弧が付いている場合,括弧内は,読み又は同異義語などを示す。
2. 対応英語に丸括弧がついている場合,括弧内は,省略することができる。
3. 用語及び対応英語において,二つ以上の字句を並べた場合は,その記載の順に従って優先使用
する。
4. 用語の並べ方は,六つの項目別に分類した後,各項目の中を五十音順とした。
5. 索引は使用の便宜を考えて日本語索引及び英語索引を併記した。
2
R 3410:2006
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3.1
ガラスの基本
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
Eガラス
はん用繊維用ガラス。電気絶縁性に優れている。アルカリ
(Na2O,K2O)含有率が,2.0 %以下の組成のガラス。無アル
カリガラスともいう(JIS R 3413参照)。
E-glass
1002
ECRガラス
電気絶縁性と耐酸性の両方に優れた繊維用ガラス。
ECR-glass
1003
ARガラス,ARG 耐アルカリ性に優れた繊維用ガラス。セメント強化用に用いら
れる。
alkali resistant glass
AR-glass
1004
Aガラス
アルカリを多く含む繊維用ガラスの一つ。含アルカリガラスと
もいう。ガラス短繊維に用いられる。
A-glass
1005
Sガラス
高強度繊維用ガラス。
S-glass
1006
Cガラス
アルカリを多く含む繊維用ガラスの一つ。耐酸性に優れる。一
般的に5~20 %程度のアルカリ酸化物(Na2O+K2O)を含む。含
アルカリガラスともいう。
C-glass
1007
Dガラス
低誘電率の繊維用ガラス。
D-glass
1008
軟化点
近似的にこれより低い温度では,そのガラスのほとんどの成形
操作が不可能な温度。一般的にはJIS R 3103-1により測定され
る。
softening point
1009
ベアガラス
マッフル炉で625±25 ℃,15分間熱処理し,正味質量をはか
るために脱油,脱サイジングしたガラス(JIS R 3420参照)。
bare glass
3.2
ガラス繊維製造工程(ガラス溶融及び紡糸)
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
アプリケータ
紡糸工程で繊維束に集束剤又はバインダを付着させるための
装置。バインダアプリケータともいう。
applicator
binder applicator
2002
アプリケータロ
ーラ
サイズをフィラメントに転写塗布するための円筒状のローラ。
回転させ,サイズをフィラメントに塗布するのが一般的。
applicator roller
2003
あや(綾)振り幅 ワインダにストランドをあや(綾)がけしながら巻き取るとき
のあや(綾)がけ幅。
traverse stroke
2004
エアバブラ
ガラスをつくるとき,均質なガラスにするため,溶解炉内の溶
融ガラスを炉底から発生させた気泡によりかくはん(攪拌)す
るための空気供給装置。
air bubbler
2005
窯,炉
ガラス溶融窯(炉),又は溶解炉。
furnace
2006
ガラス組成
ガラスを構成する成分の百分率。一般の化学式では表現できな
いため,通例は酸化物の形式で記述する。
glass composition
2007
ガラスマーブル
マーブル
再溶融紡糸法(MM法)に用いるガラス原料。通常は球状であ
るが,ペレット状などのものもある(2014参照)。
glass marble
2008
ガラス溶解窯,
ガラス溶解炉,
ガラス溶融窯,
ガラス溶融炉
組成調合した原料(バッチ)を溶解して,均質なガラスを作る
ための装置。耐火物でつくった炉又は窯と呼ばれる箱型の装置
で,重油,ガス,電気などを加熱熱源として利用する。
glass melting furnace
2009
カレット
ガラス溶融時に原料に加えて使用される廃ガラス繊維及び廃
ガラス。
cullet
3
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2010
ギャザリングシ
ュー
紡糸工程で,紡糸繊維を1本又は複数本のストランドに束ねる
ための部材。ギャザリングホイールともいう。同じ機能をもつ
部材として,ギャザリングコムがある。
gathering shoe
gathering wheel
gathering comb
2011
クーリングフィ
ン,
冷却フィン
紡糸工程で,ブッシングノズルから流下する溶融ガラスを均一
に冷却するための金属製の板状水冷冷却装置。
cooling fin
2012
ケーキ,ケーク
紡糸工程で,ブッシングから繊維化された直後のストランドを
巻き取った,筒状に巻かれた糸の塊。
cake
2013
ケーキ水分率
巻取り機で巻き取った糸の塊(ケーキ)の含水率。
cake water content
2014
原料ガラス
マーブルメルティング法(MM法)用ガラス原料。あらかじめ
溶融炉で溶解し,マーブル又はペレット状に成形し,取り扱い
やすくなっている(2007参照)。
glass marble
2015
合ねん(撚)機
糸を引きそろえてよ(撚)りをかける機械。
doubling and twister
2016
コレット
紡糸工程でブッシングから繊維を高速で巻き取る回転ドラム。 collet
2017
サイジング剤
サイズに使用される液剤(2020参照)。
fiber size
sizing agent
2018
サイズ
紡糸工程で繊維を保護するために付与される塗布剤。カップリ
ングサイズ(プラスチックサイズ),でんぷん(澱粉)系サイズ
がある。一次サイズとも呼ばれる。
size
primary saize
2019
集束剤
紡糸工程で紡糸した単繊維をストランドに束ねるために塗布
するもの(2018,2033参照)。
size
binder
2020
集束本数
繊維束を構成する単繊維の本数。
number of filaments
2021
ダイレクトカッ
ト法
紡織用繊維を紡糸工程で繊維化後,巻き取らずに直接連続的に
カットするチョップドストランドの製造方法。
direct cutting method
2022
ダイレクトチョ
ッパ
紡糸工程で繊維化直後の繊維を巻き取らずに直接連続的にカ
ットするための切断装置。
direct chopper
2023
ダイレクトチョ
ップドストラ
ンド
紡糸工程で繊維化直後の繊維を巻き取らずに直接連続的にカ
ットする方法で生産したチョップドストランド。
direct chopped strand
2024
ダイレクトメル
ティング法,
DM法
ガラス溶融炉に直接紡糸装置を多数接続して紡糸する方法。大
量生産向きの方式。マーブルメルティング(MM)法と比較し
て直接紡糸法という。
direct melting method
2025
チップ
ブッシングに付いている突起状ノズル。
tip
2026
チューブ
紡糸工程で繊維を巻き取るための筒。コレットに装着する。
forming tube
2027
トラバース
ワインダにストランドをあや(綾)がけしながら巻き取るとき
のあや(綾)振り装置。
traverse
2028
生原料
調合する前の個々の成分に対応したガラス原料。
raw materials
2029
ねん(撚)糸機
糸によ(撚)りをかける機械。
twister
2030
廃ガラス繊維
ガラス繊維の製造工程で発生するくずガラス繊維。
waste glass fiber
2031
廃ガラス繊維の
再生
廃ガラス繊維の再利用。通常はガラス原料として再使用する操
作を指す。カレット参照(2009参照)。
recycling of waste
glass fiber
2032
パイプクーラ
ブッシングノズルから流下する溶融ガラスを均一に冷却する
ための装置。中空のパイプ状をしており,内部に水を流して冷
却する。ブッシングクーラともいう。
pipe coollar
2033
バインダ
結合剤
紡糸工程で主にロービングに使われる集束剤のこと(2019参
照)。一次バインダとも呼ばれる。
binder
size
binding agent
2034
バッチ
目的組成のガラスを作るために組成調合された原料。
batch
2035
フォアハース
ガラス溶融炉の下流側に位置し,ブッシングにガラス素地を分
forehearth
4
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
配する装置。分配槽ともいう。
2036
ブッシング
紡糸するための白金製装置。箱状白金容器の底部に多数のノズ
ルがあり,溶融ガラスを上部からノズルを通して流下させ繊維
化する装置。
bushing
2037
ブッシングブロ
ック
溶融ガラス供給炉又はフォアハースに設けられた耐火物製の
ブッシング取付け口。
bushing block
2038
プラスチックサ
イズ
ガラス繊維の界面と樹脂との結合をよくするためのカップリ
ング表面処理剤を使用したサイズ。
plastic size
2039
紡糸
採糸
ブッシングを用いて溶融ガラスから繊維を連続的につくる操
作。
fiber forming
fiberizing
2040
紡糸機
紡糸工程でブッシング下部で,繊維を巻き取る装置。巻取機と
もいう。
forming winder
2041
紡糸溶融窯
ガラス原料を溶融した後,接続したブッシングからガラスを引
き出し直接繊維化する方式の窯。ダイレクトメルティング
(DM)法の窯。
direct melt furnace
2042
ボビン
糸を巻き取り保管するための巻きしん(芯)。又は,巻きしん
に糸を巻きつけた製品。
bobbin
2043
巻取機
ブッシングノズルから流れ落ちる溶融ガラスを連続的に高速
で巻き取る機械。巻き取った姿はケーキ状又はロービング状に
なる。紡糸機ともいう。
winder
2044
マーブル成形機
溶融ガラスからガラスマーブルを成形する機械。
marble machine
2045
マーブルメルテ
ィング法,
MM法
繊維製造方法の一つ。ガラス溶解炉で別につくった球状又はペ
レット状ガラスを紡糸装置内で再溶融しながら繊維化する方
法。
marble melting method
2046
ミルクボトルボ
ビン
糸巻きしんの一つのタイプ。下部に大きなつばのあるしん。糸
を巻き終わった形状がミルクボトルに似ていることから名前
がついた。又は糸を巻いたそのものをいうこともある。
milk bottle bobbin
2047
ヤーンサイズ
紡糸工程から織物工程までの加工性,作業性を容易にするため
に設計されたヤーン用表面処理又は表面処理剤。一般的には,
主成分にでんぷんのり(糊),合成のり(糊)を使う。用途によって
はカップリング表面処理剤を使用することがある。
textile size
size for yarn
2048
冷修
ガラス溶融炉又は紡糸炉で,ガラスが固化してしまう常温まで
冷却して炉材の交換や補修を行う操作。大掛かりな修理。
cold repair
2049
ワインド比
コレットとあや(綾)掛け機との回転比率。
collet-to-traverse speed
ratio
3.3
ガラス繊維加工工程
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
荒巻整経機
織物を作る前工程で,たて糸を準備するための機械。たて糸を
織物のピッチより広い間隔で平行にかつ均一な張力で引きそ
ろえ,けたに巻き取って準備する機械。
beam warper
3002
エアージェット
織機
織機の一つ。よこ糸入れのときにエアージェットを用いるタイ
プの織機(3020参照)。
air jet loom
3003
おさ(筬)
織機の部品の一つ。たて糸を規定の密度に配列し,たて糸の開
口部に通されたよこ糸を押し付け,織物の密度を高くするくし
状の用具。
reed
5
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3004
おさ(筬)打ち
織物をつくるとき,よこ入れされた糸を織り前に押し付け織物
の織密度を高める工程。
beating
3005
おさ(筬)通し
織物を作るために,あらかじめ,たて糸をおさ(3003参照)に
通す作業。
reed drawing-in
entering
3006
織り方
織物を構成するたて糸とよこ糸の交錯状態の違いをつくりだ
す方法。織機の動かし方。指定された組織(3028参照)に基づ
いて織機を動かすことで,織物が作られる。
weave
3007
カップリング剤
複合材料を作るとき,樹脂などのマトリックスと繊維界面の結
合状態を改善するための薬剤。複合材の性能,物性に大きく影
響する。シラン系化合物が主流である。
coupling agent
3008
カップリングサ
イズ
樹脂などのマトリックスと繊維界面の結合状態を改善する薬
剤を含む繊維への塗布剤。一般的に紡糸工程で塗布する。また,
次工程以下の作業性,加工性,保存性などを改善するための機
能をもつ他の薬剤を多種混合する。
coupling size
plastic size
size for plastic
reinforcement
3009
含浸
マトリックスとなる液状樹脂などを織物,マットなどの繊維基
材組織又は構造のすき間にしみ込ませる操作。
impregnation
3010
含水処理
含水形チョップドストランドを作るための乾燥チョップドマ
ットへの加水処理。
wet treatment
3011
クリーニング処
理
生機(きばた)を使用目的に合致した表面処理をする前に,洗
剤,溶剤又は加熱によって集束剤を除去することによって清浄
な状態に戻す処理。
cleaning treatment
3012
クリール
糸をつかって二次加工するとき,給糸用糸巻を取り付けておく
架台。
creel
3013
ゲル化
熱硬化性樹脂が硬化する途中段階でゼリー状になる現象。
gelation
3014
コロナイジング
生機(きばた)を炉中を通して,集束剤を半焼きにする処理。 coronizing
3015
サイズ
二次サイズ
製織工程のダメージからたて糸を保護する目的でたて糸に付
着された薬剤(集束剤)。二次サイズとも呼ばれる。
size
secondary size
3016
仕上げ剤
使用目的に合致し,目的性能を向上させるための表面処理剤。 finish
coupling finish
finishing agent
3017
斜文織
組織の一つ。たて糸又はよこ糸の浮が,斜めに続いてうね状の
線(斜文線という。)をつくる組織。あや織ともいう(3028参
照)。
twill weave
3018
朱子織
組織の一つ。たて糸とよこ糸の交錯点が一定の間隔で配置し
た,浮き糸が多い組織。浮きの程度によって,5枚朱子織又は
8枚朱子織などがある(3028参照)。
satin weave
3019
準備
整経・糊付・引通し工程の総称。製織するための準備工程。
Preparation
3020
織機
織物をつくるための機械の総称。あらかじめ準備した多数のた
て糸を,平行に機台上に張り,これによこ糸を組織にしたがっ
て直行に交錯させて織物を織る機械。織機の種類は,有ひ(杼)
織機と無ひ(杼)織機との2種類に大別され,シャトル織機,レ
ピア織機,エアージェット織機(3002参照),ウォータージェ
ット織機,ニードル織機などがある。
Loom
3021
処理
ガラスクロスとマトリックス樹脂との界面親和性を向上させ
るために,脱油したガラスクロスに表面処理剤を塗布し,付着
させる操作。
Finishing
3022
シラン系表面処
理剤
表面処理剤の一つ。分子中にSiO構造と有機官能基をもってい
る化合物。
silane coupling agent
3023
シラン処理
複合材料をつくるとき,繊維表面とマトリックスの樹脂,ゴム
などとの界面結合性を向上させるためシラン系表面処理剤で
silane treatment
silane finishing
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R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
処理する操作。
3024
整経
製織準備のために,個々のたて糸を規定の本数・長さ・幅に均
整配列してビームに巻き上げる工程。
warping
3025
整経機
製織準備のために,個々のたて糸を規定の本数・長さ・幅に均
整配列してビームに巻き上げる装置。
warper
3026
製織
あらかじめ準備した多数のたて糸を,平行に機台上に張り,こ
れによこ糸を組織にしたがって直行に交錯させて織物を作る
工程。
weave
3027
接着
継ぎ目と同じ(3032参照)。
splice
3028
組織
織物を形成するたて糸とよこ糸の組合せ方。たて糸とよこ糸が
立体的に直角に交差することを組織するといい,この交錯の状
態を組織,又は織物組織という。組織には,たて糸がよこ糸の
上に浮く交錯の仕方と,たて糸がよこ糸の下に沈む交錯の仕方
がある。組織は多数存在するが,その基礎となるのは平織,斜
文織,朱子織の3種類の組織であり,これを三元組織という。
textile design
3029
脱油
原反(生機)に付着した集束剤を除去する操作。温水を使って洗
い落とす方法と熱焼却する方法とがある(3039参照)。
desizing
3030
たて(経)糸
織物を構成する長手方向の糸。
warp
end
3031
調合
集束剤・表面処理剤に複数の薬剤を配合し,混合物をうる操作。 mixing
3032
継ぎ目
一巻の織物製品で,織物をつなぎ合わせたもののつなぎ部分。 joints
3033
トランスファテ
イル
ボビンで,外側に出してある糸の巻き始めの部分。製織でよこ
糸に使用する場合,これを次のボビンの巻き終わり部分と接続
することで,連続使用が可能になる。
transfer tail
3034
熱可塑性樹脂
各樹脂固有の温度範囲で加熱による軟化及び冷却による硬化
を繰り返すことができる樹脂の総称。軟化状態で成形し,冷却
によって形状を固定する。実用樹脂の過半をしめる。
thermoplastics
3035
熱硬化性樹脂
一般的には粘性液体で,加熱,触媒,光又は放射線などで硬化
させる樹脂の総称。硬化したものは不融で不溶性である。ガラ
ス繊維系複合材料のマトリックスとして多用する。
thermosetting resins
3036
のり(糊)付け
サイズをたて糸に付着させる操作。
sizing
3037
マットバインダ
結合剤
チョップドストランドマット,コンティニュアスストランドマ
ット,サーフェイスマットなどの形状をしっかり保持する目的
で,ストランド又はフィラメント同士を結合するための塗布
剤。二次バインダとも呼ばれる。
binder
secondary binder
mat binder
binding agent
3038
引通し
準備工程で織機部品のドロッパ・ヘルド・おさ(筬)にたて糸を
通す操作。
drawing
3039
ヒートクリーニ
ング
糸又は織物に付着している集束剤を加熱することで分解させ,
焼却除去し,清浄な繊維表面をつくる方法。
heat cleaning
3040
ビームドヤーン
大形円筒形運搬用糸巻き枠(ビーム)に並行に巻き上げられて
いる織物のたて糸。
beamed yarn
3041
表面処理
脱油したガラスクロスに,目的に合致した表面処理剤を付着さ
せる操作。
surface treatment
finishing
3042
表面処理剤
繊維表面の性質を改質するための薬剤を複合した複雑な混合
薬液。摩擦に弱い繊維を被覆保護するための薬剤,帯電防止の
ための薬剤,複合材としたときにマトリックスとの界面結合性
を改善するための薬剤などを製品の使用目的に合致するよう
に組み合わせてつくる。また,目的を達成後クリーニング処理
により除去する場合もある。
size
coupling finish
finish
finishing agent
7
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3043
平織
組織の一つ。たて糸とよこ糸が一本ごとに交錯し浮沈する組織
(3028参照)。
plain weave
3044
フェザータイプ
耳組織
ジェットルーム又はグリッパ織機のような無ひ(杼)織機によ
って形成される織物の両端部(耳部)組織。羽毛状になってい
るのが特徴。
feather selvage
3045
房耳
フェザータイプ耳組織で形成された織物の両端部(耳部)。
feathered edges
FE
3046
部分整経機
織物を作る前工程で,たて糸を準備するための機械。たて糸の
総本数の1/n本の糸をn回ドラムに巻き取り,準備する機械。
sectional warper
3047
ボックス型脱油
機
集束剤を,巻物の姿のまま1回1回加熱脱油方式で脱油する機
械。バッチオーブン。
batch oven
3048
ポリエステルパ
ウダ
マットなどを構成する繊維束同士の結合に用いる粉状樹脂。加
熱により接着する。ビスフェノール系アルキッド樹脂を用い
る。
polyester powder
3049
巻しん
ガラスクロス製品を巻き取るしん。紙しん,プラスチックしん
などがある。
core tube
3050
耳
マット,織物などにおいて,製造した状態のままで,整形して
いない幅方向の両端部。
selvage
3051
耳カット
ガラスクロスの両端耳部(フェザータイプ耳組織)に樹脂を塗
布した後,製品規格幅にカットする操作。
sealed edges
SE
coating cut
3052
模しゃ(紗)織
組織の一つ。たて・よこに透かし目を作り,からみ織りの外観
に類似させたもの(3028参照)。
mock leno weave
3053
よこ(緯)糸
織物を構成する幅方向(横方向)の糸。
fill yarn
filling yarn
weft yarn
3054
連続型脱油機
クロスを連続的に炉(3055参照)の中を通すことで,原反(生
機)に付着している集束剤を加熱脱油する機械。カルメライジン
グともいう。
carmelizing
3055
炉
脱油機において,ガラスクロスを加熱する部分。
oven
3056
ワープサイズ
製織工程において,特に,たて糸を機械的損きずから保護し,
かつ,ヤーンサイズと親和性をもつように設計されたサイズ。
textile size
size for warp
3.4
ガラス繊維製品
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
編物
糸の連続的ループを組み合わせて作ったシート状又は円筒状
組成物。
knitted fabric
4002
荒目地クロス
たて糸の間隔及びよこ糸の間隔を広くとり,開口部の大きな織
物。スクリム織物に同じ(4062参照)。
woven scrim
4003
Eガラスクロス
Eガラスを用いて製造された織物。電気絶縁性に優れた特性を
示す(JIS R 3416参照)。
E-glass fabric
4004
一方向織物
一方向の強度を高めるために,たて糸又はよこ糸の密度を極端
に大きくし,これと交差する方向の糸の密度を小さく,かつ,
比較的細い糸を用いた織物。
unidirectional fabrics
4005
ウエットチョッ
プドストラン
含水処理により水を含ませたチョップドストランド。
wet chopped strand
8
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ド
4006
ウエブ
シート状に配列した繊維の集合体。
web
4007
SMC
チョップドストランド又はチョップドストランドマットに樹
脂を含浸させたシート状の半製品。Sheet Molding Compoundの
略。
sheet molding
compound
4008
FRTP
繊維基材と熱可塑性樹脂の組合せによる複合材料の総称。Fiber
Reinfored Thermoplasticsの略。
(glass) fiber reinforced
thermoplastics
4009
FRP
繊維基材と熱硬化性樹脂の組合せによる複合材料の総称。Fiber
Reinfored Plasticsの略。
(glass)fiber reinforced
(thermosetting)plastics
4010
オーバレイマッ
ト
ガラス糸又は紡織糸を目を粗く接着させた不織シート。ベール
ともいう。
overlay mat
veil
4011
織物
クロス
糸をたてとよこにおき,一定の方式に従って交錯させたもの。
織物はそれぞれ平行に並べられたたて糸とよこ糸が立体的に
交錯してできており,そのほとんどが直行している。
textile fabric
cloth
woven fabric
4012
織物用ガラス
ガラスで作られ,ガラス糸(連続フィラメント糸)又は紡織糸
(ステープルファイバ糸)を基にしたすべての織物製品をいう
一般用語(ISO 472:1999参照)。
textile glass
4013
かさ(嵩)高糸
ガラス糸を構成する単繊維同志が平行状態でなく,絡み合い,
乱れた状態で引きそろえられた占有容積の大きな糸。
textureized yarn
4014
飾り糸
一般の糸と外観がかなり異なるよう加工した装飾用特別糸。
fancy yarn
novely yarn
4015
ガラス糸
ガラスヤーン
ヤーン
多数のガラス単繊維をよ(撚)りまとめて糸状にしたもの。さ
らに,これらを複数よ(撚)り合わせたねん(撚)糸(4084
参照)と撚り合わせずに引きそろえた合糸(4044参照)を含ん
だ総称。略して糸,ヤーンということがある(JIS R 3413参照)。
glass yarn
textile glass yarn
yarn
4016
ガラスクロス,
ガラス布
ガラス糸を用いた織物。略してクロス,布ということがある
(JIS R 3414参照)。
glass fabrics
4017
ガラスコード
ガラス糸又は紡績糸を用い,合ねん(撚)加工又は編組加工に
よりつくるひも状製品。略してコードということがある。
glass cord
4018
ガラスステープ
ル糸,
ガラスステープ
ルヤーン
綿状のガラス短繊維を紡績して糸状にしたもの。スライバヤー
ン(4067参照)。
glass staple yarn
4019
ガラスステープ
ルヤーンクロ
ス
ガラスステープル糸を用いたかさ(嵩)高な織物。略してステ
ープルクロスということがある。
glass staple yarn
fabrics
staple cloth
4020
ガラスストラン
ド
紡糸ノズルから引き出した複数のガラス単繊維を直接引きそ
ろえて集束した繊維束。単繊維の本数は数十本から数千本のも
のがある。略してストランドということがある。
glass strand
strand
4021
ガラススリーブ
糸を管状に編んだ製品。
glass sleeve
4022
ガラス繊維強化
プラスチック
FRP,FRTPに同じ(4008及び4009参照)。
glass fiber reinforced
plastics
glass fiber reinforced
thermo plastics
9
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4023
ガラス短繊維
繊維長の短い綿状のガラス繊維。溶融ガラスに高圧蒸気や圧縮
空気を吹き付けて溶融ガラスを吹き飛ばし繊維化する方法,溶
融ガラスを高速回転スピナで遠心力で飛ばし繊維化する方法,
ガラス棒の先端部を火炎で溶融しながら吹き飛ばし繊維化す
るなどの方法でつくる。
glass wool
glass staple fiber
4024
ガラス中繊維
紡糸直後に約3 mに切断したガラス繊維。主として鉛蓄電池用
に使用するガラス繊維で,日本独自の呼称。
---
4025
ガラス長繊維
溶融ガラスをブッシングと呼ばれる白金製ノズルを通して流
下させ引き伸ばし,連続的に繊維化する操作によりつくる繊
維。
continuous glass fiber
continuous filament
textile fiber
4026
ガラスチョップ
ドストランド
ガラスストランド(4020参照)を規定の長さに切断したもの。
繊維束長が1.5〜25 mmのもの及びマット用の50 mmのものが
ある。
glass chopped strand
4027
ガラスチョップ
ドストランド
マット
約50 mm長のガラスチョップドストランドを無方向に均一な
厚さに積み重ね,結合剤を用いてマット状に成形したもの。
glass chopped strand
mat
4028
ガラステープ
幅100 mm以下の平織帯状織物(JIS R 3415参照)。
glass tapes
4029
ガラス縫い糸
ガラス繊維製の縫い糸。
glass sewing thread
4030
ガラスパウダ
粉末状ガラス。樹脂の充てん材に用い,寸法精度,硬さ,耐熱
性などを改善する。繊維を粉砕したもの,繊維を極く短く切断
したもの(ミルドファイバ),フレークを粉砕したもの,塊を
粉砕したものなどがある。
glass powder
4031
ガラス不織布
連続又は切断した単繊維を無方向に分散させ,繊維同士を接着
剤で固定してつくる比較的薄いシート状の製品。マットと混同
されることがある。
non-woven glass fabric
4032
ガラスフレーク
薄片状ガラス。繊維と同様にアスペクト比の大きな形状材料。
複合材料の樹脂中への充てん材に用い耐食性及び反り防止性
を向上させる。
glass flake
4033
ガラスペーパ
ガラスチョップドストランド用い,抄造して紙状にしたもの。
略してペーパという。
glass paper
4034
ガラスマット
連続又は切断したストランドを無方向に分散させ,ストランド
同士を接着剤で固定してつくる比較的厚さのあるシート状の
もの。略してマットという。
mat
glass mat
4035
ガラスロービン
グ
ロービング
繊維又は繊維束を引きそろえたもの。構成単繊維の本数や太さ
の異なる多くのものがある。ブッシングの大形化によって,引
きそろえる操作をせずに,直接一度に多数の単繊維を紡糸して
つくるものをダイレクトロービング(4074参照)という。
glass roving
roving
4036
ガラスロービン
グクロス
ロービングクロ
ス
ガラスロービングを用いた織物。略してロービングクロスとい
う(JIS R 3417参照)。
woven glass roving
woven roving
4037
乾式ろ過
気体の中から固体粒子を分離する操作。
dry type filtration
4038
含水形
一般の乾燥タイプではなく,一定の含水量をもつチョップドス
トランド。
wet type
4039
生機
(きばた)
織り上げたままの織物。
Greige
4040
基布
樹脂などを含浸させ,複合材料をつくるための基材となる織
物。
glass fabrics for
reinforcement
4041
組ひも(紐)
すべての糸が長手方向に斜めに交差するように編組したテー
プ状又は管状のもの。
Braid
10
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4042
ケースメント
薄地のカーテン用織物。厚手のものはドレープカーテン(4082
参照)。
Casement
4043
ケーブルヤーン
複数の糸をよ(撚)り合わせた太い糸。
cabled yarn
4044
合糸
複数の糸をよ(撚)りをかけずに引きそろえた糸。合糸ヤーン
ともいう。
doubled yarn
multiple wound yarn
4045
合糸数
合糸を構成する糸の本数。
number of strand
4046
合ねん(撚)糸
複数の糸を引きそろえてよ(撚)りをかけた糸。
doubling & twisted
yarn
4047
コーテッドヤー
ン
使用目的に合致するよう樹脂,ゴムなどで被覆した糸。着色糸
など。
coated yarn
4048
コード
多数の糸をよ(撚)り合わせたケーブルを更により合わせるか,
組ひもにした綱状の製品。
cord
4049
コンティニュア
スストランド
マット
連続したストランドを均一な厚さに積み重ね,結合剤を用いて
マット状に形成したもの。スワールマットともいう。
continuous strand mat
4050
コンティニュア
スフィラメン
ト/ステープル
ファイバ織物
通常,たて糸に通常糸,よこ糸に紡績糸を用いてつくった織物。 continuous filament /
staple fiber woven
fabric
4051
コンティニュア
スフィラメン
ト織物
たて糸,よこ糸ともに通常糸を用いた織物。
continuous filament
woven fabric
4052
先染糸
(さきぞめいと)
織る前に着色した糸。
colored yarn
4053
サーフェイスマ
ット
単繊維を無方向に均一な厚さに積み重ね,結合剤を用いて薄い
マット状に成形したもの。通常15〜100 g・m-2でFRPの表面層
に表面平滑性向上,耐食性向上などの目的で使用される。単繊
維マット又はフィラメントマットともいう。
surfacing mat
4054
ジーイーフォー
ガラスクロスを基材としたエポキシ樹脂銅張積層板の規格を
表す記号。NEMA(米国電機工業会)のG-10に対応する(JIS
C 6480参照)。
GE4
G-10
4055
集じん用クロス
集じん機用乾式ろ過装置のろ過布用織物。ろ過布に適合するよ
うに処理したものを処理クロスという(4086参照)。
fabrics for bag filter
4056
集じん用処理ガ
ラスクロス
Eガラスクロスを用い,集じん機用乾式ろ過装置のろ過布に適
合する処理を施した織物(JIS R 3421参照)。
finished glass cloth for
bag filter
4057
処理ガラスクロ
ス
生機(きばた)を使用目的に合致するよう,クリーニング処理
後,シランカップリング剤の処理などで表面処理をした織物。
finished glass cloth
4058
処理ガラステー
プ
使用目的に合致するよう,クリーニング処理後,シランカップ
リング剤の処理などで表面処理をしたテープ。
finished glass tapes
4059
処理クロス
処理ガラスクロスに同じ(4057参照)。
finished fabrics
4060
シリカファイバ
二酸化けい素(SiO2)の含有率が96 %以上のガラス繊維。石
英ガラスファイバなど。
silica fiber
4061
スクリム織物
たて糸及びよこ糸双方の間隔を広く置いた,編み目の粗い織
物。
woven scrim
4062
ステープルファ
イバ
綿状のガラス単繊維を紡績して糸状にしたもの。
staple fiber
staple yarn
discontinuous fiber
4063
ステープルファ
イバ織布
たて糸及びよこ糸にステープルファイバ(4062参照)を用いて
織った織物(ISO 472:1999参照)。
staple fiber woven
fabric
11
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4064
スパンロービン
グ
ロービングを形成するために,それ自身の上に繰り返し折り曲
げられ,ときには1又は2以上のまっすぐなストランドによっ
て強化されたガラス繊維ストランド。
spun roving
4065
スプリットスト
ランド
一つのブッシングから紡糸した繊維を,一本の繊維束にせずに
分割して複数の繊維束にして巻取機で巻き取った製品。
split strand
4066
スライバ
よ(撚)りのないかさ高の単繊維。高圧ガス噴射流によって紡
糸する。
sliver
4067
スライバヤーン
スライバによ(撚)りをかけてつくる糸。
sliver yarn
4068
スリーブ
ガラス糸で筒ひも状に編み上げた組織。中は空洞になってい
て,柔軟性に優れ,保護材又は断熱用途に使われる(ISO
472:1999参照)。
sleeving
4069
スワールマット
コンティニュアスストランドマットに同じ(4049参照)。
swirl mat
4070
石英ファイバ
石英ガラスでできた耐熱性に優れた繊維。純SiO2溶融紡糸繊
維。
quarts fiber
4071
積層板
シート状繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させたものを複数枚
積み重ねて硬化してつくる板状複合材料。
laminated sheet
4072
繊維
アスペクト比(厚さ又は直径に対する長さの比)が大きいこと
を特徴とする材料。細長い材料。
fiber
4073
双糸
2本の繊維束をよ(撚)り合わせた糸。
plied yarn
4074
ダイレクトロー
ビング
合糸によらず,紡糸工程で大形ブッシングを用い,直接多数の
繊維を1本に巻き取ったロービング。ダイレクトワインドロー
ビングともいう(4020参照)(4035参照)。
direct roving
direct winding roving
4075
単糸
単一ストランドによ(撚)りをかけたもの。
single yarn
4076
中空ガラス繊維
パイプ状の繊維。断熱機能,緩衝機能などが期待される。
hollow glass fiber
4077
チュービング
折りたたみ幅が,100 mmより大きい管状の織物又は編物(4021
参照)。
tubing
4078
チョップドスト
ランド
ガラスチョップドストランドに同じ(4026参照)。
chopped strand
4079
チョップドマッ
ト
ガラスチョップドストランドマットの略称。
chopped strand mat
4080
電気絶縁用ガラ
ステープ
電気絶縁性に優れた,Eガラス製テープ。
electric nsulating glass
tapes
4081
ドレープカーテ
ン
厚地のカーテン用織物。
curtain drapery
4082
ニードルマット
長さ約50 mmのチョップドストランドを無方向に均一な厚さ
に積み重ね,針打ちによってマット状にまとめたもの。
needled mat
needle punched mat
4083
縫い糸
単糸から製造され,通常,高いよ(撚)り数をもつ強く滑らか
な織物用糸(4029参照)(ISO 472:1999参照)。
sewing thread
4084
ねん(撚)糸
よ(撚)りをかけた糸。よ(撚)り糸。
twisted yarn
plied yarn
folded yarn
4085
ハイシリカ繊維
Eガラスを化学処理してSiO2成分を96 %以上とした耐熱性繊
維。
96 % silica glass fiber
4086
バグフィルタ
気体中の粉じんをろ別する集じん装置において,粉じんをろ別
するためのフィルタ。袋状をしている。
bag filter
12
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4087
パッケージ
巻戻しができ,かつ,取扱い,貯蔵,輸送及び使用に都合がよ
い単位の糸,ロービングなど。
備考 パッケージは,かせ又はケーキのように支持具のない
ものと,ボビン,コップ,コーン,パーン,スプール,
チューブ又はビームの上に巻き上げた形態のものと
がある。
package
4088
バルキー加工糸
エアージェットなどでかさ高に加工した糸。テキスチャードヤ
ーンともいう。
bulked yarn
textured yarn
4089
BMC
熱硬化性樹脂に硬化剤,充てん(填)剤,顔料,増粘剤を配合
し,チョップドストランドと混練した成形材料。不飽和ポリエ
ステル樹脂を用いる。Bulk Molding Compoundの略。
bulk molding
compound
4090
引きそろえ糸
2本以上引きそろえて,よ(撚)りをかけていない糸。合糸(ヤ
ーン)に同じ(4044参照)。
paralleled yarn
4091
表面張り用ガラ
スクロス
ガラスウール及びロックウールからなる保温材,吸音材などの
表面にはる,Eガラス糸による簡易な織物(JIS R 3425参照)。
textile glass fabrics for
surfacing
4092
フィラメント
ブッシングから紡糸されたストランドを構成する一本一本の
繊維。
filament
4093
フィルタクロス
バグフィルタ用織物。
filter cloth
4094
不飽和ポリエス
テル樹脂積層
板
代表的な熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂をマト
リックスとした積層板。
unsaturated polyester
resin laminated
sheet
4095
プリプレグ
熱硬化性樹脂をマトリックスに用いた複合材料の半製品。樹脂
の硬化を途中(Bステージ)に止めたもの。これを用いて最終
成形後,硬化を進め製品を完成させる。
prepreg
pre-impregnation
4096
ビィーファイバ
極細繊維の呼称。単繊維呼び直径が,3 μmのもの。記号は
Bで表す。
B- Fibers
4197
ボンデッドマッ
ト
鋼管などの外面の防食に用いる薄いマット。
bonded mat
4198
膜構造建築
外装材料に膜材料を用いた建築方式。骨格構造物に膜をかぶせ
たりワイヤでつったりしたサスペンション膜構造,風船のよう
に膨らませた空気膜構造などがある。
membrane structure
4199
膜材料
膜構造建築に使われる外装材料。大面積又は大空間の膜材料と
してガラスクロスに樹脂をコーティングしたものが使われる。
materials for
membrance
structure
4100
マット
ガラスマットに同じ。
mat
4101
マルチフィラメ
ント
多くの単繊維から構成される糸。
multifilament
4102
耳付きテープ
幅が100 mm未満の耳付きの帯状織物。
tape with selvage
4103
耳付き細幅布
幅が100〜300 mmの耳付きの帯状織物。
narrow fabri with
selvage
4104
耳なしテープ
幅が100 mm未満の耳を除去した帯状織物。
tape without selvage
4105
耳なし細幅布
幅が100〜300 mmの耳を除去した帯状織物。
narrow fabric without
selvage
4106
ミルドファイバ
ストランドを極く短い長さに粉砕又は切断してつくったガラ
ス繊維製品。
milled fibers
4107
無ねん(撚)ロー
ビング
無よ(撚)りのロービング。ノンツイストロービングともいう。 no twist roving
4108
モノフィラメン
ト
紡糸した繊維一本。単繊維。
monofilament
13
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4109
ろ布
液体又は気体の中から固体粒子をろ過して分離するのに用い
る織物。
filter cloth
3.5
検査及び試験
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5001
厚さ
シート状製品の評価値の一つ。厚さ方向の寸法。単位はmm(JIS
R 3420参照)。
thickness
5002
アルカリ含有率
ガラスの組成評価値の一つ。ガラス中のアルカリ(Na2O,K2O)
の含有量の質量分率(%)(JIS R 3420参照)。
alkali content
5003
異物
ガラス繊維及び製品に本来存在しない物質。
foreign inclusions
foreign material
5004
ウエットアウト
複合材料をつくるとき,繊維基材を樹脂などのマトリックスで
含浸する工程で,繊維束間から繊維束を構成する単繊維間まで
樹脂が完全に浸透した状態。含浸完了状態。
wet-out
5005
ウエットスルー
複合材料をつくるとき,繊維基材を樹脂などのマトリックスで
含浸する工程で,樹脂が繊維束表面をぬらし,まだ繊維束を構
成する単繊維間まで浸透していない状態。ウエットアウト
(5004参照)の前段階。不完全含浸状態。
wet-through
5006
Sよ(撚)り
糸のよ(撚)り方向が左ねじ方向のよ(撚)り。Zよ(撚)り
(5041参照)の逆。
S-twist
5007
MIT形試験機
製品評価のための試験機の一つ。織物の耐折強さを測定する
(JIS R 3420参照)。
MIT type tester
5008
エレメンドルフ
形引裂強さ試
験機
製品評価のための試験機の一つ。ペンジュラム法による織物の
引裂き強さを測定する(JIS R 3420参照)。
tear strength testing
machine of
Eremendolf type
5009
エンド
ヤーン,ロービングを構成する単繊維。織物のたて糸。ワープ
ともいう。
end
warp
5010
エンド数
ヤーン,ロービングを構成する単繊維の本数。織物のたて糸本
数。
end count
5011
汚染用グレース
ケール
染色堅ろう度試験用用具。白布に生じた汚染の程度を判定する
のに用いる標準見本。
grey scale for
assessing staining
5012
織物分解鏡
織物の組織,密度などを調べるための用具。拡大鏡。
textile-fabric
magnification glass
5013
開差率
測定値と規格値との差の絶対値を規格値で除して,100倍した
値。よ(撚)り数,番手の品質評価に用いる(JIS R 3420参照)。
percentage of deviation
5014
かさ密度
物質の質量を,その物質の空げきを含むかさ容積で除して求め
た値。
bulk density
5015
カット長
チョップドストランドを構成する繊維束の切断長さ。
cut length
5016
カテナリ
ロービングの評価の一つ。均一性を評価する。ロービングを構
成する繊維束同士の張力のばらつき度合い。ロービングを十数
メートルに切断し,その両端を固定して張り,水平に張られた
繊維束1本1本をほぐしたとき,中央部での繊維束の垂れ下が
り程度。
catenary
5017
ガラス含有率
ガラス繊維を基材とする複合材で,その中に含まれるガラス質
量の百分率。
glass content
5018
乾摩擦堅ろう度
カーテン織物の評価値の一つ。カーテン地の摩擦に対する染色
堅ろう度。
color fastness to
rubbing (dry type)
14
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5019
強熱減量
乾燥した試料を規定の条件で加熱したときの質量減少分率
(%)。処理剤の付着量などをこれで評価する(JIS R 3420参
照)。
loss on ignition
ignition loss
combustible matter
content
volatile content
5020
グレースケール
染色堅ろう度試験の判定に用いる標準見本(スケール)。変退
色及び汚染の度合いを調べる(JIS R 3420参照)。
grey scale for
assessing change in
color
5021
検反機
検査機の一つ。織物を巻き返しながら品質検査を行う機械。
grading frame
inspection machine
5022
検ねん(撚)機
検査機の一つ。糸のよ(撚)り数を調べる機械(JIS R 3420参
照)。
twist counter
5023
恒量
質量に関する試験の判断値。規定時間間隔で質量を測定し,そ
の前後の質量差が後の質量の規定値(通常は0.1 %)以内とな
った状態。
constant weight
5024
光量測定装置
発煙係数を求めるために用いる測定装置(JIS A 1321参照)。
light quantity
measuring apparatus
5025
残炎時間
カーテンなどの燃焼試験方法の一つ。試験片を加熱着炎後,バ
ーナーを取り去ってから炎をあげて燃える状態が止むまでの
経過時間。
after flame time
5026
残じん時間
カーテンなどの燃焼試験方法の一つ。試験片を加熱着火後,バ
ーナーを取り去ってから炎をあげずに燃える状態が止むまで
の経過時間。
after glow time
5027
湿潤状態
試料を水中に規定の時間又は水分が規定量率になるまで浸漬
し,十分に給水させた状態。
wet condition
5028
クロス質量
ロール質量
カット質量
ものの重さ。質量の単位はキログラム(kg)。ガラスクロス1 m2
当たりの重さ。ロール質量及びカット質量がある。単位質量と
もいう。
mass
mass per unit area
basic weight
5029
集煙箱
発煙量(単位面積当たりの発煙係数)を測定するために加熱炉
の上部に設置して煙を捕集する箱。煙かくはん装置及び光量測
定装置を備えている(JIS A 1321参照)。
smoke collecting box
5030
収縮率
ものの元の寸法に対する縮み又は伸びの度合い。元の長さに対
する百分率で表す。
shrinkage percentage
5031
シングルタング
法
クロスの引裂強さを測定する方法の一つ。短冊状の試験片の短
辺中央に切れ目を入れて試験を行う(JIS R 3420参照)。
single tongue method
5032
水分率
試料に含まれている水分量。乾燥減量の質量分率(%)で表す
(JIS R 3420参照)。
moisture content
5033
スチレン溶解性
ガラス繊維に付与された結合剤のスチレンモノマーに対する
溶解性。ガラス繊維基材の不飽和ポリエステル樹脂に対するな
じみやすさを表す(JIS R 3411参照)。
styrene solubility
5034
ストランド解束
性
複数の繊維束を引きそろえたロービングで,加工工程で再び繊
維束1本,1本に分離するタイプの製品における分かれやすさ
の度合い。ストランド分割率ともいう(JIS R 3412参照)。
strand dispersibility
strand splitting
efficency
strand splitting ratio
5035
ストランド結合
力
複数の単繊維で構成されている繊維束の集束剤による結束力。 strand integrity
5036
ストランドの硬
さ
繊維束の曲げに対する剛直性。
strand stiffness
5037
ストランド番手
繊維束の太さを表す数値。
strand count
strand tex
15
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5038
積層板の曲げ強
さ
ガラス繊維基材の強化特性の代表特性の一つ。積層板の,曲げ
荷重によって破断する場合の最大応力。MPa又はGPaの単位で
表す(JIS R 3420参照)。
bending strength of
laminated sheet
5039
絶縁抵抗
絶縁物に一組の電極を取り付け,この間に直流電流を加えると
試料の表面と内部の両方に電流が流れる。加えた電圧を全電流
で除した値を絶縁抵抗といい,オーム(Ω)又はメガオーム(M
Ω)の単位で表す。
insulation resistance
5040
接着数
継ぎ目の数。
splice
5041
Zよ(撚)り
よ(撚)り方向が右ねじ方向のよ(撚)り。Sよ(撚)り(5006
参照)の逆。
Z-twist
5042
染色堅ろう度
着色材料を色相変化(変退色)させる日光又はSOx・NOxなどの
ガスに対する堅ろう性。通常,変退色の程度を1級から5級ま
でクラス分けして数値表示している。
color fastness
5043
洗濯堅ろう度
染色物の退色の,洗濯に対する強さ(JIS R 3420参照)。
color fastness to
washing
5044
線密度
脱油して加熱炉で乾燥したガラス糸の単位長さ当たりの質量
(ISO 472:1999参照)。
linear density
5045
耐光堅ろう度
染色物の変色の,各種の光に対する強さ。
color fastness to light
5046
耐折強さ
試験片を一定の張力のもとで繰り返し折り曲げるときの耐久
性。破断するまでの往復回数を用いて表す(JIS R 3420参照)。
folding endurance
5047
たて糸引裂き強
さ
織物の試験片のたて糸を切断した場合の引裂き強さ。
warp tear strength
5048
ダブルタング法
クロスの引裂き強さを測定する方法の一つ。短冊状の試験片の
短辺を3等分する位置に切れ目を入れて試験を行う(JIS R
3420参照)。
double tongue method
5049
炭化面積
繊維製品の燃焼性試験方法において,燃え残った試験体の炭化
した面積。炭化面積の大小は材料の難燃性を示す一つの尺度
(JIS L 1091参照)。
carbonized area
5050
単繊維直径
単繊維の直径。単繊維の太さ(JIS R 3420参照)。
diameter of single fiber
5051
単繊維の呼び径
繊維束を構成する単繊維の平均直径を表す符号(JIS R 3413参
照)。
nominal diameter of
mono-filament
nominal diameter of
filaments or staple
fibres
5052
通気度
織物又は不織布などの通気性材料の通気の程度を表す尺度。通
気度試験で空気の透過量を測定する。単位はcm3・cm-2・s-1で表
す(JIS L 1096参照)。
air permeability
5053
定速荷重形
荷重試験で荷重を規定の割合で増加させる方式。CRL型ともい
う(5070参照)。
constant rate loading
type
5054
デシケータ
乾燥状態をつくりだす器具。内部に乾燥剤を入れることができ
る密閉容器。試験片などを保管するのに用いる。
desicator
5055
テックス
糸の太さを表す単位。1 000 m当たりのグラム数。
tex
5056
トラペゾイド法
クロスの引張強さを測定する方法の一つ。台形状の試験片の短
辺中央に切れ目を入れて試験を行う(JIS R 3420参照)。
trapezoid method
5057
トリミング用具
規定の形状の試験片を切り取るための用具。ナイフ,はさみ,
カッターなど。
trimming tail
5058
燃焼性
燃えやすさ。燃えやすさの程度。
flammability
5059
伸び
ひずみの一種で材料を引っ張った場合に起こる変形。普通,材
料の伸びの量と元の長さとの比を百分率で表す。
elongation
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R 3410:2006
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
5060
発煙係数
材料の難燃性試験方法において,発煙量を数値化したもので,
難燃性を級別に分類する係数(JIS A 1321参照)。
emitting smoke factor
5061
破裂強さ
均一な張力を加えて保持されているクロスの面に,ゴム膜を介
して圧力を加え試験片が破れるときの圧力をいう。N/cmの単
位で表す。
bursting strength
5062
番手
サイズの有無にかかわらず,ガラス繊維糸の単位長さ当たりの
質量。単位はテックス(5055参照)(JIS R 3420参照)。
count
5063
番手開差率
番手の平均値と規格値との差の絶対値を規格値で除して百分
率で表した値(JIS R 3420参照)。
percentage of yarn
count deviation
5064
番手変動率
番手の標準偏差を番手の平均値で除して百分率で表した値
(JIS R 3420参照)。
coefficient of yarn
count variation
5065
万能試験機
材料及び製品の複数の機械的強度測定ができる機械。普通,引
張強さ,圧縮強さ,曲げ強さなどが測定できる。
universal testing
machine
5066
引裂き強さ
クロスに切れ目を入れ,その切れ目から試験片を引っ張ってち
ぎるときの引張強さ。単位はN。
tears
5067
比強度
単位密度当たりの引張強さ。一般に,規定の温湿度条件におい
て測定した引張強さ(MPa)を密度(N/m3)で除して表す。他
の材料との性能比較に有効。
specific tensile
strength
5068
比弾性率
単位密度当たりの弾性率。一般に,規定の温湿度条件において
測定した弾性率(MPa)を密度(N/m3)で除して表す。他の材
料との性能比較に有効。
specific modulus
5069
引張強さ
引張荷重によって破断するまでの最大応力。ガラス織物の場合
は,最大荷重を試験片の元の断面積で除した値をいい,MPa又
はGPaの単位で表す。ガラス糸,ロービングの場合はテックス
当たりの荷重として表す。単位はN/Tex(JIS R 3420参照)。
tensile strength
5070
非定速荷重型
荷重増加が定速ではない方式。定速伸長型(CRE)と定速トラバ
ース型(CRT)とがある(5053参照)。
inconstant rate loading
type
5071
標準状態
試験片や製品の評価値を公平に保つため,測定環境条件を定め
たもの。試験を行う場所の温度及び湿度が,規定の標準温度及
び標準湿度に保持されている状態。
standard atmospheric
conditions
5072
フラジール形試
験機
織物の通気性を測定する試験機。
frajour type testing
machine
5073
プラニメータ
機械的に面積を測定する装置。面積計。
planimeter
5074
ブルースケール
染色堅ろう度試験で,試験片と比較判定するのに用いる標準青
色染布。
blue scale
5075
ペンジュラム法
クロスの引裂強さを測定する方法の一つ。短冊状の試験片の中
央部に長辺と直角に両端部を残し切れ目を入れ試験を行う
(JIS R 3420参照)。
pendulum method
5076
変退色
製品の色の劣化。
change in color
5077
曲げ試験
材料評価の一つ。試験片に曲げ応力を加えて行う試験(JIS R
3420参照)。
bending test
flexural test
5078
曲げ弾性率
材料評価値の一つ。弾性限度内において,材料が受けた曲げ応
力を,材料に生じたひずみで除した値をいい,MPa又はGPa
の単位で表す。
modulus of elasticity
in bending
flexural rigidity
modulus
5079
曲げ強さ
曲げ荷重によって破断するまでの最大応力。MPa又はGPaの単
位で表す(JIS R 3420参照)。
flexural strength
5080
摩擦試験機Ⅱ形
織物の乾摩擦堅ろう度を試験する装置。
rubbing testing
machine type Ⅱ
5081
摩擦用白綿布
織物の乾摩擦堅ろう度試験に用いて着色を判定する綿布。
white cotton fabrics for
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
rubbing
5082
マッフル炉
加熱源からの直接的な熱ふく射,対流,化学作用を避けるため
の遮へい体を備えた加熱炉。
muffle furnace
5083
密度
材料評価値の一つ。織物の単位長さ当たりのたて糸又はよこ糸
の構成本数。
count
thread count
5084
ミューレン形破
壊試験機
織物の破裂強さを測定する試験機。
muhlen type burshing
testing machine
5085
メルティンググ
レード
ガラス溶融炉の能力を表す値。溶融槽の単位有効床面積当たり
の1日の生産量(ガラス引出し量)。メルティングレシオとも
いう。単位は,t・m-2・day-1で表す。
melting rate
melting ratio
5086
ヤーデイジ
ベアガラスの単位質量当たりの長さの公称値。SI単位系では
m/kg単位,USシステムではyd・lb-1で表す。
yardage
5087
よこ(緯)糸引裂
強さ
試験片のよこ糸を切断した場合の引裂き強さ。
weft tear strength
5088
呼び厚さ
織物の厚さを表す記号。ミリメートル単位で小数点以下2けた
まで表される厚さの数値のうち,下2けたの数字でいう。
nominal thickness
5089
よ(撚)り
ストランド又はヤーンをその軸の周りに回転して,構成繊維に
ねじりを与えた状態。ストランド又はヤーンの集束性を与える
ストランドによ(撚)りをかけたもの(単糸),複数本の単糸
を単糸のよ(撚)り方向と逆方向へよ(撚)りをかけたもの(も
ろよ(撚)り糸・合ねん糸),複数本のもろよ(撚)り糸をも
ろよ(撚)り糸のよ(撚)り方向と逆方向へよ(撚)りをかけ
たもの(ケーブルヤーン)がある。
twist
structures with twist
5090
よ(撚)り数
ストランド又はヤーンの単位長さ当たりのよ(撚)り(5091
参照)の数。糸の長さ1 m又は25 mm当たりで,小数点以下1
けたまでの数値で表す。
count of twist
5091
よ(撚)り縮み係
数
よ(撚)りがない糸に対する,よ(撚)りのために生じた長さ
の変化量の百分率表示(ISO 472:1999参照)。
coefficient of twist
contraction
5092
よ(撚)り方向
糸によ(撚)りをかける方向。Sよ(撚)り(5006参照)及び
Zよ(撚)り(5041参照)がある。
direction of twist
5093
45°ミクロバー
ナ法
燃焼性試験方法の一つ。薄地の製品に適する(JIS R 3420参照)。 45°microburner
method
5094
45°メッケルバ
ーナ法
燃焼性試験方法の一つ。厚地の製品に適する(JIS R 3420参照)。 45°Meker-burner
method
5095
ラミネート評価
複合材料としての評価。はんだ耐熱性,各種電気特性試験など
がある。
laminate test
5096
リボン化
処理ロービングで生じる現象。個々の繊維束が塊まるか,互い
に結束して帯状になる現象。
ribbonization
3.6
品質
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
厚段
(あつだん)
織物欠点の一つ。よこ糸打ち込み本数が,規格値以上に織り込
まれてできた,厚い織むら。織り段(6012参照)
heavy mark
coarse pick
heavy filling bar
6002
穴
シート状製品の欠点の一つ。製品の一部が穴状に欠損した状
態。
holes
6003
糸切れ
織物の欠点の一つ。よこ糸が織物の途中で切断した状態。
broken pick
dropped pick
18
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6004
糸抜け
織物の欠点の一つ。たて糸又はよこ糸が1本又は数本織物組織
から欠落した状態。
yarn cast-off
6005
糸むら
糸の欠点の一つ。糸の長手方向に太さの不均一がある状態。
yarn evenness
6006
異物の混入
製品の欠点の一つ。製品に本来存在しないものが混じりこんだ
状態。
foreign matters
6007
色むら
製品の欠点の一つ。一つの製品で故意でない部分的な色の不均
一がある状態。
irregular colors
6008
浮き織
織物の欠点の一つ。たて糸又はよこ糸が,部分的に織り込まれ
ないで浮き上がった状態。
float
6009
薄段
(うすだん)
織物の欠点の一つ。よこ糸の打ち込み本数が,規格値以下であ
るためにできたうすい織りむら。織り段。(6012参照)
light filling bar
light mark
6010
AQL
許容品質レベル。許容できる最大欠点数の百分率。
AQL
Acceptable Quality
Level
6011
汚点
製品の欠点の一つ。油などの付着による斑状汚れ。
dirty spot
6012
織り段
織物の欠点の一つ。よこ糸打ち込みの粗密によって,段の現れ
た状態。厚段と薄段とがある。
mark
set marks
weaving bar
6013
織りむら
織物の欠点の一つ。織物の組織,密度などの部分的不均一。
weaving irregularities
unevenness of weave
6014
折れしわ
シート状製品の欠点の一つ。製品が折れ曲がって平面性が失わ
れた不規則な折り目が生じた状態。強い折れしわは,その部分
が破れの原因になりやすい。
crease
6015
折れ目
シート状製品の欠点の一つ。製品が折れ曲がった部分又は折れ
曲がってできた跡。
folds
6016
外観
製品の目視による外観状態。
appearance
6017
機械段
織物の欠点の一つ。製織時にたて糸張力のばらつきによって,
よこ糸が均一に打ち込まれず,厚い部分とうすい部分が交互に
生じた状態。
waviness
6018
きず
製品の欠点の一つ。製品に外力によってつくられた,目視で判
定できる損傷。
flaw
6019
吸湿
製品が大気中の水分を吸着又は吸収する現象。
water absorption
6020
切れ
織物の欠点の一つ。製品に外力によって作られた切りきず。
cut flaw
6021
切れ目
製品の切断面又は切断部分。
breaks
6022
くず(屑)糸つれ
込み
織物の欠点の一つ。織機上の毛羽状くず又はよこ糸の毛羽状く
ずなどが織り込まれ又は付着したもの。
waste
6023
グリース汚れ
製品の欠点の一つ。機械装置などのグリースが付着してできた
汚れ。
grease stains
6024
結合不良
ロービングの欠点の一つ。構成する繊維束同士の結束が悪くば
らけてかさ(嵩)高になってしまう状態。
ill cohesion of strands
6025
欠点
製品中に存在する正常と異なる部分。
defect
6026
欠点率
減点率
ある長さのガラスクロスに存在する欠点の数を,その長さで除
した数(値)。百分率で表す。
defect per hundred
units
6027
毛羽織込み
織物の欠点の一つ。織機上の毛羽,よこ糸の毛羽などが織り込
まれ又は付着した状態。
waste
6028
毛羽立ち
織物の欠点の一つ。糸を構成する単繊維が部分的に切断して毛
羽状となった状態。
fuzz
broken filament
6029
減点数
ガラスクロス製品中に存在する欠点の数。
demerit
19
R 3410:2006
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
6030
裂け
製品の欠点の一つ。外力により組織が引裂かれた状態。破れ。 tears
6031
斜行
織物の欠点の一つ。よこ糸がたて糸に対して直角になっていな
い織物の状態。目曲がりの一種。
bias or bowed filling
6032
しわ
シート状製品の欠点の一つ。平面性が失われた不規則な折り
目。
crinklings
wrinkle
crease
6033
筋
製品の欠点の一つ。製品表面が筋状になった状態の総称。
streaks
6034
ストランドの塊
マットなどでストランド解束性が弱かったり,ストランド同士
が絡まって1本1本に分かれず塊状になった状態。
clumps of strand
6035
すれきず
織物の欠点の一つ。擦れてできる損傷。
abration
6036
たて(経)糸切れ 織物の欠点の一つ。たて糸が途中で切断し,一部欠落している
状態。
broken end
6037
たて抜け
織物の欠点の一つ。たて糸が1本又は数本織物組織から欠落し
た状態。
end missing
6038
波状たるみ
バギネス
織物の欠点の一つ。たて糸又はよこ糸の一部に吊り又は緩みが
あるため,織物の表面に現れた波状の欠点。
bagginess
6039
ネップ
糸又は織物の欠点の一つ。毛羽玉。
nep
lint balls
fuzz balls
6040
パッカリング
織物の欠点の一つ。局所的に波状たるみが生じた状態。
puckering
6041
ひま(杼間)段
織物の欠点の一つ。よこ糸間に著しいすき間がが生じた状態。 coarse or light place
6042
付着むら
製品の欠点の一つ。表面処理剤が均一に塗布されていない状
態。
adhesion irregularities
of binder
6043
マイグレーショ
ン
製品の欠点の一つ。ガラス繊維の集束剤が乾燥時,水とともに
ケーキの表面に移動する現象,又は移動してできた集束剤の付
着むら。
migration
6044
巻きくずれ
製品の欠点の一つ。ロービング又はヤーン,マット又はクロス
が巻き取られている途中若しくはその後に,正常な巻き状態で
なくなった状態。
collapse of coil
6045
巻き不良
製品の欠点の一つ。ロービング又はヤーン,マット又はクロス
の巻き状態が,正常でない状態。
ill rollings
6046
ミスピック
織物の欠点の一つ。よこ糸が欠落した状態。
mispick
6047
耳つり
織物の欠点の一つ。耳部が地組織に比べて引きつった状態。
tight selvage
6048
耳緩み
織物の欠点の一つ。耳部が地組織に比べて緩んでいる状態。
loose selvage
6049
目曲がり
織物の欠点の一つ。よこ糸が湾曲している状態。
bowed filling
6050
緩み
織物の欠点の一つ。よこ糸が局部的に緩み,筋又はループ状と
なって織物面に現れた状態。
loose fiber
6051
よこ(緯)糸切れ 織物の欠点の一つ。よこ糸が途中で切断し,一部欠落している
状態。
broken pick
6052
汚れ
製品の欠点の一つ。製品上に付着した,点状又は面積をもった
汚れ。
spots
stains
6053
よこ(緯)ゆるみ 織物の欠点の一つ。よこ糸が局部的に緩み,節又は環状となっ
て織物の表面に現れた状態。
loose pick
20
R 3410:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6054
よ(撚)りむら
糸の欠点の一つ。糸のよ(撚)り数が部分的に異なる状態。
twist irregularities
6055
レジンハジキ
織物製品にマトリックス樹脂を塗布した後に観察される欠点
の一つ。樹脂のぬれが悪く円状にくぼんだ状態。樹脂と織物又
は表面処理のなじみが悪い又は樹脂となじみが悪い異物が存
在して生じる。
fish eye