R 3301:2014
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 品質······························································································································· 1
5 ガラスビーズの状態 ·········································································································· 2
6 試験方法························································································································· 2
6.1 試料 ···························································································································· 2
6.2 比重 ···························································································································· 2
6.3 粒度 ···························································································································· 3
6.4 外観 ···························································································································· 3
6.5 屈折率 ························································································································· 4
6.6 耐水性 ························································································································· 4
6.7 鉛含有量 ······················································································································ 4
6.8 ひ素含有量 ··················································································································· 4
7 検査······························································································································· 5
8 表示······························································································································· 5
R 3301:2014
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ガラスビーズ
協会(JGA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS R 3301:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成27年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS R 3301:2007によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 3301:2014
路面標示塗料用ガラスビーズ
Glass beads for traffic paint
1
適用範囲
この規格は,路面標示塗料に使用する無色透明な反射用ガラスビーズ(以下,ガラスビーズという。)に
ついて規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0119 蛍光X線分析通則
JIS K 0470 土砂類中の全ひ素及び全鉛の定量−エネルギー分散方式蛍光X線分析法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8271 キシレン(試薬)
JIS M 8100 粉塊混合物−サンプリング方法通則
JIS R 3101 ソーダ石灰ガラスの分析方法
JIS R 3258 ガラス中の微量のカドミウム,クロム及び鉛の定量方法
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
種類
ガラスビーズは,粒度によって区分し,次の3種類とする。
a) 1号
b) 2号
c) 3号
4
品質
ガラスビーズの品質は,表1の規定による。
2
R 3301:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−ガラスビーズの品質
項目
種類
試験箇
条番号
1号
2号
3号
比重
2.4〜2.6
6.2
粒度
試験用ふるいa)
850 μm b)残留
0 % c)
850 μm〜600 μm b) 5〜30 % c)
600 μm〜300 μm b) 30〜80 % c)
300 μm〜106 μm b) 10〜40 % c)
106 μm b)通過
0〜5 % c)
試験用ふるいa)
600 μm b)残留
0 % c)
600 μm〜300 μm b) 40〜90 % c)
150 μm b)通過
0〜5 % c)
試験用ふるいa)
212 μm b)残留 0 % c)
90 μm b)通過 0〜4 % c)
6.3
外観
球形の粒子であって,だ円,鋭角,不透明,異物,粒子間の融着などの欠点をもつものの混
入率が20 % d)以下とする。
6.4
屈折率
1.50〜1.64
6.5
耐水性
0.01 mol/L塩酸の消費量が10.0 mL以下であり,ガラスビーズ
の表面に曇りがない。
0.01 mol/L塩酸の消費量が
15.0 mL以下であり,ガラ
スビーズの表面に曇りが
ない。
6.6
鉛含有量
200 mg/kg以下
6.7
ひ素含有量
200 mg/kg以下
6.8
注a) JIS Z 8801-1の枠の径200 mm又は150 mm,深さ45 mm又は60 mmの試験用ふるい。
b) JIS Z 8801-1の付表2[ふるい網の目開き及び線径(公称目開き1mm未満)]による。
c) 質量百分率 %を示す。
d) 個数百分率 %を示す。
5
ガラスビーズの状態
ガラスビーズの状態は,軽い衝撃を与えても,崩れないような塊があってはならない。
6
試験方法
6.1
試料
試料は,製品をJIS M 8100の6.5.2(インクリメント縮分方法)又は6.5.3(二分器による方法)によっ
て縮分し,約500 gとする。
なお,採取した試料を保存する場合には,適切な容器に入れ,外気の影響を受けないようにする。
6.2
比重
比重試験は,次のいずれかによる。
a) JIS R 3505に規定する100 mLメスシリンダーにJIS K 8271に規定するキシレン1級を100 mLの目盛
線まで加え,その質量Waを1 gまで正しく量った後,メスシリンダー内のキシレンを除く。次に,約
100 gの試料の質量Woを1 gまで正しく量り,これをメスシリンダーに入れ,更にキシレンを100 mL
の目盛線まで加え,その質量Wbを1 gまで正しく量る。この試験は常温で行い,次の式によって算出
し,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。
b
o
a
o
g
W
W
W
D
W
S
−
+
=
ここに,
Sg: ガラスビーズの比重
Wo: 試料の質量(g)
Wa: キシレンだけを満たしたメスシリンダーの質量(g)
Wb: キシレンとガラスビーズを満たしたメスシリンダーの質量(g)
3
R 3301:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D: 測定時の温度におけるキシレンの比重
b) JIS K 0061に規定する方法による。
6.3
粒度
粒度試験は,次による。
a) 試料約100 gを0.1 gまで正しく量り,あらかじめ準備した試験用ふるいに入れる。ただし,3号につ
いては試料約50 gとする。
b) この試験用ふるいに蓋をかぶせて,ロータップ試験機1)又はこれに準じる試験方法によって5分間振
とうする。
c) 試験用ふるいを試験機から取り外し,試験用ふるい及び受皿上に残った試料を0.1 gまで正しく量る。
なお,ふるい目に目詰まりした試料は,裏面からブラシで払い落とし,この試験用ふるいに残留し
たものとする。
d) この合計質量が,初めの試料採取量の98 %以下の場合には,再測定を行うものとする。
e) 次の式によって,ふるい分けられた試料の質量百分率(粒度分布)を算出し,JIS Z 8401によって整
数に丸める。
100
×
=M
m
G
ここに,
G: 各試験用ふるい及び受皿上に残留した試料の質量百分率(%)
M: ふるい分け後の合計質量(g)
m: 各試験用ふるい及び受皿上に残留した試料の質量(g)
注1) ロータップ試験機は,衝動回数約156回/分,回転数約290回/分を用いた機器を推奨する。
6.4
外観
外観試験は,次による。
a) 試料約1 gを透明なガラス板又はプラスチック板上に重なりのないよう均一に広げ,スクリーン径200
mm以上の拡大投影機又は顕微鏡を用い,中心粒径2)のガラスビーズの輪郭に焦点を合わせ,透過光
によって表2の倍率で試験する。
表2−試験倍率
種類
1号
2号
3号
倍率
20
20
50
b) 拡大投影機を用いる場合には,スクリーンの中央部に縦115±10 mm,横160±10 mmの枠を設け,そ
の枠の内の総個数3)及び欠点をもつものの個数を数える。顕微鏡を用いる場合には,視野内の総個数
3)及び欠点をもつものの個数を数える。
なお,二つ以上の欠点をもつ1個のガラスビーズは,“欠点をもつもの”1個と数える。
c) 試験は2回行い,次の式によって欠点をもつものの混入率を算出し,JIS Z 8401によって整数に丸め
る。
100
2
1
2
1
×
+
+
=
n
n
c
c
P
ここに,
P: 欠点をもつものの混入率(%)
n1: 1回目に試験した総個数
n2: 2回目に試験した総個数
c1: 1回目に試験した欠点をもつものの個数
c2: 2回目に試験した欠点をもつものの個数
4
R 3301:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注2) 中心粒径は,1号は約480 μm,2号は約380 μm,3号は約150 μmである。
3) 総個数は,約200個〜約400個である。
6.5
屈折率
屈折率試験は,次による。
a) 試料又は試料を粉砕した微細片を試験する材料とする。
b) スライドガラス上に,屈折率1.50の浸液4)を滴下し,試験する材料を浸したものを試験片Aとする。
c) スライドガラス上に,屈折率1.64の浸液5)を滴下し,試験する材料を浸したものを試験片Bとする。
d) 試験片A及び試験片Bを,約100倍の倍率の顕微鏡のステージに置き,ナトリウムランプ又はこれに
準じるものを透過光源とし,試験する材料に焦点を合わせる。
e) 顕微鏡対物レンズと試験片との間隔を僅かに離して,ベッケライン6)の移動方向を観察7)する。
なお,この試験は,常温で行うものとする。
注4) 浸液は,精度1/1 000以上の屈折率計を用いて,屈折率が1.495〜1.504であることを確認した
もの。
5) 浸液は,精度1/1 000以上の屈折率計を用いて,屈折率が1.635〜1.644であることを確認した
もの。
6) ベッケラインとは,透過光の屈折差によって生じる試験する材料の輪郭上の輝線。
7) ベッケラインは,顕微鏡対物レンズと試験片との間隔を僅かに離すと,屈折率の大きい媒質
の方へ移動する。また,試験する材料と浸液の屈折率が等しければベッケラインは現れない。
6.6
耐水性
耐水性試験は,次による。
a) 試料10.0 gを正しく量りとり,冷却器付三角フラスコに入れる。
b) 純水100 mLを加えて沸騰湯浴中で1時間加熱する。
c) その後,直ちにろ過し,ガラスビーズの表面を観察する。
d) ろ液については常温まで冷却した後,JIS K 8001に規定するフェノールフタレイン溶液を指示薬とし,
0.01 mol/L塩酸で滴定する。
e) ろ液が無色になった時点を終点として,0.01 mol/L塩酸の消費量を0.1 mL単位で読み取る。
6.7
鉛含有量
鉛含有量試験は,次のいずれかによる。
a) JIS R 3258に規定する方法によって定量する。
なお,試料溶液の調製については,試料が溶液化されていればよい。
b) JIS K 0470に規定する方法又はこれに準じる方法によって定量する。
なお,蛍光X線分析装置は,JIS K 0119に規定する波長分散方式を用いてもよい。
6.8
ひ素含有量
ひ素含有量試験は,次のいずれかによる。
a) JIS R 3101の15.2.3(試料はかり取り量)及び15.2.4(操作)(1)〜(3)に規定する方法によって調製し
た試料溶液を,JIS K 0102の61.[ひ素(As)]に規定する方法によって定量する。
なお,試料溶液の調製については,試料が溶液化されていればよいが,試料中のひ素を揮発させな
いようにする。
b) JIS K 0470に規定する方法又はこれに準じる方法によって定量する。
なお,蛍光X線分析装置は,JIS K 0119に規定する波長分散方式を用いてもよい。
5
R 3301:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
検査
合理的な抜取検査方式によって,箇条6によって試験し,箇条4の規定に適合しなければならない。
8
表示
この規格の全ての要求事項に適合したガラスビーズには,容器の見やすい箇所に,次の事項を表示する。
a) 規格番号
b) 製品の名称
c) 種類
d) 製造年月又はその略号
e) 製造業者名又はその略号
f)
正味質量