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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 2656-1995 

耐火れんが及び耐火断熱れんがの 

熱間曲げ強さ試験方法 

Testing method for modulus of rupture of refractory bricks  

and insulating fire bricks at elevated temperature 

1. 適用範囲 この規格は,耐火れんが及び耐火断熱れんがの熱間曲げ強さ試験方法について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 1602 熱電対 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 5013 : 1985 Refractory products−Determination of modulus of rupture at elevated temperatures 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 曲げ強さ 試験片を一定距離に配置された2支点上に置き,支点間の中央に荷重を加え,試験片が

折れたときの最大曲げ応力 

(2) 試験温度 引張応力を受ける試験片表面中心点の温度 

3. 装置及び器具 

3.1 

試験装置 試験片に荷重を加える加圧装置,試験温度に加熱保持できる加熱装置及び制御装置から

構成され,次の3.2〜3.4を満足しなければならない。 

3.2 

荷重装置 荷重速度を一定に保つことのできる材料試験機か,クロスヘッドの移動速度を一定に保

つことができる材料試験機を用いる。材料試験機の荷重指示精度は,真の荷重の±2%以内とする。 

3.3 

支持具 支点及び荷重点における支持具は,試験中に塑性変形,破損及び試験片との反応を起こさ

ない材質のもので,その先端の曲率半径は,図1に示すものを用いる。 

また,支持具は左右同一形状で,試験片の幅を超える長さのものを用いる。 

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R 2656-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 試験片及び支持具の位置及び寸法 

3.4 

加熱装置 加熱装置は,次による。 

(1) 加熱装置は,所定の温度,所定の加熱速度が得られるもので,次の型式のものを用いることができる。 

(a) 間欠式 複数の試験片を同時に加熱し,逐次試験を行うもの。 

(b) 連続式 試験片を連続加熱し,連続試験を行うもの。 

(2) 加熱装置は,試験片及び支持具を同時に加熱できる構造とし,試験中の試験片表面の温度分布は,試

験温度±10℃に保つことができるものとする。 

(3) 試験炉の雰囲気は,酸化雰囲気を原則とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,空気以外のガ

ス雰囲気にできる。 

3.5 

温度計 試験炉内の温度計は,校正したJIS C 1602に規定する熱電対温度計を用いる。 

3.6 

乾燥装置 温度を110±5℃に保つことができる,自動温度調節器付き電気恒温装置とする。 

3.7 

長さ計 0.05mm単位まで測定できるものとする。 

3.8 

はかり 0.1g単位まではかれるものとする。 

4. 試験片 試験片は,次による。 

(1) 試験片の形状及び寸法 試験片の形状は断面が正方形の角柱とし,その寸法は25×25×150mmを標

準とする。 

試験片の最小寸法は,長さ (Lt) 100mm,幅及び厚さ(b及びd)は10mmとする。 

(2) 試験片の平行度 試験片の平行度は,試験片の厚さを4か所測定し,最大と最小の測定の差が0.2mm

以内でなければならない(図2参照)。 

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R 2656-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 平行度 

(3) 試験片の採取 試料(供試れんが)からの試験片の切り出しは,試験片の長手方向が,試料の長手方

向と一致するか,又は平行になるようにする(成形方向が判明している場合には,なるべく成形方向

に垂直な面を用いる)。 

また,試料の焼成面は原則として引張応力を受ける面には用いない。 

5. 測定準備 測定準備は,次による。 

(1) 試験前に,試験片を110±5℃で乾燥し,恒量とする。 

(2) あらかじめ長さ計を用いて室温で試験片中心部の幅及び厚さを0.1mmの精度まで測定する。 

(3) 支点間距離及び応力点と支点間距離は,図1のとおりとし,あらかじめ,室温で0.5mmの精度まで測

定する。 

(4) 試験炉の温度分布測定 炉内温度分布及び炉温度保持時間と試験温度との関係を試験前に検定してお

かなければならない。 

6. 測定方法 

6.1 

加熱 試験片の加熱は,次による。 

(1) 試験片の加熱速度は,2〜10℃/minとするが,望ましくは4〜6℃/minで所定の温度まで加熱する。 

(2) 温度は,引張応力を受ける試験片表面の中心部に熱電対をできるだけ近づけて測定する。 

(3) 試験温度に達した後,試験片の荷重点及び支持点にできるだけ近接した2点での温度差が10℃以内と

なるように,十分な時間(1)その温度に試験片を保持する。 

注(1) (25±1)×(25±1)×150mm寸法の焼成れんがの場合には30分。 

不焼成れんがの場合には,あらかじめ受渡当事者間の協定によって決定する。 

(4) 試験中,試験温度を測定し,測定温度が±2℃を超えないようにする。 

6.2 

負荷方法 

(1) 試験片を下部支持具支点の上に前後左右対称になるように置く。れんがの成形方向が分かっている場

合は,成形方向に直角に負荷する。 

(2) 次の速度で負荷する。 

耐火れんが 

0.25MPa/s 

±10% 

耐火断熱れんが 

0.05MPa/s 

±10% 

(3) 試験片が破壊したときの最大荷重を測定する。 

7. 計算 曲げ強さは,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって有効数字2けたに丸める。 

2

f

2

3

bd

FLS

=

σ

ここに, 

σf: 曲げ強さ (MPa) 

R 2656-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

F: 試験片が破壊したときの最大荷重 (N) 

Ls: 支点間の距離 (mm) 

b: 試験片の幅 (mm) 

d: 試験片の厚さ (mm) (2) 

注(2) d= (d1+d2+d3+d4) /4 

8. 報告 次の事項を記載する。 

(1) 試験温度及び加熱速度 

(2) 試験片の形状 

(3) 供試れんがの曲げ強さ 7.による2個の試験片の計算値を平均し,JIS Z 8401の規定によって有効数

字2けたに丸めた値 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

山 口 明 良 

名古屋工業大学 

伊 熊 泰 郎 

神奈川工科大学 

村 田   守 

鳴門教育大学 

多 田 格 三 

フジ研究所 

藤 貫   正 

社団法人日本分析化学会 

平 松 博 久 

通商産業省生活産業局 

地 崎   修 

工業技術院標準部 

黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会技術・検査部 

三 橋   久 

岡山県工業技術センター 

内 田 三 男 

耐火物協会 

金 谷 利 雄 

川崎製鉄株式会社 

木 谷 福 一 

日本鋼管株式会社 

小 松 英 雄 

旭硝子株式会社 

下 田 直 之 

三菱マテリアル株式会社 

鈴 木 隆 夫 

住友金属工業株式会社 

田 村 信 一 

新日本製鐵株式会社 

朝 倉 秀 夫 

品川白煉瓦株式会社 

荒 木 慎 介 

黒崎窯業株式会社 

板 倉 正 勝 

東芝セラミックス株式会社 

井 上   晃 

ハリマセラミック株式会社 

岩 瀬   昇 

旭硝子株式会社 

兼 近 勝 則 

黒崎窯業株式会社 

島 田 康 平 

黒崎窯業株式会社 

菅 野   昇 

イソライト工業株式会社 

田 中 国 夫 

大光炉材株式会社 

西 田 慎 治 

品川白煉瓦株式会社 

仁 科 利 純 

品川白煉瓦株式会社 

宮 脇 正 夫 

日本特殊炉材株式会社 

(事務局) 

高 宮 陽 一 

耐火物技術協会 

水 谷 吉 蔵 

耐火物技術協会