R 2611 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS R 2611 : 1992は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 2245 : 1990 (Shaped insulating refractory
products−Classification) を基礎として用いた。
JIS R 2611には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 2611 : 2001
耐火断熱れんが
Insulating fire bricks
序文 この規格は,1990年に第2版として発行されたISO 2245 Shaped insulating refractory products−
Classificationを基に作成した日本工業規格であるが,ISO 2245には規定されていない,耐火断熱れんがの
最も重要な特性である熱伝導率を表示する必要があるため,技術内容を変更して作成している。
今回の改正では,耐火断熱れんがを主要な特性で分類表示する方法だけを規定し,特性による種類の設定
及び形状・寸法の規定の引用は廃止した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
1. 適用範囲 この規格は,熱伝導率が低く,蓄熱量が小さく主として炉壁からの放散熱量軽減のために
使用される耐火断熱れんがの特性表示方法を規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 2245 : 1990 Shaped insulating refractory products−Classification (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS R 2613 耐火断熱れんが−加熱による残存線変化率測定方法
備考 ISO 2477 : 1987, Shaped insulating refracory products−Determination of permanent change in
dimensions on heatingからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS R 2614 耐火断熱れんがの比重及び真気孔率測定方法
備考 ISO 5016 : 1997, Shaped insulating refractory products−Determimation of bulk density and true
porosityからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS R 2616 耐火断熱れんがの熱伝導率の試験方法
備考 ISO 8894-1 : 1987, Refractory materials−Determination of thermal conductivity−Part1 : Hotwire
method (cross-array) からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 特性の表示
3.1
表示項目 耐火断熱れんがの特性は,次の項目で表示する。
a) 残存線変化率が±2%を超えない温度 (℃)
b) かさ比重
c) 熱伝導率 [W/ (m・K) 600℃±10℃]
2
R 2611 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.2
表示方法 表示項目をa)-b)-c)のようにファイホンで結び,次の具体例のように表示する。
具体例 900−0.50−0.15
4. 測定 この規格に用いる耐火断熱れんがの特性は,次の方法で測定する。
4.1
残存線変化率が±2%を超えない温度 (℃) JIS R 2613によって,耐火断熱れんがの残存線変化率を
100℃単位で測定し,測定値が±2%を超えない最高温度をもって特性値とする。
4.2
かさ比重 耐火断熱れんがのかさ比重は,JIS R 2614によって求めた値の0.05に満たない部分を切
り上げ,0.05単位の数値を測定値とする。そして,この値を表示に用いることができる。
4.3
熱伝導率 [W/ (m・K) 600℃±10℃] JIS R 2616の熱線法によって,600℃±10℃における熱伝導率の
測定値を求める。表示には測定値を下回らない0.01単位の値を用いることができる。
5. 製品表示 耐火断熱れんがには,1個ごと及び1包装ごとに容易に消えない方法で少なくとも次の事
項を表示する。
a) 特性
b) 製造業者名又はその略号
なお,1個ごとの表示の場合は,特性の代わりに特性を認識できる略号又は符号を用いてもよい。
3
R
2
6
11
:
2
0
0
1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS R 2611 : 2001 耐火断熱れんが
ISO 2245 : 1990 Shaped insulating refractory products−Classification(耐火断熱れんが−分類)
(I) JISの規定
(II) 国際規格
番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線,側線
(V) JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番
号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
耐火断熱れんがの特性表
示方法
ISO 2245
1
3
残存線変化率が±2%
を超えない温度が750
〜1800℃,気孔率が
45%以上の耐火断熱れ
んがの特性表示方法
MOD/
追加
ISOは,範囲を限定している。(現
在市場に出回っている製品を前提
にしているためと思われる。)
適用範囲を,現在の製品を前提に限
定すると,今後開発される製品への
対応が不十分になる可能性がある
ため,JISでは範囲を限定していな
い。
2.引用規
格
JIS R 2613
R 2614
R 2616
ISO 2245
2
ISO 1109
ISO 2477
ISO 5016
MOD/
追加
JISでは,熱伝導率の測定方法(R
2616)も追加して引用している。
熱伝導率は,耐火断熱れんがの品質
を左右する重要な特性であるため。
3.及び5.特
性の表示
表示項目は,
・残存線変化率が±2%を
超えない温度
・かさ比重
・熱伝導率
の3項目とする。
ISO 2245
4
5
表示項目は,
・残存線変化率が±2%
を超えない温度
・かさ比重
の2項目とする。
MOD/
追加
JISにおいては,“熱伝導率”を項
目に追加している。
熱伝導率は,耐火断熱れんがの品質
を左右する重要な特性であるため。
4.測定方
法及び分
類方法
・残存線変化率が±2%を
超えない温度
・かさ比重
・熱伝導率
の測定方法及び分類方法
を規定している。
ISO 2245
4
・残存線変化率が±2%
を超えない温度
・かさ比重
の測定方法及び分類方
法を規定している。
MOD/
変更
①JISにおいては,熱伝導率に関す
る規定を追加している。
②“残存線変化率が±2%を超えな
い温度”の測定に関し,測定温度
間隔が,ISOでは50℃,100℃,
150℃の三種類が混在しているの
に対し,JISでは100℃間隔に統
一している。
①熱伝導率は,耐火断熱れんがの品
質を左右する重要な特性であるた
め。
②部分的に50℃,150℃の温度間隔
を導入する合理的理由が見当たら
ないため,わかり易さを考慮し,
100℃間隔に統一した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
4
R
2
6
11
:
2
0
0
1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT ··············· 技術的差異がない。
− MOD/削除 ······ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− MOD/追加 ······ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更 ······ 国際規格の規定内容を変更している。
− MOD/選択 ······ 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
− NEQ ·············· 技術的差異があり,かつ,それがはっきりと識別され説明されていない。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT ··············· 国際規格と一致している。
− MOD ············· 国際規格を修正している。
− NEQ ·············· 技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。
5
R 2611 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
1. 本委員会
氏名
所属
(委員長)
林 國 郎
京都工芸繊維大学元教授
久野木 慶 治
通商産業省生活産業局
穐 山 貞 治
工業技術院標準部
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会
浅 野 敬 輔
黒崎窯業株式会社技術研究所
荒 木 慎 介
耐火物協会
河 合 和 秀
東芝セラミックス株式会社開発研究所
下 司 誠
ハリマセラミックス株式会社
平 初 雄
新日本製鐵株式会社
田 中 国 夫
大光炉材株式会社
畠 田 文比古
品川白煉瓦株式会社
早 川 良 光
イソライト工業株式会社
(事務局)
高 宮 陽 一
耐火物技術協会
2. 小委員会
氏名
所属
(委員長)
林 國 郎
京都工芸繊維大学元教授
浅 野 敬 輔
黒崎窯業株式会社技術研究所
平 初 雄
新日本製鐵株式会社
畠 田 文比古
品川白煉瓦株式会社
早 川 良 光
イソライト工業株式会社
時 峰 幸 英
丸越工業株式会社
細 田 裕
旭硝子株式会社
前 田 幸 男
真空理工株式会社
長 崎 安 成
日の丸窯業株式会社
(事務局)
高 宮 陽 一
耐火物技術協会