R 2251-1:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,耐火物技術協会 (TARJ)/財団法人日本規格
協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8894-1 : 1987,Refractory materials
−Determination of thermal conductivity−Part 1 : Hot-wire method (cross-array) を基礎として用いた。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS R 2251には,次に示す部編成がある。
JIS R 2251-1 第1部:熱線法(直交法)
JIS R 2251-2 第2部:熱線法(平行法)
JIS R 2251-3 第3部:熱流法
R 2251-1:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 用語の定義 ····················································································································· 1
4. 原理 ······························································································································ 2
5. 耐火物の種類及び適用温度範囲 ·························································································· 2
6. 装置及び器具 ·················································································································· 2
6.1 乾燥装置 ······················································································································ 2
6.2 長さ計 ························································································································· 2
6.3 はかり ························································································································· 2
6.4 熱伝導率試験装置 ·········································································································· 2
6.5 熱線及び熱電対 ············································································································· 3
6.6 粉・粒状物質の測定用容器······························································································· 4
6.7 加熱炉 ························································································································· 5
7. 測定用試料 ····················································································································· 5
7.1 定形耐火物の場合 ·········································································································· 5
7.2 不定形耐火物の場合 ······································································································· 5
8. 操作 ······························································································································ 5
9. 測定結果の評価 ··············································································································· 6
10. 計算方法 ······················································································································ 6
11. 報告 ···························································································································· 7
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 2251-1:2007
耐火物の熱伝導率の試験方法−
第1部:熱線法(直交法)
Test methods for thermal conductivity of refractory materials-
Part 1 : Hot-wire method (cross-array)
序文 この規格は,1987年に第1版として発行されたISO 8894-1,Refractory materials−Determination of
thermal conductivity−Part 1 : Hot-wire method (cross-array) を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工
業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,電気伝導性を有さない耐火物の,室温から1 250 ℃までの非定常熱線法によ
る熱伝導率の試験方法について規定する。この規格は,10 W/(m・K) 以下の熱伝導率の測定に適用する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 8894-1 : 1987,Refractory materials−Determination of thermal conductivity−Part 1 : Hot-wire
method (cross-array) (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 1602 熱電対
JIS C 2520 電熱用合金線及び帯
JIS C 2526 金属抵抗材料の電気抵抗−温度特性試験方法
JIS R 2001 耐火物用語
JIS R 2553 キャスタブル耐火物の強さ試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 2001によるほか,次による。
a) 耐火物 耐火性材料全般の総称。定形耐火物,不定形耐火物及び耐火物原料をいう。
b) 熱伝導率 単位時間・単位面積当たりの通過熱量を温度こう配で除した値 [W/(m・K)]。
c) 熱線 測定用試料内に設置された金属細線。
d) 測定温度 測定開始時の温度と測定終了時の温度の平均温度 (℃)。
e) 示差結線熱電対 2対の熱電対の同一脚線を溶接したもの。
2
R 2251-1:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 原理 所定の温度に保持された2個の測定用試料の中央に,熱電対の温接点が溶接された直線状の金
属線(熱線)を挟み込んで一定量の電力を供給し,そのときの熱線の上昇温度の時間的変化から熱伝導率
を算出する。
5. 耐火物の種類及び適用温度範囲 この規格が適用される耐火物の種類と適用温度範囲を表1に示す。
表 1 耐火物の種類及び適用温度範囲
温度範囲
℃
耐火物の種類
ジルコニア以外の酸
化物系耐火物
ジルコニア耐火物
炭素及び炭化けい素
含有耐火物
ファイバ及びファイ
バ含有耐火物(*)
室温〜800
○
○
×
○
800〜1 000
○
△
×
○
1 000〜1 250
○
×
×
○
注(*) ファイバの配向によって熱伝導率に方向依存性が生じる可能性があるため,測定は,受渡当事者間の協
定によって行う。
備考 ○:適用可能,△:熱電対への印加電流の漏えいがなければ適用可能,×:適用不可
6. 装置及び器具
6.1
乾燥装置 温度110±5 ℃に保つことのできる,自動温度調節器付き電気恒温器を用いる。
6.2
長さ計 最小読取値が0.1 mmの長さ計を用いる。
6.3
はかり 最小読取値が1 gのはかりを用いる。
6.4
熱伝導率試験装置 試験装置は,図1に例示するように2個の測定用試料に挟み込まれた熱線に一
定電力を加えたときの熱線の上昇温度が,測定できるような構造のものを用いる。
3
R 2251-1:2007
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注(1) 直流又は交流の定電流,定電圧又は定電力電源のいずれを使用してもよいが,測定中に2 %以上の変動がないも
の。
(2) 応答速度が0.5 s以上で,0.05 μV又は0.01 ℃以上の分解能をもつデジタルマルチメータ及びパーソナルコンピ
ュータで構成する。
(3) 内部温度補償回路を備えた温度表示機能をもつデジタルマルチメータを使用する場合は,使用しなくてもよい
図 1 熱伝導率試験装置例
6.5
熱線及び熱電対 熱線には,表2に示す直径0.5 mm以下の合金線を,熱電対はいずれもJIS C 1602
に規定する直径0.5 mm以下のものを,熱線の中央部に図2のように十字に溶接して使用するが,図3の
ように逆V字に溶接して用いてもよい。
測定に先立ち,各測定温度による発生熱起電力を打ち消すために,2対の熱電対を示差結線して使用し
てもよい。その場合,一方の熱電対の温接点は,図2,図3又は図4に示すように試料表面に配置する。
また,デジタルマルチメータのヌル機能を使用してもよい。
表 2 熱線及び熱電対
測定温度範囲
℃
熱線の種類
熱電対の記号
常温〜800
ニッケル・クロム線(4)
K
常温〜1 250
白金ロジウム合金線 (87 %Pt-13 %Rh)(5)
R又はS
注(4) JIS C 2520に規定するニッケル・クロム1種の電熱線(帯)。
(5) JIS C 1602に規定するR熱電対の+脚を用いるとよい。
4
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図 2 測定用試料に対する熱線及び熱電対の設置位置
図 3 熱電対の逆V字形溶接例
6.6
粉・粒状物質の測定用容器 耐火物原料のような粉・粒状物質を測定する場合は,7.1で規定する定
形測定用試料と同寸法の内容積をもつ耐熱容器を用いる。耐熱容器は,図4に示すように底板付き下部容
器,底板なし容器及び上ふた(蓋)からなる。
5
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図 4 粉・粒状物質測定用耐熱容器の概要図
6.7
加熱炉 測定用試料が一定の温度に保持できるように,十分な均熱帯が得られるように設計された
電気炉を用いる。
7. 測定用試料 測定には,次のような方法で調製された試料を用いる。
7.1
定形耐火物の場合 長さ230 mm×幅114 mm×厚さ65 mm(並形れんが)以上のものを2枚重ね合
わせて用いる。各測定用試料の重ね合わせる平面の平滑度が,100 mm当たり0.2 mm以下になるように研
削する。ち密な測定用試料の場合,熱線及び熱電対を埋め込むための溝を下部測定用試料表面に施しても
よい。溝は,用いる熱線と熱電対が埋設可能な幅及び深さをもつものとする。
7.2
不定形耐火物の場合 JIS R 2553の4.(試験片の作り方)に基づき,7.1によって示した大きさと平
滑度をもつ試料を作製する。ち密試料の場合は,熱線及び熱電対を埋め込むための溝を下部測定用試料表
面に施してもよい。溝は,用いる熱線及び熱電対が埋設可能な幅と深さをもつものとする。
8. 操作 操作は,次による。
a) 測定用試料を,あらかじめ110±5 ℃で恒量(6)になるまで乾燥する。
注(6) 測定した質量に3 g以上の差がなければ恒量とする。
b) 中央部に熱電対の温接点が溶接された熱線を,図2,図3又は図4のように熱線が長手方向と平行に
なるように測定用試料の間に挟み込む。溝を施した場合は,測定用試料を微粉砕したものに少量の適
当なバインダ(例えば2 %デキストリン水溶液)を混ぜた混練物で埋設する。粉・粒状物質を測定す
る場合は,2個の耐熱容器の中央に熱線及び熱電対が挟まるように重ね合わせ,試料を充てん(填)
する(図4参照)。充てん(填)した試料の質量と容器の内容積から測定用試料のかさ密度を計算して
おく。
c) 測定用試料を炉内に設置し,炉内温度を所定の温度に昇温した後,熱線の中央部に溶接した熱電対で
測定される5分間における温度変動が±0.05 ℃以内であることを確認する。
d) 熱線に一定電流(7)を流す。次に,電流を流し始めてからの熱線上昇温度をヌル機能付きデジタルマル
チメータを介してパーソナルコンピュータに読み込む。
注(7) 電流値は,0.5級以上の精度をもつ電流計で0.01 Aまで読み取る。電流は10秒から100秒まで
6
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の間に,3〜5 ℃上昇するように調節する。その目安となる供給電力量を,表3に示す。
表 3 熱伝導率に対する標準供給電力量及び最大測定時間
熱伝導率
W/(m・K)
最大測定時間
s
適正供給電力
W/m
2
600
50
4
300
100
6
200
120
8
160
125
10
120
150
e) 所定の最大測定時間(表3参照)経過後,熱線への供給電流を切り,熱線温度の読み込みを終了する。
f)
8. c) 及び8. e) の操作を3回繰り返す。
g) さらに,高温での測定を行う場合は,10 ℃/min以下の速度で炉を次の測定温度まで昇温し,8. c) 及
び8. e) の操作を3回繰り返す。
9. 測定結果の評価 測定結果の評価は,次による。
a) 熱線への供給電流が,測定中に2 %以上変化した場合はその結果は採用せず,同電流値で測定を繰り
返す。
b) 経過時間に対する熱線温度の上昇は対数関数になる。したがって,横軸に時間の常用対数,縦軸に8. e)
によって得られた熱線温度をプロットすると,直線関係が得られる。もし,直線関係が得られなけれ
ば,測定試料がこの測定法の必要条件を満たしていないか,測定に誤まりがあったものとして再測定
を行う。
c) 経過時間と上昇温度の片対数プロットにおいて,測定初期及び測定終期において直線関係が得られな
い時間帯は,熱伝導率の計算に採用しない。
10. 計算方法 各測定温度における熱伝導率は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下
2けたに丸める。
π
λθ
4
2R
I
=
×
1
2
1
2
ln
θ
θ−
t
t
又は,
l
EI
π
λθ
4
=
×
1
2
1
2
ln
θ
θ−
t
t
ここに,
λθ: 測定温度θ (℃) における熱伝導率 [W/(m・K)]
I: 熱線に流した電流値 (A)
R: 熱線の電気抵抗値(8) (Ω/m)
E: 図1の熱線のA−B間の電圧降下 (V)
l: 図1の熱線のA−B間の長さ (m)
t1, t2: 熱線に通電後,9. b) において直線関係が確認された
範囲内の時間 (s)
θ1, θ2: t1, t2における熱線の温度 (℃)
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注(8) 熱線の電気抵抗値は,測定に使用する熱線1 m当たりの各温度における電気抵抗値をあらかじ
め測定する。測定は,JIS C 2526による。
備考 熱線に通電後,9. b) において直線関係が確認された範囲内において,任意の2点の時間を測定
開始温度t1,測定終了温度t2とする。このt1及びt2のときの,熱線の温度がθ1及びθ2である。
測定温度θは,熱線の温度θ1及びθ2の平均値 (℃) で,θ1及びθ2が熱線の上昇温度(示差温度)
として読み込まれている場合は,測定開始時の熱線の温度 (℃) を足して求める。
特定温度の熱伝導率は,温度間隔100〜250 ℃毎の測定温度において求めた5〜8点の熱伝導率とその測
定温度との関係線を作成して求める(9)。
注(9) 熱線の温度上昇によって,測定温度が切れ目のよい特定の温度となることが少ない。そのため,
関係線を用いて特定の温度の熱伝導率を求めて使用するとよい。コンピュータを用いて関係式
(1〜4次)を求めると便利である。
11. 報告 試験の報告書には,次の項目を含めるものとする。
a) 測定を行った場所
b) 測定日時
c) この規格に準拠したこと
d) 測定試料(製造業者名,品種,型式,バッチ番号など)
e) 測定用試料の前処理条件
f)
不定形耐火物及び粉・粒状製品においては試料の調製方法及びかさ密度
g) 炉内雰囲気
h) 測定温度並びに3回の熱伝導率の測定値及びその平均値,又は受渡当事者間の協定によって定めた10.
で求めた特定温度及びその温度における熱伝導率の計算値。
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS R 2251-1 : 2007 耐火物の熱伝導率の試験方法−第1部:熱線法(直交法)
ISO 8894-1 : 1987 耐火材料−熱伝導率の試験方法−第1部:熱線法(直交法)
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲
①適用材質:電気伝導性
を有さない耐火物。
ISO
8894-1
1
①セラミックファイ
バを含む耐火物製品
を除く耐火材料全般。
MOD/変更
ISO規格の適用材質から電気伝導
性耐火物製品を除外することを明
確にしている。
この規格の原理から電気伝
導性物質は適用外であるた
め,今後,ISOに提案して
いく予定である。
②測定温度範囲:1 250 ℃
以下。
②JISに同じ。
IDT
−
③測定範囲:10 W/(m・K)
以下。
③測定温度範囲:1.5
W/(m・K) 以下。
MOD/変更
JISにおいては,測定範囲を拡張し
ている。
適正測定条件を満たせば,
測定範囲の拡張は可能であ
るので,今後,ISOに提案
していく予定である。
2. 引用規格
JIS C 1602
JIS C 2520
JIS C 2526
JIS R 2001
JIS R 2553
JIS Z 8401
2
ISO 5022
MOD/追加
JISにおいては,測定使用材料の材
質,その試験方法,作製手順など
をより分かりやすくするために,
具体的に引用規格を用いて説明し
ている。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
3. 用語の定
義
a) 耐火物
b) 熱伝導率
c) 熱線
d) 測定温度
e) 示差結線熱電対
3
JISに同じ。
MOD/追加
IDT
MOD/追加
−
技術的には同等である。
今後,ISOに提案していく
予定である。
4. 原理
4
JISに同じ。
IDT
−
8
R
2
2
5
1
-1
:
2
0
0
7
8
R
2
2
5
1
-1
:
2
0
0
7
9
R 2251-1:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
5. 耐火物の
種類及び適
用温度範囲
測定温度範囲において,
電気電導性を有する可能
性のある耐火物の種類及
び温度範囲を規定。
規定なし。
MOD/追加
JISは,ISO規格で不明確であった
適用範囲を明確にした。
今後,ISOに提案していく
予定である。
6. 装置及び
器具
①測定装置の概要図の記
載。
②ヌル機能付きデジタル
マルチメータの使用を認
める。
③試料計測装置の規定。
④熱線と熱電対を十字に
溶接する方法に加えて,
逆V字に溶接した使用を
認めた。
5
①測定装置のブロッ
クダイアグラムの記
載。
②規定なし。
③規定なし。
④規定なし。
MOD/追加
MOD/追加
MOD/追加
MOD/追加
JISにおいては,測定装置と計測類
の配線図を具体的に示し,装置作
製等をより分かりやすくするため
に,具体的な図面を掲載している。
高精度のデジタルマルチメータの
出現により,JISではこれを取り入
れ測定精度の向上を図っている。
試料の乾燥装置,寸法,質量の計
測計を具体的に規定している。
逆V字結線は,十字結線に比べて
試料の入替えが簡便な点で,採用
を可能にしている。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
今後,ISOに提案していく
予定である。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
9
R
2
2
5
1
-1
:
2
0
0
7
9
R
2
2
5
1
-1
:
2
0
0
7
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7. 測定用試
料
①定形,不定形耐火物の
試料寸法は230 mm×114
mm×65 mm(並形れん
が)以上とする。
6
①200 mm×100 mm
×50 mm以上で並形
れんがを推奨。
MOD/変更
JISにおいては,測定範囲を拡張し
ているので,測定中に試料周辺の
熱環境の影響を受けないように,
並形れんがとしている。
ISO規格に測定範囲の拡張
を提案するときに,試料寸
法の変更も提案していく予
定である。
②粉・粒状製品について
は,内容積が①の大きさ
の容器を用いる。
②JISに同じ。
IDT
−
③不定形耐火物の調製方
法を規定。
③具体的な調製方法
を規定せず,当事者間
の協議にゆだねてい
る。
MOD/変更
不定形耐火物の熱伝導率は,調製
方法,前処理条件などに影響され
るので,この規格ではJIS R 2553
の4. を採用している。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
8. 操作
①デジタルマルチメータ
のヌル機能の使用を認め
る。
7
①示差結線熱電対だ
け。
MOD/追加
示差結線熱電対以外に,デジタル
マルチメータのヌル機能によっ
て,測定直前の試料温度による熱
電対の熱起電力を補償できること
を規格に追加している。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
②適正供給電力量と最大
測定時間の規定測定温度
の規定。
②測定開始15分後に
100 ℃を超えないこ
と。
MOD/変更
再現性のよい測定値を得るため
に,熱伝導率に応じた最適測定条
件を追加している。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
9. 測定結果
の評価
8
JISに同じ。
IDT
−
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R 2251-1:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評
価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
10. 計算方法 ①任意の時間範囲での直
線のこう(勾)配より熱
伝導率を算出できるよう
に規定。
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①通常2〜10分間の
こう(勾)配で熱伝導
率を算出。ただし,こ
の間で直線性の存在
しない時間範囲は除
外する。
MOD/変更
測定範囲を拡張した場合,長時間
の測定によって,熱線温度が受け
る試料周辺の熱環境の影響を受け
誤った測定値を得ることのないよ
うに配慮している。
JISでは,測定時間範囲を厳
密に規定していないが,ISO
規格でも規定時間範囲内で
も直線性の存在しない範囲
は除外することを規定して
いるので,その整合性に,
さほど影響を及ぼす内容で
はない。
②測定温度の規定。
②規定なし。
MOD/追加
測定中に試料内の熱線温度が上昇
するので,その分を加味した測定
温度を規定に追加している。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
③各測定温度において得
られた熱伝導率を温度と
の関係線とし,要求され
る温度における熱伝導率
を求める方法を規定して
いる。
③規定なし。
MOD/追加
実測温度での熱伝導率から要求さ
れる温度における熱伝導率の提供
を可能にしている。
JISとISO規格との整合性
に,さほど影響を及ぼす内
容ではない。
11. 報告
関係線から求めた値であ
る旨の明示。
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規定なし。
MOD/追加
任意の特定温度での報告を可能と
する。報告値の由来を明確化して
いる。
JISは実用的なので,今後,
ISO見直し時に紹介する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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