2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 2001-1985
耐火物用語
Glossary of Terms Used in Refractory
1. 適用範囲 この規格は,耐火物に関して用いられる主な用語について規定する。
引用規格:16ページに示す。
2. 分類 耐火物用語は,次の6分類とする。
(1) 一般
(2) 原料及び鉱物
(3) 製造
(4) 耐火物の種類
(5) 窯炉及び耐火物の形状
(6) 特性及び試験方法
3. 用語,読み方及び意味 用語,読み方及び意味は,次のとおりとする。
(1) 一般
番号
用語
意味
対応英語(参考)
102
仮焼
(かしょう)
生原料を物理的又は化学的に変化させるために予
備的に行う熱処理。
calcination
103
可塑性
(かそせい)
形を作りうる性質,特に粘土に著しい性質で,この
可塑性によってき裂を生じさせることなく成形し,
新しい形状を保たせることができる。
plasticity
104
角欠け
(かどかけ)
れんがの角及びりょうの一部が破壊,はく離等によ
って損失した状態。
edge defect,
corner defect
105
塑性変形
(そせいへんけい)
外力に対して破壊することなく変形し,外力を取り
去ってもそのままの形を保つような変形。
plastic deformation
106
き裂
表面き裂と断わらない限り,製品の表面から内部に
広がつた裂け目。
crack
107
きず
焼成によって,れんがに生じた甚だしい汚染,はん
点及び溶融孔等。
flaw
108
クリンカー
マグネシア,ドロマイト等が強固に焼け固まったも
の。
clinker
109
鉱化剤
焼成によってある種の化合物の生成及びその結晶
化を促進助成させるために,少量添加する物質(原
料中に存在することもある。)。
mineralizer
112
シェリング,
ピーリング,
フレーキング
加熱面の背後のき裂によって耐火物の加熱表面部
分がはく離消失すること。
shelling,
peeling,
flaking
113
焼結(焼固)
焼成によって粒子間に結合を起こさせる現象。
sinter (vitrification)
2
R 2001-1985
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番号
用語
意味
対応英語(参考)
114
素地
(しらじ)
成形品の乾燥前又は成形,乾燥を終わり焼成する前
の中間製品。
green,
green body
115
浸食
耐火物が熱間でガス,スラグ溶融物等と接触したと
きに,これらと反応して低融点の物質を作ったり,
組織を弱めたり,又は溶融物の摩擦その他の外力に
よって劣化消耗していくこと。
corrosion,
erosion
116
失透
(しっとう)
ガラス物質がその中に結晶を晶出し,不透明になる
こと。
devitrification
117
スラグ
金属の融解精錬時に原料中の不要成分が酸化カル
シウム等のフラックス成分と結合して生成される
もの。
slag
119
セラミックボンド
焼成によって窯業品の粗粒子成分間に生成し,それ
を結合しているガラス質又は結晶物質。焼成品に機
械的強度を与える。
ceramic bond
120
組織
耐火物製品中の種々の形や大きさの気孔や粒子の
間の関係。
texture
121
反り
(そり)
曲がり,ねじれ又はゆがみ。
warpage
122
耐火物
1 500℃以上の定形耐火物及び最高使用温度が
800℃以上の不定形耐火物,耐火モルタル並びに耐
火断熱れんが。
refractory,
refractory product,
refractory material
123
耐火れんが
窯炉その他高温で使用する構造物の構築に適する
種々の形を持った耐火物。
refractory brick
124
ダスチング
物理化学的な変態転移によって自然に粉化するこ
と。
dusting
126
転移
一般に温度の変化によって物質の結晶形が変化す
ること。
inversion,
conversion,
transition
127
鉄はん点
れんがの中に鉄又はその化合物粒からできた黒色
のはん点。
iron spot
128
熱衝撃
(ねつしょうげき)
スポーリングの原因となりやすい温度の急激な変
化。
thermal shock
129
バッチ
製造工程において一括して扱われる一群の単位。例
えば,適当な割合で混合される各原料の量又はその
ように混合された混合物。
batch
130
バースティング
容積の永久膨脹による崩壊であって,特にクロム・
マグネシア質耐火物が酸化鉄を吸収した場合生じ
る現象。
bursting
131
風化
(ふうか)
大気にさらされることによって,酸化されたり,特
定の不純物が溶解したり,その一部が消失したりす
る変質現象。
weathering
132
ボンド
混合物の個々の粒子を相互に結び付けているもの。 bond
133
モノリシック
目地なしの大形の一体物。
monolithic
134
溶固,磁器化
(ようこ,じきか)
熱処理によって製品中にガラス相が相当量生成し
て,見掛気孔率がほとんどなくなるように変化する
こと。
vitrification
135
ラミネーション
組織の方向性欠陥であって,耐火物の成形時に生成
することがある。
lamination
136
消化
(しょうか)
カルシア,マグネシア及びドロマイトの仮焼物等が
水分を吸収反応して水酸化物となる現象。
slaking
3
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番号
用語
意味
対応英語(参考)
138
凝結
(ぎょうけつ)
形を保持しうるような状態。セメント類に水を加
え,固まる過程で次第に流動性を失い一定の形を保
持する状態をいう。
setting
139
結合剤
耐火物の主原料を結合して一体とさせるために使
用する材料で,粘土,けい酸ソーダ,石灰乳その他
種々の材料が使用される。
binder
140
セグリゲーション
混合された材料の粒度,粒形の均質度が低下する現
象。
segregation
141
密閉気孔率
水又はガスが容易に浸入しえない気孔。
closed pore
142
養生
(ようじょう)
材料の温度や乾燥の保護又は積極的に加熱して硬
化を促進させたり,冷却して発熱を制限したりする
こと。
ageing
(2) 原料及び鉱物
番号
用語
意味
対応英語(参考)
201
アルミナ
酸化アルミニウム (Al2O3)
alumina
202
ウォラストナイト
天然又は人工のメタけい酸カルシウム (CaSiO3)
wollastonite
203
カイヤナイト
アンダルサイト,シリマナイトと同じAl2O3・SiO2
の化学組成を持った同質多形鉱物の中の一つ。ま
た,この鉱物を主成分とする岩石にも,この用語が
使用される。
kyanite
204
カオリン
比較的大きなカオリナイトの結晶からできている
一次又は二次の粘土。可塑性は大きく,白く焼き上
がる。
kaolin
205
カオリナイト
カオリナイト族の代表的な粘土鉱物で,カオリンの
主要構成鉱物である。
kaolinite
206
かんらん石
一般式R2SiO4(RにMg, Fe又はCa)で表される鉱
物の族名。天然には鉄かんらん石を固溶するフォル
ステライトとして産する。
olivine
207
海水マグネシアクリンカー 海水から製造したマグネシアクリンカー。
sea-water magnesia
clinker,
sea-water magnesite
clinker
208
玉髄
(ぎょくずい)
潜晶質繊維状の石英
chalcedony
209
ギブサイト
アルミナの3水和物 (Al2O3・3H2O) の一つ。また,
これを主成分とする鉱石にもこの用語が使用され
る。
gibbsite
210
クロム鉄鉱
端成分は,鉄・クロムのスピネル。 (FeO・Cr2O3)。
一般に産出するものは (Fe, Mg) ・O・ (Fe, Al, Cr) 2・
O3の固溶体の形。
chromite
211
クリストバライト
結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。
cristobalite
212
クロムスピネル
三二酸化物 (R2O3) が酸化クロム (Cr2O3) である
スピネル。クロムを主成分の一つとして含有するス
ピネル。
chrome spinel
213
けい藻土
珪藻(けいそう)の遺体が水底に堆積した多孔質の
シリカを主成分とするもの。
diatomaceous earth
4
R 2001-1985
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番号
用語
意味
対応英語(参考)
214
コージライト
天然又は人工のマグネシウムのアルミノシリケー
ト,コージライトにはマンガン又は鉄を含有するも
のもある。また,これを主成分とする岩石にもこの
用語が使用される。
cordierite
215
コランダム
α−アルミナ。1 000℃以上で安定なアルミナの形で
ある。
corundum
216
黒鉛
炭素の同質多形鉱物。(鉱物名は石墨[せきぼく],
原料名は黒鉛)。
graphite,
plumbago
217
蛇紋岩
(じゃもんがん)
含水けい酸マグネシウムの一つ (3MgO・2SiO2・
2H2O) で鉱物的グループの名称。また,これを主
成分とする岩石にもこの用語が使用される。
serpentine
218
シリカ
二酸化けい素 (SiO2)
silica
219
シリマナイト
アンダルサイト,カイヤナイトと同じAl2O3・SiO2
の化学組成を持った同質多形鉱物の中の一つ。ま
た,この鉱物を主成分とする岩石にもこの用語が使
用される。
sillimanite
220
ジルコン
ジルコニウムオルトけい酸塩 (ZrSiO4)。また,これ
を主成分とする岩石にもこの用語が使用される。
zircon
221
ジルコニア
二酸化ジルコニウム (ZrO2)
zirconia
222
シャモット
粘土を焼いたもので,非可塑性原料として用いるも
のの総称。
chamotte,
grog
223
スピネル
一般式R"O・R2"'O3(R"及びR"'は,各々二価及び三
価の金属)を持つ等軸晶系の鉱物。また狭義ではア
ルミン酸マグネシウム (MgO・Al2O3) をいう。
spinel
224
石こう
硫酸カルシウムの2水和物 (CaSO4・2H2O)
gypsum
225
石英
結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。
quartz
226
炭化けい素
SiCの化学組成を持つ人造鉱物。工業製品は不純な
ことがある。
silicon carbide
227
ダイアスポア
アルミナの1水和物の一つ。また,これを主成分と
する鉱石にもこの用語が使用される。
diaspore
228
耐火粘土
主としてカオリン質鉱物と遊離石英と,他の微量の
成分を含む高温に耐える粘土。
fire clay
229
チタニア
二酸化チタニウム (TiO2)
titania
230
鉄かんらん石
かんらん石族の一つ。化学成分はオルトけい酸鉄
(Fe2SiO4)。
fayalite
231
天然黒鉛
天然に産する黒鉛で,りん状及び土壌黒鉛とがあ
る。
plumbago,
(graphite)
232
トリジマイト
結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。
tridymite
233
ドロマイト
カルシウム,マグネシウムの複炭酸塩鉱物。また,
これを主成分とする岩石にもこの用語が使用され
る。
dolomite
234
粘土
粘土鉱物を主体とする岩石,土壌で微粉末にすると
可塑性を持つもの。
clay
235
ハロイサイト
カオリナイト族の粘土鉱物の一つ。
halloysite
236
パーライト
天然ガラスの一種で,加熱すると著しく膨張する。 pearlite
237
パイロフィライト
含水けい酸アルミニウムの一つ (Al2O3・4SiO2・
H2O)。また,これを主成分とする岩石にもこの用
語が使用される。
pyrophyllite
238
ひる石
加熱すると非可逆的に膨張する雲母(うんも)鉱物
の一つ。
vermiculite
5
R 2001-1985
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番号
用語
意味
対応英語(参考)
239
フリントクレー
比較的硬く,質はち密で,貝がら状の破砕面を持つ
一種の粘土であって,可塑性はほとんどない。
flint clay
240
フォルステライト
かんらん石族の一つ。化学成分は,オルトけい酸マ
グネシウム (Mg2SiO4)。
forsterite
241
ベントナイト
非常に可塑性に富んだモンモリロナイト質粘土。本
質的には火山灰の変質物。
bentonite
242
ベーマイト
アルミナの1水和物の一つ (Al2O3・H2O)。
boehmite
243
ヘルシナイト
酸化第一鉄とアルミナのスピネル (FeO・Al2O3)。
hercynite
244
ペリクレース
マグネシア (MgO) の結晶。
periclase
245
ボールクレー
非常に可塑性に富んだカオリナイト質の二次粘土。 ball clay
246
ボーキサイト
アルミナの水和物(ダイアスポアー,ギプサイト及
びベーマイト)の一つ又はこれらの混合物を主成分
とした水成岩。粘土鉱物や鉄水酸化物をも含有して
いる。
bauxite
247
マグネサイト
炭酸マグネシウム鉱物。英米では,その焼成物及び
それから製造した耐火物については正確にはマグ
ネシアというべきであるが,この用語が使用されて
いる。
magnesite
248
マグネシアクリンカー
天然のマグネサイト又は海水などから分離した水
酸化マグネシウムを高温で焼成して作り,ベリクレ
ースを主成分としている。
magnesite clinker
249
ムライト
3Al2O3・2SiO2の基本的な化学式を持ったアルミナ
のけい酸塩。
mullite
250
モンチセライト
かんらん石族の一つ。カルシウムとマグネシウムの
オルトけい酸塩 (CaO・MgO・SiO2)。
monticellite
251
モンモリロナイト
アルミニウムの含水けい酸塩を主体とする粘土鉱
物の一つ。ベントナイトの主な鉱物である。
montmorillonite
252
合成ドロマイトクリンカー 天然ドロマイトで作るクリンカーに比して,耐火物
に適切かつ安定な品質になるように合成した,マグ
ネシア・カルシア系クリンカー。
synthetic dolomite
clinker
253
合成ムライト
カオリンに高アルミナ質原料を配合し焼成するな
どの方法で合成したムライト質原料。
synthetic mullite
254
焼結アルミナ
高アルミナ質原料を窯炉で焼結したもの。
sintered alumina
255
電融アルミナ
高アルミナ質原料を電気炉で溶融したもの。
fused alumina
256
電融マグネシア
マグネシア原料を電気炉で溶融したもの。
fused magnesia
257
ドロマイトクリンカー
天然ドロマイトを硬焼したもの。
dolomite clinker
(3) 製造
番号
用語
意味
対応英語(参考)
301
鋳込み
(いこみ)
流動性をもたせた原料を型に流し込んでそのまま
固まらせて形を作ること。
casting
302
エッジランナーミル
材料を粉砕,混合又は混練する機械の一つ。1ない
し多数の大きなロール又はランナーが一つの台又
は盤の上に置かれて回転し,その重みによって固体
を押しつぶしたり,粉砕したり又は混練したりす
る。
円盤が固定してロールが回転するものと,盤が回転
してロールがそれに伴って回転するものや,盤の底
に多数の小孔のあいたものもある。
edge-runner mill
6
R 2001-1985
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番号
用語
意味
対応英語(参考)
303
オーガー
口型から柱状のもの(普通は可塑性の粘土)を押し
出すための機械。推進作用はスクリューによって行
われる。
auger
304
クラッシングロール
相互に逆方向に回転するようなロールを利用した
粉砕機。ロールの回転速度は異なる場合もある。
crushing rolls
305
コーンクラッシャー
コーンが同様な形のケースの中にあって,同心的に
回転して破砕又は粉砕する機械。
cone crusher
306
硬焼
(こうしょう)
原料をできるだけ不活性にかつ安定するように高
温で焼成すること。死焼ともいう。
dead burning
307
ディスインテグレーター
ケースの中で回転子が回転する種々の形式の粉砕
機。ケース及び回転子には個々に分かれている固定
ハンマーが付いている。
disintegrator
308
ジョウクラッシャー
二つのあごが相互に往復運動することによって大
きい塊状のものを破砕する機械。
jaw crusher
309
ジャイレトリークラッシャ
ー
コーンが同様な形のケースの中にあって,ケースに
対して偏心的に回転することによって破砕又は粉
砕する機械。
gyratory crusher
310
焼成
成形品に機械的強度やその他必要な性質をもたせ
るための熱処理。
firing,
burning
311
粗砕
(そさい)
大きい塊を小さくすること。
crushing
312
パックミル
混合機の一つ。水平又は垂直な密閉したたるの中に
一本,又は2本のシャフトにらせん状に羽が付いて
いるもので,可塑性のものを均質に混合する機械。
pug mill
313
半乾式成形,
乾式成形
非可塑性の原料を含み,水分の少ない配合原料を高
圧で成形する方法。
semi-dry pressing,
semi-dry molding,
dry pressing,
dry molding
314
フレット
(エッジランナーミルの項参照)
edge runner mill
315
ボールミル
水平又はわずかに傾斜した軸で回転する円筒状又
は円すい形の殻と,その中に入れたペブル(玉石)
又は金属製又は窯業製品の球状又は円柱状のボー
ルとからできている微粉砕機。
ball mill
316
ミキサー
湿式又は乾式で混合する機械。種々の形式のものが
ある。
mixer
317
溶融鋳込み
溶融した耐火原料を鋳型に鋳込んで製造する方法。 fusion casting
318
ラミング
ランマーで成形すること。
ramming
319
ランマー
耐火材料を成形するときに使われる可搬式のつち。
人力,圧縮空気又はモーターによって操作される。
rammer
320
シャトルキルン
炉の構造の一部が稼動する単独窯。
shuttle kiln
321
振動成形
振動を与えることによって粒子間摩擦を減じ密に
充てんさせるようにした成形方法。
vibration molding
322
静水圧プレス成形
ゴム型など,変形可能な型に原料調合物を充てん
し,その外側から静水圧で加圧して成形体を作る方
法。ラバープレスともいう。
isostatic pressing,
isostatic molding
323
単独窯
バッチ単位で焼成処理する窯の総称。
periodic kiln
324
トンネル窯
予熱,焼成,冷却の3帯から構築されている連続式
のトンネル型の窯。
tunnel kiln
325
プレス成形
トッグル式,フリクション式,油圧式及びアイソス
タック式等の加圧による成形方法。
press molding
7
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 耐火物の種類
番号
用語
意味
対応英語(参考)
401
安定化ドロマイトれんが
ドロマイトと鉱物質安定剤とから作った安定化ド
ロマイトクリンカーを原料としたれんが。
stabilized dolomite
brick
402
アルミナシリカ質耐火物
主としてアルミナ及びシリカ両成分からできてい
る耐火物の総称。この耐火物には半けい石質,ろう
石質などの粘土質耐火物から,高アルミナ質耐火物
に至るAl2O3 : SiO2比のほとんど連続した一群の耐
火物を含んでいる。
alumina-silica
refractory
403
気硬性耐火モルタル
化学結合剤を添加したモルタルで,それ自体が室温
で硬化し強度を発揮するモルタル。
air setting refractory
cement,
air-setting refractory
mortar
404
キャスタブル耐火物
耐火性骨材と硬化剤を混合した粉体の耐火物で,水
和性又は化学結合を有し,鋳込み,振動,突き固め,
ラミング等種々の形式で施工される。
castable refractory
405
クロムれんが
クロム鉄鉱を主原料とした中性耐火れんが[JIS R
2301(クロムれんが)]。
chrome brick
406
クロムマグネシア質れんが クロム鉄鉱とマグネシアクリンカーを主原料とし
た塩基性耐火れんが。マグネシアの含有量によって
クロ・マグ,又はマグ・クロれんがといわれる[JIS
R 2306(クロム・マグネシア質れんが)]。
brick of combination of
chrome ore and
magnesite,
chrome-magnesite
brick
407
クロ・マグれんが
化学成分がマグネシア50%未満のクロム・マグネ
シア質れんが。
chrome-magnesite
brick
408
けい石れんが
けい石を主原料とする耐火れんが[JIS R 2303(け
い石れんが)]。
silica brick
409
軽量キャスタブル耐火物
多孔質の軽量骨材と水硬性セメントなどを混合し
た耐火物。水を混ぜて鋳込みによって施工すればそ
のまま断熱性構造物として使用できる。
lightweight castable
refractory
410
コーティング耐火物
常温又は高温の耐火物表面に塗布しやすいような
配合に調整されている耐火物。
coating refractory
411
黒鉛質耐火物
黒鉛又は黒鉛と粘土とを主原料とした耐火物。
graphite refractory
412
高アルミナ質耐火物
アルミナ・シリカ質耐火物でアルミナの量が約45%
以上で,耐火度がSK35以上の耐火物[JIS R 2305
(高アルミナ質耐火れんが)]。
high-alumina brick
413
シリマナイト質耐火物
シリマナイト族鉱物を主原料とした耐火物。
sillimanite refractory
414
ジルコン質れんが
ジルコンを主原料とした耐火れんが。
zircon brick
415
水硬性耐火モルタル
アルミナセメントが入れてあって,水を加えれば室
温で硬化する耐火モルタル。
hydraulic refractory
cement,
hydraulic setting
refractory mortar
416
焼成れんが
耐火原料を成形した後,必要な性質を持たせるため
所定の温度で焼成したれんが。
burned brick
417
炭素れんが
天然黒鉛,人造黒鉛,コークス,無煙炭などのよう
な炭素質材料を主原料とし,それにタール,ピッチ
などの結合材を使用して製造したれんが[JIS R
7211(カーボンブロック)]と粘土質原料に黒鉛を
配合して製造したれんががある。
carbon brick,
carbon block
418
炭化けい素質れんが
炭化けい素を主原料とした耐火れんが。
sillicon carbide brick
8
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
419
耐火モルタル
耐火れんがを積むときの目地材料。その硬化の状態
から,熱硬性,気硬性及び水硬性の3種類の耐火モ
ルタルに分類される[JIS R 2501(耐火モルタル)]。
refractory mortar,
refractory cement
420
耐火断熱れんが
熱伝導率の低い耐火れんが[JIS R 2611(耐火断熱
れんが)]。
insulating firebrick
421
電鋳れんが
耐火原料を電気溶融した後,所要の形状に鋳込み成
形したれんが。
electrocast brick
422
ドロマイトれんが
ドロマイトを主原料とした耐火れんが。
dolomite brick
423
熱硬性耐火モルタル
高温でセラミックボンドによって硬化する耐火モ
ルタル。
heat-setting refractory
mortar
424
粘土質耐火れんが
耐火粘土又はろう石など,これと類似の化学成分を
もつ耐火原料を主原料とした耐火れんが[JIS R
2304(粘土質耐火れんが)]。
fireclay brick
425
タールドロマイトれんが
組成鉱物として相当量の酸化カルシウムを含み,こ
のため消化性はあるが,れんが又はれんがを構成す
る粒子をタールで被覆することによって,物理的に
消化速度を遅くしたドロマイトれんが。
tar dolomite brick
426
半けい石れんが
けい酸を約70〜90%含むアルミナ・シリカ質の耐
火れんが。
semi-silica brick
427
フォルステライトれんが
フォルステライトを主体の構成鉱物とした塩基性
れんが。
forsterite brick
428
プラスチック耐火物
耐火性骨材に可塑性のある材料を加え,更に適当な
水を混ぜてねり土状にした耐火物。比較的低温で硬
化させるように化学薬品を添加したものもある。
plastic refractory,
moldable refractory
429
不焼成れんが
耐火原料に化学結合剤を添加して成形し,焼成せず
に必要な性質を出すようにした耐火れんが。
unburned brick
430
マグ・クロれんが
化学成分がマグネシア50%以上のクロム・マグネ
シア質れんが (JIS R 2306)。
magnesite-chrome
brick
431
マグネシアれんが
マグネシアクリンカーを主原料とした耐火れんが。 magnesite-brick
432
ムライト質耐火物
ムライトを主成分とした高アルミナ質耐火物。
mullite refractory
433
メタルケースれんが
鉄板で包み,焼成しないで使用する耐火れんが。
metal cased brick
434
ラミング耐火物
熱の影響によってセラミックボンドができ強度を
だす粒状耐火物。
ramming refractory
435
ろう石れんが
ろう石(主成分は,パイロフィライト)を主原料と
したアルミナ・シリカ系耐火れんが。
Roseki firebrick
436
塩基性耐火物
一般式ROで示される耐火物で,マグネシア,カル
シア等を主成分とする耐火物。
basic refractory
437
ケミカルボンド耐火物
構成耐火物粒子が互いに化学薬品で結合された耐
火物の総称。
chemical bonded
refractory
438
酸性耐火物
一般式RO2で示される耐火物で,シリカ等の酸性
酸化物を主成分とする耐火物。
acid refractory
439
シリケートボンド耐火物
構成耐火物粒子が互いにけい酸化塩によって焼結
された組織を持つ耐火物。
silicate bonded
refractory
440
すいわボンド耐火物
構成耐火物粒子間を水和物で結合した耐火物の総
称。
hydraulic bonded
refractory
441
セラミックボンド耐火物
構成耐火物粒子間をセラミックで結合した耐火物
の総称。
ceramic bonded
refractory
442
ダイレントボンド耐火物
高耐火性粒子が互いに直接結合した組織をもつ耐
火物。特にマグネシア・クロム質耐火物でペリクレ
ーズ,スピネル等が相互に結合した耐火物。
direct bonded
refractory
9
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
443
中性耐火物
一般式R2O3で示される耐火物で,酸性又は塩基性
耐火物とあまり反応を起こさない耐火物。
neutral refractory
444
定形耐火物
耐火れんが及び耐火断熱れんがの総称。
shaped refractory,
shaped brick
445
不定形耐火物
粒状又はねり土状の耐火物。
キャスタブル耐火物,プラスチック耐火物,ラミン
グ耐火物,吹き付け耐火物,スリング耐火物,耐火
モルタル等を総称するが,耐火モルタルは,それ単
体では構造体にならないので除かれる場合がある。
monolithic refractory,
unshaped refractory
446
有機ボンド耐火物
構成耐火物粒子間を有機結合剤で結合した耐火物。 organic bonded
refractory
(5) 窯炉及び耐火物の形状
番号
用語
意味
対応英語(参考)
501
異形耐火れんが
標準形れんがを除く他のすべての形状の耐火れん
が[JIS R 2101(耐火れんがの形状及び寸法)]。
firebrick of
miscellaneous shapes
502
内張りれんが
直接高温に接触する窯炉の内側又は容器の内側に
張る耐火れんが。
lining brick
503
裏張りれんが
内張りれんがの外側に溶融物や高温ガスの浸透を
防ぐため,又は断熱のために張る耐火れんが若しく
は耐火断熱れんが。
back-up lining brick,
permanent lining
504
煙道
耐火物などで構築された燃焼廃ガスを煙突又は廃
熱利用場所に導く通路。
flue
505
扇形れんが
両こば面が円心円柱面の一部を構成している形の
れんが(付図1)。
circle brick
506
キュポラブロック
キュポラの円筒状部分に適したように設計された
ブロック状の耐火物。
cupola block
507
く形れんが
並形れんが,半枚れんがなど直六面体の形状を持つ
れんが。
rectangular firebrick,
rectangular refractory
shapes straight brick
508
スリーブれんが
取鍋(又はとりべ)の開閉装置のロッドを保護する
円筒形のれんが(付図7)。
sleeve brick
509
ストッパーヘッド
取鍋(又はとりべ)の開閉装置のストッパーロッド
の端に用い,ノズルから出る溶融金属の流れを調節
する異形耐火れんが。
stopper head,
stopper,
stopper end
510
せり受けれんが
窯炉の構造においてせりアーチの両端にあって,そ
の荷重を直接受けるれんが。
skew brick
511
せりアーチ
せりだけで支持したアーチ。
sprung arch
512
攻めれんが
円筒の内張り又はアーチ形れんが積みの最後にれ
んが積みを締める目的で挿入するくさび形のれん
が。
brick for wedge use
513
ゼブラ天井
2種類の品質の耐火物。例えば,けい石れんがとク
ロム・マグネシア質れんがとを交互にしま状に張り
合わせた炉天井。
zebra roof
10
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
514
造塊用れんが
製鋼において溶鋼を鋼塊にするまでの工程で使用
されるれんが。このれんがは大別して溶鋼を受けて
注入するまでに使用される取鍋(又はとりべ)関係
のれんがと,鋼塊を鋳込むために使用される定盤関
係のれんがに分類できる。取鍋関係のれんがには内
張りれんが,スリーブれんが,ストッパーヘッド,
ノズルれんがなどがあり,定盤関係のれんがには漏
斗れんが,注入管れんが,中心れんが,湯道れんが,
押湯枠れんが等がある。
casting pit brick,
pouring pit brick
515
縦ぜりれんが
アーチ形の構築に使用する異形れんがで,最大の二
面が長さ方向に二面とも等分の角度で傾斜し,狭ま
っている形状のれんが(付図2)。
wedge,
end arch
516
タンクブロック
タンクがまの下部の構築に使用される大形異形れ
んが。
tank block
517
チェッカーれんが
蓄熱室の格子積みに使用される長方形れんが及び
異形れんが又は熱風炉の蓄熱用に使用される穴あ
きれんが。
checker brick,
chequer brick
518
中心れんが
注入管から溶鋼を各湯道れんがに分けるところに
使用される中空のれんが(付図8)。
center brick,
crown brick,
distributor brick
519
注入管れんが
漏斗れんがと定盤れんがとの間で溶鋼を通す円筒
形のれんが(付図8)。
guide tube brick
520
つり壁
いろいろの高さに外部から垂直又は斜めに懸垂し
た耐火物の壁。
suspended wall
521
つりアーチ
アーチを組んでいるれんがの一部又は全部を枠組
からつったアーチ。
suspended arch
522
つりれんが
つり金物でつれる形を持つれんが。つり壁,つりア
ーチ,つり天井などに使用される。
hanger brick
523
デビル炉
耐火度測定に使用される試験炉の一種。
Deville furnace
524
取鍋(又はとりベ)れんが 溶解炉で精錬された溶解金属を受けて鋳型に鋳込
むために用いる取鍋(又はとりべ)に内張りするれ
んが(とりべれんがともいう。)(付図7)。
ladle brick
525
ドームれんが
ドーム天井のれんが積みができるように最大面及
びこば面が傾斜しているれんが(付図3)。
dome brick
526
並形れんが
標準形く形れんがの一種。寸法は国によって異なる
が,我が国では長さ230mm,幅114mm,厚さ65mm
のく形耐火れんが (JIS R 2101)。
standard brick,
standard shap brick
527
ノズル受けれんが
取鍋(又はとりべ)の底に張るれんがで,ノズルを
その中にセットするように穴のあいた特殊な形状
をしているれんが(付図7)。
nozzle seating block,
well brick
528
ノズルれんが
取鍋(又はとりべ)又はタンディッシュの底部に取
り付けられ,ストッパーと組み合わせて溶鋼の流出
口に用いられるれんが(付図7)。
nozzle brick
529
半円アーチ
せりアーチの一種。せりの下端が円の中心線と同じ
水準にあるアーチ。
semi-circular arch
530
半枚れんが
長さと幅は並形れんがと同じで,厚さが並形の約半
分のれんが。
split,
scone brick
531
ばち形れんが
円形部分の構築に使用する異形れんがで,両側面が
長さ方向に二面とも等分の角度で傾斜し,したがっ
て最大二面がばち形になっているれんが(付図4)。
key brick,
crown brick
11
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
532
火たて(火受け)
(火垣き)
炉の端部に設けたれんが壁で,燃焼を完了させ又は
燃焼室を限定する目的で設計されたもの。
bridge wall,
shadow wall
533
標準形れんが
並形,横ぜり形,縦ぜり形,ばち形の耐火れんがの
うちJIS R 2101に規定されている標準形状のれん
が。
standard size brick
534
ブルノーズれんが
小口面とこば面との境が完全に丸められた形状の
れんが(付図5)。
bullnose,
jamb brick
535
平炉用耐火物
鋼を製造する窯炉で融解室の下に蓄熱室を持つ一
種の反射炉である平炉に使用する耐火物。
refractories for open
hearth furanace
536
放物線形アーチ
アーチの部分が放物線の形を持つせりアーチ。
catenary arch
537
膨張代
(ぼうちょうしろ)
窯炉を高温度で使用するとき,れんがは熱膨張を起
こし,構造部分に応力が生じ窯炉を損傷するので,
これを防止するために縦又は横のれんが積みの中
に設けるすきまをいう。
expansion joint
538
目地
(めじ)
れんがを積む場合,各個のれんがの接合する部分
で,通常モルタルで充てん接合する。
joint
539
湯道れんが
下注ぎのとき,中心れんがから鋳型に溶鋼を通すた
めの中空のれんが(付図8)。
runner brick
540
横ぜりれんが
アーチの形の構築に使用する異形れんがで,最大の
二面の幅の方向に二面とも等分の角度で傾斜し,狭
まっている形状のれんが(付図6)。
arch brick
541
羊かん形れんが
(ようかんがたれんが)
並形れんがの幅を約半分に分割したような形状の
れんが。したがって両端面は,ほぼ正方形となる。
soap,
soap brick
542
ライズ
アーチ内面の最低の部分と最高の部分との垂直距
離。
rise
543
レトルト
石炭,亜鉛,ソーダなどを加熱して蒸留又は分解さ
せるための耐火性容器。
retort
544
レキュペレーター
燃焼生成物の熱を金属又は耐火物の壁を通して,空
気又はガス等に伝達する連続的な熱交換器。
recuperator
545
漏斗れんが
(ろうとれんが)
取鍋(又はとりべ)のノズルから出る溶鋼を定盤れ
んがに導くために注入管の上に取り付ける漏斗状
のれんが(付図8)。
trampet brick,
bell brick,
funnel brick
546
ロータリーキルン用れんが ロータリーキルンの内張りに用いるれんが。それぞ
れの使用条件に応じて粘土質れんが,高アルミナ質
れんが及び塩基性れんがが使用される。
rotary kiln brick
547
浸せきノズル
(しんせきのずる)
連続鋳造で,タンディッシュ内の融解金属を鋳型に
導く管状耐火れんが。
submerged nozzle,
imersion nozzle
548
スライディグノズル
それぞれ貫通孔を持つ2枚以上のプレートれんが
を重ね合わせ,それを互いにしゅう動させて,孔を
貫通又は閉鎖させ,溶解物の排出速度を調整する機
構を持つノズル。スライドバルブ,スライディング
ゲートともいう。
sliding gate,
slide valve
549
スリング耐火物
投射機で施工される耐火物。
sling mass
550
バーナータイル
燃焼室に燃料を吹き込む際の吹き込み口となる耐
火れんが。バーナーブロックともいう。
bunner tile
551
ハブれんが,
せきれんが
ロータリーキルンの乾燥帯又は焼成帯に内蔵され,
燃焼物のかき混ぜによって熱効率の向上を目的に
使用する耐火れんが。
hub brick,
dum brick
552
吹き付け耐火物
噴射装置を持つ吹き付け機で,常温又は熱間で吹き
付けられる不定形耐火物。
spraging refractory,
gunning refractory
12
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
553
連続鋳造用耐火物
(れんぞくちゅうぞうよう
たいかぶつ)
溶融金属から金属片を連続的に鋳造する装置に用
いる耐火物。
refractory for continous
casting
(6) 特性及び試験方法
番号
用語
意味
対応英語(参考)
601
圧縮強さ
耐火物が押しつぶされるまでに耐えうる単位面積
当たりの最大荷重[JIS R 2206(耐火れんがの圧縮
強さの試験方法)]。
crushing strength
602
永久膨張,
残存膨張
(残存線膨張収縮率の項を参照。)
permanent linear
expansion,
after-expansion
603
オルトンコーン
焼成程度又は耐火度を測定するために使用する標
準の三角すい。アメリカで標準となっている温度す
い。
Orton cone
604
オートクレーブ試験
オートクレーブ中の高温,高圧の水蒸気雰囲気で耐
火物を処理し,その前後の変化を測定する試験方法
で,カルシア,マグネシア等を含む耐火物の消化の
程度の測定等に用いる[JIS R 2211(塩基性耐火れ
んがの消化性の試験方法)]。
autoclave test
605
かさ比重
耐火物の質量をそのかさ容積で割った数値をいう。
なお,かさ容積とは内部に気孔を含んだ外形の容積
をいう。
bulk specific gravity,
bulk density
606
荷重軟化点
耐火物に一定の荷重を加えながら加熱していくと
き,所定の軟化圧縮程度に達する温度をいう[JIS R
2209(耐火れんがの荷重軟化点の試験方法)]。
refractoriness under
load
607
乾燥収縮
乾燥による寸法の減少。
drying shrinkage
608
含水率
耐火物に含まれる水分の質量の耐火物の質量(水分
を含んだままの値)に対する百分率[JIS R 2572(高
アルミナ質プラスチック耐火物及び粘土質プラス
チック耐火物の含水率試験方法)]。
water content
609
気孔率
耐火物に含まれる気孔容積の全容積に対する割合。
真気孔率,密閉気孔率,見掛気孔率などがある。
porosity
610
強熱減量
乾燥した材料を規定の温度条件に加熱したときの
質量減量百分率。
loss on ignition
611
吸水率
耐火物が吸水しうる水の質量のもとの質量に対す
る百分率[JIS R 2205(耐火れんがの見掛気孔率,
吸水率及び比重の測定方法)]。
water absorption
612
再加熱収縮率
[残存線膨張収縮率の項参照]。
reheating shrinkage
613
残存線膨張収縮率
耐火物を定められた温度で定められた時間加熱し
た後,常温になったときの長さの最初の長さに対す
る百分率。最初の長さよりも長くなれば残存膨張率
で表し,短くなれば残存収縮率で表す[JIS R 2208
(耐火れんがの残存線膨張収縮率の試験方法)]。
permanent linear
change
(on reheating)
614
真比重
耐火物にはその中に開口気孔と密閉気孔を持って
いるので,これらの気孔の影響がないように粉砕し
てから比重瓶で測定した比重 (JIS R 2205)。
true specific gravity
13
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
615
試験コーン
耐火物の耐火度を測定するとき,この耐火物を用い
てゼーゲルコーンと同一の形状・寸法の三角すいを
成形し,ゼーゲルコーンと溶融状態を比較する。こ
の三角すいを試験コーンという。
test cone
616
焼成収縮
焼成による寸法の減少。
firing shrinkage
617
スポーリング
耐火物が熱衝撃,急な温度こう配の影響又は結晶転
移のための膨張差等によってき裂又ははく離する
現象。
spalling
618
ゼーゲルコーン
焼成程度又は耐火度を測定するために使用する標
準の三角すい。我が国やヨーロッパ各国などで使用
される。
Seger cone
619
耐火度
耐火物が軟化変形を起こす加熱の度合を示すもの
で,同一の加熱条件によって同一程度の変形を示す
標準ゼーゲルコーンの番号で表示する[JIS R 2204
(耐火れんがの耐火度の試験方法)]。
refractoriness
620
軟化温度
荷重軟化曲線の最高位置の温度 (JIS R 2209)。
apparent initial
softening
621
熱分析
材料の加熱又は冷却中に起こる吸熱及び発熱反応
を測定する方法。示差法による場合もある。
thermal analysis
622
熱膨張
温度の上昇とともに寸法が増す物質の性質。この現
象は一般的に可逆的である。
thermal expansion
623
引張強さ
単位断面積当たりの限界引張り応力で,この値まで
耐火材料は破壊することなしに抵抗する。測定は指
定された条件のもとで,特に調製した試験体によっ
て行う。
tensile strength
624
P. C. E
アメリカで耐火度の表示に使用する記号。
pyrometric cone
equivalent
625
曲げ強さ
単位断面積当たりの限界曲げ応力で,この値まで耐
火材料は破壊することなしに抵抗する。測定は指定
された条件のもとで,特に調製された試験体によっ
て行う[JIS R 2213(耐火れんがの曲げ強さの試験
方法)]。
modulus of rupture,
transverse strength,
bending strength
626
密度
単位容積当たりの物質の質量。
density
627
密閉気孔率
密閉気孔容積のかさ容積に対する百分率。
sealed porosity,
closed porosity
628
見掛気孔率
開口気孔容積のかさ容積に対する百分率 (JIS R
2205)
apparent porosity
629
見掛比重
耐火物の質量を,その見掛容積と同じ容積を持つ
4℃の水の質量で割った値。
apparent specific
gravity
630
見掛容積
耐火物の密封気孔を含んだ容積。
apparent solid volume
631
粒度分析
粒子の混合物の割合を測るために,級別にした大き
さのものに分離する方法又はその結果。
grain size analysis,
particle size analysis
632
ワーカビリティーインデッ
クス
プラスチック耐火物の施工又は成形のしやすさを
示す指数[JIS R 2574(粘土質プラスチック耐火物
のワーカビリチー・インデックス試験方法)]。
workability index
633
安定性試験
浸水法又は煮沸法などによって膨張性ひび割れ又
は反りの発生の有無を調べる試験。
stability test
634
クリープ
物体に応力を加えておくと,徐々に変形する現象。 creep
635
最高使用温度
耐火物の使用温度域で,線変化率が規定数値の範囲
を超えない最高温度。
maximum service
temperature
14
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
636
スラグ試験
スラグと耐火物の高温下の反応試験。
slag test
637
接着試験
同種又は異種の物質を接合する場合,その接着剤の
性質を調べる試験。
cement test,
branding test
638
ちょう度
耐火物関係では,液体と粉末及びコロイド等との混
合物の硬さの程度を調べるために行う試験。
consistency
639
熱間線膨脹率
耐火物が温度の上昇とともに膨脹する程度を示す
係数で,所定温度になったときの長さの最初の長さ
に対する百分率。
rate of liner change on
heating
640
フロー試験
耐火モルタル又はキャスタブル耐火物等を水等で
ねり合わせた状態のものの平面上における広がり
の程度を決めるための試験。
flow test
641
粉末度
粉末の細かさの程度。
fineness
642
粒度
対象とする混合物についての粒子の大きさ。
grain size
付図1 扇形れんが
付図2 縦ぜりれんが
付図3 ドームれんが
付図4 ばち形れんが
付図5 ブルノーズれんが
付図6 横ぜりれんが
15
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図7 取鍋(又はとりべ)れんが
16
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図8
引用規格:
JIS R 2101 耐火れんがの形状及び寸法
JIS R 2204 耐火れんがの耐火度の試験方法
JIS R 2205 耐火れんがの見掛気孔率・吸水率及び比重の測定方法
JIS R 2206 耐火れんがの圧縮強さの試験方法
JIS R 2208 耐火れんがの残存線膨張収縮率の試験方法
JIS R 2209 耐火れんがの荷重軟化点の試験方法
JIS R 2211 塩基性耐火れんがの消化性の試験方法
JIS R 2213 耐火れんがの曲げ強さの試験方法
JIS R 2301 クロムれんが
JIS R 2303 けい石れんが
JIS R 2304 粘土質耐火れんが
JIS R 2305 高アルミナ質耐火れんが
JIS R 2306 クロム・マグネシア質れんが
JIS R 2501 耐火モルタル
JIS R 2572 高アルミナ質プラスチック耐火物及び粘土質プラスチック耐火物の含水率試験方法
JIS R 2574 粘土質プラスチック耐火物のワーカビリチー・インデックス試験方法
JIS R 2611 耐火断熱れんが
JIS R 7211 カーボンブロック
17
R 2001-1985
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
窯業部会耐火物専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
浜 野 健 也
東京工業大学
奥 田 博
名古屋工業技術試験所
新 村 明
通商産業省生活産業局
内 仲 康 夫
通商産業省蕃礎産業局
大久保 和 夫
工業技術院標準部
遠 藤 幸 雄
社団法人窯業協会
大 槻 彰 一
耐火物協会
石 渡 宏
耐火物技術協会
金 子 功
社団法人セメント協会
近 藤 敬
板ガラス協会
永 井 灑
祉団法人日本鉄鋼連盟
小田中 真一郎
大阪窯業耐火煉瓦株式会社
藤 本 章一郎
黒崎窯業株式会祉
鳥 谷 博 信
川崎炉材株式会社
滑 石 直 幸
播磨耐火煉瓦株式会社
堀 江 鋭 二
イソライト工業株式会社
西 川 泰 男
九州耐火煉瓦株式会社
木 地 一 郎
丸越工業株式会社
本 郷 靖 郎
日本特殊炉材株式会社
篠 原 泰 明
新日本製鐡株式会社
鈴 木 隆 夫
住友金属工業株式会社
宮 本 明
日本鋼管株式会社
坂 野 義 郎
川崎製鐡株式会社
石 田 二 郎
大同特殊鋼株式会社
(事務局)
宅 間 昌 輔
工業技術院標準部繊維化学規格課
鈴 木 清 美
工業技術院標準部繊維化学規格課