サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

R 1693-2:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 記号及び単位 ··················································································································· 2 

5 原理······························································································································· 3 

6 測定装置························································································································· 3 

6.1 概要 ···························································································································· 3 

6.2 測定装置を構成する要素 ································································································· 3 

7 試験片···························································································································· 5 

7.1 試験片の形状及び寸法 ···································································································· 5 

7.2 基準試験片の形状及び寸法 ······························································································ 5 

7.3 試験片の材質 ················································································································ 6 

7.4 試験片の数 ··················································································································· 6 

8 測定の手順 ······················································································································ 6 

8.1 測定の準備 ··················································································································· 6 

8.2 反射スペクトルの測定 ···································································································· 6 

9 計算方法························································································································· 7 

9.1 室温の分光反射率の算出 ································································································· 7 

9.2 室温の分光放射率の算出 ································································································· 7 

9.3 分光放射発散度の算出 ···································································································· 7 

9.4 特定波長域における垂直放射率の算出················································································ 7 

10 報告 ····························································································································· 8 

R 1693-2:2012  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本ファインセラミックス協会

(JFCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS R 1693の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS R 1693-1 第1部:FTIRを用いた分離黒体法による垂直分光放射率 

JIS R 1693-2 第2部:FTIRを用いた反射法による垂直放射率 

JIS R 1693-3 第3部:直接加熱熱量法による半球全放射率 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1693-2:2012 

ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の

放射率測定方法− 

第2部:FTIRを用いた反射法による垂直放射率 

Measurement method for emissivity of fine ceramics and  

ceramic matrix composites- 

Part 2: Normal emissivity by reflective method using FTIR 

序文 

ファインセラミックス及びセラミックス複合材料は,耐久性及び耐熱性に優れ,各種産業分野における

部材として幅広く利用されている。ファインセラミックスを高温部材又は放射素材として使用する場合に

は,使用温度における放射率が部品設計上の材料特性として重要になる。この規格は,フーリエ変換赤外

分光光度計(FTIR)を用いた反射法によるファインセラミックス及びセラミックス複合材料の垂直放射率

測定について,実用的方法を提供し,ファインセラミックス及びセラミックス複合材料を利用する諸工業

の発展に寄与することを目的として制定した。 

なお,この規格に対応する国際規格は制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,平板状のファインセラミックス及びセラミックス複合材料の表面における垂直放射率を,

FTIRを用いた反射法によって測定する方法について規定する。対象とする材料はおおよそ波長1.67〜25 

μm(波数400〜6 000 cm−1)の波長帯において不透明であるものとし,その波長帯範囲内における室温の

垂直分光放射率の測定方法及びその室温データを用いて,所望温度における垂直全放射率を算出する方法

について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格はその最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS Z 8117 遠赤外線用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600及びJIS Z 8117によるほか,次による。 

background image

R 1693-2:2012  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1 

放射率 

ある温度において物体表面から放射される熱放射輝度と,それと同じ温度の黒体放射輝度との比。 

3.2 

分光放射率 

波長λにおける放射率。 

3.3 

垂直分光放射率 

物体表面に対して垂直方向(法線方向)の分光放射率。 

3.4 

特定波長域における垂直放射率 

特定の波長帯域における物体表面に対して垂直方向(法線方向)の放射率。 

3.5 

垂直全放射率 

全波長域における物体表面に対して垂直方向(法線方向)の放射率。 

3.6 

基準試験片 

金コーティングした反射板で,反射率測定の基準になる試験片。正反射式測定装置では表面が鏡面状の

反射板を,積分球式測定装置では拡散反射板を基準試験片とする。基準試験片の反射率は,国家標準にト

レーサブルな校正値をもつものが望ましい。 

3.7 

積分球 

反射測定を行う赤外波長域における反射率がおよそ95 %以上の内壁から構成される球形,又はそれに準

じた形状をもち,壁面の一部に赤外線入射口,試験片設置用開口部及び検出器用開口部を備える光学装置。 

3.8 

基準試験片の反射スペクトル 

反射率測定装置へ入射する赤外線が直接基準試験片に照射される配置における反射スペクトル。切換え

ミラーを内蔵した積分球を用いる場合は,入射赤外線が試験片を直接照射しない配置における反射スペク

トルも基準試験片の反射スペクトルとみなす。 

記号及び単位 

記号及び単位は,表1による。 

表1−記号及び単位 

名称 

記号 

単位 

垂直分光放射率 

εs 

− 

垂直分光反射率 

ρs 

− 

分光放射発散度 

Me(λ,T) 

W/m2/μm 

波長 

λ 

μm 

試験片の温度 

R 1693-2:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原理 

試験片の材質が測定波長域の赤外線に対して不透明で,赤外線入射光が試験片を透過することによる放

射率測定値への影響が無視できる場合,“吸収率=1−反射率”の関係及び“吸収率=放射率”の関係が成

り立つ。室温の垂直入射−半球分光反射率,又はそれと同等とみなすことができる方向入射−正反射率を

測定して求めた室温の垂直分光放射率を用いて,所望の高温における垂直全放射率を計算によって推定す

る。 

この規格において,高温の垂直放射率が算出可能な試験片は,所望の高温でその材料の光学定数(屈折

率,消衰係数)及び化学的・構造的な試験片表面の変化がないものに限定される。 

測定装置 

6.1 

概要 

測定装量の構成は分光した赤外線を取り出すFTIR,試験片に分光した赤外線を照射してその反射光を測

定する反射率測定系,並びに測定データの取込み及び解析用のコンピュータからなる。 

6.2 

測定装置を構成する要素 

6.2.1 

FTIR 

分光反射率測定では,FTIRに内蔵光源又は外部光源からの赤外線を干渉計によって変調して取り出し,

反射率測定系の入射口に照射する。 

6.2.2 

反射率測定系 

反射率測定系の装置は,積分球式測定装置を用いる。ただし,試験片の鏡面反射性が強い場合は,方向

入射−正反射率が垂直入射−半球分光反射率にほぼ等しいものと仮定することによって,正反射式測定装

置を用いることができる。各装置については,次による。 

a) 正反射式測定装置 図1に示すような構成の装置を用いる。光学系は,入射光及び反射光の方向を調

節する反射ミラー,入射光及び反射光を集光するだ(楕)円反射ミラーから構成される。試験片台に

設置された試験片に対し,入射光を垂直から5〜20°傾けた角度で入射する。集光された反射光は,

赤外検出器に導く。 

なお,入射赤外光の試験片表面での照射領域サイズは,試験片面積の50 %以下とする。 

b) 積分球式測定装置 図2に示すような構成の装置を用いる。積分球の壁面には,試験片に赤外線を照

射するための円形開口部,試験片設置用の円形開口部及び試験片からの反射スペクトル検出用開口部

があり,赤外検出器が附属する。入射光は垂直から5〜15°傾けた角度で試験片表面に入射させる。 

積分球の中心部に回転反射ミラーを内蔵した装置(図3)も用いることができる。この回転反射ミ

ラーによって光路の切換えができるため,分光した赤外線が試験片に直接照射する配置と直接照射し

ない配置とを切り換えられる。 

なお,入射赤外光の試験片表面での照射領域サイズは,試験片面積の50 %以下とする。 

注記 積分球への赤外線入射光用開口部,試験片設置用開口部及び反射スペクトル検出用開口部の孔

面積は,積分球内面積のそれぞれ3 %以下を目安とする。内径76 mmの積分球の測定試験片用

開口部の直径は24 mmを,赤外線が入射するスリットの直径は16 mmを推奨する。 

6.2.3 

コンピュータ 

コンピュータは,FTIR装置の制御,検出器からの信号取り込み,データ解析などに用いる。 

background image

R 1693-2:2012  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1−正反射式測定装置の構成例 

図2−積分球式測定装置(回転反射ミラーなし)の構成例 

図3−積分球式測定装置(回転反射ミラー付き)の構成例 

入射光

反射光

試料台

反射ミラー

楕円反射ミラー

試験片

赤外線

反射ミラー

5〜20°

検出器

解析用コンピュータ

FTIR

反射率測定系

入射光

反射光

試料台

反射ミラー

楕円反射ミラー

試験片

赤外線

反射ミラー

5〜20°

検出器

解析用コンピュータ

FTIR

反射率測定系

積分球


検出器

スリット

赤外線

入射光

5〜15°

解析用コンピュータ

FTIR

反射率測定系

積分球


検出器

スリット

赤外線

入射光

赤外線

入射光

赤外線

入射光

5〜15°

解析用コンピュータ

FTIR

反射率測定系

積分球

検出器

試料

切換えミラー

スリット

赤外線

入射光

解析用コンピュータ

FTIR

反射率測定系

積分球

検出器

試料

切換えミラー

スリット

赤外線

入射光

赤外線

入射光

赤外線

入射光

解析用コンピュータ

FTIR

反射率測定系

 だ(楕)円反射ミラー 



片 

試験片 

回転反射ミラー 

background image

R 1693-2:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験片 

7.1 

試験片の形状及び寸法 

7.1.1 

正反射式測定装置用試験片 

変調された赤外線の入射光が当たる面は平面とし,この平面が含まれる円板又は角板を試験片形状とす

る。直径24 mm以上の円板若しくは一辺24 mm以上の角板形状の焼結体又はそれらの平面が含まれる形

状をもつものとする(図4)。 

7.1.2 

積分球式測定装置用試験片 

変調された赤外線の入射光が当たる面は平面とし,この平面が含まれる円板又は角板を試験片形状とす

る。試験片設置用円形開口部の直径より1 mm以上大きい円形の平面部分を含む一面をもつものとする(図

4)。 

粒状,粉状又は繊維状の形態をもつ材料の測定も可能であるが,この場合は焼結体試験片と同様な形状

に成形すれば試験片として用いることができる。 

           

                           

                                

         L                L 

                              t 

                          (D:円の直径,L:角板の一辺,t:厚さ) 

図4−試験片形状及び寸法例 

7.2 

基準試験片の形状及び寸法 

反射スペクトル測定に使用する基準試験片は,次のものとする。 

a) 正反射式測定装置用基準試験片 直径24 mm以上の円板又は一辺24 mm以上の角板の平面部分(図4)

を金蒸着したものとする。 

b) 回転反射ミラーを備えない積分球式測定装置用基準試験片 円板又は角板形状で,試験片設置用円形

開口部の直径より1 mm以上大きい円形平面部分(図4)を金蒸着したものとする。 

注記1 回転反射ミラーを備えない積分球の場合,基準試験片に赤外線が照射される面の平滑性が反

射スペクトル強度に影響するため,測定試験片と同等の平滑性(鏡面又は粗面)をもつ基準

R 1693-2:2012  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験片の使用を推奨する。 

注記2 回転反射ミラーを備えた積分球の場合は,ミラーの切換えによって基準試験片の反射スペク

トルに相当する反射スペクトルが得られるため,基準試験片を利用しない測定が可能である

が,回転反射ミラーを備えない積分球式測定装置と同様に基準試験片を使用することを推奨

する。 

7.3 

試験片の材質 

試験片は測定波長域の赤外線に対して不透明であるものとする。試験片の材質は照射された赤外線の入

射光が試験片を透過することによる放射率測定値への影響が無視できる材質とする。 

7.4 

試験片の数 

試験片の数は,1個以上とする。 

測定の手順 

8.1 

測定の準備 

8.1.1 

測定環境 

測定装置は23 ℃±5 ℃の温度環境(温度5級)に置き,測定中の温度変動は±1.5 ℃以下とする。 

8.1.2 

FTIRの光学系の測定環境 

大気中の水蒸気及び二酸化炭素による吸収の影響を避けるため,反射率測定系を含む光学系は露点が 

−60 ℃以下の乾燥空気若しくは乾燥窒素ガスで充塡するか,又はこれらのガスの置換後オーバーフローさ

せながら測定する。 

8.1.3 

FTIRの波長(波数)校正及び分解能 

波長(波数)の校正は標準ポリスチレン膜の赤外吸収スペクトル測定によって行う。透過法によって得

られたデータが,放射率測定に用いる分解能の範囲内で,第十五改正日本薬局方[B]一般試験法2.分光学的

測定法 2.25赤外吸収スペクトル測定法に記載のポリスチレン膜の吸収位置と一致することを確認する。 

分解能は4.8×1011 Hz(16 cm−1)より高い値に設定する。積算回数は100回以上とする。 

8.1.4 

試験片の取付け 

積分球を用いる場合,試験片設置用円形開口部に測定試験片表面を隙間なく接触させて,隙間から外光

入射,又は漏れ光が発生しないように設置する。 

8.2 

反射スペクトルの測定 

反射スペクトルの測定は,次による。 

a) 基準試験片を所定の位置に設置した後,変調した赤外線を基準試験片に照射し,その反射光を赤外検

出器で測定し,基準試験片の反射スペクトルとする。 

回転反射ミラーが内蔵された積分球を用いる場合は,測定したい試験片を所定の位置に設置した後,

入射赤外線が試験片及び検出器に直接照射しない光路になるようにミラーを回転・固定する。ミラー

に分光した赤外線を照射して検出器で測定したスペクトルを,基準試験片の反射スペクトルとみなす。

基準となる反射率値については,積分球の仕様,又は別途,基準試験片を用いた測定結果から推定す

る。 

b) 測定したい試験片を所定の位置に設置する。変調された赤外線を試験片に直接照射し,その反射スペ

クトルを検出器で測定し,試験片の反射スペクトルとする。 

回転反射ミラーが内蔵された積分球を用いる場合は,変調された赤外線が試験片に直接照射する光

路位置になるようにミラーを回転・固定する。その状態で赤外線を試験片に照射し,その反射光を赤

R 1693-2:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

外検出器で測定し,試験片の反射スペクトルを算出する。 

計算方法 

9.1 

室温の分光反射率の算出 

試験片の反射スペクトルを基準試験片の反射スペクトルで除して,室温の垂直分光反射率を算出する。 

9.2 

室温の分光放射率の算出 

“吸収率=1−反射率”の関係及び“吸収率=放射率”の関係を仮定し,式(1)によって室温の垂直分光

放射率を算出する。 

(

)

(

)

a

s

a

s

,

1

,

T

T

λ

ρ

λ

ε

=

 ·································································· (1) 

ここに, 

εs(λ,T): 温度Tにおける波長λに関する垂直分光放射率 

ρs(λ,T): 温度Tにおける波長λに関する垂直分光反射率 

Ta: 室温 

JIS Z 8401に従い数値を丸め,有効数字は3桁として算出する。 

注記 式(1)における垂直分光反射率(室温)は,正反射式測定装置又は積分球式測定装置を用いて測

定したものであり,垂直入射−半球分光反射率(室温)と同等とみなす。 

9.3 

分光放射発散度の算出 

所望の温度Tにおける黒体の分光放射発散度の分光密度を,式(2)(プランクの法則)によって算出する。 

(

)

1

2

5

1

e

1

exp

,

=

T

C

C

T

M

λ

λ

λ

 ······················································· (2) 

ここに, 

Me(λ,T): 温度Tにおける黒体の波長λに関する分光放射発散度 

(W/m2/μm) 

C1: 3.741 8×108(W・μm4/m2) 

C2: 1.438 8×104(μm・K) 

λ: 波長(μm) 

T: 温度(K) 

式(2)から得られる温度Tにおける黒体の分光放射発散度に,室温での垂直分光放射率を乗じて,温度T

における分光放射発散度を算出する。JIS Z 8401に従い数値を丸め,有効数字は3桁として算出する。 

9.4 

特定波長域における垂直放射率の算出 

式(3)によって波長λ1からλ2の波長域における温度Tでの垂直放射率を算出する。 

(

)

(

)(

)

(

)

=

λ

λ

λ

λ

ε

λ

λ

λ

ε

λ
λ

λ
λ

d

T

M

d

T

T

M

T

,

,

,

,

,

e

a

s

e

2

1

s

1

2

1

2

··············································· (3) 

ここに, εs(λ1,λ2,T): 波長λ1からλ2の波長域における温度Tでの垂直放射率 

JIS Z 8401に従い数値を丸め,有効数字は3桁とする。 

より厳密には積分を全波長領域で行うべきであるが,分子の積分は測定が有効な波長領域に限定される

ため,分母の積分領域を分子の積分領域と一致させて,垂直全放射率の近似値を算出する。 

R 1693-2:2012  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10 報告 

測定結果の報告書には,次の項目を記載する。ただし,d) については省略してもよい。 

a) 試験機関の名称及び住所 

b) 測定年月日,試験担当者,報告書の番号付け 

c) この規格の番号 

d) 測定装置に関する記述(装置の構成,代表的な仕様) 

e) 試験片に関する記述(材質,形状,寸法,表面状態,認識番号) 

f) 

測定条件に関する記述(測定した波長領域及び有効範囲,積算回数) 

g) 放射率測定結果(垂直分光放射率) 

h) 放射率計算結果(特定波長域における垂直放射率) 

i) 

その他必要な事項(測定システムの妥当性に関する記述,校正結果・標準試験片の測定結果など) 

参考文献 第十五改正日本薬局方 一般試験法 2.25赤外吸収スペクトル測定法