R 1666:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用
新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
R 1666:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 原理 ······························································································································ 1
5. 装置・器具 ····················································································································· 1
6. 試料調製 ························································································································ 2
7. 観察方法 ························································································································ 2
8. 粗大不均質構造分布測定 ··································································································· 2
9. 報告 ······························································································································ 2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 1666:2005
ファインセラミックスの粗大不均質構造評価方法
Testing method for macro-heterogeneity in microstructure of fine ceramics
1. 適用範囲 この規格は,ファインセラミックスのモノリシックな焼結体の粗大不均質構造評価方法に
ついて規定する。ただし,フェライトなどの可視光を吸収するファインセラミックスには適用しない。ま
た,気孔率が10%を超えるファインセラミックスにも適用しない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7132 生物顕微鏡
JIS B 7153 測定顕微鏡
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS R 3703 顕微鏡用スライドガラス
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
a) 粗大不均質構造 平均粒子径の5倍程度以上の広がりをもち,強度に大きく影響を与える不均質構造。
b) 粗大不均質構造分布 粗大不均質構造の分布。
c) 円相当径 粗大不均質構造と等しい面積をもつ円の直径。
4. 原理 光の可視光付近の波長において透明な材料で構成されるファインセラミックスの多くは,薄片
化することによって透光性を示すため,その透過像から不均質構造を観察する。
5. 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
a) 顕微鏡 透過観察が可能で,JIS B 7132 に規定する生物顕微鏡,JIS B 7153に規定する測定顕微鏡又
はこれらと同等の性能をもつもの。
b) 切削加工装置 焼結体の切削ができる自動又は手動の装置。
c) 研削加工装置 焼結体の研削ができる自動又は手動の装置。
d) 研磨加工装置 焼結体の研磨ができる自動又は手動の装置。
e) マイクロメータ JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。
f)
スライドガラス JIS R 3703に規定するスライドガラス又はこれと同等以上の性能をもつもの。
2
R 1666:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 試料調製 試料は,観察装置で透過光観察が可能な程度まで薄片化する必要がある。このための試料
調製を行う。焼結体から,切削加工装置を用いて,薄い試料片を切り出す。切り出したサンプルの片面を
研削加工装置を用いて,研削加工を行う。さらに,研磨加工装置を用いて,研削加工した面をと(砥)粒
の粗さを徐々に細かくして研磨をしていく。片面の研磨完了後,研磨面の反対側の面を加工する。まず,
研削加工装置を用いて,試料を薄くする。さらに,研磨加工装置を用いて,研削加工した面をと(砥)粒
の粗さを徐々に細かくして研磨していき,透過光観察できる程度まで薄く加工する。
7. 観察方法 粗大不均質構造の観察は,顕微鏡などを用いて透過法で行う。焼結体の粗大不均質構造が
はっきり見えるようにピントなどを合わせ写真撮影を行う。また,対物ミクロメータを用い,観察倍率で
写真撮影をする。さらにマイクロメータによって観察した薄片厚さを測定する。
8. 粗大不均質構造分布測定 7.で撮影した写真を用いて,粗大不均質構造の円相当径を測定する。さら
に測定した薄片の体積を求める。
9. 報告 粗大不均質構造評価の結果は,次の項目について報告する。
a) 試料名
b) 試料調製方法
1) 加工方法
2) 試料厚さ
c) 観察方法
1) 顕微鏡装置名
2) 対物レンズ(種類・倍率・光学系)
3) 観察に使用した開口数
d) 写真(試料の写真・試料観察倍率での対物ミクロメータの写真)
なお,必要に応じてe)も報告する。
e) 粗大不均質構造分布測定結果
1) 粗大不均質構造分布(円相当径)
2) 測定体積