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R 1660-3:2004  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ファインセラミックス協会(JFCA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS R 1660の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS R 1660-1 第1部:遮断円筒導波管方法 

JIS R 1660-2 第2部:開放形共振器方法 

JIS R 1660-3 第3部:NRDガイド励振誘電体共振器方法 

R 1660-3:2004  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 測定項目 ························································································································ 1 

5. 測定原理 ························································································································ 2 

6. 試験環境 ························································································································ 3 

7. 装置及びジグ ·················································································································· 3 

7.1 装置 ···························································································································· 3 

7.2 ジグ ···························································································································· 4 

8. 標準試料による短絡導体板の比導電率の測定 ········································································ 6 

9. 試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定 ············································································· 11 

9.1 試験試料 ····················································································································· 11 

9.2 試験試料の寸法設計 ······································································································ 11 

9.3 試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定条件 ······································································ 13 

9.4 試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定手順 ······································································ 13 

9.5 試験試料の比誘電率及び誘電正接の計算············································································ 14 

10. 報告 ··························································································································· 16 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1660-3:2004 

ファインセラミックスの 

ミリ波帯における誘電特性測定方法− 

第3部:NRDガイド励振誘電体共振器方法 

Measurement method for dielectric properties of fine ceramics in millimeter 

wave frequency range−Part3:Dielectric resonator method excited by  

NRD-guide 

1. 適用範囲 この規格は,主にミリ波フィルタ,共振器に用いる低損失誘電体共振器用ファインセラミ

ックス材料のNRDガイド励振誘電体共振器方法によるミリ波帯における誘電特性の測定方法について規

定する。 

備考 NRDガイド励振誘電体共振器とは,入出力用のNRDガイド(非放射性誘電体線路)によって

誘電体円柱共振器を,励振,検波することを特徴とする共振器である。NRDガイドの切断面と

誘電体円柱共振器が磁界によって結合される。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0601 製品の幾何特性仕様 (GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS R 1660-1 ファインセラミックスのミリ波帯における誘電特性試験方法−第1部:遮断円筒導波管

法 

IEC 60028 International standard of resistance for copper 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R1600及びJIS R 1660-1による。 

4. 測定項目 この規格で測定する項目は,複素比誘電率の実数部(以下,比誘電率という。)ε′ 及び誘電

正接tanδとする。 

なお,この測定法が適用できる測定周波数,ε′ 及びtanδ の範囲は,次による。 

測定周波数:30〜100 GHz 

ε′ 

:2〜50 

tanδ 

:10−6〜10−2 

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5. 測定原理 この試験方法では,複素比誘電率εr (εr=ε′−jε′′,tanδ=ε′′/ε′ ) をもつ誘電体円柱試料の両端

面を2枚の平行な導体で短絡することで,TE0m1 (m=1,2…) モード(1) 誘電体共振器を構成する(図1参照)。

円柱試料の比誘電率 (ε′ ) 及び誘電正接 (tanδ) は,TE0m1モードの共振周波数 ( f0),無負荷Q (Qu),直径 

(D),高さ (H) 及び短絡導体板の比導電率 (σr) の測定値から求める。 

試験試料のtanδ 測定に先立って,短絡導体のσrを測定する。σrは同じε′,tanδ をもつ標準試料によって

構成されたTE0m1モード共振器とTE0mδモード共振器とのQuの差から求める。図2ではTE021モード共振器

及びTE02δモード共振器を示している。これらの誘電体共振器の入出力をNRDガイド(非放射性誘電体線

路)によって行うことで,透過形共振器を構成する。 

備考 導波路の軸(図1では円柱軸)に垂直な平面内に電界があるモードを横電界姿態 (Transverse 

Electric Mode) といい,TEモードと略称する。これについているサフィックスは,左から順に

円筒座標の軸回り方向及び径方向,軸方向の電界強度の節又は腹の数を示すものとする。 

この試験方法ではTEモードを使用するので,測定されるε′ 及びtanδ は,試料の円柱軸と垂

直方向との値である。 

H

D

εr

誘電体円柱試料

短絡導体

図 1 誘電率及び誘電正接測定に用いる両端短絡形誘電体円柱共振器 

電界

磁界

TE021 モード

短絡導体板

TE02δ モード

D

H

NRDガイド

a) TE021モード標準共振器 

b) TE02δモード標準共振器 

図 2 短絡導体の導電率測定に用いる標準共振器 

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6. 試験環境 特に指定がない限り,試験環境の温度は25±2 ℃とし,相対湿度は60 %以下とする。 

7. 装置及びジグ  

7.1 

装置 装置の構成例を,図3に示す。図3 a) ではスカラー形ネットワークアナライザを使用し,図

3 b) ではベクトル形ネットワークアナライザを使用している。 

図3 a) では,掃引信号発生器から出たミリ波信号は,方向性結合器で分割され,その一方は基準信号と

して検波器を介してネットワークアナライザに入力される。他方は,試料を装着した試験ジグに入力され

る。試験ジグを透過した信号は検波器を介してネットワークアナライザに入力され,基準信号との振幅比

として,縦軸に透過減衰量,横軸に周波数の形で画面上に表示される。 

一方,図3 b) では,送信側ミリ波帯Sパラメータ・モジュールから出力されたミリ波信号は,試験用ジ

グを透過し,受信側ミリ波帯Sパラメータ・モジュールに入力され検波される。これと同時に送信側ミリ 

スカラー型

ネットワークアナライザ

シンセサイザ型

掃引信号発生器

×N 信号逓倍器

試験信号用

検波器

開放型共振器

方向性
結合器

基準信号用

検波器

基準レベル測定用伝送路

アイソレータ

アイソレータ

アイソレータ

a) スカラー形ネットワークアナライザを使用した構成例 

ベクトル型

ネットワークアナライザ

Sパラメータ

ミリ波モジュール

Sパラメータ

ミリ波モジュール

開放型共振器

基準レベル測定用伝送路

b) ベクトル形ネットワークアナライザを使用した構成例 

図 3 試験装置の構成例 

基準信号用 

検波器 

スカラー形 

ネットワークアナライザ 

アイソレータ 

アイソレータ 

シンセサイザ形 
掃引信号発生器 

試験信号用 

検波器 

アイソレータ 

試験用ジグ 

方向性 
結合器 

×N 信号逓倍器 

基準レベル測定用伝送路 

ベクトル形 

ネットワークアナライザ 

Sパラメータ 

ミリ波モジュール 

試験用ジグ 

Sパラメータ 

ミリ波モジュール 

基準レベル測定用伝送路 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

波帯Sパラメータ・モジュール内部で検波された基準信号との振幅比として,縦軸に透過減衰量,横軸に

周波数の形で画面上に表示される。 

7.2 

ジグ ε′ 及びtanδ  の試験用ジグを,図4に示す。ジグの中央に円柱形状の試験試料を装着すること

によって,両端短絡形の誘電体円柱共振器が構成される。短絡導体板は,入出力用NRDガイドの導体と

高さが一致するように構成する。NRDガイドの上下導体は,間隔が誘電体ストリップの高さと同じになる

ようにスペーサなどで支持,固定する。スペーサによる支持を緩めたとき,入出力誘電体ストリップを左

右に移動させて間隔を調整できるような構造とする。NRDガイドは,変換器(図5及び表1)を通して導

波管に接続する。 

短絡導体板

NRDガイド導体

変換器

フランジ

スペーサ

a) イメージ図 

単位 mm 

WS

NRDガイド誘電体ストリップ

試験試料

短絡導体

導波管変換器

24

80

22

Hc

24

NRDガイド導体

Hs

b) 試験試料を装着したジグ 

基準レベル測定用誘電体ストリップ

c) 基準レベル測定用誘電体ストリップを装着したジグ 

図 4 ε′ 及びtanδ の試験用ジグ 

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表 1 導波管/NRDガイド変換器の寸法 

単位 mm 

測定周波数 

(GHz) 

導波管 

Hwg 

Wwg 

Hs 

55〜65 

Vバンド 

3.80 

1.90 

2.25 

75〜80 

Wバンド 

2.54 

1.27 

1.80 

単位 mm 

Hwg

12.0

12.0

12.0

Hs

導波管

12.0

測定ジグ本体

Wwg

Wwg

導波管フランジ

図 5 導波管/NRDガイド変換器 

短絡用導体,NRDガイドの寸法,材質を表2及び表3に示す。短絡用導体及びNRDガイドの導体は,

高い導電率を要するため銅又は銀とする。特に短絡用導体は,表面のきずによる導電率低下を防ぐため,

表面粗さをJIS B 0601に規定する0.1 μmRa以下に保つことが望ましい。このため短絡用導体は,定期的

に研磨する必要がある。NRDガイドの誘電体ストリップの材質としては低誘電率,低損失の誘電体材料,

例えば,ふっ素系樹脂 (PTFE),架橋ポリエチレンとする。 

表 2 短絡用導体の寸法及び材質 

項目 

規定 

直径 

試験試料の直径の5〜10倍 

材質 

無酸素銅,銀(NRDガイド導体も同様) 

表 3 NRDガイド誘電体ストリップの寸法及び材質 

単位 mm 

材質 

周波数 

(GHz) 

高さHs 

幅Ws 

ふっ素系樹脂(PTFE) 

55〜65 

2.25 

2.50 

(ε′=2.0) 

75〜80 

1.80 

1.90 

架橋ポリエチレン 

55〜65 

2.25 

2.00 

(ε′=2.5) 

75〜80 

1.80 

1.60 

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8. 標準試料による短絡導体板の比導電率の測定 試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定に先立って,

短絡導体板の比導電率 (σr) を測定する。 

a) 標準試料 標準試料は,等しいε′ 及びtanδ をもつ一組の誘電体円柱試料からなる。これらはTE021モ

ード共振器用円柱(以下,TE021標準円柱という。)及びTE02δモード共振器用円柱(以下,TE02δ標準円

柱という。)からなり,等しい共振周波数をもつように設計する。標準試料としては試料間の特性差が

少なく,低損失な材料が望ましい。端面をc軸と垂直にカットしたサファイア単結晶は,標準試料と

して好適である。表4にサファイア単結晶を用いた標準試料の寸法,及び短絡導体の比導電率の計算

に必要な電界エネルギー集中率Pe,形状因子G[8.d) 3) 及び8.d) 4) 参照]を示す。 

表 4 サファイアを用いた標準試料の直径D,高さH,及び電界エネルギー集中率Pe,形状因子G 

TE021 

TE02δ 

周波数 

GHz 

mm 

mm 

Pe1 

G1 

Ω 

mm 

mm 

Peδ 

Gδ 

Ω 

60 

3.14 

2.25 

0.915 

1 182 

4.49 

0.80 

0.906 

409 

77 

2.42 

1.80 

0.901 

1 208 

3.60 

0.60 

0.894 

382 

備考1. 加工精度 

平たん度:0.005 mm以下 

端面の表面粗さ:10 mmRa以下(JIS B 0601に規定) 

側面の表面粗さ:0.001 mmRa以下(JIS B 0601に規定) 

直角度:0.1度以下 

軸精度:0.3度以下 

2. サファイアのC軸に垂直な比導電率ε′ が,9.4であると仮定して設計した。 

3. 短絡導体間隔Hc及びNRDガイド誘電体ストリップの高さHsの設計値は,TE021標準

円柱の高さHの設計値と同じとする[図4 b) 参照]。 

4. 標準円柱のできあがり寸法が設計値に比べて±0.01 mmの精度で一致しているとき,

表中のPe,Gの値が有効である。 

b) 比導電率の測定条件 

1) 短絡導体の表面にきずが付いたり,さびがある場合は,測定に先立って短絡導体を研磨剤などで鏡

面研磨することが望ましい。 

2) 測定中,二種類の標準試料は同一温度に保つ。 

c) 比導電率の測定手順  

1) 図4 c)に示すように基準レベル測定用の誘電体ストリップをジグに装着し,図3の試験装置に接続

する。標準円柱の測定周波数を中心に1〜2 GHzの周波数範囲で透過減衰量を測定し,基準レベル

(全透過レベル)とする。 

2) TE021標準円柱及びTE02δ標準円柱の直径Dと高さHとを,JIS B 7502に規定するマイクロメータを

用いて,1 μmのけたまで測定する。 

3) 図4 b)に示すように,TE021標準円柱を短絡導体の中央に置く。試料と左右の誘電体ストリップとの

距離が,互いに等しくなるように注意する。 

4) 上部短絡導体板を装着する。上下の短絡導体板の間隔とTE021標準円柱との高さは同じ値に設計さ

れているが,TE021標準円柱の実際の高さがわずかに大きい場合は,上部短絡導体の表面にきずを付

けないように,注意して装着する。 

5) ネットワークアナライザの画面上で,TE021モードの共振ピークを見つける(図6参照)。 

background image

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

-40

-35

-30

-25

-20

-15

-10

IL

 (

dB

)

-40

-35

-30

-25

-20

-15

-10

IL

 (

dB

)

TE021 Sapphire

TE02δ Sapphire

75            76             77             78            79             80
                                Frequency (GHz)

透過減衰量

 (dB

)

透過減衰量

 (dB

)

周波数 (GHz)

図 6 標準円柱共振器の共振波形 

(TE021標準円柱:ε′=9.418及びTE02δ 標準円柱:ε′=9.424) 

6) 周波数掃引幅を狭くしてTE021モードの共振ピークだけを画面上に表示し,入出力NRDガイドの間

隔を調整して,挿入損失IA1を15〜30 dBにする(図7参照)。このときの共振周波数f1(Hz),電力

半値幅 ∆f1(Hz) 及び挿入損失IA1(dB) を測定する。f1(Hz) は5けた以上,∆f1(Hz)及びIA1(dB) は3

けた以上測定する。さらに,TE0m1標準円柱を装着し直すことによって数回の測定を行い,平均値

及び標準偏差を算出する。 

7) TE0mδ標準円柱について2)〜5)の手順を繰り返し,TE0mδモードの共振周波数fδ (Hz),電力半値幅∆fδ 

(Hz) 及び挿入損失IAδ (dB) を測定する。 

26

28

30

32

34

36

38

fo (GHz)

(d

B

)

f0

∆f0

IA

0

=

15

3

0

dB

3d

B

)

10

1(

20

0

0

0

IA

u

f

f

Q

=

f0(GHz)

図 7 挿入損失 (IA0),共振周波数 (f0) 及び電力半値幅 (∆f0) 

−10 
−15 

−20 

−25 

−30 

−35 

−15 

−20 

−25 

−30 

−35 

−40 

75 

76 

77 

78 

79 

80 

周波数 (GHz) 

(d

B

(d

B

TE021 サファイア共振器 

TE02δ サファイア共振器 

IA

o

1

5

3

0

d

B

f0 

f0 (GHz) 

∆f0 

(

)

0

0

u

/20

0

1

10IA

f

Q

f

=

26 

28 

30 

32 

34 

36 

38 

3

0

d

B

background image

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 比導電率の計算 短絡導体の比導電率は,次の手順で計算する。 

1) TE021標準円柱の比誘電率及び無負荷Q  TE021標準円柱の比誘電率ε′及び無負荷Q(Qu1)を,次の手順

で計算する。ε′の有効数字を4けた以上,Qu1の有効数字を3けた以上求める。 

1.1) 共振波長 (λ1)  

1

1

c

f

λ=

 ·············································································· (1) 

ここに, f1:TE021標準円柱の共振周波数 (Hz) 

c:真空中の光速 (c=2.997 9×108m/s) 

1.2) v2  

Hc>Hの場合:TE021標準円柱と上部短絡導体板の間にすき間がある場合 

2

2

2

1

1

c

v

1

2

D

H

π

λ

λ

=

 ····················································· (2) 

Hc≦Hの場合:TE021標準円柱と上部短絡導体板の間にすき間がない場合(図2 a)はHc=Hの場合を示す。) 

2

2

2

1

1

v

1

2

D

H

π

λ

λ

=

 ······················································ (3) 

ここに, v2:比誘電率を計算するためのパラメータ 

D:TE021標準円柱の直径 (m) 

Hc:短絡導体板間隔 (m) 

H:TE021標準円柱の高さ (m) 

1.3) u  

()

()

()

()

0

0

1

1

u

v

u

v

u

v

J

K

J

K

=−

 ···························································· (4)

ここに, 

U:比誘電率を計算するためのパラメータ 

K0 (v):0次の第2種変形ベッセル関数 

K1 (v):1次の第2種変形ベッセル関数 

J0 (u):0次の第1種変形ベッセル関数 

J1 (u):1次の第1種変形ベッセル関数 

参考 任意のvに対して複数個のuの解が存在し,TE0m1モードの解をumとすると,u1<u2<…<um<…

である。このうちu2がTE021モードの解であり,u02〜u12の範囲に存在する。u02,u12は,J0(u)=0,

J1(u)=0を満足する2番目の解であり,u02=5.52,u12=7.02である。 

1.4) 比誘電率 (ε′ )  

(

)

2

2

2

1

u

v

1

D

λ

ε

π

′=

+

+  ························································ (5)

1.5) 無負荷Q (Qu1)  

1

1

1

u1

20

110

IA

f

Δf

Q

=

····································································· (6)

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

∆f1:電力半値幅 (Hz) 

IA1:挿入損失 (dB) 

2) TE02δモード共振器の無負荷Q (Quδ) TE02δ 標準円柱の無負荷Q (Quδ)を次の手順で計算し,有効数

字を3けた以上求める。 

u

20

110

IA

f

Δf

Q

δ

δ

δ

δ

=

 ···································································· (7)

ここに, 

fδ:TE02δ 標準円柱の共振周波数 (Hz) 

     ∆fδ:電力半値幅 (Hz) 

IAδ:挿入損失 (dB) 

3) TE021標準円柱の電界エネルギー集中率 (Pe1) 及び形状因子 (G1) Pe1は,TE021モード標準共振器全

体に蓄積される電界エネルギーに対する,TE021標準円柱内に蓄積される電界エネルギーの比とす

る。また,G1はTE021モード共振器全体に蓄積される磁界エネルギーに対する,導体表面における

磁界接線成分の表面積分値の比とする。無負荷Q (Qu1)とPe1,誘電正接tanδ1,G1及び共振周波数f1

における短絡導体の表面抵抗Rs1には,次の式で示される関係がある。 

u1

s1

el

1

1

1

tan

P

Q

R

G

δ

=

+

 ······························································· (8)

TE021標準円柱の寸法が±0.01 mmの精度で表4に示した値に一致し,C軸に垂直な比誘電率ε′が

9.3<ε′<9.5の場合,表4に示すPe1及びG1を使用してもよい。その他の場合は,次の手順でPe1及び

G1を計算し,有効数字3けたまで求める。 

3.1) TE021標準円柱のW  

()

()

()

()

()

()

()()

2

2

1

0

2

1

2

2

1

1

0

2

u

v

v

v

v

u

u

u

J

K

K

K

W

K

J

J

J

=

×

 ······································· (9)

ここに,

W:ε′

WはTE021標準円柱の内側に蓄積される電界エネルギーに対す

る。外側に蓄積される電界エネルギーの比を表す。Pe1及びG1
を計算するためのパラメータ 

  u:式(4)によるパラメータ 

v:式(2)及び式(3) によるパラメータ 

K2 (v):2次の第2種変形ベッセル関数 

J2 (u):2次の第1種ベッセル関数 

3.2) TE021標準円柱のA  

1W

A

ε

=+′ ········································································ (10) 

ここに, 

A:Pe1及びG1を計算するためのパラメータ 

3.3) TE021標準円柱のB  

Hc>Hの場合 

10 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3

0

2

c

1

2

30

W

B

H

λ

πε

+

=

 ·····························································(11)

Hc<Hの場合 

3

0

2

1

2

30

W

B

H

λ

πε

+

=

 ····························································· (12)

ここに, 

B:G1を計算するためのパラメータ 

3.4) TE021標準円柱の電界エネルギー集中率(Pe1)  

e1

1/

P

A

=

 ········································································· (13) 

3.5) TE021標準円柱の形状因子(G1)  

1

/

G

BA

=

 ········································································ (14) 

4) TE02δ 標準円柱の電界エネルギー集中率(Peδ)及び形状因子(Gδ) Peδは,TE02δモード標準円柱の電界エ

ネルギー集中率とする。また,Gδ は,TE02δモード標準円柱の形状因子とする。無負荷Q(Quδ)とPeδ,

誘電正接tanδδ,Gδ及び共振周波数fδにおける短絡導体の表面抵抗Rsδには,次の式で示される関係

がある。 

s

e

u

1

tan

R

P

Q

G

δ

δ

δ

δ

δ

δ

=

+

 ·························································· (15)

Peδ及びGδは,表4に示す値を用いる。なお,TE0mδ 標準円柱の寸法は±0.01 mmの精度で,表4

に示した値に一致しなければならない。 

5) 比導電率 短絡導体板の比導電率は次の手順で計算し,有効数字3けたまで求める。 

5.1) 短絡導体板の導電率 (σ)  

2

1

e1

1

e

u1

u

1

1

u1

e1 1

u

e

GP

f

GP

f

QQ

ff

GG

QPf

QPf

δ

δ

δ

δ

δ

δ

δ

δδ

σπμ

=

×

 ····························· (16) 

ここに, 

μ:短絡導体の透磁率 

参考 短絡導体板として使用する銅や銀の透磁率は,真空の透磁率(μ0=4π×10-7H/m)に等しい。 

5.2) 短絡導体板の比導電率(σr)  

r

0

σ

σ

σ

=

 ··········································································· (17)

ここに, 

σ0:IEC 60028に規定する国際標準軟銅の20 ℃における導電率

(5.8×107 S/m) 

6) 比導電率の誤差 短絡導体板の比導電率の誤差は次の手順で算出し,有効数字3けたまで求める。 

2

2

2

r

u

u1

Q

∆σ

∆σ

∆σ

=

+

 ························································· (18) 

u1

u1

u1

u1

u1

u1

Q

Q

Q

Q

Δ

ΔQ

Q

σ

σ

σ

σ

+

=

 ········································ (19)

11 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

u

u

u

u

u

u

Q

Q

Q

Q

Δ

ΔQ

Q

δ

δ

δ

δ∆δ

δ

σ

σ

σ

σ

+

=

 ····································· (20)

ここに, ∆σr:σrの誤差 

 ∆σQu1:Qu1の標準偏差∆Qu1によるσrの誤差 

 ∆σQuδ:Quδの標準偏差∆Quδによるσrの誤差 

9. 試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定 

9.1 

試験試料 試料は円柱とし,その上下面を平行に,かつ,円柱軸に垂直になるように研磨する。 

9.2 

試験試料の寸法設計 試験試料の高さHの設計値は55〜65 GHzの測定においてはH=2.25 mm,75

〜80 GHzにおいてはH=1.80 mmとする。60 GHz,77 GHz測定におけるTE011,TE021及びTE031モードの

試料直径Dは,概略の比誘電率(ε′ )によって,図8,図9,表5及び表6を使用して求める。また,次の手

順で概略のε′ によって,測定周波数f0におけるTE0m1モードの試料直径を求めてもよい。 

a) 試験試料直径の設計  

()

()

()

()

0

0

1

1

u

v

u

v

u

v

J

K

J

K

=−

 ·························································· (21)

ここに, 

u:

=

2

0

2

0

2

)

2(

)

(

u

H

D

λ

ε

λ

π

 ························· (22) 

 v:

=

1

)

2(

)

(

v

2

0

2

0

2

H

D

λ

λ

π

 ························· (23) 

 K0 (v),K1 (v):0次,1次の第2種変形ベッセル関数 

J0 (u),J1 (u):0次,1次の第1種変形ベッセル関数 

λ0:共振波長 

0

0

f

c

=

λ

参考 任意のvに対して複数個のuの解が存在し,TE0m1モードの解をumとすると,u1<u2<…<um<…

である。また,umは u0m〜u1mの範囲に存在する。u0m,u1mはJ0(u)=0,J1(u)=0を満足するm番

目の解であり,u01=2.41,u11=3.83,u02=5.52,u12=7.02,u03=8.65,u13=10.17である。 

background image

12 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 8 60 GHz測定用の試験試料の寸法 

表 5 60 GHz測定用の試験試料の直径D (高さH=2.25 mm) 

ε′ 

mm 

ε′ 

mm 

TE011 

TE021 

TE031 

TE011 

TE021 

TE031 

2.0 

5.051  

10.811  

16.540  

12.0 

1.200  

2.722  

4.247  

2.5 

3.802  

8.276  

12.732  

14.0 

1.098  

2.495  

3.895  

3.0 

3.158  

6.943  

10.715  

16.0 

1.019  

2.317  

3.619  

3.5 

2.753  

6.091  

9.421  

18.0 

0.954  

2.172  

3.393  

4.0 

2.469  

5.488  

8.501  

20.0 

0.900  

2.051  

3.205  

5.0 

2.090  

4.674  

7.256  

25.0 

0.797  

1.819  

2.845  

6.0 

1.843  

4.138  

6.432  

30.0 

0.723  

1.652  

2.583  

8.0 

1.530  

3.454  

5.378  

35.0 

0.667  

1.523  

2.383  

10.0 

1.336  

3.024  

4.714  

40.0 

0.621  

1.420  

2.223  

10 

20 

30 

40 

比誘電率 ε′ 

ε′ 

H=2.25 mm 

 TE031 

 TE021 

 TE011 

D

 (

m

m

background image

13 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 6 77 GHz測定用の試験試料の直径D (高さH=1.80 mm) 

ε′ 

mm 

ε′ 

mm 

TE011 

TE021 

TE031 

TE011 

TE021 

TE031 

2.0 

3.683  

7.992  

12.282  

12.0  

0.927  

2.108  

3.292  

2.5 

2.831  

6.230  

9.617  

14.0  

0.849  

1.934  

3.022  

3.0 

2.376  

5.270  

8.157  

16.0  

0.788  

1.797  

2.808  

3.5 

2.084  

4.646  

7.204  

18.0  

0.739  

1.685  

2.635  

4.0 

1.877  

4.200  

6.520  

20.0  

0.697  

1.592  

2.489  

5.0 

1.597  

3.591  

5.585  

25.0  

0.618  

1.413  

2.211  

6.0 

1.412  

3.186  

4.961  

30.0  

0.561  

1.283  

2.008  

8.0 

1.177  

2.667  

4.160  

35.0  

0.517  

1.184  

1.853  

10.0 

1.030  

2.339  

3.651  

40.0  

0.483  

1.104  

1.729  

9.3 

試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定条件 短絡導体板の表面状態が8.における比導電率の測定

時に比べて変化している場合は,再度比導電率を測定する。 

9.4 

試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定手順 試験試料の比誘電率及び誘電正接の測定手順は,次

による。 

a) 図4 c) に示すように基準レベル測定用の誘電体ストリップをジグに装着し,図3の試験装置に接続す

る。試験試料の測定周波数を中心に1〜2 GHzの周波数範囲で透過減衰量を測定し,基準レベル(全

透過レベル)とする。 

b) 試験試料の直径Dと高さHとを,JIS B 7502に規定するマイクロメータなどを用いて,1 μmのけた

まで測定する。 

ε′ 

H=1.80 mm 

8

7

6

5

4

3

2

1

0

10 

20 

30 

40 

TE031 

比誘電率 ε′ 

D

 (

m

m

図 9 77 GHz測定用の試験試料の寸法 

TE021 

TE011 

background image

14 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 図4 b)に示すように,試験試料を短絡導体の中央に置く。試料と左右の誘電体ストリップとの距離が

互いに等しくなるように注意する。 

d) 上部短絡導体を装着する。上下の短絡導体の間隔と試験試料の高さとは同じ値に設計されているが,

試験試料の実際の高さがわずかに大きい場合は,上部短絡導体の表面にきずを付けないように,注意

して装着する。 

e) ネットワークアナライザの画面上で,TE021モードの共振ピークを見つける。 

f) 

周波数掃引幅を狭くしてTE0m1モードの共振ピークだけを画面上に表示し,入出力NRDガイドの間隔

を調整して,挿入損失IA0を15〜30 dBにする(図7参照)。このときの共振周波数f0(Hz),電力半値

幅∆f0(Hz)及び挿入損失IA0(dB)を測定する。f0(Hz)は5けた以上,∆f0(Hz),IA0(dB) は3けた以上測定す

る。さらに,試験試料を装着し直すことによって数回の測定を行い,平均値及び標準偏差を算出する。 

9.5 

試験試料の比誘電率及び誘電正接の計算  

9.5.1 

比誘電率の計算 比誘電率は次の手順で計算し,有効数字4けた以上を求める。 

a) 共振波長(λ0)  

0

0

c

f

λ=

 ··········································································· (24)

ここに, f0:共振周波数 (Hz) 

 c:真空中の光速(c=2.997 9×108 m/s) 

b) v2  

Hc>Hの場合 

2

2

2

0

0

c

v

1

2

D

H

π

λ

λ

=

 ··················································· (25) 

Hc<Hの場合 

2

2

2

0

0

v

1

2

D

H

π

λ

λ

=

 ···················································· (26) 

ここに, v2:比誘電率を計算するためのパラメータ 

 D:試験試料の直径 (m) 

Hc:短絡導体間隔 (m) 

H:試験試料の高さ (m) 

c) u  

()

()

()

()

0

0

1

1

u

v

u

v

u

v

J

K

J

K

=−

 ·························································· (27)

ここに, 

U:比誘電率を計算するためのパラメータ 

 K0 (v):0次の第2種変形ベッセル関数 

K1 (v):1次の第2種変形ベッセル関数 

J0 (u):0次の第1種変形ベッセル関数 

J1 (u):1次の第1種変形ベッセル関数 

参考 任意のvに対して複数個のuの解が存在し,TE0m1モードの解をumとすると,u1<u2<…<um<…

である。また,umは u0m〜u1mの範囲に存在する。u0m,u1mはJ0(u)=0,J1(u)=0を満足するm番

15 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目の解であり,u01=2.41,u11=3.83,u02=5.52,u12=7.02,u03=8.65,u13=10.17である。 

d) 比誘電率 (ε′ )  

(

)

2

2

2

0

u

v

1

D

λ

ε

π

′=

+

+  ······················································ (28)

9.5.2 

比誘電率の誤差の計算 比誘電率の誤差は,次の手順で計算する。 

Hc>Hの場合 

2

2

2

0f

Hc

D

Δ

Δ

Δ

Δ

ε

ε

ε

ε

+

+

=′

 ·············································· (29) 

Hc<Hの場合 

2

2

2

0f

H

D

Δ

Δ

Δ

Δ

ε

ε

ε

ε

+

+

=

 ·············································· (30) 

ここに, 

 ∆ ε′:  ε′ の誤差 

D

D

D

D

D

D

ε

ε

ε

ε

+

∂′

′=

≅′−′

 ························ (31) 

c

c

c

c

c

c

H

H

H

H

Δ

ΔH

Δ

H

ε

ε

ε

ε

+

∂′

=

≅′−

 ·················· (32) 

f

Δ

f

f

f

Δf

f

Δ

+′

+

=

0

ε

ε

ε

・・・・・・・・・・・・・・・ (33) 

∆ε′D:Dの標準偏差∆Dによるε′の誤差 

 ∆ ε′Hc:Hcの標準偏差∆Hcによるε′の誤差 

 ∆ ε′f:f0の標準偏差∆f0によるε′の誤差 

9.5.3 

誘電正接(tanδ)の計算 誘電正接は次の手順で計算し,有効数字3けた以上を求める。 

a) 試験試料の無負荷Q (Qu)  

0

0

0

u

20

110

IA

f

Δf

Q

=

 ··································································· (34)

b) 試験試料のW  

()

()

()

()

()

()

()()

2

2

1

0

2

1

2

2

1

1

0

2

u

v

v

v

v

u

u

u

j

K

K

K

W

K

j

J

J

=

×

 ····································· (35)

ここに, 

W:誘電正接を計算するためのパラメータ 

U:式(27)によるパラメータ 

V:式(25)及び式(26)によるパラメータ 

K2 (v):2次の第2種変形ベッセル関数 

J2 (u):2次の第1種ベッセル関数 

16 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 試験試料のA  

1W

A

ε

=+′ ········································································ (36) 

ここに, 

A:誘電正接を計算するためのパラメータ 

d) 試験試料のB  

Hc>Hの場合 

0

c

3

2

1

2

30

W

B

H

λ

πε

+

=

 ··························································· (37)

Hc<Hの場合 

'

W

H

B

ε

π

λ

2

3

0

30

1

2

+

=

 ···························································· (38)

ここに, 

B:誘電正接を計算するためのパラメータ 

e) 表面抵抗Rs  

()

0

s

f

R

πμ

σ

=

Ω ······························································· (39)

ここに, 

σ:式(16)で求めた短絡導体の実効導電率(1/Ωm) 

f0:共振周波数(Hz) 

 μ:短絡導体の透磁率 

参考 短絡導体として使用する銅や銀の透磁率は,真空の透磁率 (μ0=4π×107) に等しい。 

f) 

試験試料の誘電正接(tanδ) 

u

s

tan

A

B

Q

R

δ=

 ································································· (40)

9.5.4 

誘電正接(tanδ)の誤差の計算 誘電正接の誤差は,次の手順で計算する。 

(

)

(

)

(

)2

2

2

tan

tan

tan

σ

δ

δ

δ

Δ

Δ

Δ

+

=

Q

  ······································· (41) 

u

u

u

u

u

tan

tan

tan

tan

Q

Q

Q

ΔQ

ΔQ

Q

δ

δ

δ

δ

+

=

 ······························· (42)

tan

tan

tan

tan

Δ

Δ

σ

σ

σ∆σ

δ

δ

σ

δ

δ

σ

+

=

 ··································· (43) 

ここに, ∆tanδ:tanδ の誤差 

  ∆tanδQ:Quの標準偏差∆Quによるtanδ の誤差 

∆tanδσ:σの標準偏差∆σによるtanδ の誤差 

10. 報告 測定結果の報告には,次の事項を記載する。 

a) 試験試料の判別記号 

17 

R 1660-3:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試験試料の寸法 

c) 試験条件(温度,湿度) 

d) 測定周波数(f0) 

e) 比誘電率(ε′ ) 

f) 

誘電正接(tanδ )