R 1660-1:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ファインセラミックス協会(JFCA)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS R 1660の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS R 1660-1 第1部:遮断円筒導波管方法
JIS R 1660-2 第2部:開放形共振器方法
JIS R 1660-3 第3部:NRDガイド励振誘電体共振器方法
R 1660-1:2004
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 測定項目 ························································································································ 2
5. 測定原理 ························································································································ 2
6. 試験環境 ························································································································ 3
7. 測定装置及びジグ ············································································································ 3
7.1 装置 ···························································································································· 3
7.2 ジグ ···························································································································· 4
8. 試験用ジグ(空洞共振器)の寸法D,Hの設計 ····································································· 6
9. 試験用ジグの寸法D,H及び比導電率σrの測定 ···································································· 7
10. 試験試料のε′及びtanδの測定 ······················································································ 11
10.1 試験試料 ···················································································································· 11
10.2 共振周波数の推定 ········································································································ 11
10.3 測定手順 ···················································································································· 11
10.4 比誘電率ε′の計算 ····································································································· 12
10.5 ε′の誤差の計算 ········································································································ 12
10.6 誘電正接tanδの計算 ··································································································· 14
10.7 tanδの誤差の計算 ······································································································· 14
11. 試験用ジグの線膨張係数α及び比抵抗率の温度係数TCρの測定 ············································ 15
12. 試験試料のε′及びtanδの温度依存性の測定 ···································································· 17
12.1 測定条件 ···················································································································· 17
12.2 測定手順 ···················································································································· 17
12.3 試験試料のε′の温度係数TCεの計算 ··········································································· 17
12.4 試験試料のtanδの温度依存性 ······················································································· 18
13. 報告 ··························································································································· 18
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日本工業規格 JIS
R 1660-1:2004
ファインセラミックスのミリ波帯における誘電特性
測定方法−第1部:遮断円筒導波管方法
Measurement method for dielectric properties of fine ceramics in millimeter
wave frequency range−Part 1:Cutoff waveguide method
1. 適用範囲 この規格は,主にミリ波回路に用いる低損失誘電体基板用ファインセラミックスの遮断円
筒導波管方法によるミリ波帯における誘電特性の測定方法について規定する。
備考 遮断円筒導波管方法とは,同一寸法の2本の銅円筒間に誘電体平板を挟んで誘電体共振器を構
成し,その共振周波数の測定値によって比誘電率を求め,無負荷Qの測定値によって誘電正接
を求める方法である。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様 (GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS B 7507 ノギス
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
IEC 60028 International standard of resistance for copper
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
a) 複素比誘電率εr (Complex relative permittivity) ベクトル表示による交流電界の強さE (V/m)と交流
電束密度D (C/m)の複素比を,真空の誘電率ε0 (=8.8542×10−12 F/m)で除した値。
r
0
D
E
ε
ε
=
··················································································· (1)
複素比誘電率の実数成分をε′(比誘電率という),虚数成分をε″とすると,εrは次の式で表す。
rε
ε′ε″
=
−
·············································································· (2)
b) 誘電正接tanδ (Loss factor) 誘電体損失角δ の正接。複素比誘電率の実数成分・虚数成分を使うと,
tanδ は次の式で表す。
tanδε″
ε′
=
················································································· (3)
c) 誘電率の温度係数TCε (Temperature coefficient of permittivity) 誘電率の温度による変化率を,対応
する温度の変化分で除した値。
2
R 1660-1:2004
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)
/
ppm
(
10
)
(
6
ref
ref
ref
T
K
T
T
TC
×
−
′
′
−
′
=ε
ε
ε
ε
··············································· (4)
ここに,
Τ
ε′:温度Tにおける比誘電率
ref
ε′:基準温度Trefにおける比誘電率
d) 表面抵抗Rs (Surface resistance) 導体の表面から内部へ流れ込む電磁場の散逸を表す等価抵抗。導体
板の導電率をσとすると,Rsは次の式で表す。
)
(
s
Ω
=
σ
μ
πf
R
··········································································· (5)
ここに,
f: 共振周波数
μ: 透磁率(銅の場合μ=4π×10-7 H/m)
e) 比導電率σr (Relative conductivity) IEC 60028に規定する国際標準軟銅の20 ℃における導電率σ0
(=5.800×107 S/m)に対する導体板の導電率σの比。
0
r
σ
σ
σ=
················································································· (6)
f)
比抵抗率ρr(Relative resistivity) 比導電率の逆数。
r
r
1
σ
ρ=
················································································· (7)
g) 比抵抗率の温度係数TCρ(Temperature coefficient of relative resistivity) 比抵抗率の温度による変化率
を,対応する温度の変化分で除した値。
)
/
ppm
(
10
)
(
6
ref
ref
ref
T
ρ
K
T
T
TC
×
−
−
=ρ
ρ
ρ
················································· (8)
ここに, ρT:温度Tにおける比抵抗率
ρref:基準温度Trefにおける比抵抗率
4. 測定項目 この規格で測定する項目は,比誘電率ε′,誘電正接tanδ,誘電率の温度係数TCε 及びtanδ
の温度依存性とする。
なお,この試験が適用できる測定周波数,ε′ 及びtanδ の範囲は,次のとおりである。また,特に指定の
ない限り,TCε 及びtanδ の温度依存性の測定温度範囲は,−40 ℃〜+85 ℃とする。
測定周波数
:
30 〜100 GHz
ε′
:
2
〜50
tanδ
:
10−6 〜10−3
5. 測定原理 この規格で用いる方法では,導体円筒を中央で二つに分割し,その間に誘電体基板を挟ん
だTE011モード(1) 遮断円筒共振器を構成する(図2参照)。この共振器の共振周波数 ( f0) 及び無負荷Q (Qu)
は,基板試料のε′,tanδ,厚み (t) 及び,導体円筒の直径 (D),高さ (H) 及び遮断円筒導波管を構成する
材料の比導電率 (σr) によって決定される。したがって,f0,Qu,D,H,σr及びtを測定して,ε′,tanδ
を求めることができる。遮断円筒導波管の構造は内側が円筒状で,D=7 mm,H=31 mmとすると共振周波
数は約50 GHzとなる。また,試験試料は,通常厚さ0.5〜1.0 mm程度,直径10〜19 mmの円板,又は14 mm
程度の角平板を用いる。
ミリ波帯域では電磁波は共振器内壁の表面内にサブミクロン程度の深さまでしか侵入しないため導電率
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は,表面のきずや酸化膜の有無によって直流での値よりも小さくなる。そこで,導体円筒の両端に短絡板
を付けて構成した空洞共振器のQuからσrを測定によって求めることが必要である。
この方法では遮断円筒導波管を中央で二つに分割し,その間に基板試料を挟んで共振器を構成するので,
試料の縁端部は遮断円筒導波管の外に出ている。しかし,試料の厚さtはTE011モードの共振周波数の半波
長をε′で除した値に比べて十分に小さいので,縁端部の電磁界は急速に減衰し,エネルギーは半径方向
に放射しない。この縁端部の電磁界の効果(縁端効果)は,ε′ 及びtanδ の測定にわずかな影響を与える。
したがって,この方法では,これを厳密な解析による解によって補正する。実際には,解析が容易な導
体円筒と同じ直径をもつ架空の円板試料を挿入した場合について,近似的な比誘電率 (εa) 及び誘電正接
(tanδa) を求め,その後に,図で与えられた補正係数を用いて,縁端効果の補正を行いε′ 及びtanδ を求め
る。また,TE011モードの−40〜+85 ℃におけるf0とQuとを測定してΔTCε,ε′ 及びtanδ の温度依存性を
求める。
注(1) 導波路の軸に垂直な平面上に電界があるモードを横電界姿態 (Transverse Electric Mode) とい
い,TEモードと略記する。これについているサフィックスは,左から順に円筒座標の軸回り方
向,径方向,軸方向の電界強度の節又は腹の数を示している。
TE011モードでは電界は試験試料の面内にある。したがって,ここで定める試験方法で測定さ
れるε′ は面方向の値である。
6. 試験環境 特に指定のない限り,試験環境の温度は25±2 ℃とし,相対湿度は60 %以下とする。
7. 測定装置及びジグ
7.1
装置 試験装置の構成例を図1に示す。図1 a)は,スカラー形ネットワークアナライザを使用した
もの,図1 b)は,ベクトル形ネットワークアナライザを使用したものとなっている。図1 a)では,掃引信
号発生器から出たミリ波信号は,方向性結合器で分割され,その一方は基準信号として検波器を介してネ
ットワークアナライザに入力される。他方は試料を装着した試験ジグに入力される。試験ジグを透過した
信号は検波器を介してネットワークアナライザに入力され,基準信号との振幅比として,縦軸に透過減衰
量,横軸に周波数の形で画面上に表示される。
一方,図1 b)では,送信側ミリ波帯Sパラメータ・モジュールから出力されたミリ波信号は,試験用ジ
グを透過し,受信側ミリ波帯Sパラメータ・モジュールに入力され検波される。これと同時に送信側ミリ
波帯Sパラメータ・モジュール内部で検波された基準信号との振幅比として,縦軸に透過減衰量,横軸に
周波数の形で画面上に表示される。
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基準レベル測定用伝送路
×N 信号逓能器
試験用ジグ
方向性
結合器
基準信号用
検波器
アイソレータ
アイソレータ
アイソレータ
試験信号用
検波器
シンセサイザ形
掃引信号発生器
スカラー形
ネットワークアナライザ
a) スカラー形ネットワークアナライザを使用した構成例
基準レベル測定用伝送路
ベクトル形
ネットワークアナライザ
Sパラメータ
ミリ波モジュール
試験用ジグ
Sパラメータ
ミリ波モジュール
b) ベクトル形ネットワークアナライザを使用した構成例
図 1 試験装置の構成例
7.2
ジグ
7.2.1
ε′ 及びtanδの試験用ジグ ε′ 及びtanδ の試験用ジグは,図2に示すように中央で二つに分割でき
る構造をもつ導体円筒空洞(直径D,長さH),2本の同軸励振線及び1本の基準レベル測定ケーブルで構
成する。試料基板は遮断円筒導波管の中央に挟んでクリップなどで固定する[図2 a)]。表皮効果による実
効導電率の低下を最小限にとどめるため,導体円筒空洞の内面の表面粗さをJIS B 0601 に規定する0.1
μmRa以下にする。
5
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先端ループ
同軸励振線
誘電体平板
t
H
+
t
D
電波吸収材
導体円筒
短絡板
d
a) 試験試料のε′ 及びtanδ の測定 b) 試験用ジグ寸法測定時
磁界結合
ループ
スポット溶接
または
はんだ付け
同軸励振線
c) 同軸励振線の先端部拡大
コネクタ
d) 基準レベル測定用セミリジッド同軸線
図 2 ε′ 及びtanδ の試験用ジグ
同軸励振線は,特性インピーダンスが50 Ωのセミリジッド同軸ケーブルとし,外径が1.2 mm又は0.9
mmのいずれかのものを遮断円筒導波管の大きさに応じて使い分ける。同軸励振線の先端には直径0.4 mm
程度の微少ループアンテナを形成し,ループ面を水平に固定する。2本の同軸励振線は互いに左右に移動
して結合度を調整することができる構造とする。同軸励振線と遮断円筒導波管とを同電位にするため,ケ
ーブルの外導体が遮断円筒導波管に軽く接触する構造にする。基準レベル測定ケーブルは全透過レベルを
測定するためのもので,その長さは上記の同軸励振線2本分の長さとする。
導体円筒両端部に作製するリング状の溝は,導体円筒の実効導電率σrを短絡板を取り付けた空洞共振器
のQuから測定する際に必要である。これによって,測定に使われるTE01pモードの共振周波数に影響を与
スポット溶接
はんだ付け
又は
磁界結合
ループ
同軸励振線
コネクタ
短絡板
d
H
+
t
先端ループ
同軸励振線
導体円筒
電波吸収材
誘電体平板
D
t
6
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えずに,TE01pモードに縮退するTM11pモードの共振周波数だけを数10 MHz程度低周波数側にシフトさせ,
それぞれの共振ピークを分離できる。
7.2.2
TCε 及びtanδ の温度依存性の試験用ジグ TCε 及びtanδ の温度依存性の試験用ジグは,試験用ジ
グと同軸励振線とが温度変化によって相対的な位置ずれを起こさないよう固定方法を工夫する。その固定
方法の一例を図3に示す。
ジグ
導体円筒
熱電対
電波吸収材
先端ループ同軸励振線
誘電体平板
励振線調整リング
図 3 TCε 及びtanδ の温度依存性の試験用ジグの固定方法の一例
7.2.3
ノギス ノギスは,JIS B 7507に規定する最小目盛0.05 mm又はこれと同等以上の精度をもつもの
を用いる。
8. 試験用ジグ(空洞共振器)の寸法D,Hの設計
図4に空洞共振器[図2 b)参照]のモードチャートを示す。
図4中の波線は,推奨する寸法比D/H=0.226,0.268及び0.294である。
TE011モードの共振周波数f0 (Hz)と空洞共振器の直径D (m),長さH (m)との間には,次の関係式が成立
する。
+
′
=
2
2
01
2
2
0
2
2
)
(
H
D
j
c
D
f
π
···················································· (9)
ここに,
c:真空中の光速 (=2.997 9×108 m/s)
j′01:0次の第1種ベッセル関数の微分が0となる第1番目の根
(=3.831 7)
式(9) から,空洞共振器の共振周波数f0 (Hz)を与えて,D (m)を設計する。具体例を表1に示す。空洞共
振器の材質は,導電率の大きい金属が望ましい。通常,純銅で作製する。
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T
E
11
11
T
E
11
11
T
E
11
9
T
E
21
7
T
E
11
8
T
M
0
11
0
T
M
0
19
T
M
11
5
T
M
0
18
T
E
11
10
T
E
01
5
.05
.06
.07
.08
.09
.1
(D/H)2
1.85
1.80
1.75
1.70
1.65
1.60
1.55
1.50
1.90
(
f
0
D
/c
)
2
1.45
TE114
TE017
TE113
TE112
TE116
TE110
TE111
TE215
TE011
TE216
TE311
TE512
TE014
TE111
TE012
TE013
図 4 空洞共振器のモードチャート
表 1 空洞共振器の寸法(例)及び材質
寸法比
50 GHz
空洞共振器
材質
(D/H)2
D/H
D (mm)
H (mm)
銅(銀)又は厚さ10 μm以上の銅(銀)
めっきを施した導体
0.0510
0.226
7.0
31.0
0.0718
0.268
7.0
26.1
0.0864
0.294
7.0
23.8
9. 試験用ジグの寸法D,H及び比導電率σrの測定 試験試料の測定に先立って,試験用ジグの寸法及び
高周波における実効的な比導電率を測定する。
a) 測定条件
1) 試験用ジグの空洞表面(内面)にきずが付いた場合や酸化膜が発生した場合は,測定に先立って空
洞表面を研磨する。
2) 試験用ジグ内部の環境を測定環境に等しくするため,空洞共振器を組み立てない状態で,測定環境
下に十分な時間放置する。
b) 測定手順 試験用ジグの直径D及び長さHは,TE01pとTE01qモード( p, q : 整数,p≠q)との共振周
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波数から測定する。比導電率はTE01pモードの無負荷Qから測定する。手順は,次による。
1) JIS B 7507に規定するノギス又はそれと同等以上の精度をもつ測定器を使い,試験用ジグの直径D
及び長さHの予備測定を行う。
2) 基準レベル測定ケーブルを試験装置に接続し,測定する周波数範囲の透過減衰量を測定し,基準レ
ベルとする。
3) 2個の半円筒ジグの両端に導体板を取り付ける。
4) 試験用ジグの接合部が不連続にならないように向かい合わせ,クリップなどで固定し,空洞共振器
を構成する。
5) 空洞共振器の結合孔に,測定ケーブル先端の結合ループを挿入する。このとき,結合ループの開口
面が,空洞共振器の円筒軸に垂直になるように固定する。また,左右の結合ループの挿入深さを同
じにする。
6) ネットワークアナライザの画面上で,TE01pモードの共振ピークを見つける(図5参照。四角で囲ん
だモードは測定に使用可能なモードである。)。このとき,あらかじめノギスなどで測定したD,H
の予備測定値を次の式に代入した値を,TE01pモードの共振周波数の予想値 (Hz) にすることができ
る。この際,H/2の位置で励振すると,pが偶数時のモードは共振器中央で電界が0となるため,励
振されにくい。そこで,励振位置をH/2からわずかにずらすことで,すべてのTE01pモードが励振
できる。
2
2
01
2
p
p
+
′
=
H
D
j
c
f
π
··························································· (10)
ここに,
D:空洞共振器の直径の予備測定値 (m)
H:空洞共振器の長さの予備測定値 (m)
7) 周波数掃引幅を狭くして,TE01pモードの共振波形を画面上に拡大表示(図6参照)した後,空洞共
振器への結合ループの挿入深さを調整して,挿入損失を約30 dBにする。また,左右の結合ループ
の挿入深さを同じにする。このときの共振周波数fp,電力半値幅 ∆fp及び挿入損失IApを測定する。
8) 次に,ネットワークアナライザの掃引周波数を変更し,TE01qモードの共振ピークを見つける。この
とき,あらかじめノギスなどで測定したD,Hの予備測定値を次の式に代入した値を,TE01qモード
の共振周波数の予想値 (Hz) にすることができる。
2
2
01
2
q
q
+
′
=
H
D
j
c
f
π
·····························································(11)
9) 7) と同様に,周波数掃引幅を狭くして,TE01qモードの共振波形を画面上に拡大表示した後,空洞
共振器への結合ループの挿入深さを調整して,挿入損失を約30 dBにする。また,左右の結合ルー
プの挿入深さを同じにする。このときの共振周波数fqを測定する。
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図 5 実際の空洞共振器の周波数応答例によるモード判別
-60
-50
-40
-30
-20
透
過
減
衰
量
I.
A
.
(d
B
)
60
58
56
54
52
50
周波数 f (GHz)
T
M
11
1
T
E
0
16
T
E
0
14
T
E
0
13
T
E
0
11
T
E
0
15
T
M
11
0
T
E
11
11
T
E
3
11
T
M
01
11
T
M
11
6
T
M
11
5
T
M
11
4
T
M
11
3
T
M
01
9
T
M
11
2
T
E
3
12
T
E
3
13
T
E
11
1
0
T
E
2
18
T
E
2
17
T
E
0
12
モードチャート
からの計算値
T
M
01
8
T
E
2
16
−20
−30
−40
−50
−60
50
52
54
56
58
60
周波数f (GHz)
透
過
型
減
衰
量
I.
A
.
(d
B
)
10
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f0
LA0=30dB
3dB
-35
I.
A
.
(d
B
)
-30
-25
周波数 f
∆f0
図 6 共振ピークの拡大表示
c) 試験用ジグの寸法D, Hの計算 試験用ジグ寸法は,次の手順で計算する。
2
2
2
2
2
2
01
q
p
p
q
p
q
f
f
j
c
D
−
−
′
=π
······························································ (12)
2
p
2
q
2
2
p
q
2
f
f
c
H
−
−
=
····································································· (13)
ここに,
D:空洞共振器の直径 (m)
H:空洞共振器の長さ (m)
fp:TE01pモードの共振周波数の測定値 (Hz)
fq:TE01qモードの共振周波数の測定値 (Hz)
c:真空中の光速 (=2.997 9×108 m/s)
j′01:0次の第1種ベッセル関数の微分が0となる第1番目の根
(=3.831 7)
d) 試験用ジグの比導電率σrの計算 試験用ジグのσrは,次の手順で計算する。
1) 無負荷Q
20
p
p
u
p
10
1
IA
f
Δ
f
Q
−
−
=
········································································ (14)
ここに, Qu:TE01pモードの無負荷Q
fp:TE01pモードの共振周波数の測定値 (Hz)
∆fp:電力半値幅の測定値 (Hz)
IAp:挿入損失の測定値 (dB)
11
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2) 比導電率σr
3
2
2
01
2
0
0
2
3
2
2
01
2
2
2
2
4
u
p
r
+
′
+
′
=
H
D
j
c
D
j
Q
f
π
μ
σ
π
π
π
σ
··············································· (15)
ここに, σr:空洞共振器の比導電率
σ0:5.8×107 (S/m)
μ0:4π×10−7 (H/m)
10. 試験試料のε′及びtanδの測定
10.1 試験試料 試料の平行度及び平たん度が測定精度に大きな影響を与えるので,試料は精度良く仕上
げる必要がある。試料は円板(直径d)又は角板(短い方の長さd)とし,その大きさは,d >1.2Dとする。
10.2 共振周波数の推定 測定ジグの寸法,試験試料の厚みt,及び試験試料の比誘電率ε′ の概略値ε から,
次の式によってTE011モードの共振周波数f0を推定する。
Y
X
X
=
tan
··········································································· (16)
2
2
0
r
2
k
k
t
X
−
=
ε
<
<
2
0
π
X
······················································ (17)
2
0
2r
2
k
k
t
Y
−
=
······································································ (18)
c
f
k
0
0
2π
=
············································································· (19)
D
D
j
k
8317
.3
2
201
r
×
=
′
=
······························································ (20)
ここに, X,Y:f0を計算するためのパラメータ
f0:共振周波数 (Hz) の推定値
k0:自由空間波数
kr:半径方向の波数
c:真空中の光の速度 (=2.9979×108 m/s)
j′01:0次の第1種ベッセル関数の微分の第1番目の根 (=3.8317)
10.3 測定手順 測定手順は次のとおりとする。
1) 基準レベル測定ケーブルを図1の試験装置に接続し,測定する周波数範囲の透過減衰量を測定し,
基準レベル(全透過レベル)とする。
2) 誘電体基板試料を挟んだ遮断円筒導波管を,図1の試験装置に接続する。
3) 10.2で求めたf0の推定値を参考に,ネットワークアナライザを調整し,TE011モードの共振ピークを
画面上に表示させる。
4) 共振ピークの挿入損失IA0が約30 dBとなるように,結合ループの位置を調整する。このとき,左
右の結合ループの挿入深さを同じにし,試験試料と左右の結合ループ間との距離はお互いに等しく
なるようにする。
12
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5) f0 (Hz),電力半値幅∆f0 (Hz) 及びIA0 (dB) を測定する。ネットワークアナライザにマーカ機能又はス
イープアベレージング機能があれば,迅速に再現性の高い測定が可能になる。
10.4 比誘電率ε′の計算 比誘電率ε′ は次の式で計算し,有効数字4けたまで求める。
a) k0,kr
c
f
k
0
0
2π
=
·············································································· (21)
D
D
j
k
8317
.3
2
201
r
×
=
′
=
······························································ (22)
ここに,
f0:共振周波数の測定値(Hz)
b) Y
次の式によってYを計算する。
2
0
2r
2
k
k
t
Y
−
=
········································································ (23)
ここに,
Y:比誘電率を計算するためのパラメータ
c) X
Yを次の特性方程式に代入してXを求める。
Y
X
X
=
tan
··········································································· (24)
ここに,
X:比誘電率を計算するためのパラメータ
d) εa
X,Yを次の式に代入して,εaを求める。
1
)
(
2
2
2
0
a
+
+
=
Y
X
tf
c
π
ε
························································· (25)
ここに,
εa:縁端効果を無視したときの比誘電率
e) ε′
∆
−
=
′
a
a1εε
ε
ε
······································································· (26)
ここで,
ε′:比誘電率
∆ε :縁端効果の補正項(図7参照)
10.5 ε′の誤差の計算 ε′ の誤差を次の式によって計算する。
2
2
2
2
0f
t
D
Δ
Δ
Δ
Δ
ε
ε
ε
ε
+
+
=
′
···················································· (27)
ここに,
∆ε′: ε′ の誤差
∆εD:Dの標準偏差による ε′ の誤差
D
Δ
ΔD
D
ε
ε
∂′
=∂
∆εt: tの標準偏差によるε′ の誤差
t
Δ
Δt
t
ε
ε
∂′
=∂
∆εf0:f0 の標準偏差によるε′ の誤差
0
0
0
f
Δ
Δf
f
ε
ε
′
∂
=∂
13
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∆
ε/
ε
a
10−4
2
3
4
5
6
7
10−3
2
3
4
5
6
7
10−2
2
3
4
5
6
7
10−1
1
2
3
4
5
678
2
3
4
5
678
100
0.04
0.06
0.08
0.10
0.12
0.14
0.02
0.16
t/D=0.18
0.20
0.01
0.005
TE011 mode
D/H=0.226
10
εa
図 7 ε′ の補正図
14
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10.6 誘電正接tanδの計算 誘電正接tanδ は,次の式で計算し,有効数字3けたまで求める。
a) A
次の式によって,Aを計算する。
ε′
+
=
W
A1
·············································································· (28)
)2/
(
sin
)2/
(
cos
2
2
π
π
−
+
−
=
X
Y
X
W
··························································· (29)
ここに,
A:tanδ を計算するためのパラメータ
W :誘電体内外の蓄積エネルギーの比
b) B
次の式によって,Bを計算する。
ε
π
π
′
′
+
′
=
01
3
0
01
60
1
j
W
D
f
j
B
······························································· (30)
ここに,
B:tanδ を計算するためのパラメータ
c) Qu
200
10
1
0
0
u
IA
f
Δ
f
Q
−
−
=
········································································ (31)
ここに, Qu:TE011モードの無負荷Q
f0:TE011モードの共振周波数の測定値 (Hz)
∆f0:電力半値幅の測定値 (Hz)
IA0:挿入損失の測定値 (dB)
d) tanδ
+
−
+
=
B
B
Δ
BR
A
A
Δ
Q
A
1
1
tan
s
u
δ
············································ (32)
ここに, tanδ:誘電正接
∆Α:縁端効果の補正項(図8参照)
∆Β:縁端効果の補正項(図8参照)
10.7 tanδの誤差の計算 tanδ の誤差を,次の式によって計算する。
(
)
(
)(
)2
r
2
u
2
tan
tan
tan
σ
δ
δ
δ
Δ
Δ
Δ
Q
+
=
······························· (33)
ここに, ∆tanδ:tanδ の誤差
∆tanδQu:Quの標準偏差によるtanδ の誤差
u
u
tan
tan
u
Q
Δ
Q
Δ
Q
∂
∂
=
δ
δ
∆tanδσr:σrの標準偏差によるtanδ の誤差
r
r
tan
tan
r
σ
σ
δ
δσ
∆
∂
∂
=
Δ
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
0.05
0.04
0.03
0.02
0.01
0.00
∆
A
/A
ε′ =1
2
5
10
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
∆
B
/B
0.20
0.15
0.10
0.05
0.00
t/D
ε′ =100
10
2
1
5
図 8 ∆A/A,∆B/Bの補正図
11. 試験用ジグの線膨張係数α及び比抵抗率の温度係数TCρの測定 試験試料の温度特性測定に先立ち,
試験用ジグの線膨張係数及び比抵抗率の温度係数を測定する。
16
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a) 測定条件
1) 測定温度範囲は−40〜+85 ℃,相対湿度は60 %以下とする。
備考 高湿雰囲気中では,Q値の劣化が認められるため,測定に当たっては,湿度管理に十分注意す
る必要がある。したがって,測定は,湿度制御可能な恒温槽中又は乾燥気体中で行われること
が望ましい。
2) 恒温槽内の温度分布は±1 ℃以下に保たれなければならない。
3) 空洞共振器全体が測定温度に達することができるよう,測定温度に到達してから測定までに,十分
な時間が確保されなければならない。
b) 測定手順
1) 二つの半円筒ジグの両端部に導体板を取り付けた後,接合面のずれがないように固定する。
2) 恒温槽の中に空洞共振器を設置後,TE011モードの共振ピークの挿入損失が約30 dBになるように結
合ループの挿入深さを調整する。
3) 恒温槽の温度を測定温度Tに設定し,十分な時間を経た後,TE011モードの共振周波数f0(T ),電力
半値幅∆f0(T ),挿入損失 (IA0) を測定する。
c) 試験用ジグの線膨張係数αの計算 試験用ジグの線膨張係数は,次の手順で求める。
1) 空洞の寸法比
)
(
)
(
ref
ref
T
H
T
D
S=
············································································ (34)
ここに,
S:空洞の寸法比であり,測定温度範囲において一定であると
仮定する。
D(Tref):基準温度Trefにおける空洞の直径 (m)
H(Tref):基準温度Trefにおける空洞の長さ (m)
2) 測定温度Tでの試験用ジグの寸法D(T ), H(T )
2
2
01
0
2
)
(
)
(
+
′
=
S
j
T
f
c
T
D
π
····················································· (35)
S
T
D
T
H
)
(
)
(
=
··········································································· (36)
ここに, D (T ):測定温度Tにおける空洞の直径 (m)
H (T ):測定温度Tにおける空洞の長さ (m)
f0 (T ):測定温度TにおけるTE011モードの共振周波数 (Hz)
3) 試験用ジグの線膨張計数α
)
(
)
(
)
(
)
(
1
ref
ref
ref
T
T
T
D
T
D
T
D
−
−
=
α
························································ (37)
ここに,
α:試験用ジグの膨張係数 (/℃)
Tref:室温 (℃)
T:測定温度 (℃)
d) 試験用ジグのTCρ の測定 試験用ジグの比抵抗率の温度係数TCρは,次の手順で計算することができ
る。
1) 測定温度Tでの試験用ジグの比抵抗率ρr (T)
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1.1) σrの計算
2
3
2
2
2
0
u
01
r
3
2
2
2
0
0
01
4
()
()
2
2
()
2
S
fTQT
j
T
S
c
j
π
π
σ
π
σμ
′
+
=
′
+
·········································· (38)
1.2) ρrの計算
)
(
1
)
(
r
r
T
T
σ
ρ
=
······································································ (39)
ここに, σr (T ):測定温度Tにおける比導電率
ρr (T ):測定温度Tにおける比抵抗率
Qu (T ):測定温度Tにおける無負荷Q
2) 試験用ジグのTCρ
r
r
ref
r
ref
ref
1
()
(
)
(
)
(
)
T
T
TC
T
TT
ρ
ρ
ρρ
−
=
−
····················································· (40)
ここに, ρr(Tref):室温における比抵抗率
12. 試験試料のε′及びtanδの温度依存性の測定
12.1 測定条件
12.1.1 測定温度範囲は,−40〜+85 ℃,相対湿度は60 %以下とする。
備考 高湿雰囲気中ではQ値の劣化が認められるため,測定に当たっては湿度管理に十分注意する必
要がある。よって,測定は湿度制御可能な恒温槽中又は乾燥空気中で行われることが望ましい。
12.1.2 恒温槽内の温度分布は,±1 ℃以下に保たれなければならない。
12.1.3 空洞共振器全体が測定温度に達することができるよう,測定温度に到達してから測定までに,十分
な時間が確保されなければならない。
12.2 測定手順 測定手順は,10.3に準じる。
12.3 試験試料のε′の温度係数TCεの計算 測定温度範囲内の任意において測定した共振周波数f0 (T )
から,10.4に示した計算手順に従って,測定温度Tにおける比誘電率ε′ (T ) を求める。このとき,試験試
料厚さ及び共振器直径,長さを各測定温度における値に温度補正する必要がある。
a) 温度Tにおける試料厚さt (T )
(
)
{
}
ref
t
ref
()
(
)
1
tT
tT
TT
α
=
−
+
······················································ (41)
ここに,
Tref:基準温度
αt:試験試料の線膨張係数
b) 温度Tにおける試験用ジグの直径D (T ),長さH (T )
D(T)=D(Tref){α(T-Tref)+1} ························································· (42)
H(T)=D(T)/S ············································································ (43)
ここに,
α:11. c) で求めた試験用ジグの線膨張係数
S:11. c) で求めた試験用ジグの寸法比
c) ε′ (T ) f0 (T ),t (T ),D (T),H (T)を使用して,10.4の計算手順に従って,温度Tにおける比誘電率ε′ (T )
を求める。
18
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d) ε ′ (T ) の温度係数TCε
ref
ref
ref
1
()
(
)
(
)
(
)
T
T
TC
T
TT
ε
ε
εε
′
−′
=′
−
················································· (44)
12.4 試験試料のtanδの温度依存性 温度Tにおいて測定したQu (T ),ε′ (T ),t (T ),D (T ),H (T ),Rs (T )
によって,10.6に示した計算手順に従って,tanδ (T)を求める。
備考 tanδ (T ) の計算において必要となるRs (T ) は,導電率σ (T ) の関数である。しかし,σ (T ) は
温度に対して線形ではないため,11.d) で求めた抵抗率ρ の温度係数TCρ から,所定のσ (T ) を
ρ (T ) の逆数として求め,Rs (T ) を算出する。このようにしてtanδ の温度Tに対する依存性
を測定することができる。
13. 報告 報告には,次の事項を記載する。
a) 試験試料を判別する記号
b) 試験試料の寸法
c) 試験環境(温度,湿度)
d) 測定周波数f0
e) 比誘電率ε′
f)
誘電正接tanδ
g) 比誘電率の温度係数TCε
h) 誘電正接の温度依存性