R 1639-1 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用
新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R 1639-1 : 1999
ファインセラミックス−
か(顆)粒特性の測定方法−
第1部:か粒径分布
Test methods of properties of fine ceramic granules
Part 1 : Size distribution of granules
1. 適用範囲 この規格は,数十から数百μmのファインセラミックスか粒のか粒径分布の測定方法につ
いて規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS R 1629 ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801 試験用ふるい
JIS Z 8815 ふるい分け試験方法通則
ISO 9276-1 Representation of results of particle size analysis−Part 1 : Graphical representation
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
a) か粒 微粒子の造粒操作によって製造した粒子集合体。
b) か粒特性 か粒の特性を表す代表的な性質。
c) か粒径分布 か粒の大きさに対するか粒の量を表す分布。大きさは,長さの単位で,また,か粒の量
は,全量に対する質量割合で表す。
4. 測定方法の種類 か粒径分布の測定は,次のいずれかによる。
a) 手動ふるい分け法
b) 機械ふるい分け法
c) レーザ回折・散乱法
5. 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
a) ふるい JIS Z 8801に規定する試験用ふるいで,枠の径が200mmのもの。
b) ふるい分け装置(機械ふるい分け法の場合) 数個の重ねたふるいを装着し,振動させてふるい分け
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ることができる装置。
c) はかり(天びん) 最小表示目盛りが1mg以下の化学はかり,又は電子はかり。
d) 粒子径分布測定装置(レーザ回折・散乱装置) JIS R 1629の3.(測定の原理)に基づくレーザ回折・
散乱法による粒子径分布測定装置で,乾式で測定できるもの。
6. サンプリング方法 サンプリング方法は,JIS Z 8815の5.(試験試料の調整と採取)による。二分割
法の一例を図1に示す。
試験試料として採取する量は,1試料当たり,ふるい分け法の場合は,50〜100g,レーザ回折・散乱法
の場合は,装置・操作による必要量とする。
図1 二分割器を使用した二分割の例
(二分割器の左右の分割物を相殺させて採取する。)
7. 測定手順
7.1
手動ふるい分け法 手動ふるい分け法は,JIS Z 8801に規定する試験用ふるいを使用し,次による。
ただし,ふるい分けを長時間にわたって行っても終了しないと認められる場合,ふるい分け方法は,当事
者間の協議による。
a) あらかじめ,試料が全部通過する最も小さい目開きのふるい,及び試料が全部残留する最も大きい目
開きのふるいを調べ,その間の目開きのふるいから,各ふるいの残分ができるだけ均等になるように
5〜7個程度のふるいを選別する。
b) 受器の上に,選別したふるいを,目開きの大きいふるいが上段になるように重ねる。選別したふるい
の数が多い場合は,重ねるふるいの数を減らし,目開きの大きい方から順次ふるい分けてもよい。
c) 試験試料として採取した1試料の質量を,はかりではかる。
d) 試料を,最上段のふるいの上から投入してふたをする。
e) 重ねたふるいを約20°傾斜するように,片手で又は腕をわん曲して支え,1分間に約120回の割合で
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一方の手でふるい枠をたたく。この間,1分間に4回の割合でふるいを水平に置き,90°回転させて,
ふるい枠を1〜2回強くたたく。
f)
各ふるいを,試料がこぼれないように静かに離し,ふるい網の裏面に微粉が付着した場合には,適当
なブラシで静かにふるいの裏面から除去し,その微粉はふるい下に入れる。
g) 各ふるい上の試料の質量を,はかりではかる。
h) 再度ふるいを重ねてふるい分けを行い,g)と同様にして各ふるい上の試料の質量をはかりではかる。
このとき,g)ではかった質量との差が,10mg又は1分当たり0.2%以下となったふるいは,ふるい分
け終了として取り外し,その試料の質量を記録する。
ふるい分けを終了しなかったふるいより下段の試料は,再度ふるい分け終了までふるい分ける。
i)
すべてのふるい上及び受器上の試料の質量の合計は,投入した試料の質量との差が3%以下でなけれ
ばならない。
7.2
機械ふるい分け法(1) 機械ふるい分け法は,JIS Z 8801に規定する試験用ふるいを乾式のふるい分
け装置に装着してふるい分けを行い,手動ふるい分け法の結果との差が,あらかじめ当事者間で合意した
許容範囲内になるように振動数,振幅,ふるい分け時間などの操作条件を設定して行う。
振動数,振幅などのふるい分け条件が固定されているふるい分け装置を使用する場合の測定手順は,次
による。この場合においても,測定結果を適宜手動ふるい分け法の結果と比較し,差のないことを確かめ
る。
a) あらかじめ,試料が全部通過する最も小さい目開きのふるい,及び試料が全部残留する最も大きい目
開きのふるいを調べ,その間の目開きのふるいから,各ふるいの残分ができるだけ均等になるように
5〜7個程度のふるいを選別する。
b) 受器の上に,目開きの大きいふるいが上段になるように重ねる。
c) 試験試料として採取した1試料の質量を,はかりではかる。
d) 試料を,最上段のふるいの上から投入してふたをする。
e) 重ねたふるいをふるい分け装置に装着し,5〜10分間ふるい分けを行う。
f)
ふるい分け装置から試料がこぼれないようにふるいを静かに取り出し,各ふるい上の試料の質量をは
かりではかる。
ふるい網の裏面に微粉が付着した場合には,適当なブラシで静かにふるいの裏面から除去し,その
微粉はふるい下に入れる。
g) 再度ふるいを重ねてふるい分け装置に装着し,更に数分間のふるい分けを行い,f)と同様にして各ふ
るい上の試料の質量をはかりではかる。
このとき,f)ではかった質量との差が,10mg又は1分当たり0.2%以下となったふるいは,ふるい分
け終了として取り外し,その試料の質量を記録する。ふるい分けを終了しなかったふるいより下段の
試料は,再度ふるい分け装置に装着して,ふるい分け終了までこの操作を繰り返す。
h) すべてのふるい上及び受器上の試料の質量の合計は,投入した試料の質量との差が3%以下でなけれ
ばならない。
注(1) か粒が,破壊又は摩耗しやすいと認められるときは,機械ふるい分け法は使用しないことが望
ましい。
7.3
レーザ回折・散乱法 レーザ回折・散乱法による場合は,JIS R 1629の7.(測定手順)に準じて行
う。操作条件は,手動ふるい分け法の結果との差が,あらかじめ当事者間で合意した許容範囲内になるよ
うに設定する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試料の分散は,か粒が破壊しないように静かに自然落下させて行う。
8. 計算 か粒径分布の計算は,次の式によって計算し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める
(2)。
100
×
=SB
Q
ここに,
Q: 質量基準積算割合 (%)
B: ふるい分け法の場合:着目したふるい以下の試料の質量 (g)
レーザ回折・散乱法の場合:着目したか粒径以下の試料の質量
(g)
S: ふるい分け法の場合:すべてのふるい上及び受器上の試料の質
量の合計 (g)
レーザ回折・散乱法の場合:測定した試料の全質量 (g)
注(2) レーザ回折・散乱法の場合は,質量はJIS R 1629による装置の算出した質量とする。
9. 結果の表示 測定結果の表示は,次によるほか,ISO 9276-1によることができる。
a) 試料名
b) 測定方法の種類又は測定装置名
c) 試験試料の質量
d) ふるい分けの場合:各ふるい上及び受器上の質量,質表割合及び積算割合。
レーザ回折・散乱法の場合:各か粒径間の質量,質量割合及び積算割合。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ファインセラミックスか(顆)粒特性の測定方法 第1部 か粒径分布原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 内 海 良 治
工業技術院名古屋工業技術研究所
(委員)
○ 伊ケ崎 文 和
工業技術院物質工学工業技術研究所
○ 青 木 正 司
財団法人ファインセラミックスセンター
○ 山 田 哲 夫
宇部興産株式会社
○ 伊 藤 崇
大川原化工機株式会社
○ 渡 邊 敬一郎
日本ガイシ株式会社
○ 松 尾 康 史
日本特殊陶業株式会社
鈴 木 和 夫
工業技術院名古屋工業技術研究所
椿 淳一郎
名古屋大学
中 平 兼 司
財団法人ファインセラミックスセンター
中 村 彰 一
大塚電子株式会社
福 井 俊 文
株式会社島津製作所
橋 本 邦 男
昭和電工株式会社
佐々木 邦 雄
株式会社セントラル科学貿易
山 口 浩 文
日本ガイシ株式会社
虎 谷 秀 穂
名古屋工業大学
林 茂 雄
三重県窯業試験場
中 安 哲 夫
宇部興産株式会社
安 川 勝 正
京セラ株式会社
築 野 孝
住友電気工業株式会社
稲 場 徹
電気化学工業株式会社
○ 伊 藤 敏
通商産業省生活産業局ファインセラミックス室
○ 大 嶋 清 治
工業技術院標準部
○ 加 山 英 男
財団法人日本規格協会
○ 菅 野 隆 志
ファインセラミックス国際標準化推進協議会
○ 渡 辺 一 志
社団法人日本ファインセラミックス協会
(事務局)
○ 杉 本 克 晶
社団法人日本ファインセラミックス協会
備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。
文責 原案作成小委員会