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R 1637 : 1998 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1637 : 1998 

ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法 

−4探針法による測定方法 

Test method for resistivity of conductive fine ceramic thin films 

with a four-point probe array 

1. 適用範囲 この規格は,ファインセラミックス薄膜の抵抗率を4探針法によって試験する方法につい

て規定する。 

適用できる抵抗率の範囲は,1×10-5〜2×102 Ω・cmとし,膜厚は500μm以下とする。 

備考 この規格は,ファインセラミックス薄膜が絶縁材料に塗布又は積層されている場合,ファイン

セラミックスの膜厚が測定できるか,膜厚の公称値が分かっているときには適用できるが,フ

ァインセラミックスの膜厚が分からない場合は適用できない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 0651 触針式表面粗さ測定器 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS R 1636 ファインセラミックス薄膜の膜厚試験方法−触針式表面粗さ計による測定方法 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほかは,次による。 

a) 補正係数 4探針法によって測定された抵抗を補正する係数で,試料の形状・寸法,探針の位置によ

って決まる無次元の数値。 

4. 試験環境 試験は,原則として,温度23±2℃及び相対湿度 (50±5) %において,電磁的に十分に遮へ

い(蔽)され,機械振動のない環境の下で行う。試料を試験環境に30分以上放置し,定温に達してから試

験する。 

5. 試験装置・器具 

5.1 

試験装置 試験装置は,図1に示すように定電流源,電位差計,探針及び切替スイッチによって構

成する。 

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R 1637 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 4探針法の測定原理・回路 

a) 定電流源 試料の抵抗によって付表1に示される電流I0を流すことのできる電流源で,電流I0の決め

方は,次のとおりとする。 

電流Iを探針Aから探針Dに向かって流したとき,探針Bと探針Cとの間に生じる電位差をVと

すると,抵抗はV/Iとなる。この抵抗に対応する電流を付表1から選び,これを電流I0とする。測定

中の電流I0の変動は±0.05%とする。 

b) 電位差計 電位差計は,ディジタル電位差計を使用する。試料の抵抗率と膜厚の全範囲を測定するた

めに,0.1mV〜2Vの範囲の電位差が測定可能であり,最大測定値の0.05%の変動が検出できるものと

する。入力抵抗は,1011Ω以上であることが望ましい。 

c) 探針 探針は,原則としてタングステンと同等又はこれ以下の抵抗率の材料からなる棒で,その先端

を球面状に加工したものとする。先端半径は0.40mm以下とする。4本の探針は,一直線上に等間隔

に配列し,その先端間隔は,原則として5mm±1.0%とする。隣り合う探針間の絶縁抵抗は,1010Ω以

上とする。球面状に加工した一端を試験片に接触させ,測定中,各探針には適切な力,例えば,1〜2N

を加える。 

5.2 

膜厚測定装置 膜厚を測定するためのもので,JIS B 0651に規定する最小読取値0.5nmの触針式表

面粗さ計又はこれと同等以上の精度のものとする。 

6. 試料 

6.1 

試料の形状及び寸法 試料は,一辺50±1〜200±1mmの正方形の板状絶縁材料上に塗布又は積層さ

れた膜状のものとする。試料表面は,探針が均一に接触するように十分に清浄であることが望ましい。 

6.2 

試料の作製 試料は,関連規格又は受渡当事者間の協定する条件に従って,塗布法,スパッタ,真

空蒸着,CVDなどの成膜方法によって作製する。 

6.3 

試料数 試料数は3個以上とする。 

7. 操作 

7.1 

試料の膜厚測定 試料の膜厚をJIS R 1636に従って測定する。 

R 1637 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2 

測定方法 抵抗率の測定方法は,図1に示す測定回路を用いて,電流I0を探針Aから探針Dに向か

って流し,探針Bと探針Cとの間に生じる電位差V1を測定する。このときの探針B,C間の抵抗R1は,

V1/I0となる。次に切替スイッチによって電流I0を逆方向(探針Dから探針A)に流し,探針Bと探針C

との間に生じる電位差V2を測定する。このときの抵抗R2は,|V2/I0|となる。探針Bと探針Cとの間の

抵抗Rは,R1とR2の平均値とする。この抵抗Rは,抵抗率を算出するときに用いる。 

7.3 

測定位置 測定位置は,試料中央部の一点とする。 

8. 計算 

8.1 

抵抗率 抵抗率は,次の式(1)によって算出する。 

ρ=F・t・R··············································································· (1)  

ここに, 

ρ : 抵抗率 (Ω・cm) 

F : 補正係数 

t : 試験片の膜厚 (cm) 

R : 抵抗 (Ω) 

8.2 

補正係数 補正係数は,付表2から求める。 

9. 試験結果のまとめ方 

9.1 

抵抗率 抵抗率は,得られた抵抗率を平均し,JIS Z 8401によって有効数字3けたに丸める。 

9.2 

標準偏差及び変動係数 標準偏差及び変動係数を必要とするときは,次の式(2)及び式(3)によって算

出する。 

s=

1

)

(

2

n

ρ

ρ

 ········································································· (2) 

CV=ρs×100 ··········································································· (3) 

ここに, 

s : 標準偏差 

CV : 変動係数 (%) 

ρ : 個々の測定値 

ρ: 測定値の平均値 

n : 測定値の数 

10. 報告 報告には,必要に応じて,次の事項を記録する。 

a) 試験した材料の種類及び製造業者 

b) 試料の構造及び作製方法 

c) 試験室の温度及び湿度 

d) 試料の寸法及び試験した試料の数 

e) 試験結果(抵抗率,標準偏差及び変動係数) 

f) 

試験年月日 

g) その他特記すべき事項 

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R 1637 : 1998  

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付表1 試料の抵抗値及び測定電流 

抵抗値 Ω 

測定電流 A 

   2×10-1以下 

1×10-1 

2×10-1〜2×102 

1×10-2 

2×102〜2×103 

1×10-3 

2×103〜2×104 

1×10-4 

2×104〜2×105 

1×10-5 

2×105〜2×106 

1×10-6 

2×106〜2×107 

1×10-7 

付表2 補正係数 

一辺の長さ mm 

補正係数 

 50 

4.221 

 75 

4.388 

100 

4.452 

200 

4.512 

R 1637 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS R 1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法−4探針法による測定方法) 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 長 友 隆 男 

芝浦工業大学 

○ 一ノ瀬   昇 

早稲田大学 

○ 合 田 拓 司 

日本板硝子テクノリサーチ株式会社 

○ 和 田 明 生 

日本分光株式会社 

○ 樋 口 勝 敏 

株式会社東芝 

○ 柴 田 憲一郎 

住友電気工業株式会社 

安 田 榮 一 

東京工業大学 

大 司 達 樹 

工業技術院名古屋工業技術研究所 

水 野 峰 男 

財団法人ファインセラミックスセンター 

中 筋 善 淳 

日本ガイシ株式会社 

塩 貝 達 也 

日本セメント株式会社 

横 井 正 顕 

東伸工業株式会社 

梶   正 己 

京セラ株式会社 

西 川 友 三 

京都工芸繊維大学(名誉教授) 

坂井田 喜 久 

財団法人ファインセラミックスセンター 

宮 原   薫 

石川島播磨重工業株式会社 

浦 島 和 浩 

日本特殊陶業株式会社 

中 村 雅 彦 

京都工芸繊維大学 

香 取 茂 美 

旭硝子株式会社 

菅 原 義 弘 

財団法人ファインセラミックスセンター 

上 原   剛 

積水化学工業株式会社 

青 柳 貞 夫 

日本電子株式会社 

後 藤 真知夫 

日立計測エンジニアリング株式会社 

高 橋   実 

名古屋工業大学 

田 中 謙 次 

株式会社村田製作所 

堀 田   禎 

財団法人ファインセラミックスセンター 

松 尾 康 史 

日本特殊陶業株式会社 

村 岡 孝 敏 

株式会社島津製作所 

白仁田   昭 

品川白煉瓦株式会社 

○ 伊 藤   敏 

通商産業省生活産業局 

○ 大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

○ 加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

○ 菅 野 隆 志 

ファインセラミックス国際標準化推進協議会 

○ 岡 田   宏 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

(事務局) 

○ 杉 本 克 晶 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。 

文責 原案作成小委員会