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R 1635 : 1998  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1635 : 1998 

ファインセラミックス薄膜の 

光透過率試験方法 

Test method for visible light transmittance of fine ceramic thin films 

1. 適用範囲 この規格は,基板にファインセラミックス薄膜をコーティングした透明な素材の,可視光

線に対する透過率の試験方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS Z 8113 照明用語 

JIS Z 8120 光学用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0212,JIS R 1600,JIS Z 8113,JIS Z 8120による

ほか,次による。 

a) 参照 透過率を定めるための基準。参照とする状態又は被測定物の透過率を100%とし,実際の試料

の透過率を,これに対する百分率で表す。 

4. 試験及び測定の原理 試験には,分光光度計を用い,空気層を参照として(1)分光正透過率を測定する。 

注(1) 基板のガラスなどを参照にすることはしない。 

5. 試験環境及び条件 

5.1 

試験環境 温度15〜25℃,湿度35〜85%,機械的振動のない環境のもとで行う。用いる分光光度計

に使用条件が規定されていれば,これに従う。 

5.2 

試験条件 試験条件は,次による。 

a) 図1に示すように,試料片を測定光に垂直に置き,測定光が入射角0°で薄膜側から入射して基板側

に透過するようにして,透過率を測定する(2)。 

b) 測定波長範囲は,380〜780nmとする。 

c) スペクトル幅は2nm以上,10nm以下とする。 

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R 1635 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 試料片の設置方向 

d) 波長走査速度(スキャンスピード)とレスポンスは,使用する分光光度計の取扱説明書に従い,スペ

クトルにひずみが含まれない範囲を選択する。 

注(2) 透過率は,原理的には試料の向きには依存しないが,方法の統一のためこのようにする。 

6. 装置 測定は以下の性能及び機能をもつ分光光度計による。 

a) 波長範囲 5.2b)の測定波長範囲が測定可能なもの。 

b) 波長正確さ ±0.5nm以下のもの。試験に当たって,又は定期的に,波長標準によって校正する。 

c) 測光正確さ 透過率の正確さが±0.5%以下のもの。試験に当たって,又は定期的に,透過率標準によ

って検定する。 

d) 試料保持具 試料を測定光に対して垂直に保持できるもの。 

e) 積分球 原則として使用しないものとする。ただし,使用する場合には,報告に記述する。 

7. 標準 6.b)及び6.c)の校正,検定を行うために,次の標準を用いる。 

a) 波長標準 公的機関において検定された波長校正用光学フィルター,又は一般に波長値が確立されて

いる光源光の輝線スペクトルを用いる。 

b) 透過率標準 公的機関において検定された透過率検定用光学フィルターを用いる。 

8. 試料 ガラスなどの基板の表面にファインセラミックス薄膜がコーティングされた素材そのもの,又

はそこから適切な大きさに切り出した切片を試料とする。 

9. 測定方法 6.に適合する分光光度計を用い,5.2の試験条件で,空気層を参照とした試料の分光透過率

スペクトルを測定する。 

まず,測定光路中に何も置かない状態で分光光度計のベースラインの補正を行い,その後で試料を試料

保持具にセットして分光透過率を測定する。ベースライン補正を行う代わりに,試料の測定に先立って,

測定光路中に何も置かない状態での分光透過率スペクトルを測定しておき,これで試料の分光透過率スペ

クトルを除してもよい。 

10. 記録 9.によって得られた分光透過率スペクトルから,380nmから780nmまで10nmごとの波長につ

いて透過率を数値化し,原スペクトル図とともに試験結果として記録する。 

11. 報告 報告には,必要に応じて,次の事項を記録する。 

a) 試験した年月日 

b) 試験した機関,部署,測定者名 

R 1635 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 試験した装置の型式名 

d) 試料名 

e) 試験条件(積分球の使用の有無,測定波長範囲,スペクトル幅,波長走査速度,レスポンスなど) 

f) 

試験結果 

g) その他特記すべき事項 

JIS R 1635(ファインセラミックス薄膜の光透過率試験方法)新規原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 長 友 隆 男 

芝浦工業大学 

○ 一ノ瀬   昇 

早稲田大学 

○ 合 田 拓 司 

日本板硝子テクノリサーチ株式会社 

○ 和 田 明 生 

日本分光株式会社 

○ 樋 口 勝 敏 

株式会社東芝 

○ 柴 田 憲一郎 

住友電気工業株式会社 

安 田 榮 一 

東京工業大学 

大 司 達 樹 

工業技術院名古屋工業技術研究所 

水 野 峰 男 

財団法人ファインセラミックスセンター 

中 筋 善 淳 

日本ガイシ株式会社 

塩 貝 達 也 

日本セメント株式会社 

横 井 正 顕 

東伸工業株式会社 

梶   正 己 

京セラ株式会社 

西 川 友 三 

京都工芸繊維大学(名誉教授) 

坂井田 喜 久 

財団法人ファインセラミックスセンター 

宮 原   薫 

石川島播磨重工業株式会社 

浦 島 和 浩 

日本特殊陶業株式会社 

中 村 雅 彦 

京都工芸繊維大学 

香 取 茂 美 

旭硝子株式会社 

菅 原 義 弘 

財団法人ファインセラミックスセンター 

上 原   剛 

積水化学工業株式会社 

青 柳 貞 夫 

日本電子株式会社 

後 藤 真知夫 

日立計測エンジニアリング株式会社 

高 橋   実 

名古屋工業大学 

田 中 謙 次 

株式会社村田製作所 

堀 田   禎 

財団法人ファインセラミックスセンター 

松 尾 康 史 

日本特殊陶業株式会社 

村 岡 孝 敏 

株式会社島津製作所 

白仁田   昭 

品川白煉瓦株式会社 

○ 伊 藤   敏 

通商産業省生活産業局 

○ 大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

○ 加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

○ 菅 野 隆 志 

ファインセラミックス国際標準化推進協議会 

○ 岡 田   宏 

社団法人ファインセラミックス協会 

(事務局) 

○ 杉 本 克 晶 

社団法人ファインセラミックス協会 

備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。 

文責 原案作成委員会