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R 1634 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1634 : 1998 

ファインセラミックスの 

焼結体密度・開気孔率の測定方法 

Test methods for density and apparent porosity of fine ceramics 

1. 適用範囲 この規格は,ファインセラミックスの焼結体の見掛密度,かさ密度及び開気孔率の測定方

法について規定する。ただし,開気孔率が10%を超えるファインセラミックスには適用しない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS K 2249 原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。 

a) 外形容積 試料の固体部分のほかに閉気孔と開気孔とを含めた全容積 

h) 見掛容積 試料の外形容積から開気孔を除いた容積 

c) 見掛密度 試料の質量 (g) を試料の見掛容積 (cm3) で除した値 (g/cm3) 

d) かさ密度 試料の質量 (g) を試料の外形容積 (cm3) で除した値 (g/cm3) 

e) 開気孔率 試料の外形容積を1とした場合,この中に占める開気孔部分の容積の百分比 

4. 装置・器具 装置・器具は,次による。 

a) 乾燥装置 温度110℃±5℃に保つことのできる自動温度調節器付電気恒温器 

b) 質量計 0.1mgのけたまで測定できる質量計 

c) 飽水装置 飽水装置は,次のいずれかによる。 

1) 煮沸法の場合は,水の沸点が保持できる装置 

2) 真空法の場合は,2.0kPa以下に真空が保持できる装置 

d) 温度計 JIS B 7410に規定する最小目盛1℃のアルコール温度計 

e) 媒液 蒸留水又はイオン交換水を用いる。水の密度ρ1は,表1による。水和反応を起こす試料につい

ては,ケロシンを用いる。ケロシンの密度は,JIS K 2249に従って,0.001 (g/cm3) まで測定する。 

f) 

水中質量測定ジグ 測定ジグは試料支持台とつり(吊)糸で構成される。つり糸は線径が0.25mm以

下の針金を用いる。 

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R 1634 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 水の密度 

温度 

℃ 

ρ1 

g/cm3 

温度 

℃ 

ρ1 

g/cm3 

10 

0.999 7 

21 

0.998 0 

11 

0.999 6 

22 

0.997 8 

12 

0.999 5 

23 

0.997 5 

13 

0.999 4 

24 

0.997 3 

14 

0.999 2 

25 

0.997 0 

15 

0.999 1 

26 

0.996 8 

16 

0.998 9 

27 

0.996 5 

17 

0.998 8 

28 

0.996 2 

18 

0.998 6 

29 

0.995 9 

19 

0.998 4 

30 

0.995 6 

20 

0.998 2 

5. 試料 試料容積は,0.4cm3以上とする。この容積未満の場合は,数個まとめて測定する。この場合,

各々の試料の容積は,0.04cm3以上とする。 

備考1. 試料は,あらかじめ,ちり,ほこり及び欠けやすい粒子をよく除去しておかなければならな

い。 

2. 外観は,甚だしい凹凸のない試料を用いなければならない。 

6. 操作 

6.1 

乾燥質量 試料を110℃±5℃の恒温器中で乾燥し,デシケーター中で放冷し,質量を測定する。こ

の操作を繰り返し,恒量に達したときの質量をもって乾燥質量W1とする。また,煮沸中に欠けなどが発

生する可能性のある試料については,飽水試料の水中質量及び飽水質量を測定した後に乾燥質量の測定を

行う。 

6.2 

飽水の方法 飽水の方法は,次のいずれかによる。 

a) 煮沸法の場合は,乾燥質量を測定した後,試料を煮沸槽の水面下に沈め,3時間以上煮沸し,室温ま

で放冷する。これを飽水試料とする。この場合,水を加えて冷却しても差し支えない。 

備考1. 試料が水和反応を起こすおそれがある場合は,煮沸法を適用しない。 

2. 煮沸法では,ケロシンを使用しない。 

b) 真空法の場合は,乾燥質量を測定した後,試料を真空容器の底に置き,2.0kPa以下の真空下で15分間

吸引し,細孔中の空気を十分に排除した後,媒液を注入する。この場合,媒液は試料が完全に浸るま

で注入し,そこでコックを徐々に開いて大気圧に戻した後,30分間放置する。ただし,水和反応を起

こすおそれがある場合は,媒液にケロシンを使用する。この場合,試験温度におけるケロシンの密度

を測定し,ρ1とする。 

備考 真空ポンプは媒液の注入中は作動させておき,注入後に停止する。 

6.3 

飽水試料の水中質量 飽水試料を針金で水中に懸垂したまま測定し,ジグの質量を補正した値をも

って水中質量W2とする。 

6.4 

飽水試料の質量 飽水試料を水中から取り出し,湿ったガーゼ(1)で手早く表面をぬぐい水滴を除去

した後,測定して飽水質量W3とする。 

注(1) ガーゼは,十分に水を含ませた後,試験片表面の水滴だけを取る程度に絞って用いる。 

R 1634 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 6.2b)で媒液にケロシンを用いた場合には,6.3及び6.4の操作でも媒液にケロシンを使用する。 

6.5 

測定 質量は,0.1mgのけたまで正確にはかる。 

7. 計算 

7.1 

見掛密度 見掛密度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。 

1

2

1

1

a

ρ

ρ

×

=

W

W

W

ここに, 

ρa: 見掛密度 (g/cm3) 

W1: 乾燥質量 (g) 

W2: 水中質量 (g) 

ρ1: 試験時の媒液の密度 (g/cm3) 

7.2 

かさ密度 かさ密度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。 

1

2

3

1

b

ρ

ρ

×

=

W

W

W

ここに, 

ρb: かさ密度 (g/cm3) 

W1: 乾燥質量 (g) 

W2: 水中質量 (g) 

W3: 飽水質量 (g) 

ρ1: 試験時の媒液の密度 (g/cm3) 

7.3 

開気孔率 開気孔率は,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。 

100

2

3

1

3

b

×

=

W

W

W

W

P

ここに, 

Pb: 開気孔率 (%) 

W1: 乾燥質量 (g) 

W2: 水中質量 (g) 

W3: 飽水質量 (g) 

8. 報告 ファインセラミックスの見掛密度,かさ密度及び開気孔率は,各試験片に対して2回の測定を

行い,次の各項目について報告する。 

a) 飽水の方法(煮沸法,真空法) 

b) 媒液(蒸留水,イオン交換水,ケロシン) 

c) 見掛密度・かさ密度・開気孔率の測定値 

d) 見掛密度・かさ密度・開気孔率の測定値の平均値 

R 1634 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS R 1634 原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 高 橋   実 

名古屋工業大学 

○ 田 中 謙 次 

株式会社村田製作所 

○ 堀 田   禎 

財団法人ファインセラミックスセンター 

○ 松 尾 康 史 

日本特殊陶業株式会社 

○ 村 岡 孝 敏 

株式会社島津製作所 

○ 白仁田   昭 

品川白煉瓦株式会社 

安 田 榮 一 

東京工業大学 

大 司 達 樹 

名古屋工業技術研究所 

水 野 峰 男 

財団法人ファインセラミックスセンター 

中 筋 善 淳 

日本ガイシ株式会社 

塩 貝 達 也 

日本セメント株式会社 

横 井 正 顕 

東伸工業株式会社 

梶   正 己 

京セラ株式会社 

西 川 友 三 

京都工芸繊維大学(名誉教授) 

坂井田 喜 久 

財団法人ファインセラミックスセンター 

宮 原   薫 

石川島播磨重工業株式会社 

浦 島 和 浩 

日本特殊陶業株式会社 

中 村 雅 彦 

京都工芸繊維大学 

香 取 茂 美 

旭硝子株式会社 

菅 原 義 弘 

財団法人ファインセラミックスセンター 

上 原   剛 

積水化学工業株式会社 

青 柳 貞 夫 

日本電子株式会社 

後 藤 真知夫 

日立計測エンジニアリング株式会社 

長 友 隆 男 

芝浦工業大学 

一ノ瀬   昇 

早稲田大学 

合 田 拓 司 

日本板硝子テクノリサーチ株式会社 

和 田 明 生 

日本分光株式会社 

樋 口 勝 敏 

株式会社東芝 

柴 田 憲一郎 

住友電気工業株式会社 

○ 伊 藤   敏 

通商産業省生活産業局ファインセラミックス室 

○ 大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

○ 加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

○ 菅 野 隆 志 

ファインセラミックス国際標準化推進協議会 

○ 岡 田   宏 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

(事務局) 

○ 杉 本 克 晶 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。