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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 1628-1997 

ファインセラミックス粉末の 

かさ密度測定方法 

Test methods for bulk density of fine ceramic powder 

1. 適用範囲 この規格は,ファインセラミックス粉末の初期かさ密度及びタップかさ密度を求めるため

の測定方法について規定する。 

備考1. この規格が適用できる粉末の粒子の大きさは,数百μmから0.1μm程度で,超微粒子粉末には

適用しない。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

JIS M 8100 粉塊混合物−サンプリング方法通則 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8801 試験用ふるい 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) かさ密度 粉末が占める単位かさ体積当たりの質量。 

(2) 初期かさ密度 試料を分散させて容器に入れたときのかさ密度。 

なお,充てん後自重で沈降する場合は,沈降がおさまったとみなせる状態のかさ密度とする。 

(3) タップかさ密度 試料を分散させて容器に入れた後,容器にタップによる衝撃を加え,試料の体積変

化がなくなったときのかさ密度。 

(4) タップ速度 単位時間当たりに,タップによって衝撃を加える回数。 

(5) 定容積測定法 試料の容積を一定として行う測定方法。 

(6) 定質量測定法 試料の質量を一定として行う測定方法。 

3. 測定法の種類 測定法は,次の2種類とする。 

(1) 定容積測定法 

(2) 定質量測定法 

4. 装置・器具 

4.1 

タップ装置 タップ装置は,カムによる機械的タップ機構をもつ装置で,次に示す構造を備えたも

のとする。装置の構造の一例を付図1に示す。 

(1) タップ高さは,10±1mmとする。 

R 1628-1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) タップ速度は,180回/分以下とする。 

(3) 衝撃面の材質は,JIS G 4303に規定するSUS304とする。 

(4) 測定容器をタップするとき,容器が傾かないこと。 

4.2 

測定容器 測定装置は,次による。 

(1) 定容積測定法に使用する測定容器の形状と寸法は,付図2に示すとおりとする。容器の材質は,JIS G 

4303に規定するSUS304とする。 

(2) 定質量測定法に使用する測定用器の形状と寸法は,付図3に示すとおりとする。容器の材質はアクリ

ル樹脂とする。タップ装置と容器の固定法の例を付図4に示す。 

4.3 

はかり ひょう量1 000g,一目の値0.1g以上の性能をもつものとする。 

4.4 

ふるい JIS Z 8801に規定する試験用網ふるいの呼び寸法が1〜2mmのものとする。 

4.5 

乾燥器 温度を200℃まで昇温でき,±2℃まで制御できるものとする。 

4.6 

デシケーター JIS R 3503に規定するものとする。 

4.7 

すり切り板 ナイフ状のまっすぐな端面をもつ長さ約70mm,厚さ約2mmの板で,付図5にその一

例を示す。 

5. 試料の調製 

5.1 

サンプリング 試料のサンプリングは,測定する粉末の平均品質を代表するように行わなければな

らない。サンプリングした試料量が多過ぎるときは,JIS M 8100による二分器,円すい四分方法などによ

って縮分する。 

5.2 

試料の乾燥 試料の乾燥は,乾燥器で乾燥温度範囲を105±5℃とし,3時間乾燥後ひょう量し,更

に30分乾燥した後その減量が3時間乾燥したときの質量の0.1%以下であることを確かめるものとする。

0.1%を超えた場合は,前回のひょう量との差が0.1%以下になるまで更に30分の乾燥を繰り返す。乾燥の

後,デシケーターに入れ室温まで冷却させる。 

6. 装置の検定 

6.1 

タップ装置 タップ装置が,4.1の構造を満たすことを確かめる。 

6.2 

測定容器 測定容器,及び補助円筒又はふたの各部寸法をノギスによって測定する。各寸法は該当

する箇所を任意に3か所測定し,算術平均して数値を丸めた結果が,付図2及び付図3に合致することを

確かめる。 

7. かさ密度測定方法 

7.1 

定容積測定法の手順 定容積測定法によってかさ密度を求める手順は,次による。 

(1) 測定容器の質量を,はかりによって量る。 

(2) 測定容器に,ふるいを通して試料をあふれるまで入れる。このとき測定容器に振動を加えたり,試料

を圧縮してはならない。 

(3) 測定容器の上端面から盛り上がった粉末を,すり切り板を使ってすり切る。このときすり切り板は,

粉末を圧縮しないようすり切る方向から後ろへ傾斜させて使用する。 

(4) 測定容器ごと質量をはかりで量り,測定容器の質量を差し引いて試料の質量を計算する。 

(5) 試料の入った測定容器の上に補助円筒を継ぎ足し,ふるいを通して更に試料を充てんする。 

(6) 補助円筒を付けたまま試料の入った測定容器をタップ装置に掛け,600回タップを行う。その間,試

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

料の高さが測定容器の上端面から常に20〜30mm高くなるように試料を追加する。 

(7) 補助円筒を外して,測定容器の上にあふれている試料をすり切り板ですり切る。 

(8) 試料をすり切り後,測定容器ごと質量をはかりで量り,測定容器の質量を差し引いて試料の質量を求

める。 

(9) 再度測定容器に補助円筒を付け,ふるいを通して更に試料を充てんし,タップ装置に掛けて100回の

タップを行う。 

(10) 補助円筒を外し,測定容器の上にあふれている試料をすり切り板ですり切る。 

(11) そのときの質量をはかりで量り,測定容器の質量を差し引いて試料の質量を計算する。この値と先の

値との差が,この値の0.3%以内であることを確かめる。0.3%を超えた場合は,前回との差が0.3%以

内になるまで,(9)以降の操作を繰り返す。 

(12) 以上の測定を3回行う。 

7.2 

定質量測定法の手順 定質量測定法によってかさ密度を求める手順は,次による。 

(1) 測定容器の質量を,はかりによって量る。 

(2) 測定容器に,ふるいを通して試料をあふれるまで入れる。このとき測定容器に振動を加えたり,試料

を圧縮してはならない。 

(3) 測定容器の上端面から盛り上がった粉末を,すり切り板を使ってすり切る。このときすり切り板は,

粉末を圧縮しないようすり切る方向から後ろへ傾斜させて使用する。 

(4) 測定容器ごと質量をはかりで量り,測定容器の質量を差し引いて試料の質量を計算する。 

(5) 試料の入った測定容器にふたを付け,タップ装置に掛けて600回タップを行い,試料面までの高さを

測定する。 

備考 試料表面が水平でない場合には,円周上の3点で測定を行い,算術平均する。 

(6) 更に100回のタップを追加し,試料面までの高さを測定する。このとき,先に測定した試料面までの

高さとの差が1mm以内であることを確かめる。1mmを超えた場合は,前回との差が1mm以内になる

まで,100回ずつタップを繰り返す。 

(7) 以上の測定を3回行う。 

8. 計算 

8.1 

定容積測定法の計算 定容積測定法の計算は,次による。 

(1) 7.1(4)によって求めた試料の質量を測定容器の容積で除して,初期かさ密度とする。 

(2) 7.1(11)によって求めた測定容器中の試料の質量を,測定容器の容積で除してタップかさ密度とする。 

8.2 

定質量測定法の計算 定質量測定法の計算は,次による。 

(1) 7.2(4)によって求めた試料の質量を測定容器の容積で除して,初期かさ密度とする。 

(2) 試料質量を,7.2(6)によって求めた試料面までの高さと測定容器の円筒部の内部断面積の積によって除

し,タップかさ密度とする。 

8.3 

計算結果の整理 測定値は,有効数字3けたまで求め,平均値は4けたまで計算して,JIS Z 8401

によって3けたに丸め,単位はg/cm3で表示する。 

9. 報告 測定結果の報告は,次による。 

(1) 試料名 

(2) 測定法の種類 

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(3) 測定条件(温度及び湿度) 

(4) 初期かさ密度 

(5) タップかさ密度 

付図1 タップ装置の構造例 

付図2 測定容器(定容積測定法用)と補助円筒 

備考 φ54の測定容器と補助円筒の組合せ部は,手で脱着で

き,また,タップを行ったとき,容易に分離しないは
めあいとする。 

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付図3 測定容器(定質量測定法用)とふた 

付図4 定質量測定法における測定容器の固定法の例 

付図5 すり切り板の例 

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ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 内 海 良 治 

工業技術院名古屋工業技術研究所 

(委員) 

○ 岩 元 邦 夫 

株式会社セイシン企業 

○ 竹 本 一 也 

株式会社村田製作所 

○ 南   孝 和 

ホソカワミクロン株式会社 

○ 和 田   隆 

昭和エンジニアリング株式会社 

○ 渡 辺 祥二郎 

電気化学工業株式会社 

林     茂 

科学技術庁航空宇宙技術研究所 

椿   淳一郎 

名古屋大学 

山 本 英 夫 

創価大学 

西 条   豊 

株式会社堀場製作所 

島 岡 治 夫 

株式会社島津製作所 

平 塚 宏 子 

日清製粉株式会社 

早 川   修 

財団法人ファインセラミックスセンター 

野 網 靖 雄 

住友化学工業株式会社 

○ 平 野 正 樹 

通商産業省生活産業局 

○ 岡 林 哲 夫 

通商産業省工業技術院標準部 

○ 加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

○ 菅 野 隆 志 

ファインセラミックス国際標準化推進協議会 

○ 岡 田   宏 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

(事務局) 

○ 杉 本 克 晶 

社団法人日本ファインセラミックス協会 

備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。