R 1613:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 目的及び用途 ··················································································································· 2
5 試験装置························································································································· 3
6 試験片···························································································································· 3
6.1 試験材料 ······················································································································ 3
6.2 球形試験片 ··················································································································· 3
6.3 円板状試験片 ················································································································ 3
7 試験方法························································································································· 4
7.1 試験片密度の算出 ·········································································································· 4
7.2 試験片の処理 ················································································································ 4
7.3 試験前の質量測定 ·········································································································· 4
7.4 摩耗試験の準備 ············································································································· 4
7.5 摩耗試験の条件 ············································································································· 4
7.6 摩擦力の測定 ················································································································ 4
7.7 試験後の質量測定 ·········································································································· 4
7.8 球形試験片の摩耗こん測定 ······························································································ 4
7.9 円板状試験片の摩耗こん測定 ··························································································· 5
7.10 摩耗試験回数 ··············································································································· 5
8 試験結果の表し方 ············································································································· 5
8.1 球形試験片の比摩耗量 ···································································································· 5
8.2 円板状試験片の比摩耗量 ································································································· 6
8.3 摩擦係数 ······················································································································ 7
8.4 数値の丸め方 ················································································································ 7
9 報告書···························································································································· 7
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8
R 1613:2010
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ファ
インセラミックス協会(JFCA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS R 1613:2002は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
R 1613:2010
ファインセラミックスのボールオン
ディスク法による摩耗試験方法
Testing method for wear resistance of fine ceramics by ball-on-disc method
序文
この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 20808を基とし,測定技術の進歩を反映させるため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ボールオンディスク法によるファインセラミックスの摩耗試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 20808:2004,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Determination of
friction and wear characteristics of monolithic ceramics by ball-on-disc method(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
注記 対応国際規格:ISO 4287,Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture: Profile
method−Terms, definitions and surface texture parameters(IDT)
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
注記 対応国際規格:ISO 1101,Geometrical Product Specifications (GPS) −Geometrical tolerancing−
Tolerances of form, orientation, location and run-out(MOD)
JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
注記 対応国際規格:ISO 3274,Geometrical Product Specifications (GPS) −Surface texture: Profile
method−Nominal characteristics of contact (stylus) instruments(IDT)
JIS B 7502 マイクロメータ
注記 対応国際規格:ISO 3611,Micrometer callipers for external measurement(MOD)
JIS B 7507 ノギス
2
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注記 対応国際規格:ISO 3599,Vernier callipers reading to 0.1 and 0.05 mm(MOD)
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS Z 8401 数値の丸め方
ISO 18754,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics) −Determination of density and
apparent porosity
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
3.1
摩耗(wear)
接触する物体との相対運動によって,固体材料がその表面から逐次離脱されていく現象。
3.2
摩耗試験(wear test)
しゅう動接触において,その摩擦及び摩耗の特性を評価するための試験。
3.3
ボールオンディスク法(ball-on-disc method)
摩耗試験方法の一つであって,回転する円板状試験片に球形試験片を一定荷重で押し付けてしゅう動さ
せる試験方法。
3.4
摩擦力(friction force)
接触する物体が相互に動く又は動き出そうとするとき,相手から受ける抵抗力。
3.5
摩擦係数,μ(coefficient of friction,μ)
摩擦力の荷重に対する比。
3.6
比摩耗量,Ws(specific wear rate,Ws)
摩耗による材料離脱の速度を表す量であり,単位荷重及び単位しゅう動距離当たりの体積減少で表現さ
れる。
4
目的及び用途
この規格は,相互に接触して一方向にしゅう動するファインセラミックス間の摩擦及び耐摩耗性を評価
するときの指針を与えるものである。
摩耗試験を行う目的は,ファインセラミックスが実際に使用される状況をできるだけ模擬し,その性能
を評価することにある。摩擦及び摩耗に影響する要因は多数存在し,摩耗試験の条件と実際の使用条件が
相違すればするほど,その摩耗状態も実際とはかい離してくる可能性が高くなる。同様な摩耗状態である
かを確認する一つの有効な方法は,両者の摩耗表面の様子を比較することである。
この規格に規定する推奨試験条件は,実際の使用条件を特定せず,材料間の一般的な比較を目的とする
試験に適用するものとする。
3
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5
試験装置
5.1
ボールオンディスク法試験機 ボールオンディスク法試験機は,円板状試験片を保持する円板ホル
ダ,それを回転させる駆動装置,球形試験片を保持・固定する球ホルダ,それを円板状試験片に押し付け
る荷重機構,摩擦力の検出機構,試験雰囲気制御機構及びその周辺装置からなり,次による。
a) 円板ホルダは,水平面内又は垂直面内で回転し,回転軸の振れは0.02 mm以下,接触部における回転
軸方向の振れは0.05 mm以下に調整されているものとする。
b) 駆動装置は,所定のしゅう動速度が得られる円板回転速度に設定でき,また,摩擦力の変動による回
転速度の変化が無視できるものでなければならない。回転数カウンター又は同等な装置を付置する。
c) 球ホルダは,球形試験片と円板状試験片との接触部で発生する摩擦力によって,球形試験片が回転及
び位置ずれしないよう確実に固定し,かつ,誘起される応力に対して高い剛性をもつものでなければ
ならない。
d) 荷重機構は,おもり又は油圧及び空気圧システムによって,直接又はレバーを介し,所定の荷重を印
加・維持する。
e) 摩擦力の検出機構は,ロードセル,板ばねのひずみ測定,回転トルク計測など,任意とするが,その
挿入によって摩擦状態に影響を与えてはならない。摩擦力の測定精度は荷重の1 %以内とする。線形
摩耗の測定装置は任意とするが,もし使用するのであれば,2.5 μm以上の感度をもつものとする。
f)
試験雰囲気制御機構は,温度を設定値の±2 ℃,相対湿度を(50±10)%に保持できるものでなけれ
ばならない。又は,試験機自体をそのように制御された室内に設置してもよい。
5.2
化学天びん 試験片質量を0.01 mgまでの精度で読み取れるものを用いる。
5.3
マイクロメータ JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ,又はこれと同等以上の精度をもつも
のを用いる。
5.4
ノギス JIS B 7507に規定する最小読取値0.05 mmのノギス,又はこれと同等以上の精度をもつも
のを用いる。
5.5
測微顕微鏡 摩耗こん(痕)の形状を0.01 mmまでの精度で読み取れるものを用いる。
5.6
表面形状測定機 JIS B 0651に規定する触針式表面粗さ測定機,又はこれと同等以上の精度をもつ
ものを用いる。
6
試験片
6.1
試験材料
この摩耗試験方法は,6.2及び6.3の寸法・形状を満たす球形試験片及び円板状試験片を準備でき,かつ,
試験中に破損しない十分な強度をもつ各種のファインセラミックスに適用できる。通常,球形試験片及び
円板状試験片は同一材質とするが,球形試験片と円板状試験片とが異なる材質での試験も可能である。試
験片の形状・寸法,表面仕上げ,材質,化学組成,微細構造,製造工程など,試験材料に関する詳細な情
報は報告書に記載するものとする。
6.2
球形試験片
球形試験片は,直径5 mm以上の球,又は先端部を球面に加工した棒状試験片とする。試験面の表面粗
さは,JIS B 0601に規定する,0.1 μmRa以下とする。
6.3
円板状試験片
円板状試験片は,直径30 mm以上のしゅう動円が得られる十分な広さの平面をもち,厚さは3 mm以上
とする。JIS B 0621に規定する試験面の平面度及び上下面の平行度は,いずれも0.02 mm以下とする。JIS
4
R 1613:2010
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B 0601に規定する試験面の表面粗さは,0.1 μmRa以下とする。
7
試験方法
7.1
試験片密度の算出
マイクロメータ,ノギスなどによって球形試験片の直径,円板状試験片の直径,厚さなどを測定し,7.3
の規定によって測定される質量を用いて試験片密度を算出する。
なお,これと同等以上の精度をもつ密度の測定方法,例えば,ISO 18754に規定する固体比重測定方法
から求めた値を用いてもよい。
7.2
試験片の処理
球形試験片及び円板状試験片は,高純度アセトン中で10分間以上超音波洗浄する。その際,円板状試験
片では試験面を下に向ける。洗浄された各試験片はすぐに高純度ヘキサンですすぎ,その後,120 ℃で30
分間以上乾燥させる。最終的に清浄な表面を得ることができるようであれば,アセトン及びヘキサンの代
わりに他の溶剤又は蒸留水を使用することができる。各試験片は,試験雰囲気で試験するまで保存する。
7.3
試験前の質量測定
摩耗試験の直前,化学天びんで各試験片の質量を測定する。
7.4
摩耗試験の準備
球形試験片及び円板状試験片をそれぞれのホルダに固定し,両者を静かに接触させる。所定の荷重を印
加し,試験雰囲気を安定させるため,設定された条件で30分間以上保持した後,円板を回転させて試験を
開始する。
7.5
摩耗試験の条件
摩耗試験は無潤滑で行う。すなわち,球形試験片と円板状試験片との間に液体,粉体などを介在させず
に接触させるものとする。
推奨される試験条件は,次による。ただし,試験条件は試験目的に合わせて変更可能であるが,報告書
にその試験条件を記載することとする。
a) 荷重 荷重は,10 Nとする。
b) しゅう動速度 しゅう動速度は,0.1 m/sとする。
なお,しゅう動円直径は30 mm以上とし,それに応じて円板回転速度を設定する。
c) しゅう動距離 しゅう動距離は,2 000 mとする。
d) 試験雰囲気 大気中,室温とする。温度は±2 ℃,相対湿度は(50±10)%に保持する。
7.6
摩擦力の測定
摩耗試験中は常に摩擦力を測定し,データロガなどの記録装置によって連続的に記録する。回転周期に
よる変動を平均化する適切な方法を採用する。試験の開始前に,試験片どうしを接触させない状態で摩擦
力のゼロ点を確認する。
7.7
試験後の質量測定
摩耗試験終了後の各試験片に付着した摩耗粉は慎重に捕集し,解析用として保存する。7.2と同様の処理
を行った後,7.3と同様に,化学天びんによって各試験片の質量を測定する。
7.8
球形試験片の摩耗こん測定
試験後の球形試験片上には,図1に示すような円形摩耗こんが生じる。その最短径及びそれに垂直な方
向の直径を5.5に規定する測微顕微鏡などによって測定する。
5
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7.9
円板状試験片の摩耗こん測定
試験後の円板状試験片上には,図2に示すような摩耗によるしゅう動円が生じる。5.6に規定する表面形
状測定機などによって,その断面形状について90度おきに4か所を測定し,その摩耗こん断面積を求める。
7.10 摩耗試験回数
同一試験条件で少なくとも3回の摩耗試験を行う。
A:摩耗こんの最短径(m)
B:最短径に垂直な方向の直径(m)
図1−球形試験片上の円形摩耗こん
R :しゅう動円の半径(m)
S1〜S4 :しゅう動円の4か所における断面積(m2)
図2−円板状試験片上のしゅう動円
8
試験結果の表し方
8.1
球形試験片の比摩耗量
球形試験片の比摩耗量の表し方は,次による。
a) 摩耗体積による方法 球形試験片の摩耗体積は,7.8で測定された摩耗こんの最短径及びそれに垂直な
方向の直径から,次の式(1)によって算出する。
D
B
A
Vball
32
3
π
=
············································································· (1)
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
Vball: 球形試験片の摩耗体積(m3)
A: 摩耗こんの最短径(m)
B: 最短径に垂直な方向の直径(m)
D: 球形試験片の直径(m)
なお,この式は,摩耗こんの複雑な3次元形状を簡略化した近似式であり,円板状試験片のしゅう
動円の摩耗こんが深いなどの原因によって,摩耗こんの形状がいびつな場合(B>1.5A),この式は適
用しないものとする。表面形状測定機又は類似の装置で摩耗こんの形状を正確に測定することによっ
て,摩耗体積を求めることは可能である。
比摩耗量は,次の式(2)によって求める。
L
P
V
W
ball
ball=
)
(s
············································································· (2)
ここに,
Ws(ball): 球形試験片の比摩耗量(m2/N)
P: 荷重(N)
L: しゅう動距離(m)
b) 質量減少による方法 球形試験片質量の試験前後の差を摩耗による質量減少と考え,比摩耗量は,次
の式(3)によって算出する。
ball
after
before
ball
L
P
W
W
W
ρ
−
=
)
(s
·································································· (3)
ここに,
Ws(ball): 球形試験片の比摩耗量(m2/N)
Wbefore: 試験前の質量(kg)
Wafter: 試験後の質量(kg)
ρball: 球形試験片の密度(kg/m3)
ただし,質量減少が全質量に比較して非常に少ない,又は検出されない場合
[(Wbefore−Wafter)/ Wbefore<0.000 1],この方法は適用できないものとする。
8.2
円板状試験片の比摩耗量
円板状試験片の比摩耗量の表し方は,次による。
a) 摩耗体積による方法 円板状試験片の摩耗体積は,7.9で測定された摩耗こん断面積から,次の式(4)
によって算出する。
2
)
(
4
3
2
1
S
S
S
S
R
Vdisc
+
+
+
=π
··························································· (4)
ここに,
Vdisc: 円板状試験片の摩耗体積(m3)
R: しゅう動円の半径(m)
S1〜S4: しゅう動円の4か所における断面積(m2)
なお,S1〜S4の中で最大値と最小値との比が1.5を超えた場合,この式は適用しないものとする。
比摩耗量は,次の式(5)によって求める。
L
P
V
W
disc
disc=
)
(s
············································································· (5)
ここに,
Ws(disc): 円板状試験片の比摩耗量(m2/N)
P: 荷重(N)
L: しゅう動距離(m)
b) 質量減少による方法 円板状試験片質量の試験前後の差を摩耗による質量減少と考え,比摩耗量は,
次の式(6)によって算出する。
disc
after
before
disc
L
P
W
W
W
ρ
−
=
)
(s
·································································· (6)
7
R 1613:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
Ws(disc): 円板状試験片の比摩耗量(m2/N)
Wbefore: 試験前の質量(kg)
Wafter: 試験後の質量(kg)
ρdisc: 円板状試験片の密度(kg/m3)
ただし,質量減少が全質量に比較して非常に少ない,又は検出されない場合
[(Wbefore−Wafter)/ Wbefore<0.000 1],この方法は適用できないものとする。
8.3
摩擦係数
摩擦係数は,荷重及び摩擦力の平均値から次の式(7)によって算出する。
P
F
=
μ
···················································································· (7)
ここに,
μ: 摩擦係数
F: 摩擦力の平均値(N)
P: 荷重(N)
摩擦係数は,しゅう動距離とともに変化するのが普通であり,しゅう動距離100〜200 mを初期,900〜
1 100 mを中期,1 800〜2 000 mを終期として,その期ごとの値を計算する。全期間を通しての最大及び最
小の摩擦係数を求め,また,可能であれば,摩擦係数の時間経過が分かるチャートなどを報告書に添付す
る。
8.4
数値の丸め方
比摩耗量及び摩擦係数は,JIS Z 8401によって有効数字2けたに丸める。
9
報告書
ボールオンディスク法による摩耗試験の結果は,次の項目について記載する。
なお,同一試験条件での代表値が必要であれば,比摩耗量についてはそれぞれの算術平均を,また,摩
擦係数については終期の値の算術平均を用いる。
a) 規格番号(JIS R 1613)
b) 試験片の材質などに関する情報
c) 摩耗試験機の仕様(円板駆動方法,円板回転面の方向,荷重方法,摩擦力検出方法,雰囲気制御方法
など)
d) 試験条件(荷重,しゅう動速度,しゅう動円直径,円板回転速度,しゅう動距離など)
次の項目については,個々の試験ごとに記載する。
e) 試験温度及び湿度並びにそれらの変動範囲
f)
球形試験片及び円板状試験片の試験前質量,寸法及び密度
g) 球形試験片の摩耗体積又は質量減少及びそれらから計算した比摩耗量
h) 円板状試験片の摩耗体積又は質量減少及びそれらから計算した比摩耗量
i)
試験の初期,中期,終期,最大及び最小の摩擦係数
j)
試験状況及び試験後の試験片に関して特記すべき事項
k) 摩擦係数の時間経過が分かるチャートなど(可能であれば)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS R 1613:2010 ファインセラミックスのボールオンディスク法による摩耗試験方
法
ISO 20808:2004 Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics) −
Determination of friction and wear characteristics of monolithic ceramics by
ball-on-disc method
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 ファインセラミック
スのボールオンディ
スク法による摩耗試
験方法について規定
1
JISとほぼ同じ
削除
無潤滑試験であることを削除。
規格の内容から無潤滑試験で
あることは理解される。
技術的差異はない。
5 試験装置
5.1 ボール
オンディス
ク法試験機
6
6.1
g) 仕様を変更した場合
は,報告書に記載する。
削除
仕様を変更することは望まし
くないためg)を削除。
技術的差異はない。
7 試験方法
7.5 摩耗試
験の条件
7
7.5
JISとほぼ同じ
追加
潤滑下の試験は対象外である
ことを明記。
技術的差異はない。
8 試験結果
の表し方
8.3 摩擦係
数
8
8.3
JISとほぼ同じ
追加
初期,中期,終期,及び最大,
最小の摩擦係数を求め,可能で
あればチャートなどを添付す
ることを追加。
ISO規格は定常状態の定義などが
不明確であるのでISO規格の見直
しの際,改正提案を検討する予定。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 20808:2004,MOD
関連する外国規格
ASTM G99,DIN 50324
2
R
1
6
1
3
:
2
0
1
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
R
1
6
1
3
:
2
0
1
0