2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
R1301-1987
化学分析用磁器るつぼ
Porcelain Crucibles for Chemical Analysis
1. 適用範囲 この規格は,化学分析に用いる磁器るつぼ本体及びふた(以下,るつぼという。)について
規定する。
引用規格:
JIS B 7507 ノギス
JIS Z 8801 標準ふるい
2. 記号及び使用温度 るつぼの記号及び使用温度は,表1のとおりとする。
表1
記号
使用温度 ℃
PC1
1 100
備考 使用温度とは,空気中で長時間の使用に耐
える温度をいう。
3. 品質
3.1
外観 るつぼは,形状が正しく,使用上有害なき裂,ひび割れ,くすりはげ,付着物などがあって
はならない。
3.2
特性 るつぼの特性は,5.の試験方法によって試験し,表2の規定に適合しなければならない。
表2
耐熱性
き裂又は割れを生じてはならない。
融着性
接触部のうわぐすりの表面に著しい融着の跡があってはならな
い。
耐酸性
質量の減少が0.1mg/cm2以下でなければならない。
恒量性
質量の差が0.3mg以下でなければならない。
4. 形状及び寸法 るつぼの形状及び寸法は,図及び表3のとおりとする。
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R1301-1987
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図
表3
単位mm
形状
A形
B形
C形
呼び容量 (ml)
15
30
50
10
15
30
50
100
15
30
50
る
つ
ぼ
外
径
上部D1
41
50
58
32
36
45
53
65
28
37
44
底部D2
16
19
21
15
17
22
26
32
14
19
22
許容差
±1
±1
±1
高
さ
高さH
25
31
37
24
27
36
43
54
36
45
53
許容差
±1
±1
±1
ふ
た
内径d
44
55
63
35
40
50
58
70
31
40
50
許容差
±1.5
±1.5
±1.5
備考 容量は,表中に示された呼び容量の値以上でなければならない。
5. 試験方法
5.1
外観 外観は,目視によって調べる。
5.2
寸法測定 るつぼの外径及び高さ並びにふたの内径測定は,JIS B 7507(ノギス)に規定する最小読
取値0.05mmのノギス又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いて行う。
5.3
耐熱試験 るつぼ内にけい石粉末[JIS Z 8801(標準ふるい)に規定する標準網ふるい1 000μmを通
過し420μmにとどまるもの]をるつぼ容量の約51採り,ふたをして電気炉に入れ表1に示す使用温度に10
分間保った後,あらかじめ熱したるつぼばさみで断熱れんが上におろし,室温で放冷する。この操作を5
回繰り返し,目視によって異常の有無を調べる。
5.4
融着試験 るつぼの側面から長さ約2cm,幅約2cmの試験片を切り取り,この試料を1 100±10℃の
炉内へ2枚積み重ねて入れ20分間保った後,これを取り出し放冷後,融着状態を調べる。
5.5
耐酸試験 るつぼの側面から長さ約2cm,幅約2cmの試験片を切り取り,切り口を研磨した試料を
105±5℃で乾燥し,質量を量った後,三角フラスコ500mlに入れ,塩酸,硫酸,硝酸の各(1+9)等量混液
100mlを加えて冷却器をつけて約90℃の水浴上で20分ごとに振りながら約5時間加熱する。次に酸液を
傾斜法で流出させ,更に蒸留水を加えて数回洗って酸を除去した後,105±5℃に乾燥し質量を量り,試験
前後の質量の差を求め,表面積で除す。
5.6
恒量試験 るつぼをふたと共に温塩酸(1+4)に30分間浸した後水洗乾燥する。次に,るつぼにふた
をして電気炉に入れ,700〜900℃で30分間加熱し,デシケーター内で30分間放冷後質量を量る。この操
作を3回繰り返して行い2回目と3回目の質量の差を求める。
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R1301-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 検査 るつぼの検査は,合理的な抜取方法によって試料を採取し,3.及び4.について5.によって試験
を行い,合否を決定する。
7. 製品の呼び方 るつぼの呼び方は,名称又は記号,形状及び呼び容量による。
例: 磁器るつぼA形15ml又はPC1A形15ml
8. 表示 るつぼには,次の事項を表示する。
(1) 記号
(2) 製造業者名又はその略号