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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 2
2 引用規格························································································································· 3
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 鉄鋼製品のLCIの基本条件 ································································································ 5
4.1 一般要求事項 ················································································································ 5
4.2 機能及び機能単位 ·········································································································· 5
4.3 システム境界 ················································································································ 6
4.4 データ品質要件 ············································································································· 6
5 スクラップリサイクルを考慮した鉄鋼製品LCI計算の手順 ······················································ 8
5.1 一般 ···························································································································· 8
5.2 天然資源採掘から鉄鋼製品出荷までのLCIの計算 ································································ 8
5.3 スクラップリサイクルへの配分 ························································································ 9
5.4 データ収集 ·················································································································· 10
5.5 共製品への配分の手順 ··································································································· 13
6 報告······························································································································ 13
7 クリティカルレビュー ······································································································ 14
附属書A(参考)Xprの計算例 ································································································ 15
附属書B(参考)LCI結果の報告例 ························································································ 17
附属書C(参考)システム境界外での共製品の利用の例 ····························································· 20
附属書D(参考)規格間の比較 ······························································································ 21
附属書E(参考)リサイクル率の計算の詳細············································································· 22
附属書F(参考)電力及び蒸気のインベントリ計算 ···································································· 24
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 26
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工
業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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鉄鋼製品のライフサイクルインベントリ計算方法
Life cycle inventory calculation methodology for steel products
序文
この規格は,2018年に第1版として発行されたISO 20915を基とし,JISとしての適用を考慮したため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
鉄鋼製品のライフサイクルインベントリ(以下,LCIという。)は,幅広い製品及び用途に対するライフ
サイクルアセスメント(以下,LCAという。)を実施する上で,重要な構成要素である。その理由は,そ
れらの製品及び用途において,製造,生産及び製品輸送を支えるために鉄鋼が用いられているからである。
この規格では,鉄鋼製品のLCIの計算方法を規定する。この計算方法は,幅広い鉄鋼製品に適用可能であ
り,世界の主要な鉄鋼生産プロセス,すなわち,天然資源採掘から鉄鋼製品出荷に至る生産プロセスだけ
でなく,スクラップのリサイクル及びその処理にも適用できる。この方法論は,JIS Q 14040:2010に規定
された原則及び枠組み並びにJIS Q 14044:2010に規定された要求事項及び指針に準拠しており,これらが
鉄鋼製品の製造及び鉄鋼リサイクルにどのように適用されるかを示している。
鉄鋼製品のライフサイクルは,次の各段階から構成される(図1参照)。
a) 天然資源及び外部スクラップによる原料の調達。天然資源は,原材料の採掘,輸送及び中間処理を含
む。外部スクラップは,最終製品の製造工程及び使用されなくなった最終製品から回収される。
b) 製鉄所における鉄鋼製品の製造。
c) 需要家による最終製品の製造。需要家とは,例えば,自動車,建設,機械,電機などの鉄鋼製品の需
要家である。
d) 最終製品の使用。ここで,最終製品に使用される鉄鋼製品は,最終製品の環境パフォーマンス1) に影
響を与える。例えば,部品として使用されている鉄鋼の質量は,自動車の燃料(又はエネルギー)消
費に影響を与える。
注1) 環境パフォーマンスは,JIS Q 14050[6]の3.16参照。
e) 使われなくなった最終製品の素材回収。外部スクラップは,最終製品の製造工程又は使用されなくな
った最終製品から回収される。
f)
回収された外部スクラップのリサイクルによる天然資源の代替。
この規格では,原材料の調達並びに製鉄所における鉄鋼製品の製造及び外部スクラップリサイクルの各
ライフサイクル段階を対象にしている。最終製品の製造及び最終製品の使用については,対象としていな
い。
鉄鋼製品の生産では,リサイクルされるスクラップが様々な比率で,天然資源である鉄鉱石とともに用
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いられている。したがって,鉄鋼製品のLCIにおいては,スクラップリサイクルの効果を正しく理解する
ことが必要である。
一般に,材料のリサイクルは,資源及びエネルギーの消費を低減し,天然資源の採掘及び処理に伴う環
境影響を避けられるという好ましい効果がある。ただし,材料のリサイクルにおいては,その処理及び輸
送に伴う環境負荷も考慮する必要がある。
材料のリサイクルの便益を理解する上で重要な要素は,リサイクルによる品質変化の有無である。リサ
イクル材から製造された製品が,天然資源から製造された製品と同等の品質が得られる場合,このような
材料のリサイクルは,閉ループリサイクルと呼ばれる。
スクラップのリサイクルによって製造された鉄鋼製品は,既存のプロセスにスクラップの品質管理を適
用して,天然資源である鉄鉱石から製造された鉄鋼製品と同等の製品にすることができる。種々の鉄鋼製
品の特性は,様々な合金設計及び熱処理などのプロセスによって得られている。これらの鉄鋼冶金技術が,
トランプエレメント2) を含んだ合金設計を可能にし,鉄鋼では閉ループリサイクルが実現されている。
注2) 鋼中に微量混入しているニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo),銅(Cu),すず(錫)
(Sn)などの元素をいう。ここでは主にスクラップから持ち込まれるものを対象としている。
リサイクルの潜在的な効果をJIS Q 14040及びJIS Q 14044に準拠して定量化するために,LCAを適用
することができる。
製鉄所での
鉄鋼生産
天然
資源
需要家
(自動車製造
者など)による
最終製品製造
社会におけ
る最終製品
(自動車,船
舶,建築な
ど)使用/再
使用
使われなく
なった最終
製品の素材
回収(解体及
び回収)
鉄鋼
製品
スクラップ
最終
製品
原料事
前処理
この規格の範囲外
自家発生
スクラップ
内部スクラップ
加工スクラップ
老廃スクラップ
スクラッププール
図1−鉄鋼製品のライフサイクルの概念図
1
適用範囲
この規格は,鉄鋼製品の特徴である閉ループリサイクルを反映した鉄鋼製品のLCI計算を行うため,次
に示す項目に対する要求事項及び指針について規定する。
a) 鉄鋼製品のLCI計算に用いられる機能単位(functional unit)の仕様
b) 鉄鋼製品のLCI計算に用いられるシステム境界(system boundary)の定義
c) 鉄鋼製品のLCI計算におけるスクラップの評価
d) 鉄鋼製品のLCI計算における共製品(co-product)の評価
e) 鉄鋼製品のLCI計算結果の報告
なお,LCI計算結果の利用[ライフサイクルインパクトアセスメント(LCIA)を含む。]については,
この規格の対象とはしない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 20915:2018,Life cycle inventory calculation methodology for steel products(MOD)
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なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0203 鉄鋼用語(製品及び品質)
JIS Q 14040:2010 環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み
注記 対応国際規格:ISO 14040:2006,Environmental management−Life cycle assessment−Principles
and framework(IDT)
JIS Q 14044:2010 環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−要求事項及び指針
注記 対応国際規格:ISO 14044:2006,Environmental management−Life cycle assessment−
Requirements and guidelines(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS G 0203による。
3.1
鉄鋼製品(steel product)
製鉄所で製造し,出荷される鉄鋼の製品。
例 熱間圧延鋼板及び鋼帯,酸洗熱間圧延鋼板及び鋼帯,冷間圧延鋼板及び鋼帯,焼鈍冷間圧延鋼板
及び鋼帯,電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯,溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯,ティンフリースチール,
ぶりき,塗装鋼板及び鋼帯,形鋼,厚鋼板,棒鋼,線材,継目無鋼管,電気抵抗溶接鋼管
3.2
最終製品(final product)
使用前に追加加工を必要としない製品。[1]
例 自動車,建築構造物,建築外構,容器
3.3
スクラップ(scrap)
鉄鋼の生産工程,最終製品の製造工程,最終製品が使われなくなったときなど,鉄鋼製品のライフサイ
クル段階から回収され,鉄鋼生産の原料としてリサイクルされる鉄鋼材料。
3.4
内部スクラップ(internal scrap)
製鋼工程(例えば,転炉又は電気炉)で発生し,同じ製鋼工程で投入されるスクラップ。
3.5
自家発生スクラップ(home scrap)
製鉄所内において,製鋼工程より下流の工程(圧延,表面処理など)から発生し,製鋼工程で投入され
るスクラップ。
3.6
加工スクラップ(manufacturing scrap)
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自動車,建築物など製品の製造工程から発生するスクラップ。
3.7
老廃スクラップ(end of life scrap)
使われなくなった最終製品から発生するスクラップ。
3.8
外部スクラップ(external scrap)
加工スクラップ,老廃スクラップなど製鉄所外から供給されるスクラップ。
3.9
リサイクル率,RR(recycling rate,RR)
リサイクルされる外部スクラップの質量と製鉄所から出荷される鉄鋼製品の質量との比。
3.10
老廃スクラップリサイクル率(end of life recycling rate)
リサイクルされる老廃スクラップの質量と最終製品中の鉄鋼の質量との比。
3.11
製造歩留(manufacturing yield)
最終製品中の鉄鋼の質量と最終製品の生産のために投入された鉄鋼製品の質量との比。
3.12
鉄原料(ferrous raw material)
鉄鋼製品の主成分となる,地中から採掘された鉱物原料。製銑原料として中間処理を経る場合もある。
例 塊鉱石,粉鉱石,焼結鉱,ペレット,ホットブリケットアイアン(hot briquetted iron,HBI),直
接還元鉄(direct reduced iron,DRI)など
3.13
原料炭(process coal)
製銑及び製鋼工程で投入される石炭。
例 コークス用原料炭,吹込用原料石炭,焼結用原料石炭,転炉用原料石炭,電気炉用原料石炭,DRI
用原料石炭
3.14
非鉄原料(non-ferrous raw material)
鉄鋼製品の製造に使われる非鉄系の含有物で,鉄原料及び原料炭以外のもの。
例 亜鉛,すず(錫),アルミニウム
3.15
合金鉄(ferro alloy)
製鋼工程で投入される,鉄と合金用非鉄金属(マンガン,シリコン,クロムなど)との合金。
3.16
その他の投入原料(other input material)
鉄鋼生産で投入される原料及び消耗品(鉄原料,原料炭,非鉄原料,合金鉄及びスクラップは除く。)で,
最終的に鉄鋼製品の一部にはならないもの。
例 耐火物,電極,化学物質,石灰石,ドロマイト
3.17
燃料(fuel)
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熱,蒸気及び電力を生み出すエネルギー源(プロセスガスを除く。)。
例 ボイラー炭,燃料油,天然ガス,LPG
3.18
産業用ガス(industrial gas)
鉄鋼製造に投入されるガスで,燃料又は還元材以外のもの。
例 酸素,窒素,アルゴン,水素,二酸化炭素,圧縮空気
注記 水素は,燃料として投入される場合もあるが,製造工程における還元雰囲気用などに用いられ
る場合は,産業用ガスに含まれる。
3.19
共製品(co-product)
同一の単位プロセス又は製品システムからもたらされる二つ若しくはそれ以上の製品のうちの,それぞ
れの製品。
3.20
プロセスガス(process gas)
鉄鋼工程において,鉄鋼製品の共製品として発生するガス。
例 コークス炉ガス,高炉ガス,転炉ガス
3.21
廃棄物(waste)
製鉄所内外において,埋立又は焼却されるもの。
3.22
LCI(life cycle inventory)
対象とする製品及びプロセスについての,原材料・エネルギー(入力),又は生産若しくは排出される製
品・排出物(出力)のデータ。[2]
3.23
スクラップLCI(scrap LCI)
スクラップの回収又は投入に伴い,それぞれ控除又は加算されるLCI。
3.24
一次データ(primary data)
実際の単位プロセスに対して直接的な調査から採取されたデータ。[3]
3.25
二次データ(secondary data)
ある範囲でLCAに用いることが可能であることを,一般的に認められている共通化されたデータ。[3]
4
鉄鋼製品のLCIの基本条件
4.1
一般要求事項
鉄鋼製品のLCIに関わる要求事項及び指針は,この規格によるほか,必要な場合,JIS Q 14040:2010及
びJIS Q 14044:2010による。
4.2
機能及び機能単位
鉄鋼製品の機能は,自動車,船舶,建築など最終製品の一部を構成することである。
鉄鋼製品のLCIでは,機能単位を,製鉄所から出荷される鉄鋼製品の質量ベースの単位に設定すること
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が望ましい。質量以外を機能単位に設定する場合には,適切な説明及び変換法を示さなければならない。
4.3
システム境界
鉄鋼製品のLCI計算で用いるシステムは,天然資源採掘から鉄鋼製品出荷及びスクラップリサイクルを
含めた全ての製造段階を含める(図2参照)。
これには,製鉄所の生産工程に加え,エネルギー変換,天然資源採掘,原料処理,製鉄所までの原料輸
送などの全ての工程が含まれる。鉄鋼製品を使用した最終製品の製造段階又は当該最終製品の社会での使
用段階は,システム境界外とする。
図2−システム境界
次の項目は,システム境界には含まないことが望ましい。これらをシステム境界内に含めるときは,そ
れを明示しなければならない。
a) 製鉄所外での鉄鋼製品の輸送
b) 製鉄所外での共製品の輸送
c) 最終製品の製造
d) 最終製品の使用
e) 研究開発
f)
従業員の出張
g) 資本財の生産,廃止,修理及び整備
h) 清掃及び法律事務
i)
営業活動
j)
管理事務所の運営
4.4
データ品質要件
4.4.1
一般
時間に関する範囲,地理的な範囲,技術の範囲などに関しては,JIS Q 14044:2010の4.2.3.6に規定され
たデータ品質要件に従うことが望ましい。
4.4.2
時間に関する範囲
データ収集の期間は,季節変動の影響を除くため,ある期間を代表として1年間以上とすることが望ま
しい。1年間全体のデータが得られないときは,その理由及び正当性を説明する。さらに,LCI結果は,
最終
製品
天然資
源
スクラップ
工業製品製
造
(自動車,
船舶,建築
など)
社会で
の利用
老廃スクラップ
回収・収集
鉄原料事前処理
非鉄原料事前処理
その他の投入材料製造
製銑・製鋼
・鉄鋼製品
製造工程
エネルギー変換
鉄鋼
製品
スクラッププール
スクラップ輸送
機能
単位
共製品
システム境界
この規格の範囲外
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経済状況による操業率の変化,技術進歩などによって経時的に変動することが多いため,データ収集時期
を明記する。LCIの一次データは,5年以内,二次データも10年以内のものを用いることが望ましい。そ
れより古いデータを用いる場合は,現在でも有効に利用できるデータであることを明記する。参照年以外
のデータを使用する場合は,その理由及び正当性を説明しなければならない。
4.4.3
地理的な範囲
鉄鋼製品のLCI調査は,製鉄所,鉄鋼会社,国,地域,世界全体などの地理的範囲で報告してもよい。
調査が複数の製鉄所(又は企業,地域など)を含む場合は,その地理的範囲及びその範囲に代表性がある
ことを明示することが望ましい。その場合,LCIは単純な算術平均ではなく,当該範囲の生産量ごとの加
重平均として示すことが望ましい。例えば,ある製鉄所1,2及び3において,それぞれの生産量がM1,
M2及びM3で,LCIがLCI1,LCI2及びLCI3である製品のLCIは,
(LCI1×M1+LCI2×M2+LCI3×M3) / (M1+M2+M3) となる。LCIデータを提供した製造業者名は明記し,
当該データセットは,当該データ提供者の間で適用可能なものであることを明記する。
4.4.4
技術の範囲
この規格は,炭素鋼3) 及び合金鋼4) の製造技術を対象とする。この規格は,ステンレス鋼5) の製造を対
象としていない。
注3) 炭素鋼は,JIS G 0203の番号1104参照。
4) 合金鋼は,JIS G 0203の番号1105参照。
5) ステンレス鋼は,JIS G 0203の番号3801参照。
4.4.5
データ源
鉄鋼製造データは,鉄鋼製造業者による測定,工学計算,購入記録などに基づく,直接入手した一次デ
ータでなければならない。
購入物などの上流のデータは,当該物の供給者によって作成されたものを用いることが望ましい。仮に
そのような情報が入手不可能な場合は,LCA関連団体,学術機関,国・地方自治体などの公共機関,鉄鋼
関連団体などによって作成された二次データを使用してもよい。全ての二次データは,求めようとするLCI
に対して地理的に適切であるかどうかを確認することが望ましい。
4.4.6
カットオフ基準
JIS Q 14044:2010の4.2.3.3.3に規定されているように,インプット及びアウトプットを算入する際のカ
ットオフ(切捨て)基準,並びに設定したカットオフ基準の前提条件は,明確に記載する。特に鉄鋼製品
のLCIにおいては,各製造段階への燃料,電力,蒸気及びその他の形態の全エネルギーインプット並びに
アウトプットにおいて,カットオフ基準を設定してもよい。同様に,各製造段階への鉄系原料,原料炭及
び非鉄系原料の全インプット並びにアウトプットについても,カットオフ基準を設定してもよい。カット
オフ基準で除かれた各物質のフローは,各単位工程の質量,エネルギー又は環境影響の1 %を超えないよ
うにすることが望ましい。カットオフ基準で除かれた物質フローのシステム内の合計は,質量,エネルギ
ー又は環境影響の5 %を超えないようにすることが望ましい。
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5
スクラップリサイクルを考慮した鉄鋼製品LCI計算の手順
5.1
一般
各鉄鋼製品のLCI計算においては,閉ループリサイクルの特徴を反映させるため,スクラップにもLCI
の配分を行う。
鉄鋼リサイクルの有益性を評価するためには,スクラップにLCIを配分し(スクラップLCI),この値を
システムのインプット(負荷加算)及びアウトプット(負荷控除)の両方に適用する。スクラップリサイ
クルの影響は,システムのインプットであるスクラップ投入時の負荷加算及びアウトプットであるスクラ
ップ回収時の負荷控除であり,5.3の手順に従って計算する。
スクラップLCIは,リサイクルが行われた場合に代替される天然資源の消費量及びにそれに伴う環境負
荷の低減効果を反映したものである。鉄鋼製品の環境負荷の低減は,製造工程のLCIの改善に加え,リサ
イクル率(RR)の向上及びリサイクルプロセスの歩留(Y)の改善による。これは,高いRR及びYが得ら
れるような製品設計を継続することが望まれることを示している。
スクラップリサイクルを考慮した鉄鋼製品のLCIは,次の3段階で計算される(図3参照)。
a) 第一段階(A)として,5.2に従って,天然資源採掘から鉄鋼製品出荷までのLCIを,工程ごとに計算
する。この段階では,スクラップLCIを配分せずに,スクラップの質量だけをインプットとして計上
する。
b) 第二段階(B)として,5.3.2に従って,スクラップLCI(Xsc)を計算する。更にこの値を用いてスク
ラップ投入に伴う負荷加算B1及びスクラップ回収に伴う負荷控除B2を5.3.3及び5.3.4に従って,そ
れぞれ計算する。計算は,B1及びB2の両方とも行わなければならない。
c) 第三段階として,上記三つの要素を合計(A+B1+B2)する。これによって,スクラップリサイクル
効果を反映した鉄鋼製品のLCI値を決定することができる。
図3−鉄鋼製品のLCIの概念
5.2
天然資源採掘から鉄鋼製品出荷までのLCIの計算
天然資源採掘から鉄鋼製品出荷までのLCIは,工程ごとに,それぞれの上工程からのLCI(スクラップ
以外)及び当該工程で発生したLCIを合計して計算する。
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なお,この段階では,スクラップLCIを計算せずに,スクラップの質量だけをインプットとして計上す
る。計算フローの例を図4に示す。
図4−天然資源採掘から鉄鋼製品出荷までのLCI計算手順の概念図
5.3
スクラップリサイクルへの配分
5.3.1
一般
鉄鋼は,本来の特性を失うことなく新しい鉄鋼製品にリサイクルすることができる。この特性を反映す
るため,鉄鋼のリサイクルの配分手順は,JIS Q 14044:2010の4.3.4.3に規定されている閉ループリサイク
ルの配分手順に準拠している。計算手順の詳細は,5.3.2〜5.3.4に示す。
スクラップLCIの適用は,システムへのインプット及びシステムからのアウトプットの両方に行わなけ
ればならない。
5.3.2
スクラップLCIの計算
スクラップLCIは,粗鋼6) を天然資源だけから生産した場合のLCIとスクラップだけから生産した場合
のLCIとの差に基づき算定する。具体的には,天然資源だけによる粗鋼生産のLCI(Xpr)及びスクラップ
だけによる粗鋼生産のLCI(Xre)の差に,リサイクルプロセスの歩留(Y)を掛けることによって求めら
れる。スクラップLCIは,式(1)で計算できる。
注6) 粗鋼は,JIS G 0203の番号1202参照。
(
)Y
X
X
X
×
−
=
re
pr
sc
···································································· (1)
ここに,
Xsc: スクラップ1 kgのLCI(スクラップLCI)
Xpr: 天然資源だけによる粗鋼1 kgの生産のLCI
Xre: スクラップだけによる粗鋼1 kgの生産のLCI
Y: リサイクルプロセスの歩留(粗鋼生産1 kg当たりのスク
ラップ投入質量)
Xre及びYの値は,一次データ又は信頼のおけるデータ源の二次データから得られる。
実際には,鉄鋼製品がスクラップの投入なしに生産されることはほとんどない。そのため,Xprは,実績
のデータから導かれる計算に基づいた値である。そのXprの計算方法を附属書Aに示す。
5.3.3
対象となる鉄鋼製品製造におけるスクラップ投入に伴う負荷加算の計算
対象となる鉄鋼製品1機能単位の製造において,スクラップ投入に伴う負荷加算は,式(2)で計算できる。
冷間
圧延
転炉
電気炉
工程
鉱山
高炉
工程
焼結
HBI
ペレット
鋳造
熱間
圧延
DRI
冷間圧延
製品
鉄鉱石
熱間圧延製品
溶銑
鉄鋼
製品
他原料
エネルギー
溶鋼
他原料
エネルギー
他原料
エネルギー
他原料
エネルギー
他原料
エネルギー
共製品
の配分
共製品
の配分
共製品
の配分
共製品
の配分
粗鋼
熱間圧延
鋼材
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sc
sc
1
M
X
B
×
=
··········································································· (2)
ここに,
B1: 対象となる鉄鋼製品1 kgの製造におけるスクラップ投
入に伴う負荷加算
Xsc: スクラップ1 kgのLCI(スクラップLCI)
Msc: 鉄鋼製品を1機能単位量(例えば,1 kg)製造するため
に投入されるスクラップの質量
5.3.4
スクラップ回収に伴う負荷控除の計算
スクラップ回収に伴う負荷控除は,式(3)で計算できる。
RR
X
B
×
−
=
sc
2
·········································································· (3)
ここに,
B2: スクラップ1 kgの回収に伴う負荷控除
Xsc: スクラップ1 kgのLCI(スクラップLCI)
RR: リサイクル率(3.9参照)
リサイクル率(RR)は,式(4)で計算できる。
(
)P
b
a
RR
/
+
=
·········································································· (4)
ここに,
a: リサイクルされる加工スクラップの質量
b: リサイクルされる老廃スクラップの質量
P: 製鉄所から出荷される鉄鋼製品質量
また,老廃スクラップリサイクル率は,式(5)で計算できる。
F
b/
=
β
················································································· (5)
ここに,
β: 老廃スクラップリサイクル率
b: リサイクルされる老廃スクラップの質量
F: 最終製品中の鉄鋼質量
調査の目的及び範囲に応じて,老廃スクラップリサイクル率をリサイクル率の代わりに使用してもよい。
リサイクル率の計算の詳細は,附属書Eに示す。
5.4
データ収集
5.4.1
一般
データ収集は,4.3で規定しているシステム境界内において,物質,エネルギー及び共製品の全てのイン
プット並びにアウトプットを,それぞれ全ての単位工程にわたって行う。
5.4.2
共製品
表1に示すアウトプットのうち,システム境界外で利用されているものを共製品と呼ぶ。主産物(コー
クス,溶銑,スラブ,ブルーム,ビレット及び鉄鋼製品)以外の共製品のLCIは,5.5に従って配分する。
表1に記載以外の共製品があれば,それらのLCIも同様に配分することができる。
11
Q 20915:2019
表1−製銑,製鋼工程及び鉄鋼製品製造工程からの主なアウトプットの例
工程
主なアウトプット及び共製品
コークス製造[製がい(骸)]
コークス
軽油
ベンゼン
タール
トルエン
キシレン
硫黄
アンモニア
コークス炉ガス
回収蒸気
製銑
溶銑
高炉ガス
スラグ
ダスト
回収電力
製鋼(転炉,BOF)+鋳造
粗鋼(スラブ,ブルーム及びビレット)
転炉ガス
スラグ
ダスト
回収蒸気
スクラップ(内部スクラップ)
製鋼(電気炉,EAF)+鋳造
粗鋼(スラブ,ブルーム及びビレット)
スラグ
ダスト
スクラップ(内部スクラップ)
その他の工程
鉄鋼製品
鉄粉
酸化亜鉛
ドロス
スラッジ
ダスト
回収蒸気
回収電力
スクラップ(自家発生スクラップ)
スケール
5.4.3
鉄原料
鉄原料の多くは,鉄鋼製造工程で投入される前に加工される。DRI製造,ペレット製造,HBI製造,焼
結鉱製造などの原料加工に伴うLCIは,加工が製鉄所内又は製鉄所外のいずれで行われている場合も含め
る。
一次データが得られない場合は,二次データ及び文献データによってLCIを求めてもよい。
5.4.4
原料炭
製銑及び製鋼工程では,種々の石炭(コークス用原料炭,吹込用原料炭,焼結用原料炭,DRI用原料炭,
転炉用原料炭,電気炉用原料炭及びその他製銑・製鋼工程用原料炭)が投入されており,これらの炭種ご
とに適切なLCIを収集する。個々の炭種の様々な特徴を反映するためには,国平均,地域平均など,個々
の石炭供給状況に応じた適切な平均値を用いる必要がある。
12
Q 20915:2019
石炭のLCIは,石炭の採掘から加工及び産出国石炭ターミナルまでの輸送に至るサプライチェーン全体
を考慮する。データは,関連する全工程及び全技術をカバーする。例えば,坑内掘り及び露天掘りは,明
らかにする。LCIは,投入した石炭に適用可能な二次データ又は文献データに基づいていてもよい。
メタン排出に関しては,正味の値(ガス田から排出された発生メタンから回収されたメタンを差し引い
たもの)を用いる。
原料炭の全ての上流工程のLCI(以下,上流LCIという。)を考慮する。
5.4.5
非鉄原料
非鉄原料の全ての上流LCIを考慮する。
5.4.6
合金鉄
合金鉄の全ての上流LCIを考慮する。
5.4.7
その他の投入原料
その他の投入原料の全ての上流LCIを考慮する。微量な投入原料については,実施者のカットオフ基準
に従って除いてもよい。
5.4.8
燃料
燃料生産の全ての上流LCIは,採掘,加工及び輸送を考慮することが望ましい。
5.4.9
プロセスガス
プロセスガスは,高炉,コークス炉,転炉などから発生する。プロセスガスは,製鉄所内外でエネルギ
ー源として利用できるので,その発生量及び使用量を収集する。
プロセスガスは,製鉄所内の鉄鋼生産工程のエネルギー源として使用され,一部は製鉄所内外の発電設
備のエネルギー源として使用される。したがって,プロセスガスの発生量及び製鉄所内での使用量と製鉄
所外への持ち出し量及び燃焼放散量の合計とが一致している必要がある。
製鉄所内で使用されずにシステム境界外に送られるプロセスガスも,熱エネルギーに代替利用されるか,
又は地域の発電所での発電のために供給される。プロセスガスの一部が製鉄所外又は鉄鋼製品LCIのシス
テム境界外で利用されている場合,5.5.2の手順に従ってシステム拡張を適用する。プロセスガスに代替さ
れる燃料としては,通常,熱エネルギー用の石炭,燃料油,天然ガスなどが考えられる。
また,プロセスガスが製鉄所外の近隣発電設備で利用され,その電力が系統側に供給されている場合,
代替システムは,当該地域の系統電力のLCI相当とすることが望ましい。
5.4.10
電力
電力は,系統電力網又は所内発電から供給される。データは,それぞれの電力源について収集すること
が望ましい(附属書F参照)。
5.4.11
蒸気
蒸気は,製鉄所外又は所内生産から供給される。データは,それぞれの蒸気源について収集することが
望ましい(附属書F参照)。
5.4.12
海水
復水器,熱交換器,加熱炉などの冷却に使用される海水量のデータを収集する。
海水の取排水に伴う電力消費量,薬剤使用量及びその他全ての海水利用に伴うデータを収集する。
5.4.13
淡水
循環冷却水及び脱イオン水などのプロセス水として使用される淡水量のデータを収集する。
淡水の取排水設備,脱イオン化設備,汚水処理設備及び淡水循環設備に伴う電力消費量及び薬剤使用量
のデータを収集する。
13
Q 20915:2019
淡水の排水に伴って排出される物質のデータを収集する。
5.4.14
工業ガス
工業ガスが製鉄所外から供給される場合は,これらのガスの製造及び輸送の上流LCIを収集する。
工業ガスが所内で生産される場合は,電力,原材料など,投入した用役からLCIを計算する。
5.4.15
大気,水及び土壌への排出
調査対象となる大気,水及び土壌への全排出物を明確にし,工程ごとにデータを収集する。
CO2のような直接計測できない排出物は,エネルギー投入及び/又は適切な排出係数など入手可能な情
報から計算する。
5.4.16
副生ガスの燃焼放散
高炉ガス,コークス炉ガス及び転炉ガスの燃焼放散に関するデータは,直接計測によって収集すること
が望ましい。
燃焼放散したガス量を直接計測できないときは,当該燃焼ガスの発生量と使用量との差分から計算する
か,又は溶銑中炭素量及び熱源として投入した炭素量と回収された転炉ガス中の炭素量とのバランスにお
ける差分から計算してもよい。
燃焼放散に伴う排出のデータも,同様に収集する。
5.4.17
輸送
製鉄所外における輸送のLCIについては,主要な原材料の製鉄所への輸送手段及び距離に基づき,鉄道
(電気機関車及びディーゼルカー),道路,海上及び河川の輸送ごとに計算する。
製鉄所間輸送及び製鉄所内輸送は,可能であれば含めるのがよい。
5.5
共製品への配分の手順
5.5.1
一般
鉄鋼製造工程では,鉄鋼製品及び共製品(プロセスガス,スラグなど)が同時に製造される。個々の鉄
鋼製造工程(例えば,高炉)内では,製造工程を細分化することによってインプット又はアウトプットの
共製品への配分を避けることが必ずしも可能とは限らない。そこで,その場合は,インプット又はアウト
プットの配分を避けるべきと規定しているJIS Q 14044:2010の4.3.4に従って,システム拡張を使用する
ことが望ましい。
なお,システム拡張を適用できず,配分が避けられない場合は,JIS Q 14044:2010の4.3.4のステップ1
及びステップ2に規定された配分法を適用してもよい。
5.5.2
システム拡張
システム拡張を行うためには,共製品の実際の使用実態に基づき,代替システムを選択する。
システム拡張のための代替システムの選択においては,地域の状況を考慮する。最も蓋然性のある代替
生産方法を,システム拡張として選択する。幾つかのシステム拡張の例を,附属書Cに示す。
6
報告
鉄鋼製品は閉ループリサイクルであるため,LCI結果は,表2の項目全てを報告しなければならない。
LCI結果の報告形式の例を,附属書Bに示す。
14
Q 20915:2019
表2−鉄鋼製品LCIの報告項目
A:天然資源採掘から鉄鋼
製品出荷までのLCI(スク
ラップリサイクル効果を
反映しない)
B:スクラップリサイクル効果
A+B1+B2:スクラップリ
サイクル効果を反映した
鉄鋼製品のLCI
B1:スクラップ投入に伴う
LCI
B2:スクラップ回収に伴う
LCI
注記 建築関連規格における報告との比較例を,附属書Dに記載する。
LCI結果に加え,次の事項も報告しなければならない。
a) 製品,その機能及び機能単位
b) データ源
1) 系統電力網のデータ源
2) スクラップリサイクル率及びそのデータ源
3) スクラップLCIの計算に使用されるXpr,Xre及びYのデータ源
c) データ取得年を含む時間範囲及び地理的範囲
また,実施者が重要と考える他のインプット(蒸気,輸送,石炭,合金及び鉄鉱石ベースで製造された
鉄インプットなど)のデータ源も報告する。
7
クリティカルレビュー
クリティカルレビューを実施する場合は,JIS Q 14044:2010の箇条6に従う。
15
Q 20915:2019
附属書A
(参考)
Xprの計算例
実際の鉄鋼製造プロセスでは,スクラップを投入せず鉄鋼を生産することはまれであり,Xprは実測が困
難であるため,次に示すような計算で求められる。
Xprの一計算法として,高炉−転炉法に代表される鉄鉱石ベースの製造工程のデータのLCIデータ値から
外挿する方法がある。これによれば,スクラップ投入量を変化させて得た回帰直線からスクラップ投入量
0のLCI値をXprとして推算できる。この方法は,十分なデータがあり,特定のLCI値を分析するときに
は便利であるが,LCIの全項目にわたってこの方法を用いるのは現実的でない。
さらに,実用的な方法として,特にLCIの全項目を解析する場合,次の計算法でXprを決定することが
できる。電気炉プロセスは,100 %スクラップリサイクルの例と考えることができる。このLCIをXreとす
る。図A.1に示すように,1 kgの鉄鋼製品を製造するには1 kg以上のスクラップが必要である。
図A.1−スクラップから得られる鉄鋼製品の歩留
Xprの値は,天然資源又は高炉−転炉工程によって生産された粗鋼のLCI(XBOF)に基づいて計算できる。
図A.2に示すように,実際の粗鋼製造には一定量のスクラップが投入されるので,天然資源だけからの粗
鋼製造を考えるには,これをLCIから差し引く必要がある。
図A.2−XBOFの考え方
差し引く必要がある転炉工程へ投入するスクラップ(1 kgの粗鋼製造当たりm kgのスクラップ)は,電
気炉工程で製造されたmY kgの粗鋼に相当する。したがって,図A.3に示すように,理論上のXprは,1−
mY kgの粗鋼を製造することになる。
XBOF
m kgのスクラップ
投入量
Xpr
Xre
=
+
製造される粗鋼1 kg
製造される粗鋼1−mY kg
製造される粗鋼mY kg
スクラップ1 kg + x
製造される鉄鋼1 kg
16
Q 20915:2019
図A.3−Xprの考え方
したがって,
(
)
re
pr
BOF
1
X
mY
X
mY
X
+
−
=
······················································· (A.1)
ここに,
m: 転炉ルートのスクラップ投入量(ScrapBOF)
Y: リサイクルプロセスの歩留
re
1
Scrap
Y=
··········································································· (A.2)
したがって,
re
BOF
Scrap
Scrap
mY=
······································································ (A.3)
これによって,式(A.4)のようになる。
re
re
BOF
pr
re
BOF
BOF1
X
Scrap
Scrap
X
Scrap
Scrap
X
+
−
=
··········································· (A.4)
この式を変形すると,Xprの計算値は,式(A.5)で計算できる。
re
BOF
re
re
BOF
BOF
pr
1
Scrap
Scrap
X
Scrap
Scrap
X
X
−
−
=
························································ (A.5)
Xpr
XBOF
m kgのスクラップ
投入量
=
−
製造される粗鋼1−mY kg
Xre
製造される粗鋼1 kg
製造される粗鋼mY kg
17
Q 20915:2019
附属書B
(参考)
LCI結果の報告例
LCI結果の報告例を,表B.1及び表B.2に示す。
表B.1−LCI結果の報告文書例
インプット
単位 kg
スクラップリサイクル効果を反映した鉄鋼製品LCIの構成要素
A+B1+B2:スクラッ
プリサイクル効果を
反映した鉄鋼製品の
LCI
A:天然資源採掘から
鉄鋼製品出荷までの
LCI(スクラップリサ
イクル効果を反映し
ない)
スクラップリサイクル効果,B
B1:スクラップ投入
に伴うLCI
B2:スクラップ回収
に伴うLCI
二酸化炭素
原油(原料)
ドロマイト
スクラップ
無煙炭(原料)
鉄鉱石
褐炭(資源)
石灰石(炭酸カルシ
ウム)
天然ガス(原料)
すず(錫)鉱石
ウラン(原料)
水
亜鉛鉱石
大気への排出
単位 g
スクラップリサイクル効果を反映した鉄鋼製品LCIの構成要素
A+B1+B2:スクラッ
プリサイクル効果を
反映した鉄鋼製品の
LCI
A:天然資源採掘から
鉄鋼製品出荷までの
LCI(スクラップリサ
イクル効果を反映し
ない)
スクラップリサイクル効果,B
B1:スクラップ投入
に伴うLCI
B2:スクラップ回収
に伴うLCI
二酸化炭素
メタン
亜酸化窒素(笑気ガ
ス)
二酸化硫黄
二酸化窒素
窒素酸化物
NMVOC(特定せず),
非メタン揮発性有機
化合物,非メタン炭
化水素
ばいじん(煤塵)
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Q 20915:2019
表B.1−LCI結果の報告文書例(続き)
大気への排出
単位 g
スクラップリサイクル効果を反映した鉄鋼製品LCIの構成要素
A+B1+B2:スクラッ
プリサイクル効果を
反映した鉄鋼製品の
LCI
A:天然資源採掘から
鉄鋼製品出荷までの
LCI(スクラップリサ
イクル効果を反映し
ない)
スクラップリサイクル効果,B
B1:スクラップ投入
に伴うLCI
B2:スクラップ回収
に伴うLCI
一酸化炭素
塩化水素
硫化水素
カドミウム(+2価)
鉛(+2価)
水銀(+2価)
クロム(全量)
ダイオキシン(特定
せず)
淡水への排出
単位 g
スクラップリサイクル効果を反映した鉄鋼製品LCIの構成要素
A+B1+B2:スクラッ
プリサイクル効果を
反映した鉄鋼製品の
LCI
A:天然資源採掘から
鉄鋼製品出荷までの
LCI(スクラップリサ
イクル効果を反映し
ない)
スクラップリサイクル効果,B
B1:スクラップ投入
に伴うLCI
B2:スクラップ回収
に伴うLCI
カドミウム(+2価)
鉛(+2価)
ニッケル(+2価)
クロム(全量)
鉄
亜鉛(+2価)
アンモニア(NH4+,
NH3,Nとして)
りん(燐)酸
りん(燐)
窒素化合物(非特定,
Nとして)
生物化学的酸素要求
量(BOD)
化学的酸素要求量
(COD)
溶解性物質
19
Q 20915:2019
表B.2−LCI結果に関する情報の報告文書例
製品
製品の詳細(機能及び機能単位)
基準年
地理情報(地域,国,企業)
実施者
スクラップ配分用データの詳細
利用データ
データ出所
スクラップリサイクル率
Xre
Xpr
Y(リサイクルプロセスの歩留)
計算用データの詳細
電力系統
副生ガスを代替するエネルギー
20
Q 20915:2019
附属書C
(参考)
システム境界外での共製品の利用の例
表C.1に,鉄鋼生産システムにおける共製品のシステム境界外での利用の例を示す。データは,適切な
情報源から入手することが望ましい。
表C.1−システム境界外での共製品使用の例
鉄鋼共製品
共製品の使用先
代替される製造工程又は製品
高炉スラグ,転炉スラグ,電気炉ス
ラグ
セメント又はクリンカ製造
スラグ1 t当たり0.9 tのセメント,ポ
ルトランドセメント(CEM I)
砕石又は路盤材
砂利製造
肥料
石灰製造
プロセスガス(コークス炉ガス,高
炉ガス,転炉ガス)
製鉄所内又は製鉄所外で利用される
熱の生産
石炭,重油,軽油又は天然ガス
発電
1 MJガス=0.365 MJ電力
電気炉ダスト
亜鉛製造
1 kgダスト=0.5 kg亜鉛
回収エネルギーからの電力
発電
発電
回収エネルギーからの蒸気
熱生産
天然ガスからの蒸気製造(85 %効率)
回収エネルギーからの温水
熱生産
天然ガスからの蒸気製造(85 %効率)
アンモニア
あらゆるアンモニア使用
アンモニア製造
硫酸アンモニウム
あらゆる硫酸アンモニウム使用
硫酸アンモニウム製造
ベンゼン
あらゆるベンゼン使用
異なる技術によるベンゼン製造
BTX
あらゆるBTX使用
異なる技術によるベンゼン製造
スケール
製鋼での利用
鉄鉱石採掘
硫酸
あらゆる硫酸使用
硫酸製造
タール
あらゆるタール使用
れき(瀝)青製造
使用済油
熱生産
石炭,重油,軽油又は天然ガス
亜鉛
あらゆる亜鉛使用
亜鉛製造
亜鉛末
あらゆる亜鉛使用
亜鉛製造
21
Q 20915:2019
附属書D
(参考)
規格間の比較
この規格は,ISO 21930:2017 [4] 及びEN 15804:2012 [5] で採用されているモジュール性はもたないが,こ
の規格を用いて得られたLCIデータを,ISO 21930:2017及びEN 15804:2012に従った建築のEPD
(Environmental Product Declaration)調査にどのように適用できるかを,表D.1に示す。
表D.1−比較表
規格名
天然資源採掘から鉄鋼
製品出荷までの鉄鋼製
造
スクラップリサイクル効果
合計値の報告
この規格
スクラップリサイクル効果を反映した鉄鋼製品LCIの構成要素
スクラップリサイクル
効果を反映した鉄鋼製
品のLCI(左の三つの欄
の合計)
天然資源採掘から鉄鋼
製品出荷までのLCI
(スクラップリサイク
ル効果を反映しない)
スクラップ投入に伴う
LCI
スクラップ回収に伴う
LCI
ISO 21930:
2017
A1〜3
生産段階
A1 採掘及び上工程
A2 工場への輸送
A3 製造
D
将来の再利用,リサイクル及び/又はシステム境
界外でのエネルギー回収から得られる潜在的な
実質便益
−
EN 15804:
2012
A1〜3
生産段階
A1 原料供給
A2 輸送
A3 製造
D
システム境界外での利益及び負荷
再利用−回収,リサイクルの可能性
−
22
Q 20915:2019
附属書E
(参考)
リサイクル率の計算の詳細
リサイクル率(RR)は,式(E.1)で定義される(図E.1参照)。
(
)P
b
a
RR
/
+
=
······································································· (E.1)
図E.1−リサイクル率の詳細
ここに,
a: リサイクルされる加工スクラップの質量
b: リサイクルされる老廃スクラップの質量
P: 製鉄所から出荷される鉄鋼製品質量
F: 最終製品質量
α: 製造歩留
β: 老廃スクラップリサイクル率
したがって,
P
b
a
RR
/)
(+
=
······································································· (E.2)
αβ
α+
−
=1
······································································· (E.3)
α
β×
−
−
=
)
1(
1
··································································· (E.4)
P
a/
1−
=
α
··········································································· (E.5)
式(E.2)〜式(E.5)は,次の定義及び仮定に基づいている。
a) 製造歩留:3.11参照
b) 老廃スクラップリサイクル率:3.10参照
c) 加工スクラップのリサイクル率(加工スクラップのリサイクル質量と加工スクラップの発生質量との
比):100 %
製品寿命は最終製品ごとに異なるため,鉄鋼会社が個別に老廃スクラップのリサイクル率を算定するこ
とは難しいが,国内,地域及び世界レベルであれば,算定は可能である。老廃スクラップリサイクル率に
関するデータは,次のような情報から得ることができる。
a) 最終製品ごとのリサイクル率(スチール缶のリサイクル率など)
システム境界
内部リサイクル
機能単位
鉄鋼製品
(P)
需要家
社会での利用
鉄鋼
製造
工程
製造歩留
α
最終製品の寿命
老廃スクラップ
リサイクル率 β
スクラップ
天然資源
加工スクラップ[a=P-F=P×(1-α)]
スクラッ
ププール
最終製品
(F)
老廃スクラップ[b=β×F=β×α×P]
23
Q 20915:2019
b) 最終製品の公的データからの見積り(自動車リサイクル率)
入手可能な統計値から加工スクラップの量を推定できない場合は,リサイクル率として老廃スクラップ
リサイクル率を用いてもよい。この場合のリサイクル率は,実際のリサイクル率より低い値であることに
注意する。
24
Q 20915:2019
附属書F
(参考)
電力及び蒸気のインベントリ計算
F.1
電気
電力には,次の供給源がある。
− 外部の系統電力網
− プロセスガス及び/又は回収エネルギーを利用する自家発電所
系統電力網から購入する電力の環境負荷は,電力会社及び/又は当該系統電力網への電力供給者が使用
する燃料の構成に依存する。一方,プロセスガス又は化石燃料を使用して製鉄所内で発電する電力の環境
負荷は,これらの燃料の組合せに依存する。さらに,各種鉄鋼生産工程からの回収エネルギーによる発電
のためのエネルギー源は,環境負荷として記録される。しかし,LCI算出の際の配分の回避のために,そ
れらの回収エネルギー源を各生産工程に細分化するのは困難である。このため,各工程から外に持ち出さ
れる回収エネルギーに対しては,システム拡張を適用する必要がある。電気が製鉄所外に送電される場合
は,系統電力網が代替するシステムになる。電気利用が製鉄所内であるが調査対象範囲外である場合は,
自家発電が代替システムになる。
このようにすることによって,鉄鋼生産工程で消費される電気のLCIに電源構成が反映される。
電気の平均LCIは,式(F.1)によって計算できる。
total
recovered
onsite
grid
average
3
2
1
E
E
E
E
E
E
E
E
×
+
×
+
×
=
··································· (F.1)
ここに,
Eaverage: 電気の平均LCI
Egrid: 系統電力網からの供給量
Eonsite: 敷地内発電量
Erecovered: 回収エネルギー発電量
Etotal: 総電力消費量
また,E1,E2及びE3は,次による。
− E1 系統電力網からの電気のLCI 供給実態に可能な限り近づけるため,系統電力網には国又は地域
のデータを使用する。使用した系統電力網(国又は地域のいずれか)は,明確に記載する。
− E2 自家(オンサイト)発電からの電気のLCI 燃料構成などの測定データから導く。
− E3 回収エネルギー発電からの電力のLCI 系統電力(E1)又は自家発電(E2)のいずれかのLCI
で代替する。
F.2
蒸気
蒸気は,プロセスガスで生産できるが,システム境界外からの供給もあり得る。消費蒸気のLCIは,蒸
気発生源の構成を反映させることが望ましい。
蒸気の平均LCIは,式(F.2)によって計算できる。
total
recovered
onsite
grid
average
3
2
1
S
S
S
S
S
S
S
S
×
+
×
+
×
=
····································· (F.2)
25
Q 20915:2019
ここに,
Saverage: 蒸気の平均LCI
Sgrid: 外部からの蒸気供給量
Sonsite: 所内での蒸気生産量
Srecovered: 回収エネルギーによる蒸気生産量
Stotal: 総蒸気消費量
また,S1,S2及びS3は,次による。
− S1 外部から供給される蒸気のLCI 供給者から提供されたLCIを使用することが望ましい。使用で
きない場合は,LCAデータベースのデータの使用も可能である。
− S2 所内(オンサイト)で生産される蒸気のLCI 測定された燃料構成から計算することが望ましい。
− S3 回収エネルギーで生産された蒸気のLCI システム境界外から蒸気供給される場合,回収エネル
ギーによる蒸気生産のLCIは,システム拡張に基づいて,外部から供給される蒸気と同じ値(S1)と
して考慮することが望ましい。そうでない場合,回収エネルギーによる蒸気生産のLCIは,所内(オ
ンサイト)で生産される蒸気と同じ値(S2)として考慮することが望ましい。
参考文献
[1] ISO/TS 18110:2015,Nanotechnologies−Vocabularies for science, technology and innovation indicators
[2] 稲葉敦編著:演習で学ぶLCA −ライフサイクル思考から,LCAの実務まで−(2014年)
[3] LCA実務入門編集委員会編:LCA実務入門(1998年)
[4] ISO 21930:2017,Sustainability in buildings and civil engineering works−Core rules for environmental
product declarations of construction products and services
[5] EN 15804:2012,Sustainability of construction works, Environmental product declarations, Core rules for the
product category of construction products
[6] JIS Q 14050 環境マネジメント−用語
注記 対応国際規格:ISO 14050,Environmental management−Vocabulary
26
Q 20915:2019
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Q 20915:2019 鉄鋼製品のライフサイクルインベントリ計算方法
ISO 20915:2018,Life cycle inventory calculation methodology for steel products
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
序文
序文
追加
JISでは,リサイクルの潜在的な効
果をJIS Q 14040及びJIS Q 14044
に準拠して定量化するために,LCA
を適用することができる旨を追加
した。
技術的差異はない。
3 用語及び
定義
3
用語及び定義
追加
用語及び定義にJIS G 0203の引用
を追加した。
JISでは,LCI,スクラップLCI,
一次データ及び二次データの定義
を追加した。
これらの用語は,国内では一般的
な用語ではないため,定義を追加
した。
4 鉄鋼製品
のLCIの基
本条件
4.3 システム境界
4.3
システム境界
変更
スクラップ使用時の負荷加算及び
鉄鋼製品回収に伴う負荷控除の扱
いを5.3に従うことは,ISO規格で
は推奨事項であるが,JISでは要求
事項に変更し,5.1に移した。
日本では,例外を認める必要がな
いため,JISでは要求事項とした。
次回改正時に規定内容を5.1に移
すことをISOに提案する。
5 スクラッ
プリサイク
ルを考慮し
た鉄鋼製品
LCI計算の
手順
5.1 一般
5.1
一般
変更
LCI計算にスクラップリサイクル
効果を反映することは,ISO規格で
は推奨事項であるが,JISでは要求
事項に変更した。
日本では,例外を認める必要がな
いため,JISでは要求事項とした。
5.2 天然資源採掘か
ら鉄鋼製品出荷まで
のLCIの計算
5.2
天然資源採掘から鉄鋼
製品出荷までのLCIの
計算
追加
JISでは,“この段階では,スクラ
ップLCIを計算せずに,スクラップ
の質量だけをインプットとして計
上する。”を追加した。
LCIの計算について,補足的に説
明を追加した。
次回改正時にISOに提案する。
1
4
Q
2
0
9
1
5
:
2
0
1
9
27
Q 20915:2019
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 スクラッ
プリサイク
ルを考慮し
た鉄鋼製品
LCI計算の
手順(続き)
5.3.2 スクラップLCI
の計算
5.3.2
スクラップLCIの計算
変更
JISでは,スクラップLCIは,粗鋼
を天然資源だけから生産した場合
のLCIとスクラップだけから生産
した場合のLCIとの差に基づいて
算定することに変更した。
LCIの計算について,分かりやす
い説明に変更した。
5.4.2 共製品
5.4.2
共製品
削除
ISO規格では,表1の製鋼(電気炉,
EAF)+鋳造の例として電極を記載
しているが,JISでは,電極を削除
した。
日本では,電極は継ぎ足しで使用
され,廃棄されないため,削除し
た。
5.4.9 プロセスガス
5.4.9
追加
JISでは,“プロセスガスの一部が
製鉄所外又は鉄鋼製品LCIのシス
テム境界外で利用されている場合”
の対応を追加した。
プロセスガスについて,補足的に
説明を追加した。
次回改正時にISOに提案する。
5.5.1 一般
5.5.1
追加
ISO規格では,“可能とはならな
い”対象が明確に記述されていない
ため,JISでは追加した。
技術的差異はない。
6 報告
報告内容
6
報告
変更
ISO規格では,スクラップリサイク
ル効果を反映しない報告も許容し
ている。JISでは,スクラップリサ
イクル効果を反映することを要求
事項としたため,その効果を反映し
ない報告を許容していない。
日本では,スクラップリサイクル
効果の反映が要求事項なので,効
果を反映しない報告は許容してい
ない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 20915:2018,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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4
Q
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9
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:
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