Q 17021-10:2018 (ISO/IEC TS 17021-10:2018)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 2
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 力量要求事項 ··················································································································· 2
5 労働安全衛生マネジメントシステム審査員に対する力量要求事項 ·············································· 3
5.1 一般 ···························································································································· 3
5.2 OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念 ············································································ 3
5.3 組織の状況 ··················································································································· 3
5.4 リーダーシップ,働く人の協議及び参加············································································· 3
5.5 法的要求事項及びその他の要求事項··················································································· 4
5.6 OH&Sリスク,OH&S機会並びにその他のリスク及びその他の機会 ········································ 4
5.7 緊急事態への準備及び対応 ······························································································ 5
5.8 パフォーマンス評価 ······································································································· 5
5.9 危険源の除去及びOH&Sリスクの低減 ·············································································· 5
5.10 インシデント調査 ········································································································· 5
6 審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員に対する力量要求事項 ····································· 6
6.1 OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念 ············································································ 6
6.2 組織の状況 ··················································································································· 6
6.3 リーダーシップ,働く人の協議及び参加············································································· 6
6.4 法的要求事項及びその他の要求事項··················································································· 6
6.5 OH&Sリスク,OH&S機会並びにその他のリスク及びその他の機会 ········································ 6
6.6 パフォーマンス評価 ······································································································· 7
6.7 危険源の除去及びOH&Sリスクの低減 ·············································································· 7
6.8 インシデント調査 ·········································································································· 7
7 その他の認証に関わる要員の力量要求事項 ············································································ 7
7.1 OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念 ············································································ 7
7.2 組織の状況 ··················································································································· 7
附属書A(参考)OH&Sマネジメントシステムの審査及び認証に関する知識 ··································· 8
参考文献 ····························································································································· 9
Q 17021-10:2018 (ISO/IEC TS 17021-10:2018)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,中央労働災害防止協会(中災防)及び一般財
団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Q 17021の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Q 17021-1 第1部:要求事項
JIS Q 17021-2 第2部:環境マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項
JIS Q 17021-3 第3部:品質マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項
JIS Q 17021-10 第10部:労働安全衛生マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項
JIS Q 17021-100 第100部:労働安全衛生マネジメントシステムの審査及び認証に関する追加の力量
要求事項
日本工業規格 JIS
Q 17021-10:2018
(ISO/IEC TS 17021-10:2018)
適合性評価−マネジメントシステムの審査及び
認証を行う機関に対する要求事項−
第10部:労働安全衛生マネジメントシステムの
審査及び認証に関する力量要求事項
Conformity assessment-Requirements for bodies providing
audit and certification of management systems-Part 10: Competence
requirements for auditing and certification of occupational health and safety
management systems
序文
この規格は,2018年に第1版として発行されたISO/IEC TS 17021-10を基に,技術的内容及び構成を変
更することなく作成した日本工業規格である。
この規格は,JIS Q 17021-1:2015に規定された要求事項を補足し,労働安全衛生(OH&S)マネジメント
システムの審査及び認証プロセスに関与する要員に対する追加の力量要求事項について規定する。
JIS Q 45001は,組織がOH&Sパフォーマンスを積極的に改善し,働く人の作業に関連した負傷及び/
又は疾病を防止することによって,安全で健康的な職場を提供できるようにするための枠組みを与える。
OH&Sマネジメントシステムを認証する要員は,この規格に規定するOH&Sマネジメントシステムの具体
的力量だけでなく,JIS Q 17021-1:2015に規定されている力量をもつ必要がある。
この規格は,JIS Q 17021-1:2015の箇条4の原則を含めたJIS Q 17021-1:2015の要求事項を補完するもの
である。特に,JIS Q 17021-1:2015の附属書Aに規定されている認証プロセスに関与する要員の力量のた
めの要求事項を明確にしている。
認証機関は,依頼者及びマネジメントシステムが認証されている組織の顧客を含めた利害関係者に対し
て,関連する力量を証明できる認証要員だけで審査することによってOH&Sマネジメントシステム認証の
信用性を保証する責任がある。
この規格では,次のような表現形式を用いている。
− “〜しなければならない”(shall)は,要求事項を示し,
− “〜することが望ましい”(should)は,推奨を示し,
− “〜してもよい”(may)は,許容を示し,
− “〜することができる”,“〜できる”,“〜し得る”など(can)は,可能性又は実現能力を示す。
さらに詳細な情報は,ISO/IEC専門業務用指針第2部を参照。
2
Q 17021-10:2018 (ISO/IEC TS 17021-10:2018)
1
適用範囲
この規格は,JIS Q 17021-1の要求事項を補足し,労働安全衛生マネジメントシステムの審査及び認証プ
ロセスに関与する要員に対する追加の力量要求事項について規定する。
次に示す3タイプの要員及び機能を定義する。
− 審査員
− 審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員
− その他の要員
注記1 この規格は,JIS Q 45001に基づく労働安全衛生マネジメントシステムの審査及び認証プロセ
スに適用される。その他の労働安全衛生にも利用できる。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC TS 17021-10:2018,Conformity assessment−Requirements for bodies providing audit and
certification of management systems−Part 10: Competence requirements for auditing and
certification of occupational health and safety management systems(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS Q 17021-1:2015 適合性評価−マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事
項−第1部:要求事項
注記 対応国際規格:ISO/IEC 17021-1:2015,Conformity assessment−Requirements for bodies
providing audit and certification of management systems−Part 1: Requirements
JIS Q 45001:2018 労働安全衛生マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
注記 対応国際規格:ISO 45001:2018,Occupational health and safety management systems−
Requirements with guidance for use
3
用語及び定義
この規格で用いる用語及び定義は,JIS Q 17021-1:2015及びJIS Q 45001:2018によるほか,次による。
ISO及びIECは,標準化に使用するための用語上のデータベースを次のアドレスに維持している。
− ISO Online browsing platform(http://www.iso.org/obp)
− IEC Electropedia(http://www.electropedia.org/)
3.1
労働安全衛生における専門分野(occupational health and safety technical area)
OH&Sにおける専門分野(OH&S technical area)
労働安全衛生マネジメントシステム及びその意図した結果に関するプロセスの共通性によって特徴付け
される分野。
4
力量要求事項
認証機関は,JIS Q 17021-1:2015の表A.1に規定されている認証の機能ごとに,力量要求事項を定めな
3
Q 17021-10:2018 (ISO/IEC TS 17021-10:2018)
ければならない。認証機関がこれらの力量要求事項を定めるときは,この規格の箇条5〜箇条7の力量に
関する要求事項の規定で,認証機関によってOH&Sにおける専門分野に関連すると決定したものを含め,
JIS Q 17021-1に規定される全ての要求事項を考慮に入れなければならない。特に規定がなければ,箇条5
〜箇条7で規定しているOH&Sの力量基準は,全てのOH&Sにおける専門分野と無関係である。附属書A
は,OH&Sマネジメントシステムの審査及び認証に求められる知識の概要を示す。
注記 審査員の役割は,労働基準監督機関の職員の役割とは同じではない。
5
労働安全衛生マネジメントシステム審査員に対する力量要求事項
5.1
一般
審査チームは,審査を引き受けるための総合的な力をもった審査員(及び必要に応じて技術専門家)で
構成しなければならない。
各OH&Sマネジメントシステム審査員は,OH&Sマネジメントシステムの相乗効果について,並びに
OH&Sマネジメントシステムのプロセスが安全で健康的な職場の提供及び負傷と疾病の防止という意図し
た成果を満たすため,どのように相互作用するかについての知識をもたなければならない。
注記 審査チームの各審査員が同じ力量をもつ必要はないが,審査チーム全体としての力量は,審査
目的を達成するために十分であることが必要である。
5.2
OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念
各OH&Sマネジメントシステム審査員は,OH&S及びOH&Sマネジメントの用語,原則,プロセス及
び概念について,最新の知識をもち,かつ,維持しなければならない。
OH&S及びOH&Sマネジメントシステムの用語,原則及び概念は,次の事項を含むが,これらに限らな
い。
− OH&Sマネジメントシステムの意図した成果
− 危険源及びOH&Sリスク
− リスクの最小化又は低減
− 管理策の優先順位
− 調達(外部委託及び請負者を含む。)
− 実施する作業についての管理の分担
5.3
組織の状況
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,組織の状況及び労働関係の活動の範囲を
踏まえ,OH&Sマネジメントシステムの境界及び適用可能性を含めて,組織が適用範囲を適切に特定した
かを判定するため,次に示す事項の知識をもたなければならない。
− 組織のOH&Sマネジメントシステムの意図した成果を達成するための組織の能力に影響を及ぼし得
る外部及び内部の課題を,組織が特定したかどうかを判定するための組織の状況に関する潜在的な課
題
− 働く人及びその他の利害関係者の関連するニーズ及び期待を組織が特定したかどうかを判定するため
の,働く人及びその他の潜在的な利害関係者
5.4
リーダーシップ,働く人の協議及び参加
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,リーダーシップの役割及び影響並びに組
織における文化に関する知識をもたなければならない。この知識は,組織のトップマネジメントが自身の
OH&Sマネジメントシステムに対するコミットメントを実証しているかどうか,及びOH&Sマネジメント
4
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システムの意図した成果を達成しているかどうかの評価に適用しなければならない。
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,働く人及び働く人の代表(いる場合)の
協議及び参加のための効果的なプロセスを組織がもっているかどうかを判定するため,障害及び障壁を含
む協議及び参加の方法論に関する知識をもたなければならない。
5.5
法的要求事項及びその他の要求事項
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,次の事項を含む法的要求事項及びその他
の要求事項を決定し,適用し,定期的にレビューするプロセスを組織がもっているかどうかを評価するた
め,OH&Sにおける専門分野に関連する要求事項を含めて,作業における健康・安全分野の法的要求事項
及びその他の要求事項の知識をもたなければならない。
− 働く人及び働く人の代表(いる場合)の協議及び参加
− 個人の医療情報についてのプライバシー
− 安全衛生に関する委員会の設立
5.6
OH&Sリスク,OH&S機会並びにその他のリスク及びその他の機会
5.6.1
リスク及び機会
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,組織の状況及びOH&Sマネジメントシス
テムの適用範囲を踏まえ,危険源を特定するとともに,OH&Sリスク,OH&S機会,その他のリスク及び
その他の機会を決定するための適切な方法を組織が適用しているかどうかを評価するため,OH&Sにおけ
る専門分野に関連するリスク及び機会を含めて,リスク及び機会の知識をもたなければならない。
注記 リスク及び機会を決定するための関連する方法及び基準に関する例は,タスク解析,HAZOPS
(危険源及び操作可能性研究)及びFMEA(故障モードとその影響解析)のような定性分析及
び定量分析を含み得る。
5.6.2
危険源の特定
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,組織の状況及びOH&Sマネジメントシス
テムの適用範囲を踏まえ,危険源を特定するための適切な方法を組織が適用しているかどうかを評価する
ため,OH&Sにおける専門分野に関連する危険源を含めて,危険源の知識をもたなければならない。
危険源の知識は,次のカテゴリを含まなければならないが,これらに限らない。
− 物理学
− 化学
− 生物学
− 生理学
− 機械
− 電気
− 心理社会学
− 運動及びエネルギーに基づくもの
危険源及びそれらの原因は,次の事項を含まなければならないが,これらに限らない。
− 内部又は外部の原因又は状況
− 起こり得る緊急事態
− 複数の事業者がいる作業場
− 職場及び設備
− 製品及びサービスの設計,調査,開発,試験,生産,組立,建設,サービス提供,保守及び廃棄
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− 調達,請負者及び外部委託
− 新技術及びそれらの適用
− 計画した又は意図しない変更
− 作業組織,人的及び社会的要因
5.6.3
OH&Sリスクの評価
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,OH&Sマネジメントシステムの適用範囲
内で,かつ,組織の状況を踏まえて,方法論及び基準を適切に,事前に及び体系的に組織が適用している
かどうかを評価するため,OH&Sにおける専門分野に関連する危険源を特定し,OH&Sリスクの評価をす
るための方法論及び基準を含めて,危険源を特定し,OH&Sリスクの評価をするための方法論及び基準の
知識をもたなければならない。
5.6.4
OH&S機会
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,OH&Sパフォーマンスの改善につながる
プロセスのタイプに関する知識をもたなければならない。
プロセスの知識は,次の事項を含まなければならないが,これらに限らない。
− 働く人への作業の適合
− 作業組織の変更
− 職場レイアウトの変更
5.7
緊急事態への準備及び対応
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,組織の状況を踏まえ,組織が次の事項を
適切に実施しているか評価するため,OH&Sにおける専門分野に関連する緊急事態及びその通常の対応に
関する知識を含めた,起こり得る緊急事態及びその通常の対応の知識をもたなければならない。
− 組織の起こり得る緊急事態を特定しているか
− 外部の対応者を含めた組織の緊急事態への対応を計画し,試行しているか
− 組織が計画した緊急事態への対応の試行,及び場合によっては実際の緊急事態への対応によって有効
性を評価しているか
5.8
パフォーマンス評価
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,組織のOH&Sマネジメントシステムの意
図した成果が達成できているかどうかを判定するための,事前及び事後の,定性的及び定量的指標を含め
た適切なOH&Sパフォーマンス評価方法を組織が適用しているかどうかを評価するためのパフォーマン
ス評価の知識をもたなければならない。
5.9
危険源の除去及びOH&Sリスクの低減
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,組織が次の事項を適用したかどうかを評
価するため,OH&Sにおける専門分野に関連する危険源の除去及びOH&Sリスクの低減のための管理策又
は管理方法を含めた,危険源の除去及びOH&Sリスクの低減のための管理策又は管理方法の知識をもたな
ければならない。
− 働く人への作業の適合及びその適切な適用を含めた管理策の優先順位の考え方
− 全ての有害な影響の可能性を含めた組織によって選定された適切かつ効果的な管理策,及び外部提供
者へのこれらの適用
5.10 インシデント調査
OH&Sマネジメントシステム審査に関与するチームの要員は,OH&Sマネジメントシステムの適用範囲
6
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内で,かつ,組織の状況を踏まえて,組織が効果的な調査を実施しているかどうかを評価するため,OH&S
における専門分野に関連するインシデントの調査方法を含めた,インシデントの調査方法の知識をもたな
ければならない。これは,次の事項を含む。
− 根本原因解析,フォルトツリー解析のようなインシデント調査のための関連する方法及び実践
− 原因除去のための処置の特定
6
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員に対する力量要求事項
6.1
OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,OH&S及びOH&Sマネジメントシステムの用語,
原則,プロセス及び概念に関する最新の知識をもち,かつ,維持しなければならない。
OH&S及びOH&Sマネジメントシステムの用語,原則及び概念は,次の事項を含むが,これらに限らな
い。
− OH&Sマネジメントシステムの意図した成果
− 危険源及びOH&Sリスク
− リスクの最小化又は低減
− 管理策の優先順位
− 調達(外部委託及び請負者を含む。)
− 実施する作業についての管理の分担
6.2
組織の状況
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,組織の状況及び労働に関する活動を踏まえて,組
織のOH&Sマネジメントシステムの境界及び適用可能性を含めて,審査チームが適用範囲を適切に確認し
たかを判定するため,次の事項について十分な知識をもたなければならない。
− 組織の状況に関連する潜在的な課題
− その他の潜在的な利害関係者
6.3
リーダーシップ,働く人の協議及び参加
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,リーダーシップの役割及び影響,文化,働く人及
び働く人の代表(いる場合)の協議及び参加に関する知識をもたなければならない。
6.4
法的要求事項及びその他の要求事項
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,作業における健康・安全分野の法的要求事項及び
その他の要求事項を認識していなければならない。
6.5
OH&Sリスク,OH&S機会並びにその他のリスク及びその他の機会
6.5.1
危険源の特定
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,OH&Sにおける専門分野に関する危険源及び危険
源を特定する方法を含め,危険源及び危険源を特定する方法の知識をもたなければならない。
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,次の危険源のカテゴリに関する知識を含めてもた
なければならないが,これらに限らない。
− 物理学
− 化学
− 生物学
− 生理学
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− 機械
− 電気
− 心理社会学
− 運動及びエネルギーに基づくもの
6.5.2
OH&Sリスクの評価
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,OH&Sにおける専門分野に関するOH&Sリスクの
評価のための方法論及び基準を含め,OH&Sリスクの評価のための方法論及び基準のタイプの知識をもた
なければならない。
6.5.3
OH&S機会
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,OH&S機会の概念について認識していなければな
らない。
6.6
パフォーマンス評価
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,OH&Sパフォーマンス評価の方法に関する知識を
もたなければならない。
6.7
危険源の除去及びOH&Sリスクの低減
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,管理策の優先順位の概念に関する知識をもたなけ
ればならない。
6.8
インシデント調査
審査報告書をレビューし,認証の決定をする要員は,インシデント調査の方法に関する知識をもたなけ
ればならない。
7
その他の認証に関わる要員の力量要求事項
7.1
OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念
審査チームに要求する力量を決定し,審査チームのメンバーを選定し,審査工数を決定するための申請
書をレビューする要員は,その機能にふさわしく,OH&Sの用語,原則,プロセス及び概念に関する最新
の知識をもち,かつ,維持しなければならない。
OH&S及びOH&Sマネジメントシステムの用語,原則及び概念は,次の事項を含むが,これらに限らな
い。
− OH&Sマネジメントシステムの意図した成果
− 危険源及びOH&Sリスク
− リスクの最小化及び低減
− 管理策の優先順位
− 調達(外部委託及び請負者を含む。)
− 実施する作業についての管理の分担
7.2
組織の状況
審査チームに要求する力量を決定し,審査チームのメンバーを選定し,審査工数を決定するための申請
書をレビューする要員は,その機能にふさわしく,次に示す事項の知識をもたなければならない。
− 審査工数の決定及び力量のある審査チームの選定のために十分な,現場に関連した要因及びリスク,
現場及び組織の活動に関連した複雑さの知識
− 提案された認証の範囲が組織の状況及び労働に関連する活動に対して適切か判定するための知識
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附属書A
(参考)
OH&Sマネジメントシステムの審査及び認証に関する知識
表A.1は,OH&Sマネジメントシステムの審査及び認証に関する知識の概要を提供している。
表A.1−OH&Sマネジメントシステムの審査及び認証に関する知識
知識
認証の機能
審査チームに要求する力量を
決定し,審査チームメンバー
を選定し,審査工数を決定す
るための申請のレビューの実
施
審査報告書のレビュ
ー及び認証の決定
審査及び審査チー
ムの指揮
OH&Sの用語,原則,プロ
セス及び概念
X(7.1参照)
X(6.1参照)
X(5.2参照)
組織の状況
X(7.2参照)
X(6.2参照)
X(5.3参照)
リーダーシップ,働く人の
協議及び参加
X(6.3参照)
X(5.4参照)
法的要求事項及びその他の
要求事項
X(6.4参照)
X(5.5参照)
OH&Sリスク,OH&S機会
並びにその他のリスク及び
その他の機会
X(6.5参照)
X(5.6参照)
危険源の特定
X(6.5.1参照)
X(5.6.2参照)
OH&Sリスクの評価
X(6.5.2参照)
X(5.6.3参照)
OH&S機会
X(6.5.3参照)
X(5.6.4参照)
緊急事態への準備及び対応
X(5.7参照)
パフォーマンス評価
X(6.6参照)
X(5.8参照)
危険源の除去及びOH&Sリ
スクの低減
X(6.7参照)
X(5.9参照)
インシデント調査
X(6.8参照)
X(5.10参照)
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参考文献
[1] 労働安全衛生マネジメントシステムに関するILOガイドライン 国際労働事務局,ジュネーブ,
http://www.ilo.org/safework/info/standards-and-instruments/lang--en/index.htm
[2] ILO国際労働基準(労働安全衛生に関する基準を含む)国際労働事務局,ジュネーブ,
http://www.ilo.org/normlexにて入手可能(“instruments”,“Conventions and Recommendations by subject and
status”を順にクリックする)