Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 3
2 引用規格························································································································· 3
3 用語及び定義 ··················································································································· 4
4 エコデザインにおけるトップマネジメントの役割 ··································································· 5
4.1 エコデザイン実施の便益 ································································································· 5
4.2 エコデザインのための任務 ······························································································ 5
5 環境マネジメントシステムにエコデザインを導入するための指針 ·············································· 6
5.1 一般指針 ······················································································································ 6
5.2 環境方針 ······················································································································ 6
5.3 計画 ···························································································································· 7
5.4 実施及び運用 ················································································································ 9
5.5 点検 ··························································································································· 16
5.6 マネジメントレビュー ··································································································· 18
6 製品の設計・開発におけるエコデザイン活動 ········································································ 19
6.1 一般 ··························································································································· 19
6.2 ライフサイクル思考 ······································································································ 19
6.3 エコデザインプロセス ··································································································· 20
6.4 製品の環境アセスメント ································································································ 20
6.5 利害関係者の環境要求事項の分析····················································································· 20
6.6 エコデザインのレビュー ································································································ 20
6.7 バリューチェーンの関与 ································································································ 21
附属書A(参考)トップマネジメント及びエコデザインに関する戦略的課題 ··································· 22
附属書B(参考)JIS Q 14006とエコデザインに関する他の規格との相関関係 ································· 27
参考文献 ···························································································································· 31
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標
準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Q 14006:2012
(ISO 14006:2011)
環境マネジメントシステム−エコデザインの
導入のための指針
Environmental management systems-Guidelines for incorporating
ecodesign
序文
この規格は,2011年に第1版として発行されたISO 14006を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
環境への被害(例えば,気候変動,資源の枯渇,並びに大気,水及び土壌環境の汚染)に関する国際的
な懸念によって,組織がその活動及び製品の環境影響の管理にますます注意を払い,かつ,環境パフォー
マンスの継続的な改善に焦点を当てるようになってきた。環境への有害な影響を低減するために,より多
くの組織が,製品の設計に環境パフォーマンスを含める必要があることを認識してきている。
注記 この規格では,“製品”という用語は,物品及びサービスの両方を含むものとする。
製品の環境影響に関する法律の施行が,世界中で一段と増加している。この事実は,多くの組織が製品
の環境パフォーマンスを改善させることを促進している。このような組織には,そのためのプロセスだけ
でなく,製品の環境パフォーマンスにおいて環境目的を達成し,かつ,継続的な改善を維持するために,
このような組織の取組みをいかに体系的な方法に適用するかについての手引が必要である。
エコデザインは,原材料の抽出から使用済み段階まで製品のライフサイクル全体にわたって,製品の環
境影響を低減させ,かつ,環境パフォーマンスを継続的に改善させることを目的とした,設計・開発にお
ける統合したプロセスとして理解できる。組織に便益をもたらし,かつ,組織が環境目的を達成すること
を確実にするために,エコデザインは,組織の事業運営における中核的要素として実行するように意図さ
れている。エコデザインは,組織の全ての機能に影響を与える可能性がある。
この規格では,体系的及び管理可能な方法でエコデザインを実行するために,組織が,適切なプロセス
を実施し,次にこのプロセスを実行及び管理するために必要な力量をもつ又は利用できることを意図して
いる。これには,トップマネジメントの支援が必要である(4.2参照)。
エコデザインのプロセスは組織の設計・開発の領域内で行われるため,エコデザインの実行及び管理に
おいて必要な知識はこの領域に存在する。しかしながら,エコデザインが環境マネジメントシステム
(EMS)の下で実行されるとき,EMSの責任者は,このプロセスがどのようなものであるか,さらに,そ
れがどのように運用及び管理されるかを理解する必要がある。この方法によって,EMSの完全性は影響を
受けることはなく,製品のための環境目的を達成することができる。
EMSにエコデザインを組み込むために要求される一般的な知識分野は,次のとおりである。
a) 製品の環境に対する影響の評価
b) 環境への悪影響を低減するための適切なエコデザイン施策の特定
2
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 設計・開発プロセスの知識,並びにエコデザインのプロセス及びその管理がEMSにどのようにうま
く当てはまるかについての理解。
これらの分野のうち,上記のa)及びb)は設計・開発の分野内に位置付けられる可能性が高いが,c)は明
らかにEMSの責任者にとって重要な意味をもつ。この規格は,主に,c)の分野に関する手引を提供してい
るが,EMSにおけるエコデザインのために要求されるa)〜c)の全ての知識分野を範囲として含み,かつ,
それらの相互関係をもたせた初めての規格である。
JIS Q 14001は,組織のプロセスの管理と環境影響とを結び付けるが,設計管理プロセスは含まない。JIS
Q 9001は,設計管理プロセスを含むが,環境影響を明確には含んでいない。TR Q 0007及びJIS C 9910は,
環境側面の評価及び影響を製品の設計・開発プロセスに組み込むための助けとなる。しかし,これらは,
JIS Q 14001に規定される環境及びビジネスマネジメントの枠組みの中に含まれる活動を完全には説明し
ていない。
図1は,これらの規格,それぞれの知識範囲とJIS Q 14006との関係を示す。この規格は,上記のa)〜
c)の全ての分野及び関連文書を関連づけている。
この規格は,EMSの下で構造化及び管理されたエコデザインを実施するために適切なプロセス及び手順
を設定できるように,他の規格から必要な情報を取り込んでいる。この規格を使用することによって,組
織は,必ずしも関連する全ての規格を実施又は使用することなく,既存のマネジメントプロセス及び力量
をもとに実施することができる。
この規格は,組織が常に既存のプロセス及び手順を開始点として使用し,この規格で規定する指針を柔
軟かつ実際的な方法で使用することを意図している。
図1−JIS Q 14001,JIS Q 9001,TR Q 0007,JIS C 9910及びJIS Q 14006の関係並びに知識分野
この規格は,JIS Q 14001に規定されているようなEMSに,エコデザインプロセスを導入し,かつ,実
施するための体系的及び構造化されたアプローチを確立するに当たって,組織を支援するための指針を提
供する。この指針は,業種及び形態,規模,並びに提供する製品を問わずあらゆる組織に適用できること
設計
環境
マネジメントシステム
設計
環境
マネジメントシステム
JI
S
Q
14
00
1
JIS Q 9001
JIS C 9910
TRQ 0007
JIS Q
14006
3
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を意図している。
この規格は,次に示す,EMSの責任者に手引を提供する三つの主要な箇条を含む。
− 箇条4は,トップマネジメントの役割を取り扱う。この箇条は,エコデザインの潜在的な便益を説明
し,ビジネス及びマネジメントに関連のある戦略的課題を説明する。
− 箇条5は,どのようにエコデザインプロセスをEMSに組み込み,その下で管理することができるか
を示す。この箇条は,JIS Q 14001の構造に沿ってEMSの一部としてエコデザインに取り組むための
指針を提供する。JIS Q 14001の要求事項を枠の中に示し,各細分箇条について,その細分箇条がエコ
デザインプロセスとどのように関係するかについて具体的な手引を示す。5.4.6は,組織の製品設計・
開発活動に焦点を当てており,かつ,エコデザインに関する個別の手引を補足しながら,JIS Q 9001
の7.3に規定している方法(枠内に示されている要求事項)を導入している。設計・開発プロセスの
実行には様々な方法があるが,この規格は,JIS Q 9001の7.3に規定している方法に従う。
− 箇条6は,設計・開発プロセスにおけるエコデザインの取り組み方を説明する。
附属書Aは,戦略的課題及びエコデザインにおけるトップマネジメントの役割についてより詳細な情報
を提供し,箇条4を補足する。
附属書Bは,この規格がどのように既存の規格と関係するかを示す。
この規格は,主にJIS Q 14001に規定するようなEMSを導入している組織を対象としているが,品質マ
ネジメントシステム(QMS)とEMSとを併せもつか否かにかかわらず,QMSを単独で導入している組織
にとっても価値がある。また,この規格は,正式なEMS又はQMSをもたないが製品の有害な環境影響を
低減させることに関心のある他の組織にとっても有用であり得る。
1
適用範囲
この規格は,組織が環境マネジメントシステム(EMS)の一部としてエコデザインのマネジメントを確
立し,文書化し,実施し,維持し,継続的に改善するための指針を示す。
この規格は,JIS Q 14001に沿ってEMSを実施している組織によって使用されることを意図しているが,
他のマネジメントシステムにエコデザインを組み込むための助けにもなり得る。この指針は,規模又は活
動にかかわらずあらゆる組織に適用可能である。
この規格は,組織が管理することができ,かつ,組織が影響を及ぼすことができる製品関連の環境側面
に適用する。
この規格は,単独で特定の環境パフォーマンス基準を確立することはなく,認証目的のためには意図さ
れていない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14006:2011,Environmental management systems−Guidelines for incorporating ecodesign(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Q 14050 環境マネジメント−用語
4
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 対応国際規格:ISO 14050,Environmental management−Vocabulary(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 14050によるほか,次による。
3.1
設計・開発(design and development)
要求事項を,製品,プロセス又はシステムの,規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス。
注記1 “設計”及び“開発”は,あるときには同じ意味で使われ,あるときにはアイディアを製品
に変えるプロセス全体のうちの異なった段階を定義するために使われる。
注記2 製品開発は,製品アイディアを企画から市場投入に展開し,製品レビューを行うプロセスで
あり,そのレビューでは,ビジネス戦略,市場検討事項,調査方法及び設計側面が実用化に
結び付いているかどうかを検討する。それは,現行の製品又はプロセスの改善又は修正を含
む。
注記3 JIS Q 14050:2012の定義6.3から部分的に採用。
3.2
エコデザイン(ecodesign)
製品のライフサイクル全体にわたって有害な環境影響を低減させることを目的として,環境側面を製品
の設計・開発に取り入れること。
注記 同意語として使用されている用語には,環境配慮設計(ECD),環境適合設計(DFE),グリー
ン設計,及び環境的に持続可能な設計が含まれる。
3.3
製品(product)
全ての物品又はサービス。
注記1
製品は,次のように区分することができる。
− サービス(例えば,輸送)
− ソフトウェア(例えば,コンピュータプログラム,辞書)
− ハードウェア(例えば,エンジン機械部品)
− 素材製品(例えば,潤滑剤)
注記2
サービスには,有形及び無形の要素がある。サービスの提供は,例えば,次のものがある。
− 顧客が提供した有形の製品に対して行われる活動(例えば,自動車の修理)
− 顧客が提供した無形のものに対して行われる活動(例えば,税金の還付に必要な収入情
報の整理)
− 無形のものの提供(例えば,知識を伝達するという意味をもつ情報の提供)
− 顧客のための雰囲気造り(例えば,ホテル及びレストラン内)
ソフトウェアは,情報で構成され,一般に無形であり,アプローチ,処理又は手順の形を
とり得る。
ハードウェアは,一般に有形で,その量は整数で数えることができる特性をもつ。素材製
品は一般に有形で,その量は,整数で数えられない連続的な特性をもつ。
[JIS Q 14050:2012の定義6.2]
5
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4
エコデザインにおけるトップマネジメントの役割
4.1
エコデザイン実施の便益
エコデザインの目標は,製品のライフサイクルを通して有害な環境影響を低減させるために,製品の設
計・開発において環境側面を考慮することである。この目標を目指して努力するときに,組織,その顧客
及び他の利害関係者のために複数の便益を達成することができる。潜在的な便益には,次の事項が含まれ
得る。
a) 例えば,競争力の向上,コスト削減,融資及び投資の誘致などを通じた,経済的便益
b) 革新及び創造力の促進,並びに新しいビジネスモデルの特定
c) 環境影響の減少及び製品知識の向上による法的義務の削減
d) 社会的イメージの向上(組織のイメージ及び/又はブランド)
e) 従業員の士気の強化
組織は,規模,地理的立地,文化及びマネジメントシステムの複雑さに関係なく,エコデザインの導入
によって,このような種類の便益を得ることができる。これらの違いによって,組織の運用スタイルが実
質的に変化し得るが,潜在的に獲得できる便益には影響しない。例えば,財務的及び技術的な限界によっ
て,これらの便益の全てが必ずしも同時に,又は短時間のうちに実現されるわけではない。
4.2
エコデザインのための任務
この細分箇条では,エコデザインとの関係における組織の戦略的方向性の設定及びエコデザイン実施の
管理におけるトップマネジメントの任務について記述する。ここでは,戦略及びマネジメント活動の両方
を,一般的な組織レベルで検討する。箇条5においては,戦略及びマネジメントを,特定のEMSの観点
から検討する。その一方で,箇条6においては,これらを,特定の製品の設計の観点から検討する。
エコデザインが組織の中に適切に組み込まれることを確実にするために,トップマネジメントは,次の
二つの種類の任務をもつ。
a) 一つ目の任務は,エコデザインの戦略的側面に関するもので,特に次の事項に関連する。
1) 戦略的製品計画及び組織の全ての運営へのエコデザインの組み込み
2) エコデザインの計画,実施及び改善のための資源(人的,技術的及び財務的)の割当て
3) 技術開発,製品システムの向上及びサプライチェーンマネジメントから生じる外部市場の状況及び
機会の変更
4) 環境パフォーマンスのための目的の設定
5) 革新及び新しいビジネスモデルの開発の促進
6) 価値創造への貢献
前回までに実施されたマネジメントレビューは,この任務に対して実質的に貢献し得る。
b) 二つ目の任務は,エコデザイン戦略及びエコデザインの焦点が設定された時点での,内部プロセスの
管理である。これは,次の事項を含む。
1) 採択されたエコデザイン戦略を,関連する全ての手順,実施計画及びロードマップに組み込み,実
施する。
2) 部門横断的アプローチを確実にする。
3) 上流(供給者)及び下流(アフターセールス,サービス提供者,リサイクル業者)におけるバリュ
ーチェーン全体を,採択された設計戦略に関与させる。
6
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4) 内部及び外部のバリューチェーンにおいて,双方向のコミュニケーションを促進する。
これらのプロセスが最適な方法で発展することを確実にするために,プロセスのパフォーマンス測定シ
ステムの設定が大きな助けとなり得る。
エコデザインにおけるトップマネジメントの役割に関する更なる情報は,附属書Aを参照。
5
環境マネジメントシステムにエコデザインを導入するための指針
5.1
一般指針
この箇条は,JIS Q 14001に規定されているようなEMSに,その一部としてエコデザインを取り組むた
めの指針を提供する。5.2〜5.6では,JIS Q 14001の要求事項を枠内に引用し,各細分箇条において,製品
のライフサイクルにわたって環境側面を取り上げる場合に考慮すべき課題について,具体的な手引が与え
られている。
5.4.6は,製品の設計・開発プロセスに焦点を当てている。設計・開発プロセスの実行には様々な方法が
あるが,この規格は,JIS Q 9001の7.3に規定する方法に従う。すなわち,JIS Q 9001の7.3の要求事項を
枠内に引用し,さらに,エコデザインに関連する具体的な手引によって補足している。
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.1 一般要求事項
組織は,この規格の要求事項に従って,環境マネジメントシステムを確立し,文書化し,実施
し,維持し,継続的に改善し,どのようにしてこれらの要求事項を満たすかを決定すること。
組織は,その環境マネジメントシステムの適用範囲を定め,文書化すること。
EMSの適用範囲を設定する場合に,組織は,設計・開発プロセス及び製品の環境側面に特別の注意を払
うことが望ましい。製品の設計・開発は,製品の環境影響に大きな影響をもつため,製品の設計・開発を
EMSの適用範囲内に含めることが不可欠である。
5.2
環境方針
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.2 環境方針
トップマネジメントは,組織の環境方針を定め,環境マネジメントシステムの定められた適用
範囲の中で,環境方針が次の事項を満たすことを確実にすること。
a) 組織の活動,製品及びサービスの,性質,規模及び環境影響に対して適切である。
b) 継続的改善及び汚染の予防に関するコミットメントを含む。
c) 組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を
順守するコミットメントを含む。
d) 環境目的及び目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。
e) 文書化され,実行され,維持される。
f)
組織で働く又は組織のために働くすべての人に周知される。
g) 一般の人々が入手可能である。
7
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
トップマネジメントがエコデザインのための枠組みにコミットし,その枠組みを構築することを可能に
するためには,方針が次の状態であることが重要である。
a) ライフサイクル全体にわたって製品の性質,規模及び著しい環境影響と整合している。
b) 次の事項に対するコミットメントを含む。
− 製品の環境側面に関連する,適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を
順守する。
− エコデザインプロセスの継続的改善
− 組織の製品のライフサイクル全体にわたる環境パフォーマンスの継続的改善。ただし,製品の
ライフサイクルにわたるマイナスの環境影響の実質的な減少をもたらす場合を除き,有害な環
境影響をあるライフサイクル段階から別のライフサイクル段階へ,又はあるカテゴリーから別
のカテゴリーへと移さずに行う。
c) 製品関連の環境目的及び目標の設定及びレビューのための枠組みを提供する。
5.3
計画
5.3.1
環境側面
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.3.1 環境側面
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で,活動,製品及びサービスについて
組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面を特定する。その
際には,計画された若しくは新規の開発,又は新規の若しくは変更された活動,製品及びサ
ービスも考慮に入れる。
b) 環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち著しい環境側面)を決定
する。
組織は,この情報を文書化し,常に最新のものにしておくこと。
組織は,その環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持するうえで,著しい環境側面
を確実に考慮に入れること。
環境側面を特定及び評価するプロセスは,設計又は再設計される,組織の製品のライフサイクルを明確
に含むことが望ましい。目的は,どの側面が,環境に著しい影響を与える又は与える可能性があるかを決
定することである。これは,一般的に,次の手順に従う。
a) 組織によって管理又は影響を及ぼすことができる製品のライフサイクルに関連する環境側面の特定。
各ライフサイクル段階に対して,組織は,環境側面,すなわち,環境影響(例えば,大気,水及び
土壌の汚染,気候変動)をもたらすインプット(材料,エネルギー,水及び使用されるその他の資源
の消費),及びアウトプット(廃棄物,排出物など)を特定することが望ましい。
b) 環境側面を評価し,その著しさを決定する。
どの側面が著しいかを決定するために,組織は,主に環境基準に基づく方法を確立し,可能な限り
多くの環境影響の種類を考慮に入れることが望ましい。評価の結果は,再現可能かつ一貫性のあるも
のであることが望ましい。
製品を設計又は再設計する場合の環境側面の著しさの評価は,その製品の前のモデル,市場における類
8
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
似製品又は仮説を基にして行ってもよい。
設計プロセスでは,組織は,全ての関連する環境側面を考慮し,環境目的の設定において,著しい環境
側面を確実に考慮することが望ましい。
5.3.2
法的及びその他の要求事項
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.3.2 法的及びその他の要求事項
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を
特定し,参照する。
b) これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。
組織は,その環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持するうえで,これらの適用可
能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れること。
適用可能な法的及びその他の要求事項を特定する場合,組織は,製品のライフサイクル全体にわたる環
境側面に関連する要求事項に特別な注意を払うことが望ましい。製品の設計・開発プロセスにおいては,
これらの要求事項を考慮することが望ましい(5.4.6.3参照)。
次に幾つかの例を示す。
− 組織及びその製品に関連する利害関係者からの要求事項(例えば,環境製品の法律,社会及び投資家
の期待によって提供された情報,供給者,非政府組織,融資団体,保険会社及び顧客のニーズ,傾向
及び期待から導かれる要求事項)
− 今後の方針展開(例えば,近い将来に適用される製品仕様,顧客への製品情報,こん(梱)包及び表
示に関する新しい法律及び国内及び国際規則に起因する規制及び義務)
− 製品に関連する環境規格(例えば,環境ラベルに関する国内又は国際規格及び自主協定)
− 組織が属する業界団体によって確立される,又は組織の環境製品戦略の考慮事項を通じて特定した製
品要求事項
この活動は,環境側面の特定の後又はそれと並行して行うことができる。
5.3.3
目的,目標及び実施計画
9
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.3.3 目的,目標及び実施計画
組織は,組織内の関連する部門及び階層で,文書化された環境目的及び目標を設定し,実施し,
維持すること。
目的及び目標は,実施できる場合には測定可能であること。そして,汚染の予防,適用可能な
法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守並びに継続的改善に関するコミットメ
ントを含めて,環境方針に整合していること。
その目的及び目標を設定しレビューするにあたって,組織は,法的要求事項及び組織が同意す
るその他の要求事項並びに著しい環境側面を考慮に入れること。また,技術上の選択肢,財務上,
運用上及び事業上の要求事項,並びに利害関係者の見解も考慮すること。
組織は,その目的及び目標を達成するための実施計画を策定し,実施し,維持すること。実施
計画は次の事項を含むこと。
a) 組織の関連する部門及び階層における,目的及び目標を達成するための責任の明示
b) 目的及び目標達成のための手段及び日程
関連のある目的の設定は,エコデザインプロセスの成功にとって主要な要素である。
組織の目的は,エコデザインプロセスだけでなく製品のライフサイクルにわたる環境影響の改善に焦点
が当てられていることが望ましい。
製品の環境側面に関連する目的は,次の事項があり得る。
− 水平型(組織の全ての種類の製品に適用可能)
− 製品固有のもの(5.4.6.3参照)
− エコデザインプロセス関連(6.3参照)
エコデザイン目的を設定するときには,他の製品関連の設計目的(例えば,機能,アクセシビリティ,
メンテナンス)に対して十分に配慮し,規制要求事項が妥協されず,かつ,これらの他の目的とのいかな
る設計上の矛盾も解決することを確実にする必要がある。
5.4
実施及び運用
5.4.1
資源,役割,責任及び権限
10
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.1 資源,役割,責任及び権限
経営層は,環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,改善するために不可欠な資
源を確実に利用できるようにすること。資源には,人的資源及び専門的な技能,組織のインフラ
ストラクチャー,技術,並びに資金を含む。
効果的な環境マネジメントを実施するために,役割,責任及び権限を定め,文書化し,かつ,
周知すること。
組織のトップマネジメントは,特定の管理責任者(複数も可)を任命すること。その管理責任
者は,次の事項に関する定められた役割,責任及び権限を,他の責任にかかわりなくもつこと。
a) この規格の要求事項に従って,環境マネジメントシステムが確立され,実施され,維持され
ることを確実にする。
b) 改善のための提案を含め,レビューのために,トップマネジメントに対し環境マネジメント
システムのパフォーマンスを報告する。
役割及び責任を定めるときに,製品の環境パフォーマンスの改善に共同で取り組むことができる組織の
他の部門も含め,製品の設計・開発プロセスに関与する部門に特別な注意が払われることが望ましい(例
えば,マーケティング,販売,生産,製品管理,顧客支援)。
5.4.2
力量,訓練及び自覚
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.2 力量,教育訓練及び自覚
組織は,組織によって特定された著しい環境影響の原因となる可能性をもつ作業を組織で実施
する又は組織のために実施するすべての人が,適切な教育,訓練又は経験に基づく力量をもつこ
とを確実にすること。また,これに伴う記録を保持すること。
組織は,その環境側面及び環境マネジメントシステムに伴う教育訓練のニーズを明確にするこ
と。組織は,そのようなニーズを満たすために,教育訓練を提供するか,又はその他の処置をと
ること。また,これに伴う記録を保持すること。
組織は,組織で働く又は組織のために働く人々に次の事項を自覚させるための手順を確立し,
実施し,維持すること。
a) 環境方針及び手順並びに環境マネジメントシステムの要求事項に適合することの重要性
b) 自分の仕事に伴う著しい環境側面及び関係する顕在又は潜在の環境影響,並びに各人の作業
改善による環境上の利点
c) 環境マネジメントシステムの要求事項との適合を達成するための役割及び責任
d) 規定された手順から逸脱した際に予想される結果
必要な力量を明確にするとき,組織は,製品の設計・開発に対して責任がある全ての人(組織からの要
員又は組織のために働く要員)を考慮に入れることが望ましい。組織は,これらの人々が,製品のライフ
サイクル全体にわたって製品に関連する環境側面及び影響を認識し,かつ,その知識をもつことを確実に
することが望ましい。他の分野と並行して,人々は,製品の環境側面の特定及び評価,並びに環境改善戦
略の特定ための方法論及びツールを適用するための,力量をもつか,又は力量を利用できることが望まし
11
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
い。
5.4.3
コミュニケーション
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.3 コミュニケーション
組織は,環境側面及び環境マネジメントシステムに関して次の事項にかかわる手順を確立し,
実施し,維持すること。
a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション
b) 外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて受け付け,文書化し,対応す
る
組織は,著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し,その決定
を文書化すること。外部コミュニケーションを行うと決定した場合は,この外部コミュニケーシ
ョンの方法を確立し,実施すること。
効果的な戦略は,外部及び内部のコミュニケーションを含む。組織は,次のコミュニケーションの側面
に対して注意を払い,対処し,重要な場合には処置をとることが望ましい。
a) 製品の設計・開発に直接的及び間接的に責任をもつ部門を含む,ボトムアップ,トップダウン及び水
平型の組織の様々な階層及び部門間での,製品の環境パフォーマンスに関する内部コミュニケーショ
ン
b) 外部の利害関係者との関連のコミュニケーション(例えば,非政府組織,バリューチェーン内の組織,
政府)。このコミュニケーションは,ライフサイクル全体に対する関連環境側面の分析に関して,様々
な利害関係者間の協力を支援する。さらに,この情報の共有は,異なる組織が,全体的な環境影響を
最小化するという目的をもって集まるときに初めて明らかになる解決策の構築を促進する(特に,“生
産”が,最も高い環境影響をもつライフサイクル段階ではない場合)。
c) 製品ライフサイクルに関与する異なる当事者(例えば,使用者,販売業者,リサイクル業者)に,生
産段階を超えて環境パフォーマンスを改善させるために必要な行動についての情報を提供する。この
情報は,製品の適切な使用,メンテナンス,及び使用済段階に関する手引を含むことができ,ユーザ
マニュアル(紙,電子媒体など),分解指示書及びその他の支援文書によって提供することができる。
このコミュニケーションは,次の事項に関する情報を含んでもよい。
− ライフサイクル全体(原材料の入手,製造,配送,使用/メンテナンス,使用済段階)にわたる,関
連するインプット(材料,エネルギー,水及びその他の資源の消費),及びアウトプット(廃棄物,排
出物など)
− 法規制要求事項(例えば,エネルギー効率ラベル)への適合
− 環境ラベル及び宣言
組織が,外部コミュニケーションに取り組み,具体化することを助ける幾つかの規格がある。例えば,
環境ラベル及び宣言のための原則,実施例及び要求事項を含むJIS Q 14020,JIS Q 14021,JIS Q 14024,
JIS Q 14025,又は環境コミュニケーションについての一般情報を提供するJIS Q 14063。
注記 外部コミュニケーションの方法は,守秘契約のような特定の合意のタイプを含む。
12
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.4.4
文書類
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.4 文書類
環境マネジメントシステム文書には,次の事項を含めること。
a) 環境方針,目的及び目標
b) 環境マネジメントシステムの適用範囲の記述
c) 環境マネジメントシステムの主要な要素,それらの相互作用の記述,並びに関係する文書の
参照
d) この規格が要求する,記録を含む文書
e) 著しい環境側面に関係するプロセスの効果的な計画,運用及び管理を確実に実施するために,
組織が必要と決定した,記録を含む文書
この細分箇条に関しては,追加の手引はない。JIS Q 14001の4.4.4における要求事項が,エコデザイン
プロセスのためのニーズを完全に網羅する。
5.4.5
文書管理
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.5 文書管理
環境マネジメントシステム及びこの規格で必要とされる文書は管理すること。記録は文書の一
種ではあるが,4.5.4に規定する要求事項に従って管理すること。
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 発行前に,適切かどうかの観点から文書を承認する。
b) 文書をレビューする。また,必要に応じて更新し,再承認する。
c) 文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする。
d) 該当する文書の適切な版が,必要なときに,必要なところで使用可能な状態にあることを確
実にする。
e) 文書が読みやすく,容易に識別可能な状態であることを確実にする。
f)
環境マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を
明確にし,その配付が管理されていることを確実にする。
g) 廃止文書が誤って使用されないようにする。また,これらを何らかの目的で保持する場合に
は,適切な識別をする。
この細分箇条に関しては,追加の手引はない。JIS Q 14001の4.4.5における要求事項が,エコデザイン
プロセスのためのニーズを完全に網羅する。
5.4.6
運用管理
5.4.6.1
一般
製品の設計・開発プロセスの設定には様々な方法があるが,この規格は,JIS Q 9001の7.3に規定する
方法による。その要求事項を枠の中で示し,さらに,エコデザインに関連する特定の手引を提供する。
13
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.6 運用管理
組織は,次に示すことによって,個々の条件の下で確実に運用が行われるように,その環境方
針,目的及び目標に整合して特定された著しい環境側面に伴う運用を明確にし,計画すること。
a) 文書化された手順がないと環境方針並びに目的及び目標から逸脱するかもしれない状況を管
理するために,文書化された手順を確立し,実施し,維持する。
b) その手順には運用基準を明記する。
c) 組織が用いる物品及びサービスの特定された著しい環境側面に関する手順を確立し,実施し,
維持すること,並びに請負者を含めて,供給者に適用可能な手順及び要求事項を伝達する。
組織は,エコデザインのプロセスが特定の条件の下で実行されることを確実にするために,次の事項を
行うことが望ましい。
− エコデザインを,既存の設計・開発プロセス(箇条6参照)に組み込むために,文書化された手順を
確立し,実施し,維持する。
− 請負者を含む供給者に対して,適用可能な手順及び要求事項を伝達する。例えば,外部の機関が設計
の遂行のために雇われた場合は,内部の手順との一貫性を確実にするために,その機関にエコデザイ
ンのアプローチに関する情報を提供することが望ましい。
5.4.6.2
設計・開発の計画
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.1 設計・開発の計画
組織は,製品の設計・開発の計画を策定し,管理しなければならない。
設計・開発の計画において,組織は,次の事項を明確にしなければならない。
a) 設計・開発の段階
b) 設計・開発の各段階に適したレビュー,検証及び妥当性確認
c) 設計・開発に関する責任及び権限
組織は,効果的なコミュニケーション及び責任の明確な割当てを確実にするために,設計・開
発に関与するグループ間のインタフェースを運営管理しなければならない。
設計・開発の進行に応じて,策定した計画を適切に更新しなければならない。
注記 設計・開発のレビュー,検証及び妥当性確認は,異なった目的をもっている。それら
は,製品及び組織に適するように,個々に又はどのような組合せでも,実施し,記録
することができる。
エコデザインは,設計・開発の計画の中核的要素であることが望ましい。とりわけ,組織は,設計・開
発段階においてどのように環境配慮事項を考慮するか,設計・開発のための環境関連の責任,権限及び設
計・開発段階のレビュー,検証及び妥当性確認においてどの環境基準を使用するのかを決定することが望
ましい。
5.4.6.3
設計・開発へのインプット
14
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.2 設計・開発へのインプット
製品要求事項に関連するインプットを明確にし,記録を維持しなければならない(4.2.4参照)。
インプットには,次の事項を含めなければならない。
a) 機能及び性能に関する要求事項
b) 適用される法令・規制要求事項
c) 適用可能な場合には,以前の類似した設計から得られた情報
d) 設計・開発に不可欠なその他の要求事項
製品要求事項に関連するインプットについては,その適切性をレビューしなければならない。
要求事項は,漏れがなく,あいまい(曖昧)でなく,相反することがあってはならない。
エコデザインに関連するインプットは,次の事項を含む。
− 水平形の目的及び目標に対応する環境要求事項(5.3.3参照)
− 設計又は再設計する製品に関する法的及びその他の要求事項に対応する設計要求事項(5.3.2参照)
5.4.6.4
設計・開発からのアウトプット
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.3 設計・開発からのアウトプット
設計・開発からのアウトプットは,設計・開発へのインプットと対比した検証を行うのに適し
た形式でなければならない。また,リリースの前に,承認を受けなければならない。
設計・開発からのアウトプットは,次の状態でなければならない。
a) 設計・開発へのインプットで与えられた要求事項を満たす。
b) 購買,製造及びサービス提供に対して適切な情報を提供する。
c) 製品の合否判定基準を含むか,又はそれを参照している。
d) 安全な使用及び適正な使用に不可欠な製品の特性を明確にする。
注記 製造及びサービス提供に対する情報には,製品の保存に関する詳細を含めることがで
きる。
製品の設計・開発プロセスからのアウトプットは,環境製品仕様のような設計・開発インプットに照ら
して検証を行うのに適した形式で提供されることが望ましい。この仕様は,製品のための環境目的及び目
標並びに製品のライフサイクルにわたって環境パフォーマンスを改善させるために主要な情報を取り扱う
ことが望ましい。
製品のライフサイクルに関与する当事者に向けられた文書は,このアウトプット情報を含むことができ
る(5.4.3参照)。
注記 環境パフォーマンスの改善のための情報は,リサイクル業者,ユーザ,メンテナンス業者など
への指示を含み得る。
5.4.6.5
設計・開発のレビュー
15
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.4 設計・開発のレビュー
設計・開発の適切な段階において,次の事項を目的として,計画されたとおりに(7.3.1参照)
体系的なレビューを行わなければならない。
a) 設計・開発の結果が,要求事項を満たせるかどうかを評価する。
b) 問題を明確にし,必要な処置を提案する。
レビューへの参加者には,レビューの対象となっている設計・開発段階に関連する部門を代表
する者が含まれていなければならない。このレビューの結果の記録,及び必要な処置があればそ
の記録を維持しなければならない(4.2.4参照)。
計画された取決めに従い,適切な段階で設計・開発の体系的なレビューを行うことが望ましい。
レビューは,ライフサイクルにわたるマイナスの環境影響の実質的な減少をもたらす場合を除いて,あ
るライフサイクル段階から別のライフサイクル段階へ,又はあるタイプから別のタイプへの,有害な環境
影響の移行がないこと,及び,当初の環境側面と比較して製品の設計・開発プロセスが新たに著しい環境
側面を生んでいないことを検証することが望ましい。
改善を評価するために,製品の環境側面の最初の特定及び評価のために使用した方法,仮定及び基準は
(5.3.1参照),設計・開発レビューの間に使用したものと整合を図り,使用することが望ましい。必要な
場合はいつでも,製品の環境側面の特定及び評価を,更新することが望ましい。
5.4.6.6
設計・開発の検証
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.5 設計・開発の検証
設計・開発からのアウトプットが,設計・開発へのインプットで与えられている要求事項を満
たしていることを確実にするために,計画されたとおりに(7.3.1参照)検証を実施しなければな
らない。この検証の結果の記録,及び必要な処置があればその記録を維持しなければならない
(4.2.4参照)。
検証では,設計仕様及び環境製品パフォーマンスデータによって設定された環境目的/目標に照らして,
詳細設計,時にはプロトタイプを点検することが望ましい。
5.4.6.7
設計・開発の妥当性確認
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.6 設計・開発の妥当性確認
結果として得られる製品が,指定された用途又は意図された用途に応じた要求事項を満たし得
ることを確実にするために,計画した方法(7.3.1参照)に従って,設計・開発の妥当性確認を実
施しなければならない。実行可能な場合にはいつでも,製品の引渡し又は提供の前に,妥当性確
認を完了しなければならない。妥当性確認の結果の記録,及び必要な処置があればその記録を維
持しなければならない(4.2.4参照)。
妥当性確認では,通常の使用状態における最終製品の動作を,環境製品仕様に照らして評価することが
16
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
望ましい。
5.4.6.8
設計・開発の変更管理
JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
7.3.7 設計・開発の変更管理
設計・開発の変更を明確にし,記録を維持しなければならない。変更に対して,レビュー,検
証及び妥当性確認を適切に行い,その変更を実施する前に承認しなければならない。設計・開発
の変更のレビューには,その変更が,製品を構成する要素及び既に引き渡されている製品に及ぼ
す影響の評価を含めなければならない。変更のレビューの結果の記録,及び必要な処置があれば
その記録を維持しなければならない(4.2.4参照)。
注記 “変更のレビュー”とは,変更に対して適切に行われたレビュー,検証及び妥当性確
認のことである。
引用されているJIS Q 9001の7.3.7の要求事項以外に,設計・開発の変更管理のための更なる手引はな
い。
5.4.7
緊急事態への準備及び対応
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.4.7 緊急事態への準備及び対応
組織は,環境に影響を与える可能性のある潜在的な緊急事態及び事故を特定するための,また
それらにどのようにして対応するかの手順を確立し,実施し,維持すること。
組織は,顕在した緊急事態や事故に対応し,それらに伴う有害な環境影響を予防又は緩和する
こと。
組織は,緊急事態への準備及び対応手順を,定期的に,また特に事故又は緊急事態の発生の後
には,レビューし,必要に応じて改訂すること。
組織は,また,実施可能な場合には,そのような手順を定期的にテストすること。
この細分箇条に関しては,追加の手引はない。JIS Q 14001の4.4.7における要求事項が,エコデザイン
プロセスのためのニーズを完全に網羅する。
5.5
点検
5.5.1
監視及び測定
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.5.1 監視及び測定
組織は,著しい環境影響を与える可能性のある運用のかぎ(鍵)となる特性を定常的に監視及
び測定するための手順を確立し,実施し,維持すること。この手順には,パフォーマンス,適用
可能な運用管理,並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報の文書化を含め
ること。
組織は,校正された又は検証された監視及び測定機器が使用され,維持されていることを確実
にし,また,これに伴う記録を保持すること。
17
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
監視及び測定は,エコデザインプロセス及び製品のライフサイクル全体にわたる環境影響に関連する組
織の目的及び目標との適合を評価するために必要な情報を含むことが望ましい。
JIS Q 14031に従って組織の環境パフォーマンスの進捗を監視及び測定するために,次の二つのカテゴリ
ーの指標を使用することができる。
− エコデザインのマネジメント又は組織へのエコデザインの導入に関する進捗を示すマネジメントパフ
ォーマンス指標
− 製品の環境パフォーマンスにおける進捗を示す,運用パフォーマンス指標
5.5.2
順守評価
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.5.2 順守評価
4.5.2.1 順守に対するコミットメントと整合して,組織は,適用可能な法的要求事項の順守を定
期的に評価するための手順を確立し,実施し,維持すること。
組織は,定期的な評価の結果の記録を残すこと。
4.5.2.2 組織は,自らが同意するその他の要求事項の順守を評価すること。組織は,この評価を
4.5.2.1にある法的要求事項の順守評価に組み込んでもよいし,別の手順を確立してもよい。
組織は,定期的な評価の結果の記録を残すこと。
順守評価は,生産以外のライフサイクル段階に関連する要求事項を含む,製品の環境側面に関連する法
的及びその他の要求事項を実施することが望ましい(5.3.2参照)。
5.5.3
不適合並びに是正処置及び予防処置
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.5.3 不適合並びに是正処置及び予防処置
組織は,顕在及び潜在の不適合に対応するための並びに是正処置及び予防処置をとるための手
順を確立し,実施し,維持すること。その手順では,次の事項に対する要求事項を定めること。
a) 不適合を特定し,修正し,それらの環境影響を緩和するための処置をとる。
b) 不適合を調査し,原因を特定し,再発を防ぐための処置をとる。
c) 不適合を予防するための処置の必要性を評価し,発生を防ぐために立案された適切な処置を
実施する。
d) とられた是正処置及び予防処置の結果を記録する。
e) とられた是正処置及び予防処置の有効性をレビューする。
とられた処置は,問題の大きさ,及び生じた環境影響に見合ったものであること。
組織は,いかなる必要な変更も環境マネジメントシステム文書に確実に反映すること。
この細分箇条に関しては,追加の手引はない。JIS Q 14001の4.5.3における要求事項が,エコデザイン
プロセスのためのニーズを完全に網羅する。
5.5.4
記録の管理
18
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.5.4 記録の管理
組織は,組織の環境マネジメントシステム及びこの規格の要求事項への適合並びに達成した結
果を実証するのに必要な記録を作成し,維持すること。
組織は,記録の識別,保管,保護,検索,保管期間及び廃棄についての手順を確立し,実施し,
維持すること。
記録は,読みやすく,識別可能で,追跡可能な状態を保つこと。
この細分箇条に関しては,追加の手引はない。JIS Q 14001の4.5.4における要求事項が,エコデザイン
プロセスのためのニーズを完全に網羅する。
5.5.5
内部監査
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.5.5 内部監査
組織は,次の事項を行うために,あらかじめ定められた間隔で環境マネジメントシステムの内
部監査を確実に実施すること。
a) 組織の環境マネジメントシステムについて次の事項を決定する。
1) この規格の要求事項を含めて,組織の環境マネジメントのために計画された取決め事項に
適合しているかどうか。
2) 適切に実施されており,維持されているかどうか。
b) 監査の結果に関する情報を経営層に提供する。
監査プログラムは,当該運用の環境上の重要性及び前回までの監査の結果を考慮に入れて,組
織によって計画され,策定され,実施され,維持されること。
次の事項に対処する監査手順を確立し,実施し,維持すること。
− 監査の計画及び実施,結果の報告,並びにこれに伴う記録の保持に関する責任及び要求事項
− 監査基準,適用範囲,頻度及び方法の決定
監査員の選定及び監査の実施においては,監査プロセスの客観性及び公平性を確保すること。
この細分箇条に関しては,追加の手引はない。JIS Q 14001の4.5.5における要求事項が,エコデザイン
プロセスのためのニーズを完全に網羅する。
5.6
マネジメントレビュー
19
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
4.6 マネジメントレビュー
トップマネジメントは,組織の環境マネジメントシステムが,引き続き適切で,妥当で,かつ,
有効であることを確実にするために,あらかじめ定められた間隔で環境マネジメントシステムを
レビューすること。レビューは,環境方針,並びに環境目的及び目標を含む環境マネジメントシ
ステムの改善の機会及び変更の必要性の評価を含むこと。マネジメントレビューの記録は,保持
されること。
マネジメントレビューへのインプットは,次の事項を含むこと。
a) 内部監査の結果,法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守評価の結果
b) 苦情を含む外部の利害関係者からのコミュニケーション
c) 組織の環境パフォーマンス
d) 目的及び目標が達成されている程度
e) 是正処置及び予防処置の状況
f)
前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
g) 環境側面に関係した法的及びその他の要求事項の進展を含む,変化している周囲の状況
h) 改善のための提案
マネジメントレビューからのアウトプットには,継続的改善へのコミットメントと首尾一貫さ
せて,環境方針,目的,目標及びその他の環境マネジメントシステムの要素へ加え得る変更に関
係する,あらゆる決定及び処置を含むこと。
マネジメントレビューは,組織の製品及びそのエコデザインプロセスの環境パフォーマンスを改善させ
る機会を評価し,かつ,意思決定及びとるべき処置のための枠組みを提供することが望ましい。
6
製品の設計・開発におけるエコデザイン活動
6.1
一般
この箇条は,ライフサイクル思考が最も基本的な原則となるエコデザインの一般的事項を取り扱う(6.2
参照)。エコデザインを実行する組織は,設計・開発の中核的要素としてエコデザインプロセスを確立し,
文書化し,実施し,維持することが望ましい。組織は,これらの活動を実施しながら,関連する結果及び
後に続く結論,並びに割り当てられている責任を文書化することが望ましい(5.4.6.2参照)。
6.2
ライフサイクル思考
エコデザインプロセスは,設計・開発プロセスの中で,製品のライフサイクル段階を通して著しい環境
側面を考慮することを要求する,ライフサイクル思考の概念に基づくことが望ましい。
ライフサイクル思考の主要な要素は,次の事項である。
a) 大局的にみた製品の有害な環境影響を最小化するという目的をもつ。
b) 製品の著しい環境側面を特定し,定性的に評価し,実現可能であれば,定量化する。
c) 環境側面間及び異なるライフサイクル段階間のトレードオフを考慮する。
これらの要素は,製品のライフサイクル全体にわたって,全体的な環境パフォーマンスを変更し,かつ,
改善させる多くの機会が存在する製品の設計・開発プロセスの,可能な限り早期の段階で開始されること
が望ましい。エコデザインによって影響される製品ライフサイクル段階の例は,原材料の取得,生産,販
20
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
売,流通,輸送,使用,サービスの提供,メンテナンス及び使用済段階である。
製品は,これらのライフサイクル段階の全てにおいて環境影響をもち,これらの環境影響は,設計・開
発によって左右される。あるライフサイクル段階の改善に関する設計上の決定事項は,製品ライフサイク
ルの他の段階において,有害な環境影響を及ぼし得る。組織は,特定のライフサイクル段階の環境影響へ
の考慮が,製品に関連する全体的な環境影響を有害な方向に変更しないことを確実にすることが望ましい。
6.3
エコデザインプロセス
設計上の解決策の選択は,様々な環境側面と,機能,技術的要求事項,品質,パフォーマンス,事業リ
スク,経済的側面といった,その他の関連する考慮事項とのバランスを達成することが望ましい。
規制の順守のために特定の属性が要求される場合(例えば,安全衛生,電磁両立性),環境目標を考慮に
入れてこれらを満たすことが望ましい。また,このことは,新技術の研究・開発にも適用される。
設計・開発においては,次の段階が実行されることが望ましい(5.4.6参照)。
a) 製品の機能を規定する。
b) 利害関係者の環境要求事項(6.5参照)及びインプット(5.4.6.3参照)の分析,並びに環境側面の評価
(6.4及び5.3.1参照)から,重要な環境パラメータを定義する。
c) 前段階において特定された環境側面及びパラメータに従って,製品の関連する環境改善戦略を特定す
る。
d) 環境改善戦略に基づいて環境目的/目標を策定する。
e) 環境目的/目標に対処する製品仕様を策定する(環境製品仕様)。
f)
他の設計考慮事項を考慮に入れながら,環境目的/目標を満たすための技術的解決法を策定する。
製品の設計・開発は,製品及び組織によって変化する。環境側面を製品の設計・開発プロセスに組み込
むための,様々なアプローチがある。
6.4
製品の環境アセスメント
製品の著しい環境側面を決定するとき,確立された手順に従って環境アセスメントを実行する(5.3.1参
照)。複雑性において非常に単純なものから非常に高度なものまで,様々な分析方法及びツールが利用可能
である。方法又はツールの選択は,例えば,組織の戦略,製品の種類,専門知識,時間,予算による。
6.5
利害関係者の環境要求事項の分析
エコデザインにおける最初のステップとして,組織は,関連の法的及びその他の利害関係者の要求事項
を理解することが望ましく,これは,環境側面の特定と併せて実行してもよい。これらの要求事項は,製
品が開発される基本的な枠組みを設定するのに役立つ(5.3.2参照)。
6.6
エコデザインのレビュー
設計レビューの中に,環境への考慮を取り込むことが望ましい。組織は,著しい環境側面が影響を受け
る又は主要な設計段階が完了するときは常に,製品が環境製品仕様で設定した目標を満たしているかどう
かを評価するための,レビューを行うことが望ましい。製品の環境目標が満たされていない場合には,現
在又は将来の設計のための改善処置を割り当て,実施することが望ましい(5.4.6.5参照)。
割り当てた処置を含む設計レビューの記録は,維持し,将来の設計・開発及び継続的改善活動のための
支援として役立てることが望ましい。
組織は,使用者及びその他の利害関係者からのフィードバック並びに新たな環境関連知識を考慮するた
めに,市場への発売後に,更なる製品レビューを行ってもよい。その結果は,エコデザインに組み込まれ
て継続的な製品改善を支援し,組織の方針及び手順の改正に組み込まれて将来の製品実現のための製品仕
21
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
様の基礎を設定する。
6.7
バリューチェーンの関与
エコデザインプロセスの一環として,バリューチェーンの中にある組織は,エコデザイン目的を達成す
るために,製品又は製品カテゴリーに関して互いに協力し,情報を伝達し合うことが望ましい(5.4.3参照)。
交換される情報の例には,次の事項が含まれる。
a) 製品実現,輸送又は製品の使用時における関連するエネルギー及び資源の使用
b) 製品に起因する排出物
c) 製品の構成部品,材料及び/又は部分組立品の環境データ及び初期の分析/アセスメントに関する知
識
d) その製品に関する経験に基づく,個々の利害関係者の観点から導かれる可能な設計改良
エコデザインに関する情報をどのように利害関係者に提供するかについての更なる手引は,JIS Q 14063
を参照。
注記1 バリューチェーンは,必ずしも組織の外部ということではない。マーケティング,計画,設
計,購買,製造及び試験といった組織の部門は全て,内部バリューチェーンの一部を形成す
る。
注記2 サプライチェーンは,製品の使用及び使用済段階を含むバリューチェーンの一部である。
22
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
トップマネジメント及びエコデザインに関する戦略的課題
A.1 一般
多くの組織にとって,コスト削減(例えば,エネルギー及び材料使用の削減によって),法的義務への適
合,並びに組織及びその製品の環境影響の低減の可能性から,エコデザインは重要になってきている。同
時に,地球温暖化,資源の枯渇及び汚染に対する関心に伴い,製品の環境影響の低減に対して顧客の期待
も高まってきている。
エコデザインのアプローチは,組織の長期的成功に不可欠な競争優位性の獲得に資することができる。
したがって,エコデザインは,製品の設計・開発プロセスの一部であることが望ましく,また,環境マネ
ジメントシステム(EMS)に組み込むことが望ましい。この附属書は,JIS Q 14001に規定しているよう
なEMSにエコデザインを組み込む場合の,トップマネジメントの役割に関する箇条4の内容に対して,
補足的な情報を提供する。
A.2 エコデザインに影響を与える要因
エコデザイン戦略を確立するときには,次の外的要因を考慮することが重要である。
a) 例えば,次に示すような,組織が製品の環境パフォーマンスを改善することを促進するもの。
− 環境に関する法律
− 顧客及びその他の利害関係者の環境に関する意見及び認識
− 競合
− 非政府組織(NGO)によって表明される環境要求事項
b) 例えば,次に示すような,組織の製品の環境パフォーマンスの改善に必要な財務上,技術上又は資源
上の支援を提供するもの。
− 特に投資機会に関連した,環境問題に対する金融界の関心の高まり
− バリューチェーン(供給者,リサイクル業者)の各々の部分からの貢献
− 研究機関,大学及び業界団体の環境知識
− 技術の発展
利害関係者は,戦略,及び社会的ニーズを満たす新製品を提供できる方法を考案することに関して,組
織と協力するための重要な役割を担うこともある。 また,利害関係者は,そのような戦略的目的のその後
の実施にとっても重要である。多くの場合,これは新しいパートナーシップ又は同盟の確立を要求するか
らである。
A.3 エコデザインの戦略的側面
A.3.1 戦略的製品計画
A.2で記述されているような,エコデザインに影響を与え,かつ,支援する要因及び利害関係者との関
係性の探索は,戦略的製品計画へのインプットとなる。このインプットは,技術的,経済的及び社会的側
面とのバランスを保つことが望ましい。このことを考慮すると,エコデザインのための優先付けを設定す
23
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ることができる。これらの優先付けは,次の事項を含んでもよい。
a) 環境的な焦点。例えば,排出,資源又は毒性の問題
b) 組織的な焦点。例えば,法令順守,コスト削減,又は市場シェアの拡大(又はこれらの組合せ)。
c) 顧客重視。これは価格に対する一次的関心から製品の特徴又は美観デザインに対する一次的関心まで
大きく異なり得る。
エコデザインの優先付けは,組織の意図を適切に反映するように更に詳細化することができる。これは,
エコデザインを製品の設計・開発へ導入することに役立ち得る(箇条6参照)。
A.3.2 環境パフォーマンスのための目的の設定
環境パフォーマンスのための目的の設定は,主に,エコデザインに関する組織の方針及び戦略に依存す
る(A.2参照)。組織は,守りの姿勢をとることもできれば攻めの姿勢をとることもできる。組織は,コス
ト削減と相関するエコデザインに重点を置くこともできれば,環境を意識した製品の市場への投入を通じ
て,売り上げの増加に焦点を合わせることもできる。採択される戦略にかかわらず,環境目的は,測定可
能であり,時間枠を決め,かつ,達成のための責任者を明示することが望ましい。改善/削減のための具
体的な形式は,排出の量若しくは割合,又は関連の物理的パラメータを含むことができる。
A.3.3 革新及び新規事業開発の促進
革新は,組織がその競争力を高めるための一つの方法である。様々な規模の積極的な組織における経験
によれば,エコデザイン戦略は,革新への刺激を提供できる。組織の戦略的環境選択,その分野の競争相
手の中核活動の監視,及び利害関係者との対話は,革新を進めるための基礎を提供する。機能性・ライフ
サイクル思考・汚染予防・効率的な資源活用・伝統的習慣の変更といったエコデザインの原則も,新しい
タイプの事業経営の開発のための着想を提供することができる。
A.3.4 価値創造への貢献
製品の価値は,物理的,経済的,ときには無形であったり感情に訴えたりする製品の機能性によって決
定される。エコデザインは,次のように,機能性に良い影響を及ぼすことができる。
a) エネルギー消費量及び材料使用量は,物理的機能性につながる。例えば,より小さく,より軽い製品
などである。
b) 材料及びエネルギーの削減,こん(梱)包及び輸送の削減並びに分解しやすく設計された製品は,輸
送コストの削減,使用者に対するエネルギーコストの削減などの経済的な機能性に関連する。
c) 材料の審美性及び耐久性は,感情に訴える機能性の要素となり得る。
エコデザインは,製品の環境影響の低減という本来の目的と並行して,価値創造に実質的に貢献するこ
とができる。社会の発展,利害関係者の認識,とりわけ顧客の認識は,エコデザインによる潜在的な価値
創造を大きく左右する。このような課題の分析は,包括的なエコデザイン戦略においてエコデザインのど
の観点を取り扱うべきかを示す。
A.3.5 エコデザイン目的のレビュー
トップマネジメントは,市場に投入される製品との関連においてA.3.2で強調されているエコデザイン
目的が達成されていること,及びそれらの適切性の維持について,定期的にレビューすることが望ましい。
取り上げることができる一連の詳細な課題が5.6に示されている。レビューは,エコデザインの実施の初
めに利用することができる。組織外部の進展をレビューすることで,現状のエコデザイン戦略の再構築に
役立てることができる。そのような進展には,次の事項が挙げられる。
24
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 新しい環境方針又は法律
b) 顧客のし(嗜)好又は要望の変化
c) 利害関係者によって提起される新しい課題
d) 競争相手によるエコデザイン活動
A.4 エコデザインの内部プロセスのマネジメント
A.4.1 採択されたエコデザイン戦略の実施
エコデザイン戦略を実施するために,経営層は,運用上の計画及び管理において,エコデザインの課題
に取り組む必要がある。マネジメント及び設計の両方のレベルで,環境側面を製品の設計・開発に組み込
むことが,エコデザインの効果的な実施に不可欠である(箇条5及び箇条6参照)。このことは,エコデザ
インの課題を,マネジメントの思考,報告及び実践の中に構築する必要があることを意味する。
製品のエコデザインのための戦略的方向性及び目的を設定した後,トップマネジメントは,環境目的を
達成するために要求される活動の実施及び維持を支援することが望ましい。
トップマネジメントの行動は,十分な財務的及び人的資源の割当てを含む,手順,実施計画,ロードマ
ップ及び目標の効果的な実施を可能にすることが望ましい(5.4.1も参照)。効果的に実施するための計画
においては,各部門,とりわけ製品の設計・開発プロセスに関与する部門,さらにマーケティング,販売,
生産,環境,調達及びサービス部門も,完全な内部のバリューチェーンの中で関与する。
A.4.2 部門横断的アプローチ
A.4.2.1 設計,生産,工学,マーケティング,環境,品質,購買,サービス提供といった関連領域及び関
連部門の関与によって,組織における製品の設計・開発への環境側面の組み込みが,成功をより確実にす
る。これらの部門に関与する人々の数は,多くの場合,組織の規模に応じて変化する。
部門横断的アプローチの狙いは,関連のある全ての部門が設計・開発プロセスの最も早期の段階での環
境改善に貢献し,かつ責任を負い,市場投入及び製品レビューまでのプロセス全体にわたって関与し続け
ることを確実にすることである。A.4.2.2及びA.4.2.3に,エコデザインの実施に関与する部門の主要な任
務及びそれに携わる人(括弧の中)を示す。
A.4.2.2 短期的なもの
a) 製品の設計・開発における創造的解決策の研究及び実施(製品企画者,開発者及び設計者)
b) 代替設計,製造,材料又はプロセスの技術的な実行可能性についての調査及び情報提供(開発者,設
計者)
c) 提案されている解決策/改善の環境側面及び妥当性確認に関する検討及び文書化(環境専門家)
d) 内部のバリューチェーンからのコミュニケーション及びコミットメント(購買担当者,マーケティン
グ及び販売担当者,環境専門家)
e) 外部のバリューチェーンからのコミュニケーション及びコミットメント(供給者,小売り業者,顧客,
リサイクル業者及び処分業者)
f)
材料及び構成部品/部分組立品に関するデータの収集及び文書化,並びに供給者への組織の環境要求
事項についての情報の提供(購買マネージャ)
g) 供給者の生産又は使用済段階プロセスの技術的パフォーマンスの点検(購買担当者,エンジニア)
A.4.2.3 長期的なもの
a) 前の世代の製品,競争相手の製品などから基準となる環境測定システムを構築する(経営層)。
b) 法律・環境規制の制定,競争相手の環境部門における新しい進展を考慮し,追跡する(環境専門家)。
25
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 訓練及び教育を通じて環境意識を高める(環境専門家,教育訓練実施者)。
d) 将来の活動及び顧客のニーズを評価し,製品開発及び最終製品の価格付けの方向性に関する戦略的情
報を提供する(製品マネージャ,マーケティング及び販売マネージャ)。
A.4.3 バリューチェーンの関与
バリューチェーンマネジメントは,供給者,下請業者,運送会社,取引小売り業者,顧客,リサイクル
業者,廃棄物処理業者及びその他の“使用済段階”の関係者との相互作用を取り扱う。これらの相互作用
は,組織がバリューチェーンに及ぼし得る影響に応じて異なる特徴をもつことがある。バリューチェーン
マネジメントとともに,次の事項を考慮してもよい。
a) 供給者及び顧客の,環境情報及び認識の量及び質を向上させる。
b) バリューチェーンの中の関係者の環境パフォーマンスをベンチマークする。
c) バリューチェーン内の組織のための環境要求事項を明確化し,議論する(例えば,供給者の基準又は
環境測定システムの使用)。
d) 供給者及びリサイクル業者を製品の再設計に関与させる。
e) こん(梱)包,材料,構成部品/部分組立品又は製品全体の再利用及びリサイクルとの関連で実施計
画を策定する。
A.4.4 内部及び外部コミュニケーション
コミュニケーション戦略は,内部及び外部のバリューチェーンマネジメントプロセスの中核的要素であ
る。
内部コミュニケーションは,次の事項に関する情報を従業員に提供することができる。
a) 組織の方針及び実施計画
b) 成功する環境プロジェクト又は製品
c) 個人的に貢献する機会
d) 環境課題,実施計画及びツールに関する訓練コース
e) 定期査定において,持続可能性分野におけるパフォーマンスがどのように考慮されるか。
さらに,このようなコミュニケーションは,製品の設計・開発課題について従業員からフィードバック
を得る仕掛けとして活用できる。
外部コミュニケーションは,組織の運営に関する環境側面を組み込むことの価値及び便益を高めるため
に活用できる。これは,顧客及び供給者といった利害関係者に対するコミュニケーションであり得る。こ
れは,次の事項に関する情報を含むことができる。
− 顧客,供給者及び社会にとっての便益
− 製品特性(パフォーマンス,環境側面など)
− 製品の適切な使用,輸送,メンテナンス及び使用済段階管理
注記 環境コミュニケーションに関する更なる情報は,JIS Q 14063を参照。
A.4.5 組織レベルでのエコデザイン活動のレビュー
採択されたエコデザイン戦略を実現させるためには,運用上の責任者,時間枠及び成果物が必要である。
これらの要素が揃えば,組織におけるエコデザインの展開の方法を測定することが可能となる。そのよう
な測定には,非常に単純なものから非常に高度なものまで多くの形態がある。どの形態が採択されるにせ
よ,パフォーマンス測定は,是正処置,査定,責任者への動機付けなどの様々な課題への取組みを可能に
26
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
する。
27
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
JIS Q 14006とエコデザインに関する他の規格との相関関係
B.1 JIS Q 14006とエコデザインに関する他との規格の相関関係
図B.1に示すとおり,この規格の箇条5は,エコデザインを実行するために必要なこれらの規格の全て
の要素を結び付ける。
28
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図B.1−JIS Q 14006 箇条5とエコデザインに関する他の規格との相関関係
PLAN
ACT
DO
CHECK
5.2 環境方針
5.3.1 環境側面
5.3.2 法的及びその他の要求事項
5.3.3 目的,目標及び実施計画
5.5.3 不適合並びに是正処置及
び予防処置
5.6 マネジメントレビュー
5.5.1 監視及び測定
5.5.2 順守評価
5.5.4 記録の管理
5.5.5 内部監査
5.4.1 資源,役割,責任及び権限
5.4.2 力量,訓練及び自覚
5.4.3 コミュニケーション
5.4.4 文書類
5.4.5 文書管理
5.4.6 運用管理
5.4.7 緊急事態への準備及び対応
P
L
A
N
D
O
C
H
E
C
K
A
C
T
計画
概念設計
詳細設計
試験
試作品
設計仕様
製造への移行
5.4.6.1 一般
5.4.6.2 設計・開発の計
画
5.4.6.3 設計・開発への
インプット
5.4.6.4 設計・開発から
のアウトプット
5.4.6.5 設計・開発のレ
ビュー
5.4.6.6 設計・開発の検
証
5.4.6.7 設計・開発の妥
当性確認
5.4.6.8 設計・開発の変
更管理
JIS Q 9001:2008 7.3
TR Q 0007:2008
2
Q
1
4
0
0
6
:
2
0
1
2
(I
S
O
1
4
0
0
6
:
2
0
11
)
29
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.2 JIS Q 14006:2012とJIS Q 14001:2004及びJIS Q 9001:2008との対比表
表B.1は,JIS Q 14006:2012とJIS Q 14001:2004及びJIS Q 9001:2008との対比表を示している。
表B.1−JIS Q 14006:2012とJIS Q 14001:2004及びJIS Q 9001:2008との対比表
JIS Q 14001:2004
JIS Q
14006:2012
箇条5
JIS Q 9001:2008
環境マネジメントシステム要求事
項(表題だけ)
4.
5
4
品質マネジメントシステム(表題だけ)
一般要求事項
4.1
5.1
4.1
一般要求事項
環境方針
4.2
5.2
5.1
5.3
8.5.1
経営者のコミットメント
品質方針
継続的改善
計画(表題だけ)
4.3
5.3
5.4
計画(表題だけ)
環境側面
4.3.1
5.3.1
5.2
7.2.1
7.2.2
顧客重視
製品に関連する要求事項の明確化
製品に関連する要求事項のレビュー
法的及びその他の要求事項
4.3.2
5.3.2
5.2
7.2.1
顧客重視
製品に関連する要求事項の明確化
目的,目標及び実施計画
4.3.3
5.3.3
5.4.1
5.4.2
8.5.1
品質目標
品質マネジメントシステムの計画
継続的改善
実施及び運用(表題だけ)
4.4
5.4
7
製品実現(表題だけ)
資源,役割,責任及び権限
4.4.1
5.4.1
5.1
5.5.1
5.5.2
6.1
6.3
経営者のコミットメント
責任及び権限
管理責任者
資源の提供
インフラストラクチャー
力量,教育訓練及び自覚
4.4.2
5.4.2
6.2.1
6.2.2
(人的資源)一般
力量,教育・訓練及び認識
コミュニケーション
4.4.3
5.4.3
5.5.3
7.2.3
内部コミュニケーション
顧客とのコミュニケーション
文書類
4.4.4
5.4.4
4.2.1
(文書化に関する要求事項)一般
文書管理
4.4.5
5.4.5
4.2.3
文書管理
運用管理
4.4.6
5.4.6
5.4.6.1
5.4.6.2
5.4.6.3
5.4.6.4
5.4.6.5
5.4.6.6
5.4.6.7
5.4.6.8
7.1
7.2.1
7.2.2
7.3.1
7.3.2
7.3.3
7.3.4
7.3.5
7.3.6
7.3.7
7.4.1
7.4.2
7.4.3
7.5.1
製品実現の計画
製品に関連する要求事項の明確化
製品に関連する要求事項のレビュー
設計・開発の計画
設計・開発へのインプット
設計・開発からのアウトプット
設計・開発のレビュー
設計・開発の検証
設計・開発の妥当性確認
設計・開発の変更管理
購買プロセス
購買情報
購買製品の検証
製造及びサービス提供の管理
30
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.1−JIS Q 14006:2012とJIS Q 14001:2004及びJIS Q 9001:2008との対比表(続き)
JIS Q 14001:2004
JIS Q
14006:2012
箇条5
JIS Q 9001:2008
運用管理
4.4.6
7.5.2
7.5.5
製造及びサービス提供に関するプロセスの
妥当性確認
製品の保存
緊急事態への準備及び対応
4.4.7
5.4.7
8.3
不適合製品の管理
点検(表題だけ)
4.5
5.5
8
測定,分析及び改善(表題だけ)
監視及び測定
4.5.1
5.5.1
7.6
8.1
8.2.3
8.2.4
8.4
監視機器及び測定機器の管理
(測定,分析及び改善)一般
プロセスの監視及び測定
製品の監視及び測定
データの分析
順守評価
4.5.2
5.5.2
8.2.3
8.2.4
プロセスの監視及び測定
製品の監視及び測定
不適合並びに是正処置及び予防処
置
4.5.3
5.5.3
8.3
8.4
8.5.2
8.5.3
不適合製品の管理
データの分析
是正処置
予防処置
記録の管理
4.5.4
5.5.4
4.2.4
記録の管理
内部監査
4.5.5
5.5.5
8.2.2
内部監査
マネジメントレビュー
4.6
5.6
5.1
5.6
5.6.1
5.6.2
5.6.3
8.5.1
経営者のコミットメント
マネジメントレビュー(表題だけ)
(マネジメントレビュー)一般
マネジメントレビューへのインプット
マネジメントレビューからのアウトプット
継続的改善
31
Q 14006:2012 (ISO 14006:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
[1] JIS Q 9000 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格:ISO 9000,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)
[2] JIS Q 9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
注記 対応国際規格:ISO 9001:2008,Quality management systems−Requirements(IDT)
[3] JIS Q 9004 組織の持続的成功のための運営管理−品質マネジメントアプローチ
注記 対応国際規格:ISO 9004,Managing for the sustained success of an organization−A quality
management approach(IDT)
[4] JIS Q 14001:2004 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
注記 対応国際規格:ISO 14001:2004,Environmental management systems−Requirements with guidance
for use(IDT)
[5] JIS Q 14020 環境ラベル及び宣言−一般原則
注記 対応国際規格:ISO 14020,Environmental labels and declarations−General principles(IDT)
[6] JIS Q 14021 環境ラベル及び宣言−自己宣言による環境主張(タイプII環境ラベル表示)
注記 対応国際規格:ISO 14021,Environmental labels and declarations−Self-declared environmental
claims (Type II environmental labelling)(IDT)
[7] JIS Q 14024 環境ラベル及び宣言−タイプI環境ラベル表示−原則及び手続
注記 対応国際規格:ISO 14024,Environmental labels and declarations−Type I environmental labelling
−Principles and procedures(IDT)
[8] JIS Q 14025 環境ラベル及び宣言−タイプIII環境宣言−原則及び手順
注記 対応国際規格:ISO 14025,Environmental labels and declarations−Type III environmental
declarations−Principles and procedures(IDT)
[9] JIS Q 14031 環境マネジメント−環境パフォーマンス評価−指針
注記 対応国際規格:ISO 14031,Environmental management−Environmental performance evaluation
−Guidelines(IDT)
[10] TR Q 0007:2008 環境適合設計
注記 対応国際規格:ISO/TR 14062:2002,Environmental management−Integrating environmental aspects
into product design and development(IDT)
[11] JIS Q 14063 環境マネジメント−環境コミュニケーション−指針及びその事例
注記 対応国際規格:ISO 14063,Environmental management−Environmental communication−
Guidelines and examples(IDT)
[12] JIS C 9910 電気・電子製品の環境配慮設計
注記 対応国際規格:IEC 62430,Environmentally conscious design for electrical and electronic products
(IDT)