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目 次
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序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 性能······························································································································· 2
5 試験······························································································································· 2
5.1 一般 ···························································································································· 2
5.2 連続測定法による試験 ···································································································· 2
5.3 間欠測定法による試験 ···································································································· 2
6 調製······························································································································· 3
7 保存······························································································································· 3
8 報告······························································································································· 3
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)及び一般
財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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パルプ−物理試験用標準水
Pulps-Standard water for physical testing
序文
この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 14487を基とし,規格利用者の利便性の向上を図る
ため技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
パルプ懸濁液の電解質(塩類)の濃度は,かなりろ水性に影響を与える。そのため,幾つかの試験に使
用する水は,電解質の量に関する必要条件に合致していることが重要である。電解質は,濃度が低い場合
でも,ろ水性に大きく影響を与える。一般的なパルプは,電解質を含んでいる。これによってパルプ懸濁
液の塩濃度は高くなり,ろ水性も高くなる。
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適用範囲
この規格は,実験室でのこう(叩)解を含め,ろ水性が重要である試験に使用するパルプ懸濁液の調製
に用いる標準水について規定する。全ての種類のパルプに適用する。
注記1 多くのパルプは,電解質を含んでおり,パルプ懸濁液中の電解質濃度は,試験中でも変動し
ている。パルプ由来の電解質の影響を減らしたい場合は,ISO 14436に記載の電気伝導率40
mS/mを超える標準水道水を用いて電解質濃度の変動を抑えることができる。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14487:1997,Pulps−Standard water for physical testing(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0552 超純水の電気伝導率試験方法
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
ISO 14436:2010,Pulps−Standard tap water for drainability measurements−Conductivity 40 mS/m to 150
mS/m
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS P 0001によるほか,次による。
3.1
標準水(standard water)
25 ℃で0.25 mS/m以下の電気伝導率に精製した水。
3.2
電気伝導率(electrical conductivity)
溶液がもつ電気抵抗率(Ω・m)の逆数。S/mの単位で表すが,この規格ではmS/mを用いる。25 ℃での
値を用いる。
4
性能
標準水は,箇条6によって調製し,箇条5による試験を行ったとき,電気伝導率が25 ℃で0.25 mS/m
以下でなければならない。
5
試験
5.1
一般
水の電気伝導率を確認するための試験方法は,次による。
5.2
連続測定法による試験
5.2.1
一般
水精製装置の出口に,JIS K 0557に規定するA1の水(表1参照)であらかじめ十分に洗浄した試料導
入管を取り付け,試験する水を十分に流して洗浄してから,流量及び温度を調節し,流液形の検出器に直
接導入する。必要に応じて恒温槽を検出器の前に置く。流量を変えても,電気伝導率が変化しないことを
確認する。
注記 試料導入管には軟質のポリエチレン管,シリコーンゴム管などを用いるのがよい。
表1−水の種別及び質(JIS K 0557による)
項目
水の種別及び質
A1
A2
A3
A4
電気伝導率mS/m(25 ℃)
0.5以下
0.1以下
0.1以下
0.1以下
有機体炭素(TOC)mgC/l
1以下
0.5以下
0.2以下
0.05以下
亜鉛 μgZn/l
0.5以下
0.5以下
0.1以下
0.1以下
シリカ μgSiO2/l
−
50以下
5.0以下
2.5以下
塩化物イオン μgCl-/l
10以下
2以下
1以下
1以下
硫酸イオン μgSO42-/l
10以下
2以下
1以下
1以下
5.2.2
測定
測定は,JIS K 0552の4.1(連続測定法)による。
5.3
間欠測定法による試験
5.3.1
一般
水精製装置の出口水を試料容器に採取して試験する場合に適用する。試験は,できるだけ試料採取後す
ぐに行う。
注記 容器に入れられた状態のものは,5.3.4の試料採取は行わずに適量(例えば,100 ml)を三角フ
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ラスコ又はビーカに採取して試験する。
5.3.2
試料容器
試料容器は,硬質ガラス,ポリエチレンなどの不純物の溶出及び吸着の少ない材質の気密容器を用いる。
5.3.3
試料容器の洗浄方法
試料容器の洗浄は,次のように行う。
a) A1(表1参照)の水で十分に洗浄する。
b) 試料容器に容量の約1/4のA1(表1参照)の水を入れ,栓をして約30秒間激しく混ぜて洗浄する。
この操作を5回繰り返す。
c) A3(表1参照)の水(又は試験する水と同等の水)を満たし,密栓して16時間以上放置した後,水
を捨てる。
d) c)と同じ水を満たし,密栓して試料採取時まで放置する。
5.3.4
試料採取
試料採取は,次のように行う。
a) 水精製装置の出口に,あらかじめA1(表1参照)の水で十分に洗浄した試料導入管を取り付ける。
b) 試料容器の水を捨て,試験する水で5.3.3 b)の操作を行う。
c) 試料容器の底部に試料導入管の先端が接するようにし,試料を試料容器の容量の約5倍を流出させた
後,試料導入管を取り出し,よく洗浄した栓で密栓する。
5.3.5
測定
測定は,JIS K 0552の4.2(間欠測定法)による。
6
調製
標準水は,蒸留,イオン交換,逆浸透又はその他の適切な方法によって調製する。
7
保存
保存中の水の汚染は,主にガラス若しくはプラスチック容器由来の水溶性成分が溶け込むこと,又は空
気中の二酸化炭素及び実験室の空気中にある不純物を吸収することによって生じる。
このため,空気中の不純物,並びに容器及びチューブ類の素材由来の溶解成分が標準水に混入すること
を防がなければならない。標準水は,不活性で,清浄で,密閉できる適切な容器に満充塡して暗所に保存
し,容器は保存する水と同じ純度の水で徹底的にすすいでおかなければならない。
8
報告
標準水を用いたパルプ懸濁液から得た,又はその懸濁液から作成した試験用手すき紙から得た試験結果
を報告する際には,使用した水がこの規格に適合した標準水であることを明確に報告に記載しなければな
らない。具体的には,報告に,必要に応じて次の事項を記録する。
a) 参照したJIS及びISO規格
b) 試料の採取方法
c) 試験年月日及び試験場所
d) 測定した装置の名称及び形式
e) 試験結果
f)
この規格に記載していない方法で操作を行った内容,及び実験結果に影響する事項全て
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS P 8216:2018 パルプ−物理試験用標準水
ISO 14487:1997,Pulps−Standard water for physical testing
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2 引用規格
−
−
2
Conformance
削除
Conformance(規格適合性)を削除
した。
JISではConformance(規格適合
性)は不要と判断した。ISOへの
改訂提案はしない。
3 用語及び
定義
3.2 電気伝導率
3
−
追加
定義を追加した。
JISでは技術の内容をより分かり
やすく記載した。技術的差異はな
い。ISO規格の見直しの際,提案
を行う。
4 性能
標準水の電気伝導
率などを規定。
−
−
変更・追
加
様式変更のため,追加した。
分かりやすくするため様式を変更
したものであり,技術的な差異は
ない。ISO規格の見直しの際,提
案を行う。
5 試験
5.2連続測定法によ
る試験
5.3間欠測定法によ
る試験
4
4.1 Apparatus
4.2 Procedure
追加・変
更
試験装置に関する記載は引用した
試験方法の中に記載されている。
試験方法について具体的に記載し
た。
JISでは試験方法の内容を分かり
やすく記載した。ISO規格の見直
しの際,提案を行う。
8 報告
報告事項
a)〜f)
7
Test Report
追加
報告内容を具体的に記載した。
JISでは報告内容を具体的に記載
した。技術的差異はない。ISO規
格の見直しの際,提案を行う。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14487:1997,MOD
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2
1
6
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0
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注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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