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P 8212 : 1998 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

P 8212 : 1998 

パルプ−拡散青色光反射率 
(ISO白色度)の測定方法 

Pulps−Measurement of diffuse blue reflectance factor (ISO brightness) 

序文 この規格は,1977年に第1版として発行されたISO 3688, Pulps−Measurement of diffuse blue 

reflectance factor (ISO brightness) を基に作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていな

い規定内容(結果の数値の丸め方)を日本工業規格として変更規定した。 

 なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,パルプの白色光拡散照明青色光反射率(ISO白色度)の測定方法について規

定し,すべての木材パルプ及び他のほとんどの種類のパルプに適用できる。 

備考1. 木綿及び亜麻などの長いパルプ繊維は,適度な長さに切断してから試験を行う。 

2. 蛍光物質を添加したパルプには適用できない。 

参考 蛍光物質をパルプに添加することは極めてまれであるが,サルファイトパルプの中にはリ

グニンが弱い蛍光を出すものもある。これは,青色光反射率を測定する場合には支障はな

い。 

3. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 3688 : 1977 Pulps−Measurement of diffuse blue reflectance factor (ISO brightness) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS P 8201 製紙用パルプの試料採取方法 

JIS P 8220 パルプ−離解方法 

備考 ISO 5263 :1995, Pulps-Laboratory wet disintegrationが,この規格と対応している。 

JIS Z 8105 色に関する用語 

JIS Z 8120 光学用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 

P 8212 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ISO 2469 Paper, board and pulps−Measurement of diffuse reflectance factor 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001, JIS P 3801, JIS Z 8105, JIS Z 8120及びJIS Z 

8722によるほか,次による。 

a) 反射率 (reflectance factor) R 同一条件下において,完全拡散反射面によって反射された放射に対し,

物体によって反射された放射の比率を百分率で表した値。 

b) 固有反射率 (intrinsic reflectance factor) R∞ 十分不透明な厚い材料の反射率。 

c) 拡散青色光反射率(ISO白色度) [diffuse blue reflectance factor (ISO brightness)] ISO 2469に規定さ

れた反射率計を使って,有効波長457nmで測定した固有反射率。以下,ISO白色度という。 

4. 試薬・器具 試薬・器具は,次による。 

a) 試薬 

1) 水 蒸留水又はこれと同等の純度のもので,着色物質,鉄イオン及び銅イオンを含まない水。 

2) EDTA5g/l溶液 JIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物

(C10H14O8N2Na2・2H2O,以下,EDTAという。)5gを1lの水に溶解する。 

参考 未ざらしサルファイトパルプの中には,銅又は鉄のような金属イオンが存在すると赤くなるも

のがある。EDTAはこれらのイオンと錯体を作り,通常赤くならないようにするが,既に発色

したものには効果がない。したがって,退色させる金属イオンがわずかに存在する場合でも,

この試薬を蒸留水に加えてからパルプを離解することによって,最初の状態のパルプの白色度

の評価が可能である。 

3) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを1l当たり40g含む,約1mol/l溶液。 

4) 硫酸 JIS K 8951に規定する硫酸を1l当たり28ml含む,約0.5mol/l溶液。 

b) ろ紙A(ろ過用) 蛍光物質及び可溶性の不純物を含まない直径110mmのろ紙で,中程度の堅さをも

ち,高速にろ過できるもの。 

参考 JIS P 3801に規定する2種のようなろ紙が適当である。 

c) ろ紙B 蛍光物質及び可溶性の不純物を含まない直径125mm以上のろ紙で,非常に堅く,ゆっくりろ

過できるもの。定性用,又は定量用のろ紙。 

参考 現在我が国で市販されているろ紙では,坪量325g/m2程度のものがよい。 

d) 吸取紙 プレス時にパルプシートの間に挟んで吸水するのに適したもの。坪量は約225〜340g/m2で,

蛍光物質及び可溶性の不純物を含まないもの。 

参考 325g/m2程度の坪量が適切である。 

e) 円形プレート 直径125mm以上,厚さが1〜1.5mmのもので,クロムめっきした金属,ステンレス,

又は剛直な樹脂(例えば,ポリメチルメタクリレート)製のもの。 

5. 装置 装置は,次による。 

a) 反射率計 ISO 2469に規定された装置で,青色光反射率が測定できる装置。 

b) 常用標準白色面 青色光反射率標準化のための認定機関 (authorized laboratory) から供給されるISO

参考標準白色面レベル3に基づいて校正したもの。 

備考 常用標準白色面の校正,管理及び使用法に関しては,ISO 2469を参照することが望ましい。常

用標準白色面は,ISO参考標準白色面レベル3に基づいて校正しなければならない。基準とな

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る装置と同じ結果を得るためには,一定期間ごとに新しく校正されたISO参考標準白色面に取

り替えなければならない。 

c) 標準離解機 JIS P 8220に規定するもの。 

備考 パルプが接触するすべての装置は,ガラス,磁器,樹脂,クロムめっき,ステンレスなどの非

腐食性材料を用いたものとする。鉄,銅,真ちゅう及び青銅はパルプの色戻りに影響するので,

特に避けなくてはならない。 

d) ブフナ漏斗 非腐食性材料製で,平たんであな(孔)の開いた底面をもち,内径115mm,底面から上

が少なくとも500ml以上の容積をもつもの。 

e) プレス機 

f) 

pHメータ 

6. 試料の採取 試料は,JIS P 8201に規定する方法によって採取する。保存時には熱,光及び含水率の

変化を避けなくてはならない。絶乾坪量が約200g/m2の試験シートを最低4枚調製するのに十分な量のパ

ルプ(絶乾質量で約8g)を必要とする。 

参考 これは1枚のシート(直径115mm)当たり絶乾質量で約2gに相当する。 

7. 試験シートの調製 

7.1 

パルプの前処理 

7.1.1 シート状パルプ パルプシートを20〜30mmの小片に引き裂く。そのパルプを必要なだけ量り採り,

絶乾質量1g当たり約0.5mlの割合でEDTA溶液を含む水に入れて標準離解機で離解する。離解後,水を加

えて懸濁液を6lに希釈する。 

備考 乾燥したパルプは,解繊を容易にするために,離解前にEDTA溶液を含む水に30分以上浸せ

きしなければならない。 

7.1.2 

スラッシュパルプ パルプ濃度を測定して必要量のパルプを量り採り,絶乾質量1g当たり約0.5ml

の割合でEDTA溶液を添加する。 

7.2 

調製 pHメータを使って,前処理で得られたパルプ懸濁液のpHが4.0〜5.5の範囲にあることを確

かめる。この範囲になければ,水酸化ナトリウム溶液又は硫酸溶液でこの範囲に入るようにpHを調整す

る。 

備考 未ざらしパルプの白色度はpHに影響される。このため,pHが4.0〜5.5の範囲にあるパルプ懸

濁液から調製した試験シートで測定しなければならない。 

懸濁液をよくかくはんし,絶乾質量で2gずつのパルプに分ける。ろ紙Aをブフナ漏斗に置き,水でぬ

らす。漏斗を,底面が水平になるように置き,パルプ懸濁液から分け取った一つの分液を漏斗に注ぎ,吸

引ろ過する。調製している試験シートにわずかでも空気が入らないようにする。漏斗を逆さまにし,軸部

分に空気を吹き入れてろ紙Aごと試験シートをはがし,ろ紙Bの上に載せる。ろ紙Aをゆっくりとはが

し,保護のためにすぐに試験シート上に戻す。試験シートのトップサイド(ろ紙B側)に印を付ける。 

パルプ懸濁液から分け取った残りの分液についても同様に調製する。 

参考 試験シートは,ISO白色度が変化しなくなるまで重ねる。ほとんどのパルプは,4枚重ねれば

十分である。 

プレス工程では,円形プレート,吸取紙及び試験シートは,底面側から次の順序で並べる。 

a) 1枚の金属又は樹脂製円形プレート 

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b) 2枚の乾燥した吸取紙 

c) ろ紙の付いた試験シート 

d) 2枚の乾燥した吸取紙 

e) 1枚の金属又は樹脂製円形プレート 

f) 

2枚の乾燥した吸取紙 

g) 次のろ紙の付いた試験シート 

(以下,繰り返し) 

重ねたシートに,約300kPaの圧力が掛かるようにして,プレス機で1分間プレスする。その際,重ねた

シートが圧力板の中央にあることを確認する。 

プレス後,試験シートに密着したろ紙A及びろ紙Bを一度はがし,元の位置に戻す。試験シートを清浄

な空気が流れる中につるし,室温で含水率が5〜15%になるように2.5〜4時間乾燥する。 

反りをできるだけ取り除くために,乾燥した試験シートを,ろ紙の付いたまま300〜500kPaの圧力で30

秒間プレスする。 

試験シートを汚れから保護し,必要以上に光又は熱にさらさないようにして,すぐにISO白色度を測定

する。どんな場合でも乾燥が終わってから測定までに4時間以上経過させないようにする。 

8. 測定手順 ろ紙A及びろ紙Bを取り除き,試験シートのトップサイド(ろ紙B側)の面が上を向く

ように重ね合わせる。測定箇所に触れないようにし,一組の試験シートのトップサイドの面のISO白色度

を測定する。0.1%単位まで反射率の値を読み取る。一番上にある試験シートを組の一番下に移し,次の反

射率を測定する。同様に,すべての試験シートについて測定する。 

9. 結果の表し方 平均反射率は,JIS Z 8401に規定する方法によって0.1%単位に丸め,そのパルプのISO

白色度として報告する。 

10. 報告 報告には,必要に応じて次の項目を記録する。 

a) 規格名称又は規格番号 

b) 試料の種類及び名称 

c) 試験年月日及び試験場所 

d) ISO白色度 

e) その他必要とする事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

尾 鍋 史 彦 

東京大学 

(副委員長) 

飯 田 清 昭 

紙パルプ技術協会 

(委員) 

生 田 章 一 

通商産業省生活産業局 

○ 宮 崎 正 浩 

工業技術院標準部 

○ 橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

岡 山 隆 之 

東京農工大学 

堀   定 男 

日本製紙連合会 

吉 田 芳 夫 

王子製紙株式会社 

内 藤   勉 

日本製紙株式会社 

高 柳 充 夫 

王子製紙株式会社 

○ 原   啓 志 

三島製紙株式会社 

外 山 孝 治 

三菱製紙株式会社 

佐久間 雅 義 

北越製紙株式会社 

大豆生田  章 

大日本印刷株式会社 

細 村 弘 義 

富士ゼロックス株式会社 

○ 熊 谷   健 

熊谷理機工業株式会社 

○ 水 谷   壽 

株式会社東洋精機製作所 

○ 内 田   久* 

十條リサーチ株式会社 

○ 大 石 哲 久* 

紙パルプ技術協会 

紙パルプ試験規格委員会第1分科会 構成表 

氏名 

所属 

(第1分科会長) 

吉 田 芳 夫 

王子製紙株式会社 

(委員) 

倉 田 剛 志 

大蔵省印刷局研究所 

江 前 敏 晴 

東京大学 

重 本 匡 史 

株式会社日本紙パルプ研究所 

佐 野 文 男 

大昭和製紙株式会社 

古 市   浩 

中越パルプ工業株式会社 

佐 野   昭 

東海パルプ株式会社 

間 下   彰 

日本加工製紙株式会社 

加 納   直 

日本製紙株式会社 

JIS原案作成委員会の○印の委員 
(*印は,事務局兼務を示す。)