サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

P 8154-1:2008 (ISO 5630-1:1991) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 原理······························································································································· 2 

4 装置······························································································································· 2 

4.1 循環乾燥機 ··················································································································· 2 

4.2 特性試験機器 ················································································································ 2 

4.3 デシケータ又は他の前処置装置························································································· 2 

5 試料の採取 ······················································································································ 2 

6 試料の調製 ······················································································································ 2 

7 加熱処理 ························································································································· 2 

8 調湿······························································································································· 3 

9 特性試験 ························································································································· 3 

10 報告 ····························································································································· 3 

附属書A(参考)参考文献 ····································································································· 4 

P 8154-1:2008 (ISO 5630-1:1991) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)及び財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS P 8154の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS P 8154-1 第1部:乾燥加熱処理(105 ℃) 

JIS P 8154-3 第3部:加湿加熱処理(80 ℃, 相対湿度65 %) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

P 8154-1:2008 

(ISO 5630-1:1991) 

紙及び板紙−加速劣化処理方法− 

第1部:乾燥加熱処理(105 ℃) 

Paper and board-Accelerated ageing- 

Part 1: Dry heat treatment at 105 °C 

序文 

この規格は,1991年に第2版として発行されたISO 5630-1を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

セルロースの分解は,湿度に対して極めて敏感である。自然劣化と加速劣化とを比較してみると,ある

程度の水分が加速劣化の雰囲気中に存在するのが望ましい。セルロースの乾燥加熱劣化処理は,感度が劣

り,かつ,加湿加熱劣化処理のようには正確な比較試験にならない公算が大きい。しかし,乾燥加熱劣化

処理は,非常に簡単な方法であり,多くの目的に対して妥当であるといえる。ただし,自然劣化との高い

相関関係を必要とするときは,加湿加熱劣化処理を用いることが望ましい[1]〜[6](附属書A参照)。 

適用範囲 

この規格は,105 ℃での乾燥加熱処理によって紙及び板紙の劣化を加速する方法について規定する。 

この方法は,電気機器中の絶縁物に用いる高純度な紙には,適用しない。その場合は,ISO 5630-4が適

切である。 

この規格では,紙又は板紙に対して具体的に適用する特性試験については規定しないので,受渡当事者

が必要な試験を決める。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 5630-1:1991,Paper and board−Accelerated ageing−Part 1: Dry heat treatment at 105 ℃ (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS P 8110 紙及び板紙−平均品質を測定するためのサンプリング方法 

注記 対応国際規格:ISO 186,Paper and board−Sampling to determine average quality (IDT) 

JIS P 8111 紙,板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態 

注記 対応国際規格:ISO 187,Paper, board and pulps−Standard atmosphere for conditioning and testing 

and procedure for monitoring the atmosphere and conditioning of samples (MOD) 

P 8154-1:2008 (ISO 5630-1:1991) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原理 

紙又は板紙の試料を,循環乾燥機によって105 ℃で規定の処理時間加熱する。試料の特性を,この加熱

処理の前後で比較する。 

装置 

4.1 

循環乾燥機 循環乾燥機は,空気置換率10回/時間以上で,105 ℃±2 ℃の温度維持ができ,かつ,

試験中に試料が光又は発熱体からの直接放射に暴露しないように設計したものとする。 

その構造は,試料を前記の条件で均一に処理できるものが望ましい。試料装入後に循環乾燥機の設定条

件に15分以内で戻るものがよい。 

注記 空気置換率の定義及び測定方法については,JIS B 7757に規定されている。 

4.2 

特性試験機器 特性試験機器は,該当する日本工業規格(以下,“JIS”という。)がある場合はその

規格によるものとし,ない場合には他の適切な試験方法に規定したものとする。 

4.3 

デシケータ又は他の前処置装置 デシケータ又は他の前処置装置は,相対湿度10 %〜35 %を保持

できるものとする。 

注記 デシケータ内の相対湿度は,JIS B 7920を参考にして飽和塩法(塩の飽和水溶液)に従って設

定するとよい。 

試料の採取 

試料の採取は,可能であれば,JIS P 8110による。 

試料の調製 

評価する各特性に応じて,該当するJISがある場合は,その規格によるものとし,ない場合には他の適

切な標準試験方法の規定によって,試料を2組調製する。 

光から試料を保護する。 

素手による試料の取扱いを避け,かつ,化学実験室の雰囲気への暴露も避ける。 

注記 化学実験室の雰囲気とは,試料を変質させる可能性のある気体が存在する雰囲気である。 

加熱処理 

加熱処理は,暗所で行う。 

試料と循環乾燥機内壁との間隔を100 mm以上とし,互いに接触せず,かつ,105 ℃±2 ℃の清浄な空

気が各試料の周囲を自由に循環できるようにして,試料を循環乾燥機 (4.1) の中につり下げる。通常,試

料の処理時間は,72時間±1時間とするが,場合によっては,24時間±1時間,48時間±1時間,又は144

時間±1時間とする。 

注記1 受渡当事者間の協定がある場合は,上記すべての処理時間を用いてもよい。また,それらの

特性試験結果を,処理時間に対して図示してもよい。この場合,合計5組の試料が必要であ

る。 

注記2 循環乾燥機には,蒸発又は昇華生成物による汚染の可能性を防ぐために,同時に2種類以上

の紙又は板紙を入れないほうがよい。 

残りの試料は,加熱処理を行っている間,暗所に常温で保管し,かつ,化学実験室の雰囲気への暴露も

避ける。 

P 8154-1:2008 (ISO 5630-1:1991) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

調湿 

8.1 

無処理の試料は,加熱処理完了の2時間以上前から,相対湿度10 %〜35 %で保持したデシケータ

又は他の前処置装置 (4.3) に入れておく。 

8.2 

加熱処理終了後に,処理及び無処理のいずれの試料も,JIS P 8111に規定した条件下で調湿する。 

特性試験 

評価する各特性に応じて,JISがある場合は,その規格によるものとし,ない場合には他の適切な試験

方法の規定によって,加熱処理及び無処理の試料から十分な数の試験片を調製する。 

試験部位は,素手で取り扱わないように注意して,そのJIS又は他の適切な標準試験方法によって,試

験を行う。 

10 報告 

報告には,次の事項を記録する。 

a) 規格名称又は規格番号 

b) 特性試験の該当するJISがある場合はその規格番号。ない場合は,別の試験方法の規格番号 

c) 試料の種類及び名称 

d) 試験年月日及び試験場所 

e) 加熱処理時間及び温度 

f) 

試料の調湿に用いた雰囲気の温度及び相対湿度 

g) 行った試験回数 

h) 無処理試料の必要特性の測定値に関する平均値及び標準偏差 

i) 

加熱処理試料の必要特性の測定値に関する平均値及び標準偏差 

j) 

規定した手順から逸脱した事項又は測定結果に影響を及ぼすと思われる事項 

P 8154-1:2008 (ISO 5630-1:1991) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 
参考文献 

[1] CARDWELL, R.D. Ageing of paper, Doctoral thesis, N.Y. State. College of Forestry, Syracuse, N.Y., 1973.  

[2] LUNER, P. Paper Permanence. Tappi 52 1969: 796-805.  

[3] GRAMINSKI, E.L., PARKS, E.J. and TOTH, E.E. The effects of temperature and moisture on the accelerated 

ageing of paper. ACS Symposium Series No. 95, Durability of Macromolecular Materials, R.K. Eby (Ed.), 

1979.  

[4] GRAMINSKI, E.L., PARKS, E.J. and TOTH, E.E. The effects of temperature and moisture on the accelerated 

ageing of paper. NBSIR 78-1443, Report to the National Archives and Records Service. Available from: 

Springfield, VA 22151 National Technical Information Service (NTIS).  

[5] BANSA, H. and HOFER, H.H. Die Aussagekraft einer künstlichen Alterung von Papier für Prognosen über 

seine Benutzbarkeit. Restaurator 6, (1, 2) 1984: 21-60.  

[6] BANSA, H. and HOFER, H.H. Die Beschreibung der Benutzbarkeitsqualität gealterter Papiere in Bibliotheken 

und Archiven. Das Papier 34 (8) 1980: 348-355.  

[7] JIS B 7757 強制循環式空気加熱老化試験機 

[8] JIS B 7920 湿度計−試験方法