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P8149 : 2000 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,紙パルプ技術協会 (JAPAN TAPPI) /財団法

人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格である。 

今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 2471 : 1998, Paper and board−Determina- 

tion of opacity (paper backing) −Diffuse reflectance methodを基礎として用いた。 

JIS P 8149には,次に示す附属書がある。 

附属書A(規定) 視感反射率測定用反射率計の分光特性 

附属書B(参考) 参考文献 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

P8149 : 2000 

紙及び板紙− 

不透明度試験方法(紙の裏当て)− 

拡散照明法 

Paper and board−Determination of opacity (paper backing) − 

 Diffuse reflectance method 

序文 この規格は,1998年に第3版として発行されたISO 2471, Paper and board−Determination of opacity 

(paperbacking) −Diffuse reflectance methodを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規

格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,拡散照明/0°受光による紙及び板紙の不透明度試験方法(紙の裏当て)につ

いて規定する。この規格は,白色又は白色に近い紙及び板紙に適用する。 

備考 この規格の国際対応規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,MOD(修正している)とする。 

ISO 2471 : 1998 Paper and board−Determination of opacity (paper backing) −Diffuse reflectance 

method (MOD)  

参考 蛍光染料を含む紙及び板紙並びに顕著な蛍光を呈する紙及び板紙も測定は可能であるが,測定

装置が異なると得られる値が一致しないおそれがある。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 

備考 ISO 4046:1978, Paper, board, pulp and related term−Vocabularyからの引用事項は,この規格の

該当事項と同等である。 

JIS P 8110 試験用紙採取方法 

備考 ISO 186:1994, Paper and board−Sampling to determine average qualityからの引用事項は,この

規格の該当事項と同等である。 

JIS Z 8105 色に関する用語 

JIS Z 8120 光学用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 9041-1 データの統計的な解釈方法−第1部:データの統計的記述 

P8149 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ISO 2469 : Paper, board and pulps−Measurement of diffuse reflectance factor 

ASTM E 308-96, Computing the Colors of Objects by Using the CIE System 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001, JIS Z 8105及びJIS Z 8120によるほか,次に

よる。 

a) 反射率 (reflectance factor) R 同一条件下において,完全拡散反射面によって反射された放射に対し,

物体によって反射された放射の比率を百分率で表した値。 

b) 視感反射率 (luminous reflectance factor) Ry CIEイルミナントC及びCIE1931 (2°) 等色関数y (λ) で

決まる反射面の反射率(光源C・2度視野における三刺激値のY値に相当する)。反射面の視覚的特性

に対応した反射率。 

c) 単一シート視感反射率 (single-sheet luminous reflectance factor) R0 黒色筒を裏当てした単一シートの

視感反射率。 

d) 固有視感反射率 (intrinsic luminous reflectance factor) R∞ 十分不透明なほど厚いか又は重ねたシート

数を2倍にしても測定される反射率に変化がないような十分な枚数を重ねた試料の視感反射率。 

e) 不透明度 [opacity (paper backing) ] Op 同一試料について,単一シート視感反射率R0の固有視感反射

率R∞に対する比率を百分率で表した値。 

4. 原理 黒色筒を裏当てした単一シート視感反射率及び同じ試料の固有視感反射率をISO 2469に基づ

いて測定する。不透明度は,その二つの値の比率とする。 

5. 装置 装置は,次による。 

a) 反射率計 ISO 2469の附属書Aに規定された幾何学的,分光学的及び光学的特性をもち,視感反射率

を測定するための機構を備え,ISO 2469の附属書Bの規定に従って校正されたものとする。 

b) 反射率計の分光学的特性 光学フィルタ方式の反射率計(光電色彩計)の場合,反射率計全体の光学

的特性が,CIEイルミナントCにおけるCIE1931 (2°) 標準表色系(XYZ表色系)のCIE三刺激値の

Y値と等価であることとする。 

分光反射率計の場合,附属書A表A.1に規定された重み関数を用いて,CIEイルミナントCにおけ

るCIE1931 (2°) 標準表色系のCIE三刺激値のY値を計算できることとする。 

c) 常用標準白色面 ISO 2469の規定に従って校正された,表面が平たんで清浄な乳白ガラス製又はセラ

ミック製の2枚の平板。 

備考 内部標準白色面を備えている装置では,常用標準白色面の機能をそれで代用してもよい。 

d) 参考標準白色面 装置及び常用標準白色面を校正するためのもので,ISO/TC6の認定した機関 

(authorized laboratory)が発行するもの。 

e) 黒色筒 (black cavity)(1) 装置製造業者が定めた反射率に対し,すべての波長において差が±0.2%の範

囲内にある反射率をもつもの。 

注(1) 黒色筒は,製造業者によってはライトトラップ,黒体,ゼロボックス,ブラックボックス,ゼ

ロ校正ボックス,吸光筒,ゼロ合わせ用暗箱などともいう。 

備考 黒色筒は,清浄な雰囲気下に上下逆向きに置くか,又は保護用のふたをして保管する。 

参考 黒色筒の反射率は,装置製造業者に問い合わせて確認する。 

P8149 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 試験片 試験片は,次による。 

a) 試験片の採取 ロットを評価するために試験を行うときは,JIS P 8110に規定する方法によって採取

する。その他の種類の試料について試験を行うときは,その試料全体を代表するように採取する。 

b) 試験片の調製 すき入れ,ちり,はん点,汚点及び明らかな欠陥箇所を避けて約75mm×150mmの大

きさに切り取る。10枚以上の試験片を,表がすべて上を向くようにして重ねる。試験片の枚数は,2

倍にしても反射率が変化しない枚数とする。試験片束の上下に保護紙を当て,汚れ,光及び熱から保

護する。一番上の試験片の隅に,試料の種類及び表が分かるように印を付ける。 

7. 操作 操作は,次による。 

a) 試験片束から保護用の紙を取り除く。測定箇所に触れないようにして,使用する装置及び常用標準白

色面について,装置の操作手順に従って試験片束の表の固有視感反射率R∞を測定する。値を読み取り,

反射率を0.05%単位で記録する。 

b) 一番上の試験片だけを取り出し,その試験片を黒色筒で裏当てし,同じ測定箇所について単一シート

視感反射率R0を測定する。値を読み取り,視感反射率を0.05%単位で記録する。 

c) 測定済みの試験片を,試験片束の一番下に移す。この操作を繰り返しながらR∞とR0の測定を繰り返

し,計5枚の試験片について測定を行う。 

d) 試験片束の上下を逆にし,反対の面についてもa)〜c)の操作を繰り返す。 

8. 計算 計算は,次による。 

×

=

R

R

Op

0

100

ここに, Op: 不透明度 (%)  
 

R0: 単一シート視感反射率 (%)  

R∞: 固有視感反射率 (%)  

9. 試験結果の表し方 個々に算出した不透明度から表面及び裏面の平均値を計算し,JIS Z 8401に規定

する方法によって有効数字3けたに丸める。標準偏差は,JIS Z 9041-1に規定する方法によって求める。

表面と裏面の平均値の差が0.2%を超える場合は,面を区別して別々に報告する。表面と裏面の平均値の差

が0.2%以下の場合は,面を区別しないで報告する。 

参考 ほとんどの紙では,表面と裏面の不透明度の差はわずかである。極端に表裏差のある紙では表

面と裏面の不透明度には有意な差がある。このような紙の場合は,0.5%を超える可能性がある。 

10. 精度(参考) 不透明度が94.2%の紙を29の研究所で測定した結果では,変動係数が0.3%であった

(出典Col-laobrative Testing Services, Inc. , 1995年4月)。 

11. 報告 報告には,必要に応じて次の事項を記録する。 

a) 試験規格名称又は規格番号 

b) 試料の種類及び名称 

c) 試験年月日及び試験場所 

d) 不透明度の平均値及び標準偏差(必要があれば,それぞれの面の値) 

P8149 : 2000  

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e) 使用した装置の名称及び形式 

f) 

その他必要とする事項 

background image

P8149 : 2000  

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附属書A(規定) 視感反射率測定用反射率計の分光特性 

A.1 フィルタ方式の反射率計(光電色彩計) 反射率計に必要な総合分光特性は,ランプ,積分球,レン

ズ,光学フィルタ及び光電池の分光特性の組合せで決定される。フィルタは,反射率計全体の光学的特性

がCIEイルミナントCにおけるCIE1931 (2°) 標準観測者に対する三刺激値のY値と等価であるように応

答するものとする。 

A.2 分光反射率計 CIEイルミナントCにおけるCIE1931 (2°) 標準観測者に対する三刺激値のY値は,

分光反射率計の測定値である分光反射率と附属書A表A.1に示す重み関数の積を合計して得る。分光反射

率計の測定波長範囲が附属書A表A.1の360nm〜780nmより狭い場合は,A.3の指示に従う。 

参考 重み関数はASTM E 308-96に定められている。 

A.3 分光反射率計の測定波長範囲が360nm〜780nmより狭い場合 分光反射率計の測定波長範囲が,例え

ば,400nm〜700nmの場合は,次のように重みを計算する。360nm〜400nmまでの重みを加算し,400nm

の重みとする。同様に,700nm〜780nmまでの重みを加算し,700nmの重みとする。 

附属書A表A.1 ASTM E 308-96の重み関数(波長間隔:10nm, 20nmの装置用) 

波長nm 

Yの重み (10nm) 

Yの重み (20nm)  

360 

0.000 

0.000 

370 

0.000 

380 

0.000 

0.000 

390 

0.000 

400 

0.002 

0.001 

410 

0.007 

420 

0.032 

0.044 

430 

0.118 

440 

0.259 

0.491 

450 

0.437 

460 

0.684 

1.308 

470 

1.042 

480 

1.600 

3.062 

490 

2.332 

500 

3.375 

6.596 

510 

4.823 

520 

6.468 

12.925 

530 

7.951 

540 

9.193 

18.650 

550 

9.889 

560 

9.898 

20.143 

570 

9.186 

580 

8.008 

16.095 

590 

6.621 

600 

5.302 

10.537 

610 

4.168 

620 

3.147 

6.211 

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P8149 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

波長nm 

Yの重み (10nm) 

Yの重み (20nm)  

630 

2.174 

640 

1.427 

2.743 

650 

0.873 

660 

0.492 

0.911 

670 

0.250 

680 

0.129 

0.218 

690 

0.059 

700 

0.028 

0.049 

710 

0.014 

720 

0.006 

0.011 

730 

0.003 

740 

0.001 

0.002 

750 

0.001 

760 

0.000 

0.001 

770 

0.000 

780 

0.000 

0.000 

合計 

99.999 

99.998 

白色点 

100.000 

100.000 

P8149 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B(参考) 参考文献 

[1] ISO 4094 : 1991, Paper, board and pulps−International calibration of testing apparatus−Nomination and 

acceptance of standardizing and authorized lab 

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P8149 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS P 8149 : 2000 紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散

照明法 

ISO 2471 : 1998 紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏

当て)−拡散照明法 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 

国際

規格

番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内

容 

表示箇所:本体 

表示方法:点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との

技術的差異の理由及び

今後の対策 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごとの

評価 

技術的差異の内容   

1.適用範囲 

1. 

IDT 

2.引用規格 

JIS P 0001 

JIS P 8110 

JIS Z 8105 

JIS Z 8120 

JIS Z 8401 

JIS Z 9041-l 

ISO 2469 

ASTM E 308 

2. 

    − 

ISO 186 

    − 

    − 

    − 

    − 

ISO 2469 

ASTM E 308 

MOD/追加 JIS5規格を追加規

定 

JIS P 0001, JIS P 8110は

ISO規格に整合。 

JIS5規格はISOに提案。 

3.定義 

3. 

IDT 

4.原理 

4. 

IDT 

5.装置 

5. 

IDT 

6.試験片 

6. , 7. 

IDT 

7.操作 

8. 

IDT 

8.計算 

9.1. 

IDT 

9.試験結果の表

し方 

JIS Z 8401, JIS Z 

9041を引用 

9.2 

MOD/追加 JISは数値の丸め

方,標準偏差の求め

方についてJISを

引用 

技術的差異はない。 

10.精度 

10. 

IDT 

11.報告 

11. 

IDT 

附属書A(規定) 視感反射率測定用

反射率計の分光特

性 

Annex A 

IDT 

附属書B(参考) 参考文献 

Annex B 

IDT 

附属書(参考)  対比表 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 

 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

 − IDT ·················· 技術的差異がない。 

 − MOD/追加 ······· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

2. 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

 − MOD ················ 国際規格を修正している。 

P8149 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

尾 鍋 史 彦 

東京大学 

(副委員長) 

飯 田 清 昭 

紙パルプ技術協会 

(委員) 

福 井 雅 輝 

通商産業省生活産業局 

西 川 泰 蔵 

通商産業省工業技術院標準部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

岡 山 隆 之 

東京農工大学 

堀   定 男 

日本製紙連合会 

吉 田 芳 夫 

王子製紙株式会社 

○ 古 市   浩 

中越パルプ工業株式会社 

安 田   強 

日本製紙株式会社 

○ 佐久間 雅 義 

北越製紙株式会社 

原   啓 志 

三島製紙株式会社 

外 山 孝 治 

三島製紙株式会社 

鈴 鴨   繁 

全国クラフト紙袋工業組合 

青 木 康 彦 

十條セントラル株式会社 

石 井 健 三 

大日本印刷株式会社 

細 村 弘 義 

富士ゼロックス株式会社 

熊 谷   健 

熊谷理機工業株式会社 

水 谷   壽 

株式会社東洋精機製作所 

○ 大 石 哲 久* 

紙パルプ技術協会 

(関係者) 

○ 江 前 敏 晴 

東京大学 

紙パルプ試験規格委員会第1小委員会 構成表 

氏名 

所属 

(第1小委員会長)     

吉 田 芳 夫 

王子製紙株式会社 

(委員) 

倉 田 剛 志 

大蔵印刷局研究所 

品 川 俊 一 

通商産業省工業技術院 

物質工学工業技術研究所 

大 町 伸 一 

紀州製紙株式会社 

佐 野 文 男 

大昭和製紙株式会社 

倉 澤 克 彦 

高崎三興株式会社 

佐 野   昭 

東海パルプ株式会社 

加 納   直 

日本製紙株式会社 

佐 藤   勤 

北越製紙株式会社(1999年10月〜) 

JIS原案作成委員会の○印の委員 

(*印は,事務局兼務を示す。)