P3401 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本製紙連合会 (JPA) /財団法人日本規格
協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申し出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS P 3401 : 1997は改正され,
この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
P3401 : 2000
クラフト紙
Kraft papers
1. 適用範囲 この規格は,各種の紙袋に使用するクラフト紙について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS B 7516 金属製直尺
JIS P 8110 試験用紙採取方法
備考 ISO 186 : 1994, Paper and board−Sampling to determine average qualityからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
JIS P 8111 紙,板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態
備考 ISO 187 : 1990, Paper, board and pulps−Standard atmosphere for conditioning and testing and
procedure for monitoring the atmosphere and conditioning of samplesからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
JIS P 8113 紙及び板紙−引張特性の試験方法
備考 ISO 1924-1 : 1992, Paper and board−Determination of tensile properties Part 1 : Constant rate of
loading methodからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 1924-2 : 1994, Paper and board−Determination of tensile properties Part 2 : Constant rate of
elongation methodからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
備考 引張特性の試験を行う場合は,定速緊張形引張試験機又は定速伸張形引張試験機のどちらか一
方の装置を選択する。
JIS P 8116 紙及び板紙の引裂強さ試験方法
備考 ISO 1974 : 1990, Paper−Determination of tearing resistance (Elmendorf method) からの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
JIS P 8117 紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法
備考 ISO 5636-5 : 1986, Paper and board−Determination of air permeance (medium range) −Part
5:Gurley methodからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS P 8118 紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法
備考 ISO 534 : 1988, Paper and board−Determination of thickness and apparent bulk density or apparent
sheet densityからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS P 8122 紙のステキヒト・サイズ度試験方法
JIS P 8124 紙及び板紙−坪量測定方法
2
P3401 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 ISO 536 : 1995, Paper and board−Determination of grammageからの引用事項は,この規格の該
当事項と同等である。
JIS P 8135 紙及び板紙−湿潤引張強さ試験方法
備考 ISO 3781 : 1983, Paper−Determination of tensile strength after immersion in waterからの引用事
項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS P 8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法
JIS P 8148 紙及び板紙の拡散照明方式による白色度試験方法(ISO白色度)
備考 ISO 2470 : 1977, Paper and board−Measurement of diffuse blue reflectance factor (ISO brightness)
からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 種類及び種類記号 クラフト紙の種類及び種類記号は,表1による。
表1 クラフト紙の種類及び種類記号
種類
種類記号
備考
クラフト紙1種
MS-75
MS-78
MS-81
MS-84
主に重包装(多層紙袋)用の紙袋に使用する未ざらし(未晒し)クラフ
ト紙。
クラフト紙2種
WS-78
WS-81
主に重包装用の紙袋に使用し,エポキシ樹脂などの湿潤強力剤をすき込
んで湿潤強度を高めた未ざらしクラフト紙。
クラフト紙3種
SS-50
SS-60
SS-70
SS-80
SS-100
SS-120
主に軽包装(角底袋)用の紙袋に使用する未ざらしクラフト紙。
クラフト紙4種
BMS-75
BMS-78
BMS-81
BMS-84
主に重包装用の紙袋に使用するさらし(晒し)クラフト紙。
クラフト紙5種 1号 EK1-70
EK1-73
EK1-78
EK1-83
抄紙機上で紙を微細に収縮させることによって,紙の流れ方向の伸張性
能を与え,製袋後の耐衝撃性を向上させた,主に重包装用の紙袋に使用
する未ざらしクラフト伸張紙。
2号 EK2-72
EK2-75
EK2-78
EK2-81
EK2-84
抄紙機上で紙を微細に収縮させることによって,紙の幅方向の伸張性能
を与え,製袋後の耐衝撃性を向上させた,主に重包装用の紙袋に使用す
る未ざらしクラフト伸張紙。
備考 種類記号の数字は,坪量を示す。
4. パルプの配合 クラフト紙のパルプの配合は,クラフトパルプ100%とする。ただし,受渡当事者間
の協定によって,他のパルプを配合してもよく,その場合,ラベル内に配合の有無を表示する。
参考 パルプの配合の確認のための試験を行う場合は,JIS P 8120によることが望ましい。
5. 品質
3
P3401 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.1
一般 クラフト紙の品質は,均一で,実用上支障となる裂け,孔,汚れなどがなく,その特性は,
8.の試験方法によって試験を行い,クラフト紙1種は表2,クラフト紙2種は表3,クラフト紙3種は表4,
クラフト紙4種は表5,クラフト紙5種1号は表6,クラフト紙5種2号は表7の規定に適合しなければな
らない。
表2 クラフト紙1種の品質
種類記号
坪量
坪量許容差
引張強さkN/m
伸び%
引裂強さmN
サイズ度
g/m2
g/m2
縦
横
縦
横
縦
横
秒
MS-75
75.0
±2.5
4.5以上 2.2以上 2.0以上 4.0以上 760以上 810以上
10以上
MS-78
78.0
4.6以上 2.3以上 2.1以上 4.2以上 810以上 860以上
10以上
MS-81
81.0
4.8以上 2.4以上 2.2以上 4.5以上 860以上 910以上
15以上
MS-84
84.0
4.9以上 2.5以上 2.3以上 4.7以上 910以上 960以上
15以上
表3 クラフト紙2種の品質
種類記号
坪量
坪量許容差
引張強さkN/m
伸び%
引裂強さmN
湿潤引張強さkN/m
サイズ度
g/m2
g/m2
縦
横
縦
横
縦
横
縦
横
秒
WS-78
78.0
±2.5
4.9以上
2.5以上
2.2以上
4.5以上
670以上
710以上
1.2以上
0.6以上
15以上
WS-81
81.0
5.1以上
2.6以上
2.3以上
4.6以上
710以上
760以上
1.3以上
0.7以上
15以上
表4 クラフト紙3種の品質
種類記号
坪量
坪量許容差
引張強さkN/m
引裂強さmN
サイズ度
厚さ
g/m2
g/m2
縦
横
縦
横
秒
μm
SS-50
50.0
±2.5
2.5以上
1.0以上
440以上
480以上
5以上
69以上
SS-60
60.0
3.0以上
1.2以上
530以上
570以上
8以上
84以上
SS-70
70.0
3.5以上
1.4以上
620以上
670以上
10以上
94以上
SS-80
80.0
4.1以上
1.7以上
710以上
760以上
13以上
109以上
SS-100
100.0
5.1以上
2.1以上
900以上
990以上
20以上
139以上
SS-120
120.0
6.2以上
2.5以上
1 090以上
1 190以上
30以上
169以上
表5 クラフト紙4種の品質
種類記号
坪量
坪量許容差
引張強さkN/m
伸び%
引裂強さmN
サイズ度
白色度
g/m2
g/m2
縦
横
縦
横
縦
横
秒
%
BMS-75
75.0
±2.5
4.4以上
1.8以上
1.3以上
3.5以上
720以上
760以上
10以上
76.5以上
BMS-78
78.0
4.5以上
1.9以上
1.3以上
3.6以上
760以上
810以上
10以上
76.5以上
BMS-81
81.0
4.6以上
2.0以上
1.4以上
3.7以上
810以上
860以上
15以上
76.5以上
BMS-84
84.0
4.8以上
2.1以上
1.4以上
3.8以上
860以上
910以上
15以上
76.5以上
表6 クラフト紙5種1号の品質
種類記号
坪量
坪量許容差
引張強さkN/m
伸び%
引裂強さmN
サイズ度
g/m2
g/m2
縦
横
縦
横
縦
横
秒
EK1-70
70.0
±2.5
2.9以上
1.9以上
5.9以上
4.9以上
730以上
760以上
10以上
EK1-73
73.0
3.1以上
2.0以上
5.9以上
4.9以上
780以上
830以上
10以上
EK1-78
78.0
3.4以上
2.1以上
5.9以上
4.9以上
880以上
940以上
10以上
EK1-83
83.0
3.7以上
2.3以上
5.9以上
4.9以上
970以上
1 050以上
10以上
4
P3401 : 2000
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表7 クラフト紙5種2号の品質
種類記号
坪量
坪量許容差
引張強さkN/m
伸び%
引裂強さmN
サイズ度
g/m2
g/m2
縦
横
縦
横
縦
横
秒
EK2-72
72.0
±2.5
3.9以上
1.9以上
2.3以上
6.3以上
870以上
960以上
10以上
EK2-75
75.0
4.0以上
2.0以上
2.4以上
6.4以上
940以上
1 030以上
10以上
EK2-78
78.0
4.3以上
2.1以上
2.5以上
6.7以上
980以上
1 070以上
10以上
EK2-81
81.0
4.6以上
2.3以上
2.7以上
6.7以上
1 050以上
1 140以上
10以上
EK2-84
84.0
4.9以上
2.5以上
2.8以上
6.7以上
1 100以上
1 190以上
10以上
5.2
透気度及び摩擦係数 透気度及び摩擦係数は,受渡当事者間の協定によって定めることができる。
ただし,農産物用クラフト紙の透気度は,30秒以下とする。
6. 形状・外観,寸法及び継ぎ目数
6.1
形状・外観 形状は,円筒状の巻取りとし,外観上,巻きむら,巻きしわなどの実用上支障となる
欠点があってはならない。
6.2
寸法 寸法は,次による。
a) 紙幅 紙幅は,JIS B 7512に規定する鋼製巻尺,若しくはJIS B 7516に規定する金属製直尺,又はこ
れらと同等以上の精度をもつ測定器具を用い,製品の端面に対し直角に測定する。
なお,紙幅は受渡当事者間の協定によるものとし,その許容差は,
0
10
+ mmとする。
b) 巻取り長さ 巻取り長さは,通常,6kmとし,その許容差は,
0
30
+ mとする。
6.3
継ぎ目数 継ぎ目数は,巻取り1本につき2以下とする。
7. 試験用紙の採取方法及び前処置
7.1
採取方法 採取方法は,JIS P 8110による。
7.2
前処置 前処置は,JIS P 8111による。
8. 試験方法 クラフト紙の試験方法は,次による。
8.1
坪量 坪量は,JIS P 8124による。
8.2
引張強さ 引張強さは,JIS P 8113による。
8.3
伸び 伸びは,クラフト紙1種,クラフト紙2種,クラフト紙4種,クラフト紙5種1号,及び5
種2号について行い,その方法は,JIS P 8113による。
8.4
引裂強さ 引裂強さは,JIS P 8116による。
8.5
サイズ度 サイズ度は,JIS P 8122による。
8.6
湿潤引張強さ 湿潤引張強さは,クラフト紙2種について行い,その方法は,JIS P 8135による。こ
の場合,水中浸せき時間は30分間とする。
8.7
厚さ 厚さは,クラフト紙3種について行い,その方法は,JIS P 8118による。この場合,加圧面間
の圧力は50kPa±10kPaとする。
8.8
白色度 白色度は,クラフト4種について行い,その方法は,JIS P 8148による。
8.9
透気度 透気度は,JIS P 8117による。
8.10 摩擦係数 摩擦係数は,JIS P 8147による。
5
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9. 包装 包装は,巻取り1本ごとに行い,その方法は,輸送条件などを考慮して受渡当事者間の協定に
よる。
10. 表示 表示は,1包装ごとに行い,見やすい箇所に容易に消えない方法で次の事項を表示する。
a) クラフト紙の種類及び種類記号
b) 巻取り長さ (m),質量 (kg),及び紙幅 (mm)
c) 製造番号
d) 製造業者名及び工場名又はこれらの略号
e) 製造年月日又はこれらの略号
例 クラフト紙5種1号EKI-73
巻取り長さ
m
質量
kg
紙幅
mm
製造番号
××××
○○製紙株式会社△△工場
00.10.25
参考 農産物(米などの)用紙袋に使用するクラフト紙については,幅約3mmの色線を紙の縦方向
全長にわたり付けることもある。
関連規格 JIS P 8120 紙,板紙及びパルプ−繊維組成試験方法
備考 ISO 9184−1 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 1 : General method
ISO 9184−2 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 2 : Staining guide
ISO 9184−3 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 3 : Herzberg staining test
ISO 9184−4 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 4 : Graff “C” staining test
ISO 9184−5 : 1990, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 5 : Lofton−Merrit
staining test (modification of Wisbar)
ISO 9184−6 : 1994, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 6 : Determination of fibre
coarseness及び
ISO 9184−7 : 1994, Paper, board and pulps−Fibre furnish analysis−Part 7 : Determination of
weight factorからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
クラフト紙JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
西 原 主 計
神奈川工科大学工学部
福 井 雅 輝
通商産業省生活産業局
西 川 泰 蔵
工業技術院標準部
今 村 洋
農林水産省食糧庁
橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
大 石 哲 久
紙パルプ技術協会
○ 石 井 弘 和
王子製紙株式会社洋紙技術部
○ 高 木 亮
大昭和製紙株式会社生産技術本部
○ 久 保 栄一郎
大王製紙株式会社
○ 斉 藤 立 巳
大興製紙株式会社品質管理部
○ 吉 田 秀太郎
中越パルプ工業株式会社技術サービス部
○ 紅 林 忠 義
東海パルプ株式会社品質管理部
西 出 宗 晶
全国農業協同組合連合会資材・農機部
三 輪 惠 一
日清製粉株式会社物流部
末 田 一 博
株式会社トクヤマ購買グループ
齋 藤 秋 雄
全国クラフト紙袋工業組合
有 田 孝 彦
日本製袋株式会社営業業務部
鈴 鴨 繁 王子製袋株式会社生産本部技術部
(事務局)
斉 藤 敏 明
日本製紙連合会紙・板紙部
備考 ○印は,分科会委員会を示す。