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P 0001 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS P 0001-1979(紙・パルプ用語)は,この規格に置き換えられる。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

P 0001 : 1998 

紙・板紙及びパルプ用語 

Paper, board and pulp−Vocabulary 

序文 この規格は,1979年の改正以来長期間経過したために,この間の技術的進歩及び変化に適合するよ

うに改め,1978年に第1版として発行されたISO 4046, Paper, board, pulp and related terms−Vocabularyと整

合化を図った日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,紙・パルプ工業において用いる主な用語について規定する。 

備考1. この規格の対応国際規格を次に示す。 

ISO 4046-1978, Paper, board, pulp and related terms−Vocabulary 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値として併記したものである。 

2. 引用規格 付表1に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

3. 分類 紙・板紙及びパルプ用語を,次のように分類する。 

a) パルプの一般用語 

b) パルプの製造 

c) パルプの品種 

d) 紙・板紙及び加工品の一般用語 

e) 紙及び板紙の製造 

f) 

紙・板紙の品種及び加工製品 

g) パルプ,紙及び板紙の性質・試験 

4. 用語及びその定義 用語及びその定義は,次のとおりとする。 

なお,対応英語を参考として示す。 

備考1. 一つの用語欄に,二つ以上の用語が併記してある場合は,記載してある順位に従って優先的

に使用する。 

2. 一つの用語欄に,二つ以上の定義がある場合には,記載してある順位に従って優先的に使用

する。 

3. 用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧書きで読みを示す。 

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P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) パルプの一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

化学パルプ 

1) 広義には木材,その他のセルロース繊維原料を化学的

に処理して製造したパルプ。普通は木材のパルプをい
う。 
参考 亜硫酸パルプ,クラフトパルプ,ソーダパルプ

などがある。略称はCP。 

2) 化学的処理(例えば,蒸解)によって除去可能な非セ

ルロース成分を原料から多量に除去することによって
製造したパルプ。 
参考 繊維をほぐすための機械的な後処理を必要とし

ない。 

chemical pulp 

1002 

機械パルプ 

1) 木材を,そのまま又は熱処理しながら機械的に処理し

て製造したパルプ。 
参考 製造方法によって砕木パルプ,加圧式砕木パル

プ,リファイナ砕木パルプ,サーモメカニカル
パルプ,ケミサーモメカニカルパルプなどがあ
る。略称はMP。 

2) 種々の原料(通常は木材)から機械的な処理だけを用

いて製造した製紙用パルプ。 

mechanical pulp 

1003 

結束繊維 

1) パルプ中の離解されていない繊維の結束。 

参考 これが紙の中に混じると紙の欠点となる。 

2) パルプ又は紙に存在する粗大な繊維片。 

shives 

1004 

高収率パルプ, 
高歩留パルプ 

通常の化学パルプよりも高い収率で製造されるパルプ
(GP,RGP,TMP,CTMP,CGP,SCPなど)の総称。 

参考 従来の化学パルプ化法の改良又は新方式の開発

によって蒸解収率の向上を図った化学パルプを
いうこともある。 

high yield pulp 

1005 

古紙パルプ 

使用済みの紙・板紙又は紙・板紙の断裁くずなどを離解処
理又は離解・脱インキ処理して得たパルプ。 

recycled fiber 

1006 

さらしパルプ 

漂白剤を用いて漂白したパルプ。 

bleached pulp 

1007 

じん皮繊維 

主に双子葉植物の内皮から採取した繊維。 

参考 こうぞ,みつまた,がんぴ,亜麻,大麻などの

繊維がこれに属し,主に和紙の原料としている。 

bast fiber 

1008 

スラリー 

薄いかゆ状パルプ又はてん(塡)料,塗工顔料などの懸濁
液。 

slurry 

1009 

パルプ 

1) 木材その他の植物から機械的又は化学的処理によって

抽出したセルロース繊維の集合体。 
参考 製造方法によって機械パルプ,化学パルプなど

に,用途によって製紙パルプ,溶解パルプなど
に分類される。 

2) 通常,天然植物を原料とした繊維状物質のこと。後の

製造工程で利用するために作られたもの。 

pulp 

1010 

微細繊維 

非常に短いパルプ繊維又は繊維断片。 

fines,  
flour 

1011 

非木材パルプ 

非木材の繊維原料から製造したパルプ。 

参考 非木材パルプには,じん皮繊維のこうぞ,みつ

また,種毛繊維のリンター,葉繊維のマニラ麻,
草類繊維のわら,バガスなどのパルプがある。 

nonwood pulp 

background image

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1012 

風乾パルプ 

1) 含有水分が大気中の湿度と平衡しているパルプ。 

参考 我が国の商習慣では水分含有量10%に換算して

取引される。 

2) 商取引上は,売手及び買手が合意した理論的な水分を

もつパルプ[理論的商取引絶乾率 (1023) ともいう]。 

air-dried pulp 

1013 

ベール, 
こり 

パルプ,紙,古紙などを荷造機で圧縮して縛った包み。 

bale 

1014 

ベール水分, 
俵水分 
(ひょうすいぶん) 

包装されたパルプの水分。各荷口ごとに平均した数値を原
パルプ質量に対する百分率で表す。 

average moisture of pulp 

bales 

1015 

未ざらしパルプ 

漂白処理していない製紙用パルプ。 

unbleached pulp 

1016 

ラッパパルプ 

ウエットマシンですいて折り畳んだパルプ。 

lap pulp 

1017 

製紙用パルプ 

紙及び板紙の製造に用いるパルプ。 

papermaking pulp 

1018 

半ざらしパルプ 

中程度の白色度まで漂白したパルプ。 

semi-bleached pulp 

1019 

全ざらしパルプ 

高白色度まで漂白したパルプ。 

fully bleached pulp 

1020 

ドライパルプ 

風乾パルプとほぼ同じ水分をもったパルプ。 

dry pulp 

1021 

ウエットパルプ 

ドライパルプよりかなり高い水分をもったパルプ。 

wet pulp 

1022 

パルプの風乾質量 

水分が周囲の雰囲気と平衡状態にあるときのパルプの質
量。 

air-dry mass (of pulp)  

1023 

パルプの理論的商
取引絶乾率 

商取引上,理論的商取引絶乾率として認められている協定
上の平衡値。 

参考 国及び/又は商取引上の合意値は,88%若しく

は90%である。もし風乾率が90%ならば,質量
基準で,パルプが絶乾繊維を90%,水分を10%
含むことを示す(88%の場合も同様)。 

theoretical commercial 

dryness (of pulp)  

1024 

パルプの販売質量 

総質量に絶乾率を乗じ,それを理論的商取引絶乾率で割っ
た値。通常,風乾質量と近似した値となる。 

saleable mass (of pulp)  

1025 

パルプの送り状質量 

売り主が送り状に表示した販売質量。 

invoiced mass (of pulp)  

b) パルプの製造 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

アスプルンド法 

木材チップを水蒸気で160〜180℃に加熱しながら,特殊離
解機でパルプ化する機械パルプ製造方法。 

参考 主に繊維板用パルプの製造に用い,薬品処理装

置を付けてケミグランドパルプ,セミケミカル
パルプの製造又は古紙処理に応用される。 

Asplund process 

2002 

亜硫酸法 

酸性の亜硫酸塩溶液で蒸解する化学パルプ製造方法。 

参考 大別して酸性亜硫酸法 (acid sulphite process) と

重亜硫酸法 (bisulphite process) がある。 

酸性亜硫酸法は,亜硫酸水素塩以上に遊離亜

硫酸の多い蒸解液を用いる。この塩基にはナト
リウム,カルシウム,マグネシウムなどを用い
る。原料植物にフェノール成分,水可溶性成分
の多いものには適さない。リグニンはスルホン
化されて溶出し,廃液中にはリグノスルホン酸,
糖類などが含まれる。重亜硫酸法は,亜硫酸水
素塩溶液を蒸解液とする方法で,塩基にはナト
リウム及びマグネシウムを用いることが多い。
蒸解中pHが4以下にならないので,ヘミセルロ
ースの溶出が減り,パルプ収率が高い。 

sulphite process,  
sulfite process 

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P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2003 

アルカリ処理 

パルプ多段漂白の一段階で,パルプに水酸化ナトリウム溶
液を加えて加温し,可溶物を抽出する処理。 

参考 製紙用パルプの場合には,主に塩素化リグニン

を溶出させ,漂白を容易にするために行う。溶
解用パルプの場合には,更にα−セルロースの含

有率を高めるために行う。 

alkali treatment,  
alkali extraction 

2004 

アルカリ法 

木材,わら,竹,じん皮繊維などの繊維原料をアルカリ性
薬液で蒸解する化学パルプ製造方法。 

参考 通常は,クラフト法,ソーダ法をいうが,広義

には,アルカリ性セミケミカル法,コールドソ
ーダ法なども含まれる。 

alkaline process 

2005 

H−ファクタ 

化学パルプ化法において蒸解温度と蒸解時間の効果を総
合的に表す蒸解度表示法。100℃で1時間蒸解したときの
パルプ化効果をH−ファクタ1とする。すなわち,100℃の
相対反応速度をアレニウスの式によって求め,蒸解時間と
の関係を表した曲線で囲まれた面積に相当する。 

H-factor 

2006 

液比 

チップの絶乾質量に対する蒸解液質量(チップの水分を含
む)の比。 

参考 クラフト法の液比は普通3〜4である。液比はパ

ルプ品質の均一性からみて大きいほうがよい
が,蒸解用の熱源,蒸解速度,回収固形分の濃
度からみると小さいほうがよい。 

liquor to wood ratio,  
liquor ratio 

2007 

エバポレータ 

化学パルプ化法において洗浄工程で得られた希黒液を回
収ボイラで燃焼させるために,60%以上の固形分濃度に濃
縮する装置。 

参考 一般には,5重又は6重の多重効用真空蒸発缶が

用いられる。 

evaporator 

2008 

遠心式クリーナ 

遠心力を利用してパルプ懸濁液中の異物を除去する逆円
すい形の装置。 

centrifugal cleaner 

2009 

塩素処理 

繊維原料及び未ざらしパルプを塩素化する処理。 

参考 次の段階のアルカリ処理において,リグニンを

可溶化するために行う。パルプの漂白に応用さ
れる。 

chlorination 

2010 

回収ボイラ 

クラフトパルプなどの製造の際に生じる廃液を濃縮燃焼
して,再度使用できる薬品を回収するボイラ。 

参考 この際に燃焼熱も利用する。 

recovery boiler 

2011 

過酸化物漂白 

過酸化物(過酸化水素,過酸化ナトリウムなど)を用いる
漂白方法。 

参考 あらゆるパルプ,特に機械パルプの漂白に用い

る。セルロースの損傷が少ない。この漂白液に
は,pH調節用及び重金属による分解を防ぐ薬品
を配合する。 

peroxide bleaching 

2012 

かせい化装置 

炭酸ナトリウム溶液を石灰乳で処理して水酸化ナトリウ
ムに変える装置。 

参考 クラフト法,ソーダ法などの薬液回収に用いる。 

causticizing plant 

background image

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2013 

かせい化率 

炭酸ナトリウム溶液を石灰乳でかせい化して水酸化ナト
リウムを作るとき,炭酸ナトリウムが水酸化ナトリウムに
変わる割合。 

かせい化率 (%) 

100

CO

Na

NaOH

NaOH

3

2

×

+

=

Na2Oは又はNaOHに換算して表す。 

参考 クラフト法及びソーダ法の緑液をかせい化する

ときの重要な管理指標である。 

causticizing efficiency,  
causticity 

2014 

活性アルカリ 

クラフト法及びソーダ法蒸解液のアルカリ度の表現法の
一つ。 

活性アルカリ=NaOH+Na2S 

Na2O又はNaOHに換算して表す。 

active alkali 

2015 

キノン類添加蒸解 

クラフト法,ソーダ法,ポリサルファイド法,中性又はア
ルカリ性亜硫酸塩法の各蒸解法において,アントラキノ
ン,テトラヒドロアントラキノンなどのキノン類をごく少
量添加する方法。 

参考 脱リグニンの促進と炭水化物の安定化によっ

て,蒸解速度が速くなり,アルカリの節減や蒸
解収率の向上が可能となる。 

quinone additive cooking 

2016 

クラフト法, 
硫酸塩法 

木材,その他の繊維原料を水酸化ナトリウム及び硫化ナト
リウムを主成分とする薬液で蒸解する化学パルプ製造方
法。 

参考 ナトリウム分の補充には硫酸ナトリウムを用い

る。これは回収工程で還元されて硫化ナトリウ
ムになる。蒸解温度は亜硫酸法に比べて高く,
時間は短い。最近は連続蒸解が多く行われてい
る。 

kraft process,  
sulphate process,  
sulfate process 

2017 

黒液 

1) クラフトパルプなどアルカリ法パルプの廃液。 

参考 黒色で蒸解液に含まれている無機物及び植物か

ら溶出したリグニンなどの有機物を含む。大部
分は回収して蒸解液を作るのに用いる。 

2) 蒸解工程生成物から化学パルプ(普通は,硫酸塩パル

プ又はソーダパルプ)を分離して回収した液。 

black liquor 

2018 

砕木機 

砕木パルプを製造する機械。 

参考 回転する砕木と(砥)石面上に水をかけながら,

木材を押し付けて摩砕する。ポケット砕木機,
チェーン砕木機などがある。 

grinder 

2019 

砕木と(砥)石 

砕木機の回転と(砥)石。 

参考 天然石のものと人造石のものとがある。天然石

は砂岩,人造石にはセメント人造石と焼成と
(砥)石がある。 

grindstone,  
pulpstone 

2020 

酸素漂白 

未ざらしパルプをアルカリ性で酸素と反応させ,脱リグニ
ンする漂白法。 

oxygen bleaching 

2021 

次亜塩素酸塩漂白 

次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸カルシウムを用い
た化学パルプ漂白法。 

参考 多段漂白の中間段として行われることが多い。

次亜塩素酸塩は,セルロースの酸化分解を引き
起こすので,処理時のpHや温度条件を特に管理
する必要がある。 

hypochlorite bleaching 

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P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2022 

蒸解 

1) 繊維原料をパルプ化する目的で薬品を用いて高温・高

圧処理を行うこと。 
参考 使用する薬品によってクラフト法,亜硫酸法な

どがある。 

2) 通常,薬液を添加した水の存在下で繊維原料を熱によ

って処理すること。 

cooking 

2023 

蒸解がま, 
木がま 

パルプ製造のために,木材チップその他原料を蒸解するか
ま(釜)。 

参考 木材の場合加圧で用いることが多い。形状,加

熱方法など,種々の種類がある。 

digester 

2024 

スクリーン 

1) パルプ及び紙を製造するときに原質中に混ざっている

粗大繊維,結束繊維その他の異物を除くために用いる
装置。 
参考 目的によって粗スクリーン,精選スクリーンな

ど,形式によって平板式,回転式,遠心式,加
圧式などに分類される。 

2) 物質を大きさによって分別するために用いるオリフィ

スを装備した装置。 
参考 パルプ又は紙料用のオリフィスには,通常,目

開きの小さいスロットを用いる。 

screen 

2025 

石灰ばい焼炉 

かせい化工程から排出される石灰泥(主成分は炭酸カルシ
ウム:CaCO3)を焼いて生石灰 (CaO) を生成する円筒形の
傾斜回転炉。 

参考 本体は鋼板製,内部は耐火れんがば(貼)りで,

燃料は重油バーナから供給される。流動床ばい
焼炉もある。 

lime mud kiln 

2026 

セミケミカル法 

化学パルプ化法と機械パルプ化法の中間的な方法で,チッ
プをやや軟らかくなるまで蒸解した後,リファイナで繊維
化するパルプ製造方法。 

参考 木材パルプでは収率65〜85%。酸性法,中性法

及びアルカリ法の3種類がある。 

semichemical process 

2027 

全アルカリ 

ソーダ法及びクラフト法における蒸解液中のアルカリ量
の表示方法。全体のアルカリ化合物(NaOH+Na2S+Na2CO3
など)をNa2O又はNaOHに換算して表す。 

total alkali 

2028 

洗浄機 

1) 蒸解直後のパルプと黒液を分離するための装置。 

参考 最少量の洗浄水で高い洗浄効果を得るため,通

常,2〜4基のドラムウォッシャを直列に配置し
た向流式洗浄を行うが,ディフュージョンウォ
ッシャなどを用いる洗浄法もある。 

2) パルプを洗浄するための機械。 

参考 エキストラクタ,シックナなどがある。 

washer 

2029 

ソーダ法 

木材その他の繊維原料を水酸化ナトリウムを主成分とす
る蒸解液で蒸解する化学パルプ製造方法。 

soda process 

2030 

多段漂白 

数次の処理段階で行う漂白。 

参考 塩素,次亜塩素酸塩,二酸化塩素,水酸化ナト

リウム,酸素処理などを組み合わせて行う。単
段漂白に比べて高品質のパルプが低価格で得ら
れる。 

multistage bleaching 

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P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2031 

脱インキ 

印刷した古紙からインキを除いて白いパルプを作ること。 

参考 古紙を水中に分散させ,インキを機械的・化学

的方法で遊離し,これを洗浄法又はフローテー
ション法で取り除く。 

deinking 

2032 

脱リグニン 

木材などリグニンを含有するものから,化学的・生物的方
法によってリグニンを除去すること。 

参考 パルプ化,漂白などに応用される。 

delignification 

2033 

チオリグニン 

クラフト法廃液(黒液)を酸で中和して得られる1〜3%の
硫黄を含む濃褐色のリグニン。クラフトリグニン,サルフ
ェートリグニンともいう。 

参考 廃液からソーダ回収の際の熱量供給物及び硫化

ナトリウムの生成に利用されている。一部はプ
ラスチック原料又は合成ゴムの添加剤として用
いられる。 

thiolignin,  
kraft lignin,  
sulphate lignin,  
sulfate lignin 

2034 

チッパー 

チップを製造する機械。 

参考 ナイフを放射状に取り付けた回転円板で木材を

切削する。 

chipper 

2035 

中性亜硫酸塩法 

中性亜硫酸塩又はこれに緩衝剤として少量のアルカリを
添加するパルプ化法。 

参考 広葉樹,わらなどのパルプ化に用いる。亜硫酸

塩としては,中性亜硫酸ソーダの使用例が多い。
セミケミカルパルプ化法の一種。 

neutral sulphite process,  
neutral sulfite process 

2036 

ディスクリファイ
ナ 

回転する円形磨砕板(ディスク)の間にチップ又はパルプ
を送り込んで磨砕又はこう(叩)解するリファイナ。 

参考 両ディスクが回転するダブルディスク形と片面

だけが回転するシングルディスク形がある。 

disk refiner 

2037 

トール油 

針葉樹のソーダ法又はクラフト法黒液の上部に浮かぶク
リーム状物質(スキミングという)を分離採取し,これを
酸分解して得られる油状物質。 

参考 主成分は樹脂酸と脂肪酸の混合物で,サイズ剤,

塗料,石けんなどの原料に用いられる。 

tall oil 

2038 

ニーダー 

古紙又は損紙の離解・混合に使用する機械。 

参考 1本又は2本の軸に離解・混合用の羽根が付き,

ケーシングの中で回転する。 

kneader 

2039 

二酸化塩素漂白 

パルプ中のリグニンなどの着色物質と選択的に反応する
二酸化塩素を用いた化学パルプ漂白法。 

参考 パルプ強度を損なうことなく高白色度まで漂白

できるのが特徴で,特にクラフトパルプの漂白
には不可欠である。当初は多段漂白の最終段で
の使用が一般的であったが,その後はパルプ品
質,漂白効率及び環境対策の面から塩素段での
塩素と置換使用されている。 

chlorine dioxide 

bleaching 

2040 

バーカー 

原木の皮はぎを行う機械。 

参考 ドラム式,回転ナイフ式,水圧ジェット式など

がある。 

barker 

2041 

ハイドロサルファ
イト漂白 

亜二チオン酸ナトリウムなどを用いた還元漂白。 

参考 ハイドロサルファイトは亜二チオン酸塩の俗

称。機械パルプなどに用いられる。 

hydrosulphite bleaching,  
hydrosulfite bleaching 

background image

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2042 

白液 

クラフト法又はソーダ法の緑液をかせい化した後のアル
カリ液。 

参考 蒸解に用いる。 

white liquor 

2043 

パルパー 

パルプ,古紙,損紙などを離解する機械。 

参考 槽の中で回転羽根によって水に渦流を起こし,

その作用で離解する。形式には縦形,横形の別
がある。 

pulper 

2044 

パルプ濃縮機 

パルプ懸濁液を脱水,濃縮する機械。 

pulp thickener 

2045 

パルプマシン 

パルプを抄造する機械。 

参考 機構的には長網抄紙機とほとんど同じである。 

pulp machine 

2046 

漂白 

パルプの着色不純物を除去又は無色に変えて,パルプの白
色度を増すこと。 

参考 漂白剤としては酸化剤,還元剤が用いられる。

白く見せるために,蛍光染料を用いた場合は,
蛍光増白という。 

bleaching 

2047 

ブロータンク 

蒸解後に,パルプを放出するタンク。 

参考 一般には密閉した鋼製タンクで,圧力に耐える

構造をもつ。 

blow tank 

2048 

木材チップ 

チッパーで製造した木材の小片。 

wood chip 

2049 

有効アルカリ 

クラフト蒸解液の蒸解作用をするアルカリ量の表示方法。 

有効アルカリ=NaOH+21×Na2S 

Na2O又はNaOHに換算して表す。 

effective alkali 

2050 

有効塩素 

塩素系漂白剤の酸化力(漂白力)比較の尺度として用いる
もので,漂白に有効に作用する塩素の漂白剤全重量に対す
る百分率 (%) をいう。 

available chlorine 

2051 

リグノスルホン酸
塩 

木材その他リグニンを含む原料を亜硫酸蒸解するときに
得られる水溶性のリグニン化合物。亜硫酸パルプ廃液の主
成分。 

lignosulphonate,  
lignosulfonate 

2052 

硫化度 

クラフト法蒸解液中の硫化物の量の表示方法。Na2O又は
NaOHに換算して表したNa2Sの,活性アルカリに対する百
分率。 

硫化度 (%) 

100

S

Na

NaOH

S

Na

2

2

×

+

=

sulphidity,  
sulfidity 

2053 

緑液 

ソーダ法又はクラフト法の薬液回収時の融解ナトリウム
塩を溶解した緑色の水溶液。 

参考 かせい化して白液として蒸解に用いる。 

green liquor 

2054 

連続蒸解 

木材チップのかま(釜)詰め,送液,加熱,薬液循環,放
出までを自動的に連続して行う蒸解。 

参考 クラフトパルプ,セミケミカルパルプなどの蒸

解に用いる。装置には縦形,横形などがある。 

continuous cooking 

2055 

パルプ除塵 

物理的な手段を用いて,パルプ中の不必要な物質を原料か
ら除去する操作。比重,遠心力を利用した除塵,目孔を通
しての除塵などがある。 

pulp cleaning 

2056 

スクリーニング 

スクリーンを用いて,原料をいろいろな大きさに分別する
操作。 

screening 

2057 

チップリファイニ
ング 

リファイナ機械パルプ製造のために,リファイナで木材チ
ップを機械的に処理すること。 

chip refining 

2058 

古紙 

使用済み又は加工工程から回収した紙又は板紙。再パルプ
化して紙又は板紙を製造するときに再利用する。 

waste paper 

background image

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2059 

選別 (1)  

紙又は板紙の製造に利用するために,ぼろ又は古紙の品質
をグループ分けすること。 

sorting (1)  

2060 

ポーチャ, 
洗浄機 

多孔円筒形ロールの一部をパルプ懸濁液中に浸せきし,連
続的に脱水することによって洗浄を行い,パルプ懸濁液の
洗浄及び漂白に用いるもので,ブレーカの一種。 

potcher,  
washer 

2061 

ブレーカ, 
ブレーカビーター 

パルプシート,古紙,損紙,ぼろパルプ,ぼろなどの布片
の離解に使用される。バーの付いたロールを装備した離解
機。 

参考 ベッドプレートがあるものとないものがある。 

breaker,  
breaker beater 

c) パルプの品種 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

亜硫酸パルプ 

1) 亜硫酸法で製造した化学パルプ。 

参考 クラフトパルプに比べ強度は低いが,漂白及び

精製が容易で,特に高度に化学精製したものは,
溶解パルプに用いられる。略称はSP。 

2) 原料を重亜硫酸塩溶液で蒸解して作ったパルプ。 

sulphite pulp,  
sulfite pulp 

3002 

クラフトパルプ 

1) クラフト法で製造した化学パルプ。 

参考 強度が大で難漂白である。未ざらしクラフトパ

ルプは重袋・包装用クラフト紙に,多段漂白し
たさらしクラフトパルプは上級紙の主原料とな
る。また,前加水分解処理によって溶解用クラ
フトパルプも製造される。略称はKP。 

2) 水酸化ナトリウム,硫化ナトリウム,黒液などを含む

液で原料を蒸解して作ったパルプ。 
参考1. “硫酸塩”という用語は,液の回収工程で硫

化ナトリウムの補充に硫酸ナトリウムを使う
ことに由来している。 

2. 技術的な意味においては,“クラフトパルプ”

のほうが“硫酸塩パルプ”より限定的であり,
商業的にも区別している国がある。しかしな
がら,ほとんどの国では,これら二つの用語
は同義語とみなされており,“硫酸塩”との混
同を避けるために,“クラフトパルプ”のほう
がよく使われている。 

kraft pulp,  
sulphate pulp,  
sulfate pulp 

3003 

ケミグランドパル
プ 

木材に薬液をしみ込ませてから,機械的に処理して製造し
た高収率パルプ。 

参考 製造方法にはチップ法と丸太法があり,使用す

る薬液によって,コールドソーダ法,中性亜硫
酸法などに区別する。略称はCGP(英語では
CMP)。 

chemimechanical pulp,  
chemigroundwood 

3004 

ケミサーモメカニ
カルパルプ 

木材チップに短時間,低濃度の薬品をしみ込ませた後加熱
し,高温下でリファイニングする改良サーモメカニカル法
で製造した機械パルプ。 

参考 結束繊維が少なく,易漂白性が特徴で印刷用紙

にも使われる。略称はCTMP。 

chemithermomechanical 

pulp 

3005 

合成パルプ 

合成高分子物質(主としてポリオレフィン)を木材パルプ
の形状にしたもの。 

参考 特殊な紙の原料として,親水性を与えて単独又

は木材パルプと配合して抄紙する。 

synthetic pulp 

background image

10 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3006 

コールドソーダパ
ルプ, 
冷ソーダパルプ 

木材チップを水酸化ナトリウムで常温前処理した後,リフ
ァイナで処理して製造したケミグラウンド法による高収
率パルプ。 

cold soda pulp 

3007 

サーモメカニカル
パルプ 

木材チップを蒸気で加熱前処理し,高温・加圧下でリファ
イナで処理して製造した機械パルプ。 

参考 リファイナ砕木パルプより強度が高く,結束繊

維が少ないのが特長で,中下級印刷用紙の原料
となる。略称はTMP。 

thermomechanical pulp 

3008 

砕木パルプ 

1) 木材を砕木機で磨砕して製造した機械パルプ。 

参考 加熱,加圧条件下で製造するものもある。磨砕

程度によって,特砕木パルプ,並砕木パルプの
区別をする。新聞用紙など下級紙の原料となる。
略称はGP。 

2) 例えば,研磨した石の表面に木材を押し付けながら砕

いて作った機械パルプ。 

groundwood,  
stone groundwood 

3009 

セミケミカルパル
プ 

1) セミケミカル法で製造した高収率パルプ。 

参考 主に広葉樹チップを用い,強度のあるパルプが

得られる。未ざらしのものは板紙・段ボール中
しんの原料となり,さらしたものは中下級印刷
用紙の原料となる。略称はSCP。 

2) 化学的処理(例えば,蒸解)によって除去可能な非セ

ルロース成分を原料から一部除去し作ったパルプ。繊
維をほぐすための機械的後処理が必要である。 

semichemical pulp 

3010 

ソーダパルプ 

ソーダ法で製造したパルプ。 

参考 非木材パルプの製造に利用されることが多い。

略称はAP。 

か(苛)性ソーダだけを含む薬液で原料を連続的に処理し
て作ったパルプ。 

soda pulp 

3011 

脱インキパルプ 

古紙を原料として,離解,除じん(塵),脱インキの処理
工程を経て製造した再生パルプ。 

参考 上級紙用途のものは,更に漂白処理をすること

がある。略称はDIP。 

deinked pulp 

3012 

中性亜硫酸セミケ
ミカルパルプ 

中性亜硫酸塩法を用いたセミケミカル法で製造した高収
率パルプ。 

参考 主に広葉樹チップを用い,板紙・中しんの原料

となり,漂白したものは中下級印刷用紙原料と
なる。略称はNSSCP。 

neutral sulphite 

semichemical pulp,  

neutral sulfite 

semichemical pulp 

3013 

溶解パルプ 

化学的に高度に精製したセルロース純度が高いパルプ。 

参考 セルロース誘導体,化学繊維などのセルロース

を利用する原料となる。略称はDP,亜硫酸法に
よるものをDSP,クラフト法によるものをDKP
と区別する。 

dissolving pulp 

3014 

リファイナ砕木パ
ルプ 

木材チップを大気圧下でリファイナ処理して製造した機
械パルプ。 

参考 主に針葉樹を原料とし,新聞用紙原料となる。

略称はRGP(英語ではRMP)。 

refiner mechanical pulp,  
refiner groundwood 

3015 

リンターパルプ 

綿花から長繊維綿毛を取ったあとの綿実に付いている短
繊維綿毛(リンター)を精製したパルプ。 

参考 α−セルロースの純度が高く,特殊紙やセルロー

ス誘導体の原料となる。 

linter pulp 

background image

11 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3016 

木材パルプ 

木材を原料としたパルプ。 

woodpulp 

3017 

針葉樹パルプ 

針葉樹を原料としたパルプ。 

softwood pulp 

3018 

広葉樹パルプ 

広葉樹を原料としたパルプ。 

参考 繊維は,一般に針葉樹より短い。 

hardwood pulp 

3019 

エスパルトパルプ 

エスパルト草又はアルバルディン草を原料とした製紙用
パルプ。 

参考 これら2種類の草を区別している国もある。 

esparto pulp 

3020 

わらパルプ 

わらを原料としたパルプ。 

strawpulp 

3021 

竹パルプ 

竹の茎を原料としたパルプ。 

bamboo pulp 

3022 

ぼろパルプ 

1) 新しいコットンリンタ断裁片又は使い古した亜麻,麻,

ラミー,木綿のぼろを原料としたパルプ。 

2) 織物工場から直接持ち込まれた亜麻,麻,ラミー又は

木綿を原料としたパルプ。 

rag pulp 

3023 

レザーパルプ 

皮くずを機械的処理,又は機械的処理及び化学的処理を併
用して作ったパルプ。 

leather pulp 

3024 

中性亜硫酸塩パル
プ 

中性亜硫酸塩を含む液で原料を蒸解して作った化学パル
プ。 

neutral sulphite pulp 

3025 

ソーダ・塩素パルプ か(苛)性ソーダ及び塩素で原料を連続的に処理し作った

パルプ。 

soda/chlorine pulp 

3026 

褐色機械パルプ 

木材を蒸気又は煮沸処理してから作った機械パルプ。 

brown mechanical pulp 

d) 紙・板紙及び加工品の一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

板紙 

木材パルプ,古紙などを原料として製造した厚い紙の総
称。 

参考 板紙抄紙機で作り,紙質は硬く,腰が強い。段

ボール原紙,白板紙などがあり,主に包装材料
として使用される。 

board,  
paperboard 

4002 

A列本判 

625×880 mmの寸法をもつ,我が国の標準原紙寸法。 
(JIS P 0138及びJIS P 0202参照) 

standard size of series A 

4003 

表と裏 

1) 一般にすき網に接する紙の面を裏といい,反対の面を

表という。 

2.1) 紙又は板紙の紙匹又は平判のワイヤ面(裏面)と反

対の面。 

参考 この用語は,2枚のワイヤの間で紙層を形成した

紙に対しては,必ずしも適切ではない。 

2.2) 抄紙中,ワイヤと接した方の紙又は板紙の面。 

参考 2.1)の参考を参照。 

top side and wire side 

background image

12 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4004 

紙 

1.1) 植物繊維その他の繊維をこう(膠)着させて製造し

たもの。 

なお,広義には,素材として合成高分子物質を用

いて製造した合成紙のほか,繊維状無機材料を配合
した紙も含む。 

1.2) 板紙に対応する語。 

参考 新聞巻取紙,印刷情報用紙,包装用紙,衛生用

紙などがある。 

2) 平判又は紙匹の状態の素材に対する一般的な用語−製

紙用パルプ又は溶解パルプのシート及びラップ並びに
不織布は除外−植物,鉱物,動物又は合成繊維若しく
はそれらの混合物に他物質を添加(又は無添加)して,
適当な地合形成装置上に懸濁液を堆積させて作ったも
の。 
参考1. 紙としての本質を失わなければ,製造後に塗

工,含浸などの変性を行ったものでもよい。 

一般の製紙工程では流体メジュームは水で

あるが,新規に開発した空気,その他の流体
を利用したものを含む。 

2. 一般的な概念として,“紙”という名称を4004

及び4001で定義した紙,板紙の両方を指すた
めに用いることもある。 

3. 目的によっては,坪量225g/m2未満を紙,

225g/m2以上を板紙とみなすことがある。 

しかしながら,紙と板紙の区分は,主とし

てその材料の特質,場合によっては用途に基
づいて行っている。折畳み箱用板紙及び段ボ
ール原紙といった材料の多くは,坪量が
225g/m2未満でも“板紙”とみなされているし,
225g/m2以上でも,吸取紙,フェルト紙及び図
画用紙は,一般的には“紙”とみなされてい
る。 

4. “不織布”には,別の定義がある。 

paper 

4005 

紙及び板紙の寸法 

紙(板紙)の種類,銘柄などによって定められた平判・巻
取りの寸法。 
(JIS P 0138及びJIS P 0202参照) 

size of paper and board 

4006 

紙加工仕上寸法 

1) 書籍,雑誌,証券,事務用紙,図画用紙,便せんなど

に定められた仕上寸法。 
参考 A列及びB列があり,それぞれ0から10まであ

る。 

(JIS P 0138参照) 
2) 平判紙又は板紙の最終的な寸法。 

trimmed size of paper 

4007 

原紙寸法 

1) 紙の原紙の標準寸法。 

参考 紙加工仕上寸法に対応し断裁余白を含んだ寸法

になっている。JISにはA列本判,B列本判,
四六判,菊判及びハトロン判の5種類が定めら
れている。主に書籍用紙,証券用紙,事務用紙
などに用いられる。 

(JIS P 0202参照) 
2) 必要に応じて,加工仕上寸法が取れるような紙又は板

紙の平判寸法。 

untrimmed size of paper 

background image

13 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4008 

紙匹 
(しひつ) 

抄紙機上のもの又は巻き取ったもので長いままの紙。 

web 

4009 

層 

板紙などのすき合せ抄紙機で製造される紙の各紙層。 

ply 

4010 

損紙 

製紙工程で生じるくず紙。 

参考 損紙には,抄紙機の湿部で出るぬれた損紙と,

乾燥部以後及び仕上げ工程から出る乾燥損紙と
がある。これは,普通離解して再使用する。 

(wet or dry) broke 

4011 

縦方向,  
紙及び板紙の縦方
向 

抄紙機で紙及び板紙を抄造する場合,進行方向に並行な紙
の方向。流れ方向ともいう。略称はMD。 
(4016参照) 

machine direction 

4012 

平判 
(ひらばん) 

一定寸法の長方形のシートに仕上げた紙及び板紙。 

参考 大きさには,紙のA判,B判,板紙のL判,K

判などがある。 

(JIS P 0138参照) 

sheet (of paper or board)  

4013 

B列本判 

765×1 085mmの寸法をもつ我が国の標準原紙寸法。 
(JIS P 0138及びJIS P 0202参照) 

standard size of series B 

4014 

不織布 

織機を使わずに天然,再生,合成繊維など各種の繊維のウ
ェブを機械的,化学的,熱的,又はそれらの組合せによっ
て処理し,接着剤又は繊維自体の融着力によって構成繊維
を互いに接合して作ったシート状の材料。 

参考 乾式不織布及び湿式不織布がある。 

non-wovens 

4015 

巻取り 

所要の幅と直径に巻き取られた連続した紙又は板紙。平判
(4012参照)に対応する語。 

roll (of paper or board)  

4016 

横方向, 
紙及び板紙の横方
向 

抄紙機で紙及び板紙を抄造する場合,紙の進行方向に直角
な紙の方向。略称はCD。 
(4011参照) 

cross direction 

4017 

連 

1) 紙及び板紙の取引上の一単位。 

参考 我が国では,平判の場合は規定寸法に仕上げた

紙1 000枚を,板紙の場合は100枚を,また巻取
りの場合は規定寸法の紙1 000枚分を,板紙の場
合は,100枚分をそれぞれ1連とする。 

2) 同じ平判紙500枚を一包みにしたもの。 

ream 

4018 

連量 

1連の紙の質量。我が国ではキログラム (kg) で表す。 

ream weight 

4019 

紙又は板紙のリー
ル 

巻心に巻き取った長いままの紙又は板紙。 

参考 北米では,“リール”という用語は,抄紙機の末

端の金属ロールの周りに巻き取った長いままの
紙を指すのに使われる。巻き直し後は,巻心の
有無に関係なく“巻取り”と呼んでいる。 

reel (of paper or board)  

4020 

紙又は板紙のリー
ル又は巻取りの幅 

横(幅)方向に測定した紙又は板紙の紙匹の寸法。 

width (of a reel or a roll 

of paper or board)  

4021 

リール又は巻取り
の長さ 

リール1本又は巻取り1本に巻かれた紙又は板紙の長さ
(通常は,メートルで表示) 

length (of a reel or a roll) 

4022 

抄造見本紙 

工場又は顧客の評価用に抄紙中採取した紙又は板紙の平
判。 

outurn sheet 

4023 

サイドラン 

通常,再離解しないで利用できる幅の狭い1本のリールの
こと。抄紙機の最大取幅にできるだけ近づけるために,主
受注品に付加して計画的に生産されるもの。 

side-run 

4024 

オフカット 

加工処理中に除去した平判で,注文品の寸法より小さい
が,再離解しないで利用できる大きさの平判のこと。 

offcut 

background image

14 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4025 

紙又は板紙の組成 

紙又は板紙の繊維成分及び非繊維成分の種類及び比率。 

composition (of paper or 

board)  

4026 

繊維組成 

紙又は板紙に含まれる繊維成分及びその比率。繊維組成
は,通常,繊維成分の総質量に対するパーセントとして表
示する。 

fibre composition 

4027 

完成紙料 

与えられた紙の紙料を構成する繊維成分及び非繊維成分
の種類及び割合。 

furnish 

4028 

完成紙料層 

湿潤中に,接着剤ではなく,圧力によって結合させた同じ
完成紙料1層以上から成る紙又は板紙の層。 

furnish layer 

4029 

紙又は板紙の紙層 

紙又は板紙抄紙機のワイヤ上に形成した均一組成の紙匹。 ply (of paper or board)  

4030 

板紙のアンダーラ
イナー 

板紙の外層と中間層の間にある完成紙料層。 

underliner (of board)  

4031 

板紙の中間層 

板紙の二つの外層の間にある完成紙料層,又はアンダーラ
イナーとアンダーライナーの間にある層若しくはアンダ
ーライナーと反対側の外層の間にある層。 

middle of board 

4032 

レクト 

1) 書籍のレクト (of book)  書籍を開いたときの右側の

ページ。次のページは“ベルソ”という。新聞などに
も用いられる。 

2) 郵書のレクト (of postal document) あて(宛)名を書

く方の面。 

3) 加工紙のレクト (of a processed sheet) 加工紙の最初

の面。反対面は,“ベルソ”。 
参考 “加工”とは,印刷業者,文房具業者などによ

る加工をいう。 

4) 板紙のレクト (of board) 見栄えがいい方の面。 

recto 

4033 

ベルソ 

レクトの反対の面。 

verso 

4034 

白 

1) 一次光源放射への適用 (applied to radiation from a 

primary source) 昼光に近い放射特性。 

2) 物体への適用 (applied to a body)  

− 可視光線を吸収しない散光器(ディフューザ)。 
− 可視光線の全波長で高度に拡散し,しかも均一か

つ高度に反射するような比較的不透明な物体。 

3) 感覚分野への適用 (applied to the field of sensation) 

白色一次光源によってもたらされる感覚,又は白色光
に照射された白色物体が反射した光によってもたらさ
れる感覚。 

white 

4035 

黒 

1) 物体への適用 (applied to a body)  

− 完全黒体とは,すべての入射光を吸収し,全然反

射しない物体。 

− 拡張して,黒に近い素材を内張りした空洞に小さ

な孔を通して光を入射させたとき,入射光のすべ
ての放射を極めて高い比率で非選択的に吸収する
物体。 

2) 感覚分野への適用 (applied to the field of sensation) 

刺激が目の感覚限界以下であるため,光を感知しない
こと。 

black 

4036 

白色度 

物体が,高明度,高拡散及び最小知覚可能色相なため,ほ
ぼ白色のように見える視覚のもつ複雑な属性。 

whiteness 

4037 

平判の寸法 

ISO規格では,紙又は板紙の寸法は,幅(小さいほうの寸
法),長さの順序で表示。 

size (of a sheet)  

background image

15 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4038 

平判紙又は平判板
紙 

折り畳んだり,巻き取ったりしないで,平判のまま供給さ
れる紙又は板紙。 

paper or board in the flat 

4039 

帳 

一連の1/20,すなわち,25枚。 

quire 

4040 

フルート, 
段 

波形紙又は段ボールの波形の段。 

flute 

e) 紙及び板紙の製造 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5001 

青味付け 

パルプの黄色味を消し,すき上がった紙を白く見せるため
に青色染料又は顔料を加えること。 

blueing 

5002 

板紙抄紙機 

板紙を製造する機械。所要の厚さ及びすき合せの数によっ
て多数の円網をもつ円網抄紙機。 

参考 通常の抄紙機と同一構造の長網抄紙機,円網長

網コンビネーション,その他ダブルスライス,
ツインワイヤなどの方式がある。 

board machine 

5003 

色違い 

見本試料との色合いの違い。 

offshade 

5004 

ウェットパート 

抄紙機のワイヤ部とプレス部を合わせた部分。 

wet part 

5005 

エージング 

物質を一定条件の下に保持し,使用目的に適合するように
化学的変化若しくは物理的変化を進行させる操作又は現
象。熟成ともいう。 

参考 例えば,サイズ剤,紙力増強剤,防湿剤処理な

どで行われる。 

紙又は板紙の品質が,時間の経過とともに劣化すること。
老化ともいう。 

ageing,  
aging 

5006 

エキスパンダロー
ル 

ワイヤ,毛布,紙などのしわの発生を防止するために用い
るロール。 

expander roll,  
spreader 

5007 

カオリン 

含水けい酸アルミニウムを主成分とする精製白色粘土。 

参考 塗工用顔料及び一部はてん(塡)料として使用

される。 

kaolin 

5008 

カゼイン 

牛乳などの中にあるりんたんぱく質の混合物。 

参考 等電点pH4.5〜4.6。脱脂乳から酸又は酵素で沈

殿させて製造する。塗工紙その他の塗工用接着
剤,水性塗料,乳化剤などに用いる。 

casein 

5009 

片つや付け 

ヤンキードライヤ面にタッチロールで湿紙を押し付け,乾
燥と同時に光沢を付けること。 

machine glazing 

5010 

カレンダリング 

金属ロール又は金属ロールと弾性ロール間に紙を通して
ニップでの加圧,加熱,及び摩擦によって紙に光沢と平滑
性又は透明性の付与,厚さ調整などを行う操作。 

参考 スーパーカレンダ,ソフトカレンダなどの装置

を用いる 

calendering 

5011 

乾燥シリンダ 

湿紙を押し付けて乾かすため内部に蒸気を通す鉄製のシ
リンダ。 

参考 蒸気圧に耐えるように,また熱の伝導が容易な

ように製造してある。 

drying cylinder 

5012 

カンバス 

湿紙を乾燥シリンダに運び,押し付けるときに用いる帆
布。 

参考 木綿,合成繊維を用いたものが多い。 

canvas 

background image

16 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5013 

顔料 

塗工に使用する無機又は有機の主として白色の粉体。 

参考 無機顔料としてカオリン,炭酸カルシウム,二

酸化チタンなど,有機顔料としてプラスチック
ピグメントなどがある。これによって印刷適性
の優れた塗工紙が得られる。 

pigment 

5014 

ギロチン断裁機 

長いナイフが下方に動く押切断裁機。 

参考 平判断裁に用いる。 

guillotine cutter 

5015 

クーチ 

ワイヤ部の末端部分にあって形成された湿紙を脱水し,プ
レス部(フェルト)へ転移できるようにする操作又は装置。 

参考 クーチロール及びクーチピット(湿紙の耳回収

槽)がある。 

couch 

5016 

クーチロール 

抄紙機のワイヤ部の末端(円網の場合は上部)で湿紙を脱
水し,フェルトに移しやすくするロール。 

couch roll 

5017 

クラウン 

プレス及びカレンダなどで,ロール間の接触面の線圧を全
長にわたって均一にするためのロール中央部の中高の量。
中央部と端部の直径の差で表す。 

crown 

5018 

グルーブドロール 

表面全体に円周方向の細溝を切ったロール。 

参考 紙匹や毛布からの搾水,排水を促進する。プレ

スロール,テーブルロールなどに用いる。 

grooved roll 

5019 

グロスカレンダ 

表面を鏡面光沢に仕上げ,内部に高圧蒸気を送入した円筒
の両側に1本ずつ耐熱性ゴムロールを押し付け,その間に
紙を通して光沢を付ける装置。 

参考 カレンダ仕上紙よりも,かさと印刷適性が増す。 

gloss calender 

5020 

蛍光増白 

紫外線を吸収して可視光線に変える蛍光染料などの物質
を紙に加え,見掛け上の白さを向上させること。 

fluorescent whitening 

5021 

欠点検出装置 

紙の穴,汚れ,きょう雑物などの欠点,欠陥を連続的に検
出する装置。 

参考 透過光方式と反射光方式があり,抄紙機の最終

部又は加工機に据え付ける。 

optical fault detecter 

5022 

こう(叩)解 

1) 紙を抄造するための前処理として製紙用繊維を水とと

もに機械的に処理すること。 
参考 繊維の切断,フィブリル化が主な作用である。

紙の最終的な性質は,この処理の影響を受ける
ことが大きい。 

2) ビーター又はリファイナで行う繊維状物質の機械的処

理。 

2.1) こう解 (beating) :紙料をビーターで処理すること。 
2.2) こう解 (refining) :紙料をリファイナで処理するこ

と。 

beating,  
refining 

5023 

光沢仕上げ 

乾燥又はカレンダリングによって紙に光沢を付与する操
作。 

参考 ヤンキードライヤ,スーパーカレンダ,ソフト

カレンダなどの装置を用いる。 

glazed finish 

5024 

コーター, 
塗工機 

原紙に塗剤を塗る機械。 

参考 コーターには,抄紙中に塗るオンマシンコータ

ーと,抄紙後に塗るオフマシンコーターがある。 

coater,  
coating machine 

background image

17 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5025 

コーティング, 
塗工 

印刷,包装などの用途に応じた特性を紙にもたせるため
に,コーターによって原紙に塗剤を塗ること。 

参考 コーティングの方法として,ブレードコーティ

ング,エアナイフコーティング,ロールコーテ
ィング,押出しコーティングなどがある。また,
1度塗り,2度塗り,両面塗工もある。 

coating 

5026 

サイズ 

ペン書きの際,インキがにじまないように,また毛羽立ち
を防ぐために,紙の表面性を改善するための操作,又はこ
れに使用する薬品。 

参考 サイズ剤としてはロジン,ゼラチン,でんぷん,

合成樹脂などが用いられ,その方法にはサイズ
剤をパルプに調合する方法(内添サイズ)と紙
の表面に塗布する方法(表面サイズ)がある。 

sizing,  
sizing agent 

5027 

サイズプレス 

抄紙機の乾燥部の中間に取り付けられて,紙に表面サイズ
を施す装置。サイズ液を紙に塗工するためのロールと,サ
イズ液の供給装置とから成る。 

size press 

5028 

サクションピック
アップ 

湿紙をワイヤからフェルトに転移させる操作又は装置。 

参考 ワイヤ上の湿紙にフェルトを接触させ,サクシ

ョンロールの吸引力によってワイヤからフェル
トへ転移させ,プレスロールまで運ぶ。高速抄
紙機及び薄葉紙抄紙機に用いられる。 

suction pickup 

5029 

サクションボック
ス 

1) 抄紙機のワイヤ又はフェルトに接し,箱内を減圧にし

て湿紙又は毛布から水を吸引する装置。 

2) サクションロール内にある吸引箱。 

suction box 

5030 

サチンホワイト 

硫酸アルミニウムと石灰乳との反応沈殿物。 

参考 アート紙の塗料として用いる。 

satin white 

5031 

地合 

シート中でのパルプ繊維の分布の均一さの度合。 

参考 普通は透過光によって肉眼で判定される。 

formation 

5032 

シェーキ 

長網抄紙機でワイヤを水平に横振れさせること。 

参考 これによって繊維の分散状態を良くし,地合を

整える。 

shake 

5033 

シャドーマーク 

サクションプレスのニップなどで湿紙が不均一に脱水さ
れることによって生じるマーク。 

参考 紙の欠点の一つである。 

shadow marks 

5034 

抄紙機 

紙及び板紙を抄造する機械。 

参考 湿紙を形成するワイヤ部,水を搾るプレス部及

び乾燥部から成る。長網抄紙機,円網抄紙機,
ツインワイヤマシン,コンビネーションマシン
などの形式がある。 

paper machine 

5035 

抄紙除塵装置 

調成及び抄紙機直前で紙料中の不純物を除去する装置。 

参考 重力や遠心力の差によるクリーナ方式と形状の

差によるスクリーン方式がある。 

stock cleaning equipment 

5036 

紙料 

1) パルプの離解工程から抄紙工程までのパルプスラリ

ー。 

2) パルプの離解段から紙又は板紙の紙匹又はシートを形

成するまでの,1種類以上の製紙用パルプ及び他の物
質を含んだ水懸濁液。 

stuff,  
stock 

5037 

紙料回収装置 

白水中のパルプ,てん(塡)料などを回収する装置。 

参考 方式として加圧浮上分離法,凝集沈殿法,ろ過

分離法などがある。 

save-all 

background image

18 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5038 

紙力増強剤 

紙の通常又は湿潤時の強度を向上させる薬品。ポリアクリ
ルアミド,でんぷん,PVA,耐水化剤などがある。 

参考 使用方法は調成で紙料に添加する内添法と抄紙

機のサイズプレスなどで塗工する表面法があ
る。 

paper strength additive 

5039 

しわ 

不均一な乾燥又は急激な乾燥のために生じる小じわ,波打
ち,膨らみなど紙のひずみ現象。 

参考 紙の欠点の一つである。 

cockle 

5040 

スーパーカレンダ 

1) 紙に強光沢,平滑性又は透明性などを与えるために用

いる機械。 
参考 チルドロールとコットンロール又はペーパーロ

ールなどを交互に重ねたものがある。ロールの
本数は用途によって異なるが,段数の多いもの
が多い。 

2) 通常,紙又は板紙抄紙機から独立して設置される特殊

なカレンダ。 
参考 金属ロール及び金属製でない圧縮性ロールの両

方を使用し,金属ロールのうちの1本又はそれ
以上のロールが加熱可能である。ロールの数は,
一般に抄紙機のカレンダより多く,普通のカレ
ンダよりも高品質な仕上がりが得られる。 

super calender 

5041 

すき網 

パルプ又は紙を抄造するときに用いるワイヤ。 

参考 材料は普通,りん青銅と黄銅又はプラスチック

などが多く用いられる。紙の種類に応じて,網
目,織り方を変えたものを用いる。 

wire (cloth)  

5042 

すき入れ, 
透かし 

紙を透かしてみたとき現れる模様。 

参考 明るく見える白すき入れと,暗く見える黒すき

入れの2種類がある。方法には,手すき,円網
のすき網及びダンディロールのワイヤに希望の
模様の凹凸をつけたもので抄造したり,プレス
部などで凹凸模様のあるロールで湿紙にプレス
することなどがある。 

watermark 

5043 

すきむら 

紙層の構成が均一でない状態。 

wild formation,  
wild lookthrough 

5044 

スクイズロール 

プレス部で毛布の過剰の水分を絞り出すロール。 

squeeze roll 

5045 

スムーザ 

1) 乾燥部入口にあり,紙の面を滑らかにするために用い

る平滑ロール。 

2) 紙又は板紙の表面性改善のために,紙又は板紙抄紙機

のプレスパートとドライパートの間に設置される一対
のロール。 
参考 表裏差を少なくし,乾燥前にフェルトマークを

除去する。 

smoother,  
smoothing press 

5046 

スライス 

長網抄紙機のフローボックスから紙料が長網上に流れる
際,その流量を調節する装置。 

参考 ボンドスライス,ノズルスライスなどがある。 

slice 

5047 

スライム 

紙パルプ製造工程中,原質液の中に微生物の作用によって
できる粘状物質。 

参考 この塊は,紙切れ,ちりなどの原因となる。 

slime 

5048 

スリッタ 

パルプ又は紙などを流れ(縦方向)に沿って切る装置。 

slitter 

background image

19 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5049 

ゼータ電位 

界面動電位のこと。固体と液体が相対運動するとき,固体
表面上の液体分子の固定相と液体内部の拡散層との電位
差をいう。 

参考 これによって紙料懸濁液の分散,凝集状態を評

価できる。 

zeta potential 

5050 

セーブオール 

ワイヤの下のとい(樋)。長網抄紙機のテーブルロール下
にある浅いといで,抄紙機の白水を集める装置。また,セ
ットリングタンクの意味に用いることもある。 

save-all pan 

5051 

繊維配向 

抄紙機のワイヤ上でパルプ繊維が紙の縦方向に並ぶ傾向
のこと。 

参考 これによって紙の強度,寸法安定性などの特性

に縦横差が表れる。配向度合は用途に応じて調
節できる。 

fibre orientation 

5052 

選別 (2) 

平判紙を検査し,商品として良品と不良品とをより分ける
こと。 

参考 普通,紙の傷,汚れ,断裁耳などについて調べ

る。 

sorting (2) 

5053 

ソフトカレンダ 

カレンダリングを行う装置の一つ。 

参考 加熱装置付き金属ロールと耐熱性弾性ロールの

組合せから成る。紙は熱によって可塑化される
ため通過ニップ数が少なくて光沢や平滑性を上
げられる。抄紙機に組み込んで使用することが
多い。 

soft calender 

5054 

耐水化剤 

紙又は塗工層の耐水性を上げる薬品。 

参考 メラミンホルマリン樹脂,尿素ホルマリン樹脂,

エポキシ化ポリアミド樹脂などの合成樹脂又は
ホルマリン,グリオキザールなどの架橋剤を用
いる。 

water resistant additive 

5055 

ダスティング 

製紙工程又は加工や印刷作業中に,てん(塡)料や繊維,
塗料が粉となって紙から離れること。 

参考 この粉を紙粉という。 

dusting 

5056 

多層すき 

2層以上の抄き合せ抄紙法。 

参考 抄紙した湿紙を重ね合わせる方式,ヘッドボッ

クスのスライスから層構造の紙料を同時に流出
させ抄紙する方式,及び多段ヘッドボックスに
よる方式がある。板紙やティシュマシンに主と
して用いられる。 

multiply forming 

5057 

タッチロール 

ヤンキードライヤの入口において湿紙をドライヤ面に押
しつけるために用いるゴムロール。 

参考 一般に硬度の高いゴムロールを用いる。 

touch roll 

5058 

炭酸カルシウム 

CaCO3。 

参考 天然の石灰石などの原石を機械的に微粉砕した

重質炭酸カルシウムと,生石灰を水に溶かし炭
酸ガスを吹き込んで合成した軽質(沈降性)炭
酸カルシウムがある。用途として,中性紙用て
ん(塡)料及び塗工用顔料がある。原石はクラ
フト法における薬品回収に用いる。 

(JIS R 9200参照) 

calcium carbonate 

background image

20 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5059 

弾性ロール 

表面材質に繊維質(もめん,羊毛),プラスチック,ゴム
などの弾性材料を用いたロール。 

参考 スーパーカレンダなどに金属ロールと組み合わ

せて使用する。 

elastic roll 

5060 

ダンディロール 

長網抄紙機のワイヤ部でサクションボックス間の上部に
あるワイヤを張った小形の中空ロール。 

参考 一般に地合を良くし,紙面を滑らかにするのに

用いるが,ワイヤに模様を付ければ,すき入れ
のある紙ができる。 

dandy roll 

5061 

中性サイズ 

中性から弱アルカリ領域で抄紙する場合のサイズ処理,又
はそれに用いる薬品。 

参考 中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマ,ア

ルケニル無水こはく酸などがあり,てん(塡)
料に炭酸カルシウムが使える。酸性紙と比較し
て中性紙は経時保存性が著しく向上するといわ
れる。 

neutral sizing,  
neutral sizing agent 

5062 

調成 

完成した紙料として抄紙機に送り込む準備工程。 

参考 パルプの離解及びこう(叩)解,損紙の処理,

紙料の回収,不純物の除去,パルプ及びてん(塡)
料・薬品などの配合を行う。 

stock preparation 

5063 

チルドロール 

高炭素鋳鉄で,急冷によって表面が高硬度で耐摩耗性に作
られたロール。 

参考 スーパーカレンダなどに弾性ロールと組み合わ

せて使用する。 

chilled roll 

5064 

ツインワイヤフォ
ーマ 

2枚のワイヤを用いて,紙層の両面から脱水する機構をも
つ抄紙機。 

参考 長網抄紙機より表裏差の少ない紙が製造され

る。 

twin-wire former,  
double wire machine 

5065 

ティシュマシン 

薄葉紙を抄造する機械。 

参考 ドライヤは一般の抄紙機より少ない。我が国で

は2本以上の大形ドライヤをもつ抄紙機を指す
こともあるが,ヤンキードライヤを備えた家庭
用薄葉紙抄造の高速抄紙機を指すことが多くな
った。 

tissue machine 

5066 

テーブルロール 

長網抄紙機のプレストロールとクーチロールの間にあっ
て並行に並び,ワイヤを支えるロール。 

参考 その回転によってワイヤから脱水する。 

table roll 

5067 

デッケル 

長網抄紙機のワイヤ部に取り付け,紙幅を規制するゴムベ
ルト又はベークライト製の板。 

参考 円網抄紙機で紙幅を調整するために最後のシリ

ンダの周囲に巻く帯をいうこともある。 

deckle,  
deckle boards 

5068 

てん(貼)合 

2枚以上の紙,板紙をはり合わせること,又は紙,板紙を
金属はく,プラスチックフィルムなどとはり合わせるこ
と。 

lamination 

5069 

でんぷん 

とうもろこし,じゃがいも,小麦,タピオカなどの植物に
含まれる白色・無臭の多糖類で,酸化,酵素変性,カチオ
ン化,エステル化,アルデヒド変性などの用途に応じて変
性し,内添及び表面塗工,顔料塗工に用いるもの。 

starch 

background image

21 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5070 

てん(塡)料 
(てんりょう) 

紙の不透明性,平滑度,重量増加などの目的で配合する鉱
物質の粉末。 

参考 クレー,タルク,炭酸カルシウムなどがある。 

filler 

5071 

ドクタ 

抄紙機の各種ロール及びドライヤ面に付着する紙粉をか
き取ったり,紙にクレープを付けるのに用いる装置。 

参考 塗工の場合には過剰の塗料の除去に用いる。 

doctor 

5072 

ドライパート 

抄紙機やコーターなどで紙を乾燥する部分。 

dry section 

5073 

取幅 

抄紙機上で,すき耳の部分を除いた最大紙幅。 

trim 

5074 

ドレネージ 

1) ワイヤ上での水切れのこと。 

参考 ワイヤ上で紙層形成時に紙料内の空げき(隙)

を通り水が排出される。排出度合いはパルプの
こう(叩)解・薬品の添加などによって調節で
きる。 

2) 乾燥部で使用する蒸気の効率を上げるために,ドレン

を排出させる目的で用いるシステム。 

drainage 

5075 

ドロー 

抄紙機の各部分間の紙匹の張りの程度。 

draw 

5076 

内添サイズ 

調成工程で紙料にあらかじめ薬品を添加し,サイズを施す
方法,又はそれに用いる薬品。 

参考 表面サイズに対応する。内添サイズ剤としてロ

ジン系,石油樹脂系,中性系などがある。 

internal sizing,  
internal sizing agent 

5077 

長網抄紙機 

ワイヤ部に走行するエンドレスの長いワイヤをもつ抄紙
機。 

参考 紙料はこのワイヤ上に流し出され,紙層が形成

される。“長網フォーマ”上で紙料を脱水するこ
とによって紙又は板紙の紙匹を製造する機械。
その後,湿紙はプレス及び乾燥される。 

fourdrinier (paper) 

machine 

5078 

ニップ 

プレスロール,カレンダ,スーパーカレンダなどにおける
2本のロール間の接触面。 

参考 紙匹がここで進行方向に向かって締めつけられ

る。プレスでのウェットニップとカレンダでの
ドライニップがある。 

nip 

5079 

ねり 

和紙をすくとき長繊維が沈降するのを防ぎ,これを均等に
分散させ,重ね合わせた和紙の接着を防ぐために用いられ
る粘質物。 

参考 とろろあおいが手すき和紙に用いられるが,最

近では,ポリエチレンオキシド,ポリアクリル
酸ナトリウムなどの水溶性高分子化合物も用い
られる。 

NERI 

5080 

ハイドロフォイル 

形状は平面又は曲面平板状で,その先端付近を抄紙機の長
網の下面に接触させて用いる脱水装置。 

hydrofoil 

5081 

バインダ 

1) 紙の表面強度,内部強度などを上げるために内添及び

表面塗工に用いる薬品。 
参考 でんぷん,PVA,ポリアクリルアミドなどがあ

る。 

2) 塗工紙に顔料とともに配合し塗膜強度を与える薬品。 

参考 でんぷん,ラテックス,カゼインなどがある。 

binder 

5082 

白水 

砕木機,抄紙機などから排出される水。 

参考 微細繊維を含んでいて白く見えるのでこの名が

ある。未ざらしパルプの場合又は色紙をつくる
場合は,特有の色をもつが,これも白水と呼ぶ。 

white water 

background image

22 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5083 

BM計 

抄紙機の幅方向に走査することによって坪量 (B),水分 
(M),厚さ,灰分などを連続的に計測する装置。 

参考 抄紙機の最後部に設置される。 

BM sensor 

5084 

ビーター 

1) 中仕切りのある長円形の槽,刃の付いた回転ロール及

び受刃から成るこう(叩)解機。 
参考 ロールの刃と受刃との間をパルプ液が繰り返し

回流することによってこう解される。 

2) ベッドプレート及びロールを装備し,水に分散した繊

維状物質を処理して,所要特性のパルプ又は紙の製造
に必要な性質を付与する装置。 

beater 

5085 

ピックアップフェ
ルト 

湿紙をワイヤから取り上げ,プレスフェルト上に移す役目
をする密に織ったフェルト。 
(5089参照) 

pickup felt 

5086 

ピッチ障害 

主にパルプ材の樹脂による障害。 

参考 ピッチはパルプ及び製紙工程の各所に凝集し,

用具を汚し,製品の品質を損じ,また紙切れの
原因となる。 

pitch trouble 

5087 

表面サイズ 

紙の表面にサイズを施すこと,又はそのサイズ剤。 

参考 表面のぬれ特性や表面強度の向上を目的として

主にサイズプレスで行う。 

(5026参照) 

surface sizing,  
surface sizing agent 

5088 

ピンホール 

紙にある微細な孔。 

pinhole 

5089 

フェルト 

羊毛,合成繊維を用い,エンドレスに仕上げた織物。 

参考 抄紙機で紙匹を運び,湿紙から水分を除去する

ために用いる。大別すると,織フェルト,ニー
ドルフェルト及びセミニードルフェルトなどが
ある。 

felt 

5090 

フォーミングボー
ド 

スライスジェットがワイヤ面に衝突する部分,ブレストロ
ールとフォイルの間に設置し,ワイヤを支えるとともに初
期脱水を調整する板。 

forming board 

5091 

歩留向上剤 

ウエットパートにおける,パルプやてん(塡)料その他の
定着を向上させる薬品。 

参考 ポリアクリルアミドなどが使用される。添加場

所は,紙の種類や薬品の種類によって工程中の
最適箇所が選ばれる。 

retention aid 

5092 

ブリスタ, 
ふくれ 

紙面の部分的なふくれやひずみ。 

参考 抄紙時に過激な乾燥を受けたとき水分の急速な

蒸発によって生じる。そのほか,塗工紙のヒー
トセット印刷における火ぶくれ現象なども指
す。紙の欠点の一つである。 

blister 

5093 

ブレーカスタック 

一般に2本のチルド(冷鋳鉄)ロールから成る装置。 

参考 抄紙機乾燥部の中間に設けることがあり,水分

のある間に紙の面を平らにし,一般にカレンダ
リングを助ける。 

breaker stack 

5094 

ブレストロール 

フローボックス又はスライスに隣接し,長網抄紙機の一端
でワイヤを支えながら回転する大径のロール。 

breast roll 

5095 

プレスマーク 

プレス部で,凹凸模様をもつマーキングロールを湿紙に押
し付けて入れた透かし模様。 

press mark 

5096 

プレスロール 

抄紙機において湿紙からの水分を圧搾除去するために用
いる上下1組からなるロール。 

press roll 

background image

23 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5097 

ブロッキング 

相接する紙面が湿度,圧力などによって互いに粘着するこ
と。 

参考 印刷物の裏移りが激しいときや,合成樹脂,パ

ラフィンなどを用いた加工紙などを積み重ねた
場合に起こることがある。 

(JIS Z 0219参照) 

blocking 

5098 

プロファイル制御
装置 

BM計と連動して紙の幅方向の坪量,水分,厚さなどを均
一に自動調整する装置。 

参考 スライスの開度,プレスの加温,ロールのクラ

ウン,紙匹の加湿などによって調整する。 

profile controller 

5099 

ペーパーロール 

1) 紙を重ね高圧でプレスして製造したロール。 

参考 スーパーカレンダに用いる。 

2) 抄紙機で紙を誘導するロール。 
3) 紙の巻取り製品。 

paper roll 

5100 

ヘッドボックス 

抄紙機のスクリーンから出た紙料を整流して所要の厚さ
及び速度でワイヤ上に流す装置。 

headbox 

5101 

ベビープレス 

板紙抄造の円網抄紙機において第1プレスロールの前に数
組付けてある小径のプレスロール。 

参考 従来は上下ともソリッドロールであったが,最

近ではサクションロールを用いて,その数を減
らしている。 

baby press 

5102 

ポケットベンチレ
ーション 

乾燥強化方式の一つ。 

参考 ドライヤのポケット部に熱風を噴射することに

よって,乾燥能力及び効率の向上とともに乾燥
むらを減少させることができる。 

pocket ventilation 

5103 

ホットロール 

金属ロールの内部に加熱装置を備えたロール。 

参考 ソフトカレンダ,スーパーカレンダに使用され,

低加圧で紙厚を維持しながら目的の平滑性・光
沢度が得られる。 

hot roll 

5104 

ボビンカッタ 

小幅の巻取(ボビン)に巻き上げる仕上げ機械。 

参考 ライスペーパー,紙糸原紙などの仕上げに用い

る。 

bobbin cutter 

5105 

巻心 

紙を巻き取るときに用いる心棒。 

参考 紙製,木製,金属製などがある。 

core 

5106 

巻取機 

抄紙機から出た未仕上げの巻取紙を巻き直して製品とす
る機械。 

winder,  
rewinder 

5107 

円網抄紙機 
(まるあみしょう
しき) 

1) ワイヤ部に回転する円網をもつ抄紙機。 

参考 円網の表面に紙層が形成される。主に板紙の抄

造に用いる。 

2) 1台の円網又は連続した数台の円網から成る紙又は板

紙の抄紙機。 
参考 各円網シリンダには目の細かいメッシュワイヤ

が張ってあり,その一部が紙料バット又は紙料
槽に浸せきしながら回転する。 

ワイヤを通って脱水した水は,紙匹を形成す

る繊維マットから離れる。湿紙又は紙匹は,円
網の頂部で接している毛布の下側まで運ばれ
る。 

cylinder (paper) machine,  
vat machine 

background image

24 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5108 

耳, 
すき耳 

1) 製紙工程で紙匹の両端を裁断し取り除く部分の紙。 

参考 使用目的によって耳を残す場合もある。 

2) 製造中に除去される,オフカット以外の紙片又は板紙

片。 

trimmings 

5109 

ヤンキー式抄紙機 

乾燥部に1本の大径ドライヤ(ヤンキードライヤともいう)
をもつ抄紙機。 

参考 湿紙匹はヤンキードライヤ面に押し付けられて

強い片面光沢が得られる。 

Yankee (paper) machine 

5110 

ラテックス 

合成ゴム・合成樹脂のエマルション。 

参考 塗工紙のバインダ,紙加工などに利用され,ス

チレンブタジエン重合体,酢酸ビニル重合体な
どがある。 

latex 

5111 

リール 

抄紙機から出る紙を巻き取る装置。 

参考 回転式,表面摩擦式などがある。 

reel 

5112 

リファイナ 

1) チップの摩砕又はパルプのこう(叩)解に用いる機械。 

参考 ディスク形,コニカル形,ドラム形などがある。 

2) 水に分散した繊維状物質を処理して,所要特性をもっ

たパルプ又は紙の製造に必要な性質を付与するディス
ク又はコーン及びプラグを装備した機械。 

refiner 

5113 

硫酸ばんど 

1) 硫酸アルミニウム。アラム (alum) ともいう。 

参考 紙のサイズ剤の定着,水処理などに用いられる。 

(JIS K 1423参照) 
2) 製紙業界が種々の品質の硫酸アルミニウムに対して通

俗的に用いている用語。 
参考 以前は,明ばんが使われたので,この種の薬品

を明ばんと呼ぶこともある。 

aluminum sulphate,  
aluminum sulfate,  
alum 

5114 

両面性 

紙の表及び裏の面の構造,性質及び色合いなどの差異。 

参考 この差異は製造方法によって固有のものであ

り,外見,印刷適性などの上から好ましくない。 

two-sidedness 

5115 

冷却シリンダ 

抄紙機のカレンダで紙に光沢を付けるため,ドライヤの次
に取り付けて,一度乾燥した紙に水分を与えるための冷却
用シリンダ。 

cooling cylinder 

5116 

ロータリカッタ 

巻取紙を回転刃で所定の長さに断裁する機械。 

参考 2組の回転刃を備えた複式のものが普通である。 

rotary cutter 

5117 

ロール焼け 

紙がカレンダを通過し,加圧されるとき,水分が多い場合
紙が部分的に明らかに黒色や灰色を呈すること,又はその
変色した部分。 

参考 紙の欠点の一つである。 

blackening,  
burning 

5118 

ロジンサイズ 

ロジンを水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウムでけん化
して製造したサイズ剤。 

参考 褐色サイズ,白色サイズなどがある。 

(JIS K 5902参照) 

rosin size 

5119 

ワイヤパート 

抄紙機のすき網が走行している部分。 

参考 ここで紙層を形成する。 

wire part 

5120 

ワイヤマーク 

抄紙機のワイヤによって紙に残るマーク。 

wire mark 

5121 

ワックスサイズ 

主にパラフィン系のサイズ剤。 

参考 乳剤として用い,ロジンサイズと併用すると効

果がよい。 

wax size 

5122 

クレー液 

顔料を含んだ懸濁液。 

slip 

5123 

白土液 

顔料が白土,液が水であるクレー液。 

clay slip 

background image

25 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5124 

塗工液 

紙又は板紙の表面塗工に使われるごく微粒な白色鉱物で
ある顔料及び接着剤又はバインダを含んだクレー液。 

参考 他に着色物質,分散剤又は増粘剤を添加するこ

ともある。 

coating slip 

5125 

古紙きょう雑物又
は異物 

古紙(古板紙を含む,以下同じ)に含まれ,古紙から製造
される紙又は板紙に悪影響を及ぼす物質若しくは抄紙設
備の損傷又は再パルプ化の障害となる物質。 

waste paper contraries or 

impurities 

5126 

アクセプト紙料 

クリーナ及び/又はスクリーンによってリジェクトされ
ない部分の紙料。 

accepted stock 

5127 

アクセプト 

クリーナ及び/又はスクリーンによってリジェクトされ
ない物質に対する一般的な用語。 

accept 

5128 

遊離しやすい紙料 

自然脱水したとき,懸濁水と遊離しやすい紙料で,脱水度
又はフリーネス値として数値で表す。 

参考 “free” の反対語は, “wet” 又は “slow” である。 

free stock 

5129 

ウエット紙料 

自然脱水又は吸引脱水したとき,懸濁水と遊離しにくい紙
料で,脱水度又はフリーネス値として数値で表す。 

参考 “wet” (“slow” とも呼ばれる)の反対語は “free” 

である。 

wet stock 

5130 

スラッシュ化 

製紙用パルプ又は紙を離解し,繊維の懸濁液を作る操作。 slushing 

5131 

紙料クリーニング 

紙又は板紙にとって好ましくない物質を物理的な方法で
紙料から除去する操作。 

参考 例えば,重力によるクリーニング,遠心力によ

るクリーニング,ある大きさのオリフィスを通
して行うクリーニングがある。 

stock cleaning 

5132 

フィブリル化 

例えば,こう(叩)解などの処理を受けた繊維が部分的に
裂けて枝状化した状態。 

fibrillation 

5133 

リーリング又はワ
インディング 

紙匹をコア(巻心)を使わないで巻き取る操作,又はコア
に巻き取る操作。 

reeling or winding 

5134 

巻上げ 

抄紙機の最終工程で,紙匹を連続的に巻き取ること。 

reel-up 

5135 

クレーピング 

紙の伸張性及び柔らかさを出すために,紙にしわを付与す
る操作。 

creping 

5136 

オフマシンクレー
ピング 

抄紙機から独立して行われるウエットクレーピング操作。 off-machine creping 

5137 

オンマシンクレー
ピング 

抄紙機上で行われるウエットクレーピング又はドライク
レーピング。 

on-machine creping 

5138 

表面塗工 

紙又は板紙の特性を変えるために,その表面に適当な物質
を塗工すること。 

surface application 

5139 

空気乾燥 

紙の乾燥に用いる方法。 

参考 シートの空気乾燥は,通常,自由に循環する空

気との接触で行う。紙匹の空気乾燥は,室内又
はトンネル内(懸架ドライヤ)で加熱空気と接
触させて行う。 

air-drying 

5140 

スーパーカレンダ
掛け 

高平滑,高密度及び高光沢の紙の製造に用いるもので,通
常,オフマシンで行うスーパーカレンダによる強いカレン
ダ処理。 

supercalendering 

5141 

摩擦光沢仕上げ 

通常,摩擦光沢仕上げカレンダによって,塗工紙又は塗工
板紙の表面を光沢仕上げする操作。 

friction glazing 

5142 

プレート光沢仕上
げ 

プレート光沢仕上げカレンダによって,紙又は板紙のシー
トに平滑で,光沢のある表面を付与する操作。 

plate glazing 

5143 

紙継ぎ 

紙を継ぐこと。 

splicing 

background image

26 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5144 

スリッティング 

紙又は板紙の紙匹を長さ方向に分割して,二つ以上の紙匹
にすること。 

slitting 

5145 

ギロチン断裁 

剛直な刃によって紙又は板紙のシートを分割断裁するこ
と。 

guillotining 

5146 

ギロチントリミン
グ 

シート端部の角度及び寸法を正確にするために,紙又は板
紙のシートパイル(山積みしたシート)の端部を切り取る
操作。 

guillotine trimming 

5147 

断裁 

紙又は板紙の紙匹を幅方向で同時に切断して,シートを製
造すること。 

cutting 

5148 

直角断裁 

紙又は板紙のシートを,きれいな端部及び四隅が直角 
(90°) な所要寸法のシートに断裁する操作。 

squaring 

5149 

熟成(紙ならし) 

紙又は板紙を適当な条件下に保管している間に,その特性
を好ましい状態に変えること。 

maturing 

5150 

ブレード塗工 

塗工直後,ロールに支持された紙匹の塗工表面を押さえ付
けている金属製のブレード(刃)によって塗工量を制御す
る塗工方式。 

blade coating 

5151 

ロール塗工 

表面に塗工液を載せたアプリケータロールからの転移に
よって直接塗工する塗工方式。 

参考 アプリケータロールの回転方向は,紙匹と同方

向,逆方向のどちらも行われる。 

roll coating 

5152 

グラビア塗工 

塗工物質が,微小な凹点がぎっしり刻まれた金属ロールに
よってアプリケータに供給されるロール塗工方式。 

gravure coating 

5153 

サイズプレス塗工 

縦,横又は傾斜配置された2本のロール(サイズプレス)
のニップで塗工液を軽量塗工する塗工方式。 

size press coating 

5154 

ブラシ塗工 

塗工後,ブラシで塗工液を分散して平らにする塗工方式。 

参考 ブラシには紙匹の幅方向にしゅう動するもの

と,固定式のものがある。 

brush coating 

5155 

エアナイフ塗工 

塗工後の塗工液を,均一な流れの圧縮空気(エアナイフ)
によってならし,余分の塗工液を除去するロール塗工方
式。 

参考 空気は,紙匹の塗工表面に接近させ,塗工機の

幅方向に設置したスロット(細長い孔)から噴
射される。 

air knife coating or air jet 

coating 

5156 

スムージングロー
ル塗工 

塗工後の塗工液を小径ロールでならす塗工方式。 

参考 このロールは,紙匹と逆方向回転で使用する場

合もある。 

smoothing roll coating 

5157 

押出塗工 

紙又は板紙の紙匹に,樹脂,プラスチックなどをエクスト
ルーダダイから支持ロールとチルロールの間のニップを
通して塗工する塗工方式。 

extrusion coating 

5158 

含浸塗工 

紙又は板紙の紙匹を,パン(皿)の塗工液に浸せきさせた
ロールの周りを通過させることよって塗工する方式。 

参考 ロールを一部浸せきさせれば片面塗工,全部浸

せきさせれば両面塗工が可能である。 

dip coating 

5159 

カーテン塗工 

幅方向に設置したスリットから噴射される塗工液の流れ
によって紙及び板紙を塗工する方式。 

curtain coating 

5160 

ホットメルト塗工 

固形分100%のワックス,樹脂,ポリマーなどを加熱液状
化し,冷却装置の付いた塗工機(ロール,グラビア又は押
出塗工機)で基質に塗工する方式。 

hot melt coating 

background image

27 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5161 

サンドテーブル又
はリフラ 

ごく低濃度の紙料懸濁液が流れる槽又は水路をもち,比重
差によって紙料懸濁液から重量異物を除去する設備。 

参考 その目的のためにバッフル(リッフル:じゃま

板)を水中に配置することもある。 

sandtable or riffler 

5162 

長網フォーマ, 
長網テーブル, 
長網ワイヤパート 

メッシュ織物(金属又はプラスチック製)のエンドレスワ
イヤから成る紙・板紙抄紙機の構成要素の一部。 

参考 ワイヤ上側の平たん部分に紙匹を形成し,ワイ

ヤを通して脱水する。 

fourdrinier former,  
fourdrinier table,  
fourdrinier wire part 

5163 

デッケル枠 

手すき紙を作るとき,紙料の流出を防ぐためにワイヤに取
り付ける着脱可能な角形の枠。 

deckle frame 

5164 

デッケルストラッ
プ 

長網と一緒に走行し,デッケルと同じ目的で使用する,幅
方向に対して直角方向に取り付けられるエンドレスベル
ト。 

deckle straps 

5165 

サクションボック
スデッケル 

サクション領域を湿紙の幅と同じにするために,紙又は板
紙抄紙機のサクションボックス内部に用いられる装置。 

deckle of suction box 

5166 

耳切りカッタ 

水の噴出口を二つもち,紙又は板紙抄紙機を横断的に調節
してワイヤ上の湿紙を縦方向に分割する装置。 

参考 耳はクーチで除去される。ワイヤパート以降の

紙匹の幅を制御するために用い,比較的きれい
な切り口が得られる。 

edge cutter 

5167 

マシンデッケル 

地合形成領域を離れるときの湿紙の全幅。 

参考 抄紙機ドライエンドの紙匹幅に対しても,誤っ

てこの用語を使うことがある。 

machine deckle 

5168 

最大デッケル 

地合形成領域を離れるときの湿紙の最大幅。 

maximum deckle 

5169 

未耳裁ちマシン幅 

そのマシンで製造可能な紙又は板紙の最大幅。 

untrimmed machine width 

5170 

マシン最大すき幅 

紙又は板紙の実用幅。 

参考 これがマシン最大取幅とほぼ一致することが望

ましい。 

machine fill 

5171 

ウエットプレス 

例えば,研磨グラナイト,ゴム,ファブリック又はフェル
トのような表面をもった2本以上のロールを組み合わせた
もので,湿紙の脱水及び紙匹のプレスに用いる装置。 

wet press 

5172 

マーキングプレス 

抄紙機のプレスパートで紙匹に透かしを入れるために用
いる,凹凸の模様がついたゴム被覆ロール。 

marking press 

5173 

カレンダ 

紙の平滑性などを付与するための装置。 

参考 何本かのロールを重ねて使用するが,駆動ロー

ルは1本だけである。 

calender 

5174 

マシンスタック 

金属ロールだけから成る紙又は板紙抄紙機の末端に位置
するカレンダ。 

machine stack 

5175 

すき合せ板紙抄紙
機 

1台の長網フォーマ又は1台ないし数台の円網から成る板
紙シート形成用の抄紙機。 

参考 湿紙は,数層から成る連続マットを形成するた

めにドラムに巻き付けられ,必要な厚さになる
と平判に切断してドラムから除去する。 

intermittent board 

machine,  

wet lap machine 

5176 

手すき機用ワイヤ 

紙料を脱水するため,目の細かいメッシュワイヤがフレー
ムの上に張ってある,手すき紙調製用の網。 

wire mould 

5177 

摩擦光沢仕上げカ
レンダ 

金属製ではない圧縮性ロール及び小さな金属ロールから
成る特殊なカレンダ。 

参考 これらのロールは連動しているので,小さい方

のロールは周速が早い。 

friction glazing calender 

background image

28 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5178 

プレート光沢仕上
げカレンダ 

光沢のある金属板の間に挟んだ紙又は板紙のシートを重
ねてロール間を往復させて処理する,2本の鋳鉄ロールか
ら成る特殊なカレンダ。 

plate glazing calender 

5179 

紙厚カレンダ 

ロールの間げきを調節して紙又は板紙を所要の厚さにす
る,2本の鋳鉄ロールから成る特殊なカレンダ。 

thickness calender 

5180 

最大取幅 

その抄紙機で製造可能な紙又は板紙紙匹の最大幅。製造中
に生じた耳部の凹凸を除去するために最大量の耳を取っ
た後の幅。 

maximum trimmed 

machine width 

5181 

ゴムマーク 

湿紙をマーキングプレスに通すことによって,抄紙中の紙
に施した型(パターン)。 

rubber mark 

5182 

類似透かし 

機械的な方法又は適当な物質の塗工によって紙に付与す
る透かしと同じように見える型。 

simulated watermark 

5183 

すの目 

非常に狭い平行線から成る連続した透かし。 

参考 この平行線と直交する鎖線との組合せが一般的

である。 

laid lines 

5184 

砕け, 
つぶれ 

1) 既に形成された湿紙の地合が過剰な圧力によって乱

れ,部分的に塊のように見える紙の欠陥。 

2) カレンダリング中に生じる大きな半透明部分,若しく

はあな又は黒ずんだように見える紙の欠陥。 

crushing 

5185 

ブロー 

二つの完成紙料層又はパイル間に残留する空気だまり。 

blow 

5186 

しわ付き仕上げ 

乾燥中,ほとんど張力を掛けないで収縮させて作る波形仕
上げ。 

cockle finish 

5187 

たるみ 

通常,耳部及び幅方向に生じる,紙のゆがみ。 

wave,  
waviness 

5188 

平たん 

カール,しわ,たるみのない紙又は板紙の状態。 

flatness 

5189 

紙継ぎ 

紙又は板紙の幅方向を接着剤又は接着テープで接合する
こと。 

参考 その目的は,次のとおりである。 

− 必要な大きさの巻取りを確保すること。 
− 1本の巻取りの末端と次の巻取りの先端を

接合して,操業を連続化すること。 

splice 

5190 

はり合せ 

紙,板紙などの紙匹又はシートを,適当な接着剤を使って
別のシート又は紙匹の全面に接着すること。 

pasting 

5191 

ガム引き 

紙又は板紙シートの全面又は一部分に接着剤を塗布する
操作。 

gumming 

5192 

ドライクレーピン
グ 

オンマシン(抄紙機上)で,乾燥紙匹に施すクレープ掛け。 dry creping 

5193 

ウエットクレーピ
ング 

オンマシン又はオフマシン(抄紙機から独立して)で,湿
紙又は部分的に乾燥した紙匹に施すクレープ掛け。 

wet creping 

5194 

ミクロクレーピン
グ 

ロールとエンドレスのゴムブランケットなどの間に紙匹
を通すことによって高伸張性を付与して,紙匹を目の詰ま
った状態にする操作。 

参考 ブランケットは紙匹と接触する直前で伸張し,

紙匹がロールとゴムブランケットの間の部分を
通過しているときに元の状態に戻るようになっ
ている。 

これをクレーピングと混同しないほうがよい。 

micro-creping 

background image

29 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

紙・板紙の品種及び加工製品 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6001 

アイボリー 

1) 私製はがき,メニュー,書籍の表紙,紙器などに用い

る象牙色の高級な板紙。 
参考 さらし化学パルプを主原料として抄造し,塗工

したものと,塗工しないものがある。高級仕上
げでこわさ及び耐折強さが大きいことが要求さ
れる。 

2) さらし化学をパルプを用いて,はり合せしないで1層

又はそれ以上の層から成る坪量150g/m2以上の筆記・
印刷用の紙又は板紙。 
参考 平滑で剛直,きれいな外観及び均一な地合をも

っている。名刺,メニューなどに用いられる。 

北米では,これをブリストル(上質の厚い紙

の総称)の一種とみなしている。 

ivory board 

6002 

アスファルト紙 

アスファルトその他のれき青物質を含浸,塗工した紙の総
称。 

asphalt paper 

6003 

アート紙 

塗工印刷用紙の中で片面20 g/m2前後,塗工した紙。 
(JIS P 3105参照) 

art paper 

6004 

色板紙 

古紙を主原料とし表面が着色してあるすき合せ板紙。 

参考 化粧品,その他の小形雑貨の包装箱に用いる。

クラフトボール,その他色ボールなどがある。 

colored board 

6005 

色上質紙 

白物の上質紙と同じ紙料に染料による着色を施した紙。 

参考 紙の表裏差による色むらのないこと,抄造ロッ

トによる色替わりのないこと,経時による退色
のないことなどが要求される。 

colored woodfree paper 

6006 

インクジェット用
紙 

インクジェット記録方式に用いられる紙。 

参考 ドット状のインキに対して吸収性がよく,紙の

平面方向の広がりの少ないことが必要で,吸油
性を高くするためてん(塡)料内添の普通紙と
顔料塗工紙とがある。 

ink jet printing paper 

6007 

印刷せんか紙 

古紙を主体とした下級印刷紙。 

参考 かさ高で雑誌,漫画本に使われる。 

SENKA printing paper 

6008 

印刷用紙 

書籍,雑誌などの印刷用として製造した非塗工紙。 

参考 印刷用紙A,B,C,D,グラビア用紙などがあ

る。 

(JIS P 3101参照) 

printing paper 

6009 

印刷用紙A 

化学パルプ100%使用の非塗工印刷用紙。 

参考 印刷用紙の代表的品種で,はん(汎)用性に富

み,書籍,教科書,商業印刷などに広く用いら
れる。 

(JIS P 3101参照) 

printing paper grade A 

6010 

印刷用紙B 

化学パルプ70%以上配合の非塗工印刷用紙。 

参考 主に書籍,教科書,文庫本,雑誌本文などに用

いられる。上質紙(印刷用紙A)に近い品質を
備えているが白色度,表面強度など総合的品質
はやや劣る。 

(JIS P 3101参照) 

printing paper grade B 

6011 

印刷用紙C 

化学パルプ40%以上70%未満配合の非塗工印刷用紙。 

参考 主に雑誌本文,電話番号簿などに使用される。 

(JIS P 3101参照) 

printing paper grade C 

background image

30 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6012 

印刷用紙D 

化学パルプ40%未満配合の非塗工印刷用紙。 

参考 俗にざら(更)紙と呼ばれる。雑誌の本文,謄

写版印刷などに用いられる。多量の機械パルプ
を含むため耐久性が乏しいが,不透明性に富み,
かさ高でインキの吸収は速い。新聞用紙とほぼ
同一の条件で製造されており,品質もそれに近
い。 

(JIS P 3101参照) 

printing paper grade D 

6013 

インディアペーパ
ー 

辞書や聖書などに用いられる20〜40g/m2の印刷用薄葉紙。 

参考 昔は麻類又は木綿繊維で作られたが,現在では

木材パルプを用い中性抄紙で製造することが多
い。薄くて不透明でオフセット印刷適性がある。 

India paper 

6014 

薄葉印刷紙 

坪量40g/m2以下の印刷用紙。 

参考 インディアペーパー,タイプ・コピー用紙など

がある。 

printing tissue paper 

6015 

薄葉和紙 

こうぞ,みつまた,がんぴ,マニラ麻などを用いて抄造し
た紙。 

参考 典具じょう(帖),京花紙,紙ひも原紙などがあ

る。坪量は40g/m2以下である。 

Japanese tissue paper 

6016 

裏カーボン紙 

裏面にカーボン・インキを全面又は部分的に印刷塗布した
複写用紙。 

back carbon paper 

6017 

エアメールペーパ
ー 

航空輸送される手紙や小印刷物などに用いる軽量 (20〜

30g/m2) で不透明な筆記用紙。 

air mail paper 

6018 

衛生用紙 

タオル,生理用紙,ティシュペーパー,トイレットペーパ
ー,ちり紙などの総称。 

sanitary paper 

6019 

エンボス紙 

凹凸模様の付いたロール又はプレートと,弾力のあるロー
ル又はプレートとの間に紙を通し,浮き出したり,へこん
だりした模様を付けた紙。 

参考 表紙,壁紙などをはじめ,多方面に用いられる。 

embossed paper 

6020 

OCR用紙 

文字,数字の光学的読取り方式に用いる紙。 

参考 紙質はきょう(夾)雑物がないこと,平滑性,

寸法安定性,帯電防止性などの特性が要求され
る。 

optical character 

recognition paper 

6021 

オフセット用紙 

オフセット印刷に適する紙。 

参考 カールがなく,地合良好で,毛羽立たず,湿り

時の表面強度が大きく,伸縮が少ないことなど
が要求される。 

offset printing paper 

6022 

カード用厚紙 

板紙のうち,アイボリーに次ぐ高級グレード。 

参考 表層及び裏層は,さらし化学パルプを用い,中

層は機械パルプ又は漂白脱墨古紙パルプを用い
たもので,両面塗工品,片面塗工品,非塗工品
がある。白色度や強度などで,わずかにアイボ
リーに劣るのが一般的である。 

cardboard 

6023 

化学繊維紙 

化学繊維としてのレーヨン・ステープルを主体に湿式抄紙
した紙。 
(6058参照) 

chemical fiber paper 

6024 

加工用紙 

塗布,含浸,成形,はり合せなどの加工を施すための原紙。 converting paper 

background image

31 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6025 

画仙紙 
(がせんし) 

書画用の紙。 

参考 原料には,みつまた,竹パルプ,こうぞ,わら

パルプ,化学パルプなどが使用され,品質によ
って各種の原料が配合される。手すきと機械す
きとがある。 

GASEN-SHI 

6026 

型紙 

衣料などの断裁の際に型にする紙。 

参考 適度のこわさと耐久性をもち,鉛筆の付きがよ

く,寸法安定性が要求される。 

pattern paper 

6027 

片つやクラフト紙 

ヤンキー式抄紙機で抄造するロール紙のうち,未ざらしク
ラフトパルプを原料とするもの。 

参考 地合むらがなく,異物混入が少ないので外観が

よく,表面の光沢度・平滑性・強度が高いので
印刷適性に優れている。 

machine glazed kraft 

paper 

6028 

壁紙原紙 

1) 普通化学パルプと機械パルプとを配合して強サイズを

施し難燃性を付与した紙。 
参考 表面に塩化ビニル,クレーなどを塗工し,印刷,

型付けなどを行って壁紙を製造する。 

2) 壁紙への加工適性が要求されるもので,片面に塗工又

は印刷し,他面にのり又は接着剤を塗布するように作
られた紙。 

wall paper base 

6029 

紙糸原紙 

紙のより糸を作る原紙。 

参考 縦の引張強さ,柔軟性,耐湿性に優れたもので

あることが要求される。包帯原紙,紙布原紙,
抄繊原紙などがある。 

thread paper,  
twisting paper,  
spinning paper 

6030 

紙ひも原紙 

テープにし,よりを掛け,紙ひもを製造するのに用いる紙。 

参考 原料にはクラフトパルプ又は古紙を主に用い

る。しわ,あななどがなく,引張強さの大きい
ことが要求される。 

paper string base 

6031 

感圧複写紙 

筆記圧によって複写をとる加工紙。広義には裏カーボン
紙,ノーカーボン紙を指すが,狭義にはノーカーボン紙を
いう。 

参考 ノーカーボン紙の発色には化学的なものと物理

的なものとがある。いずれも複写枚数が多い。 

pressure sensitive copying 

paper 

6032 

感光紙 

原紙に感光液を塗布して作った感光紙。 

参考 原紙は,ぼろ又は化学パルプを原料とし,よく

こう(叩)解し強サイズを行う。地合と平滑度
がよく,吸水性が均一,湿潤強度が大で,感光
液に対し有害な物質(特に鉄)を含まないこと
が要求される。 

(JIS P 4505参照) 

light sensitive paper 

6033 

感熱紙 

熱エネルギーによって画像を形成する感熱材料を塗工し
た紙。 

thermal recording paper 

6034 

雁皮紙 
(がんぴし) 

がんぴ(雁皮)を原料とした強じんで平滑な光沢のある手
すき和紙。 

参考 現在は薄葉のものが多く,複写,図引紙などに

用いる。 

GANPI-SHI 

6035 

缶用板紙 

丸缶用板紙。 

参考 液体用缶には普通さらし化学パルプを用いて耐

水加工を行う。乾燥物用缶には各種の板紙を用
いる。 

can board 

background image

32 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6036 

黄板紙 

1) 古紙,石灰乳蒸解のわらなどを主原料として製造した

板紙。 
参考 安価な組立箱,表紙,紙管などに用いる。黄ボ

ールともいう。 

2) 通常黄色い色をしている,未ざらしのわらパルプだけ

で作られた紙又は板紙。 

1) straw board 
2) yellow strawpaper or 

straw board 

6037 

擬革紙 

強度の大きい紙の表面に塗工し,更に型付けなどの特殊な
仕上げを行って製造した皮革に似た紙。 

参考 書籍の表紙,壁紙,家具の上張りなどに用いる。 

imitation leather paper 

(board)  

6038 

切符用紙 

入場券,乗車券,乗船券などに用いる紙の総称。 

ticket paper (board)  

6039 

機能紙 

従来の紙に新たな機能を付与した紙。 

参考 植物繊維に限らず無機・有機・金属繊維など幅

広い素材を用い,製紙及び加工の工程で高機能
が付与され,主に情報・電子・医用などの先端
分野の素材として用いられる。 

high performance paper 

6040 

キャストコート紙 

1) 原紙に塗工された塗料が可塑性のある間に,硬い鏡の

ように仕上げた面に押し付けて乾かし,強光沢をもつ
ようにした紙。 

2) 塗工表面を,よく磨いた金属面をもつシリンダ又はベ

ルトと接触させて乾燥した紙又は板紙。 

cast coated paper (board)  

6041 

京花紙 

こうぞ又は木材パルプですいた薄葉紙。 

参考 近年では機械すきが多い。高級なティシュペー

パーとして用いる。 

KYOHANA-GAMI 

6042 

局紙 

みつまたを主原料とした紙。 

参考 大蔵省印刷局で鳥の子に模して製造した紙に由

来する。 

Japanese vellum 

6043 

金属蒸着紙 

表面に薄い金属膜を蒸着させた紙。 

metallized paper 

6044 

金属はく紙 

金属はく(箔)をはった紙。 

metal foil paper 

6045 

グラシン 

化学パルプを高度にこう(叩)解して製造し,スーパー仕
上げして製造した薄葉紙。 

参考 本来,透明度の高いものが多いが,てん(塡)

料を加えて不透明にしたものもある。ピンホー
ルがなく,耐脂性がよいことが要求される。食
品包装,容器内張りなどに用いる。 

glassine 

6046 

グラビア用紙 

グラビア印刷用の紙。 

参考 原料に化学パルプ単独又はこれに機械パルプを

併用し,比較的多量のてん(塡)料を配合して
製造する。スーパー仕上げのものが多い。平滑
で,不透明性が高いことが要求される。 

rotogravure paper 

6047 

クラフト紙 

クラフトパルプを原料にした強い紙の総称。 

参考 両更クラフト紙,筋入クラフト紙,片つやクラ

フト紙などがある。 

(JIS P 3401参照) 

kraft paper 

6048 

クラフト伸張紙 

抄紙機上で紙を微細に収縮させることによって耐衝撃性
に優れた伸張性能を与えたクラフト紙。 

参考 紙の破断時の仕事量が大きいので,主に重包装

用に使われる。 

(JIS P 3401参照) 

extensible kraft paper 

6049 

クラフトボール 

表層又は表裏層に未ざらしクラフトパルプをすき合わせ
た色板紙の1種。 

kraft board 

background image

33 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6050 

クレープ紙 

湿紙の状態でプレスロール又はヤンキードライヤなどの
上で,ドクタを用いてしわを付けた紙の総称。 

参考 包装紙,トイレットペーパー,化粧紙などに用

いる。 

crepe paper 

6051 

軽量コート紙 

1m2当たり両面で15g前後の塗料を塗工した紙。 

参考 被覆力の大きい顔料を用い,印刷効果の低下を

防いでいる。原紙には上質紙又は中質紙が用い
られる。 

(6059参照) 

lightweight coat paper 

6052 

ケーブル用絶縁紙 

電力ケーブル及び通信ケーブルの絶縁に用いるクラフト
紙。 

参考 しわ,すきむら,ピンホールなどの欠点がなく

化学的に中性で,電気的に有害な物質を含まな
いこと,及び電線に巻き付けるために厚さが均
一で適当な柔軟性があることが要求される。 

(JIS C 2307参照) 

cable (insulating) paper 

6053 

化粧板用原紙 

建材,インテリア材としての化粧板の表面化粧用紙。 

参考 樹脂を含浸後ホットプレスで化粧板とする。 

saturating decorative 

paper 

6054 

建材原紙 

ルーフィング,石こうボードなどの建築材料の製造に用い
る板紙の総称。 

参考 古紙,落綿などを主原料として抄造する。紙の

場合は建材用原紙と呼ぶ。 

building material base 

6055 

ケント紙 

紙質は硬く,主に製図用に使用する画用紙。 

参考 イギリスのケント地方ではじめて製造されたの

でこの名が付いた。我が国では名刺,カレンダ
にも用いる。 

Kent paper 

6056 

研摩原紙 

片面に研摩材料を接着して木材,金属などのに研削,研摩
加工に用いる紙の原紙。 
(JIS R 6252及びJIS R 6253参照) 

abrasive paper base 

6057 

合成紙 

合成高分子物質を主な素材とし,従来の紙的用途に用いる
ため,これを紙化加工したもの。 

synthetic paper 

6058 

合成繊維紙 

合成繊維を主原料として製造した紙。 

参考 普通,液状,粉状又は繊維状の接着剤を加えて

シートにする。主にビニロン紙,ナイロン紙な
どをいう。 

(6023参照) 

synthetic fiber paper 

6059 

コート紙 

アート紙よりも一般に塗工量が少ない塗工紙。我が国固有
の名称。 

coat paper 

6060 

コンデンサ紙 

コンデンサの極板に挟んで誘電体として用いる紙。 

参考 クラフトパルプなどを主原料とし,ピンホール

がなく,化学的に中性で,電気的に有害な物質,
特に導電性微粒子を極力含まないことなどが要
求される。 

capacitor tissue paper 

6061 

雑種紙 

工業用雑種紙(建材用原紙,食品容器原紙,ライスペーパ
ー,グラシンなど)と家庭用雑種紙(書道用紙など)に区
分される,紙の分類項目の一つ。 

miscellaneous paper 

6062 

更紙 
(ざらがみ) 

機械パルプを原料とし,これに少量の化学パルプを加えて
製造した下級印刷紙。 
(JIS P 3101参照) 

woody paper 

background image

34 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6063 

さらしクラフト紙 

さらしクラフトパルプを原料として抄造したクラフト紙。 

参考 強度に優れ,印刷適性もよいことから幅広い用

途に使用されるのが特徴。 

bleached kraft paper 

6064 

ジアゾ感光紙 

ジアゾ感光液を塗工して製造した陽画感光紙。 

参考 光の当たったジアゾ化合物は発色しない性質を

利用したものである。 

(JIS P 4504及びJIS P 4505参照) 

diazo sensitized paper 

6065 

紙管原紙 

紙,はく(箔),織物などを巻く心棒及び紙ドラムの製造
に用いる強サイズ紙。 

参考 大きさに応じて各種の厚さのものを用い,平巻

き又はら(螺)旋巻きに適するように断裁する。
厚さの均一性などが要求される。 

core paper (board)  

6066 

磁気記録用紙 

強磁性微粉末を結着剤を用いて塗布した紙。 

参考 磁気ヘッドを用いて,電気信号を磁気潜像とし

て書き込み,必要に応じ電気信号として取り出
す。乗車券,駐車券,通行券などとして使用さ
れる。 

magnetic recording paper 

6067 

紙器用板紙 

品種分類上,板紙のうち,白板紙,黄板紙,チップボール,
色板紙の総称。 

参考 製函での作業特性と強度が要求される。用途に

よっては更に印刷適性,表面加工特性が要求さ
れる。 

boxboard 

6068 

辞典用紙 

多量のてん(塡)料を配合した不透明な印刷用紙。 

参考 耐久性,強さ,地合がよいことが要求される。 

dictionary paper 

6069 

遮光紙 

光を通さない紙。 

参考 乾板,印画紙などを包むのに用いる。 

lightproof paper 

6070 

重袋用両更クラフ
ト紙 

セメント,穀類など重量物包装用の大形多層紙袋に使用さ
れる両更クラフト紙。 

参考 強度に優れ,強じん(靭)で柔軟性に富むこと

が特徴である。 

heavy duty sack kraft 

paper 

6071 

純白ロール紙 

さらしパルプを原料として,ヤンキー式抄紙機で抄造した
片面に光沢のある紙。 

参考 白色度,表面光沢,平滑性に優れ,印刷適性が

よい。 

machine glazed paper 

6072 

証券用紙 

銀行券,株券,証券などに用いる耐久性に優れた紙。 

参考 すき入れ,着色繊維その他を用いて偽造を防止

する。 

security paper 

6073 

障子紙 

こうぞ,化学パルプ,化学繊維を主原料とした障子用に用
いる紙。 

参考 強じん(靭)性,光線の透過がよいこと,多孔

質で空気の流通がよいことなどが要求される。 

(JIS S 3102参照) 

SHOJI-GAMI 

6074 

上質紙 

1) 化学パルプだけで製造した紙。 

参考 印刷,筆記などの用途に用いる。 

(JIS P 3101及びJIS P 3201参照) 
2) 原則的には,その繊維組成の中に化学パルプだけしか

含まない紙又は板紙をいう。 
参考 実際には,他のパルプ繊維が少量含まれてしま

うこともある。 

woodfree paper (board)  

background image

35 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6075 

情報用紙 

情報の伝達や記録に用いる紙。 

参考 PPC用紙,フォーム用紙,複写用紙などがある。 

communication paper 

6076 

食品容器原紙 

食品の包装又は容器に用いる紙。 

参考 衛生性,安全性の点で無毒・無臭,有害物質を

含まないことが要求される。用途によっては板
紙も使われる。 

food paper (board)  

6077 

書籍用紙 

書籍,雑誌,パンフレットなどに用いる紙の総称。 

参考 不透明性,印刷適性などが要求される。 

book paper 

6078 

書道用紙 

さらし化学パルプを主原料とした機械すき和紙。 

SHODO-YOSHI 

6079 

白板紙 

表層に白色紙料をすき合わせた板紙。 

参考 表層はさらし化学パルプ,その他の層は古紙,

機械パルプなどを原料とする。マニラボール,
白ボールがこれに属し,いずれも塗工,非塗工
のものがある。 

white lined board 

6080 

白ボール 

表層はさらしパルプ,表下層は一般に脱インキ新聞古紙を
用い,中層・裏層には,新聞・雑誌などの古紙を使用する
板紙。 

white lined chipboard 

6081 

新聞巻取紙 

機械パルプと脱インキ新聞古紙,化学パルプを配合した新
聞印刷用の紙。 

参考 標準坪量は52±2g/m2であるが軽量化が進み

43g/m2のものも使われている。オフセット印刷
適性が要求される。 

(JIS P 3001参照) 

newsprint 

6082 

吸取紙 

インキの吸収などに用いる紙。 

参考 ぼろ,化学パルプ,機械パルプなどを用いた無

サイズ紙でかさ高の紙。多孔性で吸水性の大き
いことが要求される。 

blotting paper 

6083 

水溶紙 

繊維状の水溶性セルロース誘導体などを主成分とする紙。 

参考 ラベル,包装材料,特殊文書用紙,生理用材料,

溶接材料などに使用される。 

water-soluble paper 

6084 

図画用紙 

製図,絵画,図画などに用いる紙の総称。 
(JIS P 3301参照) 

drawing paper 

6085 

筋入りクラフト紙 

ヤンキー式抄紙機で筋入りフェルトを用いて抄造した筋
入り模様のある片つやの薄いクラフト紙。 

参考 軽包装に用いる。 

ribbed kraft paper 

6086 

すの目紙 

す(簀)の目状のすき入れのある紙。 

参考 筆記用紙,書籍用紙などに用いる。 

laid paper 

6087 

スピーカコーン紙 

スピーカコーンに用いる紙。 

参考 紙質に縦横差のないことが要求される。 

speaker cone paper 

6088 

静電記録用紙 

紙面に塗工した誘電体層表面に静電気を与えた後,帯電部
分をトナーで現像・定着して印字する記録用紙。 

dielectric-coated paper 

6089 

生理用紙, 
紙綿用紙 

1) 吸水紙と防水紙又は不織布などを組み合わせた紙。 

参考 パットなどに加工される。 

2) セルロース繊維から成る薄いクレープ紙を1枚又は数

枚重ねて作ったもの。 
参考 クレーピングは,通常,乾燥後に行われる。 

cellulose wadding 

6090 

積層板原紙 

電子回路,絶縁用の積層板を作る紙。 

参考 良好な含浸性のほか,耐熱性,寸法安定性,打

抜き加工性,電気特性を要求される。 

industrial laminates base 

background image

36 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6091 

石こうボード原紙 

石こうボードの製造に用いる紙。 

参考 坪量300g/m2程度のものが多く,古紙を原料と

する。 

gypsum liner board 

6092 

接着紙原紙 

紙の分類項目の一つで,粘着紙及びはく(剥)離紙に用い
る紙。 

adhesive and release 

paper base 

6093 

セミ上質紙 

印刷用紙Bの中で白色度の高いもの。 
(JIS P 3101参照) 

printing paper grade B 

special 

6094 

セメント袋用紙 

セメントを入れる多層袋に用いる重袋用両更クラフト紙。 

参考 耐湿性や伸びを改善するために加工したものも

ある。 

(JIS Z 1505参照) 

cement sack paper,  
cement bag paper 

6095 

セラミックペーパ
ー 

フィラメント状セラミックを湿式抄紙したもの。 

参考 焼結加工に用いる用途も含めて断熱材,吸音材

などの用途がある。 

ceramic paper 

6096 

ソリッドファイバ
ーボード 

1) 1枚若しくは数枚の紙又は板紙などをしん(心)とし

て両面にライナーなどをはり合わせたもの。 

2) ファイバーボード包装箱及び包装ドムラの製造に用い

るため,はり合せ又ははり合せしていない板紙で,ク
ラフトなどの高強度の紙料を裏打ちしたもの。 

solid fibreboard 

6097 

ターフェルト原紙 

ターフェルトの製造に用いる原紙。 

参考 古紙を主原料とし,すき合わせて製造する。タ

ール含浸性の良いことが要求される。坪量は110
〜120g/m2のものが多い。 

tar paper 

6098 

ターポリン紙 

2枚のクラフト紙をアスファルトで接着させて製造した
紙。 

参考 防湿性や防水性が優れ,包装に用いる。 

(JIS Z 1503参照) 

tarpaulin paper 

6099 

耐アルカリ紙 

石けんなどのアルカリ性の物質に接触しても変色,劣化し
にくい紙の総称。 

alkali-resistant paper 

6100 

耐火紙 

1) 無機繊維など耐火材料を配合したり,薬品加工をして

耐火性をもたせた紙。 
参考 黒く焦げても炎が出ないことが要求される。 

2) ある程度の不燃性を付与するための処理を施した紙又

は板紙。 

fire-resistant paper 

(board)  

6101 

耐酸紙 

酸性の液又はガスに侵されないように加工した紙。 

acid-resistant paper 

6102 

耐油紙 

1) 耐油性をもたせた紙の総称。 

参考 高度にこう(叩)解した化学パルプを用いて抄

造した紙,及び油脂類に対して抵抗性をもつよ
うに化学処理及び/又は塗工をした紙がある。 

2) グリース又は脂肪の浸透に対して極めて大きな抵抗力

をもった紙又は板紙。 
参考 ある種の紙,例えばカーボン原紙 (6230) は,こ

れらの物質の浸透を完全に阻止する。 

greaseproof paper,  
grease resistant paper or 

board 

6103 

タオル用紙 

タオルの代用として使うクレープ紙 

参考 化学パルプ,古紙などを原料として作る。普通

湿潤強力樹脂を配合する。特性は柔軟性,吸水
性,無臭,湿潤強さの大きいこと。 

towel paper 

background image

37 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6104 

檀紙 

目録,礼式包装,ふすま紙などに用い,紙質は厚くて白く,
抄紙の際に紙面にしわを加えた手すき和紙。 

参考 高級品はこうぞを,普通品は化学パルプを使用

する。 

DAN-SHI 

6105 

段ボール 

1) 波形に成形した中しん原紙の片面又は両面にライナー

をはったもの。 
参考 片面段ボール,両面段ボール,複両面段ボール,

複々両面段ボールの種類がある。また,用途に
よって個装用段ボール,内装用段ボール,外装
用段ボールなどがある。さらに段数によってA
段,B段,C段,E段などがある。 

(JIS Z 1516参照) 
2) 1枚又は数枚の紙シートの間にはり合わせた1枚又は

それ以上の波形加工紙から成る板紙。 
参考 次のような種類がある。 

1) 片面段ボール (single face corrugated fibreboard) 1枚の

上張りシートに1枚の波形加工紙をはり合わせた板
紙。 

2) 両面段ボール (single wall corrugated fibreboard, 

doublefaced) 2枚の上張りの間に波形加工紙を1枚張り
合わせた板紙。 

3) 複両面段ボール (double wall corrugated fibreboard, 

double-double faced) 3枚の上張りの間に2枚の波形加
工紙をはり合わせた板紙。 

4) 複々両面段ボール (triple wall corrugated fibreboard) 4枚

の上張りの間に3枚の波形加工紙をはり合わせた板
紙。 

corrugated fiberboard 

6106 

段ボール原紙 

段ボールを製造するために用いる紙。段ボール用のライナ
ーと中しん原紙の総称。 
(JIS P 3902及びJIS P 3904参照) 

liner and corrugating 

medium 

6107 

地図用紙 

1) 地図作製に用いる印刷用紙。 

参考 平滑性,印刷適性,寸法安定性,こわさ及び耐

折強さの良いことが,また特別の使用には湿潤
強さが要求される。 

2) 湿潤強度を付与した機械パルプを含まない強サイズの

印刷用紙。 
参考 特に引裂強さ,耐折強さ,耐摩耗性及び寸法安

定性が優れている。 

map paper 

6108 

チップボール 

雑誌などの下級古紙を主原料とした板紙。 

参考 はり箱用として使用される。 

chip board 

6109 

中質紙 

印刷用紙B,C,グラビア用紙などの総称。 
(JIS P 3101参照) 

wood containing paper 

6110 

中性紙 

紙の耐久性などを高めるために中性領域で製造された紙。 

参考 書籍などの一般用のほかステンレス,ガラスな

どの合紙のような用途がある。 

alkaline paper 

6111 

ちり紙 

薄葉衛生用紙の1種で平判の紙。 

参考 京花紙,白ちり紙,黒ちり紙などがある。 

(6041参照) 
(JIS P 4501参照) 

CHIRI-GAMI 

background image

38 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6112 

つや消しアート紙 

平滑性を高くして,低い光沢度に仕上げたアート紙。 

参考 塗料に炭酸カルシウム,硫酸バリウムなどの顔

料を多量に用いて製造する。 

mat art paper 

6113 

ティーバッグ用紙 

即席用の茶袋薄葉紙。 

参考 原料に長繊維の化学パルプ,レーヨン,合成繊

維などを使用し,極めて多孔質にすいて作る。
特性は吸水性で湿潤強さの大きいこと。 

tea bag paper 

6114 

ティシュペーパー 

1) 木材パルプを原料としドライクレープ加工を行った薄

葉衛生用紙。柔軟で湿紙強さがあり,ふきとり紙など
として用いる。 

(JIS P 3104参照) 
2) セルロース繊維から成る薄いクレープ紙を1枚又は数

枚重ねて作ったもの。 
参考 クレーピングは,通常,乾燥後に行われる。 

facial tissue,  
soft tissue 

6115 

電気絶縁紙 

1) ケーブル,コンデンサなど,各種の電気機器に広く用

いられる紙。 
参考 その種類には,通信ケーブル用絶縁紙,電力ケ

ーブル用絶縁紙,コイル絶縁紙,電解コンデン
サ紙,コンデンサ薄紙,高圧コンデンサ紙,絶
縁薄紙,プレスボード,ワニスペーパー,フィ
ッシュペーパー,プレスパンなどがある。 

(JIS C 2303,JIS C 2304,JIS C 2305及びJIS C 2307参照) 
2) 電気業界が絶縁に使用している材料としての特性(高

絶縁,耐久性,導電性金属粒などの導電金属を含まな
い,厚さ及び地合が均一など)をもっている紙又は板
紙。 

electrical insulating paper 

(board)  

6116 

典具帖 
(てんぐじょう) 

特に精選したこうぞを原料とし,しゃ(紗)を張った竹す
(簀)を用いて流しずきした極薄の和紙。 

参考 貴金属,宝石などの包装に用いる。 

TENGUJO 

6117 

貼合紙 
(てんごうし) 

紙又は板紙を2枚以上はり合わせた,すき合せではできな
い厚紙。 

pasted paper (board)  

6118 

転写紙 

裏面から圧力や熱を加えて転写できるようにした紙。 

参考 カーボン,顔料,染料などを印刷,塗工し,陶

器,衣料などへの模様の転写に用いる。 

transfer paper 

6119 

トイレットペーパ
ー 

1) さらし化学パルプ,高収率パルプ,古紙などで円網,

長網ヤンキー式抄紙機で抄造し,ヤンキードライヤ上
でクレープを施した紙。 
参考 紙質は柔軟性,吸水性などが要求される。 

(JIS P 4501参照) 
2) トイレットで使用する紙。 

toilet tissue paper 

6120 

統計機カード用紙 

データ入力カード用紙。 

参考 各色があり,紙の特性としては,寸法安定性,

パンチング適性などが要求される。 

強度が高く,厚さ変動の少ない腰の強い紙で,寸法安定性,
あな開け特性にも優れており,データ処理における使用適
性を備えているもの。 

tabulating card paper,  
paper for punched cards 

background image

39 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6121 

謄写版原紙 

1) 謄写版原紙用の薄葉紙。 

参考 パラフィンの吸収性が良く,毛羽立ちのないこ

とが要求される。 

2) 長繊維の紙料から作られる薄くて強度のある軽量紙

で,謄写版用紙にするための含浸又は塗工適性を付与
したもの。 

stencil paper (base paper),  
duplicating stencil base 

paper 

6122 

塗工印刷用紙 

鉱物性顔料と天然又は合成の接着剤とを混合し,これを原
紙に機械的に塗工し,乾燥し,スーパーカレンダなどで光
沢を付けた塗工紙。 

参考 片面に塗工したもの,つや消し仕上げを行った

ものなどもある。 

coated printing paper 

6123 

塗工紙原紙 

カオリン(クレー)を主体とする塗料を塗工するための紙。 

参考 地合のよい,表裏差の少ない,厚薄変動の小さ

い紙が要求される。 

coating base paper 

6124 

鳥の子 

がんぴ(雁皮)を原料とした,淡黄色で厚く,密度が大き
い手すき和紙。 

参考 最近は,みつまた及び化学パルプなどを用いた

機械すきのものもある。賞状,ふすま紙などに
用いる。 

TORINOKO 

6125 

トレーシングペー
パー 

高度にこう(叩)解したパルプを主原料として製造した透
明度の高い紙。 

参考 原図を透写するのに用い,強度や透明度を向上

させるために,特殊な加工をすることが多い。 

透過光によって画像を再現し,下に置いた原図からデザイ
ンのトレースをするために用いるもので,設計事務所で使
用する透明性のある紙。 

参考 透明性は,次のどちらかの方法で付与する。 

− 抄紙後,紙を油脂,樹脂又はワックスで処理す

る。 

− 紙料調製の段階で機械的処理を行う。 

tracing paper,  
translucent drawing paper 

6126 

中しん原紙 

段ボールの波形部分を構成するのに用いる板紙。 

参考 品質特性(裂断長及び圧縮強さ)によってA,B,

Cの3種類がある。 

(JIS P 3904参照) 

corrugating medium,  
fluting medium 

6127 

ナプキン原紙 

各種のナプキンを製造する原紙。 

参考 クレープ又は型付けした薄葉紙が多い。 

napkin paper 

6128 

難燃紙 

無機材料を配合するか,普通の紙に難燃加工した紙。 

参考 後者は,りん酸系,アンチモン系,ハロゲン系

などの化合物を塗工又は内添して難燃効果を出
す。 

flame-resistant paper 

6129 

NIP用紙 

広義にはノンインパクトタイプのプリンタ用紙すべてを
包括しているが,普通は,間接静電記録方式の高速プリン
タ用紙。 

参考 間接静電記録印字適性をもつと同時にフォーム

加工適性及びプリンタでの走行性が良好なこと
が要求される。 

paper for non-impact 

printing 

6130 

荷札用紙 

荷札の製造に用いる丈夫で腰の強い紙。 

tag paper 

background image

40 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6131 

粘着紙 

感圧接着剤(ゴム系ほか)を塗工した面を被接着面に合わ
せて常温で圧力を加えれば接着する加工紙。感圧接着紙と
もいう。 
(JIS Z 1538参照) 

pressure-sensitive 

adhesive paper 

6132 

ノーカーボン紙 

感圧複写紙の一種で,カーボン紙を使用せず,圧力によっ
て生じる化学的呈色反応を利用する複写紙。 
カーボン紙又は裏カーボンフォーム用紙以外の紙,若しく
は,カーボン紙を挿入しないで,元の手書き又はタイプラ
イタの印字をその圧力によって同時に1枚又は数枚コピー
できるように別の物質を片面又は両面に塗工した紙。 

carbonless copying paper 

6133 

はく離紙 

シリコーンを片面又は両面に塗工した紙。 

参考 粘着性物質の保護に用いる。 

release paper 

6134 

ハトロン紙 

褐色の片つやの紙。 

参考 軽包装,封筒などに用いる。 

machine glazed brown 

wrapping paper 

6135 

バライタ紙 

高純度の化学パルプを用い,紙面に硫酸バリウムとゼラチ
ンを塗工した後,スーパーカレンダ仕上げをした平滑な
紙。 

参考 写真印画紙用の原紙で,感光乳剤に悪影響を与

える物質を含まないことが要求される。 

baryta paper 

6136 

パラフィン紙, 
ろう紙 

グラシン紙,模造紙,クラフト紙などにパラフィンを主と
した塗工剤を塗工又は含浸させて製造した紙。 

参考 食料品,し好品,機械類などの包装に用いる。 

waxed paper (board)  

6137 

バルカナイズドフ
ァイバー 

原紙を塩化亜鉛溶液で処理して一部こう(膠)化させた後
巻き取り,水洗,乾燥,圧搾,光沢付けなどの工程を経て
製造した紙。 

参考 組織がち密で強く,電気絶縁性がある。絶縁材

料,容器又は器具などの部品に用いる。 

vulcanized fibre 

6138 

半紙 

杉原紙延判半分の大きさの紙。こうぞを原料とし,純白強
じん(靭)であるが,紙面は比較的粗剛な和紙。みつまた
原料で紙面を平滑にしたものを改良半紙という。 

参考 現在は化学パルプの機械すきが多い。寸法は縦

24cm,横33cmが基準。 

HAN-SHI 

6139 

PPC用紙 

広義には感光層や誘電体層を塗工しない,いわゆる普通紙
を用いる複写機や,プリンタなどの用紙。普通は,間接静
電記録方式の機器に用いられる用紙。 

paper for indirect 

electrostatic process,  

paper for indirect 

electrophotographic 
process 

6140 

筆記用紙 

ノートブック,事務用紙,便せん用紙,帳簿用紙など筆記
性のよい紙の総称。 
(JIS P 3201及びJIS S 5503参照) 

writing paper 

6141 

微塗工印刷用紙 

1m2当たり両面に12g以下の塗料を塗工し,印刷適性をよ
くした印刷用紙。 

ultra lightweight coat 

paper 

6142 

フォーム用紙, 
連続伝票用紙 

フォーム印刷機によって印刷・加工して,コンピュータな
どの出力に用いる紙の総称。 
(JIS P 0201及びJIS P 4502参照) 

business form,  
continuous business form 

6143 

複写原紙 

ノーカーボン紙,裏カーボン紙などの原紙。 

manifold base paper 

background image

41 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6144 

プレスボード 

1) クラフトパルプ又は一部木綿パルプを原料としてすい

た薄いウェットシートを重ね合わせ,加熱・乾燥して
作った紙。 
参考 密度が大きく,機械的強度,絶縁破壊強度に優

れ,化学的に中性である。 

(JIS C 2305参照) 
2) 天然植物の化学的純度が高いパルプからすき合せ板紙

抄紙機で製造した板紙。 
参考 密度が比較的高く,均一な厚さ,平滑な表面を

もち,機械的な強度,柔軟性及び電気絶縁性に
優れている。 

press board 

6145 

防湿紙 

湿気の透過に対し,抵抗性をもつように加工した紙。 

参考 パラフィン紙,ターポリン紙,ポリエチレン加

工紙,塩化ビニリデン加工紙などがある。 

moistureproof paper 

6146 

奉書紙 

こうぞを原料としたかさのある手すき和紙。 

参考 儀式用の包装,目録,書状などに用いる。さら

し化学パルプを原料とした機械すきのものもあ
る。 

HOSHO-SHI 

6147 

防水紙 

紙面を水不溶性の均一連続皮膜で加工した紙。 

参考 はっ(撥)水性をもつ薬剤・樹脂で加工された

ものも防水紙と呼ぶ。 

waterproof paper 

6148 

防せい紙 

金属を包装する際,これを腐食しないようにする紙の総
称。 

参考 さび止め紙ともいい,次の四つ種類がある。 

1) さびの発生を防止する性能はないがその原因となる成

分を含まない紙。 

1) non-tarnish paper 

2) さび止め剤を塗工又は含浸させて,さびの発生を防止

する紙。これには気化性さび止め紙がある。 

2) anti-tarnish paper 

3) 第一鉄金属表面のさびを防ぐような物質を混合して製

造した紙。 

3) anti-rust paper 

4) 第一鉄金属をさびさせるような化学物質を含まないよ

うにした紙。 

(JIS Z 1535参照) 

4) non-rust paper 

6149 

包装用紙 

物品の保護の目的で包装に用いる紙の総称。 

参考 包装に必要な強度や特性をもつことが要求され

る。ときには装飾の役目をもつ場合もある。 

wrapping paper 

6150 

ボンド紙 

さらし化学パルプ,ぼろを原料とし,よくこう(叩)解し
て製造した強サイズで締まった良質の筆記用紙。 

bond paper 

6151 

マニラボール 

食品,化粧品などの包装に用いる折畳み箱用の板紙。 

参考 表層はさらし化学パルプ,その他の層は機械パ

ルプ,化学パルプなどを配合して製造する。塗
工したものとしないものがある。耐折性及び印
刷適性が要求される。 

manila board 

6152 

美濃紙, 
書院紙 

こうぞを主原料とした手すき和紙。 

参考 障子紙,色紙などに用いる。 

MINO-GAMI 

6153 

ミルクカートン原
紙 

ポリエチレンなどをラミネートした板紙。 

参考 牛乳,ジュース,酒などの液体容器に用いる。 

milk-carton board 

background image

42 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6154 

模造紙 

化学パルプで抄造した上質の印刷,筆記及び包装用紙。 

参考 元来,印刷局特製のみつまた紙(局紙)を,ヨ

ーロッパで亜硫酸パルプを原料として模造した
もので,この名がある。 

simili paper 

6155 

油紙 

化学パルプを原料とした原紙を油で処理した紙。 

oiled paper,  
greased paper 

6156 

吉野紙 

こうぞを主原料とした紙。 

参考 もっぱら,漆をこすのに用いる。漆こし紙とも

いう。 

YOSHINO-GAMI 

6157 

ライスペーパー, 
シガレットペーパ
ー 

原料が亜麻,木材パルプを主原料とする紙巻タバコの紙。 

参考 てん(塡)料として炭酸カルシウムを配合し,

通気性,燃焼性,喫味などか要求される。 

たばこの燃焼性と適合するようにてん(塡)料及び/又は
添加物を配合した無サイズの軽量紙。引裂強さ及び摩擦に
対する抵抗力並びにたばこへの製造適性があり,小幅で巻
き取れるもの。 

rice paper,  
cigarette paper 

6158 

ライナー, 
ライナ 

1) 段ボール及びソリッドファイバーボードの表紙及び裏

紙として用いる板紙。 
参考 用途によって外装用と内装用に分類される。 

(JIS P 3902参照) 

1) linerboard 

2) すき合せ板紙及びはり合せ板紙の表側の紙層。 

2) liner 

6159 

硫酸紙 

1) 木綿繊維又は化学パルプを用いた紙を,濃硫酸で処理

した半透明の薄い紙。 
参考 無味・無臭で,耐油性や耐水性があり,バター,

チーズ,肉類などの包装に用いる。 

2) 硫酸の作用で変性した紙。 

参考 この処理をすると表面が硬くなり,有機の液体,

特に油脂及びグリースの浸透に対して高い抵抗
性を示す。また,沸騰水による離解にも耐える
ような性質も紙に付与される。 

vegetable parchment 

6160 

両更クラフト紙 

未ざらし又は半ざらしクラフトパルプを原料とし,長網抄
紙機で抄造したクラフト紙の総称。 

kraft paper 

6161 

ルーフィング原紙 

古紙,羊毛,綿,麻などを原料とし,厚く抄造した平滑で
柔軟な紙。 

参考 アスファルトルーフィング,砂付きルーフィン

グ,アスファルトフェルトの原紙として用いる。 

roofing felt,  
roofing paper 

6162 

ろ紙 

液体又はガス体の中から固体粒子をろ過して分離するの
に用いる紙。 

参考 用途によって種類が多い。化学分析用ろ紙の場

合は,ろ過性,湿潤強度,化学的純度などが良
好なことが要求される。 

(JIS P 3801参照) 

filter paper 

6163 

和紙 

我が国で発展してきた特有の紙の総称。 

参考 手すき和紙と機械すき和紙とに分類される。本

来は,じん皮繊維にねりを用い,手すき法によ
って製造された紙。現在では化学パルプを用い,
機械すき法によるものが多い。 

WASHI,  
Japanese paper 

6164 

ワニスペーパー 

樹脂を乾性油又はボイル油に溶かし,テレビン油,石油な
どで薄めて原紙に含浸させた電気絶縁紙。 

varnished paper 

6165 

ワンプ 

古紙を主原料に用い,板紙の包装に用いる厚紙。 

mill wrapper 

background image

43 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6166 

軽量紙 

通常,40g/m2未満の低米坪紙のこと。 

light-weight papers 

6167 

風乾紙 

空気中にさらして乾燥した紙。 

air-dried paper 

6168 

湿潤強力紙 

湿潤したときの強度低下を減らすように処理した紙。 

wet strength paper 

6169 

無灰紙 

完全燃焼した後の残留物がほとんどない紙。 

ashless paper 

6170 

無酸紙 

原則として,遊離の酸を含まない紙。 

参考 完成紙料に存在する酸を排除するためには,製

造中に特段の配慮が必要である。 

acid free paper 

6171 

無仕上紙又は板紙 

抄紙工程の末端で,紙又は板紙の両面の仕上げが粗いまま
になっているもの。 

参考 この用語は,カレンダなどの仕上げ処理を受け

なかった紙又は板紙を意味している。 

paper or board without 

finish 

6172 

二層紙又は板紙 

製造中に結合させた二つの完成紙料層から成る紙又は板
紙で,接着剤を用いないで,湿紙の状態で結合させたもの。 

two-layer paper or board 

6173 

三層紙又は板紙 

製造中に結合させた三つの完成紙料層から成る紙又は板
紙で,接着剤を用いないで,湿紙の状態で結合させたもの。 

参考 外層は同じ組成にしてもよい。 

three-layer paper or board 

6174 

多層紙又は板紙 

製造中に結合させた三つ以上の紙料層から成る紙又は板
紙で,接着剤を用いないで,湿紙の状態で結合させたもの。 

参考 二つ又はそれ以上の紙料層を同じ組成にしても

よい。 

multi-layer paper or board 

6175 

無サイズ紙 

サイズ処理をしていない紙。 

unsized paper 

6176 

サイズ紙 

サイズ処理をした紙。 

sized paper 

6177 

ウーブペーパー 

すの目が入っていない紙。 

wove paper 

6178 

木目紙又は板紙 

色又は色の明暗のついた繊維が少量混じっている紙。 

参考 シルリアン紙,花崗岩模様用紙又はまだら色紙

などがある。 

veined paper or board 

6179 

マシン仕上げ紙又
は板紙 

両面の平滑性及び見た目の均一性を改善するために,抄紙
機で機械的処理を施した紙又は板紙。 

machine-finished paper or 

board 

6180 

マシン光沢仕上げ
紙又は板紙 

抄紙機ドライパートのつやのある金属製加熱シリンダと
接触させて乾燥し,片面に平滑性,光沢性を付与した紙又
は板紙。 

参考 もう一つの面は,比較的粗いままである。 

machine-glazed paper or 

board 

6181 

プレート光沢仕上
げ紙又は板紙 

プレート光沢仕上げカレンダで高度に光沢処理した紙又
は板紙。 

plate-glazed paper or 

board 

6182 

摩擦光沢仕上げ紙
又は板紙 

摩擦光沢仕上げカレンダで非常に高度な光沢処理を施し
た紙又は板紙。 

friction-glazed paper or 

board 

6183 

カレンダ処理紙又
は板紙 

カレンダ処理を施した紙又は板紙。 

calendered paper or board 

6184 

スーパーカレンダ
処理紙 

マシン仕上げ紙よりも高平滑及び高光沢を得るために,ス
ーパーカレンダ処理を施した紙。 

super calendered paper 

6185 

ラミン(紙又は板
紙) 

均一な紙厚を得るために,紙厚カレンダ処理をした紙又は
板紙。 

参考 英語には,このような用語はない。 

lamine (paper or board)  

6186 

片面着色紙又は板
紙 

製造中に片面だけを着色した紙又は板紙。 

one-side coloured paper 

or board 

6187 

両面着色紙又は板
紙 

製造中に両面を着色した紙又は板紙。 

two sides coloured paper 

of board 

background image

44 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6188 

ツインワイヤ紙又
は板紙 

接着剤を用いないで,二つの紙匹を結合させて抄造した2
層重ねの紙又は板紙。 

参考 現在,この用語は,2枚のワイヤの間で紙層形成

した紙又は板紙に用いることが多い。 

twin wire paper or board 

6189 

ラグペーパー 

ぼろパルプを多く含む紙料から製造した紙。 

参考 “ラグペーパー”と呼称するためのぼろパルプ

の最低配合率は,国によって異なる。 

rag paper 

6190 

オールラグペーパ
ー 

ぼろパルプばかりで製造した紙。 

参考 ぼろパルプ以外のパルプが少量混入してしまう

こともある。 

all-rag paper 

6191 

機械パルプ紙又は
板紙 

その繊維組成の本質的な構成要素として機械パルプを含
んでいる紙又は板紙。 

mechanical woodpulp or 

board 

6192 

混合わらパルプ紙
又は板紙 

未ざらしわらパルプの配合を主体とした紙又は板紙。 

mixed straw paper or 

board 

6193 

水仕上げ紙又は板
紙 

カレンダ通過中に,通常,水ドクタの水膜で紙匹の片面又
は両面を加湿することによって得られる高度な仕上げを
施した紙又は板紙。 

water-finished paper or 

board 

6194 

チップボール 

連続式の板紙抄紙機で,主に下級古紙から製造した板紙。 chipboard 

6195 

合せチップボール 

片面又は両面が中間層と違った組成をもつチップボール。 lined chipboard 

6196 

ミルボード 

すき合せ板紙抄紙機で,通常,混合古紙から製造される厚
さ1mm以上の均質板紙の総称。 

millboard 

6197 

強光沢ミルボード 

密度が高くて硬い,非常に剛直な,平滑性のある耐水性の
板紙。 

glazed millboard 

6198 

同質板紙 

単一紙料層から成る板紙。 

solid board 

6199 

機械パルプ板紙 

機械パルプを主体に製造した板紙。 

mechanical pulp board 

6200 

褐色機械パルプ板
紙 

褐色機械パルプを主体に製造した板紙。 

brown mechanical pulp 

board 

6201 

褐色混合パルプ板
紙 

古紙,ときにはパルプを配合して製造し,両面を褐色に着
色した板紙。 

brown mixed pulp board 

6202 

擬革板紙 

すき合せ板紙抄紙機で製造した板紙で,皮革を50%以上含
むもの。 

leatherfibre board 

6203 

石綿板紙 

石綿繊維だけから製造した板紙,又は石綿繊維にバインダ
又はてん(塡)料を混合して製造した板紙。 

asbestos board 

6204 

フェルトボード 

ばらばらにした柔らかい紡織繊維を含む板紙。 

felt board 

6205 

タール褐色紙 

水及び水蒸気の浸透をある程度防止するために石炭,木
材,アスファルトなどのタールを塗工又は浸透させて製造
した紙。 

tarred brown paper 

6206 

ウォータリーフペ
ーパー 

内添又は表面サイズを全然含まない吸水性の紙。 

参考 例えば,ろ紙,吸取紙,又は後工程で浸透処理

などを行う原紙として利用される。 

waterleaf paper 

6207 

表面サイズ紙 

表面特性を改善するために表面塗布を施した紙。 

surface sized paper 

6208 

プレスパン 

カレンダ仕上げを強化した,硬くて光沢のあるプレスボー
ド又はプレス用紙。 

presspahn 

6209 

プレス用紙 

天然植物の化学的純度の高いパルプから連続工程で製造
した多層紙。 

参考 密度が高く,均一な厚さ,平滑な表面をもち,

機械的な強度,耐老化性及び電気絶縁性に優れ
ている。 

press paper 

6210 

しわ付き仕上げ紙 

乾燥中に張りを緩めて収縮させ,波状のしわを入れた紙。 cockle finished paper 

background image

45 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6211 

はり合せアイボリ
ー 

さらし化学パルプを用いた紙匹を2層以上はり合わせて製
造した坪量150g/m2以上の筆記・印刷用の紙又は板紙。 

参考 平滑で剛直,きれいな外観及び均一な地合をも

っている。名刺などに用いられる。北米では,
これをブリストル(上質の厚い紙の総称)の一
種とみなしている。 

pasted ivory board 

6212 

ブレード塗工紙 

5150を参照 

blade coated paper 

6213 

ロール塗工紙 

5151を参照 

roll coated paper 

6214 

グラビア塗工紙 

5152を参照 

gravure coated paper 

6215 

サイズプレス塗工
紙 

5153を参照 

size press coated paper 

6216 

ブラッシュ塗工紙 

5154を参照 

brush coated paper 

6217 

エアナイフ塗工紙 

5155を参照 

air knife coated paper 

6218 

押出塗工紙 

5157を参照 

extrusion coated paper 

6219 

ディップ塗工紙 

5158を参照 

dip coated paper 

6220 

カーテン塗工紙 

5159を参照 

curtain coated paper 

6221 

ホットメルト塗工
紙 

5160を参照 

hot melt coated paper 

6222 

溶剤塗工紙 

プラスチック又は樹脂を塗工した紙若しくは後工程で蒸
発してしまう揮発性の溶剤に溶かしたプラスチックを塗
工した紙。 

solvent coated paper 

6223 

エマルション塗工
紙 

プラスチック又は樹脂をエマルションの形で塗工した紙。 emulsion coated paper 

6224 

バブル塗工紙 

塗工液の中に導入された微小な気泡によって生じた空げ
きが,塗工層に含まれるようにして塗工した紙。 

bubble coated paper 

6225 

イミテーションア
ート紙 

高級スクリーン印刷に適合するように,てん(塡)料を極
端に高配合し,カレンダ仕上げを強化した紙。 

imitation art paper 

6226 

聖書用紙 

高密度,高不透明度で,機械パルプを含まない耐久性のあ
る薄い紙。 

bible paper 

6227 

ポスター用紙 

一定期間屋外で使用されることを想定して,サイズをよく
きかせた片つや仕上げの印刷用紙。 

poster paper 

6228 

包装用ティシュ 

主に壊れやすい物を保護する包装及び贈答品の包装に用
い,一般に,坪量が12〜30g/m2の柔らかくて強度のある軽
量包装紙。 

wrappig tissue 

6229 

原紙 

塗工,含浸などの加工に用いる紙又は板紙。 

参考 片面に他の物質(アルミニウム,プラスチック

など)を付加した紙に対しても,この用語を用
いる国もある。 

base paper or board (body 

paper or board)  

6230 

カーボン原紙 

強度,特にあな開け強度の高い軽量紙で,顔料塗工に適し
た均一な厚さ,平たん性をもち,塗工液が紙をしみ通って
しまうような欠陥をもたないもの。 

carbonizing base paper 

6231 

ジアゾ感光紙原紙 

さらし化学パルプを用いて,ジアゾ塗工用にサイズをきか
せた平滑性のある紙。耐折強度及び引裂強度が高く,化学
的に不活性で,光化学反応に影響を与えるような金属イオ
ンを含まないもの。 

base paper for diazotype 

6232 

写真用印画紙原紙 

均一な地合をもち,湿潤強度を付与した寸法安定性及び化
学的安定性のある紙で,感光塗料又は画像に影響を与える
ような不純物を含まないもの。 

photographic base paper 

background image

46 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6233 

冷凍食品用紙原
紙:直接接触紙用 

常温又は低温で機械的強度が高く,汚染成分を含まない紙
又は板紙で,耐脂性,防湿性及びシール性といった所要特
性を備えた包装材料の製造に適合するもの。 

base paper or board for 

the protection of frozen 
and deep-frozen foods,  

i. e. direct contact 

6234 

冷凍食品用紙原
紙:非接触紙用 

低温及び高湿度で機械的強度が高い紙又は板紙で,既に包
装されている冷凍食品を収納するために用いる包装材料
の製造に適合するもの。 

base paper or board for 

the packing frozen and 
deep-frozen foods,  

i. e. non-contact 

6235 

耐油性 

紙料調製中に強い機械的処理を行うことによって付与さ
れ,機械パルプを含まない,グリース又は脂肪の浸透に対
して大きな抵抗性をもつ性質。 

greaseproof 

6236 

安全紙 

偽造及び変造をあばくために,偽造防止特性を付与した
紙。 

safety paper 

6237 

銀行券用紙 

耐久性のある証券用紙及び安全紙で,多色印刷ができ,取
扱い及び折畳みに対する耐久性が優れているもの。 

banknote paper 

6238 

絶縁紙又は板紙 

熱,音,電気など,ある種のエネルギーの伝達を防止する
ような紙又は板紙。 

insulating paper or board 

6239 

ラミネート絶縁体
用紙 

ラミネート絶縁体の製造に用いる高絶縁耐力をもった無
サイズの中性紙。 

paper for laminated 

insulators 

6240 

ケーブル用電気絶
縁紙 

電気導体を絶縁するために用いる低坪量の絶縁紙。 

paper for conductor 

insulation 

6241 

靴底用板紙 

靴の構成部材の製造に用いる板紙。 

shoe board 

6242 

織物紙管用紙 

例えば,紡績又はダブリング(より合せ)中,糸巻き用の
管の製造に用いる紙。 

paper for textile paper 

tubes 

6243 

紋紙又は板紙 

高度の寸法安定性をもった紙又は板紙で,次の二つの条件
を満足するもの。 
− きれいな孔が開けられること。 
− ジャカード織機で使用したとき,耐摩耗性があること。 

jacquard paper or board 

6244 

圧搾用板紙 

箱の底又はふたなどの立体形の物をダイスの間でプレス
して製造するために用いる特製の板紙。 

board for pressing 

6245 

製本用板紙 

装丁本の表紙に用いる板紙。 

bookbinding board 

6246 

衣服箱用板紙 

主にスーツケースの製造に用いる板紙。サイズ処理した,
高密度,高強度,耐圧縮,耐折,成型性,剛性,リベット
特性及び縫合性があり,一般に,耐水性の付与及び外観そ
の他の特性を改善するために表面塗工が可能なもの。 

suitcase board 

6247 

紙型用紙 

鋳造ステロ版用の型を作るために用いる板紙。 

flong 

6248 

記録用紙 

長期間保存しなければならない文書に用いる耐老化性の
高い紙。 

archival paper 

6249 

クラフトライナー 

ほとんどクラフトパルプだけを原料としたライナー。 

参考 この用語は,段ボールのフルート(段)にはる

紙又は板紙にも用いる。 

kraft liner 

6250 

検定済みライナー 

協定した試験仕様書に適合したライナー。 

test liner 

6251 

クラフト張りライ
ナー 

1層がクラフト製になっている2層ライナー。 

kraft faced liner 

6252 

古紙ライナー 

古紙から作ったライナー。 

参考 この用語に相当する英語はない。 

“couverture ordinaire” 

6253 

封筒用紙 

通信用の封筒や袋を製造するのに必要な強度をもった紙
で,筆記及びのり付けに対する適性を備えたもの。 

envelope paper 

6254 

折畳み箱用板紙 

カートンの製造に用いる板紙。折り目付け及び折畳みに対
して優れた性質をもつ。 

folding boxboard 

background image

47 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6255 

塗工折壁み箱用板
紙 

折畳み箱用板紙の一種で,塗工表面に印刷適性及びニス引
き適性をもたせるため,片面又は両面に塗工したもの。 

coated folding boxboard 

6256 

さらしパルプ裏打
ち折畳み箱用板紙 

折畳み箱用板紙の一種で,塗工表面に印刷適性及びニス引
き適性をもたせるため,外層の片面又は両面がさらし化学
パルプで構成されているもの。 

bleached lined folding 

boxboard 

6257 

タイプライタ用紙 

タイプライタで用いるサイズを十分にきかせた,機械的強
度の高い紙で,タイプライタの活字の打込み及び抹消に対
する抵抗力に優れているもの。 

typewriting paper 

6258 

謄写版複写用紙 

かさ高の紙で,不透明性が高く,片面又は両面に謄写版印
刷適性をもつもの。 

stencil duplicator copy 

paper 

6259 

スピリット複写用
紙 

スピリット複写機によって複写するために,アルコールの
吸収に対する抵抗力を十分に付与した紙。 

spirit duplicator copy 

paper 

6260 

カレンダロール用
紙 

圧縮性及び高温での強度が要求されるため,圧縮しながら
積層してカレンダロールを作るための紙。 

calender bowl paper 

6261 

薬きょう用紙 

腰の強さ,強度,非腐食性,厚さの均一性が要求される,
薬きょうの製造に用いる紙。 

ammunition cartridge 

6262 

波形加工用紙 

波形加工紙の製造に用いる紙。 

fluting (corrugating) 

paper 

6263 

フルート, 
段 

波形加工紙の波形部分。 

flute 

6264 

波形加工紙 

規則的,永続的な波形を付与するための工程で処理した
紙。 

fluted paper 

6265 

二層タール紙 

2枚の紙シート又は紙匹をコールタール又は木タールでは
り合わせた紙。 

union paper 

6266 

強化二層タール紙 

二層タール紙の層間にガラス繊維,合成繊維又は天然繊維
の糸又は布を混合して補強した紙。 

reinforced union paper 

6267 

布張り紙又は板紙 

片側にモスリン又は布をはって補強した紙又は板紙。 

cloth-lined paper or board 

6268 

布しん紙又は板紙 

2枚のシート又は紙料層間にモスリン又は布を挟んで補強
した紙又は板紙。 

cloth centred paper or 

board 

6269 

補強紙又は補強板
紙 

金属片,合成繊維糸又は天然繊維糸のような材料を混合す
ることによって機械的強度を補強した紙又は板紙。 

reinforced paper or board 

6270 

張合せ板紙 

のり付けしてはり合わせた板紙。 

pasted lined board 

6271 

カートンコンパク
ト 

包装箱の製造に適合するよう,少なくとも一層は高強度の
クラフト又はそれと同等のライナーを用いた,坪量1 
000g/m2以上のはり合せ板紙。 

参考 このフランス語に相当する用語は,英語にはな

い。 

“carton compact” 

6272 

上張り 

段ボールの平たん部分に用いるライナー。 

facing 

6273 

パルプ成型品 

製紙用パルプから作られた成型品。 

moulded pulp products 

6274 

ウェットクレープ 

セルロース繊維から成る薄いクレープ紙を1枚又は数枚重
ねて作ったもの。 

参考 クレーピングは,通常,乾燥が完全に終了する

前に行われる。 

heavy (wet) crepe 

6275 

索引カード 

ファイリングシステムでデータ記録用に使われる硬い紙
又は板紙。 

index card 

6276 

カーボン紙 

通常,片面に圧力又は衝撃によって転写できる顔料塗工層
をもった紙で,手書き又はタイプライタで打つと同時に,
そのコピーを作成できるもの。 

carbon paper 

background image

48 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6277 

マルチコピーフォ
ーム用紙 

筆記,タイプライタ又はインパクト印刷による局部的な圧
力を付与する1回の操作で2枚以上のコピーが作られるフ
ォーム用紙。 

参考 カーボンシート,裏カーボンフォーム用紙及び

感圧コピー用紙などが用いられる。 

multicopy business form 

6278 

裏カーボンフォー
ム用紙 

シート又は連続伝票若しくはユニットブック状にセット
された紙で,元の手書き又はタイプライタ印字の全部若し
くは一部をコピーするために感圧転写用顔料層を裏面に
塗工したもの。 

参考 カーボン紙をいちいち挿入しなくてもコピーが

可能である。 

carbonized forms 

6279 

ノーカーボンフォ
ーム用紙 

シート又は連続伝票若しくはユニットブック状にセット
したノーカーボン紙。 

carbonless copy paper 

forms 

6280 

封筒 

通常,1枚の紙シートから作られた長方形の平らな袋。 

参考 表面は平たん,裏面は四つの折返しが重なるよ

うに折り畳まれている。一般に,三つ(場合に
よっては二つ)の折返しは互いにのり付けされ
ており,4番目の折返しには,封をするとき便利
なように,のりが塗ってあることもある。この4
番目の折返しは,長方形の長辺側又は短辺側の
どちらにあってもよい。封筒の表面及び/又は
裏面には透明な窓が一つ又はそれ以上あっても
よい。 

correspondence envelope 

or correspondence 
pocket 

6281 

郵便はがき 

封筒を使わないで手紙を郵送するために用いるもので,片
方の面はすべて通信文用のスペースで,もう一つの面の少
なくとも右半分は,あて(宛)先,スタンプ及び郵便標識
用のスペースになっているもの。 

参考 強くて,腰の強い紙のシートが使われる。 

post card 

6282 

絵入りはがき 

片方の面にイラストの入った郵便はがきで,もう一つの面
の少なくとも右半分は,あて(宛)先,スタンプ及び郵便
標識用のスペースになっているもの。 

illustrated postcard 

6283 

郵便書簡 

封印後,郵送する白色又は淡色の不透明な紙で,片面だけ
に通信文を書くようになっているもの。 

参考 通常,通信文が内側になるように1回だけ折り

畳み,あらかじめのりの付いた端の部分を封印
する。封印した郵便書簡の片側にはあて(宛)
先,スタンプ及び郵便標識用のスペースがある。
のり付けした端部を取り除きやすくするために
ミシン目が付いているものもある。用紙は,郵
便物としての品質要求を満たすことが望まし
い。 

lettercard 

6284 

絵入り郵便書簡 

絵及び通信文用のスペースをもった郵便書簡。折り畳んだ
後,外側の面にあて(宛)先,スタンプ及び郵便標識用の
スペースがあるもの。 

illustrated lettercard 

background image

49 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) パルプ,紙及び板紙の性質・試験 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7001 

ISO白色度 

1) 紙及び板紙の拡散照明方式による白色度。ISOに制定

されているのでISO白色度という。 
参考 この方法は,拡散照明・0度受光方式であり,そ

の長所は紙を測定する際に方向の影響をほとん
ど受けないことである。 

(JIS P 8148参照) 
2) 白色及び白色に近い紙・パルプに対し,拡散照明を採

用した機器を用いて有効波長457nmで完全反射拡散面
と比較した反射率係数。 

ISO brightness,  
diffuse blue reflectance 

factor 

7002 

IGT印刷適性試験機 オランダの印刷技術研究所 (Instituut voor Grafische 

Techniek TNO) で考案された印刷適性試験機。 

参考 紙の表面強さ,インキ受理性などが実際の印刷

に近い条件で試験できる特長がある。 

(JIS P 8129参照) 

IGT printability tester 

7003 

厚さ 

1) 一定の静的荷重の下で測定した紙又は板紙の表面から

裏面までの距離。 
参考 ミリメートル (mm) 又はマイクロメートル 
 (μm)で表す。 

2) 単一シート厚さ及びたい積紙厚さに対して用いる一般

用語。 

3) 標準試験法に従って,ある静荷重を付与した状態で測

定した,紙又は板紙の片方の面ともう一つの面間の距
離。 

(JIS P 8118及びJIS C 2111参照) 

thickness,  
caliper,  
single sheet thickness 

7004 

アルカリ浸し試験 

溶解パルプのビスコース適性を調べるための17.5%水酸化
ナトリウム溶液に対する浸し試験。 

参考 この試験にはアルカリ吸収度,アルカリ吸収速

度,膨潤容積の試験がある。 

(JIS P 8101参照) 

alkali steeping test 

7005 

アルカリ溶解度試
験 

木材パルプのアルカリ溶液に溶ける度合を測定する試験
方法。 

参考 これには普通,水酸化ナトリウム,水酸化カリ

ウムを用い,木材セルロースの変質状態を測定
するために行う。 

(JIS P 8101参照) 

alkali solubility test 

7006 

アルコール・ベンゼ
ン可溶分 

熱アルコール・ベンゼン混合溶剤(1容:2容)で溶解し
て抽出した部分。 

参考 木材,パルプ,紙などの抽出物を測定して,そ

れらの評価に用いる。 

(JIS P 8010及びJIS P 8101参照) 

alcohol-benzene 

extractives 

7007 

α−セルロース 

パルプ又はセルロース繊維を17.5%水酸化ナトリウム溶液
で処理し,さらに10%に希釈したとき,溶解しないで残る
部分。 

参考 この含有率は,試料の品質判定の基準となる。 

(JIS P 8101及びJIS P 9002参照) 

alpha (α) -cellulose 

7008 

印刷不透明度 

試験紙の裏面に黒色板を当てたときと,その紙を多数枚重
ねたものを当てたときの反射率の比を百分率で表した値。 

参考 紙の不透明度表示方法の一つである。 

printing opacity,  
opacity (paper backing)  

background image

50 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7009 

エーテル可溶分 

木材又はパルプからエーテルで抽出された部分。樹脂,油
脂,ろうなどを含む。製紙用パルプの樹脂分は,一般にエ
ーテル可溶分で表す。 
(JIS P 8009及びJIS P 8205参照) 

ether extractives 

7010 

カール 

紙がわん曲すること。 

参考 湿度変化によって起こる場合は普通抄紙方向を

軸として生じる傾向がある。これは紙の両面性,
繊維配向性などが原因で起こる場合が多い。そ
の他に機械的応力によって起こるカールもあ
る。 

curl 

7011 

かさ 

一定の圧力(通常50〜60kPa)の下で,紙の一定枚数の積
重ねの高さ。 

参考 この数値は書籍,雑誌などの厚さの計算上重要

である。 

bulk 

7012 

加速劣化 

紙及び板紙の長期保存に伴う劣化を推定するため試料を
加温又は加温及び加湿によって強制的に劣化させること。 

参考 劣化の程度は耐折強さ,引張強さ,白色度,pH

などの特性の残存率,変化率などで評価する。 

accelerated aging 

7013 

カッパー価 

収率の比較的低い易漂白パルプから,収率60%までの広範
囲のパルプに適用できるように過マンガン酸カリウム価
(K価)を改良したもの。 

参考 パルプの蒸解度の表示方法の一つである。所定

条件(K価測定の場合と異なる)で絶乾パルプ
1gが消費する20mmol/l過マンガン酸カリウム溶
液の量。ミリリットル (ml) で表す。 

(JIS P 8211参照) 

Kappa number 

7014 

過マンガン酸カリ
ウム価, 
K価 

所定条件下で絶乾パルプ1gが消費する20mmol/l過マンガ
ン酸カリウム溶液の量。ミリリットル (ml) で表す。 

参考 パルプの蒸解度を示す方法の一つである。この

値はリグニンの含有量に比例する。 

(JIS P 8206参照) 

permanganate number 

7015 

紙むけ 

1) 印刷の際,インキの粘着性が大きすぎるか,又は紙の

表面強さの不足,塗工層の接着力不足などの要因によ
って紙面がむけること。 

(JIS P 8129参照) 
2) 表面に作用する外部からの張力が紙又は板紙の結合力

より大きくなったときに起こる,抄紙又は印刷中の紙
又は板紙表面層の破壊。 

picking 

7016 

吸水度 

紙及び板紙が水を吸収する程度。 
(JIS P 8140及びJIS P 8141参照) 

water absorbence 

7017 

吸油度 

紙が印刷インキなどを吸収する程度。 

参考 光電式の油吸収メータを用いて測定する。 

(JIS P 8130参照) 

oil absorbence 

7018 

きょう雑物 

1) パルプ又は紙の中に含まれるちり,結束繊維及び樹脂

はん点などの総称。 

(JIS P 8101, JIS P 8145及びJIS P 8208参照) 
2) パルプ,紙料,紙及び板紙中に存在する好ましくない

物質。 

dirt,  
pulp and paper contraries 

background image

51 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7019 

鏡面光沢度 

鏡面反射によって測定した光沢度。 

参考 カレンダ仕上げの紙,アート紙などに対しては

75度の鏡面反射光量によって測定する。 

(JIS P 8142参照) 

specular glossiness 

7020 

毛羽立ち 

紙又は板紙の表面が,摩擦その他の原因で起毛すること。
主に,繊維,てん(塡)料又はサイズ剤の粒子から成るけ
ば,ダスト又は印刷中に発生したこれらの物質の非常に小
さな集合体が紙又は板紙から離脱すること。 

参考 これらの粒子は,表面から完全に離脱している

か,結合が緩いために印刷中に離脱しやすくな
っている。 

scuffing,  
linting,  
dusting,  
fluffing 

7021 

こわさ, 
剛度 

紙及び板紙に曲げを与えたときの抵抗性を表す性質。剛度
ともいう。 

参考 紙及び板紙のこわさを示す方法に,クラークこ

わさ試験機による自重曲げ法とテーパーこわさ
試験機による荷重曲げ法とがある。 

(JIS P 8125及びJIS P 8143参照) 

stiffness 

7022 

サイズ度試験 

紙のインキや水などの浸透に対する抵抗度を測定する試
験。 

参考 測定にはインキでペン書きする方法,ステキヒ

ト法,電気的試験方法などがある。板紙には浸
せき試験も行われている。 

(JIS P 8122参照) 

sizing test 

7023 

湿紙強度 

抄紙機の湿部における湿紙の強度。 

参考 この強さはパルプの種類,こう(叩)解の程度,

水分,坪量の大小によって異なる。 

wet-web strength 

7024 

湿潤強さ, 
湿潤引張強さ 

紙及び板紙に水を湿潤させたときの強さ(引張強さ)。 
(JIS P 8135参照) 

wet (tensile) strength 

7025 

しみ通し 

紙の片面に刷ったインキのビヒクルが反対面にまでしみ
出すこと。 

strike through 

7026 

樹脂班点 

パルプ又は紙の中にある樹脂の凝集物による班点。 

rosin speck 

7027 

樹脂分 

パルプの有機溶剤による抽出物。 

参考 溶剤として溶解パルプの場合にはアルコール・

ベンゼン混合液,製紙用パルプの場合にはエチ
ルエーテルを用いる。 

(JIS P 8101及びJIS P 8205参照) 

solvent extractives 

7028 

衝撃あな開け強さ 

一定の形状,寸法をもった試験機の貫通部が,衝撃によっ
て試験片にあなを開けるのに必要な仕事量。 
(JIS P 8134参照) 

puncture resistance 

7029 

水分 

紙又はパルプに含まれる水分。 

参考 その測定は,105±2℃で恒量に達するまで乾燥

したときの減量を求め,元の質量に対する百分
率で表す。 

(JIS P 8127,JIS P 8202及びJIS P 8203参照) 

moisture content 

7030 

透き通し 

紙の片面の印刷が反対面から透けて見える状態。 

参考 紙の不透明度,印刷インキの成分などに関係が

ある。 

show through 

7031 

寸法安定性 

紙若しくは板紙が周囲の湿度変動の影響による水分変化
又は印刷,加工若しくは使用中の物理的・機械的応力の変
動が生じてもその寸法及び形状を保持する能力。 

dimensional stability 

background image

52 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7032 

ゼロスパン引張強
さ 

つかみの間隔をゼロにした場合の引張強さ。 

参考 これは単繊維強度の指標の一つである。 

zero-span tensile strength 

7033 

染色試験 

染色によってパルプ化の方法及び原料の種類を見分ける
のに用いる試験。 

参考 これにはC染色液,ヘルツベルグ染色液,ロフ

トンメリット染色液などを用いる。 

(JIS P 8120参照) 

staining test 

7034 

層間はく離強さ 

板紙のすき合せ層を一定の速度で,それぞれ90度方向へ
引きはがすために必要な荷重。幅10mm当たりの荷重 (N) 
として表す。 

参考 はく離試験機を用いる方法(A法)と引張強さ

試験機を用いる方法(B法)がある。 

(JIS P 8139参照) 

plybond strength 

7035 

退色度 

パルプ又は紙が長時間にわたって日光,熱,空気などの作
用を受けたとき生じる白色度又は色差の変化の程度。 

fading resistance 

7036 

耐折強さ 

15mm幅の試験片を標準の張力条件の下で往復折り曲げた
とき,破断するに要した耐折回数の常用対数。 

参考 試験機としてはショッパー形とMIT形の2種類

がある。 

(JIS P 8114及びJIS P 8115参照) 

folding endurance 

7037 

耐摩耗強さ 

一定条件の摩擦作用を試験片の表面に加えたときの摩擦
に対する抵抗性。 

参考 定められた摩擦物を用いて一定の荷重及び速度

で試料を摩擦した場合の試料の質量減少割合,
表面の毛羽立ちが生じるまでの回数などで表
す。 

(JIS P 8136参照) 

abrasion resistance 

7038 

耐油度 

紙に油脂類が浸透するときの抵抗性。テレビン油の浸透時
間で表す。 

grease resistance 

7039 

縦横比 

紙の縦方向と横方向の特性値の比率。 

参考 紙の縦と横の引張強さ,ゼロスパン引張強さ,

超音波の伝ぱ(播)速度などの測定値によって
算出した比率が用いられる。 

MD/CD ratio 

7040 

調湿 

紙を一定の温度,湿度条件に置き,水分含有量を平衡安定
させる操作。 

conditioning 

7041 

坪量 

紙及び板紙の面積1平方メートル (m2) 当たりの質量をグ
ラム (g) で表した値。 
(JIS P 8124参照) 

basis weight,  
grammage 

7042 

銅アンモニア溶液 

水酸化銅 (II) をアンモニア水に溶解するか,金属銅をアン
モニア水に浸し,空気を送って酸化して溶解させた溶液。
酸化銅アンモニア溶液,シュワイツァー試薬ともいう。 

参考 パルプ粘度の測定に用いる。 

(JIS P 8101及びJIS P 9002参照) 

cuprammonium solution 

7043 

銅価 

パルプ又は紙中の繊維100gが第二銅を還元して生じた第
一銅中の金属銅のグラム (g) 数。 

参考 オキシセルロース,ヒドロセルロース,リグニ

ン又は糖類など還元性をもつ紙中の不純物に対
する指標である。 

(JIS P 8101及びJIS P 9002参照) 

copper number 

background image

53 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7044 

透気度 

一定条件下で空気が紙を通過する度合。 

参考 次の二つの方法がある。 

1) 一定時間に試験片を通過する空気の量 (ml) を測定す

る方法。ISO透気度という。 

2) 一定量の空気が試験片を通過するのに要する時間 (s) 

を測定する方法。透気抵抗度という。 

(JIS P 8117参照) 

air permeability 
1) air permeance 
2) air resistance 

7045 

透湿度 

一定時間に単位面積の紙を通過する水蒸気の量。一定条件
下で面積1m2の紙を24時間に透過する水蒸気をグラム (g) 
で表す。 
(JIS Z 0208参照) 

water vapor transmission 

rate 

7046 

熱水可溶分 

木粉を沸騰水に3時間浸せきした後の可溶分。 

参考 元の質量に対する百分率で表す。パルプ用木材

の試験項目の一つである。 

(JIS P 8005参照) 

hot-water solubles 

7047 

引張破断伸び 

引張強さ試験で試験片が破断するまでに示した最大引張
ひずみ量。 

参考 通常,引張破断伸びは荷重を加える前のつかみ

間長さに対する百分率で表す。 

(JIS P 8113参照) 

stretch at break 

7048 

灰分 

所定条件で燃焼した後の灰化残留物の量。 

参考 試料の絶乾質量に対する百分率として表す。 

(JIS P 8003及びJIS P 8128参照) 

ash content 

7049 

白色度 

1) パルプ及び紙の白さの程度。 

参考 ハンター方式,拡散照明方式などの白色度試験

方法がある。 

(JIS P 8123及びJIS P 8148参照) 
2) “方向性青色反射率係数”(7053参照)及び“拡散青

色光反射率係数(ISO白色度)”(7001参照)という用
語は,スペクトルの紫及び青色部分における白色又は
それに近い物体に対するスペクトル反射率係数の値。 
参考 単なる(無条件の)“白色度”という用語は,“視

感反射率係数”及び“白色度 (whiteness) ”と混
同するため,使用しないほうがよい。 

brightness,  
blue reflectance factor 

(brightness)  

7050 

はっ水性 

紙の表面が水をはじく性質。 

参考 ワックスエマルション,シリコーンなどの表面

塗工を行うことによってこの性質が生じる。 

(JIS P 8137参照) 

water repellency 

7051 

パルプ粘度 

パルプを銅アンモニア溶液,銅エチレンジアミン溶液など
に溶かした溶液の粘度。 

参考 パルプ粘度は銅安液に対する相対粘度で表す。

セルロースの重合度は,希釈セルロース溶液の
粘度から計算される。 

(JIS P 8101参照) 

viscosity of pulp 

7052 

破裂強さ 

紙及び板紙の表面にゴム膜を介して定速で圧力を加え,試
験紙が破れるときの圧力。 

参考 キロパスカル (kPa) で表す。試験機は主にミュ

ーレン形が用いられている。 

(JIS P 8112及びJIS P 8131参照) 

bursting strength 

background image

54 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7053 

ハンター白色度 

1) ハンター白色度試験機によって青色フィルタを用いて

測定したパルプ又は紙の反射率。 
参考 酸化マグネシウム標準白色板の反射量に対する

百分率で表す。 

(JIS P 8123参照) 
2) 白色及び白色に近い紙・パルプに対し,45°照明を採

用した機器を用いて有効波長457nmで完全反射拡散面
と比較した反射率係数。 

Hunter's brightness,  
directional blue 

reflectance factor 

7054 

PFIミル 

ノルウェー紙パルプ研究所で開発された試験用こう(叩)
解機。 

参考 回転する円筒形容器の内壁と,これに平行して

容器と同じ向きに回転するロールの刃の間でパ
ルプを遠心力によって拡散圧着させてこう解す
る。こう解面の相対速度が変えられ,高濃度こ
う解が可能で,所要時間が短いなどの特長があ
る。 

(JIS P 8210参照) 

PFI mill 

7055 

引裂強さ 
(ひきさきつよさ) 

切れ目を入れた一枚の紙又は板紙を引裂き続けるのに要
する平均の力。 

参考 ミリニュートン (mN) で表す。試験機は,主に

エルメンドルフ形が用いられる。 

(JIS P 8116参照) 

internal tearing strength 

7056 

引張強さ 
(ひっぱりつよさ) 

紙及び板紙の一定幅の試験片を,その一端に荷重を加えて
破断するまでの最大荷重を幅1m当たりに換算した値。 

参考 キロニュートン/メートル (kN/m) で表す。 

(JIS P 8113参照) 

tensile strength 

7057 

比破裂強さ 

紙及び板紙の破裂強さをその坪量で除した数値。 

(

)

(

)

2

m

/

g

kPa

坪量

破裂強さ

比破裂強さ=

(JIS P 8112及びJIS P 8131参照) 

burst index 

7058 

比引裂強さ 
(ひひきさきつよ
さ) 

紙及び板紙の引裂強さを坪量で除した数値。 

(

)

(

)

2

2

m

/g

mN

m

/g

mN

坪量

引裂強さ

比引裂強さ

=

(JIS P 8116参照) 

tear index 

7059 

比引張強さ 
(ひひっぱりつよ
さ) 

紙及び板紙の引張強さを坪量で除した数値。 

(

)

(

)

(

)

3

2

10

m

/

g

m

/

kN

g

/

m

N

×

=

坪量

引張強さ

比引張強さ

(JIS P 8113参照) 

tensile index 

7060 

標準形手すき機 

パルプの物理試験用シート調製装置。 
(JIS P 8209参照) 

standard sheet machine 

7061 

標準離解機 

パルプを一定条件で離解する,試験用の標準回転プロペラ
付き離解機。 
(JIS P 8209参照) 

standard disintegrator 

7062 

表面強さ 

紙むけに対して抵抗する強さ。 
(JIS P 8129参照) 

surface strength 

7063 

表面pH 

紙の表面に冷水を滴下し,一定時間後に測定した抽出液の
pH。 

参考 pH指示薬又は特殊なpH電極で測定する。紙の

抽出液の水素イオン濃度 (pH) の簡易試験法。 

surface pH 

background image

55 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7064 

不透明度 

光が紙を透過しない割合。 

参考 同じ一枚の試験片の裏面に白色標準板を当てた

ときと黒色標準板を当てたときの,試験片表面
の反射光量の比を百分率で表す。 

(JIS P 8138参照) 

opacity 

7065 

プリントスルー 

表面の印刷が裏面から見られる現象。 

参考 一般には透き通しと,しみ通しの両者が組み合

わされて起こる。 

(7030及び7025参照) 

print through 

7066 

ふるい分け度 

パルプ繊維の長短の分布度合。 

参考 パルプを4種類の標準金網で順次にふるい分け

て,各金網上に留まったパルプ及び最も細かい
金網を通過したパルプの質量を,それぞれ原パ
ルプの絶乾質量に対する百分率で表す。 

(JIS P 8207参照) 

fibre classification 

7067 

フロログルシノー
ル呈色反応 

機械パルプを検出するために用いるリグニンの呈色反応
の一つであって,フロログルシノール試薬(塩酸を含むフ
ロログルシン・アルコール溶液)を滴下すると機械パルプ
が赤紫色を呈すること。 
(JIS P 8120参照) 

phloroglucinol color 

reaction 

7068 

平滑度 

紙の表面の凹凸の程度。測定には空気漏えい式,光学式,
触針式などの試験機を用いる。 
(JIS P 8119参照) 

smoothness 

7069 

β−セルロース 

パルプを17.5%水酸化ナトリウム溶液で処理し,さらに
10%に希釈したときのα−セルロースのろ液を酢酸で中和

したときに再生する部分。 
(7007参照) 
(JIS P 8101参照) 

beta (β) -cellulose 

7070 

摩擦係数 

紙の動きを阻止しようとする摩擦力と紙に垂直に加わる
力の比。 

参考 静摩擦係数と動摩擦係数に分けられる。測定方

法には水平方法と傾斜方法がある。 

(JIS P 8147参照) 

coefficient of friction 

7071 

密度, 
緊度 

1) 紙の単位容積に対する質量。見掛けの比重であり,比

容積の逆数。緊度ともいう。 

密度 (g/cm3) 

(

)

(

)

3

2

10

mm

m

/

g

×

=厚さ

坪量

(JIS P 8101及びJIS P 8118参照) 
2) 板紙の単位体積当たりの質量。“坪量”及び“単一シー

ト厚さ”から算出する。 

1) density 
2) apparent density of 

board 

7072 

リングクラッシュ
試験 

段ボール用ライナー,中しんなどの圧縮強さを測定する試
験方法。 

参考 帯状の試験片をリング状に巻いて,平行な上下

圧縮板の間に挟み,圧縮破壊させたときの最大
荷重 (N) を測定する。 

(JIS P 8126参照) 

ring crush test 

7073 

冷水可溶分 

木粉を48時間,水 (25℃) に浸せきしたときの可溶分。 

参考 元の質量に対する百分率で表す。パルプ用木材

試験項目の一つである。 

(JIS P 8004参照) 

cold-water solubles 

background image

56 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7074 

裂断長 

紙の一端を固定懸垂して,その自重で切れるときの紙の長
さ。 

参考 キロメートル (km) で表す。紙の引張強さの表

示方法の一つである。 

(JIS P 8113参照) 

breaking length 

7075 

ろ水度 

パルプの水切れの程度を表す数値。 

参考 繊維の種類,性質,こう(叩)解の状態によっ

て異なる。測定法には,カナダ標準法,ショッ
パー・リーグラー法などがある。 

(JIS P 8121参照) 

freeness 

7076 

紙の仕上げ 

機械的な手段(例えば,カレンダリング)によって,紙又
は板紙に付与する表面特性。 

finish 

7077 

バルク厚さ 

標準試験法に従って,ある静荷重を付与した状態で測定し
た,たい積シートの厚さから算出した紙又は板紙の単一シ
ート厚さ。 

bulking thickness 

7078 

フェルトマーク 

抄紙機のフェルト(毛布)によって紙又は板紙に残された
跡。 

felt mark 

7079 

透かし地合 

拡散透過光の下で観察される紙シートの構造的な外観。 

look-through 

7080 

あら(粗)目 

紙表面の肌の粗さの状態及び程度についての感じ。粗さ
は,紙の仕上げ処理の大小によって生じる。 

tooth 

7081 

湿度安定性 

水分が変化しても,紙又は板紙が,その寸法及び形状を元
のままに維持する能力。 

hygro-stability 

7082 

湿度不安定性 

水分の変化によって,紙又は板紙の寸法及び平たん性が変
化しやすいこと。 

hygro-instability 

7083 

光沢 

表面に見られる反射ハイライト部又は画像の程度に起因
する方向選択的な反射特性 

gloss (of a surface)  

7084 

黄色化 

光又は空気などの作用で紙の白色度が劣化すること。 

yellowing 

7085 

退色 

光又は空気などの作用で紙の色が自然に変化すること。 

discoloration 

7086 

かさ高 

見掛け密度が低い紙又は板紙。 

to bulk 

7087 

不燃度 

特定の試験条件下,空気中で加熱したとき,紙又は板紙が
燃焼に耐える程度。 

degree of 

non-combustibility 

7088 

不炎度 

特定の試験条件下で燃焼したとき,紙又は板紙が燃焼に耐
える程度。 

degree of 

non-flammability 

7089 

乾燥固形分含量 

標準試験法に従って乾燥した後の物質の質量と試料を採
取したときの質量又は体積の比。 

dry solids content 

7090 

反射率係数 

同じ条件の下で,規定されたコーン内にある物体の反射量
と完全反射拡散面による反射量の比。 

参考 測定は,標準的な条件の下で行う。 

reflectance factor 

7091 

完全反射拡散面 

反射率が1に等しい理想的な均質拡散面。 

perfect reflecting diffuser 

7092 

脱水性 

重力下で脱水したとき,紙料が懸濁水と分離しやすいかど
うかを表す用語。 

drainability 

7093 

試料 

sample 

7094 

試験片 

specimen 

7095 

試験片 

参考 7093〜7095の3用語は,試験法によっては若干

異なった定義が必要となる。 

test piece 

7096 

浸透 

材料の特性で,流体が材料の表面から裏面まで通り抜ける
こと。 

permeance 

7097 

吸収度 

紙又は板紙が液体と接触したとき,その液体を吸収し,保
持する能力。標準試験法に従って吸収度又は吸収速度を測
定する。 

absorbency 

background image

57 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7098 

毛管上昇 

標準試験法に従って,紙又は板紙の細長い紙片を垂直につ
るし,下端を液体に浸せきして測定した液体の上昇高さ。 

capillary rise 

7199 

湿潤強度歩留り 

紙又は板紙の湿潤強度と乾紙強度の比。標準試験法に従っ
て測定する。 

wet strength retention 

58 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表1 引用規格 

JIS C 2111 電気絶縁紙試験方法 

JIS C 2303 絶縁薄紙 

JIS C 2304 コイル絶縁紙 

JIS C 2305 プレスボード 

JIS C 2307 電力ケーブル用絶縁紙 

JIS K 1423 硫酸アルミニウム(硫酸ばんど) 

JIS K 5902 ロジン 

JIS P 0138 紙加工仕上寸法 

JIS P 0201 連続伝票用紙の寸法 

JIS P 0202 紙の原紙寸法 

JIS P 3001 新聞巻取紙 

JIS P 3101 印刷用紙 

JIS P 3105 アート紙 

JIS P 3201 筆記用紙 

JIS P 3301 図画用紙 

JIS P 3401 クラフト紙 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS P 3902 段ボール用ライナ 

JIS P 3904 段ボール用中しん原紙 

JIS P 4501 トイレットペーパー 

JIS P 4502 連続伝票用紙 

JIS P 4504 ジアゾ感光紙用原紙 

JIS P 4505 ジアゾ感光紙 

JIS P 8003 パルプ材及び製紙用パルプの灰分試験方法 

JIS P 8004 パルプ材の冷水可溶分試験方法 

JIS P 8005 パルプ材の熱水可溶分試験方法 

JIS P 8009 パルプ材のエーテル可溶分試験方法 

JIS P 8010 パルプ材のアルコール・ベンゼン可溶分試験方法 

JIS P 8101 溶解パルプ試験方法 

JIS P 8112 紙及び板紙のミューレン低圧形試験機による破裂強さ試験方法 

JIS P 8113 紙及び板紙−引張特性の試験方法 

JIS P 8114 紙及び板紙−耐折強さ試験方法ショッパー形試験機法 

JIS P 8115 紙及び板紙のMIT試験機による耐折強さ試験方法 

JIS P 8116 紙及び板紙の引裂強さ試験方法 

JIS P 8117 紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法 

JIS P 8118 紙及び板紙の厚さと密度の試験方法 

JIS P 8119 紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法 

JIS P 8120 紙の繊維組成試験方法 

59 

P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS P 8121 パルプのろ水度試験方法 

JIS P 8122 紙のステキヒト・サイズ度試験方法 

JIS P 8123 紙及びパルプのハンター白色度試験方法 

JIS P 8124 紙及び板紙−坪量測定方法 

JIS P 8125 板紙のテーパ−こわさ試験機によるこわさ試験方法 

JIS P 8126 板紙の圧縮強さ試験方法(リングクラッシュ法) 

JIS P 8127 紙及び板紙の水分試験方法 

JIS P 8128 紙及び板紙の灰分試験方法 

JIS P 8129 紙及び板紙の表面強さ試験方法 

JIS P 8130 紙及び板紙の吸油度試験方法 

JIS P 8131 紙及び板紙のミューレン高圧形試験機による破裂強さ試験方法 

JIS P 8134 板紙−衝撃あな開け強さ試験方法 

JIS P 8135 紙及び板紙の湿潤引張強さ試験方法 

JIS P 8136 板紙の耐摩耗強さ試験方法 

JIS P 8137 紙及び板紙のはっ水度試験方法 

JIS P 8138 紙の不透明度試験方法 

JIS P 8139 板紙のすき合わせ層のはく離強さ試験方法 

JIS P 8140 紙及び板紙−吸水度試験方法−コップ法 

JIS P 8141 紙のクレム法による吸水度試験方法 

JIS P 8142 紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法 

JIS P 8143 紙のクラークこわさ試験機によるこわさ試験方法 

JIS P 8145 紙及び板紙のきょう雑物試験方法 

JIS P 8147 紙及び板紙の摩擦係数試験方法 

JIS P 8148 紙及び板紙の拡散照明方式による白色度試験方法(ISO白色度) 

JIS P 8201 製紙用パルプの試料採取方法 

JIS P 8202 製紙用パルプの荷口水分の試験方法 

JIS P 8203 製紙用パルプの試料水分の試験方法 

JIS P 8205 製紙用パルプの樹脂分試験方法 

JIS P 8206 製紙用パルプの過マンガン酸カリウム価(K価)試験方法 

JIS P 8207 製紙用パルプのふるい分け試験方法 

JIS P 8208 製紙用パルプのきょう雑物試験方法 

JIS P 8209 パルプ試験用手すき紙調製方法 

JIS P 8210 製紙用パルプの強さ試験方法 

JIS P 8211 パルプ−カッパー価試験方法 

JIS P 9002 ニトロセルロース用薄葉紙試験方法 

JIS R 6252 研摩紙 

JIS R 6253 耐水研磨紙 

JIS R 9200 せっこう,石灰及びマグネシアセメント用語 

JIS S 3102 障子紙 

JIS S 3104 ティシュペーパー 

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P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS S 5503 便せん 

JIS Z 0208 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法) 

JIS Z 0219 包装用加工紙の耐粘着性試験方法 

JIS Z 1503 ターポリン紙 

JIS Z 1505 セメントクラフト紙袋 

JIS Z 1516 外装用段ボール 

JIS Z 1535 気化性さび止め紙 

JIS Z 1538 印刷用粘着紙 

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P 0001 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

大 江 禮三郎 

東京農工大学(名誉教授) 

(副委員長) 

飯 田 清 昭 

紙パルプ技術協会 

(委員) 

橋 本 城 二 

通商産業省生活産業局 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

山 崎 秀 彦 

大蔵省印刷局 

尾 鍋 史 彦 

東京大学農学生命科学研究所 

岡 山 隆 之 

東京農工大学農学部 

斉 藤 充 利 

新王子製紙株式会社 

島 田 晃 吉 

日本製紙株式会社開発企画部 

大 塚 弘 明 

本州製紙株式会社 

桂     徹 

三菱製紙株式会社 

寺 島 英 男 

日本製紙連合会 

内 田 泰 次 

全国段ボール技術委員会(本州製紙株式会社) 

山 崎   晃 

日本たばこ産業株式会社たばこ中央研究所 

大豆生田  章 

大日本印刷株式会社技術本部 

細 村 弘 義 

富士ゼロックス株式会社MD技術開発部 

立 田 茂 典 

熊谷理機工業株式会社 

(兼事務局) 

大 石 哲 久 

紙パルプ技術協会 

(関係者) 

広 田 勇 蔵 

中越パルプ株式会社 

間 下   彰 

日本加工製紙株式会社 

篠   大太郎 

日本紙業株式会社 

内 田   久 

日本製紙株式会社 

駒 形 幸 夫 

北越製紙株式会社 

相 川   博 

本州製紙株式会社