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M 8705:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 装置······························································································································· 2 

6 試料······························································································································· 2 

7 手順······························································································································· 2 

7.1 水分測定の回数 ············································································································· 2 

7.2 測定 ···························································································································· 3 

8 検証······························································································································· 4 

9 計算及び結果の表示 ·········································································································· 4 

9.0A 一般 ·························································································································· 4 

9.1 測定試料 ······················································································································ 4 

9.2 ロット ························································································································· 4 

10 試験報告書 ···················································································································· 6 

附属書A(規定)粘着性又は過度の水分を含む鉄鉱石の水分決定方法 ············································· 7 

附属書B(規定)散水量及び/又は降水量の補正 ········································································ 8 

附属書C(参考)水分測定の精度 ··························································································· 12 

附属書D(参考)試験報告書の例 ··························································································· 13 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 17 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS M 8705:2013は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

M 8705:2015 

鉄鉱石−ロットの水分決定方法 

Iron ores-Determination of the moisture content of a lot 

序文 

この規格は,2011年に第4版として発行されたISO 3087を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,鉄鉱石のロットの水分を決定する方法について規定する。この方法は,天然の鉄鉱石及び

処理鉄鉱石に適用する。 

注記1 化合水含有鉱物及び硫化鉱物を含んだ鉄鉱石の一部には,105 ℃の乾燥条件下で分解,酸化

などの反応によって質量変化を伴うものが存在するので注意を要する。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3087:2011,Iron ores−Determination of the moisture content of a lot(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS M 8700 鉄鉱石及び還元鉄−用語 

注記 対応国際規格:ISO 11323,Iron ore and direct reduced iron−Vocabulary(IDT) 

JIS M 8702 鉄鉱石−サンプリング及び試料調製方法 

注記 対応国際規格:ISO 3082,Iron ores−Sampling and sample preparation procedures(MOD) 

JIS M 8704 鉄鉱石−ロットの質量及び品質特性値の決定方法 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS M 8700によるほか,次による。 

3.1 

水分用試料(moisture sample) 

ロット又はロットの一部分の水分を測定するために採取した試料。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2 

試験試料(test sample) 

水分用試料として採取した各インクリメント,各小口試料又は大口試料から調製し,そのまま水分測定

に供することができる試料。 

3.3 

測定試料(test portion) 

試験試料を代表し,実際に水分測定に供する部分。試験試料の全量を水分測定に供するときは,この試

験試料を測定試料とも呼ぶ。 

原理 

測定試料を,大気中105 ℃で恒量となるまで乾燥し,試料質量の減量を測定する。質量の減量の最初の

質量に対する質量分率をロットの水分とする。 

装置 

5.1 

乾燥容器 表面が滑らかで,異物の混入がなく,31.5 mm以下の層厚で規定質量の試料を収容でき

るもの。 

5.2 

乾燥機 温度表示器を備え,機内のどの位置でも105±5 ℃以内で温度調節が可能で,試料の損失が

なく,効果的な乾燥ができる空気流で,この温度を維持できるように設計されたもの。また,空気の循環

及び換気ができる送風機を備えていなければならない。 

5.3 

はかり 試料の最初の質量に対し十分な測定能力を備え,精度が0.05 %以内のもの。 

試料 

JIS M 8702に従って採取し,調製した試料を試験試料とする。試料の最大粒度及び対応する測定試料の

質量は,JIS M 8702に従って表1に規定する。水分用試料,試験試料及び測定試料は,気密で吸湿性のな

い容器に入れて保管する。 

表1−測定試料の最小質量 

測定試料の 

最大粒度 

mm 

測定試料の 

最小質量 

kg 

超 

以下 

22.4 

31.5 

10 

10.0 

22.4 

 5 

− 

10.0 

 1 

手順 

7.1 

水分測定の回数 

水分測定は,一つの測定試料について1回行う。測定試料の個数は,試験試料の調製の条件に従って表

2に規定する。全ての測定試料の乾燥前のひょう量は,測定試料の調製後直ちに,かつ,速やかに行わな

ければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−測定試料の個数 

試験試料の調製 

ロット当たりの 

小口試料数 

測定試料の個数 

大口試料 

− 

小口試料ごと 

3〜7 

2以上a) 

8以上 

1以上 

インクリメントごと 

− 

1以上 

注記 測定試料の個数は,該当する試料調製単位での数を示す。 
注a) 追加測定の可能性を考慮し,4個の試料を調製し,2個を保管す

るのが望ましい。 

7.2 

測定 

7.2.1 

一般 

測定は7.2.2によるが,化合水を質量分率8 %以上含有する鉄鉱石に対しては,7.2.3の方法を用いても

よい。 

試料が粘着性をもつか又は過度の水分を含み,ふるい分け・粉砕・縮分が困難な場合には,予備乾燥し

てよいが,その手順は,附属書Aによる。 

7.2.2 

通常方法 

a) 測定試料を質量既知の乾燥容器(5.1)に移して31.5 mmを超えない厚さで広げ,直ちに全質量を量る。

全質量,乾燥容器の質量,測定試料の最初の質量及び測定試料の最初の質量の0.05 %値を記録する。 

b) 測定試料の入った乾燥容器を105 ℃にセットした乾燥機(5.2)に入れて,4時間以上保持する。乾燥

機から測定試料の入った乾燥容器を取り出し,水分の再吸収を最小にするため,取り出し後直ちにひ

ょう量するか,又は気密性のある蓋の付いた容器内で空冷後ひょう量する。いずれの場合も,ひょう

量の方法を記録する。 

c) 再び測定試料の入った乾燥容器を乾燥機に入れて,更に1時間加熱した後,ひょう量する。 

d) 連続する測定値間の差が,測定試料の最初の質量の0.05 %以下になるまでc) の操作を繰り返す。 

注記1 はかりは,熱の影響を受けないよう保護することが望ましい。  

注記2 乾燥時間は,鉱種によって異なる。同じ鉱種について水分測定を行う場合は,あらかじめチ

ェック実験を行い,測定試料の乾燥時間を定めておいてもよい。 

注記3 乾燥時間を短縮するために,試料層厚は,できるだけ低くするのがよい。あらかじめチェッ

ク実験を行い,測定試料の層厚を決めておくとよい。 

注記4 31.5 mm未満の粒度の鉄鉱石で,10 kg以上の測定試料は,便宜的に2分割し,それぞれ水分

測定を行ってもよい。結果を計算する場合には,最初の2個の質量の平均値及び2個の乾燥

減少質量の平均値を用いるとよい。 

7.2.3 

高化合水含有鉄鉱石に対する方法 

化合水を質量分率8 %以上含有する鉄鉱石に対しては,次の方法を採用してよい。 

a) 測定試料を質量既知の乾燥容器(5.1)に移して31.5 mmを超えない厚さで広げ,直ちに全質量を量る。 

b) 測定試料の入った乾燥容器を105 ℃にセットした乾燥機(5.2)に入れて,24時間以上保持する。乾

燥機から測定試料の入った乾燥容器を取り出し,水分の再吸収を最小にするため,熱いうちに直ちに

ひょう量するか,又は気密性のある蓋の付いた容器内で空冷後ひょう量する。いずれの場合も,ひょ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

う量の方法を記録する。 

注記 7.2.2と同じ注記を7.2.3にも適用する。 

検証 

装置及び手順を定期的に検査することは,正確な測定結果を得るのに重要である。検証は,装置設置時

に,その後は定期的に行わなければならない。その頻度は,各試験所が決める。次の項目について,検証

作業の詳細な記録を残しておかなければならない。 

a) 散水量の測定 

− 流量計 

b) 降水量の測定 

− 雨量計 

c) 水分測定 

− 乾燥機温度・温度制御 

− 乾燥機内での空気の循環及び換気 

− はかり 

計算及び結果の表示 

9.0A 一般 

計算及び結果の表示は,次による。 

なお,数値の丸め方は,JIS M 8704による。 

9.1 

測定試料 

各測定試料の質量分率(%)で表した水分(w)は,式(1)によって計算し,小数第3位まで算出する。 

100

1

2

1

×

m

m

m

w=

 ······································································· (1) 

ここに, 

m1: 測定試料の最初の質量(g) 

m2: 乾燥後の測定試料の質量(g) 

9.2 

ロット 

ロットの水分は,次の式(2)〜式(5)のいずれかの式によって小数第3位まで算出し,これを丸めて小数第

2位で表す。 

荷役中に,散水及び/又は降雨があった場合は,附属書Bによってロットの水分を補正する。 

9.2.1 

大口試料について水分測定を行った場合,ロットの水分は,次の方法で求める。 

a) 4個の測定結果の範囲が表3に示す許容差を超えない場合は,式(2)によって算出した4個の結果の算

術平均値(w)をロットの質量分率(%)で表した水分とする。 

4

4

3

2

1

w

w

w

w

w

+

+

+

·································································· (2) 

ここに, 

w1〜w4: 4個の測定試料のそれぞれの水分測定値[質量分率(%)] 

b) 4個の測定結果の範囲が表3に示す許容差を超える場合には,ロットの水分として中央値をとる。4

個の測定結果の中央値は,中央の二つの測定結果の平均値とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3−測定試料の水分測定の許容差 

単位 質量分率(%) 

平均水分値 

許容差(n=2) 

r a) 

許容差(n=4) 

1.3 r 

  w≦3 

0.20 

0.26 

3<w≦6 

0.25 

0.33 

6<w 

0.31 

0.40 

注a) 水分測定の精度及び許容差の算出根拠を附属書Cに示す。 

9.2.2 

小口試料ごとに水分測定を行った場合,ロットの水分は,次のa) 又はb) のいずれかで求める。 

a) 質量基準で試料採取を行い,小口試料ごとに水分測定を行った場合,式(3)によって各小口試料のイン

クリメント個数を考慮した,全小口試料の水分測定値の重みつき平均値(w)を求め,ロットの質量

分率(%)で表した水分とする。 

i

k

i

i

i

k

i

N

w

N

w

1

1

Σ

Σ

 ············································································· (3) 

ここに, 

k: 小口試料の個数 

Ni: i番目の小口試料のインクリメント個数 

wi: 表2に定めた個数の測定試料から計算したi番目の小口試料

の水分測定値[質量分率(%)] 

1) 測定試料が2個の場合のwi 

1.1) 測定結果の範囲が表3に示す許容差以内の場合は,2個の平均をとる。 

1.2) 測定結果の範囲が表3に示す許容差を超える場合は,新たに2個の測定試料について水分測定を

行い,測定結果の範囲が許容差内の場合は,2個の平均をとる。その2個の測定値が許容差を超え

る場合は,最初の2個の測定試料との合計4個の中央値をとる[9.2.1 b) 参照]。 

2) 測定試料が4個の場合のwi 

9.2.1と同様の手順に従う。 

b) 時間基準サンプリングのように,ロットを等しくない質量の小口試料に分けてサンプリングする場合

は,各小口試料の水分を個々に測定し,式(4)によってロットの質量分率(%)で表した重みつき平均

値(w)を算出する。 

i

k

i

i

i

k

i

m

w

m

w

1

1

Σ

Σ

 ············································································· (4) 

ここに, 

k: 小口試料の個数 

mi: i番目の小口試料の質量1) 

wi: 表2で定めた個数の測定試料から計算したi番目の小口試料

の水分測定値[質量分率(%)]9.2.2 a) 1) 及び2) 参照。 

注1) i番目の小口試料が代表するロットの質量(t,小数点以下を丸めて整数表示)を用いてもよい。 

9.2.3 

質量基準で試料採取を行い,インクリメントごとに水分測定を行った場合,9.1で求めた全てのイ

ンクリメントの値から,式(5)によって算出した算術平均値(w)を,ロットの質量分率(%)で表した水

分とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

n

w

w

i

n

i1

=Σ

 ················································································ (5) 

ここに, 

n: インクリメントの個数 

wi: i番目のインクリメントの水分測定値[質量分率(%)] 

注記 時間基準で試料採取を行い,インクリメントごとに水分測定を行った場合は,インクリメント

質量による重みつき平均値をロットの水分としている。 

10 試験報告書 

試験報告書は,次の事項を含む。報告書の例を附属書Dに示す。 

a) 適用した規格番号(JIS M 8705) 

b) ロット識別のための記載(例えば,銘柄,入船日付,質量,船名など) 

c) 試験結果 

d) 結果の参照番号 

e) 測定中に認められた事項及び結果に影響を及ぼしたと思われる,規格に規定していない操作など 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

粘着性又は過度の水分を含む鉄鉱石の水分決定方法 

序文 

試料が粘着性をもつか又は過度の水分を含み,ふるい分け・粉砕・縮分が困難な場合には,試料調製が

支障なくできるまで予備乾燥してもよい。 

この場合,ロットの水分は,A.1〜A.8に規定する予備乾燥方法によって決定する。予備乾燥水分の測定

精度を確保するために,試料の取扱い及び予備乾燥前後の試料質量の測定には十分注意しなければならな

い。 

A.1 試験試料の最初の質量を量る。 

A.2 試験試料を均一の層厚に広げ,試験室の雰囲気又は105 ℃以下の温度の乾燥機の中で乾燥する。予

備乾燥の温度及び時間は,その後の工程で水分の再吸収が起きないよう設定する。 

A.3 予備乾燥後,再び試験試料の質量を量る。 

A.4 式(A.1)によって,試験試料の質量分率(%)で表す予備乾燥水分(wp)を求める。 

100

'

'

'

1

2

1

p

×

m

m

m

w=

 ··································································· (A.1) 

ここに, 

m'1: 試験試料の予備乾燥前質量(g) 

m'2: 試験試料の予備乾燥後質量(g) 

A.5 箇条6によって,予備乾燥した試料から水分測定のための測定試料を調製する。 

A.6 箇条7によって,測定試料の乾燥減量を測定し,9.1によって,質量分率(%)で表す追加の水分を

求める。 

A.7 式(A.2)によって,質量分率(%)で表す試験試料の全水分(到着基準)(wpd)の値を算出する。 

d

p

p

pd

100

100

w

w

w

w

×

+

 ····························································· (A.2) 

ここに, 

wd: 予備乾燥後に9.1によって求めた追加水分値[質量分率(%)] 

A.8 9.2によって,ロットの質量分率(%)で表す水分を決定する。 

A.9 水分用試料の質量が大きくない場合は,この規格の本体に規定する方法に従って水分を測定するた

めに,その試料全量を乾燥してもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

散水量及び/又は降水量の補正 

序文 

現在,多くの国において鉄鉱石産業及び鉄鋼産業は,厳しい環境規制が課せられている。鉄鉱石の荷役

過程で発じん(塵)を防止するための散水を行う場合,ロットの水分は,この附属書に規定する手順に従

って散水質量を補正しなければならない。また,この附属書は,降水があったロットの水分の補正方法に

ついても規定する。 

B.1 

一般 

B.1.1 散水は,次の場合に行う。 

a) 荷役港で環境規制がある場合。 

b) 鉄鉱石の性質,気象状況,荷役設備などによって荷役作業が困難な場合。 

B.1.2 降水量補正は,降水によってロットの水分に著しい影響がある場合に行う。 

B.1.3 数値の丸め方は,JIS M 8704による。 

B.2 

散水量補正 

B.2.1 一般 

揚げ荷役での散水とは,船倉内及び/又は水分用試料を採取する箇所までの荷役途中に行った散水をい

う。積み荷役での散水とは,船倉内及び/又は水分用試料を採取した後の積載コンベヤに行った散水をい

う。 

散水量補正には,揚げ荷役での試料採取前散水量の補正及び積み荷役での試料採取後散水量の補正の2

法がある。 

B.2.2 散水量の計量 

散水量は,±5 %の精度の流量計を用いて計量する。散水量は,使用した水の密度を乗じて質量(m3)(t,

小数点以下を丸めて整数表示)に換算する。 

注記 淡水の密度は,1 t/m3とする。 

B.2.3 ロットの質量 

散水及び降水を含まない揚げ港でのロットの湿鉱質量(m4),又は散水及び降水を含む積み港でのロッ

トの湿鉱質量(m5)は,喫水検量又は国際的に認められた方法によって求める(t,小数点以下を丸めて整

数表示)。 

注記 B.2.4,B.2.5,B.3.6,B.3.7,B.4及びB.5の規定は,ロットの質量を喫水検量で求める場合の計

算方法である。 

B.2.4 水分用試料を採取する前の,揚げ荷役中の散水量を補正した水分の計算 

散水を補正したロットの質量分率(%)で表す水分(ws)は,式(B.1)によって小数第3位まで算出し,

これを丸めて小数第2位で表す。 

f

m

m

w

w

w

×

4

3

s

)

100

(

 ··························································· (B.1) 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

w: 散水したロットの平均水分値[質量分率(%)]小数第3位

まで算出する。 

m3: 散水質量(t) 

m4: B.2.3で求めた散水しない到着時のロットの質量(t) 

f: 散水中に失われた水の補正係数。揚地では0.85とする。た

だし,これ以外の値を受渡当事者間の協定によって決めてよ
い。 

注記 最適なfの値を設定するには,次の事項を考慮するのがよい。 

1) 大気条件(湿度,気温,風の影響,降雨) 

2) 鉄鉱石の種類・特性(サイズ,鉱物特性,気孔率,組織,水分) 

3) 散水設備の配置 

4) 散水中の化学試薬の有無 

B.2.5 水分用試料を採取した後の,積み荷役中の散水量を補正した水分の計算 

散水を補正するロットの質量分率(%)で表す水分(ws)は,式(B.2)によって求め,小数第1位で表す。 

f

m

m

w

w

w

×

+

5

3

s

)

100

(

 ··························································· (B.2) 

ここに, 

w: 散水前ロットの平均水分値[質量分率(%)]小数第2位ま

で算出する。 

m3: 散水質量(t) 

m5: B.2.3で求めた散水を含む出港時のロットの質量(t) 

f: 散水中に失われた水の補正係数 

B.3 

降水量補正 

B.3.1 一般 

鉄鉱石の荷役期間中の船倉及び/又は荷役設備への降水の流入を考慮して,試験時の水分からロットの

水分を決定する。 

降水量補正には,揚げ荷役での試料採取前降水量の補正及び積み荷役での試料採取後降水量の補正の2

法がある。 

B.3.2 降水有効面積 

降雨にさらされる有効面積は,a)〜c) に規定する面積を加算し整数値(m2)に丸める。 

a) 船倉 

ロットが降水にさらされる船倉の開口面積(m2)は,本船に備付けの図面を基礎として計算する。 

b) サージホッパ 

ロットの荷役時に使用するホッパの開口の,降水にさらされる面積(m2)は,ホッパの図面を基礎とし

て計算する。 

c) ベルトコンベヤ 

ベルトコンベヤの開放部の面積(m2)は,ロットの荷役中に降水にさらされる,本船から水分試料採取

箇所までの長さに,ベルトの有効幅を乗じて計算する。ベルトの有効幅は,“ベルト幅×0.9”とする。 

B.3.3 降水期間 

降水期間は,ハッチを開けたときから荷役を終了したときまでとする。ただし,ロットの複数港荷揚げ

の場合で,荷役の終了から喫水検量までの間,及び/又は喫水検量以降に降雨の影響を受けたときは,前

者は当該港での,後者は次の港での降水量の補正対象とする。 

10 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.3.4 降水量 

降水量は,荷役場所の近くに設置された,適正な雨量計によって測定する。降水量は,mm単位で測定

する。ただし,荷役場所の近くに雨量計が設置されていない場合は,最寄りの測候所の測定結果を用いて

よい。 

B.3.5 降水質量 

降水質量(mR)は,単位はtで表し,式(B.3)で算出し,小数点以下を丸めて整数で表す。 

000

1

R

ρ

AR

m=

 ············································································ (B.3) 

ここに, 

A: B.3.2で求めた降水有効面積(m2) 

R: B.3.4で求めた降水量(mm) 

ρ: 降水の密度(t/m3),通常ρ=1 t/m3 

B.3.6 水分用試料を採取する前の,揚げ荷役中の降水量を補正した水分の計算 

ロットが,水分用試料を採取する前に,荷役中に部分的に又は全体にわたり降水にさらされた場合,ロ

ットの質量分率(%)で表す水分(wR)は,式(B.4)によって小数第3位まで算出し,これを丸めて小数第

2位で表す。 

4

R

R

)

100

(

m

m

w

w

w

······························································· (B.4) 

ここに, 

w: 降水にさらされた試料の平均水分値[質量分率(%)]小数

第3位まで算出する。 

mR: 降水質量(t) 

m4: B.2.3で求めた降水に関係のない到着時のロットの質量(t) 

B.3.7 水分用試料を採取した後の,積み荷役中の降水量を補正した水分の計算 

ロットが,水分用試料を採取した後に,荷役中に部分的に又は全体にわたり降水にさらされた場合,ロ

ットの質量分率(%)で表す水分(wR)は,式(B.5)によって求め,小数第1位で表す。 

5

R

R

)

100

(

m

m

w

w

w

+

······························································· (B.5) 

ここに, 

w: 降水にさらされる前の試料の平均水分値[質量分率(%)]

小数第2位まで算出する。 

mR: 降水質量(t) 

m5: B.2.3で求めた降水を含む出港時のロットの質量(t) 

B.4 

水分用試料を採取する前の,揚げ荷役中の散水量及び降水量を補正した水分の計算 

水分用試料を採取する前に散水及び降水が同時に生じた場合のロットの,質量分率(%)で表す補正水

分(w0)は,式(B.6)によって小数第3位まで算出し,これを丸めて小数第2位で報告する。 

4

R

3

0

)

(

)

100

(

m

m

f

m

w

w

w

+

×

 ··················································· (B.6) 

ここに, f,m3,m4,mR及びw: 式(B.1)及び式(B.3)の定義による。 

B.5 

水分用試料を採取した後の,積み荷役中の散水量及び降水量を補正した水分の計算 

水分用試料を採取した後に散水と降水が同時に生じた場合のロットの,質量分率(%)で表す補正水分

(w0)は,式(B.7)によって求め,小数第1位で報告する。 

11 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5

R

3

0

)

(

)

100

(

m

m

f

m

w

w

w

+

×

+

 ··················································· (B.7) 

ここに, f,m3,m5,mR及びw: 式(B.2)及び式(B.3)の定義による。 

background image

12 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

水分測定の精度 

この規格では,水分測定の精度は表C.1に示す精度をもつことを前提としている。 

一つの試験試料から二つの測定試料を調製し,同一試験所で水分測定を行った場合,二つの測定値の差

は,通常,表3に示す併行許容差r以内であり,そのrは

PM

2βで計算される。 

表C.1−水分測定の精度 

単位 質量分率(%) 

平均水分w 

精度(βPM) 

w≦3 

±0.14 

3<w≦6 

±0.18 

6<w 

±0.22 

background image

13 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D 
(参考) 

試験報告書の例 

四つの試験報告書の例を,表D.1〜表D.4に示す。表D.1は,測定試料の水分測定の試験報告書の例で

ある。表D.2は,主に質量基準サンプリングによって得られた小口試料からロットの水分計算用の試験報

告書に用い,表D.3は,時間基準サンプリングの場合の試験報告書に用いる。表D.4は,大口試料から採

った4個の測定試料についてロットの水分測定を行った場合の試験報告書の例である。 

注記 表D.1〜表D.4中の数値は,9.1及び9.2の計算の桁数を基準としているので,ISO 3087の数値

とは若干異なる。 

表D.1−測定試料の水分測定の試験報告書(一例) 

鉄鉱石の銘柄: 

ロットの名称及び質量: 

試料番号: 

測定試料の最小質量: 

5 kg 

測定試料の最大粒度: 

22.4 mm 

日付: 

乾燥前の全質量(g) 

(1)  

6 015 

乾燥容器の質量(g) 

(2)  

950 

測定試料の乾燥前質量(g) 

(3)=(1)−(2)  

5 065 

測定試料の乾燥前質量の0.05 %値(g) 

(4)=

000

2

)3(

2.5 

質量 

差a) 

4時間乾燥後の全質量(g) 

(5) 

5 805 

追加1時間乾燥後の全質量(g) 

(6) 

5 795 

(5)−(6)=10 

再追加1時間乾燥後の全質量(g) 

(7) 

5 793 

(6)−(7)= 2 

最終の乾燥減量(g) 

(8)=(1)−(7) 

222 

水分測定値(w)質量分率(%) 

(9)=

)3(

)8(×100 

4.383 

特記事項: 

ひょう量の方法(7.2参照) 

測定者氏名: 
注a) (5)−(6)の差が10 gで(4)の値を超えるため,更に,1時間乾燥を行った。 
 

(6)−(7)の差は2 gで(4)の値以下である。したがって,この測定試料の乾燥を終了した。 

background image

14 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.2−小口試料からロットの水分を決定する記録及び計算の手順(一例) 

(質量基準サンプリング) 

参照番号: 

適用規格:JIS M 8705 

ひょう量の方法(7.2参照) 

試料番号: 

測定試料の最小質量:5 kg 

測定試料の最大粒度:22.4 mm 

日付: 

鉄鉱石の銘柄: 

ロット名: 

測定者氏名: 

小口試料

番号 

(1) 

インクリ
メント数 

(2) 

乾燥前全

質量 

(3) 

乾燥後全

質量 

(4) 

乾燥容器

の質量 

(5)=(2)−(4) 

測定試料の 
乾燥前質量 

(6)=(3)−(4) 

測定試料の 
乾燥後質量 

(7)=(5)−(6) 

乾燥減量 

100

)5(

)

7

(

)

8(

×

=

水分測定値wi 

(9)=(1)×(8) 

(g) 

(g) 

(g) 

(g) 

(g) 

(g) 

質量分率(%) 

6 015 

5 793 

950 

5 065 

4 843 

222 

4.383 

21.915 

6 110 

5 895 

953 

5 157 

4 942 

215 

4.169 

20.845 

5 970 

5 755 

946 

5 024 

4 809 

215 

4.279 

21.395 

6 280 

6 060 

955 

5 325 

5 105 

220 

4.131 

24.786 

5 970 

5 750 

948 

5 022 

4 802 

220 

4.380 

26.280 

6 021 

5 804 

951 

5 070 

4 853 

217 

4.280 

21.400 

6 123 

5 905 

953 

5 170 

4 952 

218 

4.216 

21.080 

6 378 

6 154 

949 

5 429 

5 205 

224 

4.125 

24.750 

計 

43 

182.451 

ロットの水分w 質量分率(%)

24

.4

243

.4

43451

.

182

)1(

)9(

=

=

=∑∑

備考: 
 
 
 
 
 

background image

15 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.3−小口試料からロットの水分を決定する記録及び計算の手順(一例) 

(時間基準サンプリング) 

参照番号: 

適用規格:JIS M 8705 

ひょう量の方法(7.2参照) 

試料番号: 

測定試料の最小質量:5 kg 

測定試料の最大粒度:22.4 mm 

日付: 

鉄鉱石の銘柄: 

ロット名: 

測定者氏名: 

小口試料

番号 

(1) 

i番目の

部分の 

質量 

(2) 

乾燥前全

質量 

(3) 

乾燥後全

質量 

(4) 

乾燥容器

の質量 

(5)=(2)−(4) 

測定試料の 
乾燥前質量 

(6)=(3)−(4) 

測定試料の 
乾燥後質量 

(7)=(5)−(6) 

乾燥減量 

100

)5(

)

7

(

)

8(

×

=

水分測定値wi 

(9)=(1)×(8) 

(t) 

(g) 

(g) 

(g) 

(g) 

(g) 

(g) 

質量分率(%) 

1 520 

6 105 

5 873 

951 

5 154 

4 922 

232 

4.501 

6 841 

1 710 

6 007 

5 785 

950 

5 057 

4 835 

222 

4.389 

7 505 

1 565 

6 130 

5 906 

953 

5 177 

4 953 

224 

4.326 

6 770 

1 478 

5 983 

5 760 

949 

5 034 

4 811 

223 

4.429 

6 546 

1 330 

6 042 

5 807 

952 

5 090 

4 855 

235 

4.616 

6 139 

1 623 

6 112 

5 916 

948 

5 164 

4 968 

196 

3.795 

6 159 

1 587 

5 980 

5 760 

952 

5 028 

4 808 

220 

4.375 

6 943 

1 431 

6 210 

6 003 

950 

5 260 

5 053 

207 

3.935 

5 630 

計 

12 244 

52 533 

ロットの水分w 質量分率(%)

29

.4

290

.4

244

12

533

52

)1(

)9(

=

=

=∑∑

備考: 
 
 
 
 
 

background image

16 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表D.4−大口試料から採った4個の測定試料でロットの水分を決定する試験報告書(一例) 

鉄鉱石の銘柄: 

ロットの名称及び質量: 

試料番号: 

測定試料の最小質量:5 kg 

測定試料の最大粒度:22.4 mm 

日付: 

乾燥前の全質量(g) 

    (1)  

 6 004 

6 015 

 5 970 

 5 988 

乾燥容器の質量(g) 

    (2)  

957 

950 

946 

948 

測定試料の乾燥前質量 (3)=(1)−(2)  

 5 047 

5 065 

 5 024 

 5 040 

測定試料の乾燥前質量
の0.05 %値(g) 

(4)=

000

2

)3(

  

2.5 

2.5 

2.5 

2.5 

 質量 

差 

質量 

差 

質量 

差 

質量 

差 

4時間乾燥後の全質量(g) 

(5) 

5 800 

5 805 

5 768 

5 791 

(5)−(6) 

(5)−(6) 

(5)−(6) 

(5)−(6) 

追加1時間乾燥後の全質量(g) 

(6) 

5 793 

5 795 

10 

5 757 

11 

5 779 

12 

(6)−(7) 

(6)−(7) 

(6)−(7) 

(6)−(7) 

再追加1時間乾燥後の全質量(g) (7) 

5 792 

5 793 

5 755 

5 777 

最終の乾燥減量(g) 

(8)=(1)−(7) 

212 

222 

215 

211 

各測定試料の水分 質量分率(%) 

(9)=

)3(

)8(×100 

4.200 

4.383 

4.279 

4.186 

範囲(%) 

0.197 

許容差(表3) 

0.33 

ロットの水分 質量分率(%) 

26

.4

262

.4

4

186

.4

279

.4

383

.4

200

.4

=

+

+

+

備考: 
 
 

ひょう量の方法(7.2参照) 

測定者氏名: 
 
 

background image

17 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS M 8705:2015 鉄鉱石−ロットの水分決定方法 

ISO 3087:2011,Iron ores−Determination of the moisture content of a lot 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

一致 

− 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

追加 

水分用試料,試験試料及び測定
試料の区分概念は,この規格を
理解するうえで重要である。こ
れらは,用語の定義(ISO 
11323)に記載されているが,
水分測定に則した表現で定義
した。 

用語であるため,実質的な差異は
ない。 

4 原理 

一致 

− 

5 装置 

一致 

− 

6 試料 

試料の保管方法の
追加 

追加 

JIS M 8702では,“JIS M 8705
の規定に従い,気密で吸湿性の
ない容器に入れて保管する。”
と規定している。試料の保管方
法について規定し,規格間の整
合を図った。 

JIS M 8702に対応するISO 3082
も同様で,ISOに改正提案を行う。 

2

M

 8

7

0

5

2

0

1

5

background image

18 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7 手順 

7.1 水分測定の回数  

7.1 

追加 

測定試料が2個の場合の試料
保管について,追加測定が必要
な場合を考慮し,推奨法を示し
た。 

技術的問題はないので現状のま
まとする。 

8 検証 

検証 

一致 

− 

9 計算及
び結果の
表示 

9.0A 一般 

− 

− 

追加 

JISでは数値の丸め方について
JIS M 8704に従うと明記した。 

技術的問題はないので現状のま
まとする。 

9.1 測定試料 

9.1 

変更 

測定試料の水分値表示は,ISO
規格では小数第2位。JISでは
小数第3位とした。 

ロットの大型化を考慮し,水分量
の精度を上げるため,ISO規格よ
り1桁下まで算出。改正提案を行
う。 

9.2 ロット 

9.2 

変更 

ロットの報告水分値は,ISO規
格では小数第1位。JISでは小
数第3位まで算出して,これを
丸めて小数第2位とした。 

同上 

9.2.2 小口試料ごと
の水分測定 

9.2.2 

変更 

ISO規格では,測定試料が2
個の場合の許容差による判定
基準がなく追加した。 

規定が必要。ISOに改正提案を行
う。 

9.2.2 b) ロットの質
量表示 

9.2.2 b) 

変更 

ロットの質量表示について
ISO規格は特に規定していな
いが,JISでは小数点以下を丸
めて整数とより明確化した。 

技術的問題はないので現状のま
まとする。 

9.2.3 インクリメン
トごとに水分測定
をした場合の結果
表示 

9.2.3 

変更 

インクリメントごとの水分測
定において,時間基準サンプリ
ングの場合が抜けているので
追加した。 

規定が必要。ISOに改正提案を行
う。 

10 試験報
告書 

b) ロット識別のた
めの記載 

10 b) 

追加 

試験報告書において,ロット識
別の記載例を追加した。 

JISでは,実態に合わせて追加。
単なる例示であり,現状のままと
する。 

2

M

 8

7

0

5

2

0

1

5

background image

19 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書A 
粘着性又
は過度の
水分を含
む鉄鉱石
の水分決
定方法 

一致 

− 

附属書B 
散水量及
び/又は
降水量の
補正 

B.1.3 一般 

B.1.3 

追加 

箇条9に対応して,附属書でも
数値の丸め方について明記し
た。 

技術的問題はないので現状のま
まとする。 

B.2.2 散水量の計算 
B.2.3 ロットの質量 

B.2.2 
B.2.3 

追加 

散水量,ロットの質量表示につ
いて,ISO規格は特に規定して
いないが,JISでは小数点以下
を丸めて整数で表示とし,より
明確化した。 

技術的問題はないので現状のま
まとする。 

B.2.4 水分用試料採
取前の揚げ荷役中
の散水量補正 

B.2.4 

追加 

散水補正係数fの値を具体的に
規定した。 

規格使用者が決定する事項で過
去の共同実験値に基づいた値を
採用。受渡当事者間の協定事項も
残しているので問題ない。 

B.2.4 
B.3.6 水分用試料採
取前の揚げ荷役中
の降水量補正 
B.4 水分用試料採
取前の揚げ荷役中
の散水量及び降水
量補正 

B.2.4 
B.3.6 
B.4 

変更 

報告水分値は,ISO規格では小
数第1位で表示。JISでは,小
数第3位まで算出し,これを丸
めて小数第2位で表すとした。
ただし,積地での水分値表示

(B.2.5,B.3.7,B.5)はISO規

格どおり小数第1位とする。 

ロットの大型化を考慮し,水分量
の精度を上げるため,ISO規格よ
り1桁下まで算出。 
ISOに改正提案を行うが,その場
合は,積地及び揚地とも小数第2
位を提案する。 

B.3.2 降水有効面積 

B.3.2 

追加 

ベルトの有効幅の定義を明確
にした。 

規格使用者が決定する事項で,日
本で一般的に採用されている定
義を採用。 

2

M

 8

7

0

5

2

0

1

5

background image

20 

M 8705:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書B 
(続き) 

B.3.3 降水期間 

B.3.3 

追加 

降水期間の取扱いに関し,ロッ
トを複数港揚げをする際の降
水量補正法を追加した。 

揚地での事項のため,JISだけの
対象と考える。ISO規格の改正提
案はしない。 

B.3.4 降水量 

B.3.4 

追加 

雨量計が設置されていない場
合に,最寄りの測候所の測定値
の採用を認めた。 

雨量計のトラブル対応も含めて
追加したもの。非鉄部門でも採用
されているケースがあり問題は
ない。 

附属書C 
(参考) 

附属書D 
(参考) 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3087:2011,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

M

 8

7

0

5

2

0

1

5