M 8221-1:2018
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目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 一般事項························································································································· 1
4 要旨······························································································································· 2
5 試薬······························································································································· 2
6 試料のはかりとり ············································································································· 3
7 操作······························································································································· 3
7.1 試料の分解及び不溶解残さの処理······················································································ 3
7.2 水酸化物分離 ················································································································ 4
7.3 マンガンの分離 ············································································································· 4
7.4 しゅう酸カルシウム沈殿の生成 ························································································ 5
7.5 滴定 ···························································································································· 5
8 空試験···························································································································· 5
9 計算······························································································································· 6
10 許容差 ·························································································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工
業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS M 8221:1997は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS M 8221の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS M 8221-1 第1部:共存元素分離しゅう酸カルシウム沈殿分離過マンガン酸カリウム滴定法
JIS M 8221-2 第2部:共存元素分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法
JIS M 8221-3 第3部:原子吸光分析法
日本工業規格 JIS
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鉄鉱石−カルシウム定量方法−
第1部:共存元素分離しゅう酸カルシウム沈殿分離
過マンガン酸カリウム滴定法
Iron ores-Determination of calcium-
Part 1: Potassium permanganate titrimetric determination after separation of
co-existed elements and precipitated calcium oxalate
1
適用範囲
この規格は,鉄鉱石中のカルシウム定量方法のうち,共存元素分離しゅう酸カルシウム沈殿分離過マン
ガン酸カリウム滴定法について規定する。
この方法は,鉄鉱石中のカルシウム含有率(質量分率)0.1 %以上10 %以下の定量に適用する。
注記 JIS M 8221の規格群の定量範囲を表1に示す。
表1−JIS M 8221規格群の定量範囲
規格番号
定量範囲[質量分率(%)]
JIS M 8221-1
0.1 以上 10 以下
JIS M 8221-2
0.1 以上 10 以下
JIS M 8221-3
0.010 以上 8.00以下
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS M 8202 鉄鉱石−分析方法通則
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的
な使い方
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一般事項
定量方法に共通な一般事項は,JIS M 8202による。
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要旨
試料を塩酸,硝酸及び過塩素酸で分解した後,ろ過する。ろ液中の鉄を4-メチル-2-ペンタノンを用いて
抽出して除去する。残さは,ふっ化水素酸で処理した後,二硫酸ナトリウムで融解し,鉄を抽出分離した
溶液に融成物を合わせる。得た溶液に塩化アンモニウムを加えてアンモニア水で中和し,鉄,アルミニウ
ム,チタンなどを沈殿させてろ過する。さらに,ペルオキソ二硫酸アンモニウム及びアンモニア水でマン
ガンを沈殿させてろ過する。次に,しゅう酸アンモニウムでカルシウムをしゅう酸カルシウムとして沈殿
させ,こし分ける。この沈殿を硫酸で分解し,遊離したしゅう酸を過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。
5
試薬
試薬は,次による。
5.1
塩酸
5.2
塩酸(10+6,1+1,1+2,2+100)
5.3
硝酸
5.4
過塩素酸
5.5
ふっ化水素酸
5.6
硫酸(1+1,1+3)
5.7
アンモニア水
5.8
アンモニア水(1+1)
5.9
過酸化水素(1+9)
5.10 鉄 純度の高い鉄で,カルシウム含有率(質量分率)が,0.001 %以下のもの。
5.11 塩化アンモニウム
5.12 塩化アンモニウム溶液
塩化アンモニウム10 gをはかりとってビーカー(1 000 mL)に移し入れ,水500 mLを加えてかき混ぜ
溶解し,弱アルカリ性となるまでアンモニア水を滴加する。
5.13 ペルオキソ二硫酸アンモニウム
5.14 硫酸マンガン(II)溶液
硫酸マンガン(II)五水和物80 gを水1 Lに溶解して硫酸マンガン(II)溶液とする。
5.15 二硫酸ナトリウム(Na2S2O7)
5.16 しゅう酸アンモニウム溶液
しゅう酸アンモニウム一水和物50 gを水1 Lに溶解してしゅう酸アンモニウム溶液とする。
5.17 4-メチル-2-ペンタノン
5.18 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:3.161 g/L)
調製,保存,標定及びファクターの計算は,JIS K 8001のJA.6.4 g)(0.02 mol/L過マンガン酸カリウム
溶液)による。
5.19 0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:1.054 g/L)
過マンガン酸カリウム1.1 gをビーカー(2 000 mL)にはかりとり,水1 050 mLを加えて,1時間から2
時間隠やかに加熱した後,約18時間暗所に放置する。その液をJIS R 3503に規定するブフナー漏斗形ガ
ラスろ過器(17G4又は25G4)を用いてろ過する。この場合,ブフナー漏斗形ガラスろ過器は,ろ過の前
後に水洗いはしない。ろ過した過マンガン酸カリウム溶液は,熱水などで洗浄し乾燥した褐色の気密容器
又は遮光した気密容器に保存する。
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この溶液のファクターは,次によって求める。
容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウム(JIS K 8005)の必要量を試験成績書又は添付文書に定める
方法で,乾燥する。乾燥したしゅう酸ナトリウム0.07 g〜0.08 gを0.1 mgの桁まで正確にはかりとり,以
下,JIS K 8001のJA.6.4 g) 2)(標定)のコニカルビーカー500 mLなどに移す以降に準じて操作し,滴定
に要した0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の使用量から次の式によって算出する。
(
)100
23
002
.0
2
1
1
×
−
×
×
=
V
V
B
G
F
ここに,
F1: 0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液のファクター
G: はかりとったしゅう酸ナトリウムの質量(g)
B: しゅう酸ナトリウムの純度[質量分率(%)]
V1: しゅう酸ナトリウム溶液の滴定における0.006 67 mol/L
過マンガン酸カリウム溶液の使用量(mL)
V2: 空試験溶液の滴定における0.006 67 mol/L過マンガン酸
カリウム溶液の使用量(mL)
0.002 23: 0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当す
るしゅう酸ナトリウムの質量を示す換算係数(g/mL);
0.006 67/1 000×134.00×2.5で求められる。
5.20 0.017 mol/Lカルシウム溶液
あらかじめ105 ℃で約2時間乾燥した後,デシケーター中で常温まで放冷した炭酸カルシウム1.668 2 g
をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+3)100 mLを加える。完全に
溶解させて常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を1 000 mLの全量フ
ラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめて0.017 mol/Lカルシウム溶液とする。
5.21 メチルレッド溶液
調製方法は,JIS K 8001の表JA.6[指示薬(中和滴定用)の調製]による。
6
試料のはかりとり
試料はかりとり量は,1.0 gとする。
7
操作
7.1
試料の分解及び不溶解残さの処理
試料の分解及び不溶解残さの処理は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(5.1)30 mLを加えて初め
は熱板周辺の低温部(60 ℃〜100 ℃)にビーカーを置き,約1時間保持した後,更に熱板の高温部に
移して約10分間沸騰直前まで加熱して分解する。次に,硝酸(5.3)5 mL及び過塩素酸(5.4)10 mL
を加え,引き続き加熱蒸発し,ビーカー内部に白煙が発生し始め,更に内部が透明となり,過塩素酸
の蒸気がビーカーの内壁を伝わって還流する状態で約10分間加熱する。放冷した後,これに塩酸(1
+1)30 mLを加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。温水約30 mLを加えて振り混ぜた後,時計皿
の下面を温水で洗って時計皿を取り除き,ろ紙(5種B)を用いて不溶解残さをろ過する。ビーカー
内壁をポリスマンを用いてこすり,付着物をできるだけ少量の温塩酸(2+100)を用いてろ紙上に移
す。ろ紙は,温塩酸(2+100)でろ紙に塩化鉄(III)の黄色が認められなくなるまで洗浄し,次に温
水で3,4回洗浄する。不溶解残さは,ろ紙とともに白金るつぼ(30 mL)に移し入れ,保存する。ろ
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液及び洗液はビーカー(300 mL)に受ける。
b) ろ液及び洗液を加熱して過塩素酸の白煙が発生し始めるまで濃縮した後,放冷する。塩酸(10+6)20
mLを加えて可溶性塩類を溶解し,20 mL程度の塩酸(10+6)を用いて分液漏斗(200 mL)に移し入
れる。さらに,ビーカー内壁を,塩酸(10+6)を用いて洗浄し,分液漏斗に移す。これに試料溶液量
より少過剰の4-メチル-2-ペンタノン(5.17)を加え,約1分間振り混ぜ,静置して二層に分離した後,
下層の水相を元のビーカーに移し入れる。有機相に塩酸(10+6)5 mLを加え,約30秒間振り混ぜ,
静置して二層に分離した後,下層の水相を元のビーカーに加え,上層の有機相は捨てる。元のビーカ
ー上部を,適正な開放部を作るように時計皿で覆い,溶液を加熱して約5分間煮沸し,大部分の有機
溶媒を揮散させた後,硝酸5 mL及び過塩素酸10 mLを加え,再び時計皿で覆って引き続き加熱する。
濃厚な白煙が発生するまで加熱蒸発する。放冷した後,温水約50 mLを加えて塩類を溶解し,数分間
煮沸する。熱源から降ろし,主液として保存する。
c) a)で保存した不溶解残さを乾燥した後,ろ紙を強熱し,灰化する。放冷した後,強熱残さを硫酸(1
+1)2,3滴で湿し,ふっ化水素酸(5.5)約5 mLを加え,穏やかに加熱して二酸化けい素を揮散さ
せ,更に乾固するまで加熱して硫酸を揮散させる。放冷した後,二硫酸ナトリウム(5.15)約3 gを加
え,白金製の蓋をして初めは徐々に加熱し,次第に温度を高めて暗赤熱状に加熱して,残さを融解す
る。放冷した後,白金るつぼの蓋を外して,蓋とともにb)で保存した主液に入れ,塩酸(5.1)5 mL
を加え,穏やかに加熱して融成物を溶解する。白金るつぼ及び蓋を温水で洗って取り出す。
7.2
水酸化物分離
水酸化物分離は,次のいずれかによる。
a) アルミニウム含有率(質量分率)2.5 %未満の試料
1) 7.1で得た試料溶液に水を加えて液量を約100 mLとし,塩化アンモニウム(5.11)約3 gを加えて
かき混ぜて溶解する。メチルレッド溶液(5.21)2,3滴を指示薬として加え,溶液をかき混ぜなが
らアンモニア水(1+1)を溶液が黄色に変わるまで滴加して中和し,水酸化物の沈殿を生成させる。
これを徐々に加熱し,約2分間煮沸した後熱源から降ろし,沈殿の沈降するのを待って,ろ紙(5
種A)を用いてろ過し,温塩化アンモニウム溶液(5.12)で数回洗浄し,ろ液及び洗液はビーカー
(300 mL)に受ける。
2) 沈殿は捨てる。
b) アルミニウム含有率(質量分率)2.5 %以上の試料
1) a) 1)に従って操作し,得た溶液及び元のビーカーを保存する。
2) 沈殿は,漏斗にろ紙を付けたまま射水して元のビーカーに洗い落とし,これに塩酸(5.1)10 mLを
加えて加熱溶解する。これを元のろ紙を用いてろ過し,初めはできるだけ少量の熱塩酸(1+2)で
完全に溶解する。次に温塩酸(2+100)で数回,最後に温水で,洗浄する。液量を約100 mLとし,
以下,a) 1)の塩化アンモニウム添加以降に従って操作し,得た溶液をb) 1)で保存した溶液に合わせ
る。
3) 沈殿は捨てる。
7.3
マンガンの分離
マンガンの分離は,次のいずれかによる。
a) マンガン含有率(質量分率)5 %未満の試料
1) 7.2で得たろ液及び洗液を加熱蒸発して液量を約150 mLとする。このとき沈殿が生成した場合は,
ろ紙(5種A)を用いてろ過し,温塩化アンモニウム溶液(5.12)で数回洗浄してろ液及び洗液はビ
5
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ーカー(300 mL)に受け,ろ液及び洗液を加熱蒸発して液量を約150 mLとする。沈殿は捨てる。
溶液をかき混ぜながらペルオキソ二硫酸アンモニウム(5.13)1 gを加え,次にアンモニア水(5.7)
を25 mL加えて引き続き加熱する。約10分間煮沸してペルオキソ二硫酸アンモニウムを分解し,
マンガンを沈殿させた後ろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。ろ液及び洗液はビ
ーカー(500 mL)に受ける。
2) 沈殿は捨てる。
b) マンガン含有率(質量分率)5 %以上の試料
1) a) 1)に従って操作し,得た溶液及び元のビーカーを保存する。
2) 沈殿は,漏斗にろ紙を付けたまま射水して元のビーカーに洗い落とし,ろ紙上から温塩酸(1+2)
及び過酸化水素(5.9)を少量ずつ交互に加えて沈殿を溶解し,温水で3,4回洗浄した後,メチル
レッド溶液(5.21)2,3滴を指示薬として加え,溶液をかき混ぜながらアンモニア水(5.8)を溶液
が黄色に変わるまで添加して中和する。溶液をかき混ぜながら,以下,a) 1)のペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム添加以降に従って操作し,得た溶液をb) 1)で保存した溶液に合わせる。
3) 沈殿は捨てる。
7.4
しゅう酸カルシウム沈殿の生成
しゅう酸カルシウム沈殿の生成は,次のいずれかによる。
a) カルシウム含有率(質量分率)0.2 %以上の試料
1) 7.3で得たろ液及び洗液を加熱蒸発して液量を約150 mLとし,引き続き沸騰するまで加熱する。加
熱しすぎてアンモニア臭がなくなっていた場合は,アンモニア水(5.8)を僅かにアンモニア臭がす
るまで滴加する。
2) 溶液をかき混ぜながらしゅう酸アンモニウム溶液(5.16)15 mLを加える。この溶液を70 ℃〜80 ℃
で1時間静置して沈殿を熟成させる。沈殿はろ紙(5種B)を用いてこし分け,温水で約10回洗浄
して,ろ液及び洗液は捨てる。
b) カルシウム含有率(質量分率)0.2 %未満の試料
1) a) 1)に従って操作する。
2) 0.017 mol/Lカルシウム溶液(5.20)を正確に5 mL加えた後,a) 2)に従って操作する。
注記 0.017 mol/Lカルシウム溶液5 mLは,0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(5.19)5 mL
に相当する。また,この溶液は空試験においても同量添加されるので結果的に相殺される。
7.5
滴定
7.4 a)又は7.4 b)で得た沈殿を,ろ紙に小穴をあけ射水してビーカー(500 mL)に洗い落とし,ろ紙を初
めは温硫酸(1+3)30 mLで洗浄し,次に温水で3,4回洗浄する。これに温水を加えて液量を約200 mL
として80 ℃に加熱し,7.4 a)で得た沈殿の場合は,0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(5.18),また7.4
b)で得た沈殿の場合は,0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(5.19)で滴定し1),最後の1滴で溶液
が微紅色に変わる点を終点とし,過マンガン酸カリウム溶液の使用量を求める。
注1) この場合,滴定に際して硫酸マンガン(II)溶液(5.14)数mLを添加しておくと滴定の反応は
初めから速くなる。
8
空試験
鉄(5.10)0.5 gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,7.1〜7.5の手順に従っ
て,試料と同じ操作を試料と併行して行う。
6
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9
計算
計算は,次による。
a) カルシウム含有率の計算 7.5及び箇条8の滴定に要した過マンガン酸カリウム溶液の使用量から試
料中のカルシウム含有率を,次のいずれかの式によって算出する。
1) 7.4 a)で得た沈殿を用いた場合
(
)
100
004
002
.0
4
3
2
×
×
−
=
m
V
V
F
Ca
ここに,
Ca: 試料中のカルシウム含有率[質量分率(%)]
F2: 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(5.18)のファク
ター[JIS K 8001のJA.6.4 g)で算出した値]
V3: 試料溶液の滴定における0.02 mol/L過マンガン酸カリ
ウム溶液の使用量(mL)
V4: 空試験で得た0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の
使用量(mL)
m: 試料はかりとり量(g)
0.002 004: 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当する
カルシウムの質量を示す換算係数(g/mL);0.02/1 000
×40.078×2.5で求められる。
2) 7.4 b)で得た沈殿を用いた場合
(
)
100
668
000
.0
6
5
1
×
×
−
=
m
V
V
F
Ca
ここに,
Ca: 試料中のカルシウム含有率[質量分率(%)]
F1: 0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(5.19)のフ
ァクター
V5: 試料溶液の滴定における0.006 67 mol/L過マンガン酸
カリウム溶液の使用量(mL)
V6: 空試験で得た0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶
液の使用量(mL)
m: 試料はかりとり量(g)
0.000 668: 0.006 67 mol/L過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当
するカルシウムの質量を示す換算係数(g/mL);
0.006 67/1 000×40.078×2.5で求められる。
b) 酸化カルシウム含有率の計算 試料中の酸化カルシウム含有率は,カルシウム含有率から次の式によ
って算出する。
CaO=1.399×Ca
ここに,
CaO: 試料中の酸化カルシウム含有率[質量分率(%)]
Ca: 試料中のカルシウム含有率[質量分率(%)]
なお,酸化カルシウム含有率を報告値とする場合,丸めを行っていないカルシウム含有率から酸化カル
シウムの含有率を求め,最終報告値とする。
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10 許容差
許容差は,表2による。
表2−許容差
単位 質量分率(%)
カルシウム含有率
室内再現許容差
Rd
室間許容差a)
P
0.1以上10以下
f(n)×[0.007 7×(Ca)+0.009 7]
f(n)×[0.017 7×(Ca)+0.026 3]
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場合
は同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(Ca)は,許容差を
求めるカルシウム定量値の平均値[質量分率(%)]である。
注記 この許容差は,カルシウム含有率(質量分率)0.028 %以上4.93 %以下の試料を用いて求めたものである。
注a) この規格における室間許容差は,各分析室においてJIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分析
値を用いて判定する。