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M 8217-2:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 一般事項························································································································· 2 

4 要旨······························································································································· 2 

5 試薬······························································································································· 2 

6 装置及び器具 ··················································································································· 3 

7 試料のはかりとり ············································································································· 4 

8 操作······························································································································· 4 

9 空試験···························································································································· 5 

10 計算 ····························································································································· 5 

11 許容差 ·························································································································· 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 9 

M 8217-2:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,産

業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS M 8217:1994は廃止され,その一部を分割し

て制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS M 8217の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS M 8217-1 第1部:鉄抽出分離硫酸バリウム重量法 

JIS M 8217-2 第2部:熱分解−よう素酸カリウム滴定法 

JIS M 8217-3 第3部:高周波誘導加熱−赤外線吸収法 

background image

日本産業規格          JIS 

M 8217-2:2020 

鉄鉱石−硫黄定量方法− 

第2部:熱分解−よう素酸カリウム滴定法 

Iron ores-Determination of sulfur- 

Part 2: Potassium iodate titration method after pyrolysis 

序文 

この規格は,2017年に第3版として発行されたISO 4689-2を基とし,技術的内容を変更して作成した

日本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,鉄鉱石中の硫黄定量方法のうち,熱分解−よう素酸カリウム滴定法について規定する。 

この方法は,鉄鉱石中の硫黄含有率(質量分率)0.002 %以上1.0 %以下の定量に適用する。 

注記1 JIS M 8217の規格群の定量範囲を表1に示す。 

表1−JIS M 8217規格群の定量範囲 

規格番号 

定量範囲[質量分率(%)] 

JIS M 8217-1 

0.01 以上 

1.0 以下 

JIS M 8217-2 

0.002 以上 

1.0 以下 

JIS M 8217-3 

0.002 以上 

0.10 以下 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 4689-2:2017,Iron ores−Determination of sulfur content−Part 2: Combustion/titration method

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 1107 窒素 

JIS M 8202 鉄鉱石−分析方法通則 

JIS R 1306 化学分析用磁器燃焼ボート 

M 8217-2:2020  

JIS R 1307 化学分析用磁器燃焼管 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

一般事項 

定量方法に共通な一般事項は,JIS M 8202による。 

要旨 

試料を酸化タングステン(VI)と混合し,窒素を流しながら1 200 ℃で加熱分解して,硫黄を二酸化硫

黄に変換させる。これを塩酸を含むよう化カリウム溶液に吸収させ,でんぷんを指示薬として,よう素酸

カリウム溶液で滴定する。 

試薬 

試薬は,次による。 

5.1 

窒素 窒素は,JIS K 1107の1級の品質に適合したもの。 

5.2 

不活性セラミックス(粘土焼結粒子) 使用する装置に適した粒径のもの。例えば,粒径0.5 mm〜

2 mmのもので,水酸化ナトリウムを浸透させたもの。 

5.3 

過塩素酸マグネシウム[Mg(ClO4)2] 使用する装置に適した粒径のもの。例えば,粒径0.5 mm〜2 

mmのもの。 

5.4 

塩化すず(II)二水和物 使用する装置に適した粒径のもの。例えば,粒径0.5 mm〜2 mmのもの。 

5.5 

酸化タングステン(VI)(WO3) 純度(質量分率)99.9 %以上の粉末状のもの。 

5.6 

吸収液 

塩酸(1.5+98.5)80 mL,よう化カリウム溶液(30 g/L)1 mL及びでんぷん溶液(20 g/L)1 mLを混合

する。でんぷん溶液(20 g/L)は,次によって調製する。 

でんぷん(溶性)2 gをはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,水約10 mLを加えてかき混ぜな

がら熱水約50 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後に冷却し,水で100 mLとする。 

この溶液は,使用の都度調製する。 

5.7 

0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液 

あらかじめ130 ℃で約2時間乾燥したよう素酸カリウム0.222 5 gを0.1 mgの桁まで正確にはかりとっ

て水で溶解した後,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この

溶液1 mLは,理論上硫黄0.000 1 gに相当する。 

この溶液1 mLに相当する硫黄の質量は,試料と組成の類似する硫黄含有率が既知の鉄鉱石認証標準物

質(5.8)を用いて箇条8のa)〜d)の手順に従って操作し,0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液(5.7)の

使用量を求め,合わせて箇条9の空試験を実施して,次の計算式によって算出する。 

2

01

.0

V

V

G

P

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液1 mLに相当する

硫黄の質量を示す換算係数(g/mL) 

P: 鉄鉱石認証標準物質の硫黄含有率[質量分率(%)] 

G: 鉄鉱石認証標準物質のはかりとり量(g) 

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V: 鉄鉱石認証標準物質を用いて得た0.001 040 mol/Lよう

素酸カリウム溶液の使用量(mL) 

V2: 空試験で得た0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液の

使用量(mL) 

なお,硫黄含有率(質量分率)が約0.3 %以上の高硫黄含有率の試料を分析する場合には,特に硫黄の

含有率が試料中の硫黄含有率と近似した,硫黄以外の成分組成が分析試料と類似した鉄鉱石認証標準物質

を用いる。 

5.8 

鉄鉱石認証標準物質 硫黄含有率(質量分率)の認証値が0.002 %〜1.0 %の範囲で,硫黄以外の成

分組成が分析試料と類似した認証標準物質。 

装置及び器具 

硫黄定量装置の構成例を図1に示す。窒素精製部,試料加熱分解部及び二酸化硫黄測定部で構成され,

各構成部位については,次による。 

なお,窒素流路の気密が保たれるように構成部位を接続する。 

6.1 

窒素清浄装置[図1中の(a)] 窒素を清浄乾燥するためのもので,不活性セラミックス(5.2)及

び過塩素酸マグネシウム(5.3)を詰めた塔。 

6.2 

熱分解炉[図1中の(b)] 管状電気抵抗加熱炉で,長さ約300 mmの管状炉をもち,電気抵抗加

熱体で加熱し,電流を調節して温度を加減し,炉の中央部において長さ150 mm以上の部分を1 200 ℃±

25 ℃の一定温度に保つことができるもの。 

6.3 

磁器燃焼管[図1中の(c)] JIS R 1307に規定するCT0又はCT1とし,熱分解炉の出口部から約

100 mm〜150 mm突き出し,長さ約600 mm〜700 mm,内径24 mmで1 200 ℃±25 ℃に耐えるもの。JIS R 

1307に規定する使用温度以上のものを用いてもよい。 

また,磁器燃焼管の出口部には,テーパーを付け,すり合わせガラス製キャップ(g)をはめ,ばね(h)

で炉壁に締め付ける。 

また,ガラス製キャップと炉壁との間に遮熱板(i)を置き,炉体からの熱が吸収瓶(e)に当たらない

ようにする。 

炉の中央部の磁器燃焼管の真上の温度を熱電温度計で測定する。熱電温度計の指示値は,一般に磁器燃

焼管内の温度と異なるので,あらかじめその差を求めておき,指示値から磁器燃焼管内の温度を求める。

磁器燃焼管と窒素清浄装置(a)との接続には,すり合わせ又は耐熱性のシリコーンゴム栓を用いる。 

なお,新しい磁器燃焼管を使用するときは,1 200 ℃で30分間以上,窒素気流中で空焼きを行う。 

6.4 

吸収瓶[図1中の(e)] 吸収液(5.6)約80 mLを入れ,ガラス製キャップ(g)の先に内径6 mm

の導入管1)(ガラス製で,球状の先端に多くの小孔を開けたもの)[図1中の(d)の右側]を,その先端

が吸収瓶の最下部に達するように取り付け,液面までの高さを60 mm〜80 mmとする。 

注1) 導入管(ガラス製で,先端を内径1 mmに絞ったもの)[図1中の(d)の左側]に,合成樹脂

に多くの小孔を開けた中板(j)を,吸収液面の下約15 mmの位置に取り付けたものを用いても

よい。 

6.5 

ビュレット[図1中の(f)] 25 mLのもの。硫黄含有率(質量分率)が0.005 %未満の場合は,最

小目盛が0.05 mLのミクロビュレット,又はそれ以上の滴定液滴加精度をもつ滴定器具を用いてもよい。 

6.6 

吸収細管[図1中の(k)] 塩化物を含む試料を分析するときに使用する。試料から発生した塩素

ガスを分離するもので,約10 gの塩化すず(II)二水和物(5.4)を詰めた細いガラス管。図1の磁器燃焼

background image

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管(c)に示す位置に挿入する。 

なお,吸収細管(k)の出口側は,試薬が吸収瓶(e)側へ吹き飛ばされないように石英ガラスウールを

詰めておく。 

また,塩化すず(II)二水和物の溶融を避けるために挿入位置は,できるだけ低温部にする。 

なお,試料中の塩素含有率が不明の場合も,この塩化すず(II)二水和物の吸収細管(k)を使用するの

が望ましい。 

6.7 

磁器燃焼ボート[図1中の(l)]及び磁器燃焼ボートカバー(以下,ボート及びカバーという。) 

管状電気抵抗加熱炉に使用するボートは,JIS R 1306に規定するCB1とする。また,必要に応じてカバ

ーを使用する。カバーは,JIS R 1306のCBC1とする。ボート及びカバーは,使用する装置の指定する形

状及び寸法のもの,又はJIS R 1306に規定する使用温度以上のものを用いてもよい。図2 a) にボート及

びカバーの例を示す。あらかじめ使用するボート及びカバーに適した条件(例えば,空気中1 000 ℃で約1

時間)で強熱する。一度に多数強熱した場合は,放冷した後,若干の余熱をもつ状態から使用直前までグ

リースなどを塗らないデシケーター中に保存する。カバーを用いる代わりに,多孔質のカートリッジ[図

2 b)]を用いてもよい。 

デシケーターからの出し入れは,ピンセットなどで扱い,直接手を触れてはならない。長時間保存した

ものは,空試験値が高くなっているおそれがあるため,再度強熱してから使用する。 

試料のはかりとり 

試料はかりとり量は,表2による。 

表2−試料はかりとり量 

硫黄含有率 

[質量分率(%)] 

試料はかりとり量 

0.002 以上 

0.05 未満 

1.0 

0.05 以上 

0.30 未満 

0.50 

0.30 以上 

1.0 以下 

0.20 

操作 

警告1 加熱分析に関する危険は,多くはボートの事前強熱及び分析の際の火傷である。全ての場合,

トングなどを使用する。使用済のボート及びカバーは,高温になっているが,その高温に耐

え,かつ,外部に熱の影響を及ぼさない適切な容器に入れて,放冷する。 

警告2 窒素ボンベの操作については,適切な安全対策をとらなければならない。分析の際に排出さ

れる窒素は,閉鎖された室内において酸素濃度を低下させる。その結果,作業者が酸素欠乏

症になることがあるので,装置から外気に効果的に排除する。 

操作は,次の手順によって行う。 

a) 磁器燃焼管内温度を1 200 ℃±25 ℃に保つ。次に窒素を150 mL/分〜200 mL/分で供給し,0.001 040 

mol/Lよう素酸カリウム溶液(5.7)で滴定して吸収液が淡い青を呈するようにする。 

b) はかりとった試料をひょう量瓶に移し入れ,更に酸化タングステン(VI)(5.5)1 gを加えて十分に混

合した後,ボートの中央に移し入れ,カバー又は多孔質のカートリッジをかぶせ,挿入棒で磁器燃焼

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管(c)の加熱部の中央に挿入し,栓をして密封する。 

c) 1 200 ℃±25 ℃に保持された磁器燃焼管の加熱部の中央に,ボートを約1分間保つ。この間に吸収瓶

(e)を確認し,吸収液が上昇し始めた場合には,吸収液が常に元の位置にくるように,僅かに窒素(5.1)

を通気する。次に,直ちに,窒素を150 mL/分〜200 mL/分の割合で通気する。 

なお,硫黄含有率(質量分率)が約0.3 %以上の高硫黄含有率の試料については,窒素流量を150 mL/

分に調整する。 

発生した二酸化硫黄などを窒素と共に吸収瓶(e)に導き,吸収液が透明にならない程度に青を保ち

続けるように,0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液を絶えず滴加し,引き続き少なくとも5分間窒

素を流す。低硫黄含有率試料の熱分解時間は,通常,4分〜8分で十分であるが,高含有率試料につい

ては,10分程度の熱分解時間が必要である。 

なお,熱分解終了付近では滴定始点及び終点と同程度の淡い青が保持されるように,0.001 040 mol/L

よう素酸カリウム溶液の滴加速度を調節する。 

試料が多量の化合水を含む場合は,装置の内部に水が付着するので,このようなときは,滴定完了

前に外部から加熱して水を完全に蒸発させる必要がある。 

d) 磁器燃焼管(c)の出口のガラス製キャップ(g)を外し,少量の吸収液で導入管(d)及びガラス製キ

ャップ(g)の内部を数回洗浄し,再びガラス製キャップをして窒素を流す。0.001 040 mol/Lよう素酸

カリウム溶液を用いて淡い青を呈するまで滴定し,終点とする。 

空試験 

試料を用いないで,箇条8のa)〜d)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。 

空試験値は,硫黄量として0.01 mgを超えてはならない。0.01 mgを超えた場合は,汚染の原因を調査し,

排除しなければならない2)。 

注2) あらかじめ800 ℃で約2時間加熱した酸化タングステン(VI)(5.5)を用いる,又はボート及

びカバー(6.7)の空焼き時間を長くすることによって,空試験値が下がる場合がある。 

10 

計算 

箇条8 d)及び箇条9で得た滴定量から,試料中の硫黄含有率[質量分率(%)]を次の式によって算出す

る。 

(

)

100

2

1

×

×

=

m

f

V

V

S

ここに, 

S: 試料中の硫黄含有率[質量分率(%)] 

V1: 試料の分析における0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム

溶液の使用量(mL) 

V2: 空試験で得た0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液の

使用量(mL) 

f: 0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液1 mLに相当する

硫黄の質量を示す換算係数(g/mL) 

m: 試料はかりとり量(g) 

11 

許容差 

許容差は,表3による。 

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表3−許容差 

単位 質量分率(%) 

硫黄含有率 

室内再現許容差 

Rd 

室間許容差a) 

0.002以上 1.0以下 

f(n)×[0.012 0×(S)+0.000 4] 

f(n)×[0.028 2×(S)+0.000 9] 

許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場

合は同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(S)は,許容差
を求める硫黄定量値の平均値[質量分率(%)]である。 
注a) この規格における室間許容差は,各分析室においてJIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分

析値を用いて判定する。 

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単位 mm 

注記 寸法は,概略を示す。 

図1−硫黄定量装置の例 

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M 8217-2:2020  

単位 mm 

注記 寸法は,概略を示す。 

a) 磁器燃焼ボート(l)及び磁器燃焼ボートカバーの例 

注記 寸法は,概略を示す。 

b) 磁器燃焼ボート(l)及びカートリッジの例 

図2−ボート,カバー及びカートリッジの例 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS M 8217-2:2020 鉄鉱石−硫黄定量方法−第2部:熱分解−よう素酸カリウム
滴定法 

ISO 4689-2:2017,Iron ores−Determination of sulfur content−Part 2: Combustion/ 
titration method 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 適用範囲を規定 

0.002 %〜1.0 % 

適用範囲を規定 
0.002 %〜0.25 % 

変更 

JISは,適用範囲を拡大した。 

JISは,国内共同実験により,適
用範囲を決定した。 

2 引用規格  

3 一般事項 鉄鉱石の定量方法

及び硫黄定量方法
に共通の一般事項
を規定 

用語及び定義の箇条を
設定 

追加 

ISO規格は,全ての規格に箇条を設
けた。JISは,定量方法に共通な一
般事項を規定した。 

JISは,鉄鉱石の定量に共通の事
項をJIS M 8202に規定している。
技術的差異については,各欄に記
す。 

4 要旨 

分析法概要を記載 

原理を記載 

一致 

5 試薬 

使用する試薬を規
定 

使用する試薬を規定 

変更 

JISは,使用する装置に適したもの
に一部規定を変更した。 

技術的差異はない。 

5.1 窒素の品質を規
定 

− 

− 

追加 

JISは,JIS K 1107に規定する窒素
の品質を規定した。 

日本独自の規定で改正提案しな
い。 

5.2 不活性セラミッ
クスを規定 

5.4 

不活性セラミックスを
規定 

変更 

JISは,使用する装置に適した粒径
のものを用いる規定とし,粒径の範
囲は,推奨事項とした。 

ISO規格品とJIS規格品との違い
による。技術的差異はない。 

5.3 過塩素酸マグネ
シウムを規定 

5.1 

過塩素酸マグネシウム
を規定 

変更 

JISは,使用する装置に適した粒径
のものを用いる規定とし,粒径の範
囲は,推奨事項とした。 

ISO規格品とJIS規格品との違い
による。技術的差異はない。 

5.4 塩化すず(II)二
水和物を規定 

5.3 

塩化すず(II)二水和物
を規定 

変更 

JISは,使用する装置に適した粒径
のものを用いる規定とし,粒径の範
囲は,推奨事項とした。 

ISO規格品とJIS規格品との違い
による。技術的差異はない。 

 
 

2

M

 8

2

1

7

-2

2

0

2

0

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10 

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(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 試薬 
(続き) 

5.5 酸化タングステ
ン(VI)を規定 

5.2 

酸化タングステン(VI)
を規定 

追加 

JISは,純度を規定した。 

日本独自の分析法規格における規
定で改正提案しない。 

5.6 でんぷん溶液の
調製を規定 

5.7 

でんぷん溶液の調製を
規定 

追加 

JISは,煮沸時間を規定するととも
に,正確に指定する必要のない数値
には“約”を付けて指定した。 

日本独自の分析法規格における規
定で改正提案しない。 

5.7 よう素酸カリウ
ム溶液の硫黄相当
量の計算方法を規
定 

− 

− 

追加 

JISは,試料と組成の類似する鉄鉱
石認証標準物質で求めた硫黄相当
量を用いることを規定した。 

改正検討が生じた時点で,ISO規
格の改正提案を行う。 

6 装置及び
器具 

装置及び器具を規
定 

装置及び器具を規定 

追加 

JISは,硫黄定量装置の各構成部位
を詳細に規定し,構成例を図示し
た。 

技術的差異はない。 

6.2 熱分解炉の詳細
を規定 

6.4 

熱分解炉の最高温度を
規定 

追加 

JISは,熱分解炉の要求事項を詳細
に規定した。 

技術的差異はない。 

6.3 磁器燃焼管の詳
細を規定 

6.5 

磁器燃焼管の最高温度
を規定 

追加 

JISは,磁器燃焼管の要求事項を詳
細に規定した。 

技術的差異はない。 

6.4 吸収瓶の詳細を
規定 

6.8 
6.9 

吸収瓶の容量を規定 
導入管の形状を規定 

追加 

JISは,吸収瓶及び導入管の要求事
項を詳細に規定した。 

技術的差異はない。 

6.5 ビュレットを規
定 

6.10 

ビュレットを規定 

変更 

JISは,ビュレットの容量を規定し
た。 

技術的差異はない。 

6.7 磁器燃焼ボート
及び磁器燃焼ボー
トカバーを規定 

6.6 

磁器燃焼ボート及び磁
器燃焼ボートカバーを
規定 

追加 

JISは,JIS R 1306に規定するボー
ト及びカバーを用いることを規定
した。 
JISは,ボート及びカバーを事前に
強熱することを規定し,多数強熱し
た場合の保管方法を規定した。 

技術的差異はない。 

− 

試料の採取・調製を規定 削除 

JISは,試料の採取・調製を規定
したJIS M 8202を一般事項とし
て引用しているので,技術的差異
はない。 

2

M

 8

2

1

7

-2

2

0

2

0

background image

11 

M 8217-2:2020  

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 試料のは
かりとり 

試料のはかりとり
量を規定 

8.2 

試料のはかりとり量を
規定 

変更 

JISは,適用範囲を拡大したため,
はかりとり量を3段階に分けた。 

日本独自の規定で改正提案しな
い。 

8 操作 

安全上の指示を規
定 

− 

− 

追加 

JISは,加熱分析法に関する危険及
び窒素ガスの操作について,警告を
記載している。 

改正検討が生じた時点で,ISO規
格の改正提案を行う。 

操作手順を規定 

操作手順を規定 

追加 

JISは,吸収液の逆流を防ぐ目的で
窒素ガスを僅かに通気する操作を
追加した。 
JISは,高硫黄含有率の程度を追加
した。 

技術的差異はない。 

10 計算 

硫黄含有率の算出
手順を規定 

9.1 

硫黄含有率の算出手順
を規定 

変更 

JISは,ファクターを求めて補正す
るとした。 

JISとISO規格との作成方針の違
いによるもので技術的差異はな
い。 

11 許容差 

室内再現許容差及
び室間許容差を規
定 

9.2 
9.2.1 

結果の一般的処理 
室内再現許容差,室間許
容差及び室間標準偏差
を規定 

変更 

JISは,国内共同実験の結果から,
独自に許容差を規定し,一般式に拡
大した。 

JISとISO規格との作成方針の違
いによるもので技術的差異はな
い。 

− 

− 

9.2.2 

分析値の決定方法を規
定 

削除 

JISは,ISO規格の規定を全て削除
した。 

JISの分析値の決定方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異は小さ
い。 

− 

− 

9.2.3 

室内分析精度を規定 

削除 

同上 

JISの分析値の決定方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異は小さ
い。 

− 

− 

9.2.4 

真度のチェック方法を
規定 

削除 

同上 

真度のチェック方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異はない。 

− 

− 

9.2.5 

最終結果の計算方法を
規定 

削除 

同上 

最終結果の計算方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異はない。 

 
 
 
 

2

M

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1

7

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2

0

2

0

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12 

M 8217-2:2020  

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

− 

− 

10 

試験報告記載事項を規
定 

削除 

同上 

試験報告記載事項は,JIS M 8202
の引用規格であるJIS K 0050(化
学分析方法通則)の箇条13(記録)
で規定。 
技術的差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4689-2:2017,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

M

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