M 8203
:
2017
(
1
)
目 次
ページ
序文
···································································································································
1
1
適用範囲
·························································································································
1
2
引用規格
·························································································································
1
3
用語及び定義
···················································································································
2
4
一般事項
·························································································································
3
4.1
共通一般事項
················································································································
3
4.2
個別一般事項
················································································································
3
5
成分試験試料の採取,調製及び取扱い
··················································································
3
5.1
成分試験試料の採取,調製及び保管
···················································································
3
5.2
成分試験試料のはかりとり
······························································································
4
6
分析値のまとめ方
·············································································································
4
6.1
空試験
·························································································································
4
6.2
分析回数
······················································································································
4
6.3
分析値の採択
················································································································
4
6.4
分析値の表示
················································································································
4
7
許容差の取扱い方
·············································································································
5
7.1
許容差
·························································································································
5
7.2
分析値の精確さの検討
····································································································
5
7.3
許容差が規定されていない場合の取扱い方
··········································································
6
7.4
許容差の判定方法
··········································································································
6
8
定量値の計量計測トレーサビリティ
·····················································································
7
9
マンガン鉱石分析方法規格群の規格の様式
············································································
7
附属書
JA
(規定)成分試験試料中の吸湿水分定量方法
································································
8
附属書
JB
(参考)
JIS
と対応国際規格との対比表
······································································
10
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(
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)
まえがき
この規格は,工業標準化法第
14
条によって準用する第
12
条第
1
項の規定に基づき,日本フェロアロイ
協会(
JFA
)及び一般財団法人日本規格協会(
JSA
)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,
JIS M 8203
:2005
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格
JIS
M
8203
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2017
マンガン鉱石-分析方法通則
Manganese ores-General rules for chemical analysis
序文
この規格は,
1978
年に第
1
版として発行された
ISO 4297
を基とし,日本の実情に合わせるため,技術
的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,
附属書
JB
に示す。
1
適用範囲
この規格は,マンガン鉱石の各成分の定量方法を規定した
JIS
(以下,マンガン鉱石分析方法規格群と
いう。)におけるマンガン鉱石の分析方法に関する一般的な事項について規定する。
注記
この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4297
:1978
,
Manganese ores and concentrates
-
Methods of chemical analysis
-
General
instructions
(
MOD
)
なお,対応の程度を表す記号“
MOD
”は,
ISO/IEC Guide 21-1
に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS G 1301
フェロアロイ-分析方法通則
JIS K 0050
化学分析方法通則
JIS K 0113
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0115
吸光光度分析通則
JIS K 0116
発光分光分析通則
JIS K 0117
赤外分光分析方法通則
JIS K 0121
原子吸光分析通則
JIS K 0211
分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0557
用水・排水の試験に用いる水
JIS K 8001
試薬試験方法通則
JIS M 8108
クロム鉱石,マンガン鉱石及び鉄マンガン鉱石-サンプリング方法,試料調製方法及び
水分・粒度測定方法
JIS R 3505
ガラス製体積計
2
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JIS Z 2616
金属材料の硫黄定量方法通則
JIS Z 8101-1
統計-用語及び記号-第
1
部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
JIS Z 8301
規格票の様式及び作成方法
JIS Z 8401
数値の丸め方
JIS Z 8402-1
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)-第
1
部:一般的な原理及び定義
JIS Z 8801-1
試験用ふるい-第
1
部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格及びマンガン鉱石分析方法規格群で用いる主な用語及び定義は,
JIS K 0050
,
JIS K 8001
,
JIS Z
8101-1
,
JIS Z 8301
及び
JIS Z 8402-1
によるほか,次による。
注記
1
JIS K 0050
の箇条
3
(用語及び定義)には,
JIS K 0211
,
JIS K 0212
,
JIS K 0213
,
JIS K 0214
,
JIS K 0215
及び
JIS K 0216
の分析化学用語の各規格が引用されているので,この規格でもこ
れら分析化学用語の各規格の定義が適用される。
注記
2
マンガン鉱石分析方法規格群での操作に用いる用語については,
JIS G 1301
の
A.5
(操作)
を参照することが望ましい。
3.1
空試験
一般に試料を用いないで,試料と同様の操作を併行して操作をする試験。
マンガン鉱石分析方法規格群では,吸光光度分析法,原子吸光分析法及び
ICP
発光分光分析法の検量線
を作成する方法においては,試料を用いないか又は試料の代わりに高純度金属を用いて試料と同様の操作
をする試験をいう。空試験によって調製した液を空試験液という。
3.2
審判分析
販売者(製造業者)と購買者との間で分析値に差が生じ,双方の意見が対立したときに,双方の合意し
た第三者機関が実施する分析。
3.3
ゼロメンバー
検量線用溶液において,分析対象成分の標準液を添加していない溶液。
3.4
熱(接頭語)
酸などの液体について,
60
℃以上の温度とした状態に用いる接頭語。
“熱塩酸(
1
+
1
)”などのように用
いる。
3.5
温(接頭語)
酸などの液体について,
40
~
60
℃の温度とした状態に用いる接頭語。“温塩酸(
1
+
50
)”などのように
用いる。
3.6
成分試験試料
規定の試料調製を完了し,分析対象成分分析を行うことができる試料。
マンガン鉱石分析方法規格群に規定している各定量方法規格においては,成分試験試料を分析用試料又
3
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は単に試料ということがある。
3.7
分析試料
分析対象成分分析を行うために,成分試験試料からはかりとる試料。ただし,各定量方法規格において
分析試料を単に試料又ははかりとり試料ということがある。
3.8
室内再現条件
(
within-laboratory-reproducibility condition
)
同一成分試験試料の測定において,時間・校正・オペレ-タ・装置の
4
因子の
1
個以上が異なっている
測定条件。
注記
室内再現条件で求めた“室内再現精度”は,
JIS Z 8402-3
に規定された“中間精度”に相当す
る。
3.9
室内再現許容差
(
within-laboratory-reproducibility limit
)
室内再現条件で得られた
2
個の測定結果の差の絶対値が,その値以下になることが
95 %
の確率で期待さ
れる値。
4
一般事項
4.1
共通一般事項
マンガン鉱石分析方法規格群に共通な一般事項は,
JIS K 0050
によるほか,次による。
a)
全量ピペット及びビュレット
マンガン鉱石分析方法規格群で用いる全量ピペット及びビュレット
は,特に指定がない場合は,
JIS R 3505
のクラス
A
のものを用いる。
なお,自動ビュレットは,指定滴加量の繰返し測定(体積換算値)の標準偏差の
2
倍の値が,
JIS R
3505
に規定されている,その指定滴加量(体積)でのクラス
A
の許容誤差内であれば,全量ピペット
及び/又はビュレットの代わりに使用できる。
b)
全量フラスコ
マンガン鉱石分析方法規格群で用いる全量フラスコは,特に指定がない場合は,
JIS R
3505
のクラス
A
の受用のものを用いる。ただし,
JIS K 0050
の
附属書
H
(体積計の校正方法)によっ
て校正した場合は,クラス
B
のものを用いてもよい。
c)
はかり
化学分析用の分析試料などのはかりとりに用いるはかりは,特に指定がない場合は,最小読
取値が
0.1 mg
で,国際標準とトレーサビリティが得られている分銅によって校正された,化学はかり
又は電子はかりを用いる。
d)
ふるい
ふるいは,特に指定がない場合は,
JIS Z 8801-1
による。
e)
水
マンガン鉱石分析方法規格群で用いる水は,特に指定がない場合は,
JIS K 0557
に規定する種別
A3
又は
A4
相当の水を用いる。
4.2
個別一般事項
マンガン鉱石分析方法規格群に規定した各定量方法における一般事項は,
JIS K 0113
,
JIS K 0115
,
JIS K
0116
,
JIS K 0117
,
JIS K 0121
及び
JIS Z 2616
による。
5
成分試験試料の採取,調製及び取扱い
5.1
成分試験試料の採取,調製及び保管
成分試験試料の採取及び調製は,
JIS M 8108
による。成分試験試料の保管期間は,通常
6
か月とする。
4
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なお,試料の保管に際しては,試料が変質を起こさないように温度,直射日光,水分などの影響のない
場所に保管する。
5.2
成分試験試料のはかりとり
5.2.1
含有率算出基準
マンガン鉱石の各成分の含有率は,乾量基準(
105
℃で恒量となるまで乾燥した試料の質量を基準にし
た品質特性の算出基準)によって求める。そのため,成分試験試料は,
105
℃で乾燥するか,又は
105
℃
で乾燥したときに揮散する水分量を補正して,そのはかりとり量を決定する。
5.2.2
成分試験試料のはかりとり方法
成分試験試料は,
5.1
で採取,調製及び保管した成分試験試料を室内に放置して,室内条件で平衡させた
もの(以下,大気平衡試料という。)又は
105
~
110
℃で乾燥したものとする。試料をはかりとる前に混合
するなどして,はかりとった試料の組成が成分試験試料の平均組成となるようにする。はかりとった試料
の質量がマンガン鉱石分析方法規格群の各定量方法規格に規定しているはかりとり量の表示桁に丸めたと
きに規定を満たすようにはかりとり,その質量を
0.1 mg
の桁まで読み取る。ただし,熱的分析方法などマ
ンガン鉱石分析方法規格群の各定量方法規格に読取り桁数が規定されている場合には,その規定に規定し
た桁までの読取りでよく,この場合に用いるはかりは,
4.1 c)
の規定を満たさなくてもよい。
5.2.3
吸湿水補正方法
大気平衡試料を用いて分析する場合には,各成分の定量と併行して,試料
2
個を用いて
附属書
JA
に従
って吸湿水含有率を求め,得られた
2
個の値を平均して吸湿水含有率とする。ただし,りん,硫黄,銅及
びほう素含有率の定量の場合には,試料
1
個でよい。
各成分含有率を乾量基準に換算するためには,換算係数
K
を次の計算式を用いて小数第
3
位まで求め,
K
を分析値に乗じて,水分量を補正する。
A
K
−
=
100
100
ここに,
A
:
附属書
JA
に従って定量した吸湿水含有率[
%
(質量分率)]
6
分析値のまとめ方
6.1
空試験
分析においては,全操作を通じて空試験を行い,分析値を補正する。
6.2
分析回数
分析回数は,同一成分試験試料について室内再現条件で
2
回実施する。
6.3
分析値の採択
7.2
の分析値の精確さの検討,特に
7.2.1
の真度の検討を行って検討結果が満足できる場合にだけ分析値
を採択することが望ましい。
6.4
分析値の表示
分析値は,はかりとった試料の質量に対する質量分率で表し,百分率を示す
%
を用いて表示する。
分析値の報告桁は,分析方法の精度を考慮して決定するか又は
表
1
による。数値の丸め方は,
JIS Z 8401
による。
5
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表
1
-
分析値の表示桁数
成分名
小数点以下の表示桁数
化合水
マンガン
活性酸素
鉄
けい素
アルミニウム
カルシウム
ナトリウム
カリウム
マグネシウム
第
2
位
りん
硫黄
銅
ほう素
第
3
位
7
許容差の取扱い方
7.1
許容差
許容差は,マンガン鉱石分析方法規格群の各定量方法規格に規定する。マンガン鉱石分析方法規格群に
許容差を規定していない場合には,
7.3
による。
7.2
分析値の精確さの検討
7.2.1
真度の検討
分析試料と化学特性とが近似し,認証値が成分試験試料の予想含有率に近い認証標準物質を一つ選んで,
分析試料と併行して分析し,得られた認証標準物質の分析結果と認証値との差の絶対値が,その分析方法
規格の対標準物質許容差を超えなければ,同時に分析して得られた分析試料の分析値の真度は,満足でき
るものと判断する。複数の組成の異なる試料について,分析操作が同一の場合は,それらの試料に対し,
一つの認証標準物質によって真度の検討を行ってもよい。
対標準物質許容差の求め方は,次のいずれかによる。
a)
各定量方法規格に対標準物質許容差が規定されている場合
対標準物質許容差は,その規定に従う。
b)
各定量方法規格に対標準物質許容差の規定がなく,室間再現許容差が規定されている場合
対標準物
質許容差
C
(質量分率)は,次のいずれかの方法によって求める。室間再現許容差が式で規定されて
いる場合は,室間再現許容差の式に認証値を代入して室間再現許容差を求め,得た値に
0.357 1
(=
1.0/2.8
)を乗じた値を室間再現標準偏差として式
(1)
又は式
(2)
に代入して対標準物質許容差
C
を求める。
室間再現許容差が数値の表で示されている場合は,認証値における室間再現許容差を補間法によって
求め,得た値に
0.357 1
(=
1.0/2.8
)を乗じた値を室間再現標準偏差として式
(1)
又は式
(2)
に代入して対
標準物質許容差
C
を求める。
なお,補間法とは,例えば,隣り合った
2
点間に一次式を求め,この一次式から許容差を近似する
ことをいう。
1)
使用した認証標準物質の認証書に個々のデータが記載され,認証値決定時の分析値の標準偏差が求
められる場合は,式
(1)
によって求める。
6
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2
R
C
2
C
2
s
N
s
C
+
=
········································································ (1)
ここに,
s
C
: 試料と併行して分析した認証標準物質の認証値決定時の分
析の標準偏差(標準偏差を求める個々のデータは,認証値決
定試験参加分析室ごとの平均値)(質量分率)
N
C
: 用いた標準物質の認証値決定試験参加分析室数
s
R
: 室間再現標準偏差(質量分率)
2)
使用した認証標準物質の認証書に個々のデータの記載がなく,不確かさの値だけが記載されている
場合は,式
(2)
によって求める。
2
R
2
CRM
)
/
(
2
s
k
U
C
+
=
······························································· (2)
ここに,
U
CRM
: 使用した認証標準物質の認証値の不確かさ
k
: 包含係数。
JIS K 0211
に規定され,拡張不確かさを得るため
に合成標準不確かさに乗じる係数で,通常は
2
~
3
の値をと
る。
c)
各定量方法規格に対標準物質許容差及び室間再現許容差が規定されていない場合
式
(3)
において
m
CRM
に認証値[
%
(質量分率)]を入れて室間再現標準偏差を求め,その値を
b)
の式
(1)
又は式
(2)
に代
入して対標準物質許容差
C
を求める。
なお,各定量方法規格に併行許容差だけが数値の表で規定されている場合には,認証値における併
行許容差を補間法によって求め,
1.2
倍して,室間許容差とし,
7.2.1 b)
に従って,対標準許容差を求
めてもよい。
8
0.633
CRM
R
1
0.023
m
s
×
=
································································ (3)
7.3
許容差が規定されていない場合の取扱い方
分析方法規格に許容差又は分析精度が規定されていない場合の許容差,又は分析方法規格の定量範囲に
対して許容差若しくは分析精度の適用範囲が狭い場合の適用範囲外の許容差は,
次の式によって算出する。
a)
室内再現許容差
9
0.628
1
w
8
0.028
m
R
×
=
·································································· (4)
ここに,
R
w
: 室内再現許容差[
%
(質量分率)]
m
1
: 室内再現許容差を求める二つの分析結果の平均値[
%
(質量分
率)]
b)
室間再現許容差
8
0.633
2
7
0.064
m
R
×
=
··································································· (5)
ここに,
R
: 室間再現許容差[
%
(質量分率)]
m
2
: 室間再現許容差を求める二つの分析結果の平均値[
%
(質量分
率)]
7.4
許容差の判定方法
室内再現許容差及び室間再現許容差の判定は,各々の分析結果の報告桁を報告桁の一番少ない結果に合
わせてその差を求め,許容差も分析結果の報告桁に丸めて比較する。対標準物質許容差の判定は,分析結
果の報告桁を認証値の表示桁に合わせてから認証値との差を求めて比較する。ただし,分析結果の報告桁
数が少なく,認証値の表示桁に合わせることができない場合は,認証値及び許容差を分析結果の報告桁に
丸めて比較する。
許容差を分析結果の報告桁に丸めるとゼロとなる場合は,その報告桁の値が
1
となる値を許容差とする。
7
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8
定量値の計量計測トレーサビリティ
マンガン鉱石分析方法規格群によって得た定量値は,
7.2.1
に規定された真度を満足していれば,適用し
た分析法の国際単位系(
SI
)への計量計測トレーサビリティが得られている。
9
マンガン鉱石分析方法規格群の規格の様式
マンガン鉱石分析方法規格群の規格の様式及び作成方法は,
JIS Z 8301
によるが,細部については,
JIS
G 1301
の
附属書
A
(フェロアロイ分析方法規格群の規格作成における参考情報)を参照して作成すること
が望ましい。
8
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附属書
JA
(規定)
成分試験試料中の吸湿水分定量方法
JA.1
原理
あらかじめ大気中で平衡とした分析試料を,
105
~
110
℃の電気乾燥器中で恒温になるまで乾燥して,そ
の減量を求める。
JA.2
装置
JA.2.1
ひょう量びん
蓋付きのもの。
JA.2.2
電気乾燥器
105
~
110
℃を維持できるもの。
JA.3
試料
試料採取方法及び調製方法は,
JIS M 8108
による。試料は,大気平衡試料を用いる。
注記
試料採取方法及び調製方法の国際規格は
ISO 4296-1
:1984
及び
ISO 4296-2
:1983
である。
JA.4
操作
JA.4.1
試料はかりとり量
試料はかりとり量は,
2.0 g
とする。
JA.4.2
操作
操作は,次の手順によって行う。
a)
105
~
110
℃に調節した電気乾燥器(
JA.2.2
)であらかじめ乾燥したひょう量びん(
JA.2.1
)を蓋とと
もに
0.1 mg
の桁まではかる。
b)
a)
で乾燥したひょう量びんに試料をとり,蓋とともに
0.1 mg
の桁まではかる。この質量から,
a)
で求
めたひょう量びん及び蓋の質量を差し引いて,はかりとった試料の質量を求める。
c)
試料の入ったひょう量びんを,蓋とともに
105
~
110
℃に調節した電気乾燥器(
JA.2.2
)中で,約
2
時間放置する。ひょう量びんの蓋をして,デシケーター中で
20
~
30
分間放冷する。ひょう量びんを蓋
とともにデシケーターから取り出し,僅かに蓋を開け,再び直ちに閉じて質量をはかる。
d)
c)
の操作を恒量(質量差が
0.3 mg
以下)になるまで繰り返す。
JA.5
結果の表示
JA.5.1
計算
吸湿水含有率[
%
(質量分率)]は,次の式を用いて計算する。
1
3
2
100
)
(
m
m
m
A
×
−
=
ここに,
A
: 吸湿水分含有率[
%
(質量分率)]
m
1
: 試料はかりとり量(
g
)
m
2
: 乾燥前のはかりとり試料,ひょう量びん及び蓋の質量(
g
)
m
3
: 乾燥後のはかりとり試料,ひょう量びん及び蓋の質量(
g
)
9
M 8203
:
2017
JA.5.2
併行分析許容差
併行分析の場合の許容差を,
表
JA.1
に示す。
表
JA.1
-
併行分析許容差
単位
%
(質量分率)
吸湿水含有率
併行許容差
0.10
以上
0.50
未満
0.02
0.50
以上
1.00
未満
0.04
1.00
以上
5.00
未満
0.10
5.00
以上
10.00
以下
0.20
参考文献
JIS K 0212
分析化学用語(光学部門)
JIS K 0213
分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0214
分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JIS K 0215
分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0216
分析化学用語(環境部門)
JIS Z 8402-3
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)-第
3
部:標準測定方法の中間
精度
ISO 4296-1
:1984
,
Manganese ores
-
Sampling
-
Part 1: Increment sampling
ISO 4296-2
:1983
,
Manganese ores
-
Sampling
-
Part 2: Preparation of samples
10
M 8203
:
2017
附属書
JB
(参考)
JIS
と対応国際規格との対比表
JIS M 8203
:2017
マンガン鉱石-分析方法通則
ISO 4297
:1978
,
Manganese ores and concentrates
-
Methods of chemical analysis
-
General instructions
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格と
の技術的差異の理由及
び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1
適用範囲
JIS
を記載
-
-
追加
-
この通則を適用するマ
ンガン鉱石の各成分の
定量方法の
JIS
を明確
にするため追加した。
2
引用規格
2
試料の湿分補正のための
ISO
310
湿分定量方法を引用
-
-
JA
として規定
3
用語及び定義
関連
JIS
を引用
-
-
追加
-
-
3.2
審判分析
-
-
追加
販売者と購買者との分析値が合わな
い場合の処置を記載した。
国内事情によって変更
した。
3.3
ゼロメンバー
-
-
追加
定量成分を添加しない検量線溶液を
定義した。
国内事情によって変更
した。
3.6
成分試験試料
-
-
追加
各定量成分を分析するために調製し
た試料を定義した。
国内事情によって変更
した。
3.8
室内再現条件
-
-
追加
ISO
規格は,併行条件だけである。
室内再現条件を定義した。
国内事情によって変更
した。
3.9
室内再現許容差
-
-
追加
ISO
規格は,併行条件だけである。
室内再現条件での許容差を定義した。
国内事情によって変更
した。
4
一般事項
4.1
d)
ふるい
-
-
追加
JIS Z 8801-1
を引用した。
-
4.1 e)
水
3.1.2
蒸留水又はイオン交換水を規
定。
変更
JIS K 0557
を引用した。
技術的に同等である。
-
10
M 82
03
:
201
7
11
M 8203
:
2017
(
I
)
JIS
の規定
(
II
)
国際
規格
番号
(
III
)国際規格の規定
(
IV
)
JIS
と国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(
V
)
JIS
と国際規格と
の技術的差異の理由及
び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5
成分試験試料
の採取,調製及
び取扱い
3.3
大気平衡試料又は乾燥試料を
使用することを記載。
変更
JIS M 8108
を引用した。保管方法を明
確にした。
技術的に同等である。
6
分析値のまと
め方
6.2
分析回数
3.4.1
室内再現条件で
2
回又は
3
回
変更
室内再現条件で
2
回
マンガン鉱石は天然物であるため,試
料内偏析を考慮して室内再現条件に
変更した。
ISO
に提案する。
7
許容差の取扱
い方
7.2
分析値の精確さの
検討
3.4.3
標準試料でのチェック分析方
法を記載。
変更
分析値の精確さの検討を変更。
技術的に同等であるが,
JIS
の方が取
扱いが明確である。
ISO
に提案する。
追加
併行精度及び再現精度を記載。
再現条件の方が有効である。
7.4
許容差の判定方法
-
-
追加
ISO
規格は,許容差の判定方法の記載
がないため,許容差の判定方法を追
加。
ISO
に提案する。
9
マンガン鉱石
分析方法規格群
の規格の様式
マンガン鉱石分野の規
格の様式の統一のため
記載した。
-
-
追加
マンガン鉱石分野の規格の様式の統
一に有効である。
-
-
-
3.6
報告事項
削除
報告書の記載事項を規定している。
-
JIS
と国際規格との対応の程度の全体評価:
ISO 4297
:1978
,
MOD
注記
1
箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
-
削除
················
国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
-
追加
················
国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
-
変更
················
国際規格の規定内容を変更している。
注記
2
JIS
と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
-
MOD
···············
国際規格を修正している。
11
M 82
03
:
201
7