2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
M 7615-1987
防爆用ベリリウム銅合金工具類
Nonsparking Beryllium Copper Alloy Tools
1. 適用範囲 この規格は,火花によって爆発を起こすおそれのある鉱山,工場,その他の事業場並びに
船舶,車両,航空機などで用いる防爆用ベリリウム銅合金工具類(以下,防爆用工具という。)について規
定する。
引用規格及び関連規格:24ページに示す。
備考1. 補修用として使用するスパナ及びめがねレンチについて,それぞれ附属書1及び附属書2に示
す。
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
規格値である。
2
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2. 種類 防爆用工具の種類は,表1による。
表1 種類
種類
参考
名称
口の数による
種類
口及び柄の角
度による種類
その他の特徴
による種類
関連規格
スパナ
片口
丸形
JIS B 4630
両口
たがね
−
片手ハンマ
JIS B 4613
大ハンマ
JIS A 8903
ドラムロ金レンチ
平板形
−
モンキレンチ
23度形
JIS B 4604
パイプレンチ
JIS B 4606
ねじ回し
普通形
JIS B 4609
めがねレンチ
片口
15度形
−
45度形
両口
15度形
JIS B 4632
45度形
プライヤ
JIS B 4614
ペンチ
JIS B 4623
両つるはし
JIS A 8901
3. 品質
3.1
外観 外観は,有害なきず,割れ,まくれ,曲がりなど使用上の欠点がなく,仕上げは良好でなけ
ればならない。
3.2
硬さ 硬さは,HRC35以上とする。ただし,パイプレンチ植え歯の硬さは,HRC40以上とする。
3.3
強さ 6.4に規定する方法で試験した後,各部は表2に示す品質を満足しなければならない。
表2 強さ
品名
各部の品質
スパナ
永久変形は二面幅の先端において呼び10〜18mmのものは0.15mm以
下,19〜46mmのものは0.2mm以下とし,試験棒に接触した二面幅の面
の箇所に著しいきずあとを残してはならない。
ドラム口金レンチ
口幅の最大変形量は0.5mm以下とし,試験用固定口金に接触した箇所に
著しいきずあとを残してはならない。
モンキレンチ
ウォームとラックのかみ合い及び下あごの動きは円滑であり,口幅の最
大変形量は0.5mm以下であること。
また,試験棒に接触した箇所の圧こんの深さは0.1mm以内であること。
パイプレンチ
試験棒に接触した箇所に著しいきずあとを残してはならない。
ねじ回し
先端に欠け,ねじれ及びその他各部に損傷があってはならない。
めがねレンチ
試験棒に接触した口幅の面の箇所に著しいきずあとを残してはならない。
プライヤ
荷重時における柄部最大幅
の変形及び永久ひずみは
各々許容値を満たすこと。
呼び寸法
荷重時の変形
永久ひずみ
150
2〜6mm
0.4mm以下
200
2〜8mm
0.5mm以下
ペンチ
荷重後の柄部最大幅における永久ひずみは2%以下であること。
3
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3.4
機能 各部の機能は,表3に示す品質を満足しなければならない。
表3 機能
品名
機能
モンキレンチ
(1) ウォームとラックのかみ合わせ
ウォームとラックのかみ合わせはすきまが少なく,その動きは円滑でなけれ
ばならない。
(2) 下あごの最大開きは次のとおりである。
(3) 下あごの遊び
下あごの動きは,円滑で上あごに対して平行を保ち,遊び(がた)は次によ
る。
また,遊びは図1に示すとおり縦及び左右の両方向について調べるものとす
る。
図1 下あごの遊びの方向
ねじ回し
本体と握り部の結合は,強固でなければならない。
プライヤ
結合部分及び刃部の接触面には,すきまが少なく,かつ本体の穴から穴への移動及
び開閉は,円滑でなければならない。
ペンチ
結合部分のすべり接触面には,すきまが少なく,開閉が円滑でなければならない。
3.5
切れ味 切れ味は,表26及び表27に規定する方法で試験したとき,試験用線材は規定値以下で切
断しなければならない。
4
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 形状及び寸法
4.1
片口スパナ 寸法は,表4による。形状の一例を図2に示す。
図2 片口スパナの形状(一例)
表4 片口スパナの寸法
単位 mm
呼び
二面幅S
外幅S1
厚さT
全長L
基準寸法
許容差
最大
最大
許容差±6%
10
10
+0.19
+0.04
26
6
110
13
13
+0.24
+0.04
33
7.5
135
16
16
+0.27
+0.05
40
9.5
160
18
18
+0.30
+0.05
44.5
10
170
21
21
+0.36
+0.06
52
11
200
24
24
58
11.5
220
30
30
+0.48
+0.08
70
13.5
270
36
36
+0.60
+0.10
82
15.5
320
46
46
105
19
400
4.2
両口スパナ 組合せ方及び寸法は表5による。形状の一例を図3に示す。
5
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図3 両口スパナの形状(一例)
表5 両口スパナの寸法
単位 mm
呼び
二面幅 S
外幅 S1
厚さT
全長L
小さい方
大きい方
小さい方 大きい方
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
最大
最大
最大
許容差
±6%
10×13
10
+0.19
+0.04
13
+0.24
+0.04
26
33
6.5
135
13×16
13
+0.24
+0.04
16
+0.27
+0.05
33
40
9.5
160
16×18
16
+0.27
+0.05
18
+0.30
+0.05
40
44.5
10
170
18×21
18
+0.30
+0.05
21
+0.36
+0.06
44.5
52
11
200
21×24
21
+0.36
+0.06
24
52
58
11.5
220
24×27
24
27
+0.48
+0.08
58
62
12.5
245
27×30
27
+0.48
+0.08
30
62
70
13.5
270
30×32
30
32
70
74
14
285
32×36
32
36
+0.60
+0.10
74
82
15.5
320
36×41
36
+0.60
+0.10
41
82
92
17
360
41×46
41
46
92
105
19
400
6
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
たがね 寸法は,表6による。形状の一例を図4に示す。
図4 たがねの形状(一例)
表6 たがねの寸法
単位 mm
呼び
全長
L1
先端の長さ
L2(約)
刃先の幅
C
刃先の厚さ
d(約)
対辺距離
e
20×200
200
50
20
3
19
27×200
200
70
27
4.5
25
27×250
250
70
27
4.5
25
4.4
片手ハンマ 寸法及び質量は,表7による。形状の一例を図5に示す。
図5 片手ハンマの形状(一例)
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表7 片手ハンマの寸法及び質量
単位 mm
呼び
φa
寸法
b
寸法
r1
最小
r2
寸法
L1
寸法
L2
寸法
C1
寸法
C2
寸法
C3
寸法
C4
寸法
質量
kg
許容差
4
1
16
22
100
8
62
34
15
10
14
9
0.11
%
82
+
−
2
1
21
27
9
80
44
20
14
19
13
0.23
4
3
25
32
11
93
50
25
18
23
16
0.34
1
26
35
13
100
55
28
20
23
16
0.45
2
1
1
30
40
16
118
65
30
22
27
20
0.67
2
34
45
18
130
72
32
24
28
20
0.91
3
44
48
20
148
80
34
26
30
22
1.36
4.5
大ハンマ 寸法及び質量は,表8による。形状の一例を図6に示す。
図6 大ハンマの形状(一例)
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表8 大ハンマの寸法及び質量
単位 mm
呼び
a
L
b1
b2
b3
b4
質量
kg
許容差
3
44
111
30
20
28
18
1.36
%
82
+−
4
48
118
30
20
28
18
1.82
5
51
128
33
23
31
21
2.27
6
53
138
34
27
32
25
2.72
8
59
152
34
27
32
25
3.63
10
62
166
34
27
32
25
4.53
12
67
173
34
27
32
25
5.45
15
71
190
34
27
32
25
6.80
4.6
ドラム口金レンチ 形状及び寸法の一例を図7に示す。
図7 ドラム口金レンチの形状・寸法(一例)
4.7
モンキレンチ 寸法は,表9による。形状は一例を図8に示す。
図8 モンキレンチの形状(一例)
9
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表9 モンキレンチの寸法
単位 mm
呼び
L(約) a1(最大) a2(最大) b(最大) d(最小)
100
110
35
12
16
8
150
160
48
14
20
10
200
210
60
16
24
12
250
260
73
18
28
14
300
310
86
20
32
16
375
390
105
25
40
19
4.8
パイプレンチ 寸法は,表10による。形状の一例を図9に示す。
図9 パイプレンチの形状(一例)
表10 パイプレンチの寸法
単位 mm
呼び(1)
上あご
本体
くわえられる
管の外径(2)
a
b
L1
L2
200
28
15
95
160
6〜20
250
32
17
115
200
6〜26
300
38
19
135
240
10〜32
350
44
21
155
285
13〜38
450
50
24
180
370
26〜52
600
58
28
215
495
38〜65
900
72
34
280
750
50〜95
注(1) 呼びは,くわえられる最大の管をくわえたときの全長を示す。
(2) くわえられる管の範囲は,一般に用いられている管の外径を示
したものである。
10
M 7615-1987
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4.9
ねじ回し 寸法は,表11による。形状の一例を図10に示す。
図10 ねじ回しの形状(一例)
表11 ねじ回しの寸法
単位 mm
呼び
本体
先端部
L(3)
d
4.02.0
+−
a±0.1
b
4.5× 50
50
5
0.6
4.5±0.2
4.5× 75
75
5
0.7
5.5±0.3
6 ×100
100
5.5
0.8
6 ±0.3
7 ×125
125
6
0.9
7 ±0.3
8 ×150
150
7
1
8 ±0.3
9 ×200
200
8
1.1
9 ±0.3
10 ×250
250
8
1.2
10 ±0.3
10 ×300
300
8
1.2
10 ±0.3
注(3) Lの寸法は,用途によって短くすることができる。
4.10 片口めがねレンチ 寸法は,表12による。形状の一例を図11に示す。
11
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図11 片口めがねレンチの形状(一例)
表12 片口めがねレンチ寸法
単位 mm
呼び
二面幅S
全長L
(約)
厚さT
(最大)
外経D
(最大)
基準寸法 許容差
10
10
+0.19
+0.04
160
9
17
13
13
+0.24
+0.04
190
11
22
16
16
+0.27
+0.05
230
13
27
18
18
+0.30
+0.05
250
14
30
21
21
+0.36
+0.06
280
16
36
24
24
305
18.5
40
30
30
+0.48
+0.08
370
21.5
50
36
36
+0.60
+0.10
430
26
61
46
46
480
28
78
4.11 両口めがねレンチ 寸法は,表13による。形状の一例を図12に示す。
12
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図12 両口めがねレンチの形状(一例)
表13 両口めがねレンチの寸法
単位 mm
呼び
二面幅S
全長
厚さT
外経D
S1
S2
L
T1
T2
D1
D2
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
(約)
(最大)
(最大)
10×13
10
+0.19
+0.04
13
+0.24
+0.04
180
9
11
17
22
13×16
13
+0.24
+0.04
16
+0.27
+0.05
210
11
13
22
27
16×18
16
+0.27
+0.05
18
+0.30
+0.05
240
13
14
27
30
18×21
18
+0.30
+0.05
21
+0.36
+0.06
265
14
16
30
36
21×24
21
+0.36
+0.06
24
290
16
18.5
36
40
24×27
24
27
+0.48
+0.08
320
18.5
20.5
40
45
27×30
27
+0.48
+0.08
30
340
20.5
21.5
45
50
30×32
30
32
360
21.5
22
50
53
32×36
32
36
+0.60
+0.10
400
22
26
53
60
36×41
36
+0.60
+0.10
41
430
26
21
60
68
41×46
41
46
460
21
28
68
77
4.12 プライヤ 寸法は,表14による。形状の一例を図13に示す。
13
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図13 プライヤの形状(一例)
表14 プライヤの寸法
単位 mm
寸法
A
(最小)
B
±3
C
(最大)
E
(最大)
切断することのでき
る線材の最大直径
許容差
呼び
150
150
42
11
45
3
200
200
47
12
50
4
4.13 ペンチ 寸法は,表15による。形状の一例を図14に示す。
図14 ペンチの形状(一例)
14
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表15 ペンチの寸法
単位 mm
寸法
a1
a2
b1
b2
d
L
許容差
±0.7
±0.7
(最大) (最大)
±4
呼び寸法
150
22
12.5
50
12
20
160
175
24
13.5
52
13
22
185
200
27
14.5
54
14
25
210
4.14 両つるはし 寸法及び質量は,表16による。形状の一例を図15に示す。
図15 両つるはしの形状と寸法(一例)
表16 つるはしの質量
単位 kg
種類
質量
許容差
両つるはし
3.25
+0.2
−0.1
5. 材料 材料は,ベリリウム銅合金とし,その化学成分及び非着火性は,次のとおりとする。
5.1
化学成分 6.1に規定する方法で試験し,次の成分を満足するものでなければならない。
Be
1.8〜3.0%
Co+Ni
0.2%以上
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Co+Ni+Fe
1.2%以下
Cu+Be+Co+Ni+Fe
99.0%以上
5.2
非着火性 6.2に規定する方法で試験し,着火しないものでなければならない。
6. 試験
6.1
分析試験 JIS H 1261(ベリリウム銅分析方法)又はJIS Z 2611(金属材料の光電測光法による発光
分光分析方法通則)に規定する方法によって試験する。
6.2
非着火性試験 JIS M 7002(防爆用ベリリウム銅合金製工具類の非着火性試験方法)に規定する方
法によって試験する。
6.3
硬さ試験 JIS Z 2245(ロックウェル硬さ試験方法)に規定する方法によって試験する。
6.4
強さ試験
6.4.1
スパナ 試験前に,なるべく先端に近い二面幅寸法を測定し,図16に示すように,口に六角試験
棒をくわえ,表17に示す曲げモーメントを約30秒間加え,試験後,同一と思われる箇所の二面幅寸法を
測定する。
なお,試験棒の二面幅の寸法は,Sの最小寸法に対して表18とし,硬さはHRC50以上とする。この時
試験棒の角は,スパナの口の底に触れてはならない。
図16 スパナの強さ試験方法
表17 スパナの強さ試験の荷重
呼び
10
13
16
18
21
24
27
30
32
36
41
46
曲げモーメント
21.6
45.1
82.4
110
161
226
294
378
431
559
745
745
N・m
{2.2}
{4.6}
{8.4}
{11.2} {16.4} {23.1} {30.0} {38.6} {44.0} {57.0} {76.0} {76.0}
{kgf・m}
表18 二面幅の寸法,許容差
単位 mm
寸法の区分
Sの最小寸法に
対する許容差
6を超え10以下
0
−0.040
10を超え18以下
0
−0.043
18を超え30以下
0
−0.052
30を超え50以下
0
−0.062
16
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.4.2
ドラム口金レンチ 図17に示すように,ドラム口金レンチの口部を試験用固定口金にセットし,
ドラム口金レンチの他の端に荷重を約30秒間加えて表19に示す曲げモーメントを与え,各部の異状の有
無及び口幅の最大変形量を調べる。これを図17に指定する各箇所について行う。
なお,試験用固定口金の硬さはHRC20〜30とし,その寸法は表20による。
図17 ドラム口金レンチの強さ試験方法
表19 ドラム口金レンチの強さ試験の条件
測定箇所
項目
1
2
3
4
曲げモーメント N・m
98
343
343
343
{kgf・m}
{10}
{35}
{35}
{35}
試験用固定口金の口幅 mm
9
27
38
71
備考 試験用固定口金の口幅の寸法許容差は,±0.5mmとす
る。
6.4.3
モンキレンチ 図18に示すように表20の試験棒をくわえ,モンキレンチの他の端に荷重を30秒
間加えて,表20に示す曲げモーメントを与え,各部の異状の有無及び口幅の最大変形量を測定する。
17
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図18 モンキレンチの強さ試験方法
表20 モンキレンチの強さ試験の条件
呼び
100
150
200
250
300
375
試験棒の二面幅 mm
10±0.3
17±0.3
21±0.3
26±0.5
32±0.5
41±0.5
曲げモーメント N・m {kgf・m}
29.4 {3}
49 {5}
98 {10} 196 {20} 294 {30} 490 {50}
備考 1. 試験棒の硬さは,HRC50〜60とする。
2. 試験棒の形は,四角又は六角のいずれでもよいが,モンキレンチの深さより大であり,
角には面取りを施したものが望ましい。
6.4.4
パイプレンチ 図19に示すように表21の試験棒をくわえ,パイプレンチの他の端に荷重を約1
分間加えて表21のモーメントを与え,各部の異状の有無を調べる。
図19 パイプレンチの強さ試験方法
表21 パイプレンチの強さ試験の条件
呼び
200
250
300
350
450
600
900
試験棒の直径 mm
16
20
25
30
40
52
75
曲げモーメント N・m {kgf・m} 147 {15}
265 {27}
373 {38}
490 {50}
736 {75} 1079 {110} 1765 {180}
備考 試験棒の硬さは,約HRB80とする。
6.4.5
ねじ回し ねじ回しの先端を表22に示す溝に入れ,握り部に表22のねじりモーメントを与えて損
傷の有無を調べる。
表22 ねじり強さ試験の条件
呼び
項目
4.5×50
5.5×75
6×100
7×125
8×150
9×200
10×250 10×300
先端のはまる
溝の寸法 mm
幅
15
.00
8.0
+
15
.00
0.1
+
2.00
2.1
+
2.00
2.1
+
2.00
6.1
+
2.00
6.1
+
2.00
8.1
+
2.00
8.1
+
深さ
1.5±0.1 1.5±0.1 2.5±0.15 2.5±0.15 3.5±0.15 3.5±0.15 3.5±0.15 3.5±0.15
ねじりモーメント
{kfg・m} N・m 20 {1.98} 40 {3.92} 45 {4.41} 55 {5.39} 65 {6.37} 75 {7.36} 85 {8.34} 85 {8.34}
備考 1. この試験に用いる試験棒の溝の部分の硬さは,HRC58以上とする。
2. ねじりモーメントは,ねじ回し先端の幅によって定める。
18
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.4.6
めがねレンチ 図20に示すように,これと適合する六角の試験棒をくわえ,めがねレンチの他の
端に荷重を加えて約30秒間に表23に示す曲げモーメントを与えたとき,ボルト頭又はナットにはまり合
う面に割れ又は著しい圧こんその他各部の異状の有無を調べる。ただし,試験棒は固定され,その二面幅
の寸法は二面幅Sの最小許容寸法に対し表18とし,硬さはHRC50以上とする。
図20 めがねレンチの強さ試験方法
表23 めがねレンチの強さ試験の荷重
呼び
10
13
16
18
21
24
27
30
32
36
41
46
曲げモーメント
39.2
82.4
151
192
267
329
412
520
588
785
981
981
N・m
{kgf・m}
{4}
{8.4}
{15.4} {19.6} {27.2} {33.5}
{41}
{52}
{60}
{80}
{100}
{100}
6.4.7
プライヤ 図21に示すように,くわえ部の先端から約2mmの点に直径3.2mmの鉄線を挟み,柄
部最大幅の位置に表24のモーメントを与え,荷重時における柄部最大幅の変形,永久ひずみ及び各部の異
常の有無を調べる。
図21 プライヤの強さ試験方法
19
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表24 プライヤの強さ試験の荷重
呼び寸法
モーメント N・m {kgf・m}
150
490 {48.05}
200
950 {93.16}
6.4.8
ペンチ 図22に示すように,くわえ部の先端から約2mmの点に直径3.2mmの鉄線を挟み,柄部
最大幅の位置に表25のモーメントを与えたとき,各部の異常の有無及び柄部最大幅の永久ひずみを調べる。
図22 ペンチの強さ試験方法
表25 ペンチの強さ試験の荷重
呼び寸法
モーメントN・m {kgf・m}
150
490 {48.05}
175
720 {70.60}
200
950 {93.16}
6.5
切れ味試験
6.5.1
プライヤ 刃部に表26の線材を挟み,柄部に荷重を加えて表26のモーメントを与え線材を切断す
る。
なお,この試験に用いる線材は,JIS H 3260(銅及び銅合金線)の 1/4 硬質 (C 2600 W- 1/4 H) を用いる
ものとする。
表26 プライヤの切れ味試験の条件
呼び
線材
モーメント
N・m {kgf・m}
径mm
許容差mm
150
2
±0.06
320 {31.38}
200
2.6
±0.08
600 {58.84}
6.5.2
ペンチ 刃部のほぼ中央に表27の線材を挟み,柄部に荷重を加えて線材を切断する。
なお,この試験に用いる線材は,JIS H 3260の 1/4 硬質 (C 2600 W- 1/4 H) を用いるものとする。
表27 ペンチの切れ味試験の条件
呼び
線材
線材をくわえる
点の荷重N {kgf}
径mm
許容差mm
150
2
±0.06
980 {100}
175
2.6
±0.08
1 961 {200}
200
3.2
±0.08
2 942 {300}
7. 検査
20
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.1
分析検査 成分は,製品又は製品と同一溶銅から採取した試料について,6.1に規定する方法で分析
し,5.1の規定を満足しなければならない。
7.2
非着火性検査 非着火性は,製品と同一成分の試料について6.2に規定する方法で検査し,5.2の規
定を満足しなければならない。ただし,この検査は,原則として同一成分の材料について1回行えばよい。
7.3
寸法検査 寸法は,直尺,ノギス,マイクロメータ又はゲージを用いて検査し,4.の規定を満足しな
ければならない。
7.4
外観検査 外観は,目視によって検査し,3.1の規定を満足しなければならない。
7.5
硬さ検査 硬さは,6.3に規定する方法で検査し,3.2の規定を満足しなければならない。
7.6
強さ検査 強さは,6.4に規定する方法で検査し,3.3の規定を満足しなければならない。
7.7
機能検査 機能検査は,表28による。
表28 機能検査
品名
機能
モンキレンチ
(1) 作動検査
作動は触感によって検査し,3.4の規定を満足しなければ
ならない。
(2) 下あごの遊び検査
下あごの縦の遊びは,ウォームを軽く指先で軸方向及び回
転方向に動かないように押さえ,下あごを図1に示すよう
に動かし,先端における動きの量を測定する。
また,下あごの左右の遊びは,下あごを図1に示すように
指先で左右に動かし,先端における動きの量を測定する。
この結果,3.4の規定を満足しなければならない。
ペンチ,プライヤ 適当な用具又は感触によって検査し,3.4の規定を満足しなけれ
ばならない。
7.8
切れ味検査 切れ味は6.5に規定する方法で検査し,3.5の規定を満足しなければならない。
8. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格番号又は規格名称,種類及び呼びによる。
例:JIS M 7615 モンキレンチ 200
9. 表示 適当な箇所に,次の事項を表示する。
(1) 呼び
(2) 製造業者名又はその略号
21
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1 スパナ(補修用)
1. 適用範囲 この附属書は,補修用として当分の間使用することができるスパナについて規定する。
なお,この附属書で規定する以外の事項は,本体による。
2. 種類・等級 種類及び等級は,本体表1による。
3. 形状・寸法
3.1
片口スパナ 片口スパナの形状は,原則として本体図2により,寸法は,附属書表1による。
附属書表1
単位 mm
呼び
二面幅S
外幅S1
厚さT
全長L
基準寸法
許容差
最大
最大
許容差±6%
10
10
+0.2
+0.05
26
6
110
11
11
+0.3
+0.1
29
6.5
120
12
12
30
7
125
13
13
33
7.5
135
14
14
35
8
140
17
17
41
9
165
19
19
+0.4
+0.15
46
9
180
22
22
53
10.5
205
24
24
58
11.5
220
27
27
62
12.5
245
30
30
70
13.5
270
32
32
+0.6
+0.2
74
14
285
36
36
82
15.5
320
41
41
92
17
360
46
46
105
19
400
備考 上記の呼び以外の寸法のものについては,当事者間の協定による。
3.2
両口スパナ 両口スパナの形状は,原則として本体図3により,組合せ方及び寸法は,附属書表2
による。
22
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書表2
単位 mm
呼び
二面幅S
外幅S1
厚さT 全長L
小さい方
大きい方
小さい方 大きい方
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
最大
最大
最大
許容差
±6%
10×11
10
+0.2
+0.05
11
+0.3
+0.1
26
29
6.5
125
10×12
10
12
26
30
7
130
10×14
10
14
26
35
8
140
11×13
11
+0.3
+0.1
13
29
33
7.5
135
12×14
12
14
30
35
7
140
13×17
13
17
33
41
9
165
14×17
14
17
35
41
9
165
17×19
17
19
+0.4
+0.15
41
46
9
180
19×22
19
+0.4
+0.15
22
46
53
10.5
205
22×24
22
24
53
58
11.5
220
24×27
24
27
58
62
12.5
245
27×30
27
30
62
70
13.5
270
30×32
30
32
+0.6
+0.2
70
74
14
285
32×36
32
+0.6
+0.2
36
74
82
15.5
320
36×41
36
41
82
92
17
360
41×46
41
46
92
105
19
400
4. 強さ 本体表17に対応する強さは,附属書表3による。
附属書表3
呼び
10
11
12
13
14
17
19
22
24
27
30
32
36
41
46
曲げモーメント 21.6
28.4
36.3
45.1
53.9
95.1
128
181
226
294
378
431
559
745
745
N・m
{kgf・m}
{2.2} {2.9} {3.7} {4.6} {5.5} {9.7} {13.2} {18.5} {23} {30} {38.5} {44} {57} {76} {76}
23
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2 めがねレンチ(補修用)
1. 適用範囲 この附属書は,補修用として当分の間使用することができるめがねレンチについて規定す
る。
なお,この附属書で規定する以外の事項は,本体による。
2. 種類・等級 種類及び等級は,本体表1による。
3. 形状・寸法
3.1
片口めがねレンチ 片口めがねレンチの形状は,原則として本体図11により,寸法は,附属書表4
による。
附属書表4
単位 mm
呼び
二面幅S
全長L
(約)
厚さT
(最大)
外径D
(最大)
基準寸法
許容差
10
10
+0.2
+0.05
160
9
18
11
11
+0.3
+0.1
170
9.5
19
12
12
185
10
20
13
13
190
11
21.5
14
14
200
12
23
17
17
230
13
28
19
19
+0.4
+0.15
250
14
31
22
22
280
16.5
35
24
24
305
18.5
39.5
27
27
340
20.5
44.5
30
30
370
21.5
49.5
32
32
+0.6
+0.2
395
22
52
36
36
430
36
62
41
41
430
27
70
備考 上記呼び以外の製品の寸法については,当事者間の協
定による。
3.2
両口めがねレンチ 両口めがねレンチの形状は,原則として本体図12により,組合せ方及び寸法は,
附属書表5による。
24
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書表5
単位 mm
呼び
二面幅S
全長
厚さT
外径D
S1
S2
L
T1
T2
D1
D2
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
(約)
(最大)
(最大)
10×11
10
+0.2
+0.05
11
+0.3
+0.1
180
9
9.5
18
19
10×12
10
12
180
9
10
18
20
11×13
11
+0.3
+0.1
13
180
9.5
11
19
21.5
12×14
12
14
200
10
12
20
23
14×17
14
17
220
12
13
23
28
17×19
17
19
+0.4
+0.15
245
13
14
28
31
19×22
19
+0.4
+0.15
22
255
14
16.5
31
35
22×24
22
24
280
16.5
18.5
35
39.5
24×27
24
27
310
18.5
20.5
39.5
44.5
27×30
27
30
330
20.5
21.5
44.5
49.5
30×32
30
32
+0.6
+0.2
360
21.5
22
49.5
52
32×36
32
+0.6
+0.2
36
375
22
26
52
62
36×41
36
41
385
26
27
62
70
備考 上記呼び以外の製品の寸法については,当事者間の協定による。
4. 強さ 本体表23に対応する強さは,附属書表6による。
附属書表6
呼び
10
11
12
13
14
17
19
22
24
27
30
32
36
41
曲げモーメント
N・m
{kgf・m}
39.2
{4}
54.9
{5.6}
68.6
{7}
82.4
{8.4}
108
{11}
177
{18}
216
{22}
294
{30}
329
{33.5}
412
{42}
520
{53}
588
{60}
785
{80}
981
{100}
引用規格:
JIS H 1261 ベリリウム銅分析方法
JIS H 3260 銅及び銅合金線
JIS M 7002 防爆用ベリリウム銅合金製工具類の非着火性試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
JIS Z 2611 金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則
関連規格:JIS A 8901 つるはし
JIS A 8903 両口及び片口ハンマ
JIS B 4604 モンキレンチ
JIS B 4606 パイプレンチ
JIS B 4609 ねじ回し
JIS B 4613 片手ハンマ
JIS B 4614 プライヤ
JIS B 4623 ペンチ
JIS B 4630 スパナ
JIS B 4632 めがねレンチ
25
M 7615-1987
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
資源エネルギー部会 鉱山安全用具専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
房 村 信 夫
早稲田大学
網 本 汀 司
財団法人 日本船舶標準協会
池 田 慎 治
鉱業労働災害防止協会
加 藤 正 夫
石油連盟
木 崎 宏
日本石炭協会
北 山 宏 幸
労働省労働基準局
笹 谷 勇
工業技術院標準部
志 賀 四 郎
社団法人 日本保安用品協会
左右田 礼 典
労働省産業医学総合研究所
千 葉 民 治
昭和スパナ製造株式会社
西 田 精 利
日本ガイシ株式会社
西 村 光 一
財団法人 石炭技術研究所
廣 田 卓 司
三木ネツレン株式会社
二 木 久 之
日本鋼管株式会社
山 尾 信一郎
工業技術院公害資源研究所
山 口 太 郎
全国作業工具工業組合
吉 田 貢
三井液化ガス株式会社
(事務局)
西 本 光 徳
工業技術院標準部材料規格課