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M 7601 : 2001 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS M 7601 : 1993は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,前回改正以来の技術進歩及び使用環境の変化を考慮して改正を行った。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

M 7601 : 2001 

圧縮酸素形循環式呼吸器 

Compressed oxygen closed circuit self- 

contained breathing apparatus 

1. 適用範囲 この規格は,鉱山,工場などの事業場,船舶,火災現場,ずい道などにおいて,酸素欠乏

空気,粉じん,ガス,蒸気などを吸入することによって,人体に障害を引き起こすおそれがあるときに使

用する圧縮酸素形循環式呼吸器(以下,呼吸器という。)について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1602 熱電対 

JIS T 8001 呼吸用保護具用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 8001によるほか,次による。 

a) 陰圧形 吸気の全期間又は一部の期間中,面体内圧力が陰圧になる呼吸器。 

b) 陽圧形 吸気,呼気の全期間中,面体内圧力が陽圧になる呼吸器。 

c) デマンド補給弁 呼吸器の構成部品で,着用者の呼吸による呼吸回路内の圧力変化,内容積変化など

で作動して酸素を呼吸回路内に補給する弁。 

d) 定量−デマンド併用式 高圧酸素容器から酸素を減圧弁,オリフィスなどを通し,連続して補給する

定量補給のほかに,デマンド補給弁を備えた方式。 

e) デマンド式 デマンド補給弁によって,人体の酸素消費量に見合った酸素を間欠的に補給する方式。 

f) 

試験圧力 高圧部分の気密性,酸素補給量の試験などの場合に高圧部分に加える試験圧力で,次の式

による圧力。 

Pt= (0.95±0.05) P 

ここに, Pt: 試験圧力 (MPa) 
 

P:  308K (35℃) における最高充てん圧力 (MPa)  

ただし,試験においては,5%の誤差を許容する。 

g) 警報設定圧力 警報器が始動する圧力。 

h) 公称定量酸素補給量 標準試験圧力を加えたときの定量酸素補給量。 

備考 標準試験圧力は,次の式によって算出する。

(

)

2

05

.0

1

P

PS

±

ここに, Ps: 標準試験圧力 (MPa)  
 

P:  308K (35℃) における最高充てん圧力 (MPa)  

M 7601 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

i) 

公称使用時間 次の式で与えられる時間の範囲で,製造業者が示す時間。 

1) 定量−デマンド併用式の場合 

V

N

T

9.0

×

ここに, 

T: 公称使用時間 (min) 

N: 高圧酸素容器内に貯蔵している酸素の全容量 (L)  

V: 公称定量酸素補給量 (L/min)  

2) デマンド式の場合 

V

N

T≦

ここに, 

V: 1.6 (L/min) 

4. 種類 

a) 呼吸器の種類は,陰圧形及び陽圧形の2種類とする。 

b) 酸素の補給方式は,定量−デマンド併用式及びデマンド式の2方式とする。 

5. 性能 

5.1 

一般性能 

5.1.1 

気密性 呼吸器の気密性は,次による。 

a) 高圧部分[高圧酸素容器,そく(塞)止弁,減圧弁,圧力指示計,警報器などの高圧部分及び各高圧

連結部]は,8.1.1 a)によって試験したとき,漏気があってはならない。 

b) 中圧部分(減圧弁,デマンド補給弁,中圧安全弁などの中圧部分及び各中圧連結部)は,8.1.1 b)によ

って試験したとき,漏気があってはならない。 

c) 低圧部分(呼吸管,呼吸弁室,清浄缶,呼吸袋などの低圧部分及び各低圧連結部)は,8.1.1 c)によっ

て試験したとき,圧力低下が135Pa以下でなければならない。 

d) 面体の気密は,8.1.1 d)によって試験したとき,漏気があってはならない。 

5.1.2 

吸気 呼吸器の吸気は,次の規定に適合しなければならない。 

a) 二酸化炭素濃度 二酸化炭素濃度は,8.1.2 a)によって試験したとき,公称使用時間中は2.5%以下,公

称使用時間を超え試験終了までは3.0%以下でなければならない。 

b) 温度 8.1.2 b)によって試験したとき,試験終了まで,呼気温度からの温度上昇は,6℃以下でなけれ

ばならない。 

5.1.3 

呼吸抵抗 8.1.3によって試験したとき,試験終了まで呼吸抵抗ピーク値は,陰圧形は−500〜+

750Pa,陽圧形は0〜+750Paとする。 

5.1.4 

耐熱性 耐熱性は,高圧酸素容器及びそく止弁を除いた呼吸器を8.1.4によって試験したとき,各

部に粘着,き裂などの異常があってはならない。 

5.1.5 

耐寒性 耐寒性は,高圧酸素容器及びそく止弁を除いた呼吸器を8.1.5によって試験したとき,各

部にき裂などの異常があってはならない。 

5.2 

各部の性能 

5.2.1 

酸素補給量 酸素補給量は,次による。 

a) 定量酸素補給量 定量−デマンド併用式の定量酸素補給量は,8.2.1 a)によって試験したとき,1.5L/min

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M 7601 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

以上とする。 

b) デマンド補給弁の酸素補給量 デマンド補給弁の酸素補給量は,8.2.1 b)によって試験したとき,表1

による。 

表1 デマンド補給弁の酸素補給量及び作動開始圧力 

酸素補給方式 

デマンド弁の構造 

酸素補給量 

L/min 

作動開始圧力 

Pa 

定量−デマンド併用式 

− 

30 

以上 

−500〜 +750 

デマンド式 

1段方式 

2.5 

以上 

−250〜 

2段方式 

第1段 

2.5 

以上 

−250〜 

第2段 

30 

以上 

−250〜 

5.2.2 

各部の作動性 各部の作動性は,次による。 

a) デマンド補給弁 作動開始圧力は,8.2.2 a)によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

b) 自動排気弁 作動開始圧力は,8.2.2 b)によって試験したとき,50〜750Paでなければならない。 

c) 警報器 着用者に酸素残量が少なくなったことを知らせる警報器については,8.2.2 c)によって試験し

たとき,警報設定圧力の100%以上150%以下の圧力で作動しなければならない。 

d) バイパス弁 酸素の放出量は,8.2.2 d)によって試験したとき,いずれの場合も60L/min以上とする。 

6. 構造 

6.1 

構造一般 呼吸器は,高圧酸素容器,減圧弁,デマンド補給弁,呼気管,吸気管,呼吸袋,清浄缶,

面体等などから成る。吸気は,呼吸袋から,吸気管,吸気弁などを通って面体等に流入し,呼気は,面体

等から呼気管,呼気弁などを通って,清浄缶に入り,ここで二酸化炭素を吸収して呼吸袋に戻り,ここに

たまったものを,再び吸気として使用するという呼吸循環回路をもつ。呼吸による酸素の消費分は,高圧

酸素容器から減圧弁,デマンド補給弁などを通して,呼吸循環回路中に減圧放出する酸素によって補給す

る。 

以上の構造をもつものであって,次の規定を満足しなければならない(付図1参照)。 

a) 丈夫で使いやすく,軽量であって,長時間の使用に耐え,かつ,故障しないようなもの。 

b) 結合部分は,結合が確実で,漏気のおそれがあってはならない。 

c) 取扱いの際の衝撃に対し,使用上性能に支障があってはならない。 

d) 着用者の呼吸を圧迫しないよう,過剰な呼気又は吸気を排出する自動排気弁を備えなければならない。 

e) 着用者に高圧酸素容器内の酸素圧力が容易に分かる位置に,圧力指示計を備えなければならない。 

f) 

呼吸袋などを,きょう(筺)体で保護しなければならない。 

g) 吸気中の酸素濃度は,19.5%以上とする。 

6.2 

各部の構造 取扱いが簡単で,容易に破損せず,着用したとき異常な圧迫がなく,次の規定を満足

しなければならない。 

a) 面体等 全面形面体とマウスピース形の2種類とし,いずれも着用が簡単で,しめひもは十分な弾力

と強さをもち,調節可能で,次の事項を満足しなければならない。 

1) 全面形面体は,顔面を覆うもので漏気しない構造であり,アイピースは,透明で使用上支障となる

影像のゆがみがなく,かつ,曇りを防止する構造であって,8.3.1に規定する方法によって試験した

とき,気密不良を生じてはならない。 

2) マウスピース形は,マウスピースをくちびる(唇)と歯ぐきの間に挿入した後,くちびるを固く結

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

び,かつ,ノーズクリップで鼻孔を挟むことによって,口及び鼻から漏気しない構造でなければな

らない。 

ノーズクリップは,未着用防止のため,ひも,弾性体などを介してマウスピースと結合していて,

弾力性が適切であって,鼻孔から吸気が入ることなく,激動によって外れることなく,かつ,着用

によって著しい苦痛を与えてはならない。 

3) しめひもの伸び率は,8.3.2に規定する方法によって試験したとき,表2による。 

4) しめひも及び取付部の強さは,8.3.3に規定する方法によって試験したとき,表2による。 

表2 しめひもの伸び率並びにしめひも及び取付部の強さ 

項目 

全面形面体 

マウスピース形 

しめひもの伸び率 % 

 50以下 

100以下 

しめひも及び取付部の強さ N 

100以上 

 50以上 

b) 呼気管及び吸気管 

1) 着用状態において,通常の動作を行ったとき動作を妨げず,通気に支障があってはならない。 

2) 着用者の首部の動作が,自由にできる長さをもたなければならない。 

c) 手動排気弁 水滴だめなどに手動排気弁を備えるものは,次による。 

1) 作動は鋭敏,確実で,かつ,操作が容易でなければならない。 

2) 作動中に呼吸しても外気が侵入しないように前後の圧力が平衡している場合にも閉鎖状態を保つ逆

止弁を備えなければならない。 

d) 呼気弁及び吸気弁 

1) 外力によるひずみ又は損傷が生じないように保護されていなければならない。 

2) 微弱な呼吸に対して,確実,鋭敏に作動しなければならない。 

e) 減圧弁及びデマンド補給弁 

1) 外力による損傷から保護されなければならない。 

2) 使用圧力に対して十分な耐圧度をもち,外部からの衝撃に対して狂いの少ないものでなければなら

ない。 

3) デマンド形の場合,デマンド補給弁の位置が上流側にあるときは,中圧安全弁を備えていなければ

ならない。 

f) 

圧力指示計 

1) 圧力指示計は,高圧酸素容器の最高充てん圧力が表示されているか,高圧酸素容器の充てん圧力に

よって使用時間を表示又は判断できる機能を備えなければならない。 

2) 酸素残量が少なくなったことを知らせる警報器を備えたものは,圧力指示計に警報器の設定圧力が

表示されているか,又は確認できる機能を備えていなければならない。 

g) 高圧酸素容器及びそく止弁 “高圧ガス保安法 容器保安規則”による。 

h) 呼吸袋 

1) 外力による損傷から保護されていなければならない。 

2) 呼吸圧力に応じて鋭敏に作動する柔軟性をもっていなければならない。 

3) 呼吸器に装着した状態で呼吸に支障のない内容量でなければならない。 

i) 

清浄缶 

1) 外部からの衝撃,振動に対して,通気の短絡及び著しい通気抵抗の上昇がなく,二酸化炭素の吸収

能力の低下が少ないものでなければならない。 

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2) 清浄缶に充てんした清浄剤(二酸化炭素吸収剤)は,保存中,外気に触れないように処置していな

ければならない。 

3) 清浄缶又は清浄缶に充てんする清浄剤は,交換が容易にできなければならない。 

j) 

自動排気弁 

1) 外力による損傷から保護されていなければならない。 

2) 着用者の呼吸を圧迫することがないように作動しなければならない。 

k) 警報器 警報器を備えたものにあっては,高圧酸素容器が空の場合又はそく止弁が閉じている場合に

着用者に知らせるもの,若しくは酸素残量が少なくなったことを着用者に知らせるものでなければな

らない。 

l) 

バイパス弁 減圧弁,デマンド補給弁とは独立して容易に酸素を呼吸循環回路内に補給できなければ

ならない。 

m) ハーネス 呼吸器着用時に活動しやすく,かつ,堅ろうであって,着用者の体格に応じて調節できな

ければならない。 

7. 材料 呼吸器の各部に使用する材料は,次による。 

a) 材料は,耐食性のあるもの,又は耐食処理を施したものでなければならない。 

b) 皮膚に接触する部分に使用する材料は,皮膚に有害な影響を与えないものであり,かつ,消毒できる

ものでなければならない。 

8. 試験 

8.1 

一般性能試験 

8.1.1 

気密試験 気密試験は,次による。 

a) 高圧部分 高圧部分に試験圧力及び2.94±0.15MPaの酸素圧力を加え,各部からの漏気の有無を調べ

る。 

b) 中圧部分 a)のとき,中圧部分の各部からの漏気の有無を調べる。 

c) 低圧部分 面体等を除いた低圧部分の開口部(警報器,自動排気弁などを含む。)及びそく止弁連結部

を密そく具でふさいで空気圧力を加え,内圧が800±40Paに安定してから3分間放置後の圧力を測定

する。 

d) 面体 呼気管及び吸気管連結部を密そく具でふさいで試験用人頭に装着し,その内部にアンモニア含

有空気を送って,1±0.05kPaの内部圧力を加え,全体にフェノールフタレインアルコール溶液でぬら

した布を掛け,紅変の有無によって漏気の有無を調べる。ただし,面体と試験用人頭との接顔部を除

く。 

8.1.2 

吸気試験 吸気試験は,次による。 

a) 二酸化炭素濃度試験 呼吸器の高圧酸素容器に試験圧力の酸素を充てんしたうえで,雰囲気温度23±

2℃の場所において呼吸器を約80°に立てて付図2に示す呼吸模擬装置に取り付ける。呼吸器を作動

状態にした後,次に示す運転条件に設定した呼吸模擬装置で試験を行い,公称使用時間を超えて,高

圧酸素容器からの酸素供給が停止するまで,吸気中の二酸化炭素濃度を連続的に測定する。 

なお,呼吸回路を閉鎖し,呼吸抵抗の増大によって高圧酸素容器の圧力低下を知らせる警報器をも

つもので,警報器の作動を解除できるものは,作動を解除後,供給が停止するまで二酸化炭素濃度を

測定する。警報器の作動を解除できないものは,警報器が作動した時点で試験を終えるものとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 呼吸量 呼吸量は,40L/min[ (1.67±0.1) L/回× (24±1) 回/min]の正弦波流とする。 

2) 呼気条件 呼気条件は,表3による。 

表3 呼気条件 

呼気温度(1) 

℃ 

相対湿度 

二酸化炭素濃度(2) 

試験前 

37±1 

95以上 

4±0.2 

試験中 

37±3 

− 

注(1) 呼気温度は,付図2又は付図3に示す位置で,吸気温度の測定に使

用するものと同種の熱電対温度計で試験時間中連続して測定す
る。 

(2) 試験前に大気圧の空気を試験装置の吸気として吸入したときに呼

気中の二酸化炭素濃度を表3の値に調整し,そのときの二酸化炭
素供給量を試験時間中継続して供給する。 

b) 吸気温度試験 a)の試験中,付図2又は付図3に示す位置で測温接点露出形熱電対(線径が0.2mmで

構成材料は,JIS C 1602に規定する記号Kのもの。)を使用する温度計を用いて吸気温度を連続的に

測定する。 

8.1.3 

呼吸抵抗試験 呼吸抵抗試験は,8.1.2と同時に行い,呼吸器の面体等相当部と外気との圧力差を

精密微差圧計(3)を用いて,呼気抵抗ピーク値及び吸気抵抗ピーク値を連続測定する。 

注(3) 記録計を含め,95%応答0.4秒以下のもの。 

8.1.4 

耐熱性試験 高圧酸素容器及びそく止弁を除いた呼吸器を温度70±2℃の恒温槽中につるし,6時

間加熱後取り出し,各部の粘着,き裂などの異常の有無を調べる。 

8.1.5 

耐寒性試験 高圧酸素容器及びそく止弁を除いた呼吸器を温度−20±2℃の恒温槽中につるし,3

時間放置後取り出し,各部のき裂などの異常の有無を調べる。 

8.2 

各部の性能試験 

8.2.1 

酸素補給量試験 酸素補給量試験は,次による。 

a) 定量酸素補給量試験 高圧部分に試験圧力及び2.94±0.15MPaの高圧酸素を導入し,定量酸素補給量

を測定する。 

b) デマンド補給弁の酸素補給量試験 高圧部分に試験圧力及び2.94±0.15MPaの高圧酸素を導入し,連

続放出したときの最大酸素補給量を測定する。 

8.2.2 

作動性試験 各部の作動性試験は,次による。 

a) デマンド補給弁 呼吸器を80°に立て作動状態にした後,面体等連結部から器内の空気を吸引し,デ

マンド補給弁の作動開始圧力を測定する。 

b) 自動排気弁 呼吸器を80°に立て,2.5±0.2L/minの酸素又は空気を器内に導入加圧し,自動排気弁の

作動開始圧力を測定する。 

c) 警報器 高圧部分に警報設定圧力の200%以上の酸素圧力を加えた後,酸素圧力を徐々に低下させ,

警報開始時の圧力を測定する。 

d) バイパス弁 高圧部分に試験圧力及び2.94MPaの酸素圧力を加えた後,バイパス弁を操作して,酸素

の放出量を測定する。 

8.3 

面体等の構造試験 

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8.3.1 

アイピース部衝撃試験 アイピースを面体に取り付けたままの状態で−10±2℃及び40±2℃の恒

温槽にそれぞれ30分間ずつ5回交互に入れた後,試験用人頭などに装着し,アイピースの中央部を水平状

態に保ち,直径22mm,質量約45gの鋼球を1.3mの高さからアイピースの中央表面に自由落下させた後,

アイピース部の損傷などによる気密不良が生じたかどうかを8.1.1 d)によって調べる。 

この場合,鋼球は自然に落下できるパイプ(鋼球の直径の約2倍程度の内径をもつもの。)の中を落下さ

せてもよい。 

8.3.2 

しめひもの伸び率試験 標線間の長さが,1cm以上のしめひも(伸縮部分に限る。)の試験片を用

意し,0.98±0.05N,次いで,9.8±0.5Nの荷重をかけたときのそれぞれの標線間の長さを測定し,次の式

によって伸び率を算出する。 

100

2

2

1

×

l

l

l

e

ここに, e: 伸び率 (%) 

l1:  9.8±0.5Nの荷重をかけたときの標線間の長さ (cm)  

l2:  0.98±0.05Nの荷重をかけたときの標線間の長さ (cm)  

8.3.3 

しめひも及び取付部の強さ試験 面体等(適当な一部でもよい。)及びしめひもの端末(取付部と

反対側の1か所)を両端としたものを引張試験機に取り付け,20±1cm/minの速さで引っ張り,しめひも

又は取付部が破断したときの荷重を測定する。 

9. 検査 検査は,通常製造ロットごとの抜取検査によるものとし,8.によって試験をしたとき,5.及び

6. に適合しなければならない。 

10. 表示 

10.1 呼吸器 呼吸器には,見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。 

a) 名称及び種類 

b) 公称使用時間 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 製造年月又はその略号 

10.2 清浄缶(清浄剤)又はその包装 清浄缶又はその包装には,次の事項を表示しなければならない。 

a) 使用する呼吸器の名称及び種類 

b) 公称使用時間 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 有効期限 

例 ○○年○○月まで有効 

11. 取扱説明書 呼吸器には,次の事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。 

a) 使用上の注意事項 

b) 使用方法(着脱方法,緊急時の対応方法など) 

c) 警報設定圧力 

d) 公称使用時間 

e) 使用前後の点検,整備及び格納方法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

面体等の消毒方法 

g) 清浄剤の取扱方法 

h) 高圧酸素容器の取扱方法 

付図1 呼吸器系統図(一例) 

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付図2 吸気試験装置及び呼吸抵抗試験装置の概念図(一例) 

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10 

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付図3 マウスピース用コネクタ(一例) 

JIS 原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

房 村 信 雄 

早稲田大学名誉教授 

南 本 禎 亮 

労働省労働基準局安全衛生部 

○ 吉 田 博 行 

労働省労働基準局安全衛生部 

○ 西 出 徹 雄 

通商産業省工業技術院標準部 

○ 黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会技術部 

亀 井 隆 徳 

通商産業省環境立地局 

○ 三 上 圭 二 

社団法人日本保安用品協会 

○ 高 橋 正 好 

工業技術院資源環境技術総合研究所安全工学部 

○ 田 中   茂 

北里大学衛生学部 

島 崎 勝 人 

日本石炭協会技術部 

○ 小 川 勝 教 

建設業労働災害防止協会技術管理部 

木 崎   宏 

鉱業労働災害防止協会 

○ 重 松 開三郎 

株式会社重松製作所 

○ 松 村 不二夫 

ミドリ安全株式会社 

○ 森   正 晴 

川重防災工業株式会社技術総括部 

○ 西 川 博 明 

コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドシ

ステム機器事業部 

○ 竹 中 博 一 

エムエスエイジャパン株式会社 

○ 笹 子 純 一 

日本ドレーゲル株式会社安全機器部 

○ 肥 山 智 彦 

日本呼吸用保護具工業会 

(事務局) 

○ 秋 山 宣 暉 

社団法人日本保安用品協会 

備考 ○印は,小委員会委員を兼ねる。