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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

M 2506-1992 

ロックボルト及びその構成部品 

Rock bolt and its equipment parts 

1. 適用範囲 この規格は,坑道,トンネル,地下空洞,切取斜面の岩盤支保などに用いるロックボルト

(以下,ロックボルトという。)及びその構成部品について規定する。 

備考1. ロックボルトは,緊定部及びねじ部を含む。ただし,緊定方式及び緊定形式は,この規格で

は特に規定しない。 

2. 構成部品は,プレート,ナット及びカプラとする。 

3. 熱間圧延によって表面にねじふしを形成し,専用ナットを用い,そのままロックボルトとし

て使用できるねじふし棒鋼については,ねじ部に関する規定(2.3, 3.1, 4.1, 4.3及び5.)を除

き,この規格を準用することができる。 

4. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0205 メートル並目ねじ 

JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差 

JIS B 1001 ボルト穴径及びざぐり径 

JIS B 1052 鋼製ナットの機械的性質 

JIS B 1181 六角ナット 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼 

JIS G 3123 みがき棒鋼 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

5. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値である。 

2. 種類 

2.1 

ロックボルトの種類 ロックボルトの種類は,形状によって,次の4種類とする。 

(1) 磨き棒鋼ロックボルト 

(2) 異形棒鋼ロックボルト(1) 

(3) ねじり棒鋼ロックボルト 

(4) 中空棒鋼ロックボルト 

注(1) 異形棒鋼ロックボルトは,ねじふし棒鋼ロックボルトを含む。 

2.2 

プレートの種類 プレートの種類は,形状によって,次の2種類とする。 

(1) 平角プレート 

(2) 球面プレート(2) 

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M 2506-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(2) 球面プレートは,球面プレート本体と座金とからなる。 

2.3 

ナットの種類 ナットの種類は,JIS B 1181の附属書(ISO 4032〜4036によらない六角ナット)に

規定する六角ナットの形状の区別によって,1種,2種及び4種の3種類とする。 

3. 機械的性質 

3.1 

ロックボルトの機械的性質 ロックボルトの機械的性質は,7.1に規定するロックボルトのねじ部引

張荷重試験方法によって試験したとき,表1のねじ部の最小引張荷重以下で破断してはならない。 

表1 ロックボルトの機械的性質 

単位 kN {tf} 

機械的性質の項目 

ロックボルトの種類 

ロックボルト(ねじ部)の呼び径 

M18 

M22 

M24 

M27 

ねじ部の最小引張荷重 

磨き棒鋼ロックボルト 

86 

{8.8} 

136 

{13.9} 

158 

{16.2} 

206 

{21.1} 

異形棒鋼ロックボルト 

− 

148 

{15.1} 

172 

{17.6} 

224 

{22.9} 

ねじり棒鋼ロックボルト 

− 

207 

{21.2} 

244 

{24.7} 

− 

中空棒鋼ロックボルト 

− 

− 

205 

{21.0} 

− 

3.2 

プレートの機械的性質 プレートの機械的性質は,7.2に規定するプレートの破断荷重試験方法によ

って試験したとき,そのプレートに組み合わせるロックボルトの最小破断荷重以下で破断してはならない。 

3.3 

ナットの機械的性質 ナットの機械的性質は,ロックボルトの破断荷重以上でなければならない。 

3.4 

カプラの機械的性質 カプラの機械的性質は,その破断荷重がロックボルトの破断荷重以上でなけ

ればならない。 

4. 形状・寸法 

4.1 

ロックボルトの形状・寸法 ロックボルトの形状・寸法は,表2による。 

表2 ロックボルトの形状・寸法 

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単位 mm 

ロックボルト 
(ねじ部)の 

呼び径 

1 500 

2 000 

2 500 

3 000 

3 500 

4 000 

4 500 

5 000 

6 000 

M18 

○ 

○ 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

M22 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

M24 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

M27 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

4.2 

プレートの形状・寸法 プレートの形状・寸法は,次による。 

(1) 平角プレート 平角プレートの形状・寸法は,表3に示すd1, l, tの組合せとする。 

表3 平角プレートの形状・寸法 

単位 mm 

平角プレートの呼び 

d1 

M18用 

ねじ外径+最大2 

150 

6.0 

M22用 

ねじ外径+最大2 

200 

9.0 

M24用 

ねじ外径+最大2 

12.0 

M27用 

ねじ外径+最大2 

(2) 球面プレート 球面プレート本体及び座金の形状・寸法は,表4に示すd1, d2, d3, h1, h2, l及びtの組合

せとする。 

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表4 球面プレートの形状・寸法 

単位 mm 

球面プレートの呼び 

d1 

d2 

d3 

h1 

h2 

M18用 

ねじ外径+最大2 

42±3 

50 

40 

20以上 

150 

6.0 

M22用 

ねじ外径+最大2 

50 

200 

9.0 

M24用 

ねじ外径+最大2 

備考 球面プレートは,呼び径M27のロックボルトには使用しない。 

4.3 

ナットの形状・寸法 ナットの形状・寸法は,JIS B 1181の附属書の5.(形状・寸法)に規定する

ねじの呼び並目M18,M22,M24及びM27の形状・寸法とする。 

5. ねじ ロックボルト及びナットのねじの種類は,JIS B 0205に規定するM18,M22,M24及びM27

とし,ねじの許容限界寸法及び公差は,JIS B 0209の附属書1(M1〜M68の1級,2級及び3級に対する

許容限界寸法及び公差)に規定する3級以上とする。ただし,ロックボルトのねじは転造ねじとする。 

6. 材料 ロックボルト及びその構成部品の材料は,表5による。 

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表5 ロックボルト及びその構成部品の材料 

ロックボルト及びその構成部品 

材料 

ロック 
ボルト 

磨き棒鋼ロックボルト 

JIS G 3123のSGD 400-D同等以上 

異形棒鋼ロックボルト 

JIS G 3112のSD 345同等以上 

ねじり棒鋼ロックボルト JIS G 3112のSD 345相当品以上の材料を冷間加工して,降伏点又は耐力510MPa 

{52kgf/mm2},引張強さ686MPa {70kgf/mm2} 以上にしたもの 

中空棒鋼ロックボルト 

JIS G 4051のS 43 C同等以上 

プレート 

JIS G 3101のSS 400同等以上 

ナット 

JIS G 3101のSS 400同等以上 

7. 試験方法 

7.1 

ロックボルトのねじ部引張荷重試験方法 ロックボルトのねじ部の引張荷重試験方法は,図1のよ

うにおねじ部品の頭部に完全ねじ部が1d程度(dはねじの呼び径)残るように,ナット又は適切なジグを

はめ合わせた後,軸方向に引張荷重を表1の荷重を超えるまで徐々に加え,ロックボルトの破壊の状態を

調べる。 

なお,ねじ山がくずれて抜けた場合は,ナット又はジグのねじ精度を高めるか,又ははめあい長さを増

して再試験する。 

図1 

7.2 

プレートの破断荷重試験方法 プレートの破断荷重試験方法は,平角プレートの場合は図2のよう

に,また,球面プレートの場合は図3のように,穴径が使用するナットの最大外径+20mmの受台に,プ

レート,ロックボルト及びナットを組み合わせた後,軸方向の引張荷重を,そのプレートと組み合わせる

ロックボルトの最小破断荷重を超えるまで,徐々に加え,プレートの破壊の状態を調べる。 

なお,ロックボルト及びナットは所定の形状・寸法であれば,これらに替わる専用のジグを用いてもよ

い。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 平角プレートの破断荷重試験方法 

図3 球面プレートの破断荷重試験方法 

7.3 

ナットの試験方法 ナットの試験方法は,JIS B 1052による。 

8. 検査 

8.1 

ロックボルトの検査 ロックボルトは,7.1の規定によって試験を行ったとき,3.1の規定に適合し

なければならない。 

なお,抜取検査の方式は,受渡当事者間の協定による。 

8.2 

プレートの検査 プレートは,7.2の規定によって試験を行ったとき,3.2の規定に適合しなければ

ならない。 

なお,抜取検査の方式は,受渡当事者間の協定による。 

M 2506-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 製品の呼び方 

9.1 

ロックボルトの呼び方 ロックボルトの呼び方は,ロックボルトの種類及びロックボルト(ねじ部)

の呼び径×長さによる。 

例 異形棒鋼ロックボルト 

M24×3 000 

ねじふし棒鋼ロックボルト 

D25×3 000 

中空棒鋼ロックボルト 

M24×2 000 

9.2 

プレートの呼び方 プレートの呼び方は,種類及び厚さ×辺長による。 

例 平角プレート 

9×150 

球面プレート本体 6×200 

10. 表示 

10.1 ロックボルトの表示 ロックボルトは出荷に際して,1結束ごとに次の事項を表示する。 

(1) 種類 

(2) ロックボルトねじ部の呼び径×長さ 

(3) 数量 

(4) 製造業者名又はその略号 

10.2 プレートの表示 プレートは出荷に際して,1結束ごとに次の事項を表示する。 

(1) 種類 

(2) 厚さ (t)×辺長 (l)  

(3) 数量 

(4) 製造業者名又はその略号 

10.3 ナットの表示 ナットは出荷に際して,1包装ごとに次の事項を表示する。 

(1) 種類 

(2) 呼び径 

(3) 数量 

(4) 製造業者名又はその略号