M 0102 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS M 0102 : 1978は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正は,従来単位を規格値として扱っていたものを,国際単位系を規格値とし,また,JIS Z 8301
(規格票の様式)に基づいた様式へ整合させたものである。
なお,この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公
開後の実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準
調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
M 0102 : 2000
鉱山用語
Glossary of terms used in mining
1. 適用範囲 この規格は,鉱山関係で用いる主な用語と,その読み方及び意味について規定する。
なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格はその最新版を適用する。
JIS M 1001 鉱量計算基準
JIS M 8801 石炭類−試験方法
JIS Z 8801 試験用ふるい
3. 分類 鉱山用語を,次の6部門に分類する。
a) 探査
b) 採鉱・採炭
c) 運搬
d) 保安
e) 選鉱・選炭
f)
石油・天然ガス
4. 鉱山用語 主な用語について,次のように定める。
備考 二つ以上の用語を並べた場合は,その順位に従って優先使用する。
なお,用語欄の ( ) 内の細字は,参考として示したものである。
a) 探査
1) 地質一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1101
地層
ちそう
たい積岩の岩体。多くは層状をなす。
stratum
1102
葉理
ようり
単層内部の構造で,粒子などの配列状態に
よって生じた面状の組織。
lamination
1103
層理面
そうりめん
整合に重なり合っている単層と単層との接
触面。ただし,それに平行な地層内の面を
層理面として扱うことも多い。
bedding plane
1104
(地層の)走
向
(ちそうの)
そうこう
地層の層理面と水平線との交線の方向。
なお,この語は面状をなすすべての構造要
素に対しても用いられる。
strike (of stratum)
2
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1105
(地層の)傾
斜
(ちそうの)
けいしゃ
地層の層理面の最大傾斜線の方向と大き
さ。
ただし,方向はその方向の水平面上におけ
る正射形の方向で表し,大きさは,その方
向と水平面とのなす角で表すのが普通であ
る。
なお,この語は面状をなすすべての構造要
素に対しても用いられる。
dip (of stratum)
1106
整合
せいごう
二つの地層が連続たい積して積み重なって
いるときの両者の関係。
なお,この語は,地層の代わりに溶岩の場
合に用いても差し支えない。
conformity
1107
不整合
ふせいごう
一つの地層が,他の地層や火成岩体又は変
成岩体の上にたい積して重なり,その間に
侵食作用の時期などの大きな時間的間げき
があったと認められたときの上位の地層と
下位の岩体との関係。
なお,この語は,上位の岩体が溶岩である
ときにも用いられる。
unconformity
1108
断層
だんそう
岩体や地層の割れ目に沿って,その両側の
部分が相対的にずれている状態。
fault
1109
正断層
せいだんそう
断層のずれの面が傾いているとき,上ばん
が下ばんに対して相対的にずれ落ちた関係
にある断層。
normal fault
1110
逆断層
ぎゃくだんそ
う
断層のずれの面が傾いているとき,上ばん
が下ばんに対して相対的にずり上がった関
係にある断層。
thrust fault,
reverse fault
1111
衝上断層
しょうじょう
だんそう
逆断層と同義語。
断層面の傾きが水平面に対して45°より小
さいものに限って,この語を用いることも
多い。
thrust fault
1112
断層粘土
だんそうねん
ど
断層運動によって生じ,断層の割れ目には
さまっている主として粘土質の物質。
fault clay
1113
鏡はだ(鏡肌) かがみはだ
断層運動によって鏡のように滑らかになっ
ている断層の割れ目の面。
slickenside
1114
単斜
たんしゃ
地層が,ある広がりにわたって,おおむね
同一方向に傾斜している場合の地層の姿
態。
monocline
1115
しゅう曲(褶
曲)
しゅうきょく
地層などの層状岩体が波のように曲がって
いる姿態。
fold
1116
背斜
はいしゃ
しゅう曲の波のうち,山に当たる部分の姿
態。ある方向に,ある程度の長さにわたり
連続していることが普通である。
anticline
1117
ドーム
背斜の特殊な場合であって,普通の背斜の
ような著しい延長方向をもたない円屋根形
をなす地層の姿態。
dome
3
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1118
向斜
こうしゃ
しゅう曲の波のうち,谷に当たる部分の姿
態。
ある方向にある程度の長さにわたり連続し
ていることが普通である。
syncline
1119
(しゅう曲
の)冠
(しゅうきょ
くの)かんむ
り
背斜の横断面において,地層が最も高まっ
ている背斜の部分。
crest (of fold)
1120
(しゅう曲
の)翼
(しゅうきょ
くの)よく
しゅう曲軸の両側の部分。
limb (of fold),
wing (of fold)
1121
しゅう曲軸
(褶曲軸)
しゅうきょく
じく
背斜軸と向斜軸との総称。
axis of a fold
1122
背斜軸
はいしゃじく
背斜の横断面において,各層の最も著しく
屈曲する部分を通って背斜をほぼ対称に分
かつ仮想面を背斜軸面といい,背斜軸面と
層理面との交線を背斜軸という。ただし,1
枚の層についての冠を連ねた線などを,便
宜上背斜軸とみなす場合もある。
anticlinal axis,
axis of an anticline
4
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1123
向斜軸
こうしゃじく
向斜の横断面において,各層の最も著しく
屈曲する部分を通って向斜をほぼ対称に分
かつ仮想面を向斜軸面といい,向斜軸面と
層理面との交線を向斜軸という。ただし,1
枚の層についての横断面上の最底点を連ね
た線などを,便宜上向斜軸とみなす場合も
ある。
synclinal axis,
axis of a syncline
1124
節理
せつり
岩石の割れ目のうちで,割れ目の面に平行
な方向の相対的ずれのないもの。
joint
1125
片理
へんり
変成作用によって生じた岩石中の面構造。
その面に沿って岩石がはがれやすくなった
り,又は柱状,板状の構成鉱物がその面上
に配列していることが多い。
schistosity
1126
線構造
せんこうぞう
岩石や岩体に見られる1方向性の構造。柱
状鉱物の平行な配列,片理面と層理面との
交線,並走するしゅう曲軸,鏡はだについ
た条など。
lineation
1127
マグマ
地かく又はマントル内に存在し,主にけい
酸塩からなる高温融解物質。
magma
1128
火成岩
かせいがん
マグマが地下又は地表で冷え固まってでき
た岩石。
igneous rocks
1129
貫入岩
かんにゅうが
ん
マグマが地下の既存岩体中に貫入し,そこ
で冷え固まってできた岩石。
へい入岩と同義語。
intrusive rock
1130
噴出岩
ふんしゅつが
ん
マグマが地表(地下のごく浅い部分を含
む。)に噴出して生じた細粒の岩石。しばし
ばガラスも含む。
extrusive rock
1131
火山岩
かざんがん
火山活動によって生じた溶岩,火砕岩など
の総称。
volcanic rocks
1132
溶岩
ようがん
火山から噴出したマグマ,及びそれが冷え
固まってできた岩石。
lava
1133
塩基性岩
えんきせいが
ん
けい酸分に比較的乏しい岩石。一般に,鉄
マグネシア鉱物に富んでいる。
basic rock
1134
酸性岩
さんせいがん
けい酸分に富む岩石。一般に,鉄マグネシ
ア鉱物に比較的乏しい。
acid rock
5
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1135
底ばん
ていばん
広い地域にわたって露出している大きな深
成岩体。
batholith
底盤
1136
岩株
がんしゅ
比較的小さく,多くの場合水平断面が円に
近い形の貫入岩体。
stock
1137
岩脈
がんみゃく
周囲の岩石の構造を切って板状に発達して
いる貫入岩体。
dike,
dyke
1138
岩床
がんしょう
層理面に平行又はほぼ平行に発達している
板状の貫入岩体。
sheet
1139
風化作用
ふうかさよう
地表又はその近くで,岩石を物理的・化学
的に変化させたり分解したりする作用。
weathering
1140
侵食作用
しんしょくさ
よう
風,雨,川,氷河,海などが地かく表面の
岩石を破壊し削り取る作用。
erosion
1141
たい積岩
たいせきがん
既存の岩石の破片,生物遺体,火山放出物
などが水底又は陸上に機械的に集積し,又
は水底に塩類などが化学的に沈殿してでき
た岩石の総称。
sedimentary rocks
1142
火砕岩
かさいがん
火山から放出された物質が機械的に集積し
てできた岩石。
火山砕せつ岩ともいう。
pyroclastic rocks
1143
(地層の)岩
相
(ちそうの)
がんそう
ある長さの時間中に,ある広がりにたい積
した岩石について,その時間及び場所にお
けるたい積環境を示すものとしてとらえら
れた総体的な岩石の様相。
lithofacies (of stra
tum)
1144
たい積盆地
たいせきぼん
ち
地かくの一部に相当な長時間と広域にわた
って沈降が起こり,そこにたい積が行われ
たため,たい積岩が発達しているところ。
sedimentary basin
1145
化石帯
かせきたい
生層位学的区分における一般的基礎単位で
あり,特定の化石の産出で特徴づけられた
地層又はその部分をいい,その化石の名を
冠して用いる。
帯の細分には,亜帯 (subzone),最小単位と
して小帯 (zonule) がある。
zone,
biostratigraphic
zone
1146
変成岩
へんせいがん
地下の温度・圧力条件の元で,既存の岩石
がおおむね固相のまま,鉱物組成や組織・
構造を変えて生じた岩石。
metamorphic rock
1147
結晶片岩
けっしょうへ
んがん
片理がよく発達している変成岩。
crystalline schist
1148
片麻岩
へんまがん
粒状鉱物に富み,粗粒,淡色の部分と柱状,
葉状鉱物に富む暗色の部分とが,しま状構
造をなしている岩石。
gneiss
1149
地質図
ちしつず
ある地域について,構成岩石の種類,分布,
構造,地質年代などを色彩又は記号などに
よって示した平面図。
geologic map,
geological map
1150
地質断面図
ちしつだんめ
んず
ある線に沿った断面における地下の地質を
示す図。
geologic profile,
geological profile,
geologic section,
geological section
6
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1151
地質柱状図
ちしつちゅう
じょうず
ある地点又はある地域における地質関係
を,地層の真の厚さが現れるように示した
柱状の図。
geologic columnar
section,
geological
columnar
section
1152
地下等深線図
ちかとうしん
せんず
ある一定の地層,岩体,鉱床などの地下に
おける空間的配置を表すために,一定の地
層面若しくは岩体又は鉱体の表面の形を,
特定の基準面からの等深(等高)線で表し
た図。
地下構造図(subsurface structure map又は
underground structure map)ともいう。
subsurface contour
map,
underground
contour map
1153
等層厚線図
とうそうこう
せんず
特定の地層単位について,同じ厚さの点を
連ねた曲線によって厚さの変化を示した
図。
isopach map,
isopachous map
1154
踏査図
とうさず
地質踏査の路線に沿って,各露頭ごとに地
質要素などを記入した図。
route map
2) 鉱床
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1201
鉱床
こうしょう
地かく中の鉱物集合体で,利益をもって採
掘できるもの。現在は採掘に値しないが,
経済状態などの変化により,将来は利益を
もって採掘し得る見込みのあるものを含
む。
mineral deposit,
ore deposit
1202
鉱石
こうせき
a) 鉱床の中で利益をもって採掘できる鉱
物集合体。
b) 5114参照。
ore
1203
脈石
みゃくせき
鉱床の中で鉱石とならない無価値の鉱物集
合体。
gangue,
vein stone
1204
中石
なかいし
鉱床の中に大きな塊りで存在する母岩及び
その岩片。
horse
1205
母岩
ぼがん
鉱床を含む岩石。
country rock,
wall rock
1206
廃石,
捨石
はいせき,
すていし
鉱山,採石場において採鉱(採炭),選鉱(選
炭)の過程で選別の結果廃棄された岩塊・
岩片やスライム又は産物。
ぼた,ずりということもある。
refuse,
waste,
debris,
tailings
1207
鉱石鉱物
こうせきこう
ぶつ
鉱床の中で採掘の対象となる有用鉱物。
ore mineral
1208
脈石鉱物
みゃくせきこ
うぶつ
鉱床の中で採掘の対象とならない無価値な
鉱物。
gangue mineral,
vein stuff
1209
塊状鉱床
かいじょうこ
うしょう
塊状の形態を示す鉱床。
massive deposits
1210
層状鉱床
そうじょうこ
うしょう
層状の形態を示す鉱床。
bedded deposits
1211
鉱層
こうそう
たい積作用によって生じた層状の鉱床。
ore beds
1212
鉱脈
こうみゃく
板状の形態を示す鉱床。
vein
7
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1213
細脈
さいみゃく
鉱脈の中で脈幅がごく狭いもの。
stringer,
veinlet
1214
網状鉱床
もうじょうこ
うしょう
母岩中に有用鉱物を含む細脈が細かく網状
に発達して生じた鉱床。
stockwork deposits
1215
鉱染鉱床
こうせんこう
しょう
有用鉱物が母岩中に細かく散点して生じた
鉱床。
disseminated
deposit,
impregnation
deposits
1216
割れ目充てん
鉱床
われめじゅう
てんこうしょ
う
母岩中の割れ目を満たして生じた鉱床。
fissure vein,
fissure-filling
deposits
1217
交代鉱床
こうたいこう
しょう
母岩を交代して生じた鉱床。
replacement
deposit,
metasomatic
deposit
1218
マグマ成鉱床
まぐませいこ
うしょう
マグマの固結作用に関係して生じた鉱床の
総称。
ore deposit of
magmatic origin
1219
正マグマ鉱床
せいまぐまこ
うしょう
マグマの固結作用に直接関係して,火成岩
体の一部に有用鉱物が濃集して生じた鉱
床。
orthomagmatic
deposit
1220
ペグマタイト
鉱床
ぺぐまたいと
こうしょう
ペグマタイト中に有用鉱物が濃集して生じ
た鉱床。
pegmatite deposit
1221
接触交代鉱床
せっしょくこ
うたいこうし
ょう
炭酸塩岩を含む地層群中に貫入した火成岩
体の貫入接触部又はその近くに,主に交代
作用によって生じ,スカルン鉱物に富む鉱
床。
contact
metasomatic
deposit
1222
高熱交代鉱床
こうねつこう
たいこうしょ
う
接触交代鉱床と同義語。
pyrometasomatic
deposit
1223
熱水鉱床
ねっすいこう
しょう
熱水溶液から有用鉱物が晶出・濃集して生
じた鉱床。
hydrothermal
deposit
1224
昇華鉱床
しょうかこう
しょう
火山活動によって放出されたガスから有用
鉱物が昇華・濃集して生じた鉱床。
sublimation deposit
1225
たい積鉱床
たいせきこう
しょう
たい積作用に関係して生じた鉱床。
sedimentarydeposit
1226
風化残留鉱床
ふうかざんり
ゅうこうしょ
う
風化作用によって原地に有用鉱物が濃集し
て生じた鉱床。
residual deposit
1227
砂鉱床
さこうしょう
流水の作用によって有用鉱物が機械的に濃
集・たい積して生じた鉱床。
placer,
alluvial deposit
1228
蒸発鉱床
じょうはつこ
うしょう
地表水,地下水の蒸発・濃縮によって有用
鉱物が晶出・濃集して生じた鉱床。
evaporate deposit
1229
変成鉱床
へんせいこう
しょう
変成作用によって有用鉱物の濃集が行われ
て生じた鉱床,又は変成作用を受けた鉱床。
metamorphic
deposit,
metamorphosed
deposit
1230
同生鉱床
どうせいこう
しょう
母岩と同時に生じた鉱床。
syngenetic deposit
8
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1231
後生鉱床
こうせいこう
しょう
母岩の生成後に生じた鉱床。
epigenetic deposit
1232
潜頭鉱床
せんとうこう
しょう
地表に露頭をもたず,地下に隠れている鉱
床。
blind deposit
1233
鉱化流体
こうかりゅう
たい
鉱床構成鉱物の成分を運ぶ流体物質。
ore-forming fluid
1234
鉱液
こうえき
鉱床構成鉱物の成分を溶かした溶液。
ore solution
1235
母岩の変質作
用
ぼがんのへん
しつさよう
鉱床形成に関係して,鉱化流体により母岩
の鉱物組成,組織の変化する作用。
wall rock alteration
1236
スカルン
広域変成作用又は接触交代作用により,炭
酸塩岩体中又はその近くに生じたカルシウ
ム・マグネシウムなどを主成分とするけい
酸塩鉱物の集合体。
skarn
1237
交代作用
こうたいさよ
う
既存の岩石中の鉱物が,他から加わった物
質の作用により,成分の異なった鉱物に変
えられる作用。
replacement,
metasomatism
1238
二次富化作用
にじふかさよ
う
鉱床がその生成後に,地下水又は熱水溶液
の作用を受けて,新たに富化を受ける作用。
secondary
enrichment
1239
(鉱石の)帯
状分布
(こうせき
の)たいじょ
うぶんぷ
一つの地域又は一つの鉱床において,鉱石
の性質が水平的又は垂直的に変化し,それ
ぞれの鉱石群が帯状をなして分布する現
象。
zonal arrangement
(of ore),
zoning (of ore),
zonal theory (of
ore)
1240
鉱物共生
こうぶつきょ
うせい
ある鉱物と他の鉱物とが同じ原因で生じ,
相伴って産する関係。
paragenesis of
minerals
1241
鉱床生成区
こうしょうせ
いせいく
同一地質時代に生じた同一系統の鉱床を産
出する地域。
metallogenetic
province,
metallogenic
province
1242
鉱床区
こうしょうく
鉱床生成区と同義語。
metallogenetic
province,
metallogenic
province
1243
鉱床生成期
こうしょうせ
いせいき
同一系統の鉱床の生成が広く行われた時期
又は時代。
metallogenetic
epoch,
metallogenic epoch
1244
鉱床期
こうしょうき
鉱床生成期と同義語。
metallogenetic
epoch,
metallogenic epoch
1245
採石場
さいせきば
石材切出場又は砂,粘土,石灰石などの採
掘場。
quarry
1246
(鉱床の)露
頭
(こうしょう
の)ろとう
地下の鉱床の一部が地表面に現れている部
分。
outcrop (of mineral
deposit),
(of ore deposit)
1247
(鉱床の)酸
化帯
(こうしょう
の)さんかた
い
地表及びその付近で,鉱床が大気,雨水,
地下水などによって酸化作用を受けた部
分。
oxidized zone (of
mineral deposit),
(of ore deposit)
9
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1248
ゴッサン
鉱床露頭で硫化鉱物,特に黄鉄鉱が酸化作
用を受け,分解生成物としての含水鉄鉱物
のために赤かっ色,黄かっ色などを呈する
部分。
gossan,
iron hat
1249
硫化鉱物の二
次富化帯
りゅうかこう
ぶつのにじふ
かたい
地表付近で硫化物鉱床が風化作用を受け,
その結果地下水面より下部に硫化鉱石鉱物
の再濃集が行われ,特に高品位となった部
分。
supergene sulphide
enrichment zone
1250
富鉱体
ふこうたい
鉱床の中で特に連続して品位の高い,又は
規模の大きい部分。
ore shoot
1251
富鉱体の落と
し
ふこうたいの
おとし
富鉱体の延びの方向,向き及び傾斜角。
plunge of an ore
shoot
1252
落ち合い直り
おちあいなお
り
鉱脈の交差部で特に鉱石品位が高く,又は
鉱床の規模の大きくなっている現象。
1253
不毛帯
ふもうたい
鉱床の一部であるが,鉱石鉱物がまったく
又はほとんど濃集していない部分。
barren zone
1254
塊状鉱
かいじょうこ
う
構成鉱物集合状態として塊状をなす鉱石。
massive ore
1255
粉状鉱
ふんじょうこ
う
構成鉱物集合状態として粉状をなす鉱石。
powdery ore
1256
炭田
たんでん
経済的に採掘できる炭層が,あるまとまり
と広がりをもつ地域。小規模に点在するも
のは含炭地という。
coal field
1257
石炭
せきたん
地質時代の植物の遺体がたい積し,生化学
的過程を経て地圧と地熱などによって変化
してできた可燃性炭質物。
ここでいう石炭は,鉱業法にある石炭及び
亜炭を含む。
coal
1258
無水無灰ベー
ス
むすいむかい
べーす
恒湿試料又は気乾試料で分析したのち,水
分及び灰分を除いたものをベースとして換
算したもの。純炭ともいう。
dry ash free base
(d.a.f.)
1259
燃料比
ねんりょうひ
石炭の工業分析結果のうち,固定炭素 (%)
を揮発分 (%) で割った値。
fuel ratio
1260
無煙炭
むえんたん
石炭化度の最も高い石炭の一種で,燃料比
が4.0より大きいもの。
anthracite
1261
歴青炭
れきせいたん
純炭カロリー33907J以上の石炭で,粘結性
をもつもの。
bituminous coal
1262
亜歴青炭
あれきせいた
ん
純炭カロリー30558〜33907Jの石炭で,弱粘
結性又は非粘結性のもの。
subbituminous coal
1263
粘結炭
ねんけつたん
加熱の際融合してコークスとなる石炭。
coking coal
1264
かっ炭(褐炭) かったん
石炭化度が低く,純炭カロリー24279〜
30558Jで,粘結性をもたない石炭。
brown coal,
lignite
1265
亜炭
あたん
かっ炭の中で,特に木質組織の多く残って
いる石炭化度の低い炭質物。ただしここで
いう亜炭は,鉱業法による亜炭を意味しな
い。
lignite
1266
でい炭
でいたん
水生植物,こけ植物類その他の植物遺体の
たい積物が生化学的変化を受けたもの。石
炭化度が木材とかっ炭との中間に位する。
peat
10
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1267
炭質けつ岩
たんしつけつ
がん
炭質物を比較的多く含むでい質岩。
coaly shale
1268
せん石(煽石) せんせき
岩層が火成岩の熱変成作用を受けて炭化度
が進み,無煙炭,コークスなどになったも
の。一般には,火中で爆砕する性質をもつ。
natural coke
1269
きょう炭層
(夾炭層)
きょうたんそ
う
炭層をはさむ一連の地層。
coal measures,
coal-bearing
formation
1270
(炭層の)洗
い流し
(たんそう
の)あらいな
がし
炭層の形成時における局部的同時侵食によ
り,たい積したばかりの炭層の一部が洗い
流される現象。
washout (of coal
seams)
1271
潜丘
せんきゅう
古くから存在していた高まりで,その後そ
の上にたい積物がたい積して埋没した丘。
buried hill
1272
ふけ部(深部) ふけぶ
炭層の傾斜沿いに,その場所よりも下位の
部。
1273
肩部
かたぶ
炭層の傾斜沿いに,その場所よりも上位の
部。
1274
炭かざり
すみかざり
炭層における石炭部分とはさみ部分との重
なり方の模様。
1275
(炭層の)は
さみ
(たんそう
の)はさみ
炭層の中で石炭の間にはさまれている経済
的価値のない岩石。
parting (in coal
seams)
1276
かぶりの厚さ
(被りの厚
さ)
かぶりのあつ
さ
地下の炭層のある箇所から地表までの地層
の垂直厚。
thickness of
overburden
1277
炭層柱状図
たんそうちゅ
うじょうず
炭層の石炭とはさみの状態とを柱状に示し
た図。
coal seam columnar
section
3) 探査開発
3.1) 深鉱
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1301
トレンチ探鉱
とれんちたん
こう
鉱床の賦存状況の確認を目的として行うみ
ぞ掘り探鉱。
trenching
1302
試すい探鉱
しすいたんこ
う
鉱床又は地質構造などを確認するために試
すい機を使用して行う探鉱。
drilling
1303
坑道探鉱
こうどうたん
こう
鉱床の賦存状況又は付近の地質構造の確認
を目的とした坑道(立入,ひ押,掘上り,
掘下り)による探鉱。
tunnel prospection,
tunnel exploration
1304
探鉱井,
探炭井
たんこうせ
い,
たんたんせい
鉱床の賦存状況の確認を目的として掘った
小規模な井戸(一種の小規模立坑)。
test pit
1305
探鉱坑道,
探炭坑道
たんこうこう
どう,
たんたんこう
どう
鉱床又は地質構造を探査するために掘進す
る坑道。
prospect tunnel
1306
追炭
おいたん
炭層を走向の方向に追跡しながら,トレン
チなどにより逐次その存在を確認していく
こと。
chasing coal on
crop
11
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1307
坑内地質図
こうないちし
つず
坑内における地質状況を表す図。
underground
geological map
3.2) 試料採取・品位
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1308
試料採取
しりょうさい
しゅ
鉱石,石炭,地金などの化学分析,選鉱試
験などを行う目的で,その一部を採取する
こと。
sampling
1309
つかみ取り法
つかみどりほ
う
たい積してある鉱石の表面各所から無作為
的に,又は縦横線で規則的に区画した各交
点から,一定量を手でつかみ取って試料と
する方法。
grab sampling
1310
かき取り法
かきとりほう
鉱床又は岩石の表面を,まったく無作為的
に,又は一定線上に沿い,削り取って試料
とする方法。
chip sampling
1311
みぞ切り法
みぞきりほう
鉱床又は岩石の表面に一定の幅,一定の深
さのみぞを連続的に掘り,その岩片を混ぜ
合わせて試料とする方法(JISでは,幅3〜
10cm,深さ1〜5cmのみぞとしている。)。
channel sampling
1312
バルクサンプ
リング
探鉱又は採鉱によって起採された鉱石から
一定の方法により試料を得る方法。
bulk sampling
1313
トレンチサン
プリング
たい積してある鉱石に掘割を作り,掘り上
げた鉱石を縮少して試料とするか,掘割の
側面を縦に採取して試料とする方法。
trench sampling
1314
品位
ひんい
a) 鉱石,地金などの中に含有されるある
特定の元素又は化合物の総量に対する
重量比率。通常,%,g/tなどで表す。
b) 石炭の場合には,灰分 (%) 又は発熱量
(kJ/kg) などで表す。
grade
1315
品位図
ひんいず
各点の分析品位を,数値又は色分けにより
坑内図又は地形図に記入した図。
sample maps,
assay maps
1316
等品位図
とうひんいず
品位図に基づき,品位の等しい点をそれぞ
れ曲線で結んだ図。
iso-grade map,
iso-grade contour
map
1317
可採品位
かさいひんい
可採鉱量に対応する品位。
grade of minable
ore
1318
粗鉱品位
そこうひんい
粗鉱の品位,すなわち選鉱過程に入る直前
の品位。
grade of mined ore,
grade of crude ore
1319
粗鉱中金属含
有量
そこうちゅう
きんぞくがん
ゆうりょう
粗鉱中に含まれる有用金属の質量。
metal contents in
crude ore
1320
原炭品位
げんたいひん
い
か行山たけ全体の品位,又は選炭設備に投
入される石炭の品位。
12
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3) 鉱量
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1321
鉱画
こうかく
a) 鉱量計算に際し,単位計算区画となる
鉱床中の特定部分。
b) 採鉱(採炭)を行う場合,生産単位と
なる鉱床の部分。
ore block
1322
鉱量計算
こうりょうけ
いさん
坑道掘さく,試すい,その他の方法によっ
て明らかとなった鉱床の賦存区域を査定
し,鉱量と品位を計算すること。
calculation of ore
reserves,
estimation of ore
reserves
1323
鉱量計算図
こうりょうけ
いさんず
鉱量計算のため,坑道,鉱床の範囲,鉱画,
採掘跡などを適当な縮尺で示した平面図及
び断面図に,平均品位などの計算要素を記
入したもの。
map of ore reserves
1324
炭量計算図
たんりょうけ
いさんず
炭層の地下等深線図,等層厚線図,その他
の資料から作成した炭量計算の範囲を示す
図面。
coal reserves
calculaion map
1325
排水準
はいすいじゅ
ん
鉱山における主要排水坑口の高さ。石炭鉱
山では,これを基準として水準上と水準下
との区別をして,深度別に炭量計算を行う
のが普通である。
pit mouth level,
drainage level
1326
埋蔵鉱量
まいぞうこう
りょう
埋蔵されている鉱床の質量。
ore reserves
1327
確定鉱量
かくていこう
りょう
坑道及び坑井などによって,容積,比重及
び品位が明らかになっている鉱量。
proved ore reserve
1328
推定鉱量
すいていこう
りょう
坑道,坑井,試すい孔などによって,容積,
比重及び品位が推定される鉱量。
probable ore
reserve
1329
予想鉱量
よそうこうり
ょう
一部の鉱況しか判明しないが,地質鉱床的
に容積,比重及び品位が予想される鉱量。
possible ore reserve
1330
埋蔵炭量
まいぞうたん
りょう
地下に存在する石炭の量。
coal reserves
1331
確定炭量
かくていたん
りょう
露頭,坑内,試すいなどの資料から炭層の
賦存が確実とみなされる区域内の炭量。
proved coal
reserves
1332
推定炭量
すいていたん
りょう
確定炭量の区域に接続し,露頭,坑内,試
すいなどの資料から,地質上,炭層の存在
が推定される区域内の炭量。
probable coal
reserves
1333
予想炭量
よそうたんり
ょう
推定炭量の区域に接続し,露頭,坑内,試
すい,物理探査などの資料から,地質層序
及び地質構造上,炭層の賦存が予想される
区域の炭量。
possible coal
reserves
1334
粗鉱
そこう
採掘されたままの鉱石,すなわち選鉱場に
送られる鉱石。廃石を含む。
crude ore,
run of mine,
raw ore
1335
可採率
かさいりつ
埋蔵鉱量に対し,採鉱し得る鉱量の比率
(JIS M 1001では実収鉱量)。
mining recovery
1336
可採鉱量
かさいこうり
ょう
埋蔵鉱量のうち,採鉱し得る鉱石の質量
(JIS M 1001では実収鉱量)。
minable ore
1337
ずり混入率
ずりこんにゅ
うりつ
採鉱の際,鉱石に伴って混入される低品位
又は無価値の岩石や粘土などの,採掘され
る総量に対する比率。
percentage of
dilution
13
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1338
可採粗鉱量
かさいそこう
りょう
採鉱によって出鉱すべき粗鉱の質量。すな
わち,可採鉱量と混入する廃石との和。
minable crude ore
1339
安全炭量
あんぜんたん
りょう
確定炭量のうち,調査の精度及び地質,炭
層上の諸条件による減少を見込んだ採掘対
象の炭量。
safety coal reserves
1340
実収炭量
じっしゅうた
んりょう
安全炭量のうちで,保安炭柱などを除き実
際に採掘し得る炭量。
recoverable coal
reserves
1341
(炭量の)安
全率
(たんりょう
の)あんぜん
りつ
確定炭量に対する安全炭量の比率を百分率
で表したもの。
safety ratio (of coal
reserves)
1342
(炭量の)実
収率
(たんりょう
の)じっしゅ
うりつ
安全炭量に対する実収炭量の比率を百分率
で表したもの。
recovery (of coal
reserves)
1343
か行山たけ
(稼行山丈)
かこうやまた
け
炭層のうち実際に採掘する部分の厚さ。
working thickness
of coal seam
1344
か行炭たけ
(稼行炭丈)
かこうすみた
け
か行山たけのうちにある石炭部の厚さ。
working thickness
of coal in coal
seam
1345
(石炭の)歩
どまり
(せきたん
の)ぶどまり
選炭設備によって選炭された商品炭の原炭
に対する質量比を百分率で表したもの。
yield (of coal)
3.4) 開発
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1346
鉱山評価
こうざんひょ
うか
買山,融資などのために,その鉱山の経済
的価値を判定すること。
mine valuation
1347
開発計画
かいはつけい
かく
鉱床調査の結果に基づき,経済的生産状態
にもち来たすために必要な一切の技術的及
び資金的計画。
development
program
1348
鉱業法
こうぎょうほ
う
鉱物資源を合理的に開発することによって
公共の福祉の増進に寄与するため,鉱業に
関する基本的制度を定めた法律。
Mining Law
1349
鉱業権
こうぎょうけ
ん
登録を受けた一定の土地の区域で,登録を
受けた鉱物及びこれと同種の鉱床の中に存
する他の鉱物を掘採し,取得する権利。
試掘権と採掘権との二つがある。
mining right
1350
鉱区
こうく
鉱業権の登録を得た一定の土地の区域。一
鉱区の面積は鉱物によって最小面積が定め
られ,最大面積も制限されている。
mining area
1351
鉱区図
こうくず
鉱区の範囲を示す図面。
map of mining area
1352
出願区域図
しゅつがんく
いきず
鉱業権の出願の際に願書に添付する出願区
域を示す図面。
map of the area
under application
1353
試掘鉱区
しくつこうく
主として探鉱を目的とした鉱区。
prospecting area
1354
採掘鉱区
さいくつこう
く
主として採鉱を目的とした鉱区。
digging area
1355
粗鉱区
そこうく
他人の採掘鉱区の一部でその目的となって
いる鉱物を掘採し,取得するための鉱区。
area of mining
lease
14
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1356
(鉱業の)施
業案
(こうぎょう
の)せぎょう
あん
鉱業に着手する前に,その地方の通商産業
局長に対し,試掘権については届け出,採
掘権・租鉱権については認可を受けるため
の鉱業実施の基本計画書。
届け出又は認可を受けた施業案どおり鉱業
を実施しなければならないもの。
management plan
for mining
operation
4) 試すい・測量
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1401
試すい
しすい
地質,鉱床の資料をとり,又は地中から流
体を採り出し,若しくは工事をするなどを
目的として,機械を用いて地中に穴を掘る
こと。
drilling
1402
コア
6232参照。
core
1403
コア試すい
こあしすい
コアを採取しながら進む試すい。
core drilling
1404
ノンコア試す
い
のんこあしす
い
コアを採らず,孔内全断面を粉砕しながら
進む試すい。
non-core drilling
1405
衝撃式試すい
しょうげきし
きしすい
重さだけの上下運動によって岩石に衝撃を
加え破砕しながら掘り進む試すい。
綱掘りは,この一種。
percussion drilling
1406
回転式試すい
かいてんしき
しすい
一連の掘削具の先端に刃先を付け,これに
圧力と回転を与えながら掘り進む試すい。
rotary drilling
1407
スライム
a) 6347参照。
b) 5113参照。
slime
1408
でい水
でいすい
6346参照。
drilling mud
1409
試すい柱状図
しすいちゅう
じょうず
試すいで分かった地質柱状図に試すいのデ
ータを記入したもの。
geologic columnar
section of a
drilling hole
1410
三角点
さんかくてん
三角測量によって決定した地表の基準点。
座標位置と高さの値をもっている。
triangulation
station-point
1411
測点
そくてん
種々の測量によって測った点。通常位置と
高さを算出する。
survey point
1412
水準点
すいじゅんて
ん
直接水準測量によって決定した地表の基準
点。水準原点とつながりをもった精密な高
さの値が示されている。
bench mark
1413
縮尺
しゅくしゃく
測量によって作図された図面と現地との
比。通常何分の1として示される。
scale
1414
真北線
しんぽくせん
その地点における地球子午線の方向。
true north line
1415
磁北線
じほくせん
その地点における磁針が示す方向。
magnetic north line
1416
等高線
とうこうせん
地表の起伏を平面図に図示する同じ高さを
もった曲線。
contour line
1417
地形測量
ちけいそくり
ょう
地表の現形を図学的に平面投影する細部の
測量。
topographic survey
1418
三角測量
さんかくそく
りょう
地表の骨組となる基準点を決定するため,
角度を測定し辺の長さを算出して位置を求
める測量。
triangulation
1419
平板測量
へいばんそく
りょう
通常水平面板上において,地物の方向と距
離と高低差を測って直接図示する測量。
plane-table survey
15
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1420
簡易測量
かんいそくり
ょう
種々の測量を簡略して実施するもので,通
常磁針方位などを測って速やかに結果を求
める測量。
summary survey
1421
連絡測量
れんらくそく
りょう
目的とするある両地点間を,多角測量など
で結測する測量。
坑道貫通測量はその一例である。
connect survey
5) 物理探査
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1501
物理探査
ぶつりたんさ
地下に存在する物質の物理的・化学的性質
と直接又は間接に関連して,人為的又は自
然的に生じた現象を主として地表において
観測し,その資料を解析することによって,
地質構造の様相,鉱床の存在などのような
地下の状態を解明すること。
geophysical
exploration,
geophysical
prospecting
1502
物理探鉱
ぶつりたんこ
う
物理探査と同義語。
geophysical
exploration,
geophysical
prospecting
1503
地震探査
じしんたんさ
火薬の爆発その他人工的な方法で発生させ
る弾性波動が,地下に存在する物性的不連
続面において反射屈折したものを地表付近
において観測し,地下の状態を探査するこ
と。
seismic
exploration,
seismic prospecting
1504
地震探鉱
じしんたんこ
う
地震探査と同義語。
seismic
exploration,
seismic prospecting
1505
弾性波探査
だんせいはた
んさ
地震探査と同義語。
seismic exploration
1506
屈折法
くっせつほう
地震探査の一つの方法で,地下に存在する
物性的不連続面で屈折した波動を利用する
方法。
refraction method
1507
反射法
はんしゃほう
地震探査の一つの方法で,地下に存在する
物性的不連続面で反射した波動を利用する
方法。
reflection method
1508
走時
そうじ
爆発点で発生した波動が受振点に到達する
のに要する時間。
travel time
1509
走時曲線
そうじきょく
せん
爆発点から受振点までの距離を横軸にと
り,その点の走時を縦軸にとってプロット
し,それらを結んで得られる曲線。
time-distance curve
1510
坑井速度測定
こうせいそく
どそくてい
地表付近に設けられた爆発点で発生した波
動を坑井内において適当な間隔で観測し,
それらの走時から地下の速度分布を求める
こと。
well shooting
1511
受振器
じゅしんき
地震探査の波動観測の際に使用するもの
で,波動を電気エネルギーに変換するもの。
geophone
1512
速度層
そくどそう
地下探査によって求められた弾性波速度に
よって区分される地層。
velocity layer
16
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1513
展開
てんかい
主として反射法地震探査に使用する用語
で,測線上の受振点の配置又はその爆発点
の位置関係をいう。
spread
1514
群設置
ぐんせっち
一つの受振点について,ある広がりを覆う
ように多数の受振器を設置すること。
group setting
1515
多孔爆発
たこうばくは
つ
一つの爆発点について,ある広がりを覆う
ように,多数の爆発孔を設けて爆発させる
こと。
pattern shooting
1516
記録断面
きろくだんめ
ん
地下構造の連続断面が得られるように,観
測された反射法による記録に必要な補正を
施して,測線にわたって配列表示したもの。
record section
1517
重力探査
じゅうりょく
たんさ
主として地表において測定した重力又は重
力の傾度分布から地下構造を探査するこ
と。
gravity exploration,
gravity prospecting
1518
重力探鉱
じゅうりょく
たんこう
重力探査と同義語。
gravity exploration,
gravity prospecting
1519
重力計
じゅうりょく
けい
重力を測定する器械。
gravimeter
1520
重力図
じゅうりょく
ず
重力探査の結果を平面図として表したも
の。
等重力線図は,この中に含まれる。
gravity map
1521
等重力線図
とうじゅうり
ょくせんず
観測点の重力値に緯度,高度,地形,ブー
ケーなどの補正を加えた値を基にして等重
力線を描いた図。
isogal map
1522
重力異常
じゅうりょく
いじょう
重力探査において,地下の密度分布に応じ
て重力分布の上に現れる著しい示徴。
gravity anomaly
1523
電気探査
でんきたんさ
人工的又は自然的要因によって地中に生じ
た電場又は電磁場の観測に基づき,地下構
造又は鉱床などを探査すること。
electrical
exploration,
electrical
prospecting
1524
電気探鉱
でんきたんこ
う
電気探査と同義語。
electrical
exploration,
electrical
prospecting
1525
自然電位法
しぜんでんい
ほう
鉱体又は地層の電気化学的作用によって自
然に発生した電位を測定して,地下構造又
は鉱床などを探査する方法。
self potential
method,
spontaneous
polari-zation
method
1526
強制分極法
きょうせいぶ
んきょくほう
人工電流によって大地内に発生する分極現
象を観測し,地下構造又は鉱床などを探査
する方法。
induced
polarization
method
1527
比抵抗法
ひていこうほ
う
1対の電極によって大地に定常電流を流し,
主として地表付近で,他の1対の電極によ
って電位差を測定して見掛け比抵抗を求
め,地下構造又は鉱床などを探査する方法。
resistivity method
1528
水平探査法
すいへいたん
さほう
大地の比抵抗の水平的変化を利用した比抵
抗法の一種で,電極相互の間隔を一定に保
って,電極系全体を移動することが多い。
horizontal electric
plofiling method
17
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1529
垂直探査法
すいちょくた
んさほう
大地の比抵抗の垂直的変化を利用した比抵
抗法の一種で,電極系の中心を固定させて
電極相互の間隔を変化させることが多い。
vertical electric
sounding method
1530
見掛比抵抗
みかけひてい
こう
比抵抗法において,大地を均質媒質とみな
して,測定値から算出した比抵抗相当量。
apparent resistivity
1531
地電流法
ちでんりゅう
ほう
地電流の時間的変化を観測し,地下構造又
は鉱床を探査する方法。
telluric current
method
1532
電磁法
でんじほう
電磁相互作用を利用する電気探査法の一種
で,地下の導電率分布を求め,地下構造又
は鉱床などを探査する方法。
流電電磁法,誘導電磁法などがある。
electomagnetic
method
1533
磁気探査
じきたんさ
地磁気を測定し,磁気の分布から地下構造
又は鉱床などを探査すること。
magnetic
exploration,
magnetic
prospecting
1534
磁気探鉱
じきたんこう
磁気探査と同義語。
magnetic
exploration,
magnetic
prospecting
1535
磁気異常
じきいじょう
磁気探査において相対的に磁性の異なる物
質の存在及び存在形態に応じて現れる示
徴。
magnetic anomaly
1536
航空磁気探査
こうくうじき
たんさ
航空機に磁力計を載せ,飛行しながら地磁
気を測定して行う磁気探査。
airborne magnetic
exploration,
airborne magnetic
prospecting
1537
航空磁気探鉱
こうくうじき
たんこう
航空磁気探査と同義語。
airborne magnetic
exploration,
airborne magnetic
prospecting
1538
放射能探査
ほうしゃのう
たんさ
天然の放射能を測定し,又は人工の放射線
を利用して,地表付近の岩石分布を明らか
にし,若しくは地下構造,鉱床などを探査
すること。
radioactive
exploration,
radioactive
prospecting
1539
放射能探鉱
ほうしゃのう
たんこう
放射能探査と同義語。
radioactive
exploration,
radioactive
prospecting
1540
航空放射能探
査
こうくうほう
しゃのうたん
さ
航空機に放射線測定器を載せ,飛行しなが
ら天然放射能を測定して行う放射能探査。
airborne radioactive
exploration,
airborne radioactive
prospecting
1541
航空放射能探
鉱
こうくうほう
しゃのうたん
こう
航空放射能探査と同義語。
airborne
radioactivity
exploration,
airborne
radioactivity
prospecting
18
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
1542
地温探査
ちおんたんさ
地表の温度分布を測定し,局地的な温度変
化から地質構造又は温泉などの熱源を推測
すること。
geothermal
exploration,
geothermal
prospecting
1543
地温探鉱
ちおんたんこ
う
地温探査と同義語。
geothermal
exploration,
geothermal
prospecting
1544
地化学探査
ちかがくたん
さ
地表又は地下の物質に含まれる特定化学成
分を分析し,地下構造又は鉱床を探査する
こと。
geochemical
exploration,
geochemical
prospecting
1545
地化学探鉱
ちかがくたん
こう
地化学探査と同義語。
geochemical
exploration,
geochemical
prospecting
1546
物理検層
ぶつりけんそ
う
6402参照。
geophysical
logging
1547
電気検層
でんきけんそ
う
6403参照。
electric logging
1548
放射能検層
ほうしゃのう
けんそう
6410参照。
radioactivity
logging
1549
電磁検層
でんじけんそ
う
6409参照。
induction logging
1550
速度検層
そくどけんそ
う
6416参照。
velocity logging
1551
温度検層
おんどけんそ
う
6418参照。
temperature
logging
1552
磁気検層
じきけんそう
坑井内で磁場を測定し,地下構造又は磁性
鉱床などを探査すること。
magnetic logging
1553
音波探査
おんぱたんさ
えい航中の水中音源から,おおむね等しい
時間間隔で繰り返し音波を発振し,水底下
の地層,岩体の境界面から反射してきた波
動を受振して地下構造を探査すること。
sonic prospecting
1554
音波探鉱
おんぱたんこ
う
音波探査と同義語。
sonic prospecting
1555
負中心
ふちゅうしん
自然電位法において,鉱体などの存在によ
って生じた相対的に低い電位を示す等電位
線で囲まれた範囲。
negative center
参考 探査部門の参考欄に示す対応英語は,主にAGI編Glossary of Geology and Related Science, 2nd Ed. , 1960の用語
による。
19
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 採鉱・採炭部門
1) 一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2101
小割室
こわりしつ
切羽又は坑井から落下する鉱石の小割を行
う目的をもって,運搬坑道のじょうごの上
方に設ける室。
bulldozing chamber
2102
スカフォード
立坑掘さくの際,築壁,すらせの取り付け,
その他の作業に使用するために,立坑内に
つり下げる移動足場。
scaffold,
hanging deck
2103
地下ガス化
ちかがすか
地下の石炭を採掘することなく,炭層のま
まガス化して採取すること。
underground
gasi-fication of
coal
2104
地圧
ぢあつ
重力などによって地層内に生じた応力。
rock pressure
2105
盤圧
ばんあつ
地層内に作った空所に対して,これを変形
させるように働く地圧。
rock pressure
around
underground
openings,
roof pressure
2106
旧坑
きゅうこう
昔の採掘跡。
old mine,
old working
2107
坑内図
こうないず
坑道,掘場,施設,設備などの坑内の状況
を示す図。
underground map
2) 開坑
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2201
開坑
かいこう
a) 鉱体又は炭層を開発するため,立坑,
斜坑又は通どうを開さくすること。
b) 採鉱の準備のために坑道を掘さくする
こと。
a) opening of mines
b) development
2202
通どう
つうどう
山ろく又は山腹からほぼ水平に掘さくした
坑道で,主として運搬,排水,通気などに
使う。
adit,
adit level
2203
立坑
たてこう
垂直に掘った坑道。
vertical shaft
2204
斜坑
しゃこう
斜めに掘った坑道。
inclined shaft
主とし
て石炭
鉱山で
は
卸
2205
水平坑道
すいへいこう
どう
ほぼ水平に掘さくした坑道。
level
2206
立入坑道
たていれこう
どう
鉱体外から鉱体に向けこれを貫くように,
又は鉱体の伸長方向に交差して掘進する坑
道。
cross cut
2207
ひ押坑道
ひおしこうど
う
鉱体に沿って,その走向方向に掘さくする
水平坑道。
drift
2208
沿層坑道
えんそうこう
どう
炭層中に掘った坑道。
drift
20
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2209
片ばん坑道
かたばんこう
どう
一般に炭層の走向にほぼ平行に掘さくした
坑道で,普通斜坑又は立坑を中心として左
右両側に適当な間隔をおいて掘進される。
butt level
片盤坑
道
2210
中段坑道
ちゅうだんこ
うどう
上下の主要水平坑道の間に掘さくした水平
坑道。
sublevel
2211
坑井
こうせい
採掘した鉱石を自然落下で運搬するための
小立坑。
chute,
shute
2212
目抜き
めぬき
近接する入気坑道と排気坑道とを連絡する
ため,一定の間隔をおいて設けた坑道。
thirl,
thirling
2213
導坑
どうこう
大断面の坑道を掘さくする前に掘さくする
小断面の先進坑道。
pilot tunnel
2214
追切り
おいぎり
導坑及び既設坑道において,側壁,天井な
どを切り広げ,目的の断面にする作業。
ripping
2215
巻立
まきたて
石炭鉱山において,斜坑と水平坑道との接
続箇所に設けた操車場。
landing
2216
プラット
立坑,斜坑と水平坑道との交差箇所で鉱車,
材料などの積みおろしと人員昇降のために
設けた小広場。
plat
2217
引立て
ひったて
掘進切羽の最先端。
heading
延先,
切詰め,
詰め
2218
天ばん
てんばん
坑道及び切羽の天井に当たる部分。
roof
冠,天盤
2219
側壁
そくへき
坑道及び切羽の両側面。
wall
2220
床面
ゆかめん
坑道及び切羽における床に当たる部分。
floor
踏前
2221
切羽
きりは
石炭,金属などの鉱山において石炭,鉱石
などを採掘し,又は坑道掘進を行っている
作業箇所。
working face,
working place
(主と
して石
炭鉱山
では)
払
2222
はく土
はくど
表土を除去すること。
stripping
3) せん孔
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2301
せん孔
せんこう
a) 手掘り又はさく岩機によって発破孔な
どを開けること。
せん孔機構によって,打撃せん孔,回
転せん孔及び回転打撃せん孔に分け
る。
b) a)によって開けた穴。
a) drilling
b) bore hole
さく孔
2302
サブドリリン
グ
階段採掘法の場合に,切羽床面を平らにす
る目的で,床面の水準以下までせん孔する
こと。
subdrilling
21
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2303
さく岩機
さくがんき
せん孔に使用される機械の一種。
ピットの衝撃作用,削り取り作用又は両者
の併用によりせん孔する。
rock drill
2304
オーガ
回転式せん孔用具の一種。
らせん状のロッドで繰り粉を排出する。
auger
2305
クローラドリ
ル
さく岩機をクローラにとう載したせん孔機
械。
crawler drill
2306
ワゴンドリル
さく岩機を2〜3のタイヤをもった架台上に
とう載したせん孔機械。
wagon drill
2307
ジャンボ
せん孔を容易にするため,さく岩機を台車
上のブームに取り付け,移動ができるよう
にした装置。
jumbo,
drill carriage
2308
ビット
ロッドの先端に付けてせん孔する刃先。
drill bit,
rock bit
2309
ロッド
せん孔するために使用する鋼材で,シャン
ク(柄)及びシャフト(軸)からなる。
drill rod
2310
ブローパイプ
発破孔中に残留した繰り粉を,圧縮空気を
利用して吹き出させる器具。
blow pipe
2311
繰り粉
くりこ
せん孔によって生じる岩石などの粉。
siudge,
cuttings
2312
きゅうれん
発破孔の繰り粉をかき出す器具。
scraper
4) 発破
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2401
液体酸素爆薬
えきたいさん
そばくやく
工業用の液体酸素を炭素分に富む吸収剤に
吸収させた爆薬。
liquid oxygen
explosives
液酸爆
薬
2402
工業爆薬
こうぎょうば
くやく
工業的用途に使用する爆薬。
法令によって定められた爆薬のうち,鉱山
において一般に使われているのは,次のも
のである。
a) 硝安爆薬
b) カーリット
c) ダイナマイト
こう(膠)質ダイナマイト
粉状(硝安)ダイナマイト
d) 硝安油剤爆薬 (AN-FO)
e) 液体酸素爆薬
industrial
explosives
2403
薬包
やくほう
紙などで包装した爆薬。
cartridge
2404
成型爆薬
せいけいばく
やく
爆発エネルギーを集中し,その破壊力に方
向性をもたせるように適当な形に成型した
爆薬。
小割り発破などの外部装薬に使う。
shaped charge
22
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2405
工業雷管
こうぎょうら
いかん
法令によって定められた工業雷管及び電気
雷管。装薬量,管体の材質,点火方式,点
爆時間などによって分類する。
例えば,
内容薬量による分類:
3号,6号,8号雷管
管体による分類:
銅雷管,鉄雷管,アルミニウム雷
管
点火機構による分類:
点火玉式電気雷管,C型電気雷管
点爆時間による分類:
瞬発電気雷管,遅発電気雷管,デ
シセコンド (DS) 電気雷管,ミリセ
コンド (MS) 電気雷管
用途による分類:
深水用電気雷管,物理採鉱用雷管
blasting cap,
igniter
2406
導火線
どうかせん
雷管の点火に使うもので,黒色火薬を心に
し,麻糸その他で被覆したもの。
safety fuse
2407
導爆線
どうばくせん
ペントリット,ピクリン酸などを心薬とし,
麻糸,金属管などで被覆したもので,爆ご
うを伝えるために使う。
detonating fuse
2408
発破母線
はっぱぼせん
電気雷管の脚線と発破器とをつなぐ電線。
shot-firing cable
(英),
leading wire(米)
2409
爆速
ばくそく
爆反応が火薬中を進行する速度。
detonation velocity
2410
殉爆
じゅんばく
ある距離を隔てた爆薬の一方が爆発したと
きに,他方がこれに感じて爆発すること。
sympathetic
detonation,
detonation by
influence
2411
装薬
そうやく
発破孔内に爆薬を装てんすること,及び装
てんした爆薬。
charge
2412
タンピング
装薬の後に,込め物を発破孔内に押し込む
作業。
tamping
2413
込め物
こめもの
タンピングに使う材料。
普通,粘土,水,砂,岩粉などを使う。
stemming materials
2414
込め棒
こめぼう
発破孔に薬包,込め物などを装てんするた
めに使用する棒。
普通,木製のものを使う。
tamping pole
2415
導通試験器
どうつうしけ
んき
発破回路の抵抗を測定し,断線の有無を調
べるための,微弱電流を使った試験器。
circuit tester
2416
点火器
てんかき
電気雷管に電流を通じるための,携帯用点
火具。
exploder(英),
blasting machine
(米)
発破器
2417
発破
はっぱ
爆薬を使って物体を破壊すること。
blasting
爆破
2418
自由面
じゆうめん
岩石が外界(空気又は水)と接している面。 free face,
surface
23
M 0102 : 2000
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2419
最小抵抗線
さいしょうて
いこうせん
厳密には,クレータテストにおける球状装
薬の中心から爆破自由面までの最小距離を
いうが,一般には装薬の中心から自由面ま
での最小距離も,最小抵抗線と呼ぶ。
burden,
line of least
resistance
2420
バックブレー
ク
階段採掘法などで,発破によって発破孔の
背後が荒れること。
back-break
2421
心抜き
しんぬき
坑道掘進の掘進面のように自由面が少ない
場合に使う発破法。
掘進面の一部を先に発破し,新しくできた
自由面を利用して,その後の爆破を効果的
にする。
せん孔配置,装薬の量,点爆の順序などに
よって,いろいろな方法がある。
a) くさび型カット (angle cut),Vカット
(V-cut),ピラミッドカット (pyramid
cut),扇状カット (fan cut)
b) バーンカット (burn cut)
center cut
2422
バーンカット
心抜き法の一種。
平行にせん孔した発破孔のうち,いくつか
を空孔で残して自由面とする法。
burn cut
2423
せい発(斉発) せいはつ
複数の装薬を同時に起爆すること。
simultaneous firing
(shot),
instantaneous firing
(shot)
2424
段発
だんぱつ
せい発に対する語。
複数の装薬を適当な時間間隔をとって,順
次に起爆すること。
delay blasting
2425
注水発破
ちゅうすいは
っぱ
発破孔に耐水爆薬をそう入し,パッカで口
もとをふさぎ,圧力水を注水して発破する
方法。
pulsed infusion
shot
2426
長孔発破
ちょうこうは
っぱ
長い発破孔を使用する発破。
long hole blasting
2427
坑道発破
こうどうはっ
ぱ
坑道を掘進し,その内部に大量の爆薬を集
中的に装薬して,一時に爆破する方法。
chamber blasting,
coyote (tunnel)
blasting
2428
小割り発破
こわりはっぱ
岩石の大塊を破壊するために行う発破。
boulder blasting,
secondary blasting
小割り,
二次発
破
2429
外部装薬
がいぶそうや
く
爆破すべき物体の外面に爆薬を密着させて
発破する方法であって,はりつけ発破 (mud
capping) などがある。
5) 採鉱・採炭
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2501
うね鉱
うねこう
グローリホール法又はトンネル法で,立坑
又は坑道の間に残る部分。
rib ore
24
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2502
無支保採掘法
むしほさいく
つほう
採掘期間中,切羽の天ばん又は上ばん・下
ばんを人工的に支持しない採掘法。
次の6種類がある。
a) 無支保上向採掘法
b) 無支保下向採掘法
c) 中段採掘法
d) 坑内グローリホール法
e) 残柱式採掘法
f) シュリンケージ法
open stopes
2503
中段採掘法
ちゅうだんさ
いくつほう
鉱体内に適当な距離をもって中段坑道を設
け,これに垂直な面を主自由面とする採掘
鉱画をつくり,中段坑道又はその地並を切
り広げた箇所からせん孔し,無支柱,無充
てんで採掘する方法。
sublevel stoping
2504
シュリンケー
ジ採掘法
しゅりんけー
じさいくつほ
う
掘さくした鉱石の一部を下から抜き取り,
残りの鉱石を切羽内にため,その鉱石を足
場として,上向きに採掘していく採掘法。
shrinkage stoping
2505
充てん採掘法
じゅうてんさ
いくつほう
鉱体の一部を採掘し,そのあとを全部又は
部分的に充てんする。この作業を繰り返し
つつ全鉱画を採掘する方法。
cut and fill method,
filled stopes
2506
支保採掘法
しほさいくつ
ほう
金属鉱山において採掘期間中,切羽の天ば
ん又は上ばん・下ばんを人工的に支持して
採掘する方法。
次の2種類がある。
a) 充てん採掘法
b) 支保採掘法
supported stopes
2507
ケービング法
けーびんぐほ
う
金属鉱山において,切羽の天ばんを採掘に
伴って崩落させて採掘する方法。
次の3種類がある。
a) トップスライシング
b) サブレベルケービング
c) ブロックケービング
caved stopes
2508
傾斜面採掘法
けいしゃめん
さいくつほう
採掘面に40°ぐらいの傾斜を付けて採掘す
る方法。積込みは,手積み又は機械積みに
よる。
inclined stoping,
rill stoping
2509
階段採掘法
かいだんさい
くつほう
一つ又は数個の水平なベンチで採掘する方
法。
ベンチの高さは,使用する掘さく機械又は
鉱床の状態によって異なるが,一般に5〜
20mぐらいである。
bench cut
2510
グローリホー
ル法
ぐろーりほー
るほう
立坑を中心にして,じょうご状(又はじょ
うごの一部の形状)に採掘する方法。
鉱石は,立坑を経て搬出される。
glory-hole system,
glory-hole method
2511
長壁式採炭法
ちょうへきし
きさいたんほ
う
長い炭壁面(切羽)を造り,それを一様に
採炭しながら進行する方法。
切羽面の進行方法,採炭跡の処理などから
種々に分類される。
longwall mining
2512
跡ばらし
あとばらし
採掘跡の天ばんを自然に又は人工的に崩落
させること。
caving
25
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2513
短壁式採炭法
たんぺきしき
さいたんほう
採炭区域を坑道によって幅狭く区切り,そ
の間を採掘する方法。
shortwall mining
2514
柱房式採炭法
ちゅうぼうし
きさいたんほ
う
炭層内に炭柱を残して採炭する方法。
退却時に炭柱を採掘することもある。
room and pillar
mining
2515
コールカッタ
採炭切羽の炭壁を切せつする機械。
一般には平形切せつ部(ジブ)をもつもの
をいい,ジブの数と形によって種々に分類
される。
coal cutter
2516
ホーベル
切削部を炭壁面に押しつけながら往復さ
せ,かんなで削るように炭壁を切削する機
械。
coal planer,
coal plough
2517
ドラムカッタ
コールカッタの切せつ部がドラム形で,切
せつと積込みの両作業を行う機械。
ドラム形切せつ部の数,機構及びその周辺
に取り付けた刃の配置様式によって種々の
形がある。
drum cutter,
shearer loader
2518
コールピック
圧縮空気によって駆動する手持ちの掘さく
機械。
石炭又は軟質岩石の掘さくに使用する。
coal pick
2519
全断面掘進機
ぜんだんめん
くっしんき
爆薬を使用することなく,削り取り,衝撃
作用などによって,全断面にわたって坑道
を掘進する機械。
full-size tunnelling
machine
2520
水力採掘法
すいりょくさ
いくつほう
ノズルから高圧水を噴射して掘さくする採
掘方法。
hydraulic mining
6) 支保
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2601
支保
しほ
坑道,採掘切羽などにおける落ばん,落石
などを防止するために設ける構造物。
timbering
2602
坑木
こうぼく
坑内の支保に使用する木材の総称。
timber
2603
三つわく
みつわく
坑道支保の一種であって,3個の部材を鳥居
状に組み合わせた支保。
three-piece tunnel
set
もろわ
く
2604
多角形わく
たかくけいわ
く
坑道支保の一種であって,部材を多角形状
に組み合わせた支保の総称。
arch tunnel set
2605
アーチわく
坑道支保に使うアーチ形をした鉄わくで,
剛性アーチわく,可屈アーチわく,可縮ア
ーチわくなどの種類がある。
arched support
2606
剛性支保
ごうせいしほ
ばん圧を受けても,断面積も形状も変わら
ないようにするための坑道支保。
rigid support
2607
可縮支保
かしゅくしほ
ばん圧がある大きさ以上になると,そのば
ん圧を支えながら縮んで破損を防ぐ構造を
もつ支保。
yielding support
2608
可屈支保
かくつしほ
部材の連結部で屈折し,組みわく全体の形
状が変わることのできる構造をもつ支保。
hinged support
2609
インバート
支保を強化するために坑道の床面を掘さく
して入れる部材。
inverted arch
26
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
2610
築壁
ちくへき
れんが,コンクリート,コンクリートブロ
ックなどで築いた壁及びその作業。
立坑支保に使うことが多い。
masonry wall
2611
自走支保
じそうしほ
何本かの鉄柱を組みわくとし,水圧によっ
て移動前進できる構造にした支保。
self-advancing
support
2612
鉄柱
てっちゅう
主として採炭採鉱切羽の支保に使う可縮性
の鋼柱であって,摩擦鉄柱,水圧鉄柱など
がある。
steel prop
2613
カッペ
相互に連結できる構造をもつ切羽天ばん用
の金属ばり。
link bar,
hinged bar
2614
打柱
うちばしら
天ばん保持,支保強化,機器固定などの目
的で立てた鉄柱又は木柱。
prop post
ぼうず
2615
木積
こづみ
天ばんを支えるために,坑木を井形に積み
上げたもの。
井形の中に廃石(捨石)を詰めた実木積と
何も詰めない中空の空木積とがある。
cogs,
crib chock
2616
ルーフボルト
支保の一種で,岩ばんに差し込んで使用す
るボルト及びその附属品。
rock bolt
2617
切張
きりばり
アーチわく,三つわく,多角形わくなどの
支保を固定させるため,わくとわくとの間
に入れる部材。
brace
2618
矢板
やいた
支保に使用する板材の総称。
plank
2619
差し矢法
さしやほう
崩壊性の土砂又は岩石に対して使う支保の
方法で,差し矢という先端をそいだ丸太又
は板材をはりの上から前方に打ち込み,順
次支保を進めてゆく方法。
spilling,
forepoling
2620
裏込め
うらごめ
支保の裏側にそう入する充てん物及びその
作業。
back filling
2621
仕繰り
しくり
縮小又は変形した坑道を拡大修復するこ
と。
repair
2622
鉱柱,
炭柱
こうちゅう,
たんちゅう
坑内構造の維持・保安などのために残した
鉱体(炭層)の部分。
pillar
2623
充てん
じゅうてん
採掘跡,その他の坑内空間などを廃石(捨
石),土砂又は選鉱尾鉱などで詰めること。
filling,
stowing,
packing
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M 0102 : 2000
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c) 運搬
1) 一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3101
鉱車
こうしゃ
鉱山において,主として鉱石,石炭,廃石
などを運搬するのに使う車両。
通常炭鉱においては炭車と呼ぶ。
mine car,
mine tub,
tub,
mine wagon
3102
人車
じんしゃ
もっぱら人員の運搬に使用する車両。
man car
3103
台車
だいしゃ
坑木,機器,材料などを運搬するために作
られた車両で,普通,平らな台に車輪が取
り付けられている。
carriage,
supply car
3104
軌道
きどう
路ばん又は道床上に一定の間隔にまくら木
を並べ,レールを敷設したもの。
track,
tram
3105
継目板
つぎめいた
レール又は形鋼をつなぐために,数本のボ
ルトでつなぐ鉄板。
fish plate
3106
ワイヤロープ
鋼製の素線をより合わせて製作したロー
プ。
wire rope
鋼索
3107
素線
そせん
ストランドを構成している鋼線。
wire
3108
ストランド
心綱の周囲に巻いた数本又は数十本の素線
をより合わせたもの。
strand
子綱
3109
心綱
しんづな
ワイヤロープ及びストランドの中心に,ワ
イヤロープを形造るためと柔軟性を得るた
めに入れる,適度に油類を含ませた繊維類。
rope core
3110
巻綱
まきづな
一般に物体を移動させる目的をもって,巻
胴に巻き付けて使用するワイヤロープ。
winding rope,
hoisting rope
3111
普通より
ふつうより
ワイヤロープのよりと,ストランドのより
の向きを反対方向にするより方。
ordinary lay
3112
ラングより
ワイヤロープのよりと,ストランドのより
の向きを同じ方向にするより方。
Langʼs lay
3113
フリートアン
グル
シーブを含む巻胴への垂直面に対して,巻
胴の表面に巻いたロープのなす最大角度。
fleet angle
偏角
3114
キンク
ワイヤロープがたるんで輪を生じた場合,
そのまま引張荷重をかけられて生じた異常
変形。
kink
3115
メーンロープ
テールロープ運搬で積載列車を巻き上げる
ために使うロープ。ただし立坑ケーペ巻に
おいてつり合い綱を使用する場合には巻上
用のロープをいう。
main rope
主索
3116
テールロープ
テールロープ運搬で空列車を巻きもどすた
めに使うロープ。
立坑ケーペ巻においては,つり合い綱をい
う。
tail rope
尾索
3117
平綱
ひらづな
ストランドを横に並べて,束ねてあるワイ
ヤロープ。
flat rope
フラッ
トロー
プ
28
M 0102 : 2000
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3118
ロックドコイ
ルロープ
断面の周囲が完全円になるように外周に異
形の素線を組み合わせたワイヤロープ。
locked coil rope
3119
ヘルクレスロ
ープ
ヘルクレス氏が考案・完成した共心ロープ
の代表的なもの。
ロープの心綱に繊維を使わずに綱線を入れ
たもので,柔軟性には欠けるが,有効断面
積及び強度が大となる。
Herkule's rope,
strand spiral rope
3120
平子綱ロープ
ひらこづなろ
ーぷ
ストランドを異形にしてより合わせ,表面
を円滑にしたワイヤロープ。
flattend-strand rope
3121
プーリ
力を伝達したり巻き上げたりするために,
ロープ,ベルトなどの方方を変える案内車。
pulley
滑車,
ベルト
車
3122
シーブ
プーリと同義の案内車であるが,コンベヤ
ベルト,平ベルトなどに対しては用いない。
sheave
綱車
3123
緊張装置
きんちょうそ
うち
ベルト又はロープとベルトプーリ又はシー
ブとの間の摩擦力を適当な大きさに保持し
て,所要動力を確実に伝達するために,常
に適当な大きさの張力をベルト又はロープ
に加えておくための装置。
take up
緩み取
り装置,
テーク
アップ
3124
緊張錘
きんちょうす
い
重力を利用して,ベルト又はロープなどに
常に適当な大きさの張力を与えておくため
の重錘。
tension weight
3125
巻き付け角
まきつけかく
駆動巻胴(又はプーリ)の軸心に対して,
巻胴(プーリ)に接触しているベルト(又
はロープ)のなす角度。
total arc of contact,
contact angle
2) コンベヤ
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3201
コンベヤ
荷物を連続的に運ぶ運搬機。
conveyor,
conveyer
3202
ベルトコンベ
ヤ
二つのプーリ又はドラムの間に環状のコン
ベヤベルトを張り,その上に運搬物を載せ,
ベルトを同一方向に連続的に動かして運搬
するコンベヤ。
belt conveyor
3203
ケーブルベル
トコンベヤ
ベルトは運搬する物体を載せるだけの役目
をし,運搬に必要な張力はワイヤロープに
負担させる方式のコンベヤ。
cable belt conveyor
3204
チェーンコン
ベヤ
トラフの中でチェーンを動かし,物体を運
搬するコンベヤ。
次のような種類がある。
a) シングルチェーンコンベヤ (single
chain conveyor)
b) ダブルチェーンコンベヤ (double chain
conveyor)
chain conveyor
3205
ダブルチェー
ンコンベヤ
チェーンを左右両側に備え,その間に形鋼
又は鍛造のかき板を適当な間隔に取り付
け,返りチェーンの支持も兼ねたH形断面
のトラフの中を走らせて物体を運ぶコンベ
ヤ。
double chain
conveyor,
Panzer conveyor
パンツ
ァコン
ベヤ
29
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3206
パンコンベヤ
パン又はエプロンと呼ぶ四角形の容器の下
の両側に,適当な間隔でローラを取り付け
て案内レールの上に載せ,1条又は2条のリ
ンクチェーンでつないだコンベヤ。
特に屈曲させて運搬する場合には,カーブ
ドコンベヤと呼ぶこともある。
pan conveyor
3207
スクリューコ
ンベヤ
軸の周囲にねじ状の羽根を取り付け,これ
をU字形のトラフ又はパイプの中で回転さ
せて物体を運ぶコンベヤ。
screw conveyor
ねじコ
ンベヤ
3208
スクレーパコ
ンベヤ
1条又は2条のチェーンにかき板を取り付
け,トラフの中の運搬物をかいて運搬する
コンベヤ。
scraper conveyor,
fleight conveyor
3209
ディスクコン
ベヤ
U字形トラフの断面に合ったディスクと呼
ぶ鋼板を,適当な間隔でロープ又はチェー
ンに取り付け,トラフ内を走らせて物体を
運ぶコンベヤ。
disc conveyor
3210
シェーキング
コンベヤ
鋼板製のトラフの上に運搬物を載せ,トラ
フを小さな加速度で前進させ,次に大きな
加速度で後退させて,慣性によって積載物
を前進させるコンベヤ。
shaking conveyor
シェー
カコン
ベヤ
3211
ヘッドプーリ
コンベヤの最前部にあるプーリ。
head pulley
3212
エンドプーリ
コンベヤの後尾にあるプーリ。
end pulley
テール
プーリ
3213
キャリアロー
ラ
ベルトコンベヤのベルトを支えるローラ。
carrier roller
アイド
ラ
3214
プライ
コンベヤベルトの強度を保持する各布層。
ply
3215
レーシング
ベルトをつなぐ金具。
lacing
ファス
ナ
3216
トラフ
物体を運搬するためのとい。
trough
3) 車両運搬
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3301
シャットルカ
ー
水平又は緩傾斜の路上を往復する,高さの
低い自走運搬車両。
ゴムタイヤ車輪を備え,車体の底はコンベ
ヤに作られている。
shuttle car
3302
グランビー車
両
ぐらんびーし
ゃりょう
内容物を放出するのにチップラを使わない
構造の鉱車の一種。
ガイドレールの上に乗って車体が約45°傾
くと同時に,下向きになったほうの側板が
開き,列車の編成を解くことなく徐行運転
中に内容物を放出する車両。
granby car
3303
遷車台
せんしゃだい
一つ又は二つ以上の軌道をもつ車付きの台
で,軌道と直角方向に移動することができ,
その上に機関車,鉱車などを載せて,平行
軌道の一方から他方の軌道に移す装置。
transfer table,
traverse,
traverse table
3304
転車台
てんしゃだい
機関車,鉱車などを載せて,その向きを変
えるための回転台座。
turn table
30
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3305
ドローバー
車両を連結する連結棒。
draw bar
4) ロープ運搬
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3401
巻胴式巻上げ
まきどうしき
まきあげ
巻胴式巻上機による運搬の総称。
drum winding
ドラム
巻
3402
エンドレスロ
ープ運搬
えんどれすろ
ーぷうんぱん
循環するロープによって,鉱車などをけん
引輸送する軌道運搬方式。
循環ロープの位置により,次の2種類があ
る。
a) 上綱式 (over rope system)
車両の上を通る方式。
b) 下綱式 (under rope system)
車両の下を通る方式。
endless rope
haulage
3403
コース巻
こーすまき
軌道斜坑運搬の一種。
積載列車を斜坑上部の巻上機で巻き上げ,
からの列車を自重で下部にもどす運搬法。
direct haulage
3404
テールロープ
運搬
てーるろーぷ
うんぱん
斜坑の傾斜が緩やかすぎたり,又は単一の
こう配でなくて波打ち状になっているよう
な箇所に採用しメーンロープで積載列車を
巻き上げテールロープでからの列車を引き
もどす運搬法。
main and tail rope
haulage
3405
自動斜坑運搬
じどうしゃこ
ううんぱん
重力を利用して,積載車両を巻き下ろすと
同時に空車を巻き上げる運搬法。
haulage by
self-acting
incline,
gravity incline
3406
ホイスト
巻胴軸が水平の小形巻上機。
hoist
ウイン
チ
31
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3407
巻胴
まきどう
巻上機の一部で,巻綱を巻き取る部分。直
接又は間接的に巻上原動機に連結してい
る。
その形により,次のような種類がある。
winding drum,
hoisting drum
3408
スキップ
斜坑及び立坑巻上装置で鉱石,石炭などを
ばら積みで運搬する箱。
転覆式と底開き式とがある。
skip
3409
クリップ
エンドレスロープ運搬又は架空索道運搬に
おいて,列車又は搬器を一時的に引き綱に
連結して走向させるためのつかみ金具。
clip
3410
コース元
こーすもと
ケージ又は鉱車などに連結するロープの部
分。
capel
32
M 0102 : 2000
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5) 立杭巻
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3501
立坑巻
たてこうまき
立坑におけるロープによる運搬法の総称。
巻上法には,ケージ巻上法 (cage winding)
とスキップ巻上法 (skip winding) とがある。
また,巻胴の形式によって,巻胴式巻上機,
ケーペ巻上機及びリール巻上機に分類す
る。
shaft winding
3502
ケーペ巻
けーぺまき
立坑巻上法の一種。
綱みぞを備えた大きなケーペプーリ
(Koepe pulley) に1本又は数本の巻綱を掛
け,その両端にケージ又はスキップを付け
(ケージ又はスキップの下につり合い綱を
使う。),ケーペプーリの綱みぞと巻綱との
間の摩擦によって巻上機の動力を伝える。
Koepe winding,
Koepe system
3503
ボビン
平綱巻取り用の巻きわく。
bobbin
リール
(reel)
3504
深度計
しんどけい
巻上げ中,ケージ,スキップ又は鉱車など
(斜坑の場合)の位置を指示する計器。
depth indicator
3505
巻上塔
まきあげとう
ケーペ巻において,巻上機を直接その上に
設置した塔。
winding machine
tower
3506
巻上げやぐら
まきあげやぐ
ら
巻上機を地上にすえ付ける場合のヘッドシ
ーブ設置用のやぐら。
head frame
3507
ヘッドシーブ
巻上げやぐらの頂部に設置し,巻綱を受け
るシーブ。
head sheave
3508
多綱巻
たづなき
ケーペ巻において,大きな径の巻綱の代わ
りに,数本の小さな径の巻綱を並べて使用
する運搬法式。
multiple rope
winding
3509
キングポスト
ケージと巻綱とを連結する棒状のつり金
具。
多段ケージでは,すらせで十分に案内され
ていてケージの四すみをチェーンなどでつ
る必要がないため,ケージの中心部を1本
の棒状金具でつることがある。
king post
3510
ウェッジグリ
ップ
立坑巻綱とケージ又はスキップとの連結金
具。
くさびの自動締まり作用を利用したもの。
wedge grip
クレー
ムカウ
セ
(Klemm
-kaushe)
3511
手綱鎖
たづなくさり
ケージと巻綱とを連結する鎖。
ケージの左右両側で,頂部の両端及び中央
に付けた合計6本の鎖を上方で一つにまと
めて巻綱でつる。
bridle chain
六方チ
ェーン
33
M 0102 : 2000
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3512
ケージ
立坑巻上装置の一つで,人又は鉱車などを
載せて上下する容器。
一段式ケージと多段式ケージとがある。ケ
ージは,巻綱によってつられており,巻上
機で運転する。
構造材料は,一般には鋼材であるが,軽量
化するために軽合金で造ることもある。
cage
3513
デタッチング
フック
ケージが過巻状態になったとき,ケージを
ロープから外して,立坑のヘッドシーブの
下のフレームに安定させる安全装置。
detaching hook
3514
つり合い綱
つりあいづな
立坑において複式巻上げを行うとき,巻綱
による不平衡荷重をつり合わせるため,ケ
ージ又はスキップに取り付けるワイヤロー
プ。
balance rope
平衡綱,
バラン
スロー
プ
3515
ケプス
ケージに鉱車などを出し入れするとき,ケ
ージを載せ,かつ,ケージ内のレール面と
坑道又は地表のレール面を一致させる目的
の装置。
keps,
landing chair
3516
スイングデッ
キ
ケージに鉱車などを出し入れするときに使
用する渡し板。
ロープの伸びによるケージの上下動に応じ
て揺動可能の構造とし,その操作は,人力,
油圧,圧縮空気その他で行う。
swing deck
はね橋
(junc-tio
n)
3517
すらせ
a) ケージ又はスキップが立坑内を昇降す
るとき,その走行を案内するための装
置。
設置する場所により,横すらせ,端す
らせ,すみすらせの3種類があり,ま
た,材質によって,木すらせ,軌条す
らせ,綱すらせに分類する。
b) 鉱車などが斜坑の曲線部を通過すると
き,転覆,脱線などを防止するための
装置。
guide
a)の場
合
立坑ガ
イ
ド
(shaft
guide)
3518
キブル
立坑掘さくにおいて廃石の搬出,人員の昇
降,材料の運搬などに使用する金属製のた
る形容器。
kibble
3519
ライダ
キブルが立坑内を昇降するとき,その振れ
及び回転を防止するためすらせ綱に沿って
キブルとともに上下する案内フレーム。
rider
6) 架空索道
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3601
架空索道
かくうさくど
う
架空ワイヤロープにつるした機器によっ
て,積載物を運搬する方式。
貨物用には,大別して単線式索道と複線式
索道とがある。
aerial ropeway
34
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3602
単線式索道
たんせんしき
さくどう
搬器の荷重を支持する支索と,搬器をえい
行するえい索とを兼ねる1本の架空ワイヤ
ロープによって運搬を行う架空索道。
single-line
ropeway,
mono-cable
ropeway
3603
複線式索道
ふくせんしき
さくどう
搬器の荷重を支持する太い支索と搬器をえ
い行するえい索との2本の架空ワイヤロー
プによって運搬を行う架空索道。
double-line
ropeway,
bi-cable ropeway
3604
往復式索道
おうふくしき
さくどう
搬器が同一の架空ワイヤロープ上を往復す
る索道。
round trip aerial
ropeway
3605
受索輪
じゅさくりん
えい索(引き綱)を支持するシーブ。
guide pulley,
sheave of rope
receiver
3606
搬器
はんき
鉱石,材料などを運搬する容器。
carrier,
bucket
7) 流体による輸送
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3701
空気輸送
くうきゆそう
空気の流れによって粒体を流送するパイプ
輸送方式。
pneumatic
transportation
3702
水力輸送
すいりょくゆ
そう
固体と水の混合物をパイプ又はといの中に
通して流送する輸送方式。
固体を水とともにポンプを通して輸送する
ポンプ方式と,押込装置を使って固体をポ
ンプの排水管中に供給する押込方式とがあ
る。
hydraulic
transportation
3703
スラリー輸送
すらりーゆそ
う
水力輸送のうち,固体の粒度が小さく,か
つ固体濃度が高いもの。
hydraulic
transportation of
slurry
3704
スライムポン
プ
でい状微粒固形物を処理できる特殊ポン
プ。
充てん用サンドスライムの流送には,往復
形粒体輸送ポンプを使う。
slime pump
8) 積込機
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3801
かき込式積込
機
かきこみしき
つみこみき
機体の先端につめをもったかき寄せ部があ
って,鉱石,廃石などをコンベヤの上にか
き寄せ,後方の鉱車(炭車)に積み込む機
械。
gathering loader
3802
ショベル式積
込機
しょべるしき
つみこみき
機体を前進して,破砕された鉱石などの中
へ前部のショベルを突っ込み,すくい上げ,
ついで機械の後方まで反転し,後続する鉱
車(炭車)又はコンベヤへ直接投げ込む動
作を行う積込機。
shovel loader
3803
バケット式積
込機
ばけっとしき
つみこみき
チェーンを使うバケット(又はディッパ)
とコンベヤを組み合わせた積込機。
ショベル式積込機に比べてバケットの運動
距離と時間が短く,すくい込みの幅が大き
bucket loader
35
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
い。
3804
スクレーパ
かき込み容器の前後に引きロープともどし
ロープを取り付け,ホイストによって,シ
ーブを介して往復運動を与え,鉱石,石炭
などをかき寄せる機械。
scraper
3805
スクレーパホ
イスト
スクレーパに往復運動を与える複式ドラム
又は3ドラムの小形巻上機。
scraper hoist
3806
グラブバケッ
ト
つかみ装置の付いているバケット。
grab bucket
3807
パワーショベ
ル
走行部例えばクローラに架乗した回転でき
る運転室と,上下動するディッパをもつブ
ームからなる大形の掘削積込機械。
power shovel
9) 運搬附属設備
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
3901
安全つかみ
あんぜんつか
み
立坑及び斜坑のロープ運搬で,巻綱が切断
したときに,ケージ又はスキップの落下若
しくは鉱車などの逸走を防止するため,す
らせ又はレールをつかむ装置。
safety catch
3902
緩衝器
かんしょうき
a) 鉱車などの前後端に取り付けてある,
衝撃を避けるための当て板。
スプリング,ゴムなどを使う場合もあ
る。
b) 立坑巻などで,巻綱の衝撃荷重を緩和
するために,巻綱とケージ又はスキッ
プの間にそう入するスプリング,又は
スプリングと油圧を利用した装置。
buffer,
shock absorber
3903
クリーパ
鎖に取り付けたつめを鉱車などの車軸にひ
っかけて,鎖を動かすことによって鉱車な
どを短距離移動させる装置。
creeper
3904
鉱車押込み装
置
こうしゃおし
こみそうち
ケージなどに鉱車などを押し込むための装
置。
圧縮空気又は油圧を利用したものが多い。
car pusher
3905
シュート
鉱石,石炭などを傾斜面に沿って落下させ
る設備。
chute,
shute
3906
スパイラルシ
ュート
空間を節約し,かつ粉化を防止するために,
鉱石,石炭などが流下する斜面をらせん状
にしたシュート。
spiral chute,
spiral shute
3907
チップラ
鉱車(炭車)の積載物をあけるために,鉱
車(炭車)を転倒させる装置。
tippler
3908
ポケット
上方から鉱石,石炭などを投入し,下方か
ら取り出すように造られた貯蔵設備。
3909
バケットエレ
ベータ
鎖車又はベルトプーリによって運転してい
るエンドレスの鎖,又はベルトに一定間隔
でバケットを取り付け,バケットの内容物
を連続的に上方に運搬する装置。
bucket elevator
3910
エアスライド
傾斜したといの底に布又は多孔貨物質をは
って,その下方から空気を吹き込み,その
air slide
36
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
上に載っている粉粒体をかきまぜて流下さ
せる装置。
d) 保安
1) 一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4101
鉱山保安
こうざんほあ
ん
鉱業における次の事項をいう。
a) 鉱山における,人に対する危害の防止。
b) 鉱物資源の保護。
c) 鉱山施設の保全。
d) 鉱害の防止。
mine safety
4102
坑内保安
こうないほあ
ん
鉱山の坑内における保安。
mine safety in
underground
4103
坑外保安
こうがいほあ
ん
鉱山の坑外における保安。
mine safety on
surface
4104
鉱山保安法規
こうざんほあ
んほうき
鉱山保安に関する関係法規。すなわち,鉱
山保安法及び関係省令からなる。
mine safety laws
and regulations
4105
保安技術職員
ほあんぎじゅ
つしょくいん
鉱山保安に関する職務を行うため,鉱山保
安法の規定に基づいて鉱業権者によって選
任された者。
safety technical
personnel
4106
保安係員
ほあんかかり
いん
管理者の指揮を受けて,分掌する事項につ
いて鉱山保安の確保に当たる係員。
safety foreman
4107
保安設備
ほあんせつび
事故を防止し,保安を確保するための設備。 safety equipment
4108
安全装置
あんぜんそう
ち
不時の事故を防止する装置。
safety device
4109
保安帽
ほあんぼう
頭部の傷害を防止するために着用する作業
帽。
safety cap,
helmet
安全帽
4110
保安ぐつ
ほあんぐつ
足部の傷害を防止するために着用する作業
ぐつ。
safety shoes
安全ぐ
つ
4111
安全帯
あんぜんたい
墜落及び転落を防止するため身体に着用す
るバンドで,親綱などに連結する。
safety belt
4112
腰綱
こしづな
高所作業などにおいて墜落及び転落を防止
するため身体に綱で結着するものをいい,
親綱,子綱及びこれらの結着装置を含めた
総称。
safety rope
命綱
(life
rope)
4113
非常はしご
ひじょうはし
ご
立坑などに設け,ケージの故障時など非常
の場合に使用するはしご。
emergency ladder
4114
安全荷重
あんぜんかじ
ゅう
構造物,物体などに制限以上の応力を生ぜ
しめない荷重。
safety load
4115
安全率
あんぜんりつ
物体が破壊しない範囲にとどめるために物
体に加わる荷重を考慮する係数。
safety factor
4116
鉱山災害
こうざんさい
いがい
鉱山における死傷者又は施設の破損及び資
源の損失などを伴う事故。
mine disaster
4117
労働災害
ろうどうさい
がい
労働者の就業によって起こる労働者の疾病
や死傷を伴う事故。
labor accident
4118
汚染
おせん
有害物質,放射性物質などで人体,環境の
空気・器物などが汚されること。
contamination
37
M 0102 : 2000
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2) 坑内環境
2.1) 坑内空気
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4201
坑内空気
こうないくう
き
坑内において石炭,鉱石,坑木などの酸化,
又は坑水,特殊地層による酸素吸収により
酸素を減じ,若しくは石炭,鉱石及び地層
中から出てくるガスによって,組成が変化
した空気。
mine air,
damp
4202
酸素欠損
さんそけっそ
ん
酸素の消費又は酸素を含まない気体の混入
などにより,通常の酸素含有量よりも,酸
素の量が著しく低下すること。
oxygen deficiency
4203
窒息性ガス
ちっそくせい
がす
人体には直接有毒ではないが,これを多量
に吸入すると窒息するガス。例えば,炭酸
ガス,窒素など。
choke damp,
black damp
4204
有害ガス
ゆうがいがす
人体に対して有害なガスの総称。鉱山保安
法規上では,有毒ガスをも含めている。
harmful gas
4205
有毒ガス
ゆうどくがす
有害ガスのうち,微量でも人体に対して毒
性のあるガス。
例えば,一酸化炭素,亜硫酸ガスなど。
poisonous gas
4206
比色形一酸化
炭素検定器
ひしょくがた
いっさんかた
んそけんてい
き
小さなガラス管(検知管)の中に封入した
試薬に,一酸化炭素を含むと考えられる空
気を一定量,かつ一定時間通じ,試薬の変
色を標準色と比較して,一酸化炭素の含有
率を知る器具。
colorimetric carbon
monoxide
detector
一酸化
炭素検
知器
2.2) 坑内気象
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4207
坑内気象
こうないきし
ょう
坑内における温度,湿度,気圧,通気など
の状態。
underground
atmospheric
conditons
4208
感覚温度
かんかくおん
ど
気温,湿度,気流速度を総合して決めた人
間の感覚上の温度。
effective
tempe-rature
有効温
度,
体感温
度
4209
カタ計
かたけい
人体表面における冷却力を測定する計器。
kata thermometer
4210
カタ度
かたど
カタ計を冷却するときに,上下の標線間を
通過する時間(T秒)でカタ係数 (F) を割
った値で,空気の冷却力の尺度である。す
なわち,カタ度Hは,
T
F
H=
kata degree
4211
地熱
ちねつ
地かく内の岩石がもつ熱。
geothermy
4212
地熱恒温帯
ちねつこうお
んたい
地表からある深さのところで,地表の温度
変化の影響を受けず,1年中ほとんど温度変
化がない地帯。
isothermal zone
4213
地熱増温率
ちねつぞうお
んりつ
地熱恒温帯以下で,深さとともに増加する
地熱の割合。
geothermal gradient
38
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3) 通気
3.1) 通気一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4301
通気
つうき
a) 空気を坑内に流通させること。
b) 坑内を流通する空気。
a) ventilation
b) ventilating air
4302
通気圧
つうきあつ
気流発生の原動力となる圧力の差。
ventilating pressure
4303
自然通気圧
しぜんつうき
あつ
坑内外の温度差などのため生じる空気密度
の差によって,特定閉回路に自然に発生す
る通気圧。
natural draft
pressure,
natural ventilation
pressure
4304
通気測定
つうきそくて
い
坑内空気の組成,通気圧,風向,風速,風
量などを観測すること。
ventitation surveys
4305
気積
きせき
作業者1人当たりの作業場占有容積。
air space per person
4306
入気
にゅうき
坑内作業場に向かう空気。
intake air
4307
排気
はいき
坑内作業場から坑外に向かう空気。
return air
4308
通気量
つうきりょう
単位時間に流れる空気の量。
quantity of airflow
風量
4309
通気配分
つうきはいぶ
ん
各作業場など必要な場所に空気が流れるよ
うに通気量を配分すること。
air distribution
4310
分流
ぶんりゅう
一つの気流を二つ以上の気流に分けるこ
と。
splitting
4311
車風
くるまかぜ
a) 排気の一部が入気に混入して再循環す
る現象。
b) 再循環する通気。
a) recirculation of
air
b) recirculating air
4312
通気短絡
つうきたんら
く
入気と排気とを短絡すること。
short circuit of air
4313
漏風
ろうふう
有効風量とならずに入気側から排気側に漏
れる空気。
air leakage
4314
通気簿
つうきぼ
気圧,温度,湿度,通気速度,通気量,可
燃性ガス濃度など,通気に関する所要事項
を記入する帳簿。
ventilation book
4315
通気系統
つうきけいと
う
入気坑口から排気坑口に至る空気通路の系
統。
mine ventilation
system
4316
通気図
つうきず
坑内の通気施設,通気方向,通気量などの
通気状況を示した図面。
ventilation map
4317
通気回路網
つうきかいろ
もう
網目状になっている通気系統。
ventilation network
通気網
4318
通気模型
つうきもけい
坑道,扇風機などを電気的素子その他で表
し,通気計算を行うための通気回路網の模
型。
ventilation model
3.2) 通気法
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4319
主要通気
しゅようつう
き
自然通気又は機械通気,若しくは両者の連
合作用によって行う全般的な通気。
main ventilation
39
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4320
局部通気
きょくぶつう
き
自然通気又は機械通気で通気できない箇所
に局部扇風機,ジェットなどと風管を使っ
て行う通気。
張出し又は風管だけを用いる場合もある。
auxiliary
venti-lation
4321
自然通気
しぜんつうき
自然通気圧によって行われる通気。
natural draft,
natural ventilation
4322
人工通気
じんこうつう
き
人工的に発生させた差圧によって行う通
気。
artificial ventilation
4323
機械通気
きかいつうき
扇風機のような機械力を応用した人工通
気。
mechanical
ventilation
4324
押込通気
おしこみつう
き
入気側で扇風機を運転して,その正圧によ
って空気を押し込む通気方式。
forcing draft,
forcing ventilation
吹込通
気
4325
吸出し通気
すいだしつう
き
排気坑口又はその近傍で扇風機を運転し
て,坑内空気を吸い出す通気方式。
exhausting draft,
exhausting
ventilation
4326
対偶式通気
たいぐうしき
つうき
主要入・排気坑道が互いに離れて存在する
通気方式。
diagonal ventilation
4327
中央式通気
ちゅうおうし
きつうき
主要入・排気坑道が互いに近接している通
気方式。
centralized
ventila-tion
4328
上向き通気
うわむきつう
き
切羽における風向が上向きの通気。
ascensional
ventila-tion
4329
下向き通気
したむきつう
き
切羽における風向が下向きの通気。
descensional
ventilation
4330
張出し通気
はりだしつう
き
張出しを使った局部通気。
brattice ventilation
4331
風管通気
ふうかんつう
き
風管を使った通気。
duct ventilation
3.3) 通風機
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4332
ウォータジェ
ット
風管内で圧力水を噴射させて,そのジェッ
ト効果によって空気を誘導する装置。
water jet
4333
エアジェット
風管内で圧縮空気を噴射させて,そのジェ
ット効果によって空気を誘導する装置。
air jet
4334
扇風機
せんぷうき
空気を坑内に流通させる回転形通風機。静
圧の増加を伴う通風機は,一般に送風機と
呼ばれるが,鉱山ではこのような送風機を
慣用的に扇風機と呼ぶ。
fan
4335
主要扇風機
しゅようせん
ぷうき
主要通気に使われる扇風機。使用法式によ
って,次の2種類がある。
a) 押込扇風機 (forced fan)
押込通気に使う扇風機。
b) 吹出し扇風機 (exhaust fan)
吸出し通気に使う扇風機。
main fan
4336
補助扇風機
ほじょせんぷ
うき
通気的閉回路の存在する特定区域の通気を
増強するため,坑内の特定地点に,付加的
に設置した扇風機。
booster fan
40
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4337
局部扇風機
きょくぶせん
ぷうき
局部通気に使う扇風機。
auxiliary fan
4338
予備扇風機
よびせんぷう
き
主要扇風機又は補助扇風機の故障時などに
用いる扇風機。
stand-by fan
4339
圧気動扇風機
あつきどうせ
んぷうき
圧縮空気によって駆動する扇風機。
air turbine fan
3.4) 通気抵抗
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4340
通気抵抗
つうきていこ
う
坑道その他を空気が流れるときの抵抗。
ventilation
resistance
4341
比抵抗
ひていこう
単位通気量によって起こる圧力損失で表し
た通気抵抗。
specific resistance
4342
等価長
とうかちょう
坑道屈曲部などの衝撃損失を伴う部分の通
気抵抗を,それと同じ通気抵抗をもつ直線
坑道の長さで表したもの。
equivalent length
4343
等積孔
とうせきこう
坑内の通気抵抗をそれと同じ通気抵抗をも
つ穴の面積で表したもの。
equivalent orifice
3.5) 通気施設
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4344
通気孔
つうきこう
特に通気のために使われる斜坑,立坑など。 air pit
4345
通気坑道
つうきこうど
う
通気を主目的とした坑道。
air way
4346
扇風機風道
せんぷうきふ
うどう
坑口に近い坑道の1点から主要扇風機に至
る短い通気専用の風道。
fan drift,
air drift
4347
通気目抜き
つうきめぬき
通気のために設ける目抜き。
thirling for
ventilation
4348
分量門
ぶんりょうも
ん
ある区域への通気量を調節するための開孔
部を備えた通気戸。
air regulating door
調風戸,
調量門
4349
通気戸
つうきど
通気をしゃ断し,かつ,人,車両などが通
行できるようにした戸。
air door
戸門,
風門
4350
通気しゃ断壁
つうきしゃだ
んへき
空気の出入りを防止するための防壁。
air dam
4351
びら門
びらもん
布などをたらして通気量を調節する設備。
curtain
のれん
4352
爆風戸
ばくふうど
主要扇風機などをガス爆発,炭じん爆発に
よる爆風から守るための設備。
explosion door
4353
風橋
ふうきょう
入気坑道と排気坑道とが交差するところ
で,気流の交流を防止するための設備。
overcast,
air crossing
4354
張出し
はりだし
板又は布で作った通気仕切り壁。
brattice
4355
風管
ふうかん
通気のために空気を送る管。
air duct,
mine tube
4) 落盤
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4401
落ばん
らくばん
坑内空間の天ばんが落下すること。
roof fall
落盤
4402
崩落
ほうらく
坑内空間の周壁が落下すること。
falling in
41
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4403
高落ち
たかおち
坑内空間の天ばんが崩落すること。
rupture,
caving
4404
浮石
うきいし
坑内又は露天採掘場において,岩ばんの一
部が緩んで崩落しそうな部分。
loose part of rock,
fragmented rock
4405
転石
てんせき
いったん天ばんなどからはく離した鉱石又
は岩石が斜面などによって,更に移動する
こと。
bounding stone
4406
打診
だしん
浮石,岩ばん内の空げきなど,坑内空間周
辺の岩ばん内部の異状を探知するため,そ
の周壁をたたいて音を聞くこと。
sounding
4407
ばん圧統制
ばんあつとう
せい
採掘方法,充てん方法,その他の手段によ
ってばん圧の発生の仕方を調節すること。
roof control
盤圧統
制
4408
ばんぶくれ
坑内空間における床面の盛り上がり。主と
してばん圧と吸水によって起こる。
floor heave creep,
swelling
盤ぶく
れ
5) 防爆
5.1) 自然発火・火災
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4501
自然発火
しぜんはっか
空気中で石炭,鉱石などが酸化作用のため
発火すること。
spontaneous
combustion,
spontaneous fires
4502
坑内火災
こうないかさ
い
坑内で発生する火災。
mine fire
4503
火災ガス
かさいがす
火災によって発生するガスで,CO2,CO,
SO2などを含んでいる。
fire gases
4504
ほうまつ流送
消火
ほうまつりゅ
うそうしょう
か
界面活性剤などのほうまつを流し,窒息消
火すること。
foam-plug method
of fighting fires
4505
密閉
みっぺい
坑道を閉鎖し,空気の流通をしゃ断するこ
と。
sealing
4506
密閉取りあけ
みっぺいとり
あけ
密閉箇所を再度使用するため,又は資材・
機器を回収するために密閉を取り除くこ
と。
reopening of
sealing area
5.2) 防爆
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4507
ガスゆう出
がすゆうしゅ
つ
炭層などの表面から一様にガスが出るこ
と。
emission of gas
4508
ガス噴出
がすふんしゅ
つ
炭層などの断層,き裂などから多量のガス
が継続的に吹き出すこと。
blow of gas
4509
ガス流出
がすりゅうし
ゅつ
採掘跡などの停滞ガスが坑内へ流れ出るこ
と。
effluence of gas
4510
ガス突出
がすとっしゅ
つ
坑内作業場において,一時に多量のガスが
猛烈な勢いをもって噴出すること。
多くの場合,多量の粉炭,岩石などを伴う。
outburst of gas
4511
岩はね
いわはね
地圧の開放により急激に岩石が突出する現
象。
rock-burst
山はね
42
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4512
ガス抜き
がすぬき
岩層や採掘跡などから,濃厚なメタンをボ
ーリングパイプ,ガス抜き専用坑道などを
利用して誘導すること。
gas drainage
4513
誘導発破
ゆうどうはっ
ぱ
発破により衝撃を与えて,人為的にガス突
出を誘起させる方法。
induction blasting
4514
ガス検定器
がすけんてい
き
メタン,炭酸ガス,一酸化炭素などのガス
を測定する計器。
gas detector
4515
安全灯
あんぜんとう
防爆機構を施した照明灯。
safety lamp
4516
青炎
せいえん
揮発油安全灯の炎が,メタンを含む空気に
触れて生じる青い冠状炎。
青炎の長さによってメタン濃度が測定でき
る。
blue cone,
blue flame
4517
ガス爆発
がすばくはつ
可燃性ガスが爆発すること。
gas explosion
4518
炭じん爆発
たんじんばく
はつ
空気中に浮遊する石炭の微粒子が爆発する
こと。
coal dust explosion
4519
鉱じん爆発
こうじんばく
はつ
空気中に浮遊する多量の鉱石の微粒子が爆
発すること。
mineral dust
explosion
4520
もどり爆風
もどりばくふ
う
ガス炭じんなどの爆発によって最初の爆風
が起こったのち,爆生ガスの容積が減少す
ることによって生じる逆向きの爆風。
backlash
4521
衝撃波
しょうげきは
爆発時に発生する衝撃的な圧力波。
shock wave
4522
圧力波
あつりょくは
爆発によって発生する強大な伝ぱ波。
pressure wave
4523
あとガス
あとがす
a) 坑内火災の際,又はガス,炭じんの爆
発時に発生するガス。
b) 発破の際に発生するガス。
a) after
gases
(米),
after
damp
(英)
b) blasting fume
4524
防爆構造
ぼうばくこう
ぞう
火気,電気などを使用する機械,器具類を
坑内空気中に置いて,爆発の着火源となる
ことなく安全に使用できるよう,特に考慮
した構造。
電気機器の防爆構造には,次の種類がある。
a) 対圧防爆構造
b) 狭げき防爆構造
c) 油入防爆構造
d) 内圧防爆構造
e) 安全増防爆構造
f) 特殊防爆構造
explosion-proof
construction,
flame-proof
construction
4525
炭壁注水
たんぺきちゅ
うすい
主として炭じんの発生を防止するため,炭
層中にせん孔して,これに圧力水を注入す
ること。
water infusion
4526
高圧注水発破
こうあつちゅ
うすいはっぱ
炭層の発破孔内に高圧水を注水した状態で
実施する発破。
pulsed infusion
shot
4527
岩粉
がんぷん
炭じんの爆発及びその伝ぱを防止するため
に,石炭坑で使用する不燃性の岩石粉末。
rock dust(米),
stone dust(英)
防爆岩
粉
4528
岩粉法
がんぷんほう
炭じんの爆発及びその伝ぱを防止するた
め,岩粉の散布や岩粉だななどによって対
処する方法。
rock dusting
method(米),
stone dusting
method(英)
43
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4529
岩粉散布
がんぷんさん
ぷ
炭じんの爆発防止のために岩粉を散布する
こと。
rock dusting(米),
stone dusting(英)
4530
岩粉だな
がんぷんだな
炭じん爆発の伝ぱを防止するために岩粉を
積載するたな。
rock dust barrier
(米),
stone dust barrier
(英)
4531
岩粉地帯
がんぷんちた
い
炭じん爆発の伝ぱを防止するため,坑道に
多量の岩粉を散布した区域。
rock dust zone
(米),
stone dust zone
(英)
岩粉帯
4532
タファネル坑
道
たふぁねるこ
うどう
衝撃波を緩和して爆発の伝ぱを防止するた
めに,屈曲して設けた坑道。
Taffanel gallery
5.3) 火薬発破
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4533
検定爆薬
けんていばく
やく
可燃性ガス及び爆発性炭じんの多い箇所に
おいて,検定試験によって安全に使えるこ
とを認められた爆薬で,減熱消炎剤を含む。
permissible
explosives(米),
permitted
explosives(英)
安全爆
薬,
炭鉱爆
薬
4534
減熱消炎剤
げんねつしょ
うえんざい
可燃性ガス及び炭じんの着火を防ぐため
に,爆薬の爆発温度を低下させ,かつ,爆
炎を減じるように爆薬の成分中に含まれる
もので,主として食塩などを使用する。
cooling agents,
reducer
4535
爆薬安全被筒
ばくやくあん
ぜんひとう
減熱消炎剤を主成分とし,検定爆薬の外部
を被覆してその安全度を高める坑内用品。
safety sheath for
explosives
6) 機械
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4601
逸走防止装置
いっそうぼう
しそうち
逸走している車両などを停止させる装置及
び停止中の車両などが逸走するのを防止す
る装置。
devices to prevent
tubs from
running away
4602
過巻防止装置
かまきぼうし
そうち
ケージ,スキップ,鉱車などを所定の位置
以上に巻き上げ過ぎるのを防止する装置。
overwind
prevention
devices
4603
車止め
くるまどめ
停止中の車の動くのを防ぐ器具。
car stop,
car lock
4604
人車救急車
じんしゃきゅ
うきゅうしゃ
ロープの切断などによって斜坑人車が逸走
するのを防ぐ設備をもった車で,まくら木
にひっかける装置のものと,軌条をつかむ
装置のものとの二つの形がある。
emergency car
4605
錠締め
じょうじめ
特殊の工具を使用しなければ,緩めたり開
いたりすることのできない締付け装置。
locking
4606
キャップラン
プ
ヘッドピースを帽子に取り付けて携行する
照明電灯。
cap lamp
4607
ターボランプ
圧縮空気などを原動力とした発電ランプ。
turbo lamp
44
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7) 鉱害
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4701
鉱害
こうがい
鉱物採掘のための土地の掘さく,坑水又は
廃水の放流,廃石(捨石)又は鉱さいのた
い積,鉱煙の排出などによって第三者に与
えた不利益。
injurious from
mining
4702
保安炭柱,
保安鉱柱
ほあんたんち
ゅう,
ほあんこうち
ゅう
坑内と坑外の構造物の保全のため,又は採
掘場所の安全を維持するために,未採掘の
まま残した炭柱・鉱柱。
safety pillar,
barrier pillar
4703
地表沈降
ちひょうちん
こう
坑内採掘によって起こる地表の沈下。
surface subsidence
地下沈
下
4704
地表陥没
ちひょうかん
ぼつ
地表の一部が沈下する現象。
surface ground fall,
surface subsidence
4705
地ばん移動
ぢばんいどう
坑内採掘によって起こる周辺岩ばんの動
き。
ground movement
4706
坑水
こうすい
坑内からわき出る水。
mine water
坑内水
4707
廃水
はいすい
選鉱(選炭)場,製錬場その他鉱山の諸施
設などにおいて使用し,廃棄される水。廃
石(捨石)又は鉱さいのたい積場から流れ
る水。
waste water
4708
鉱煙
こうえん
鉱物の製錬諸工程から排出する煙。
smoke,
metallurgical
smoke
4709
煙害
えんがい
製錬所などの廃煙により第三者に与えた不
利益。
injury from smoke,
smoke pollution
植物に与える場合
は
leaf showing
damage,
leaf destruction
8) 救護・衛生
8.1) 救命・救護
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4801
鉱山救護隊
こうざんきゅ
うごたい
鉱山において,酸素呼吸器を着装し,有害
ガス中又は酸素欠損の空気中で探険,人命
救助,災害の拡大防止,復旧などの作業を
するために設けた組織。
mine rescue crew
4802
酸素呼吸器
さんそこきゅ
うき
酸素源をもち,周囲の空気と絶縁して呼吸
ができる呼吸器で,救護作業などに使用さ
れる。
oxygen breathing
apparatus
酸素救
命器
4803
簡易救命器
かんいきゅう
めいき
坑内において,事故によって発生した一酸
化炭素などの有害ガス,煙又は酸素欠損の
ため人体に危険のおそれのある箇所を突
破・脱出するための,軽量で取扱いの簡単
な酸素呼吸器。
light weight rescue
apparatus
マイン
ゼム
45
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4804
防毒マスク
ぼうどくます
く
存在する有害ガスに適応する薬品によっ
て,有害ガスを吸収又は無害に変化させ,
毒性を除いて吸入するための保護具。
gas mask
ガスマ
スク
4805
一酸化炭素用
自己救命器
いっさんかた
んそようじこ
きゅうめいき
一酸化炭素を除去する薬剤及び煙を除去す
るろ煙層から成り,坑内において火災その
他の事故によって発生した一酸化炭素又は
煙が存在する区域を突破・脱出するための
呼吸保護具。
carbon monoxide
self-rescuer
COマス
ク
8.2) 鉱山衛生
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
4806
鉱山衛生
こうざんえい
せい
鉱山労働者の健康を保持する技術。
mine hygiene
4807
じん肺
じんぱい
粉じんの吸入によって起こる肺線維症。
吸入粉じんの種類により,けい肺(遊離け
い酸によるもの),石綿肺などと名付けられ
る。
pneumoconiosis
4808
防じんマスク
ぼうじんます
く
有害粉じんの吸入を防ぐために着用する空
気ろ過式個人保護具。
dust mask
4809
送風マスク
そうふうます
く
有害ガス又は粉じんの吸入を防ぐために着
用する送気式個人保護具。
hose mask
4810
熱中症
ねっちゅうし
ょう
高温・高湿が原因で発症する熱性疾患の総
称。
熱卒倒,熱けいれんなどを含む。
insolation,
heat stroke
e) 選鉱・選炭部門
1) 一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5101
選鉱
せんこう
a) 鉱石,石炭,その他これに準ずる工業
原料鉱物を有効に利用するため,目的
とする鉱物を他の目的鉱物又は無価値
成分から,主として物理的・機械的方
法により分離する操作。
b) 上記操作及びそれに関連した処理技術
の総称。
a) mineral
dres-sing,
concentration
b) mineral
proces-sing,
beneficiation
5102
選炭
せんたん
a) 採掘した石炭を主として物理的・機械
的方法により精炭と廃石に分離する操
作。
b) 採掘した石炭を市場の要求に合うよう
に調整する処理技術の総称。
a)のほかに分粒,混炭,加工,利用を
包含する。
a) cleaning of coal
b) coal preparation
5103
選鉱工場
せんこうこう
じょう
選鉱(石炭を除く)の操業を行う工場。
concentrator,
mill
5104
選炭工場
せんたんこう
じょう
選炭の操業を行う工場。
washery,
coal preparation
plant
46
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5105
フィード
選鉱又は選炭において,処理系統又は機械
装置に供給される鉱石又は石炭。
feed
給鉱,
給炭
5106
粗鉱
そこう
1334参照。
crude ore,
run-of-mine ore,
raw ore
5107
原炭
げんたん
採掘したままの石炭。
run-of-mine coal
5108
精鉱
せいこう
選鉱の結果得られる高品位側の産物。
concentrate
5109
精炭
せいたん
選炭の結果得られる高品位側の産物。
clean coal
5110
尾鉱
びこう
選鉱の結果得られる低品位側の産物。
tailing
5111
廃石,
捨石
はいせき,
すていし
1206参照。
refuse,
waste,
tailing
5112
ミドリング
選鉱(又は選炭)において,精鉱と尾鉱(又
は精炭と廃石)の中間の産物を取り出した
場合のその産物。
middling
中鉱,
2号炭
5113
スライム
鉱石,石炭,岩石などの微細粒子。
slime
5114
一次スライム
いちじすらい
む
粗鉱中に含まれるスライム。
primary slime
5115
脈石
みゃくせき
a) 1203参照。
b) 金属鉱物の選鉱において,鉱石中に含
まれる非金属鉱物の総称。
gangue
5116
粗選
そせん
一つの選別系統において,精選又は清掃に
先だって行われる第1段の選別過程。
roughing
5117
精選
せいせん
一つの選別系統において,粗選精鉱を,更
に品位を高めるために再処理する第2段の
選別過程。
cleaning
5118
清掃
せいそう
一つの選別系統において,粗選尾鉱中の有
価鉱物を更に回収するために再処理する第
2段の選別過程。
scavenging
5119
粗選機
そせんき
粗選を行うために用いられる機械や装置。
rougher
5120
精選機
せいせんき
精選を行うために用いられる機械や装置。
cleaner
5121
清掃機
せいそうき
清掃を行うために用いられる機械や装置。
scavenger
5122
歩どまり
ぶどまり
フィードに対する質量割合 (%) 。
特に断わらなければ,精鉱又は精炭の歩ど
まりを意味する。
yield (by weight)
5123
実収率,
採収率
じっしゅうり
つ,
さいしゅうり
つ
選鉱又は選炭の工程において,原料(鉱石
又は原炭)から産物中に採収し得た成分(通
常は有価成分)の割合。
recovery,
extraction
5124
歩どまり効率
ぶどまりこう
りつ
石炭の選別効率を表す一般的な指数で,次
の式により算出する。
100
歩どまり効率(%)=
×
揚物の歩どまり(%)
精炭と同一灰分の浮
精炭の歩留り
organic efficiency
5125
選鉱比
せんこうひ
粗鉱の質量 (F) と精鉱の質量 (C) との比
CF
ratio of
concentration
5126
富鉱比
ふこうひ
精鉱品位 (c) と粗鉱品位 (f) との比 (fc) 。 ratio of enrichment
47
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5127
トロンプ配分
率曲線
とろんぷはい
ぶんりつきょ
くせん
選別,分級などの分離操作に対し,その分
離特性を表すために用いられる曲線。
横軸に比重,粒度などの当該分離操作にお
ける分離特性値をとり,縦軸に分離特性値
の各点における一方の産物への回収率(配
分率)をとって表す。
Trompʼs curve,
partition curve
5128
分離比重
ぶんりひじゅ
う
トロンプ配分率曲線において,配分率50%
に対応する粒子の比重。
specific gravity of
separation
5129
分離粒度
ぶんりりゅう
ど
トロンプ配分率曲線において,配分率50%
に対応する粒度。
size of separation
5130
分離精度
ぶんりせいど
選別又は分粒における分離の正確さ。
sharpness of
separation
5131
テラ指数
てらしすう
トロンプ配分率曲線上の配分率75%,25%
の2点に対応する比重又は粒度d75,d25の差
の21の値であって,Epで表す。
2
25
75
d
d
Ep
−
=
分離精度を表す指数の一つで,この数値が
小さいほど分離精度が良好である。
ecart probable,
probable deviation
5132
不完全度
ふかんぜんど
分離精度を表す指数の一種。トロンプ配分
率曲線から求められる。
imperfection
5133
誤入物
ごにゅうぶつ
選別又は分粒において,正当でないほうの
産物に迷い込んだ粒子。
misplaced material
5134
単体粒子
たんたいりゅ
うし
目的とする鉱物が単独で1粒子を構成して
いるような粒子。
free particle
5135
片刃粒子
かたはりゅう
し
目的とする鉱物が他の鉱物とともに1粒子
を構成しているような粒子。
locked particle
片刃
5136
単体分離
たんたいぶん
り
粉砕によって片刃粒子を単体粒子にするこ
と。
liberation
5137
単体分離度
たんたいぶん
りど
全粒子に対する単体粒子の質量割合 (%) 。 degree of liberation
5138
パルプ
粉状の鉱石(又は石炭)と水との混合物で
懸濁液の状態にあるもの。
pulp
スラリ
5139
パルプ濃度
ぱるぷのうど
パルプ中に含まれる固体粒子のパルプ全量
(水+固体)に対する質量百分率。
pulp density
5140
リパルピング
ろ過脱水した粉体を再びパルプにするこ
と。これから転じて,単に粉体をパルプ化
する場合に用いることもある。
repulping
5141
スピゴット
シックナ又は分級機の底にある沈積物(ア
ンダフロー)の抜き口。
これから転じて,そこから抜いた産物自体
のこともいう。
spigot
5142
アンダフロー
濃縮コーン,シックナ,分級機,ハイドロ
サイクロンなどで分離された粗粒側産物,
高比重側産物又は高濃度側産物。
underflow
5143
オーバフロー
濃縮コーン,シックナ,分級機,ハイドロ
サイクロンなどで分離された細粒側産物,
低比重側産物又は低濃度側産物。
overflow
48
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5144
沈降
ちんこう
流体中において,粒子が重力又は遠心力の
作用により沈んでいく現象。
settling
5145
自由沈降
じゆうちんこ
う
固体粒子が流体中を他の粒子,器壁,その
他の影響を受けずに沈降すること。
free settling
5146
干渉沈降
かんしょうち
んこう
固体粒子が流体中を他の粒子,器壁,その
他の影響を受けながら沈降すること。
hindered settling
5147
サージタンク
流量,組成などの変動を緩和するためのタ
ンク。
surge tank
5148
アグロメレー
ション
焼結,ブリケッティング,ペレタイジング
などの方法によって,粉体を塊状又は粒状
にすること。
agglomeration
5149
ブリケット
粉体を加圧成形して小塊状にしたもの。
briquette
5150
ブリケッティ
ング
ブリケットを作る操作。
briquetting
5151
ペレット
粉体を転動によって団子状に固め,必要な
ら更にこれを乾燥又は焼成して強度を増し
たもの。
pellet
5152
ペレタイジン
グ
ペレットを作る操作。
pelletizing
5153
セグレゲーシ
ョン法
せぐれげーし
ょんほう
塩化物と還元剤の存在のもとで鉱石をばい
焼し,酸化金属鉱物などを還元した後,浮
選などによって金属を分離,回収する方法。
segregation process
5154
磁化ばい焼
じかばいしょ
う
非磁性又は弱磁性の鉱物をばい焼して,強
磁性の鉱物に変えること。
magnetizing
roasting
5155
硫酸焼鉱
りゅうさんし
ょうこう
硫酸製造のため,硫化鉄鉱(黄鉄鉱,磁硫
鉄鉱など)をばい焼したときに得られる焼
鉱。
pyrite cinder
5156
青化製錬
せいかせいれ
ん
金,銀鉱などに対する製錬法の一種。
青化物溶液で金,銀などを浸出し,他のも
のと分離する方法。
cyanidation
5157
たい積浸出
たいせきしん
しゅつ
鉱石などをたい積したままの状態で,水又
は溶液などでその中の特定の物質を溶解,
浸出させること。
heap leaching
5158
貧液
ひんえき
湿式製錬において,貴液から有価物を沈殿,
ろ過したろ液。
barren solution
5159
貴液
きえき
湿式製錬における有価物の浸出,溶解液。
pregnant solution
5160
青化毒
せいかどく
青化製錬において,シアンを消費し,金,
銀などの溶解を妨害する物質。
cyanicide
5161
アマルガメー
ション
金,銀鉱などに対する製錬法の一種。
水銀アマルガムを作ることによって,金,
銀などを採取する方法。
amalgamation
5162
オアベディン
グ
鉱石などを混合又は均一化するための一方
法。粉粒体を層状にたい積した後,これら
の層を横切るように切りとることによって
払い出しを行う。
ore bedding
5163
偏析
へんせき
粉粒体が粒度,比重,組成などにかたより
を生じ,不均一になること。
segregation
5164
湿潤剤
しつじゅんざ
い
界面活性剤の一種で,固体粒子の表面を水
にぬれやすくする性質をもつ薬剤。
wetting agent
49
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5165
粉化
ふんか
人為的粉砕によらず,粒子が砕けて細かく
なること。
degradation
2) 粉砕
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5201
粉砕
ふんさい
外力,内部応力などの作用によって固体を
砕くこと。
size reduction,
comminution
5202
乾式粉砕
かんしきふん
さい
空気,その他の気体の中で行う粉砕。
dry grinding
5203
湿式粉砕
しっしきふん
さい
水,その他の液体の中で行う粉砕。
wet grinding
5204
砕解
さいかい
比較的弱い力で結合している団塊に対して
外力を作用させ,これをばらばらにほぐす
こと。
disintegration
5205
過粉砕
かふんさい
最適粒度を超えて,過度に細かく粉砕する
こと。
overgrinding
5206
自生粉砕
じせいふんさ
い
被粉砕物自身を粉砕媒体として利用する粉
砕。
autogenous
grinding
5207
閉回路粉砕
へいかいろふ
んさい
粉砕機と分粒装置(ふるい,分級機など)
とを組み合わせ,分粒装置の細粒側産物だ
けが最終産物となるように,中間産物をそ
の回路内で繰り返し処理する粉砕の方式。
closed circuit
grinding,
closed circuit
crushing
5208
開回路粉砕
かいかいろふ
んさい
閉回路粉砕の対語。
粉砕回路の中間産物の繰返しを行わない粉
砕の方式。
open circuit
grinding,
open circuit
crushing
5209
粉砕性
ふんさいせい
固体の粉砕されやすさ。
grindability
5210
粉砕比
ふんさいひ
粉砕原料の粒度 (F) と粉砕産物の粒度 (P)
との比 (PF) 。80%粒度の比(80%粉砕比)
がしばしば用いられる。
reduction ratio
5211
仕事指数
しごとしすう
Bondの粉砕理論に基づく指数。
第一義的には,粉砕体の粉砕抵抗を表し,
次の式によって定義される。
−
=
F
P
W
W
i
10
10
ここに,W:粉砕機のモータ入力
(MJ/t)
Wi:仕事指数 (MJ/t)
{kWh/t}
P:粉砕産物の80%粒度 (μm)
F:粉砕原料の80%粒度 (μm)
備考 この規格の中で { } を付けて
示してある単位は,従来単位によ
るものであって,参考として併記
したものである。
work index
5212
循環荷重
じゅんかんか
じゅう
閉回路粉砕などにおいて,繰り返される中
間産物量。しばしば新フィード量に対する
百分率で表示される。
circulating load
50
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5213
オープンセッ
ト
二つの破砕面の間げきが周期的に変化する
形のクラッシャにおいて,その間げきの最
も狭い位置における開き(セット)が最大
となったときの開き(セット)の寸法。
open set
5214
クローズドセ
ット
二つの破砕面の間げきが周期的に変化する
形のクラッシャにおいて,その間げきの最
も狭い位置における開き(セット)が最小
となったときの開き(セット)の寸法。
closed set
5215
ジョークラッ
シャ
一端を支持した可動板を固定板に向けて前
後させることによって,固定板との間で原
料を粉砕する機械。
jaw crusher
5216
ジャイレート
リクラッシャ
旋回運動をなす円すい台形の物体と,それ
を囲むすりばち形の物体との間で粉砕を行
う機械。
gyratory crusher
5217
コーンクラッ
シャ
上下二つのかさ形物体の間で,下側のかさ
形物体の旋回運動によって粉砕を行う機
械。
cone crusher
5218
インパクトク
ラッシャ
被粉砕物に対し衝撃板(又は反発板)との
衝撃又は被粉砕物相互の衝突によって高速
度の衝撃を加え,粉砕を行う機械。
impact crusher
5219
クラッシング
ロール
一対の平行円筒体を互いに逆方向に回転さ
せ,その間で原料の粉砕を行う機械。
crushing rolls
5220
ハンマミル
多数のハンマをもつ円筒を,水平軸又は垂
直軸の周りに高速で回転させ,衝撃,せん
断,摩擦などの作用によって原料を粉砕し,
かつ排出口に格子をもつ機械。
hammer mill
5221
ブラッドフォ
ードブレーカ
穴あき鋼板の円筒を回転させ,その内面に
取り付けたかき上げ羽根によって原料を持
ち上げ落下させて,選択破砕とふるい分け
とを同時に行う機械。
Bradford breaker
5222
ローラミル
回転するローラと円板又はリング内面との
間で原料を押しつぶすことによって粉砕を
行う機械。
roller mill
5223
回転ミル
かいてんみる
軸を水平にした円筒形又はこれに準ずる形
の容器にボール,ロッド,その他の粉砕媒
体を原料とともに装入し,これを水平軸の
周りに回転させることによって,衝撃,摩
擦などの作用によって粉砕を行う機械。
tumbling mill
5224
ボールミル
球形の粉砕媒体を使用する回転ミル。
ball mill
5225
ロッドミル
機体内面の長さよりやや短い鋼棒(ロッド)
を粉砕媒体として使用する回転ミル。
rod mill
5226
ペブルミル
けい石,その他の岩石の塊を粉砕媒体とし
て使用する回転ミル。
pebble mill
5227
シリンドリカ
ルミル
本体の形状が円筒形をなす回転ミル。
cylindrical mill
5228
チューブミル
直径に比べ約2倍以上の長さをもつシリン
ドリカルミル。
tube mill
5229
コニカルミル
機体の形状が中央で円筒形,フィード側と
排出側で円すい形をなす回転ミル。
conical mill
51
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5230
振動ミル
しんどうみる
粉砕媒体を原料とともに装入した機体に振
動を与えることによって,粉砕を行う機械。
vibrating mill
5231
粉砕媒体
ふんさいばい
たい
回転ミル,振動ミルなどにおいて,被粉砕
物に対し粉砕力を与えるために,機体容器
中に装入する物体(ボール,ロッドなど)。
grinding media
5232
(ミルの)臨
界速度
(みるの)り
んかいそくど
回転ミルの内壁に接する微小固体が,ミル
と一緒に回転すると仮定した場合,その固
体に作用する遠心力と重心とがつり合う速
度。
Nc≒r
30
ここに,Nc:臨界速度 (min-1)
r:ミルの内半径(原則とし
てライナを除いたシ
ェルの内半径) (m)
備考 トロンメルにも適用できる。
critical speed (of
mill)
3) 分粒
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5301
粒度
りゅうど
粒子の大きさ。
particle size
5302
分粒
ぶんりゅう
固体粒子群をその粒度によって,二つ以上
のグループに分ける操作。その主な方法と
しては,ふるいを用いるふるい分けと,流
体中における沈降速度の差を利用する分級
とがある。
sizing
5303
ふるい分け
ふるいわけ
粒子群をふるいによって,分ける操作。
screening
5304
ふるい分析
ふるいぶんせ
き
適当な間隔のふるい目をもつ標準ふるいを
用いて,粒子群の粒度分布を求めること。
screen analysis
5305
粒群
りゅうぐん
粒度分布をもつ粒子群のうち,一定の粒度
範囲に属するもの。
size fraction
5306
通過分
つうかぶん
ふるい分け試験によって,得られた網下。
passing material
5307
残分
ざんぶん
ふるい分け試験によって,得られた網上。
retained material
5308
粒度分布
りゅうどぶん
ぷ
粒子群を構成している粒子の大きさの分
布。
size distribution
5309
粒度分析
りゅうどぶん
せき
粒度群の粒度分布を調べること。
size analysis
5310
標準ふるい
ひょうじゅん
ふるい
粉粒体の粒度又は粒度分布を検するために
用いるふるい。
JIS Z 8801に規定されている。
standard sieve
5311
80%粒度
80ぱーせんと
りゅうど
粒度分布をもつ粉粒体の80%量が通過分と
なる粒度。
80%size
5312
ふるい比
ふるいひ
標準ふるいのふるい目の大きさが,ある粒
度を基準として等比級数をなす場合の公
比。
sieve scale
52
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5313
ふるい分け効
率
ふるいわけこ
うりつ
ふるい分けの成績を評価するために用いる
指数。希望産物粒度,平衡粒度などの分離
基準粒度における通過分と残分の2成分系
についての分離効率であって,回収すべき
成分の回収率から除去すべき成分の混入率
を差し引いた値として,次の式によって定
義される。
η=
F
f
C
c
F
f
C
c
)
1(
)
1(
.
.
−
−
−
=
)
1(
.
f
f
f
c
F
C
−
−
=
)
1(
.
f
f
f
c
T
C
C
−
−
+
=
)
)(
1(
)
)(
(
t
c
f
f
t
f
f
c
−
−
−
−
ここに
η:ふるい分け効率(小数)
F:フィード量 (t/h)
C:網下産物量 (t/h)
T:網上産物量 (t/h)
f:フィード中の通過分(小
数)
c:網下産物中の通過分(小
数)
t:網上産物中の通過分(小
数)
screening
efficiency
53
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5314
分級効率
ぶんきゅうこ
うりつ
分級の成績を評価するために用いる指数。
希望産物粒度,平衡粒度などの分離基準粒
度における通過分と残分の2成分系につい
ての分離効率であって,回収すべき成分の
回収率から除去すべき成分の混入率を差し
引いた値として,次の式によって定義され
る。
η=
F
f
C
c
F
f
C
c
)
1(
)
1(
.
.
−
−
−
=
)
1(
.
f
f
f
c
F
C
−
−
=
)
1(
.
f
f
f
c
T
C
C
−
−
+
=
)
)(
1(
)
)(
(
t
c
f
f
t
f
f
c
−
−
−
−
ここに,
η:分級効率(小数)
F:フィード量(乾量) (t/h)
C:オーバフローの乾量 (t/h)
T:アンダフローの乾量 (t/h)
f:フィード中の通過分(小
数)
c:オーバフロー中の通過分
(小数)
t:アンダフロー中の通過分
(小数)
classifier efficiency,
efficiency of
classi-fication
5315
網上
あみうえ
ふるい分け操作によって得られるふるいの
網を通過しなかったほうの産物。
oversize
5316
網下
あみした
ふるい分け操作によって得られるふるいの
網を通過したほうの産物。
undersize
5317
グリズリ
くさび形鋼,レールなどを適当な傾斜角を
もって,ほぼ平行に並べた粗粒用のふるい。
特に断わらない場合には,固定式のものを
さす。
grizzly
5318
共振ふるい
きょうしんふ
るい
ふるいの共振振動速度とほぼ等しい振動速
度で作動するように作られた振動ふるい
a)。
resonance screen
5319
振動ふるい
しんどうふる
い
a) (広義)ふるい面を振動させる方式の
ふるい。
b) (狭義)ふるいの共振振動速度より大
きい振動速度で作動するように作られ
たふるい(高速振動ふるい)。
vibrating screen
5320
トロンメル
ふるい面が円筒形,角筒形,円すい台形又
は角すい台形をなすふるい(回転ふるい)。
trommel,
revolving screen
5321
弧状ふるい
こじょうふる
い
ふるい面が円弧面をなす湿式固定ふるい。
原料パルプは,円弧面に対しその内側から
切線方向にフィードされる。
sieve bend,
Bogensieb(独)
54
M 0102 : 2000
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5322
分級
ぶんきゅう
流体(通常,水又は空気)中における固体
粒子の沈降速度が,その粒度によって異な
ることを利用して,それらを二つ以上の粒
子群に分ける操作。
classification
5323
エルトリエー
ション
分級の原理を利用した粒度分析の一方法。
原則として定常上昇流を用いる。
elutriation
5324
等速沈降比
とうそくちん
こうひ
比重の異なる2種類の粒子が流体中で等し
い沈降速度をもつ場合の,それら粒子の直
径の比。
equal settling ratio,
equal falling ratio
5325
サイクロン
遠心力を利用した分離装置の一種で,固気
分離,固液分離,液液分離,気液分離又は
固固分離(分級,選別)に用いられる。円
筒部の付いた円すい形をなすのが普通で,
円筒部に切線方向から送入されたフィード
は,円筒部中央及び円すい部末端から分
離・排出される。
cyclone
5326
ハイドロサイ
クロン
固体懸濁液,エマルジョンなどを対象とし
て,分級,濃縮,比重選別,分液などを行
うことを目的とするサイクロン。
hydrocyclone
5327
水力分級機
すいりょくぶ
んきゅうき
機体の下部から導入した上昇水流によって
分級を行う構造の湿式分級機。
hydraulic classifier
5328
機械分級機
きかいぶんき
ゅうき
粗粒側産物を機外に排出するために,機械
力が作用する構造の湿式分級機。
mechanical
classifier
5329
空気分級機
くうきぶんき
ゅうき
空気中における固体粒子の沈降速度が,そ
の粒度によって異なることを利用した構造
の乾式分級機。
air classifier
4) 選別
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5401
手選
てせん
鉱石又は炭石を,主としてその外観に基づ
いて人手によって選別する方法。
hand picking
5402
比重選別
ひじゅうせん
べつ
固体粒子の比重差を利用して行う選別法。
gravity
concentration
5403
浮沈分析
ふちんぶんせ
き
種々の比重の重液を使用し,これに対する
浮揚物と沈下物との量を決定することによ
って,粒子群の比重構成を調べる試験。
sink-and-float
analysis
5404
(浮沈分析に
おける)浮揚
物
(ふちんぶん
せきにおけ
る)ふようぶ
つ
浮沈分析において浮揚した粒子群。
float (in
sink-and-float
analysis)
5405
(浮沈分析に
おける)沈下
物
(ふちんぶん
せきにおけ
る)ちんかぶ
つ
浮沈分析において沈下した粒子群。
sink (in
sink-and-float
analysis)
5406
軽産物
けいさんぶつ
比重選別において得られる低比重側の産
物。
light product
5407
重産物
じゅうさんぶ
つ
比重選別において得られる高比重側の産
物。
heavyproduct
55
M 0102 : 2000
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5408
空気選別
くうきせんべ
つ
乾式の比重選別。
pneumatic
separation
5409
比重選別基準
ひじゅうせん
べつきじゅん
比重選別において,選別の容易さを表す指
数で,次の式によって定義される。
ρ
δ
ρ
δ
−
−
=
∆
L
H
ここに,∆:比重選別基準
δH:重鉱物の比重
δL:軽鉱物の比重
ρ:媒体の比重
concentration
criterion
5410
可選性
かせんせい
a) (広義)鉱石又は石炭の選別に対する
適応性。
b) (狭義)石炭の比重又は灰分に関する
量的構成によって,表される選別に対
する適応性。
wachability
5411
可選曲線
かせんきょく
せん
a) (広義)可選性を表すための曲線又は
グラフ。
b) (狭義)原炭又は選炭産物の比重別灰
分分析のデータをもとにし,横軸に灰
分,縦軸に歩どまりをプロットした曲
線の総称。
JIS M 8801に規定されている。
washability curve
5412
とい流し法
といながしほ
う
流しといを用いて行う湿式比重選別法。
sluicing
ねこ流
し
5413
トラフ水選機
とらふすいせ
んき
湿式比重選別機の一種。傾斜したといで,
上端から鉱石(又は石炭)を水とともに流
し,といの中の流れの作用によって選別を
行う。
trough washer
5414
ジグ
流体(主として水)中で流体に上下の脈動
を与えるか,又は網を上下動させて,網上
に載った鉱石又は石炭を比重選別する機
械。
jig
5415
空気動ジグ
くうきどうじ
ぐ
ジグの一種。空気室と空気弁をもち,空気
室に対して空気を周期的に送入・排出する
ことによって脈動水流を生じさせる形式の
もの。バウムジグ (Baum jig) は,その代表
的なものである。
air-pulsator jig
5416
ベッドジグ
網の上に人工ベッド(長石,人造石などの
層)を敷いたジグ。
bed jig
5417
空気ジグ
くうきじぐ
空気選別機の一種。乾式のジグ。
air jig,
pneumatic jig
5418
ピストンジグ
ピストン又はプランジャの上下運動によっ
て,周期的に網室内に上下脈動水流を作る
ジグ。
piston jig
5419
(選鉱選炭機
械としての)
シェーキング
テーブル
(せんこうせ
んたんきかい
としての)し
ぇーきんぐて
ーぶる
比重選別機の一種。わずかに傾斜させた平
板に往復運動を与え,粒子を比重により成
層させて分離する。
shaking table
テーブ
ル
56
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5420
重選
じゅうせん
重液による比重選別。
sink-and-float
separation,
dense medium
separation,
heavy medium
separation
重液選
鉱,
重液選
炭
5421
重選機
じゅうせんき
重選を行う機械。
sink-and-float
separator,
dense medium
separator,
heavy medium
separator
5422
真重液
しんじゅうえ
き
重選又は浮沈試験の媒体として使用する高
比重の液体。
heavy liquid
5423
懸濁重液
けんだくじゅ
うえき
重選又は浮沈試験の媒体として使用する重
液で,液体(普通は水)の中に固体微粒子
を懸濁させたもの。
dense medium
suspension
5424
重液材
じゅうえきざ
い
懸濁重液を構成する高比重の固体粉末。
dense medium solid
5425
空気テーブル
くうきてーぶ
る
空気選別機の一種。乾式のシェーキングテ
ーブル。
pneumatic table
5426
磁選
じせん
固体粒子の磁気的性質の差を利用した選別
法。
magnetic separation 磁力選
鉱
5427
磁選機
じせんき
磁選を行う機械。
magnetic separator
5428
着磁産物
ちゃくじさん
ぶつ
磁選において着磁したほうの産物。
magnetic product
5429
非着磁産物
ひちゃくじさ
んぶつ
磁選において着磁しなかったほうの産物。
non-magnetic
product
5430
浮選
ふせん
固体粒子表面の疎水性の差を利用した湿式
選別法。
flotation
浮遊選
鉱,
浮遊選
炭
5431
フロス
a) 浮選においてパルプ表面に集合した鉱
化気ほう群。
b) フロス浮選において浮いたほうの産
物。
froth
5432
(浮選の)テ
ール
(ふせんの)
てーる
浮選において浮かなかったほうの産物。
tailing (in flotation)
5433
浮遊度
ふゆうど
鉱物の浮選に対する適応性。鉱物固有の物
理化学的性質に基づく自然浮遊度 (natural
flota-bility) と,浮選剤などによって人工的
に付与した浮選度とがある。
flotability
57
M 0102 : 2000
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5434
接触角
せっしょくか
く
固体の疎水性の程度を示す特性値。
例えば,下図のような固・液・気3相の境
界において,固液界面と気液界面とのなす
角を液相を通って測った値。
contact angle
5435
鉱化気ほう
こうかきほう
その表面に多数の鉱物粒子が接着している
気ほう。
armoured bubble,
mineralized bubble
5436
臨界pH
りんかいぴー
えっち
浮選においてpHを変化させた場合,ある固
体粒子が一方では浮遊し,他方では浮遊し
なくなる境界のpHの値。
critical pH
5437
条件づけ
じょうけんづ
け
浮選などに先立ち,固体粒子と薬剤との反
応その他に必要な接触の機会を与えるため
に行う予備操作。
conditioning
5438
コンディショ
ナ
条件づけを行うための装置。
conditioner
5439
浮選剤
ふせんざい
浮選に使用する薬剤の総称。
flotation reagent
5440
捕収剤
ほしゅうざい
浮選剤の一種。特定の種類の固体粒子の表
面に選択的に疎水性を付与し,又はそれを
助長するために用いる。
collector
5441
陰イオン捕収
剤
いんいおんほ
しゅうざい
陰イオンとして作用する捕収剤。
anionic collector
5442
陽イオン捕収
剤
よういおんほ
しゅうざい
陽イオンとして作用する捕収剤。
cationic collector
5443
ザンセート
金属硫化鉱物の代表的な捕収剤であるキサ
ントゲン酸塩類。
S
ROC
SM
ここに,R:アルキル基
M:Na又はK
xanthate
5444
起ほう剤
きほうざい
浮選剤の一種。フロス浮選において,気ほ
うの発生と分散を助けるとともに,フロス
を安定させるために用いる。
frother
5445
条件剤
じょうけんざ
い
捕収剤と起ほう剤とを除く浮選剤の総称。
例えば,活性剤,抑制剤,pH調節剤など。
conditioning agent
5446
抑制剤
よくせいざい
浮選剤の一種。特定の種類の固体粒子の浮
遊を抑制するために用いる。
depressant
5447
活性化
かっせいか
浮選において,固体粒子の捕収を助長する
ような化学的作用又は界面化学的作用。
activation
5448
活性剤
かっせいざい
活性化を行うために用いる浮選剤。
activator
5449
(浮選におけ
る)硫化
(ふせんにお
ける)りゅう
か
浮選において,ある種の非硫化鉱物を活性
化するために,鉱物表面を硫化物に変化さ
せること。
sulphidizing
(in flotation)
5450
硫化剤
りゅうかざい
浮選における活性剤の一種。硫化を行うた
めに用いる浮選剤。
sulphidizing agent
5451
pH調節剤
ぴーえっちち
ょうせつざい
浮選剤の一種。浮選パルプの水素イオン濃
度を調節するために用いる。
pH regulator
58
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5452
多油浮選
たゆふせん
浮選法の一種。粉砕した鉱石に水とともに
比較的多量の油を加え,疎水性鉱物を油と
ともに浮上させ,採取する。
bulk oil flotation
5453
フロス浮選
ふろすふせん
浮選機の内部に気ほうを発生させ,これを
媒体として固体粒子などを浮揚させる浮選
法。
froth flotation
5454
皮膜浮選
ひまくふせん
浮選法の一種。水の表面張力によって疎水
性鉱物粒子を水面に浮かせて分離する。
film flotation,
skin flotation
5455
テーブル浮選
てーぶるふせ
ん
シェーキングテーブルを分離機として使用
する一種の皮膜浮選。
table flotation
5456
イオン浮選
いおんふせん
溶液中のイオンを対象とした一種の浮選技
術。捕収剤イオンと溶存イオンとの選択的
な結合によって不溶性の界面活性化合物を
作り,この化合物を浮選分離する。
ion flotation
5457
担体浮選
たんたいふせ
ん
浮選法の一種。浮選パルプに別の鉱物粒子
を担体として加え,この粒子表面に浮遊さ
せるべき微小粒子を凝集させてから,これ
を担体鉱物と共に浮遊させる。
carrier flotation
5458
総合浮選
そうごうふせ
ん
数種類の鉱物をひとまとめにして浮遊させ
る浮選。
bulk flotation
5459
優先浮選
ゆうせんふせ
ん
選択性のある浮選剤の使用などによって,2
種類以上の類似した浮遊性鉱物(例えば硫
化鉱物どうし)を分離する浮選。
differential
flotation
5460
総合優先浮選
そうごうゆう
せんふせん
総合浮選を行った後に,その精鉱(総合精
鉱)を優先浮選する方式。
bulk-differential
flotation
5461
直接優先浮選
ちょくせつゆ
うせんふせん
優先浮選を順次に行って,2種類以上の精鉱
を作る浮選方式。
straight-differential
flotation
5462
浮選機
ふせんき
浮選を行う機械。
flotation machine
5463
(浮選機など
の)セル
(ふせんきな
どの)せる
浮選機などで単位となる容器又は容器区
画。
cell
5464
スライムコー
テイング
パルプ中で粘土鉱物などの微細な鉱物粒子
が他の鉱物粒子の表面に凝集し,これを被
覆すること。
slime coating
5465
静電選別
せいでんせん
べつ
高圧の静電気を用い,鉱物の電気的性質(電
気伝導度又は誘電率)の差を利用した選別
法。
electrostatic
separation
静電選
鉱,
静電選
炭
5466
放射能選別
ほうしゃのう
せんべつ
固体粒子の放射能の差を利用した選別法。
radioactivity
separation
5) 固液分離・固気分離
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5501
スクラビング
a) 湿式収じん。
b) 機械と鉱石及び相互間のこすり合う作
用によって鉱石の集塊をときほぐし,
粒の表面に付着したスライムを水洗す
る操作。
scrubbing
59
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5502
スクラバ
a) 湿式収じん装置。
b) スクラビングb)を行う装置。
scrubber
5503
デスライミン
グ
スライムを分級その他の方法で除去するこ
と。
desliming
5504
ドラムウォッ
シャ
回転円筒形のスクラバb)。
drum washer
5505
ログウォッシ
ャ
スクラバb)の一種。タンク中で羽根つき円
筒(ログ)の回転によってスクラビングb)
を行う。
log washer
5506
清澄化
せいちょうか
沈降による固液分離法で,清澄な液体を得
ることを目的とする。
clarification
5507
濃縮
のうしゅく
沈降によりパルプの濃度を高めること。
thickening
5508
シックナ
a) パルプ中の固体粒子を沈降させて濃縮
する装置。
b) 円形のタンク中でパルプの固体粒子を
重力で静かに沈降させて濃縮し,レー
クによって底部中央にかき集めて抜き
出す装置。原則として,固形分を含ま
ない水をタンクの周囲から連続的にオ
ーバフローさせる。
thickener
5509
傾斜板シック
ナ
けいしゃばん
しっくな
水面に対し多数の平行傾斜板を備えたシッ
クナa)。
baffle plate
thickener
5510
沈降タンク
ちんこうたん
パルプ中の固体粒子を沈降分離するために
用いるタンク。特に逆円すい形のものをセ
ットリングコーンという。
settling tank
5511
沈殿池
ちんでんち
パルプ中の固体粒子を沈殿分離するために
設けた池。
settling pond
5512
脱水
だっすい
重力又は機械力によって固体粒子の付着水
分を除去すること。
dewatering
5513
脱液ふるい
だつえきふる
い
重選において産物に付着した重液を取り除
く目的で使用するふるい。
drainage screen
5514
遠心脱水機
えんしんだっ
すいき
脱水用の遠心分離機。
dewatering
centrifuge
5515
デカンテーシ
ョン
パルプを容器に入れてその固体粒子を沈降
させ,上澄液を分離する操作。
decantation
5516
向流式デカン
テーション
こうりゅうし
きでかんてー
しょん
浸出又は洗浄されるべき固体と液体の流れ
の方向が互いに逆になるように配置した,
連続式多段浸出洗浄法。
counter-current
decantation
(CCD)
5517
ろ液
ろえき
ろ過によって固体から分離された液体。
filtrate
5518
ケーク
ろ過によってろ材面上に生成された固体粒
子の層,又ははく離された産物。
cake
5519
フィルタ,
ろ過機
ふぃるた,
ろかき
ろ過を行う機械。
filter
5520
真空フィルタ
しんくうふぃ
るた
フィルタの一種。ろ過面を境界として,原
料と反対側の空間を減圧することによって
ろ過を行う。
vacuum filter
5521
加圧フィルタ
かあつふぃる
た
フィルタの一種。ろ過面に対して原料を加
圧することによってろ過を行う。
pressure filter
60
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
5522
ディスクフィ
ルタ
円板状ろ過面をもつ連続式真空フィルタ。
disc filter
5523
ドラムフィル
タ
円筒状ろ過面をもつ連続式真空フィルタ。
drum filter
5524
脱じん
だつじん
気体中に浮遊する粉じんを気体から分離除
去する操作。
dedusting
5525
集じん機
しゅうじんき
気体中に浮遊する粉じんを捕集する装置。
dust collector
5526
凝集
ぎょうしゅう
流体中に懸濁した微細な粉末粒子が集まっ
て(独立した粒子とみなし得るような)粒
子集合体を形成する現象。
flocculation,
coagulation
5527
分散
ぶんさん
a) 流体中に懸濁した粉末粒子が,ばらば
らの独立粒子として存在する現象。
b) 流体中で凝集している粉末粒子を,ば
らばらの独立した粒子に分けること。
a) dispersion
b) deflocculation
5528
凝集剤
ぎょうしゅう
ざい
凝集現象を起こし,又は助けるために使用
する薬剤。
flocculating agent,
flocculant
5529
分散剤
ぶんさんざい
分散現象を起こし,又は助けるために使用
する薬剤。
dispersing agent,
dispersant
5530
フロック
凝集によって生じる(独立した粒子とみな
し得るような)粒子集合体。
floc
61
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
f)
石油・天然ガス部門
1) 一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6101
石油
せきゆ
地中に天然に存在する,主として炭化水素
類からなる集合体(固体,液体又は気体)。
天然ガスに対して原油だけをさして石油と
いう場合がある。商品としては,しばしば
原油及びその精製品並びに中間製品を総称
して石油という。
petroleum
6102
原油
げんゆ
天然に産出し,地表条件では液状をなす炭
化水素類。
含有する成分の多少により,パラフィン基,
ナフテン基,中間(混合)基原油などに分
類され,また,比重によって,軽質,中質,
重質,特重質などに分類される。
crude oil
6103
天然ガス
てんねんがす
天然に産出し,地表条件では気状をなす物
質。
一般には,炭化水素類を主成分とする可燃
性ガスをいうことが多い。
natural gas
6104
油田
ゆでん
原油を生産する特定の区域。
oil field
6105
ガス田
がすでん
天然ガスを生産する特定の区域。
gas field
6106
油層
ゆそう
貯留岩の中で,石油が連続相をなす部分。
特に液状の石油が連続相をなす貯留岩の部
分をいうことが多い。
petroleum
reservoir,
oil reservoir
6107
ガス層
がすそう
貯留岩の中で,天然ガスが連続相をなす部
分,又は多量の天然ガスを溶かした水が連
続相をなす部分。液状の石油が連続相をな
す貯留岩の部分でも,それに溶けたガスを
対象とする場合には,ガス層ということも
ある。
gas reservoir
6108
(石油の)埋
蔵鉱量
(せきゆの)
まいぞうこう
りょう
油層,ガス層内に存在している油量,ガス
量をさし,通常地表条件に換算した容積で
表される。また,埋蔵鉱量は,単に鉱量又
は埋蔵量ともいう。また,原始時に存在す
る全埋蔵鉱量を総埋蔵鉱量,ある時点以降
適切な条件のもとで採収し得る埋蔵鉱量
を,その時点における可採埋蔵鉱量という。
reserves
(of petroleum)
6109
試掘
しくつ
未知の油層又はガス層の探求を目的とする
掘さく。
exploratory
dril-ling
6110
採掘
さいくつ
既知の油層又はガス層からの原油若しくは
ガスの採収を目的とする掘さく。
development
dril-ling
6111
坑井
こうせい
原油,ガスなどを採収するため,又はそれ
らの探鉱のために掘さくする井戸。
well
6112
油井
ゆせい
原油を産出する坑井。
oil well
6113
ガス井
がすせい
天然ガスを産出する坑井。
gas well
62
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6114
歩油,
歩ガス
ぶゆ,
ぶがす
共同鉱業権加入契約又は鉱業権譲受契約に
よって,加入者又は譲受者である施業者が,
当該鉱区から産出する原油又はガスの一部
を他の一方の鉱業権者又は前鉱業権者に無
償で渡すもの。
royalty
6115
鉱業法
こうぎょうほ
う
1348参照。
Mining Law
6116
鉱業権
こうぎょうけ
ん
1349参照。
mining right
6117
鉱区
こうく
1350参照。
mining area
6118
(鉱業の)施
業案
(こうぎょう
の)せぎょう
あん
1356参照。
management plan
for mining
operation
2) 地質・探鉱*
注*
ここに示す用語のほか,a)探査の1)地質一般及び5)物理探査に記載されている用語を必要に応
じて使用する。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6201
石油鉱床
せきゆこうし
ょう
か行し得る量の石油が地中に集積している
もの。
狭義には,液状の石油の場合をいう。
petroleum deposit
6202
天然ガス鉱床
てんねんがす
こうしょう
か行し得る量の天然ガスが地中に集積して
いるもの。
natural gas deposit
6203
遊離形天然ガ
ス鉱床
ゆうりがたて
んねんがすこ
うしょう
天然ガス鉱床の一種で,水溶形天然ガス鉱
床に対していう語。
岩石の中に天然ガスが遊離したガス相とし
て集積しているもの。
natural gas deposit
6204
水溶形天然ガ
ス鉱床
すいようがた
てんねんがす
こうしょう
天然ガス鉱床の一種で,天然ガスが水に溶
解した状態で地下に存在するもの。
natural gas deposit
of
dissolved-in-wat
er type
6205
ガスキャップ
貯留岩中で含油部分の上部に接して,その
上位に遊離ガスが連続相をなすもの。
gas cap
6206
天然アスファ
ルト
てんねんあす
ふぁると
天然に産する固体ないし半固体をなす石油
の一種で,暗かっ色ないし黒色を呈し,加
熱すれば容易に溶融する。
普通,地表の一部を覆うか,又は地表近く
の土砂若しくは岩石中に浸染して産する。
その多くは,ある種の原油の成分が逸散し
た残りがさらに酸化,縮重合して生じたも
のである。
natural asphalt,
native asphalt
6207
(石油の)貯
留岩
(せきゆの)
ちょりゅうが
ん
多孔質浸透性の岩石で,その孔げきが石油,
水で満たされているもの。
reservoir rock (of
petroleum)
6208
(石油鉱床
の)帽岩
(せきゆこう
しょうの)ぼ
うがん
石油鉱床において,貯留岩を直接覆って石
油の上方への移動を阻止している不浸透性
の岩石。
cap rock
(of petroleum
deposit)
63
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6209
石油根源岩
せきゆこんげ
んがん
石油がその中から生じた岩石。
押出性有機物の著量を含む黒色けつ岩など
が石油根源岩の例として考えられる。
source rock of
petroleum
6210
間げき水
かんげきすい
岩石の孔げき内に存在する水。
interstitial water
6211
遺留水
いりゅうすい
水成のたい積岩中にたい積水圏の水が閉じ
こめられて,地下の岩石の孔げき内に存在
するもの。同源水ともいう。ただし,その
水圏の水がそのまま残っていることはほと
んどなく,なんらかの化学変化を受けてお
り,また天水によって希釈されていること
も少なくない。
connate water
6212
は水(端水)
はすい
油層又はガス層の側下方に接して,同一貯
留岩中に存在する水。
edge water
6213
底水
そこみず
油層又はガス層の下に接して,同一貯留岩
中に存在する水。
bottom water
6214
(石油の)移
動
(せきゆの)
いどう
石油が自然に地下の岩石中を動くこと。
migration
(of petroleum)
6215
(石油の)集
積
(せきゆの)
しゅうせき
移動する石油が,特定の地質的条件を備え
た場所に至り,それ以上移動しなくなるた
め,そこに石油の集まりができ,油層又は
ガス層を形成すること。
accumulation
(of petroleum)
6216
(石油地質
の)トラップ
(せきゆちし
つの)とらっ
プ
石油の移動を阻止し,石油の集積をきたす
べき地質的条件を備えた貯留岩中の特定の
場所。
trap (in petroleum
geology)
6217
構造トラップ
こうぞうとら
っぷ
トラップを形成する地質的条件が主として
地質構造に基づくもの。例えば,背斜トラ
ップ,断層トラップ。
structural trap
6218
背斜トラップ
はいしゃとら
っぷ
構造トラップの一種で,貯留岩の層が背斜
を形成しているもの。
anticlinal trap
6219
極隆
きょくりゅう
背斜の中で地層が最も高まっている背斜の
部分。
culmination
6220
断層トラップ
だんそうとら
っぷ
構造トラップの一種で,貯留岩の層の上り
傾斜方向が断層で断たれているため,そこ
に形成されているトラップ。
fault trap
6221
層位トラップ
そういとらっ
ぷ
トラップを形成する地質的条件が主として
たい積の状態からもたらされたもの。例え
ば,不整合トラップ,せん滅トラップ。
stratigraphic trap
6222
せん滅トラッ
プ
せんめつとら
っぷ
層位トラップの一種で,貯留岩の層が上り
傾斜の方向にせん滅しているため,そこに
形成されているトラップ。
pinchout trap
6223
浸透率トラッ
プ
しんとうりつ
とらっぷ
層位トラップの一種で,貯留岩の層が上り
傾斜の方向に岩質が変化して浸透性を失っ
ているため,そこに形成されているトラッ
プ。
permeability trap
6224
不整合トラッ
プ
ふせいごうと
らっぷ
層位トラップの一種で,地層間に不整合が
ある場合,貯留岩の層が上り傾斜方向で不
整合のため切り取られているか,又は不整
合面の上でせん滅しているため,そこに形
成されているトラップ。
unconformity trap
64
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6225
組合せトラッ
プ
くみあわせと
らっぷ
トラップのうちで,その地質的条件が,構
造トラップの要素と層位トラップの要素と
の組合せによって備わったトラップ。
combination trap
6226
(石油の)探
鉱
(せきゆの)
たんこう
地質調査,物理探鉱,坑井掘さくなどによ
って,石油鉱床を探すこと。
exploration
(for petroleum),
prospecting
(for petroleum)
6227
露頭
ろとう
地下の岩体の一部が地表面に現れた部分。
outcrop
6228
油徴
ゆちょう
a) 坑井の掘さく中,でい水又はコアやカ
ッティングに認められる,石油の存在
を示す徴候。
b) 原油のしみ出しや油砂の露頭など,地
下における石油の存在を示す地表の天
然徴候。
oil showings,
oil indications
6229
ガス徴
がすちょう
a) 坑井掘さく中,でい水又はコアに認め
られる天然ガスの存在を示す徴候。
b) 天然ガスの自然噴気など,地下におけ
る天然ガスの存在を示す地表の天然徴
候。
gas showings,
gas indications
6230
層序試すい
そうじょしす
い
地質調査の手段として,未知の地域の地下
の層序を知るための坑井掘さく。
stratigraphical well
drilling
6231
構造試すい
こうぞうしす
い
地質調査の手段として,地下地質構造の解
明のために実施する試すい。
structural boring
6232
コア
坑井(試すい孔)から採取した通常円柱状
をなす岩石の試料。
備考 探査部門では,“坑井”を“試す
い孔”に読み替える。
core
6233
微化石
びかせき
顕微鏡でなければ種の同定が困難な程度の
大きさの化石で,坑井のカッティングから
でも容易に全形が得られるもの。
有孔虫,介形虫,放散虫,けいそう,胞子,
花粉などがその主なもの。
microfossil
6234
坑井地質柱状
図
こうせいちし
つちゅうじょ
うず
坑井のカッティング,コアの岩相調査及び
化石調査結果に基づき,坑井内の岩相,地
層傾斜,地層区分,化石産状及び化石分帯
又は油,ガス徴の程度などを,適当な記号
を用い深度に対応して表現した図。
geologic columnar
section of a well
3) さく井
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6301
さく井
さくせい
原油又はガスなどを採取するため,又はそ
れらの探鉱のために,綱掘り,ロータリー
掘りなどの装置を用いて坑井を掘ること。
well drilling
6302
(坑井の)掘
さく
(こうせい
の)くっさく
さく井と同義語に使われている。
drilling (of well)
6303
綱掘り
つなぼり
1405参照。
cable tool drilling
65
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6304
ロータリー掘
り
ろーたりーぼ
り
ピットを先端に付けた掘り管をロータリー
テーブルで回転させて坑井を掘さくする方
法。
掘さくの間,でい水ポンプにより掘り管を
通してでい水を循環させる。
rotary drilling
6305
コア掘り
こあぼり
コアピット,コアバーレルなどを使用して,
坑底からコアを採取すること。
coring
6306
傾斜掘り
けいしゃぼり
ホイップストックなどを使用し,坑井を希
望する方向に曲げて掘さくすること。
directional drilling
6307
枝掘り
えだぼり
坑井の下部を埋め立て,その上からわき穴
を掘さくすること。
side tracking
6308
拡掘
かっくつ
掘さく中の坑井の口径を更に広げるための
掘さく。
reaming,
hole opening
6309
開坑
かいこう
坑井の掘さく準備が終わり,ピットを降下
して掘さくにとりかかること。
spudding in
6310
廃坑
はいこう
不要となった坑井において,油層,ガス層
の保護及び鉱害防止などのため,セメント
埋め立てなどの処理を行って,廃棄処分に
すること。
なお,この処分を完了した坑井を廃坑井と
いう。
well abandonment
6311
坑井仕上げ
こうせいしあ
げ
坑井を掘り止めした後,ケーシングのそう
入,セメンチング,坑口装置の取付けなど,
採収井に仕上げるまでの一連の作業。
well completion
6312
(坑井の)改
修
(こうせい
の)かいしゅ
う
採収井の坑井内の故障を直したり,又は産
出量を増大させるために行う下記の作業。
a) 坑井内の使用機器の落下又は坑井内の
故障による産出量の減少を回復させる
ための作業。
b) 酸処理,ハイドロフラクなどにより産
出量の増大を図るための作業。
c) 産出量が枯渇した場合,同一坑井内で
他の産出層を対象に仕上げ直す作業。
workover (of well)
6313
逸でい
いつでい
坑井を掘さく中,でい水ポンプによって循
環しているでい水が,低圧層,地層の割れ
目又は空どうに入っていき,正常な循環が
行われない現象。逸水ともいう。
lost circulation
6314
おうでい
掘さくの際,高圧の出水層又は産出層に遭
遇したとき,でい水で抑圧する均衡が破れ,
でい水を循環しなくとも,でい水が坑口か
らあふれ出たり,又はでい水の送り込み量
より多くの量が吐き出される現象。
overflow of mud
6315
埋立て
うめたて
掘さくした坑井において,不要となった下
部をしゃ断する目的で,セメント又は土砂
でその部分を埋めること。
plug back
6316
坑心測定
こうしんそく
てい
坑井の掘さく中,特に傾斜掘りにおいて,
測定器を使用して坑井の傾斜角度やその方
位を測定すること。
deviation survey
66
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6317
セラー
坑井の掘さくに際して,やぐら下に坑口装
置,その他を収めるために掘られた穴。
cellar
6318
孫井戸
まごいど
坑井の掘さく作業において,ケリーや掘り
管を一時的に入れるために掘られた浅井
戸。
rat hole,
mouse hole
6319
海洋掘さく
かいようくっ
さく
海又は湖において,人工島又は掘さくバー
ジなどを使用して坑井を掘さくすること。
offshore drilling
6320
海洋掘さく装
置
かいようくっ
さくそうち
海洋掘さくに適するような掘さく装置その
他の装置を装備したもの。
固定式と移動式とがある。移動式のうち,
自航可能のものを掘さく船といい,自航で
きないものを掘さくバージという。
offshore drilling
unit
6321
掘さくバージ
くっさくばー
じ
掘さく装置を備えた移動式プラットホーム
などで,海洋掘さくに用いるもの。
海上に浮くことができるが,自航できない。
drilling barge
6322
(掘さくの)
やぐら
(くっさく
の)やぐら
坑井地点に設けるやぐらで,掘り管の揚降,
ケーシングのそう入などに必要なもの。
形式として標準やぐら,ジャックナイフ形
などがある。
drilling derrick
6323
ドローワーク
ス
ロータリー掘りにおける特殊の巻揚機で,
掘さく機械の主要部をなすもの。
ロータリーテーブルの回転,掘り管の揚降,
ケーシングのそう入などを行う。
drawworks
6324
でい水ポンプ
でいすいぽん
ぷ
ロータリー掘りにおいて,でい水を坑井内
に循環させるための往復ポンプ。
mud pump,
slush pump
6325
ロータリーテ
ーブル
ロータリー掘りにおいて,坑井を掘さくす
る際掘り管に回転を与える機械。
rotary table,
rotary machine
6326
クラウンブロ
ック
やぐらの頂部に取り付けられる固定式の滑
車装置で,トラベリングブロックと対をな
して,掘り管又はケーシングなどの揚降を
行うためのもの。
crown block
6327
トラベリング
ブロック
やぐら内を昇降する滑車装置で,クラウン
ブロックと対をなして,掘り管又はケーシ
ングなどの揚降を行うためのもの。
traveling block
6328
ロータリース
イベル
中心部にでい水の通路をもち,回転するケ
リーと回転しないホース(ロータリーホー
スという。)とを水密に接続する器具。
rotary swivel
6329
ケリー
ロータリー掘りにおいて,ロータリーテー
ブルの回転力を掘り管に伝達する器具で,
角ステムともいい,断面は4角,6角,8角
のものがある。
kelly
6330
掘り管,
ドリルパイプ
ほりかん
ロータリー掘りにおいて,ビットに回転を
伝えるとともに,でい水を坑底に送るのに
使用される継目無鋼管。
drill pipe
6331
ドリルカラー
ビット加重を増すために,ビット直上部に
接続される特殊な肉厚鋼管。
drill collar
6332
ツールジョイ
ント
掘り管の着脱を容易にするための胴付きの
あるねじ継手。
tool joint
67
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6333
(ロータリー
掘りの)ビッ
ト
(ろーたりー
ぼりの)びっ
と
ロータリー掘りにおいて,掘り管の先に接
続され,回転力を受けて坑井を掘さくする
器具。
次のように大別される。
a) ブレードビット 硬装された切刃をも
つ,岩石をかき削って掘さくを行うビ
ット。
b) ロックビット 2個〜4個の硬装された
ローラカッタによって岩石を破砕して
掘さくするビット。
c) ダイヤモンドビット ダイヤモンドの
粒子を植え込んだビット。
bit (of rotary
drilling)
6334
ホイップスト
ック
傾斜掘りにおいて,坑心を目的方向に向け
るためのくさび型の器具。
whipstock
6335
ターボドリル
ビットに直結したタービンを掘り管の先に
付け,でい水の噴流によって,ビットだけ
を回転させて掘さくする方法。
turbo drilling
6336
坑口装置
こうこうそう
ち
a) 掘さくの際,ケーシング頭部に取り付
けられたケーシングヘッド,噴出防止
装置などの組合せの総称。
b) 採収井の場合,ケーシングヘッド,チ
ュービングヘッド及びクリスマスツリ
ーの組合せの総称。
well-head assembly
6337
(坑井の)噴
出防止装置
(こうせい
の)ふんしゅ
つぼうしそう
ち
掘さく井のケーシングヘッド上部に取り付
け,原油,ガス又は水の噴出事故を防ぐた
めに,必要に応じ坑口を閉じる作用をする
装置。
blowout preventer
(of well)
6338
クリスマスツ
リー
自噴井の坑口に取り付けられるもので,流
量調整のためのビーン及び開閉バルブなど
が組み合わされた装置。
christmas tree
6339
ケーシングヘ
ッド
二重ケーシングの頭部において,外側のケ
ーシングにねじ込んで取り付ける器具で,
内側のケーシングを支え,かつ,内外のケ
ーシングの間を閉そくするための器具。
casing head
6340
ケーシング
掘さく及び仕上げの目的で,坑井にそう入
するパイプ。
坑壁の崩壊又は障害となるガス,水などの
坑井内への侵入を防ぐためのもの。
casing
6341
コンダクター
パイプ
坑井掘さくの際に,地表近くの地層の崩壊
を防ぐために用いられる大口径鋼管で,以
深の掘さくを容易にするために挿入するも
の。
conductor pipe
6342
アンカーパイ
プ
坑井内の産出層部分に挿入する最下部のパ
イプで,普通穴あき管を用いる。
anchor pipe
68
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6343
穴あき管
あなあきかん
管胴に多数の丸穴又はスリットをもつ坑井
仕上げ用のパイプで,掘さくした坑井内の
産出層部分に挿入するもの。
これは産出物を管内に導き,かつ,産出層
の崩壊を防止する。孔明管,ストレーナー
などともいう。
perforated pipe
6344
ガンパー
火薬を使用して坑井内ケーシングにせん孔
する作業。
このせん孔器には,弾丸せん孔器とジェッ
トせん孔器の2種類があり,前者は弾丸を
発射し後者は成形爆薬の衝撃波によってせ
ん孔する。
gun perforation
6345
シューチング
坑井内で火薬(又は爆薬)などを爆発させ
る作業。
産出量の増大又は挿入パイプの採揚などの
目的に用いる。
shooting
6346
(さく井の)
でい水
(さくせい
の)でいすい
さく井〔試すい〕において,地表と〔孔底〕
との間を循環し,掘りくず〔スライム〕を
地表まで運搬することのほか,ビットの冷
却,坑壁〔孔壁〕の保護,高圧層の抑圧な
との目的で使用される液体。
通常,水に粘土(主として,ベントナイト)
を混入した液体で,その他種々の薬品を加
える場合もある。
備考 探査部門では,アンダラインの部
分を〔 〕内の語に読み替える。
drilling mud
6347
掘りくず
ほりくず
坑井の掘さく中〔試すい孔のすい進のとき
に〕ビットで削りとられて生じる岩石の小
片。探査部門では,スライム,きり粉,繰
り粉などともいう。
備考 探査部門では,アンダラインの部
分を〔 〕内の語に読み替える。
cuttings
6348
水止め
みずどめ
障害になる水の坑井への流入防止及び水層
と油層,ガス層とのしや断のための処置。
通常,ケーシングを挿入し,更にセメンチ
ングを行う。
formation shut-off
6349
(坑井の)セ
メンチング
(こうせい
の)せめんち
んぐ
坑井内に挿入したケーシングと坑壁との間
をセメントで充てんする作業。
cementing (of well)
4) 検層
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6401
検層
けんそう
坑井内において,種々の物理的量又は化学
的量を深度に対応して連続的に測定し,坑
井近傍の岩石,鉱床の性質又は地層状態や
坑壁の状態を調べること。
well logging
6402
物理検層
ぶつりけんそ
う
検層のうちで,坑井内において種々の物理
的量を測定する検層の総称。
geophysical
logging
69
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6403
電気検層
でんきけんそ
う
a) 岩石の電気的性質を調べる検層の総
称。
b) 自然電位と1〜数種の比抵抗を測定す
ることからなる検層。
electric logging
6404
自然電位曲線
しぜんでんい
きょくせん
a) 地層水とでい水との塩分濃度差を主因
として発生する起電力によって流れる
電流に伴う坑井内でい水柱内の電位分
布を測定した検層記録。
b) 鉱体又は地層と鉱内流体との電気化学
的作用によって発生する電位分布を測
定した検層記録。
備考 b)は探査一般に使用する。
self potential curve,
spontaneous
potential curve,
spontaneous
polarization
curve
6405
けつ岩電位
けつがんでん
い
けつ岩をはさんで濃度の異なる電解液が存
在する場合に起こる電気化学的電位(膜電
位)。坑井内において地層水/けつ岩/でい
水の系の起電力をいう。
shale potential
6406
比抵抗曲線
ひていこうき
ょくせん
岩石の電気比抵抗を測定した検層記録で,
それに基づいて岩石の性質を調べ,また油
層,ガス層を検出するのに用いる。
resistivity curve
6407
指向式比抵抗
検層
しこうしきひ
ていこうけん
そう
比抵抗検層の一種で,特に坑井に直角方向
に電流を集中させて流し,地層に対する検
出能力を向上させた検層。
focused resistivity
logging
6408
(比抵抗)検
層マイクロ
(ひていこ
う)けんそう
まいくろ
極めて短い電極間隔(数cm以内)の電極を
坑壁に押し付けて,坑壁付近の岩石の比抵
抗を測定し,孔げき率の推定や地層の微少
変化を調べる検層。
micro-resistivity
logging
6409
電磁検層
でんじけんそ
う
電磁誘導現象を利用して,岩石の導電率を
測定して岩石の性質を調べ,また油,ガス
層を検出する検層。
induction logging
6410
放射能検層
ほうしゃのう
けんそう
ガンマ線検層,中性子検層など岩石の放射
能特性を調べる検層の総称。
radioactivity
logging
6411
ガンマ線検層
がんませんけ
んそう
岩石中に自然に存在する放射性元素から放
射されるガンマ線を測定して,岩石の性質
を調べる検層。
gamma ray logging
6412
中性子検層
ちゅうせいし
けんそう
中性子源から中性子を岩石に放出して,放
射捕獲反応により生じた二次ガンマ線又は
散乱した中性子を検出して,主として孔げ
き率の推定やガス層の判定に用いる検層。
neutron logging
6413
塩水検層
えんすいけん
そう
中性子検層の一種。塩素原子に関する特定
のエネルギー準位をもつ二次ガンマ線を選
択的に記録して塩水層の検出を目的とする
検層。
salinity logging
6414
密度検層
みつどけんそ
う
ガンマ線源から放出されたガンマ線が岩石
内で散乱し,検出器に入ってくるガンマ線
強度を測定することにより岩石の密度を推
定する検層。
ガンマ-ガンマ(γ-γ) 線検層ともいう。
formation density
logging
70
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6415
音波検層
おんぱけんそ
う
音波(弾性波)を利用して岩石の音波伝ぱ
速度を測定し,その性質を調べ,また岩石
の孔げき率などを推定する検層。
acoustic velocity
logging
6416
速度検層
そくどけんそ
う
音波検層と同義語。
velocity logging
6417
セメントボン
ド検層
せめんとぼん
どけんそう
ケーシング及び岩石中を伝ぱする音波の振
幅の減衰を測定して,ケーシング周囲のセ
メントがケーシング及び地層に固着してい
る程度を調べ,セメンチングの効果を評価
する検層。
cement bond
logging
6418
温度検層
おんどけんそ
う
裸孔及びケーシングそう入井内の温度を測
定してセメントの硬化状態や出水,出ガス
層の位置〔岩石の性質又は熱源〕などを調
べる検層。
備考 探査部門では,アンダラインの部
分を〔 〕内の語に読み替える。
temperature
logging
6419
地層傾斜検層
ちそうけいし
ゃけんそう
電極を坑壁に押し付けて測定された3本以
上の比抵抗曲線のずれなどから,地層の傾
斜の角度及びその方位を測定する検層。
dipmeter survey
6420
キャリパー検
層
きゃりぱーけ
んそう
坑径を測定して,坑壁の崩壊状態やでい壁
の形成状態などを調べる検層。
caliper logging
6421
でい水検層
でいすいけん
そう
掘さく中に坑底から地表に循環してきたで
い水と掘りくずの中のガスを抽出し,その
成分及び量を測定し,岩石中の炭化水素含
有量を推定する検層。
mud analysis
logging
(6.5) 生産
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6501
油飽和率
あぶらほうわ
りつ
貯留岩中の液相の石油の含有率。
孔げき,容積に対する石油の容積比率で表
す。
oil saturaion
6502
ガス飽和率
がすほうわり
つ
貯留岩中のガスの含有率。
孔げき容積に対するガスの容積比率で表
す。
gas saturation
6503
水飽和率
みずほうわり
つ
貯留岩中の水の含有率。
孔げき容積に対する水の容積比率で表す。
water saturation
6504
油容積係数
あぶらようせ
きけいすう
地下に埋蔵された状態において,ガスを溶
解しているままの原油容積の,溶解ガスを
分離した地表条件における原油容積に対す
る比。
1より大きいのが普通である。
oil formation
volume factor
6505
ガス容積係数
がすようせき
けいすう
地下に埋蔵された状態におけるガス容積
の,地表条件におけるそのガス容積に対す
る比。
gas formation
volume factor
6506
ガス油比
がすゆひ
a) 坑井から産出したガスと原油の,地表
条件における容積比。
b) 気状及び液状の石油が共存している場
合はその圧力と温度における気液容積
比。
gas-oil ratio
71
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6507
ガス水比
がすみずひ
坑井から産出したガスと水の,地表条件に
おける容積比。
gas-water ratio
6508
産出指数
さんしゅつし
すう
坑井から流体が産出する際の産出能力を示
す指数であって,静止坑底圧と産出坑底圧
との単位差圧当たりの産出量をもって示
す。
productivity index
6509
産出半径
さんしゅつは
んけい
原油,ガス,水などが流出する際に,油層,
ガス層などにおける,ある坑井への流動の
有効範囲を,その坑井を中心とした円と考
えた場合のその半径。
坑井が網目状に分布する場合には,坑井間
隔の半分をいうことが多い。
drainage radius
6510
コア試験
こあしけん
コアなどについて,孔げき率,浸透率及び
飽和率を主体とし,その他いろいろの性質
を調べること。
core analysis
6511
(貯留岩の)
孔げき率
(ちょりゅう
がんの)こう
げきりつ
貯留岩の孔げき性を表す測度で,通常多孔
質物体の孔げき容積の物体全容積に対する
比率。
全孔げき容積を対象としたものを絶対孔げ
き率,連続した孔げき容積だけを対象とし
たものを有効孔げき率という。
porosity
(of reservoir
rock)
6512
浸透率
しんとうりつ
多孔質物体内における流体の流れやすさを
その多孔質物体の特性として表す測度。
単一流体だけが存在する状態の浸透率を絶
対浸透率,2種類以上の流体が存在する状態
における浸透率をそれぞれの有効浸透率と
いう。
permeability
6513
相対浸透率
そうたいしん
とうりつ
有効浸透率の絶対浸透率に対する比。
relative
permeability
6514
坑底試料
こうていしり
ょう
坑井内で採取された流体の試料。
bottom hole sample
6515
坑口圧
こうこうあつ
坑井の坑口装置における圧力。
well-head pressure
6516
坑底圧
こうていあつ
坑底における圧力。採収を停止している場
合の坑底圧を,その停止後の経過時間や停
止の状況によって密閉坑底圧又は静止坑底
圧といい,産出中の坑底圧を産出坑底圧と
いう。
bottom hole
pres-sure
6517
油層圧
ゆそうあつ
油層内の流体の圧力。
oil reservoir
pressure
6518
ガス層圧
がすそうあつ
ガス層内の流体の圧力。
gas reservoir
Pressure
6519
(油層ガス層
の)ガス押し
(ゆそう,が
すそうの)が
すおし
原油,ガスなどの産出に寄与する押出形式
の基本的な分類の一つ。
貯留岩内のガスに蓄えられた圧縮エネルギ
ーによって,油層ガス層内の流体を坑井内
に押し出すこと。
gas drive
(of petroleum
reservoir)
72
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6520
(油層,ガス
層の)重力押
し
(ゆそう,が
すそうの)じ
ゅうりょくお
し
原油,ガスなどの産出に寄与する押出形式
の基本的な分類の一つ。
貯留岩内の流体の重力ポテンシャルエネル
ギーによって油層,ガス層内の流体を坑井
内に押し出すこと。
gravity drive (of
petroleum
reservoir)
6521
(油層,ガス
層の)水押し
(ゆそう,が
すそうの)み
ずおし
原油,ガスなどの産出に寄与する押出形式
の基本的な分類の一つ。
貯留岩内の水に蓄えられている圧縮及び重
力ポテンシャルエネルギーによって油層,
ガス層内の流体を坑井内に押し出すこと。
water drive
(of petroleum
reservoir)
6522
坑井間隔
こうせいかん
かく
坑井の分布密度を示す測度であって,坑井
間の距離又は坑井当たりの面積で表す。
well spacing
6523
休止井
きゅうしせい
採収又は掘さくを一時的に休止している坑
井。
suspended well
6524
採収井
さいしゅうせ
い
原油,ガスなどを採収している坑井。
自噴井,ガスリフト井,ポンピング井など
がある。
producing well
6525
一次採収
いちじさいし
ゅう
貯留岩内に蓄えられた自然のエネルギーに
よって,坑井内に流入した石油を採収する
こと。自然のエネルギーは,流体の圧縮及
び重力ポテンシャルエネルギーとして蓄え
られる。
primary recovery
6526
二次採収
にじさいしゅ
う
貯留岩内に人工的エネルギーを加えて,石
油の採収率及び採収速度を高めること。
この方法には,ガス圧入法,水攻法,火攻
法,ミシブルドライブ法などがある。
secondary recovery
6527
(原油,ガス
の)採収率
(げんゆ,が
すの)さいし
ゅうりつ
累計採収量の総埋蔵鉱量に対する比率であ
って,回収率とも呼ばれる。
最終採収量の総埋蔵鉱量に対する比率を最
終採収率というが,これを単に採収率とい
うこともある。
recovery factor
(of oil),
(of gas)
6528
自噴
じふん
採収井において,貯留岩内に蓄えられたエ
ネルギーにより,原油,ガス,水などが人
工的なくみ揚げ方法によることなく地表に
噴出してくる状態。
flowing
6529
ガス圧入法
がすあつにゅ
うほう
油層にガスを圧入して油層圧を維持するこ
とによって,石油の採収を容易にし,かつ,
採収率を向上させる方法。
gas injection
6530
ハイドロフラ
ク
油層又はガス層に液体を圧入して割れ目を
作り,同時に送り込んだ粗い砂などでその
割れ目を支えることによって,石油が坑井
内に流れ込みやすいようにする出油(ガス)
促進法。
hydraulic fracturing
6531
水攻法
すいこうほう
貯留油層に水を圧入して,置換作用によっ
て石油の採収を容易にし,かつ,採収率を
向上させる方法。
water flood
6532
掃効率
そうこうりつ
水攻法などで圧入た液体が,油層内を有効
に通過した容積の,その対象とする油層容
積に対する比率。
sweep efficiency
73
M 0102 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
慣用語
6533
ガスリフト
油井,水溶形鉱床におけるガス井などで,
坑内に送り込んだガスの上昇,膨張を利用
して,坑井内の石油又は水(水溶性ガス)
を採収する方法。
gas lift
6534
火攻法
かこうほう
油層内で石油の一部を燃焼させることによ
って,残りの石油の流動を容易にし,かつ,
圧入ガス及び燃焼ガスのエネルギーを利用
して石油の採収率を向上させる方法。
in situ combustion,
fire flooding
6535
ミシブルドラ
イブ法
みしぶるどら
いぶほう
LPGなどを油層に圧入し,石油と溶解状態
を作り,流動を容易にすることによって,
石油の採収率を向上させる方法。
miscible drive
6536
スワビング
チェックバルブ付ピストンなどをワイヤに
よってチュービング又はケーシング内に下
ろし,急速に引き上げ,坑内の液体をくみ
出すこと。
swabbing
6537
(原油の)含
水率
(げんゆの)
がんすいりつ
原油中の水の含有率。液体の全容積に対す
る水の容積比率で表す。
water cut
(of crude oil)
6538
コンデンセー
ト
天然ガスの採収に当たり,地表において凝
縮分離した軽質液状炭化水素。
gas-condensate
6539
採収プラット
ホーム
さいしゅうぷ
らっとほーむ
海上又は湖上に作られた採収設備を備えた
プラットホーム。
production platform
6540
サッカーロッ
ド
地上の動力を坑井内の採油ポンプに伝達
し,プランジャーを上下に作動させるロッ
ド(鋼棒)。
sucker rod
6541
採油ポンプ
さいゆぽんぷ
坑井内に設置して原油をくみ上げるための
ポンプ。
oil well pump
6542
ポンピングパ
ワー
多数のポンピング井を1か所から同時に駆
動するための動力装置。
pumping power
6543
ポンピングユ
ニット
ポンピング井において,坑井内のポンプを
駆動するために坑井元に設置された動力付
装置。
pumping unit
6544
チュービング
坑井用の継目無鋼管。
ケーシング内に降下し,一般に原油又はガ
スの採収に用いる。
tubing
6545
ビーン
主として自噴産出量を調整するための絞り
機構。チョークともいう。
bean
6546
ホットタッピ
ング工法
ほっとたっぴ
んぐこうほう
流体の輸送又は貯蔵の状態のまま,導管,
配管又は貯蔵そうなどに分岐口を付ける活
線工法。
hot tapping method
6547
スタビライザ
プラント
石油中に含まれている低沸点化合物を分離
するための装置で,これを設けることによ
って,石油の蒸気圧が低下安定し,貯蔵や
輸送がしやすくなる。
stabilizer plant
6548
ガソリンプラ
ント
湿性天然ガスから主としてガソリン分を分
離回収するための装置で,それには圧縮法,
冷却法,吸収法及び吸着法などがある。
gasoline plant