2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
L 5302-1992
リング精紡機用プラスチックボビン
Plastic bobbins for ring spinning frames
1. 適用範囲 この規格は,JIS L 5168に規定されているリング精紡機用スピンドルに使用するプラスチ
ックボビン(以下,ボビンという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0401 寸法公差及びはめあい
JIS B 0405 普通公差−第1部−個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 7503 0.01mm目盛ダイヤルゲージ
JIS B 7507 ノギス
JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS L 5168 リング精紡機用及びリングねん糸機用ローラベアリングスピンドル
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参
考として併記したものである。
2. 種類 ボビンの種類は,全長,下部孔径及び形状によって表1の13種類とする。
表1 ボビンの種類
単位mm
種類
全長
下部孔径
対応スピンドル
S6形
180
16.33
−
S7形
210
17.90
S2-7形
S8形-A
232
S2-8形
S8形-B
235
T6形
180
18.75
−
T7形-A1
210
20.05
−
T7形-A2
20.85
T7形-B
220
20.01
T8形-A
230
20.05
T2-8形
T8形-B
240
20.01
T8形-C
235
20.85
T9形-A
250
22.55
T2-9形
T9形-B
260
24.18
備考 全長とは,ボビン全体の長さをいい,6形,7形,
8形及び9形とは,リフトがそれぞれ155mm,
180mm,205mm及び230mmのものをいう。
3. 品質
2
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3.1
ボビンの曲げ抵抗 ボビンの曲げ抵抗は,5.2によって試験したとき,ひずみが0.3mm以下でなけ
ればならない。
3.2
ボビンの回転時の振れ ボビンの回転時の振れは,5.3によって試験したとき,表2の規定のとおり
とする。
表2 ボビンの回転時の振れ
単位mm
種類
ボビンの回転時の振れ
普通回転用 高速回転用 超高速回転用
S6形,T6形
0.3以下
0.25以下
0.15以下
S7形,T7形-A1
T7形-A2,T7形-B
−
S8形-A,S8形-B
T8形-A,T8形-B
T8形-C,
T9形-A,T9形-B
−
備考 回転時の振れは,普通回転用に対しては15 000min-1,高速回
転用に対しては18 000min-1,超高速回転用に対しては25
000min-1で試験するものとする。
3.3
形状・寸法 形状・寸法は,図1及び図2による。
図1 S形ボビンの形状・寸法
種類
l0
l1
l2
l'
T1
d1
l"
d2
d'4
d4
d'3
d3
S6形
180 ±0.2 32.5 147.5 15
000
1
52 6.02 30 16.33 ±0.05 19.0 ±0.2 12 24.0 ±0.2 16.33 ±0.05
S7形
210
36
174
000
1
42 5.50
17.90
21.5
26.5
17.90
000
1
52 6.02
S8形-A
232
45
187
000
1
42 5.50
000
1
46
S8形-B
235
48
000
1
52 6.02
3
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図2 T形ボビンの形状・寸法
種類
l0
T1
l"
T2
d2
d3
T6形
180 ±0.21
000
1
20
30
000
1
0 18.75 18.750 +0.05
0
T7形-A1
210
000
1
20
20.05 20.05
T7形-A2
000
1
23
40
000
1
10 20.45 20.85
T7形-B
220
000
1
25
20
60
1
19.68 20.01
T8形-A
230
30
000
1
0 20.05 20.05
T8形-B
240
20
60
1
19.68 20.01
T8形-C
235
40
000
1
10 20.45 20.85
T9形-A
250
25
000
1
0 22.55 22.55
T9形-B
260
38
1
17.5
60
1
23.89 24.18
備考 規定以外の許容差,溝の形状及び寸法は,受渡当事者間の協定による。
3.4
外観
3.4.1
本体の外観は,表面が滑らかで,有害なきず,き裂がなく,仕上がりが良好でなければならない。
3.4.2
下金具の外観は,表面が滑らかで,有害なきず,割れ,まくれ,その他の欠点がなく,仕上がりが
良好でなければならない。
3.4.3
本体と下金具は,表面が滑らかに一体化されていなければならない。
4. 材料 ボビンの主材料は,表3に示すもの,又はこれと同等以上の品質のものを使用する。
表3 ボビンの各部分の材料
構成部品名称
材料
ボビン本体 プラスチック(ポリカーボネート,ABSなど)
ボビン下金具 JIS G 4304に規定のSUS304,SUS430
5. 試験方法
5.1
試験条件 温度25±5℃の室内で測定する。
4
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5.2
ボビンの曲げ抵抗 ボビンの曲げ抵抗は,図3に示すようにボビンを,左支点はスピンドルテーパ
部の中央,右支点はボビン下端から7mmの位置で水平に支え,その中央部に30秒間50N {5kgf} の荷重
をかけ,JIS B 7503に規定のもの,又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いてひずみを測定する。
図3 ボビンの曲げ抵抗の測定
5.3
ボビンの回転時の振れ ボビンの回転時の振れは,JIS L 5168のリング精紡機用スピンドル又はこ
れに相当するものにボビンを取り付けて回転し,図4に示す投影式又は図5に示す光電管式振動測定装置
を用いて所定の回転数におけるボビンの頂部側面で測定する。
投影式回転振動測定装置は,色収差及び球面収差を補正した光学レンズを使用し,投影倍率
1
2
L
L を30
〜50倍に拡大投影して測定する。
図4 回転時の振れ(投影式)
5.4
寸法 寸法は,JIS B 7507に規定するもの,又はこれと同等以上の精度をもつ測定器を用いて測定
する。ただし,ボビンの下部の孔径及びスピンドルの合わせ寸法(図1及び図2のd1,T1,l',d2,T2,l")
は,図6及び図7に示す専用ゲージを用いて測定する。
なお,表示のない専用ゲージ寸法の許容差は,直径をJIS B 0401に規定するh6とし,それ以外はJIS B
5
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0405に規定する精級とする。
図6 S6形,S7形及びS8形ボビン専用ゲージ
種類
l2
l'
T1
d1
d0
d2
S6形
147.5 ±0.05 15 +0.05
0
000
1
52
6.02
16.2
16.33
S7形
174
000
1
42
5.50
17.8
17.90
S8形-A
187
000
1
46
5.49
S8形-B
000
1
52
6.02
備考 ボビンの下端の位置を示すけがき線の幅は,0.1mm以下で見やすく付
ける。
6
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図7 T6形,T7形,T8形及びボビン専用ゲージ
7
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種類
d3
d"3
l"
c1
c2
T1
d0
T2
d"2
l"'
c'1
c'2
T6形
18.75 18.8 30
±0.05
−
−
000
1
20 18.7
000
1
20 18.42
14
±0.05
25
0
T7形-A1
20.05 20.1
000
1
25 20
000
1
25 19.375
25
2
T7形-A2
20.85
−
5
0
20.5
000
1
10
20.25
T7形-B
20.01
20
3
20
60
1
19.73
16.5
T8形-A
20.05 20.1 30
−
−
000
1
25 19.375
25
T8形-B
20.01
−
20
3
0
60
1
19.73
16.5
T8形-C
20.85
30
5
20.5
000
1
10
20.25
25
T9形-A
22.55 22.6 25
−
−
22.5
000
1
25 22.00
20
T9形-B
24.18
−
17.5
3
0
38
1
24
60
1
23.90
16.5
備考1. ボビンの下端の位置を示すけがき線の幅は,0.1mm以下で見やすく付ける。
2. ボビン下孔径測定ゲージは,T6形,T7形-A1,T8形-A及びT9形-Aについては,ストレート形,その
他については,テーパ形を使用する。
5.5
外観 外観は,目視及び触感による。
6. 検査 検査は,合理的な抜取方法によって試料を採取し,3.について5.によって試験を行い,それぞ
れの規定に適合しなければならない。
7. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類,全長及び名称(精紡ボビン)で表す。
例 S8形-A 232精紡ボビン
8. 表示 製品又は包装に,次の事項を表示する。
(1) 製品の呼び方
(2) 製造業者又はその略号
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS L 5302 リング精紡機用プラスチックボビン原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
中 島 粂 男
大阪府立大学名誉教授
風 間 健
武庫川女子大学
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
伊佐山 建 志
通商産業省機械情報産業局
土 屋 紀 徳
日本高分子株式会社
高 田 益 昌
株式会社タカギセイコー
早 川 万寿夫
株式会社豊田自動織機製作所紡機技術部
川 北 健
株式会社石川製作所紡績機械技術部
小 川 勇 平
豊和工業株式会社
大 橋 陞
東洋紡績株式会社紡織生産技術部
村 岡 和 美
日清紡績株式会社能登川工場
安 部 長 成
旭化成工業株式会社カシミロン生産技術部
志 知 紀 彦
鐘紡株式会社羊毛紡織技術部
臼 井 則 雄
日本毛織株式会社技術部
井 上 雅 夫
関西繊維機器工業会
宝 金 昭 造
社団法人日本繊維機械協会
(事務局)
君 塚 正 二
日本繊維機械標準化協議会