L 2512 : 2000
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS L 2512 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
日本産業規格 JIS
L 2512 : 2000
ビニロン縫糸
Vinylon sewing thread
序文 この規格は,ビニロン縫糸について規定したもので,1968年(昭和43年)に制定された。今回の
改正では,引用規格の改正に伴い,引用規格の規格名称,項目番号及び関係する規定内容を変更している。
1. 適用範囲 この規格は,ビニロン縫糸について規定する。
備考 この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考とし
て併記したものである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS L 0104 テックス方式による糸の表示
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法
JIS L 1030-2 繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率
JIS L 1095 一般紡績糸試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 種類 ビニロン縫糸の種類は,次のとおりとする。ただし,括弧内は,種類の略号である。
a) ビニロンミシン糸
1) ビニロンフィラメントミシン糸(フィラメントミシン糸)
2) ビニロン紡績糸ミシン糸(ミシン糸)
b) ビニロン製袋用縫糸
1) ビニロン紡績糸製袋用縫糸(製袋用)
2) 綿混紡ビニロン製袋用縫糸(綿混紡製袋用)
4. 品質
4.1
外観 外観は,糸むら,よりびり,毛羽などが少なく,色沢が良好で,加工むら及び汚れが目立っ
てはならない。
2
L 2512 : 2000
4.2
つなぎ節 つなぎ節数(1)は,6.2によって試験したとき,表1又は表2のとおりとする。
注(1) もろよりのものにあっては,上よりのつなぎ節数とする。
表1 ビニロンフィラメントミシン糸
単位 個/km
糸長
つなぎ節数
1 000m以下のもの
2.0以下
1 000mを超え 5 000m以下のもの
1.0以下
5 000mを超えるもの
0.5以下
表2 ビニロン紡績糸ミシン糸,
ビニロン紡績糸製袋用縫糸
及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸
単位 個/km
糸長
つなぎ節数
1 000m以下のもの
2.0以下
1 000mを超えるもの
1.0以下
4.3
長さ又は質量 1巻の長さ又は質量(2)は,6.3又は6.4によって試験したとき,表示された値に対し,
表3又は表4のとおりとする。
注(2) 質量は,絶乾質量に公定水分率 (5.0%) を加えたものとする。ただし,綿混紡ビニロン製袋用
縫糸の公定水分率は,次の式によって求めた数値とする。
a) 絶乾混紡率から算出する場合
100
2
1
n
NR
BR
AR
R
+
+
+
=
Λ
Λ
ここに,
R: 混紡糸の算出公定水分率 (%)
A, B, …, N: 各繊維の絶乾混用率 (%)
R1, R2, …, Rn: 各繊維の公定水分率 (%)
b) 正量混紡率から求める場合
100
1
100
1
100
1
100
1
100
1
100
1
2
1
2
2
1
1
n
n
n
R
n
R
b
R
a
R
nR
R
bR
R
aR
R
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
=
Λ
Λ
Λ
Λ
ここに,
R: 混紡糸の算出公定水分率 (%)
a, b, …, n: 各繊維の正量混紡率 (%)
R1, R2, …, Rn: 各繊維の公定水分率 (%)
備考 b)の式を展開すると,次のようになる。
n
R
n
R
b
R
a
R
+
+
+
+
+
+
=
+
100
100
100
100
100
2
1
Λ
Λ
又は
100
1
100
100
100
1
2
1
×
−
+
+
+
+
+
+
=
n
R
n
R
b
R
a
R
Λ
Λ
3
L 2512 : 2000
各繊維の公定水分率
繊維の種類
公定水分率 (%)
綿
8.5
毛
15.0(3)
絹
12.0(4)
亜麻及びラミー
12.0
ジュート
13.75
レーヨン
11.0
ポリノジツク
11.0
キュプラ
11.0
アセテート
6.5
トリアセテート
3.5
プロミックス
5.0
ナイロン
4.5
ビニロン
5.0
ビニリデン
0
ポリ塩化ビニル
0
ポリエステル
0.4
アクリル及びアクリル系
2.0
ポリエチレン
0
ポリプロピレン
0
ポリウレタン
1.0
ポリクラール
3.0
ベンゾエート
0.4
ガラス繊維
0
アラミド
7.0
注(3) 標準状態における水分率を示し,
特別の場合を除き,これを用いる。
(4) 練絹の場合を示す。
表3 長さ(長さ表示のもの)
単位%
長さ
許容差
1 000m以下のもの
+10.0
− 2.0
1 000mを超え 5 000m以下のもの
+ 9.5
− 1.5
5 000mを超えるもの
+ 9.0
− 1.0
表4 質量(質量表示のもの)
単位%
質量
許容差
50g以下のもの
+7.0
−2.0
50gを超え 100g以下のもの
+6.0
−1.5
100gを超えるもの
+5.0
−1.0
4
L 2512 : 2000
4.4
正量繊度 ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸の
正量繊度は,6.5によって試験したとき,表示された原糸繊度に対し,次のとおりとする。
a) 漂白又は染色加工したもの
5
15
−+%
b) 漂白又は染色加工しないもの
57
−+%
備考1. 正量繊度は,より縮みを加えて算定するものとする。
2. 防水などの加工によって増量するものの繊度は,増量分を除いて算定するものとする。
4.5
引張強さ 引張強さは,次のとおりとする。
a) ビニロンフィラメントミシン糸 ビニロンフィラメントミシン糸の引張強さは,6.6によって試験した
とき,原糸繊度と合糸数の組合せによって,表5を満足しなければならない。
表5 ビニロンフィラメントミシン糸
呼び
原糸繊度
dtex {D}
合糸数 引張強さ(最低値)
N {gf}
# 1(9コード)
267 {240}
3×3
106 { 10 800}
# 5(6コード)
2×3
70.7 { 7 200}
# 8(4コード)
1×4
47.1 { 4 800}
#20(3コード)
1×3
35.4 { 3 600}
#30(2コード)
1×2
22.1 { 2 250}
#30(3コード)
167 {150}
1×3
20.6 { 2 100}
#40(3コード)
110 {100}
13.3 { 1 350}
#50(2コード)
1×2
8.9 {
900}
b) ビニロン紡績糸ミシン糸 ビニロン紡績糸ミシン糸の引張強さは,6.6によって試験したとき,原糸繊
度と合糸数の組合せによって,表6を満足しなければならない。
表6 ビニロン紡績糸ミシン糸
呼び
原糸繊度
dtex
{原糸番手S}
合糸数 引張強さ(最低値)
N {gf}
# 2(15コード)
300 {20}
5×3 133 { 13 500}
# 3(12コード)
4×3 108 { 11 000}
# 4( 9コード)
3×3 92.7 { 9 450}
# 4( 8コード)
2×4 82.4 { 8 400}
# 5( 6コード)
2×3 61.8 { 6 300}
# 6( 5コード)
5
51.5 { 5 250}
# 8( 4コード)
4
41.2 { 4 200}
#20( 3コード)
3
30.9 { 3 150}
#30( 2コード)
2
19.7 { 2 000}
#30( 3コード)
175 {34}
3
17.7 { 1 800}
#40( 3コード)
145 {40}
13.8 { 1 400}
#50( 2コード)
175 {34}
2
11.3 { 1 150}
#60( 2コード)
145 {40}
7.9 {
800}
c) ビニロン紡績糸製袋用縫糸 ビニロン紡績糸製袋用縫糸の引張強さは,6.6によって試験したとき,原
糸繊度と合糸数の組合せによって,表7を満足しなければならない。
5
L 2512 : 2000
表7 ビニロン紡績糸製袋用縫糸
呼び
原糸繊度
dtex
{原糸番手S}
合糸数 引張強さ(最低値)
N {gf}
20/4×3
300 {20}
4×3
108 { 11 000}
20/3×3
3×3
92.7 { 9 450}
20/8
8
82.4 { 8 400}
20/2×4
2×4
20/6
6
61.8 { 6 300}
20/2×3
2×3
20/5
5
51.5 { 5 250}
20/4
4
41.2 { 4 200}
20/3
3
30.9 { 3 150}
d) 綿混紡ビニロン製袋用縫糸 綿混紡ビニロン製袋用縫糸の引張強さは,6.6によって試験したとき,原
糸繊度と合糸数の組合せによって,表8を満足しなければならない。
表8 綿混紡ビニロン製袋用縫糸
呼び
原糸繊度
dtex
{原糸番手S}
合糸数 引張強さ(最低値)
N {gf}
VE500
350 {17}
5
41.7 {4 250}
VE600
6
50.1 {5 100}
VE700
7
58.5 {5 960}
VE800
8
66.7 {6 800}
e) 表5〜8の表中にない原糸繊度と合糸数の組合せのもの 表5〜8の表中にない原糸繊度と合糸数の組
合せのものの引張強さは,6.6によって試験したとき,次の式によって算出した値を,JIS Z 8401によ
って有効数字3けたに丸めた値以上とする。ただし,引張強さの値が10N未満の場合は,小数点以下
1けたに丸めた値以上とする。
1) 同一原糸繊度であって合糸数の異なるものがあるとき
1.1)
片よりのもの
n
F
F
×
=31
ここに,
F: 引張強さ (N)
F1: 当該原糸繊度の片より3本のものの引張強さの最低値 (N)
n: 当該合糸数
1.2)
もろよりのもの
n
F
F
×
=62
ここに,
F: 引張強さ (N)
F2: 当該原糸繊度のもろより2×3本のものの引張強さの最低値
(N)
n: 当該合糸数
2) その他のもの
2.1)
片よりのもの
n
D
D
D
D
F
F
F
F
×
−
−
×
−
−
=
2
3
2
1
4
3
3
3
3
3
6
L 2512 : 2000
ここに,
F: 引張強さ (N)
F3: 直近の太い原糸繊度の片より3本のものの引張強さの最低値
(N)
F4: 直近の細い原糸繊度の片より3本のものの引張強さの最低値
(N)
D1: 当該原糸繊度 (dtex)
D2: 直近の太い原糸繊度 (dtex)
D3: 直近の細い原糸繊度 (dtex)
n: 当該合糸数
2.2)
もろよりのもの
n
D
D
D
D
F
F
F
F
×
−
−
×
−
−
=
2
3
2
1
6
5
5
6
6
6
ここに,
F: 引張強さ (N)
F5: 直近の太い原糸繊度のもろより2×3本のものの引張強さの
最低値 (N)
F6: 直近の細い原糸繊度のもろより2×3本のものの引張強さの
最低値 (N)
D1: 当該原糸繊度 (dtex)
D2: 直近の太い原糸繊度 (dtex)
D3: 直近の細い原糸繊度 (dtex)
n: 当該合糸数
4.6
引張強さ変動率 引張強さ変動率は,6.7によって試験したとき,表9のとおりとする。
表9 引張強さ変動率
単位%
種類
引張強さ変動率
ビニロンフィラメントミシン糸
9.0以下
ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸
製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸
9.5以下
4.7
より数変動率 より数変動率は,6.8によって試験したとき,7.5%以下とする。
4.8
合糸数 合糸数は,6.9によって試験したとき,表示された合糸数と一致しなければならない。
4.9
染色堅ろう度 染色堅ろう度は,6.10によって試験したとき,次のとおりとする。ただし,標識用
として染色したものは除く。
a) 普通染 洗濯試験の判定が変退色3級以上,汚染2級以上であり,かつ,摩擦試験の判定が2級以上
であること。
b) 洗濯堅ろう染 強洗濯試験の判定が変退色4級以上,汚染4級以上であり,かつ,摩擦試験の判定が
3級以上であること。
c) 堅ろう染 強洗濯試験の判定が変退色4級以上,汚染4級以上であり,摩擦試験の判定が3級以上で
あり,かつ,耐光試験の判定が4級以上であること。
4.10 仕立て ビニロン縫糸の仕立ては,かせ,カード,紙管,プラスチック管などに巻いたものとし,
仕立ての状態は,良好でなければならない。
5. 材料 材料は,縫糸に適した良質のビニロンフィラメント糸,ビニロン紡績糸及びビニロンの混用割
合が50%(正量混紡率)以上の綿混紡ビニロン糸を使用する。
さらに,ビニロンフィラメントミシン糸は,表5の原糸繊度の糸を使用する。
7
L 2512 : 2000
6. 試験方法
6.1
試験室及び試料の準備 試験室は,原則として標準状態(5)とする。試料は,この試験室に放置して1
時間以上の間隔で質量を測定し,その前後の質量差が,後の質量の0.1%以内となったものを用いる。ただ
し,試料を標準状態にするには,乾いた方の状態から吸湿させる。
注(5) JIS L 0105の4.1に規定する標準状態とする。
備考 試験室が標準状態に保たれない場合は,試験時の温度及び湿度を付記する。
6.2
つなぎ節 つなぎ節の試験は,試料を10個以上採取し,そのつなぎ節数(1)を数え,次の式によって
算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
l
k
A=
ここに, A: つなぎ節数(個/km)
k: 試料のつなぎ節数を合計した数(個)
l: 試料の測定長さを合計してkmに換算した値 (km)
6.3
長さ 長さの試験は,JIS L 1095の9.1(糸長)によって行う。この場合,初荷重は,次のとおりと
する。
a) ビニロンフィラメントミシン糸の場合,JIS L 1013の5.1(初荷重)による。
b) ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸の場合,JIS L
1095の6.1(初荷重)による。
6.4
質量 質量の試験は,次のとおりとする。
a) ビニロンフィラメントミシン糸の場合,JIS L 0105の4.3(2)(絶乾状態)によって絶乾質量を求め,こ
の値に公定水分率 (5.0%) を加える。
b) ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸の場合,JIS L
1095の9.3(正量)による。
6.5
正量繊度 ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸の
正量繊度の試験は,20g以上の試料を採取し,6.3によって糸長 (m) を求め,その糸長と絶乾質量 (g) か
ら次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
+
×
×
+
×
×
=
100
1
100
1
000
10
1
t
n
L
OR
m
D
+
×
+
×
×
+
×
×
=
100
1
100
1
100
1
000
10
2
xw
t
n
L
OR
m
D
ここに,
D1: 増量加工しないものの正量繊度 (dtex)
D2: 増量加工したものの正量繊度 (dtex)
L: 糸長 (m)
m: 絶乾質量 (g)
OR: 公定水分率 (%)
ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸は,
5.0%とし,綿混紡ビニロン製袋用縫糸は,4.3の注(2)によっ
て求めた数値とする。
8
L 2512 : 2000
n: 合糸数
t: JIS L 1095の9.16(より縮み率)によって測定したより縮み
率 (%)
xw: JIS L 1030-2の5.7(試料の前処理)によって処理した試料
の処理前の絶乾質量と処理後の絶乾質量とによって求めた
減量率 (%)
6.6
引張強さ 引張強さの試験は,定速緊張形引張試験機又は定速伸張形引張試験機を用いて,ビニロ
ンフィラメントミシン糸の場合,JIS L 1013の8.5(引張強さ及び伸び率)によって行い,ビニロン紡績糸
ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸の場合,JIS L 1095の9.5(単糸引張
強さ及び伸び率)によって行う。
いずれの場合も初荷重,つかみ間距離及び引張速度は,次のとおりとする。
a) 初荷重 6.3と同じ値とする。
b) つかみ間距離 50cm(測定不可能な場合は25cm)とする。
c) 引張速度 30±2cm/min又は50±3cm/minとする。
備考1. 測定回数は,20回以上とし,その平均値をJIS Z 8401によって有効数字3けたに丸める。ただ
し,引張強さが10N未満の場合は,小数点以下1けたに丸める。
2. 引張強さに用いる試験機は,当分の間,引張強さが従来単位によつて表示されたものを使用
してもよい。
この場合,引張強さは,1kgf=9.806 65Nの換算率でSI単位に換算し,JIS Z 8401によって
有効数字3けたに丸める。ただし,引張強さが10N未満の場合は,小数点以下1けたに丸め
る。
6.7
引張強さ変動率 引張強さ変動率の試験は,6.6における引張強さの値を用いて,次の式によって算
出する。
100
)1
(
)
(
2
×
−
−
∑
=
x
n
x
x
Tr
ここに,
Tr: 引張強さ変動率 (%)
x: 6.6によって測定した各々の引張強さ (N)
x: 6.6によって測定した引張強さの平均値 (N)
n: 測定回数
6.8
より数変動率 より数変動率の試験は,測定回数を20回以上とし,次のとおり求める。
a) ビニロンフィラメントミシン糸は,JIS L 1013の8.13(より数)によって,つかみ間距離50cmのよ
り数(6)を測定し,1m当たりのより数を求める。この場合,初荷重は,6.3と同じ値とする。
注(6) もろよりのものにあっては,上より数とする。
b) ビニロン紡績糸ミシン糸,ビニロン紡績糸製袋用縫糸及び綿混紡ビニロン製袋用縫糸は,JIS L 1095
の9.15(より数)によって,つかみ間距離25.4cm間のより数(6)を測定する。この場合,初荷重は,6.3
と同じ値とする。
c) 次の式によって,より数変動率を算出する。
100
)1
(
)
(
2
×
−
−
∑
=
y
n
y
y
Yn
ここに,
Yn: より数変動率 (%)
9
L 2512 : 2000
y: 各測定におけるより数
y: より数の平均値
n: 測定回数
6.9
合糸数 合糸数の試験は,6.8の試験の際,測定する。
6.10 染色堅ろう度
6.10.1 洗濯試験 洗濯試験は,JIS L 0844のA-2号による。この場合,試験に使用する添付白布は,JIS L
0803に規定する綿及び絹,又は綿及びナイロンとする。
6.10.2 強洗濯試験 強洗濯試験は,JIS L 0844のA-4号による。この場合,試験に使用する添付白布は,
JIS L 0803に規定する綿及び絹,又は綿及びナイロンとする。
6.10.3 摩擦試験 摩擦試験は,JIS L 0849による。この場合,試験は,摩擦試験機II形を用いて,乾燥状
態で行う。
6.10.4 耐光試験 耐光試験は,JIS L 0842による。この場合,露光方法は,第3露光法とする。
6.11 混用率 混用率の試験は,JIS L 1030-2の6.2.8(20%塩酸法)又は6.2.14(酸化銅アンモニア法)に
よって行う。
7. 検査方法 ビニロン縫糸は,4.について検査を行う。この場合,検査は,全数検査又は合理的な抜取
検査方法によって行う。
8. 表示 ビニロン縫糸には,製品ごとに適切な方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) 種類又はその略号
b) 原糸繊度及び合糸数(7),又は呼び(8)
注(7) 原糸繊度及び合糸数によって表示する場合は,JIS L 0104による。
(8) ビニロンフィラメントミシン糸及びビニロン紡績糸ミシン糸の表示を呼びで行う場合は,例の
ように“コード”を“cord”と表示してもよい。さらに,呼びの括弧書きは離して表示しても
よい。
例 #40 (3cord)
c) 長さ又は質量
d) 洗濯堅ろう染(洗濯堅ろう染のものに限る。)
e) 堅ろう染(堅ろう染のものに限る。)
f)
家庭用品品質表示法に基づく表示
1) 繊維の組成
2) 表示者の氏名又は名称及び住所又は電話番号
10
L 2512 : 2000
改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
石 川 欣 造
文化女子大学
(委員)
鷺 坂 正
通商産業省生活産業局原料紡績課
窪 田 明
通商産業省生活産業局総務課繊維企画官
地 崎 修
工業技術院標準部
横 田 昌 行
通商産業省通商産業検査所
井 口 耕 一
財団法人日本紡績検査協会
中 沢 正 隆
財団法人日本化学繊維検査協会
深 沢 保 義
財団法人撚糸・縫糸検査協会
筒 井 清次郎
日本紡績協会
古 川 元 彦
日本化学繊維協会
小 林 成 一
日本麻紡績協会
藤 井 幸 二
株式会社フジックス
儘 田 雅 夫
儘田産業株式会社
永 井 祐二郎
永井撚糸株式会社
中 村 治 夫
大黒絲業株式会社
瀬 古 廉 久
グンゼ株式会社
安 藝 雅 夫
全日本紳士服工業組合連合会
土 谷 勝 利
全日本婦人子供服工業組合連合会
関 口 基
社団法人縫製機械工業会
横 田 幸 雄
全国縫糸卸協会
齊 藤 有 常
日本百貨店協会
前 島 明 宏
日本チェーンストア協会
吉 岡 初 子
主婦連合会
川 又 幸 子
全国地域婦人団体連絡協議会
(関係者)
塩 野 博 敏
財団法人撚糸・縫糸検査協会
(事務局)
堀 部 和 作
日本縫糸工業協会