L 1931-1:2014
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 一般通則························································································································· 3
4.1 ドライクリーニングの通則 ······························································································ 3
4.2 ウエットクリーニングの通則 ··························································································· 4
5 装置・設備及び試薬 ·········································································································· 4
5.1 クリーニング装置及び仕上げ用設備··················································································· 4
5.2 グレースケール ············································································································· 4
5.3 しわレプリカ ················································································································ 4
5.4 湿潤状態の比較見本 ······································································································· 4
5.5 しわ回復性レプリカ ······································································································· 4
6 試料······························································································································· 4
7 試験手順························································································································· 4
8 試験報告書 ······················································································································ 5
附属書A(規定)その他の商業クリーニング性の評価方法 ··························································· 7
附属書B(参考)試験報告書の様式例······················································································· 8
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
L 1931-1:2014
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS L 1931の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS L 1931-1 第1部:生地及び製品の評価方法
JIS L 1931-2 第2部:パークロロエチレンによるドライクリーニング試験方法
JIS L 1931-3 第3部:石油系溶剤によるドライクリーニング試験方法
JIS L 1931-4 第4部:ウエットクリーニング試験方法
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日本工業規格 JIS
L 1931-1:2014
繊維製品の商業クリーニング−
第1部:生地及び製品の評価方法
Textiles-Professional care, drycleaning and wetcleaning of fabrics and
garments-Part 1: Assessment of performance after cleaning and finishing
序文
この規格は,2010年に第2版として発行されたISO 3175-1を基とし,我が国の商業クリーニング(ド
ライクリーニング及びウエットクリーニング)の生地及び製品の評価方法について技術的内容を変更して
作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
ドライクリーニングは,家庭洗濯,ウエットクリーニングなどの水洗いの場合に発生する繊維の膨潤又
はしわを発生させずに油脂汚れを溶解し,微粒子汚れを分散する有機溶剤で繊維製品を洗浄する方法であ
る。ドライクリーニング処理においては,汚れ及び染みを除去しやすくすること並びに再汚染防止の目的
で界面活性剤を含む洗剤を溶剤に加える。さらに,水溶性の汚れ及び染みを除去しやすくする目的で少量
の水を追加する場合もあるが,水分の影響を受けやすい繊維製品は,溶剤へ水を加えないでドライクリー
ニングする方がよい。ただし,洗剤には多少の水を含む場合があるので,注意が必要である。
ウエットクリーニングは,特殊な技術を用いた業者による繊維製品の水洗い処理で,洗剤及び/又は水
洗いによる影響を最小限度に抑えるための添加剤などを使用する場合もある。
ドライクリーニング処理又はウエットクリーニング処理の後には通常,適切な仕上げ処理を行う。多く
の場合,アイロン仕上げ処理,スチーム処理及び乾熱プレス処理などである。
生地及び製品の特性(性質,性能)は,ドライクリーニング処理,ウエットクリーニング処理又はスチ
ーム処理若しくはプレス処理などの仕上げ処理で徐々に変化する。多くの場合,一つの処理では寸法変化,
その他の変化はごく僅かであるが,これらの繰り返しによって徐々に変化し,繊維製品の耐用期間に影響
を及ぼす。一般に起こり得る変化は,この規定の処理を3回〜5回繰り返すことによって現れてくること
が多い。
1
適用範囲
この規格は,商業クリーニングの試験方法に従って処理をした繊維製品の評価方法について規定する
(JIS L 1931-2,JIS L 1931-3及びJIS L 1931-4参照)。ただし,工業ランドリー(リネンサプライ業など)
は除く。
商業クリーニング工程で変化する生地及び製品の特性(性質,性能)は,これまでの知見及び経験から
ほぼ知られているため,引用規格に規定する試験方法を適切に使用することによって評価することができ
る。その他の重要な特性の評価方法で,表1にない商業クリーニング性の評価方法については,それらの
2
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評価方法とともに附属書Aに示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3175-1:2010,Textiles−Professional care,drycleaning and wetcleaning of fabrics and garments−
Part 1: Assessment of performance after cleaning and finishing(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing(MOD)
JIS L 0208 繊維用語−試験部門
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
注記 対応国際規格:ISO 105-F10,Textiles−Tests for colour fastness−Part F10: Specification for
adjacent fabric: Multifibre(MOD)
JIS L 0804 変退色用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A02,Textiles−Tests for colour fastness−Part A02: Grey scale for
assessing change in colour(MOD)
JIS L 0805 汚染用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A03,Textiles−Tests for colour fastness−Part A03: Grey scale for
assessing staining(MOD)
JIS L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0853 水滴下に対する染色堅ろう度試験方法
注記 対応国際規格:ISO 105-E07,Textiles−Tests for colour fastness−Part E07: Colour fastness to
spotting: Water(MOD)
JIS L 0860 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法
注記 対応国際規格:ISO 105-D01,Textiles−Tests for colour fastness−Part D01: Colour fastness to
drycleaning using perchloroethylene solvent(MOD)
JIS L 1059-2 繊維製品の防しわ性試験方法−第2部:しわ付け後の外観評価(リンクル法)
注記 対応国際規格:ISO 9867,Textiles−Evaluation of the wrinkle recovery of fabrics−Appearance
method(MOD)
JIS L 1060 織物及び編物のプリーツ性試験方法
注記 対応国際規格:ISO 7769,Textiles−Test method for assessing the appearance of creases in fabrics
after cleansing(MOD)
JIS L 1076 織物及び編物のピリング試験方法
JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法
注記 対応国際規格:ISO 4920,Textile fabrics−Determination of resistance to surface wetting (spray test)
(MOD)
3
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JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法
注記 対応国際規格:ISO 7768,Textiles−Test method for assessing the smoothness appearance of fabrics
after cleansing(MOD)
JIS L 1905 繊維製品のシームパッカリング評価方法
注記 対応国際規格:ISO 7770,Textiles−Test method for assessing the smoothness appearance of seams
in fabrics after cleansing(MOD)
JIS L 1909 繊維製品の寸法変化測定方法
注記 対応国際規格:ISO 3759,Textiles−Preparation, marking and measuring of fabric specimens and
garments in tests for determination of dimensional change(MOD)
JIS L 1931-2 繊維製品の商業クリーニング−第2部:パークロロエチレンによるドライクリーニング
試験方法
注記 対応国際規格:ISO 3175-2,Textiles−Professional care, drycleaning and wetcleaning of fabrics and
garments−Part 2: Procedure for testing performance when cleaning and finishing using
tetrachloroethene(MOD)
JIS L 1931-3 繊維製品の商業クリーニング−第3部:石油系溶剤によるドライクリーニング試験方法
JIS L 1931-4 繊維製品の商業クリーニング−第4部:ウエットクリーニング試験方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0105及びJIS L 0208によるほか,次による。
3.1
複合試験試料(composite test specimen)
最終製品に使用する全ての構成部材及び代表的な附属部品をまとめた試験用の試料。
3.2
商業クリーニング性
ドライクリーニング性及びウエットクリーニング性の総称。
3.2.1
ドライクリーニング性(drycleanability)
有機溶剤及び洗剤を使用し,繊維製品を浸せき(漬)かくはんし,ドライクリーニング処理及び仕上げ
処理をしたときの特性の程度。
3.2.2
ウエットクリーニング性(wetcleanability)
水及び洗剤を使用し,繊維製品を浸せきかくはんし,ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理をした
ときの特性の程度。
4
一般通則
繊維製品の商業クリーニングには,ドライクリーニング及びウエットクリーニングがある。
4.1
ドライクリーニングの通則
二つ以上の同一の試料を用意する。第1の試料は,ドライクリーニング処理及び仕上げ処理は行わず,
試験前の基準試料として保管する。第2の試料は,ドライクリーニング装置及び仕上げ用設備を用い,ド
ライクリーニング処理及び仕上げ処理を行う。これらの装置及び設備は,洗い,遠心脱液,タンブル乾燥,
4
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適切な仕上げなどの処理ができなければならない。ドライクリーニング処理及び仕上げ処理をした第2の
試料を,第1の試験前の基準試料と比較し,色,その他の変化などの評価を行う。寸法変化は,ドライク
リーニング処理前に印をした部分を測定する。これらの評価によって,この繊維製品に適用した処理方法
にドライクリーニング性があるかないかの評価を行う。
なお,再試験又は追加の試験が必要の場合は,第3の試料が必要である。
4.2
ウエットクリーニングの通則
二つ以上の同一の試料を用意する。第1の試料は,ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理は行わず,
試験前の基準試料として保管する。第2の試料は,ウエットクリーニング装置及び仕上げ用設備を用い,
ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理を行う。これらの装置及び設備は,水洗い,遠心脱水,適切な
乾燥,適切な仕上げなどの処理ができなければならない。ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理をし
た第2の試料を,第1の試験前の基準試料と比較し,色,その他の変化などの評価を行う。寸法変化は,
ウエットクリーニング処理前に印をした部分を測定する。これらの評価によって,この繊維製品に適用し
た処理方法にウエットクリーニング性があるかないかの評価を行う。
なお,再試験又は追加の試験が必要の場合は,第3の試料が必要である。
5
装置・設備及び試薬
5.1
クリーニング装置及び仕上げ用設備 JIS L 1931-2及びJIS L 1931-3に規定するドライクリーニング
装置及び仕上げ用設備並びにJIS L 1931-4に規定しているウエットクリーニング用装置及び仕上げ用設備
とする。
5.2
グレースケール JIS L 0804及びJIS L 0805に規定しているグレースケールとする。
5.3
しわレプリカ JIS L 1060に規定している判定用標準立体レプリカとする。
5.4
湿潤状態の比較見本 JIS L 1092に規定している表面の濡れ状態を判定する比較見本とする。
5.5
しわ回復性レプリカ JIS L 1059-2に規定しているしわの判定基準立体レプリカとする。
6
試料
6.1
試料の採取及び大きさ
生地の試料については,反末から1 m以上離れた部分から採取する。採取できない場合は,生地を代表
する部分から採取してもよい。生地は,JIS L 1931-2,JIS L 1931-3及びJIS L 1931-4に規定した大きさに
裁断する。
6.2
試料の数
試料については同一の仕上げが行われた少なくとも2点以上の生地,製品又は複合試験試料のいずれか
を準備する。
検討目標の変更に伴い,他の試験又は繰返し試験を行う場合があるため,追加試験に対応できるように,
十分な試料を用意することが推奨される。
注記 試験において,基準となる保管試料を確保できる場合に限り,1枚でもよい。
7
試験手順
試験手順は,次による。
7.1
第1の試料は,試験前の全般的な外観を示す基準試料として保管しておく。
7.2
第2の試料及び負荷布は,JIS L 0105に規定の標準状態で恒量にするか又は標準状態の環境で少な
5
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くとも16時間以上は調湿する。簡易的に行う場合には,標準状態の室内に4時間以上放置し調湿し,試験
報告書に記載する。調湿設備がない場合には,できる限り標準状態に近い環境に置き,温度及び湿度を試
験報告書に記載する。
7.3
受渡当事者間で同意した,JIS L 1931-2,JIS L 1931-3又はJIS L 1931-4のいずれかの試験方法によ
って試験を行う。
7.4
寸法変化を測定することが必要な場合には,JIS L 1096又はJIS L 1909によってマーキングし,マ
ーキング間の測定を行う。試料が製品で裏地がある場合は,表地と裏地とを別々にマーキングし,マーキ
ング間を測定しておく。
7.5
試験後,7.2によって再度調湿する。もし,寸法変化率のデータが必要な場合は,JIS L 1096又はJIS
L 1909に基づき試料のマーキング間を測定し,寸法変化率を計算する。
7.6
試験後の試料を,7.2によって調湿した基準試料と比較,又は評価項目によっては,表1に記載した
試験方法に指定しているレプリカを用いるなど適切な評価方法を用いて評価する。調湿設備がない場合に
は,できる限り標準状態に近い環境に置き,温度及び湿度を試験報告書に記載する。
7.7
表1の評価項目にない幾つかの特性については,繊維製品の商業クリーニング性を評価する上で重
要なものがある。このため,附属書Aにその評価方法を示す。
注記 試験方法(JIS L 1931-2,JIS L 1931-3又はJIS L 1931-4)及び処理条件(仕上げ処理前又は仕
上げ処理後,又はその両方)は,受渡当事者間の協議によるのが望ましい。
8
試験報告書
試験報告書には,次の事項を含めなければならない(附属書Bを参照)。
a) 規格番号
b) 試験機関名及び報告書番号
c) 試験の実施年月日
d) 使用したクリーニング装置及び仕上げ装置の形式
e) JIS L 1931-2,JIS L 1931-3又はJIS L 1931-4に規定の使用した試験方法及び仕上げ方法の内容
f)
箇条7の手順及び条件から選択した内容
g) 表1による適切な評価項目の詳細(詳述及び参照)及びその結果
h) 表A.1に記載された特性に対するコメント
i)
ドライクリーニング処理又はウエットクリーニング処理の回数及び仕上げ処理の回数
j)
規定された試験方法を変更した場合の詳細
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表1−商業クリーニング性の評価方法
評価項目
評価/比較方法の規格
寸法安定性(寸法変化率)
JIS L 1909
染色
堅ろう度
試験方法通則及び染色堅ろう度添付白布(多繊交織布他) JIS L 0801,JIS L 0803
判定のためのグレースケール
JIS L 0804,JIS L 0805
ドライクリーニングに対する染色堅ろう度
JIS L 0860
ウエットクリーニングに対する染色堅ろう度
JIS L 0844他
水滴下に対する染色堅ろう度
JIS L 0853 a)
シームパッカリング(縫い目外観)
JIS L 1905(試験方法)b)
仕上げ加工の変化
仕上げの種類によるc)
プリーツ保持性
JIS L 1060(試験方法)
しわの特性
a) しわの付きやすさ
b) しわ回復性(外観法)
JIS L 1096(試験方法)b), d)
JIS L 1059-2(試験方法)d)
表面の摩耗強さ
JIS L 1096
ピリング
JIS L 1076
布目曲がり(湾曲,斜行)
JIS L 1096
注a) この試験は,この表の他の項目と異なり,ドライクリーニング処理をしていない試料に適用する。
b) JIS L 1096又はJIS L 1905の規定による判定には,JIS L 1931-4に従って処理をした試料が必要である。ドラ
イクリーニング処理後の評価をする場合は,JIS L 1931-2又はJIS L 1931-3の規定に従ってドライクリーニン
グ処理及び仕上げ処理をした試料とし,水洗い処理はしないものとする。
c) 繊維製品に適用した仕上げ加工には,多数の方法がある。仕上げ加工の効果が,まだ低下していないことを
証明するために破壊試験を行わなければならない場合には,製品を作る前の生地で試験をするのがよい。例
えば,
− 耐薬剤試験(ISO 6530)
− 耐水試験(JIS L 1092)
− 耐燃焼性試験(JIS L 1091)
仕上げの評価についてこの規格が利用できないものについては,表A.1を参照する。
d) これはクリーニング業者に要求される仕上げのレベル,仕上げ加工された製品,二重線しわ(double creases),
光沢などの効果に影響される(附属書A参照)。
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附属書A
(規定)
その他の商業クリーニング性の評価方法
A.1 概要
ドライクリーニング処理(又はウエットクリーニング処理)及び仕上げ処理を行った試料を元の基準試
料と比較する。観察できた変化についての描写は,表A.1による評価を行い記録する。コメントは試験報
告書に記載する(箇条8を参照)。
表A.1−その他の商業クリーニング性の評価方法
評価項目
評価方法及び表現法
構成材料(component parts),装飾(trim),附属品
(accessories),装飾品(adornments)などの特性
製品形態のゆがみ(湾曲,斜行,パッカリング,不均
一収縮による波打ちなど)
フェルト化
芯地及び生地の接着性能(芯地の剝離,膨れ,コーテ
ィングの劣化,接着性,ラミネート加工状態,生地溶解
の程度など)
縫い目のほつれ
風合い変化
仕上げ加工の効果の低下
ドライクリーニング処理(又はウエットクリーニング
処理)及び仕上げ処理を行った試料を元の基準試料と比
較し評価する。さらに,観察された内容,すなわち,観
察できる変化がない場合は,“観察できる変化なし”と記
録する。
観察できる変化があった場合は,この変化の状態を記
録する。
表現法として,程度が分かるように,
非常に僅か,
僅か,
目立たない,
目立つ,
非常に目立つ
などの表現を使用する。
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附属書B
(参考)
試験報告書の様式例
B.1
試験報告書の様式
試験報告書の様式例は,表B.1による。
表B.1−試験報告書の様式例
試験機関名:
評価年月日:
試料:
試験報告書番号:
特性
評価
表1による判定
規格番号
等級
試料1
試料2
試料3
寸法安定性
寸法変化率(%)[測定部位及び
タテ(ウェール)/ヨコ(コース)]
−
ドライクリーニング及びウエットクリ
ーニングに対する染色堅ろう度・水滴下
に対する染色堅ろう度
a) 試料の変退色
b) 多繊交織布汚染
5級〜1級
シームパッカリング(縫い目外観)
5級〜1級
仕上げ加工の変化
−
プリーツ保持性
5級〜1級
しわの特性
a) しわの付きやすさ
b) しわ回復性(外観法)
5級〜1級
表面の摩耗強さ
−
ピリング
5級〜1級
布目曲がり(湾曲,斜行)
−
表A.1による判定
備考
試料1
試料2
試料3
構成材料などの性能(ほつれ,ひきつれなど)
製品形態(伸び,ねじれ,ひずみ,波打ちなど)
フェルト化
接着芯地及び生地の接着性(剝離,しみ出しなど)
縫製不良(縫い目ほつれなど)
風合い変化(硬化,軟化,毛羽立ち,毛羽脱落)
仕上げ加工の効果の低下(プリーツの消失など)
試験方法及び処理条件
クリーニングの処理回数
再試験
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参考文献
[1] JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法
注記 対応国際規格:ISO 6940,Textile fabrics−Burning behaviour−Determination of ease of ignition
of vertically oriented specimens(MOD)
[2] JIS L 1930 繊維製品の家庭洗濯試験方法
注記 対応国際規格:ISO 6330:2012,Textiles−Domestic washing and drying procedures for textile
testing(MOD)
[3] ISO 6530,Protective clothing−Protection against liquid chemicals−Test method for resistance of materials
to penetration by liquids
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS L 1931-1:2014 繊維製品の商業クリーニング−第1部:生地及び製品の評価
方法
ISO 3175-1:2010,Textiles−Professional care, drycleaning and wetcleaning of fabrics and
garments−Part 1: Assessment of performance after cleaning and finishing
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
商業クリーニングの試験結果
の評価方法を規定
1
ISO 3175-2のドラ
イクリーニング試
験結果の評価方法
だけを規定
追加
ISO規格は,ISO 3175-2の評価方法だけを
適用範囲にしているが,JISはISO 3175-3
の石油系ドライクリーニング及びISO
3175-4のウエットクリーニングを追加し
た。
ISO規格の改正時に
修正提案する。
3 用語及び定
義
3.1 複合試験試料
3.2 商業クリーニング性
3.2.1 ドライクリーニング性
3.2.2 ウエットクリーニング性
3
JISとほぼ同じ
追加
JISには,3.2商業クリーニング性及び3.2.2
ウエットクリーニング性を追加した。
用語であり実質的な
技術的差異はない。
4 一般通則
4.1 ドライクリーニングの通則
4.2 ウエットクリーニングの通
則
4
JISとほぼ同じ
追加
JISには,4.2ウエットクリーニングの通則
を追加した。
ISO規格の改正時に
修正提案する。
5 装置・設備及
び試薬
5.1 クリーニング装置及び仕上
げ用設備
5
JISとほぼ同じ
追加
JIS L 1931-3に規定しているドライクリー
ニング装置及び仕上げ用設備及びJIS L
1931-4に規定しているウエットクリーニン
グ用設備を5.1に追加した。
ISO規格の改正時に
修正提案する。
7 試験手順
7.1〜7.7
7
JISとほぼ同じ
追加
JISには,調湿設備がない場合を7.2及び
7.6に追加した。
ISO規格の改正時に
修正提案する。
8 試験報告書
e)
8
JISとほぼ同じ
追加
JISには,石油系及びウエットクリーニン
グに関する報告事項などを追加した。
ISO規格の改正時に
修正提案する。
表1−商業クリーニング性の評
価方法
表1
JISとほぼ同じ
追加
JISには,ウエットクリーニングに対する
染色堅ろう度,ピリング及び布目曲がりの
評価方法を追加した。
ISO規格の改正時に
修正提案する。
2
L
1
9
3
1
-1
:
2
0
1
4
11
L 1931-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書A
(規定)
A.1 概要
表A.1−その他の商業クリーニ
ング性の評価方法
A.1
JISとほぼ同じ
変更
ピリングの評価方法を表1に移動した。
技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3175-1:2010,MOD
関連する外国規格
ISO 3758
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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