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L 1920:2007 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験の種類 ······················································································································ 2 

5 試験の準備 ······················································································································ 3 

5.1 試薬 ···························································································································· 3 

5.2 材料及び器具 ················································································································ 3 

5.3 ダニ培地の準備 ············································································································· 4 

6 試験条件························································································································· 4 

7 試料······························································································································· 4 

7.1 採取方法 ······················································································································ 4 

7.2 無加工試料 ··················································································································· 5 

7.3 前処理 ························································································································· 5 

7.4 保管 ···························································································································· 5 

8 忌避試験························································································································· 5 

8.1 侵入阻止法 ··················································································································· 5 

8.2 ガラス管法 ··················································································································· 7 

9 増殖抑制試験 ··················································································································· 9 

10 特異な試料に対する試験方法の対応 ·················································································· 12 

11 試験報告書 ··················································································································· 12 

附属書A(規定)試験に用いるダニ ························································································ 13 

附属書B(規定)ダニの計数方法 ··························································································· 14 

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(2) 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本カーペット工業組合(JCMA)及び財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

  

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日本工業規格          JIS 

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繊維製品の防ダニ性能試験方法 

Testing methods for efficacy against house dust mite of textiles 

適用範囲 

この規格は,防ダニ加工が施された繊維製品の室内じん(塵)性ダニに対する性能試験方法について規

定する。 

なお,この規格における防ダニ性能は,忌避及び増殖抑制を対象とする。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7139 双眼実体顕微鏡 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 8102 エタノール (95)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0217 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS L 1096 一般織物試験方法 

JIS L 1903 羽毛試験方法 

JIS L 4406 タイルカーペット 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3644 ガラス管類 

JIS Z 1539 包装用ポリプロピレン粘着テープ 

JIS Z 1701 ゴムバンド 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

室内じん(塵)性ダニ 

床面,カーペット,寝装品などに室内じんとともにみられるダニの総称で,その優占種は世界共通して

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チリダニ類である。 

3.2 

忌避率 

無加工品の生存ダニ数に対する加工品の生存ダニ数を百分率(%)で示し,加工品の忌避性能を表した

もの[式(3)及び式(4)参照]。 

3.3 

増殖抑制率 

無加工品の生存ダニ数に対する加工品の生存ダニ数を百分率(%)で示し,加工品の増殖抑制の度合い

を表したもの[式(8)参照]。 

3.4 

ダニ培地 

ダニを繁殖させた飼育飼料。 

3.5 

生存ダニ 

外部からの刺激に対して反応を示すダニで,卵を除く幼虫,若虫(前若虫及び後若虫)及び成虫のすべ

てのステージを含む。 

3.6 

ダニ密度 

ダニ培地中の生存ダニの度合い又はダニ培地1 g中の生存ダニ数。 

3.7 

静止期 

幼虫,前若虫及び後若虫の各発育期の後半期にみられる,活動がほとんど停止している状態の期間。 

3.8 

接種用ダニ培地 

ダニ密度を調整した培地。 

試験の種類 

防ダニ加工を施した繊維製品の室内じん性ダニに対する性能によって,次に示すいずれかの試験を選択

する。 

a) 忌避試験 室内じん性ダニに対して忌避性能をもたせた繊維製品に対して行う試験方法で,繊維製品

の種類又は形状から次に示すいずれかの試験方法によって行う。 

1) 侵入阻止法 カーペット,ふとん側地,カバー・シーツ類,毛布などに適用する。ただし,その厚

さが15 mmを超えないものに限る。 

2) ガラス管法 ふとんわたなどに適用する。その材質から次のいずれかによる。 

2.1) A法 綿,羊毛,合成繊維などに適用する。 

2.2) B法 羽毛に適用する。 

b) 増殖抑制試験 室内じん性ダニに対して増殖抑制性能をもたせた繊維製品に対する試験方法で,繊維

製品の種類又は形状から次のどちらかの試験方法によって行う。 

1) A法 カーペット,ふとん側地,カバー・シーツ類,毛布などに適用する。ただし,その厚さが15 

mmを超えないものに限る。 

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2) B法 ふとんわたなどに適用する。 

試験の準備 

5.1 

試薬 

試薬は,次による。 

a) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定する特級のもの。 

b) エタノール JIS K 8102に規定する特級又は1級のもの。 

c) 精製水 第十五改正日本薬局方の基準に適合するもの。 

d) 水 第十五改正日本薬局方の常水の基準に適合するもの。 

e) 乾燥酵母 第十五改正日本薬局方の基準に適合するもので,ダニの飼育飼料として使用する。 

f) 

非イオン界面活性剤 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[ポリソルベート80 (Tween  

80)]。 

g) 飽和食塩水 塩化ナトリウム(NaCl) 392 gを精製水1 000 mlに加熱溶解させた後,その上澄み液を使

用したもの。ダニの飼育及び試験時に湿度調整のために使用する。また,飽和食塩水浮遊法において

も使用する。 

h) 非イオン界面活性剤溶液 非イオン界面活性剤0.1 gを精製水100 mlに溶解させたもの。ダニの回収

作業時に湿潤剤として使用する。 

i) 

着色液 着色用試薬1) 6.0 gをエタノール(C2H5OH) 100 mlに溶解させた後,精製水で全量を1 000 ml

にしたもの2)。ろ紙又はダニ以外のきょう(夾)雑物を染色するために使用する。 

注1) 着色用試薬としてクリスタルバイオレット(C25H30ClN3・9H2O)又はメチレンブルー

(C16H18N3S・Cl・nH2O)を使用する。 

2) 

ろ紙に直接着色する場合は,この着色液を数倍に薄めたものを用いてもよい。その場合は,

着色液によってダニが死亡又は着色するような高濃度のものを用いてはならない。 

5.2 

材料及び器具 

a) 循環式熱風乾燥機 温度70±2 ℃に保てるもので,試料又は粉末飼料の前処理に使用する。 

b) 恒温器(又は恒温室) 温度25±2 ℃,暗条件に保てるもので,ダニの飼育又は試験に使用する。 

c) 三角フラスコ JIS R 3503に規定するもので,呼び容量が50 mlのもので,飽和食塩水浮遊法に使用

する。 

d) ビーカー (50 ml) JIS R 3503に規定するもので,呼び容量が50 mlのもので,飽和食塩水浮遊法に使

用する。 

e) ビーカー (100 ml) JIS R 3503に規定するもので,呼び容量が100 mlのもので,全量展開法に使用す

る。 

f) 

シャーレ(大) JIS R 3503に規定するもので,内径約90 mm,内高約20 mmのもので,侵入阻止法

に使用する。 

g) シャーレ(小) 外径約45 mm,内高約15 mmのガラス製のもので,侵入阻止法又は増殖抑制試験A

法に使用する。 

h) ガラス管 JIS R 3644に規定する外径22±0.6 mm(肉厚1.2±0.2 mm),長さ約100 mmで硬質のもの

で,ガラス管法に使用する。 

i) 

ゴムバンド JIS Z 1701に規定する呼びが18に相当するもので,ガラス管法に使用する。 

j) 

サンプル管瓶 ガラス製で,外径約30 mm,内高約63 mm,容量約30 mlのもので,増殖抑制試験B

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法に使用する。 

k) ろ紙 JIS P 3801に規定する大きさが直径70 mm又は90 mmの一般定性用のろ紙で,ダニ計数に使用

する。 

注記 ダニを重複して計数しないように5〜10 mmのます目を書き入れておく。 

l) 

粘着テープ JIS Z 1539に規定するもので,ガラス管法に使用する。 

m) 粘着シート は(這)い出したダニを固着するのに十分な粘着力があるもので,ダニの飼育及び侵入

阻止法又は増殖抑制試験に使用する。 

n) 高密度織物 JIS L 1096のA法による通気度が1〜10 cm3/cm2・sで,繊維の種類が綿100 %のもので,

ガラス管法に使用する。 

o) 標準布 JIS L 0803に規定する染色堅ろう度試験用添付白布 単一繊維布“綿”3-1号。 

p) 密閉容器 気密性のあるプラスチック製容器。ただし,抗菌剤などの化学物質を練込み,又は表面処

理していないもの。 

なお,密閉容器は,5.1 g)の飽和食塩水を内部容積の約10 %量入れた後,すのこ3)を敷き,この上

にダニの飼育用の容器又は試験装置を置き,密閉容器のふたをする。試験装置を入れる場合は,密閉

容器を試料区ごとに準備する。 

注3) 

ポリプロピレン製など試験に影響を与えないもの。 

q) 実験動物飼育用粉末飼料 マウス,ラット,ハムスターなどの飼育に用いるもので,ダニの飼育飼料

として使用する。 

r) 天びん JIS K 0050に規定するもの。 

s) 

実体顕微鏡 JIS B 7139に規定するもので,落射式照明装置を備え,倍率が20倍程度のもの。 

t) 

試験用ふるい JIS Z 8801-1に規定するもので,使用するふるいの目開きは,次による。 

1) 洗い出し用 40〜50 μmの範囲内のもの 

2) 洗い出し用 500〜700 μmの範囲内のもの 

3) 飼料選別用 300 μm 

u) 吸引装置 吸引瓶にブフナーロートを取り付けて,アスピレータ(又は吸引ポンプ)で吸引ろ過でき

るようにしたもの。必要があれば吸引力を調節するためのバイパスを入れる。 

v) 数取器 0〜9999までカウントできるもの。 

5.3 

ダニ培地の準備 

試験に用いるダニ培地を,附属書Aによって準備する。 

試験条件 

試験条件は,次による。 

a) 試験室 温度25±5 ℃,相対湿度(65±20) % 

なお,試験室とは,試料の採取,試験の準備など行う作業場所を示す。 

b) 試験環境 温度25±2 ℃,相対湿度(75±5) %,暗条件 

なお,試験環境とは飼育又は試験中のダニの環境を示す。 

試料 

7.1 

採取方法 

試料が羽毛ふとんわた以外の繊維製品の場合は,JIS L 0105に規定した方法に従い,カーペット等の製

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品は30 cm×30 cm以上,ふとんわたについては50 g以上採取する。羽毛ふとんわたの場合は,JIS L 1903

に規定した方法によって10 g以上採取する。 

7.2 

無加工試料 

試料がカーペット,合成繊維ふとんわた,ふとん側地及びカバー・シーツ類の場合で,加工試料に対す

る無加工試料が準備できない場合は,次に示したものを無加工試料として試験に用いてもよい。 

a) カーペット JIS L 4406の“タイルカーペット”の1種に該当する原反4)をJIS L 0217の103号に規

定する方法によって洗濯5),遠心脱水後,水分を含んだ状態のものを温度120±2 ℃,30分間加熱し,

再度JIS L 0217の103号に規定する方法によって洗濯5)し,遠心脱水後,室温で乾燥させたもの。 

b) 合成繊維ふとんわた 繊維の種類がポリエステル100 %で繊度が5〜8デシテックス,繊維長が51〜

75 mmのものをJIS L 0217の103号に規定する方法によって洗濯6)し,遠心脱水後,室温で乾燥させ

たもの。 

c) ふとん側地 標準布を用いる。 

d) カバー・シーツ類 標準布を用いる。 

注4) 裏打ち及びプレコート処理が施されておらず,基布は,ノーバインダータイプのもの。また,

パイル素材は,ナイロンフィラメント糸で反染め又は湯通し後のもの。 

 5) 洗剤を使用しない湯洗いとする。 

 6) 洗濯用ネットに入れて,洗剤を使用しない湯洗いとする。 

7.3 

前処理 

試験には,5.2 a)の循環式熱風乾燥機を用いて,70±2 ℃,10分間加熱処理を行った試料を使用する。 

なお,加熱処理は,試料を適切な大きさのふた付ステンレスバットに入れて行う。また,2種類以上の

試料を加熱処理する場合は,試料別に加熱処理を行わなければならない。 

7.4 

保管 

前処理を行った試料は,速やかに試験を行わなければならない。試験開始までやむを得ず保管する場合

は,試料をポリエチレンフィルム製などの袋に入れ,密封して保管する。保管場所は,温度,直射光線,

水分などが試料に影響を与えない場所とする。また,加工品に施した薬剤の影響を他の試料に与えないよ

うにする。 

忌避試験 

8.1 

侵入阻止法 

a) 材料及び器具 

1) 恒温器(又は恒温室) 5.2 b)による。 

2) シャーレ(大) 5.2 f)による。 

3) シャーレ(小) 5.2 g)による。 

4) 粘着シート 5.2 m)による。 

5) 密閉容器 5.2 p)に規定したもので,内部容量が5 L以上で深さ100 mm以上のもの。 

6) 天びん 5.2 r)による。 

7) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

8) 誘引用飼料 A.2 b)の飼育培地を用いる。 

9) ダニ培地 5.3によるもので,ダニ培地中の生存ダニ数が多く,かつ,培地からは(這)い出したダ

ニも十分に確認できるもの。 

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b) 準備操作 

1) 7.3の前処理を行った試料から直径約40 mmの試験片5枚採取する。 

2) 試験片をそれぞれシャーレ(小)に敷き詰め,試料別に密閉容器に入れ8時間以上静置する。 

3) ダニ培地1 g中の生存ダニ数をB.2又はB.3によって求める。生存ダニ数の測定は,試験開始前に

行う。 

4) ダニ培地1 g中の生存ダニ数及びダニ培地の供試量7) を,次の式(1)によって求める。 

Nm

q

000

10

=

················································································ (1) 

ここに, 

q: ダニ培地の供試量 (g) 

Nm: ダニ培地1 g中の生存ダニ数 

注7) 生存ダニ数10 000匹を含むダニ培地量に相当する。 

c) 操作 

1) 誘引用飼料0.05 gをシャーレ(小)の中央部分に置く。ただし,直径10 mmの範囲内とする。 

2) ダニ培地を十分にかくはんした後,b)の4)の式(1)から求めた供試量をはかりとる。 

3) はかりとったダニ培地をシャーレ(大)に均一にばらまく。 

4) シャーレ(大)の中央にシャーレ(小)を重ねて置き,これを試験装置とする8)(図1参照)。 

5) 試験装置を粘着シート上に置き,これを密閉容器に入れ,箇条6のb)の条件下に24±1時間静置す

る。 

注8) 無加工試料についても同様に行う。 

d) 観察方法 

1) シャーレ(小)を取り出し,シャーレの外側をふき取る。 

2) 誘引用飼料はB.2,試験片及びシャーレ内についてはB.4又はB.5を用いてそれぞれ生存ダニを計数

し,その合計を侵入ダニ数とする。 

単位 mm 

図1−侵入阻止法(試験装置図) 

e) 試験結果 

1) 試験成立の判定 試験が成立するには,次の1.1)及び1.2)を満足しなければならない。成立しなか

った場合は,再試験を行う。 

1.1) 試験に用いたダニ培地中の生存ダニ数及び変動率を次の式(2)によって求める。変動率は,10 %未

満とする。 

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(

)(

)

100

1

1

×

=∑

=

x

n

x

x

C

n

i

i

 ························································· (2) 

ここに, 

C: 変動率(%) 

xi: ダニ培地0.025 g(又は,0.050 g)中の生存ダニの各計数値 

x: ダニ培地0.025 g(又は,0.050 g)中の生存ダニの平均値 

n: ダニ培地の計数回数,n=8(又は,n=4) 

1.2) 無加工試料区の侵入ダニ数の平均値は,1 000匹以上とする。 

2) 忌避率の計算 試験が成立したものについて,忌避率を,次の式(3)によって求める。数値は,JIS Z 

8401によって小数点以下1けたに丸める。 

100

1

1

1

×

=

=

=

=

n

i

i

n

i

i

n

i

i

Cs

Ts

Cs

Ev

 ····························································· (3) 

ここに, 

Ev: 忌避率(%) 

Csi: 無加工試料区における各侵入ダニ数 

Tsi: 加工試料区における各侵入ダニ数 

n: 試験の繰り返し回数,n=5 

8.2 

ガラス管法 

a) 材料及び器具 

1) 恒温器(又は恒温室) 5.2 b)による。 

2) ガラス管 5.2 h)による。 

3) ゴムバンド 5.2 i)による。 

4) 粘着テープ 5.2 l)による。 

5) 高密度織物 5.2 n)に規定したもので,大きさが100 mm×100 mm程度のもの。 

6) 密閉容器 5.2 p)に規定したもので,内部容量が2 L以上で深さ45 mm以上のもの。 

7) 天びん 5.2 r)による。 

8) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

9) ダニ計数用わた 7.2 b)の合成繊維ふとんわたを用いる。 

10) 誘引用飼料 A.2 b)の飼育培地を用いる。 

11) 固定具 ステンレス製の金網(目開き約1 mm)を直径約20 mmの円形に切り取ったもの及び折り

曲げて縁を付けた同径のもの。ただし,固定具は,B法に使用する。 

12) ダニ培地 5.3によるもので,生存ダニ数が多く,かつ,培地からは(這)い出したダニも十分に確

認できるもの。 

b) 準備操作 

1) ガラス管の端の一方に粘着テープをはり付ける。 

2) 誘引用飼料0.01 gをガラス管に入れ,粘着テープに均一に付着させる。 

3) ダニ計数用わた0.025 gをガラス管に入れた後,ガラス端から約5±1 mmの厚さに詰め,A法の場

合は4)の操作に,B法の場合は5)の操作に移る。 

4) 7.3の前処理を行った試料0.4 gを試料の厚さが20±2 mmになるようにガラス管に詰める(図2参

照)。6) の操作に移る。 

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5) ガラス管に縁のない固定具を入れた後,7.3の前処理を行った試料0.08 gを入れ,次いで,縁のある

固定具を入れ,厚さが20±2 mmになるように詰める(図3参照)。6) の操作に移る。 

6) 同様の操作を繰り返し,試料ごとにガラス管を5本ずつ準備する。 

7) ガラス管を試料別に密閉容器に入れ,8時間以上水平に静置する。 

8) ダニ培地1 g中の生存ダニ数を,B.2又はB.3に従い求める。生存ダニ数の測定は,試験開始時に行

う。 

9) ダニ培地1 g中の生存ダニ数及びダニ培地の供試量8)を8.1 b) 4)の式(1)によって求める。 

単位 mm 

図2−ガラス管A法(試験装置図) 

単位 mm 

図3−ガラス管B法(試験装置図) 

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c) 操作 

1) ダニ培地を十分にかくはんした後,b) 9)で求めた供試量をはかりとり,ガラス管に入れる。ただし,

ダニ培地は,ガラス管の挿入口側の端から約40 mmまでの間とする。 

2) ガラス管の挿入口を高密度織物とゴムバンドとでふさぎ,これを試験装置とする9)。 

3) 試験装置を密閉容器に入れ,箇条6のb)の条件下に水平に48±1時間静置する。 

注9) 無加工試料についても同様に行う。 

d) 観察方法 粘着テープ,誘引用飼料及びダニ計数用わたをダニ計数の対象として,B.4又はB.5に従

いそれぞれ生存ダニ数を計数し,その合計を誘引ダニ数とする。 

e) 試験結果 

1) 試験成立の判定 試験が成立するには次の1.1)及び1.2)を満足しなければならない。成立しなかっ

た場合は,再試験を行う。 

1.1) 試験に用いたダニ培地中の生存ダニ数及び変動率を8.1 e) 1.1)の式(2)によって求める。変動率は

10 %未満とする。 

1.2) 無加工試料区の誘引ダニ数の平均値は,1 000匹以上とする。 

2) 忌避率の計算 試験が成立したものについて,忌避率を次の式(4)によって求める。数値は,JIS Z 

8401によって小数点以下1けたに丸める。 

100

1

1

1

×

=

=

=

=

n

i

i

n

i

i

n

i

i

Cg

Tg

Cg

Ev

 ···························································· (4) 

ここに, 

Ev: 忌避率(%) 

Cgi: 無加工試料区における各誘引ダニ数 

Tgi: 加工試料区における各誘引ダニ数 

n: 試験の繰り返し回数,n=5 

増殖抑制試験 

a) 材料及び器具 

1) 恒温器(又は恒温室) 5.2 b)による。 

2) シャーレ(小) 5.2 g)による。 

3) サンプル管瓶 5.2 j)による。 

4) 粘着シート 5.2 m)による。 

5) 密閉容器 5.2 p)に規定したもので,内部容量が5 L以上で深さ100 mm以上のもの。 

6) 天びん 5.2 r)による。 

7) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

8) 飼育培地 A.2 b)による。 

9) ダニ培地 5.3によるもので,十分繁殖し,生存ダニ数が多いものを用いる。 

b) 準備操作 A法の場合(図4参照)は1)の操作から始め,B法の場合(図5参照)は2)から始める。 

1) 試料から直径約40 mmの試験片9枚採取し,各々シャーレ(小)に敷き詰め,3)の操作に移る。 

2) 試料から1 gはかり取り,サンプル管瓶に詰める。これを各試料9本ずつ準備し,3)の操作に移る。 

3) 試料別に密閉容器に入れ8時間以上静置する。 

10 

L 1920:2007 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4) ダニ培地1 g中の生存ダニ数を,B.2又はB.3に従い求める。生存ダニ数の測定は,試験開始時に行

う。 

5) ダニ培地及び飼育培地の分取量を,次の式(5)から式(7)によって求める。 

650

Nm

S=

··················································································· (5) 

S

Wt

Wm=

 ················································································· (6) 

Wm

Wt

Wf

=

 ··········································································· (7) 

ここに, Nm: ダニ培地1 g中の生存ダニ数 
 

S: 希釈倍率 

Wm: ダニ培地の分取量 (g) 

Wf: 飼育培地の分取量 (g) 

Wt: 接種用ダニ培地の調整量 (g) 

6) 飼育培地及びダニ培地をそれぞれ十分にかくはんし,5)で求めた分取量を各々はかりとり十分に混

合し,これを接種用ダニ培地とする。接種用ダニ培地は,調整後速やかに試験に用いる。 

7) 0.1 g中の接種用ダニ培地の生存ダニ数をB.2又はB.3に従い求め,その数を初期ダニ密度とする。

初期ダニ密度の平均値が50〜80匹を外れた場合は,6)の操作からやり直す。 

注記1 計算式(5)の650は,7)の初期ダニ密度の平均値50〜80匹を満たすには分母が500〜

800の範囲内でなければならないことから,その中央値650を採用した。 

注記2 計算式(6)のWtは,試料数から求めた必要量では不足する場合が多いので,多めに調

整しなければならない。したがって,Wtを式で表すと次のようになる。 

(

)

0.3

1

9

0.1

n

Wt

×

×

なお,式の(n+1)は,無加工試料を含む試料数を示し,“+0.3”は初期ダニ密度を計

数するのに要する接種用ダニ培地のg数を表す。 

c) 操作 

1) 十分にかくはんした接種用ダニ培地0.1 gを表面にばらまき,これを試験装置とする10)。試料がカ

ーペットの場合は,接種用ダニ培地をパイルの深部に落とし込んで試験を開始する。ただし,その

操作のときにシャーレから培地が飛び散らないように注意して行う。 

2) 試験装置を粘着シート上に置き,これを密閉容器に入れ箇条6のb)の条件下に最長8週間静置する。 

注10) 無加工試料についても同様に行う。 

d) 観察 試験開始4週間後及び6週間後に観察を行い,必要ならば3回目の観察を試験開始7週間後か

ら8週間後までの間に実施する。 

なお,試験の繰り返しを3回とし,各観察時に各々試料又は試験片を3個ずつ生存ダニ数の計数を

行う。 

e) 観察方法 

1) 試験装置を取り出し,試験容器の外側をふきとる。 

2) 接種用ダニ培地はB.2,試験容器及び試料又は試験片はB.4又はB.5に従いそれぞれ生存ダニ数を計

数し,その合計を試験値とする。 

単位 mm 

background image

11 

L 1920:2007 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図4−増殖抑制試験A法(試験装置図) 

単位 mm 

図5−増殖抑制試験B法(試験装置図) 

f) 

試験結果 

1) 試験成立の判定 試験が成立するには次の1.1)〜1.3)を満足しなければならない。成立しなかった場

合は,再試験を行う。 

1.1) 試験に用いたダニ培地中の生存ダニ数及び8.1 e) 1.1)の式(2)を用いて求めた変動率は10 %未満と

する。 

1.2) b) 7)で求めた初期ダニ密度の平均値は50〜80匹とする。 

1.3) 試験開始4週間後における無加工試料の生存ダニ数の平均値は初期ダニ密度の平均値の3倍以上

とする。 

2) 増殖抑制率の計算 試験が成立したものについて,増殖抑制率を,次の式(8)によって求める。数値

は,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。ただし,増殖抑制率は,各観察時それぞれに

ついて求める。 

100

1

1

1

×

=

=

=

=

n

i

i

n

i

i

n

i

i

Cr

Tr

Cr

R

 ······························································ (8) 

ここに, 

R: 増殖抑制率(%) 

Cri: 無加工試料区における各生存ダニ数 

Tri: 加工試料区における各生存ダニ数 

n: 試験の繰り返し回数,n=3 

12 

L 1920:2007 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10 特異な試料に対する試験方法の対応 

忌避試験及び増殖抑制試験において,次に挙げた場合に限り試験方法を変更しても良い。ただし,その

場合は,それぞれ変更しなければならない理由及び試験方法の変更した事項11)などを試験報告書に記載し

なければならない。 

a) 侵入阻止法及び増殖抑制試験A法 試料の厚さが15 mmを超える場合でも,試験結果に影響しない

部分をはく離又は裁断することによって,厚さを15 mm以下に調整できる場合は,その部分をはく離

又は裁断してもよい。 

b) ガラス管法 試料の物理的原因で無加工試料区の誘引ダニ数の平均値が1 000匹未満になる場合は,

試験に用いる試料の質量を調整してもよい。 

c) 増殖抑制試験B法 試料1 gをサンプル管瓶に詰めたときの厚さを35±5 mmにできない場合は,試

料の質量を調整して試験を行ってもよい。ただし,サンプル管瓶に詰めたときの試料の厚さは,35±5 

mmでなければならない。 

注11) 試験報告書の記載事項の例を次に示す。 

はく離又は裁断した部分の名称及びそれが試験に影響しない理由 

試験に用いた試料の質量及び質量を変更した理由 

11 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記入する。 

a) 共通事項(忌避試験及び増殖抑制試験) 

1) 試験項目 

2) 試験方法 

3) 試験に用いたダニの種名(系統,出所,由来など) 

4) 試料の種類 

5) 試料の名称(商品名など) 

6) ダニ培地のダニ密度の測定結果 

7) ダニ培地1 g中の生存ダニ数 

8) 試験方法に変更がある場合はその変更点及びその理由 

9) その他,試験に関して必要な事項 

b) 忌避試験の場合 忌避試験の場合,a)に加えて,次の事項を記入する。 

1) 無加工試料区の侵入ダニ数(ガラス管法の場合は,誘引ダニ数) 

2) 加工試料区の侵入ダニ数(ガラス管法の場合は,誘引ダニ数) 

3) 忌避率 

c) 増殖抑制試験の場合 増殖抑制試験の場合,a)に加えて,次の事項を記入する。 

1) 接種用ダニ培地0.1 g中の生存ダニ数(初期ダニ密度) 

2) 各観察時における無加工試料区の生存ダニ数 

3) 各観察時における加工試料区の生存ダニ数 

4) 各観察時における増殖抑制率 

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L 1920:2007 

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附属書A 

(規定) 

試験に用いるダニ 

序文 

この附属書は,試験に用いるダニについて規定する。 

A.1 一般 

累代飼育したヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)を試験に用いる。累代飼育の方法は,次

による。 

A.2 容器及び培地 

ダニの飼育容器及び培地は,次による。 

a) 飼育容器 飼育用の容器としてシャーレなど適切な容量のものを用いる。 

なお,飼育容器は,ガラス製が望ましい。 

b) 飼育培地 ダニの飼育には,次の方法で調整した飼育培地を用いる。 

なお,飼育培地は,試験時の誘引用飼料又はダニ密度の調整用としても用いる。 

1) 粉末飼料 5.2 q)の実験動物飼育用粉末飼料を5.2 t) 3)のふるいを用いてふるい分けし,ふるいを通

過した微粉末を飼育培地用粉末飼料とする。 

2) 調整 飼育培地用粉末飼料と5.1 e)の乾燥酵母とを質量比で1:1に混合する。 

3) 前処理 2)の飼料をa)の飼育容器に厚さ10 mm程度に広げ,5.2 a)の循環式熱風乾燥機で70±2 ℃,

2時間加熱処理した後,飼育容器とともに5.2 p)の密閉容器内に24〜48時間保管する。 

A.3 ダニの飼育 

ダニの飼育方法及び管理は,次による。 

a) 飼育方法 ダニ培地は,5.2 p)の密閉容器に入れ,箇条6のb)の条件下で飼育を行う。飼育期間中は,

ダニ培地を随時かき混ぜ,他のダニ又は昆虫の混入の有無を確認する。ダニ培地中に他のダニ又は昆

虫を確認した場合は,直ちにその培地の使用を中止し,培地を廃棄しなければならない。 

b) ダニ培地の更新 ダニ培地のダニ密度が減少し始めたらダニ培地をc)に従い更新させる。 

c) ダニの接種方法 ダニ培地をA.2 b)の飼育培地に直接混合するか,又はダニだけを飼育培地に接種す

る。 

A.4 保管方法 

実験動物用粉末飼料,飼育培地用粉末飼料及び乾燥酵母は,密封して,冷暗所に保管する。 

14 

L 1920:2007 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

ダニの計数方法 

序文 

この附属書は,ダニの計数方法について規定する。 

B.1 

一般 

ダニの計数は,試料の種類によってB.2の飽和食塩水浮遊法,B.3の全量展開法,B.4の洗出し法1,又

はB.5の洗出し法2のいずれかの方法によって行う。 

B.2 

飽和食塩水浮遊法 

飽和食塩水浮遊法は,次による。 

a) 試薬 

1) 飽和食塩水 5.1 g)による。 

2) 非イオン界面活性剤溶液 5.1 h)による。 

3) 着色液 5.1 i)による。 

b) 器具及び装置 

1) 三角フラスコ 5.2 c)による。 

2) ビーカー 5.2 d)に規定した呼び容量が50 mlのもの。 

3) ろ紙 5.2 k)による。 

4) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

5) 吸引装置 5.2 u)による。 

6) 数取器 5.2 v)による。 

c) 試料 ダニ培地,誘引用飼料,接種用ダニ培地及びB.4又はB.5の洗出し法でふるい(目開き40〜50 

μm)上に残った繊維くずなどを試料の対象とする。 

1) ダニ培地 十分にかくはんしたダニ培地を0.025 g又は0.050 gはかりとり,生存ダニ数の計数を行

う。ダニ培地0.025 g中の生存ダニ数の計数を行う場合はダニ計数を8回繰り返し,ダニ培地の分取

量を0.050 gとした場合は,繰り返しを4回とする。 

2) 誘引用飼料 適量に分けてダニの分離を行う。 

3) 接種用ダニ培地 接種用ダニ培地0.1 gを適量に分けて生存ダニ数の計数を行う。接種用ダニ培地の

生存ダニの計数は,繰り返しを3回とする。 

4) 繊維くずなどの試料 適量に分けてダニの分離を行う。 

d) 操作 

1) 試料を三角フラスコに入れる。 

2) 三角フラスコに数滴の非イオン界面活性剤溶液と1.0 ml程度の着色液とを添加する1)。 

3) 適量の飽和食塩水を加え,十分にかくはんする。 

4) 飽和食塩水を三角フラスコの口まで注ぎ,10分間静置する。 

5) 静置後,上層の飽和食塩水を吸引ろ過する。 

15 

L 1920:2007 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) ろ紙上の生存ダニを実体顕微鏡下で計数する2)。ただし,一つの試験試料に対してダニの計数作業

を20分以内で終了させなければならない。時間内に計数を終了させることができない場合は,三角

フラスコの上澄み液を容量50 mlのビーカーに移し,非イオン界面活性剤溶液数滴及び水を加え全

量を約30〜40 mlにし,順次速やかに計数作業を行う。 

注1) 着色液は,吸引しながらろ紙を直接着色してもよい。 

2) 死亡ダニ又は静止期のダニは,計数の対象から除外する。 

e) 生存ダニ数の計算 ダニ培地1 g中の生存ダニ数は,計数した生存ダニ数及び次の式によって求める。 

2.0

1∑

=

=

n

i

ix

Nm

ここに, 

Nm: ダニ培地の生存ダニ数(匹/g) 

x1,x2,…,xn: ダニ培地0.025 g(又は,0.050 g)中の各生存ダニ数 

n: ダニ培地の測定回数,n=8(又は,n=4) 

B.3 

全量展開法 

全量展開法は,次による。 

a) 試薬 

1) 水 5.1 d)による。 

2) 着色液 5.1 i)による。 

b) 器具及び装置 

1) ビーカー 5.2 e)による。 

2) ろ紙 5.2 k)による。 

3) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

4) 吸引装置 5.2 u)による。 

5) 数取器 5.2 v)による。 

c) 試料 ダニ培地又は接種用ダニ培地を試料の対象とする。 

1) ダニ培地 十分にかくはんしたダニ培地を0.025 gはかりとり,生存ダニ数の計数を行う。ダニ培地

0.025 g中の生存ダニ数の計数の繰り返しを8回とする。 

2) 接種用ダニ培地 接種用ダニ培地0.1 gを適量に分けて生存ダニ数の計数を行う。接種用ダニ培地の

生存ダニの計数は,繰り返しを3回とする。 

d) 操作 

1) 試料をビーカーに入れ,水20〜30 ml加える。 

2) 着色液0.5〜1.0 mlをビーカーに加え十分にかくはんする。 

3) ビーカー内の液をすべて吸引ろ過する。 

4) 水でビーカー内を洗浄後,その洗浄液もろ過し,ビーカー内のものをすべてろ紙に展開する1)。 

5) ろ紙上の生存ダニを実体顕微鏡下で計数する2)。 

e) 生存ダニ数の計算 ダニ培地1 g中の生存ダニ数は,計数した生存ダニ数及びB.2 e)の式によって求め

る。 

B.4 

洗出し法1 

16 

L 1920:2007 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

洗出し法1は,次による(図B.1参照)。 

a) 試薬 

1) 飽和食塩水 5.1 g)による。 

2) 着色液 5.1 i)による。 

b) 器具及び装置 

1) 三角フラスコ 5.2 c)による。 

2) ろ紙 5.2 k)による。 

3) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

4) ふるい 5.2 t) 1)及び2)による。 

5) 吸引装置 5.2 u)による。 

6) 数取器 5.2 v)による。 

c) 試料 カーペットなど繊維製品を試料の対象とする。 

d) 操作 

1) 試料をふるい(目開き500〜700 μm)上に置き,その下に洗浄液を受ける容器としてバットなどを

置く。 

2) 試料に水を吹き付け3) 4),容器内に洗浄液を貯める。 

3) 洗浄液に繊維くずなどごみが少ない場合は4)の操作に,ごみが多い場合は6)の操作に移る。 

4) 洗浄液を吸引ろ過する。 

5) 容器内を十分に洗浄し,すべて吸引ろ過し5)ろ紙上の生存ダニを実体顕微鏡下で計数し,8)の操作

に移る。 

6) ふるい(目開き500〜700 μm)の下にふるい(目開き40〜50 μm)を重ね,これに洗浄液を通す6)。 

7) ふるいを重ねたまま上から十分に洗い流し,ふるい(目開き40〜50 μm)上に残ったものをB.2の

飽和食塩水浮遊法で生存ダニ数を計数し,8)の操作に移る。 

8) 生存ダニが確認できなくなるまで1)の操作からの作業を繰り返し,計数した合計値を試料中のダニ

数とする。 

注3) 洗い出し用のノズルとしてマイクロピペットのチップの先端を平たんにつぶしたものなど

を用いる。 

4) カーペットなど試料内部まで水が行き渡りにくい試験片については,軽く湾曲させた状態

にして水を吹き付けて洗う。 

5) 洗浄液に着色液を添加し吸引ろ過を行うか,又はろ過終了後にろ紙を直接着色液で着色す

る。 

6) ふるいの目詰まりによる洗浄液のオーバーフローに注意しなければならない。 

background image

17 

L 1920:2007 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.1−洗い出し法(方法1)の装置図(一例) 

B.5 

洗出し法2  

洗出し法2は,次による。 

a) 試薬 

1) 飽和食塩水 5.1 g)による。 

2) 着色液 5.1 i)による。 

b) 器具及び装置 

1) 三角フラスコ 5.2 c)による。 

2) ろ紙 5.2 k)による。 

3) 実体顕微鏡 5.2 s)による。 

4) ふるい 5.2 t) 1)及び2)による。 

5) 吸引装置 5.2 u)による。 

6) 数取器 5.2 v)による。 

c) 試料 カーペットなど繊維製品を試料の対象とする。 

d) 操作 

1) ふるい(目開き500〜700 μm)の下にふるい(目開き40〜50 μm)を重ね,この上で試料に水を吹

き付けて3) 4),その洗浄液をふるいですべて受ける6)。 

2) 試料の洗浄が終了したら,ふるいを重ねたまま上から十分に洗い流す。 

3) ふるいを外し,ふるい(目開き40〜50 μm)上に飼育培地などが混じっていない場合は4)の操作に,

多い場合は5)の操作に移る。 

4) ふるい(目開き40〜50 μm)上のものを水で洗浄し,その洗浄液を吸引ろ過し5)ろ紙上の生存ダニ

を実体顕微鏡下で計数し,6)の操作に移る。 

5) ふるい(目開き40〜50 μm)上のものをB.2の飽和食塩水浮遊法で生存ダニ数を計数し,6)の操作

18 

L 1920:2007 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

に移る。 

6) 生存ダニが確認できなくなるまで1)の操作からの作業を繰り返し,計数した合計値を試料中のダニ

数とする。