L 1917 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,社団法人繊維
評価技術協議会 (JTETC)/財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
L 1917 : 2000
繊維製品の表面フラッシュ
燃焼性試験方法
Testing method for burning due to surface flash of textiles
1. 適用範囲 この規格は,繊維製品の表面フラッシュ燃焼性試験方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス)
JIS L 0217 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法
JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 表面フラッシュ 基本構造の着火を除いた材料表面の炎の急速な広がり。
備考 表面フラッシュと同時又は引き続いて発生する現象は,表面フラッシュの範囲に入らない。
4. 試料の採取及び調整 生地の場合は,ランダムに採取する。ただし,両耳端から全幅の1/10ずつ,端
末から1m以上を除いた部分から採取する。採取した試料について,洗濯処理が必要な場合には,定めら
れた処理方法(1)で処理した後,次の試験を行う。ただし,この処理を必要としない場合には,この処理を
省略することができる。
試料を105±2℃の恒温乾燥器内に60分間放置した後,シリカゲル入りデシケータ中に30分間放置する。
ただし,熱による影響を受けるおそれがある試料では,50±2℃の恒温乾燥器内に24時間放置した後,シ
リカゲル入りデシケータ中に30分間放置する。
注(1) 洗濯方法 試験片の大きさは,試験に必要な大きさとし,ほつれを避けるため縁取りし,次の
方法で洗濯を行う。
a) 水洗いの場合は,JIS L 0217付表1番号103の方法による。
b) ドライクリーニングの場合は,JIS L 0217付表1番号401の方法による。
試料を製品から採取する場合には,表面フラッシュが発生するおそれのある部分を採取する。ただし,
試験に必要な大きさの試験片にするため,小さな部分を縫い合わせた場合は,試験結果に影響のない縫い
形式とし,図示等を含めその旨試験報告書に記載する。
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L 1917 : 2000
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5. 試験方法
5.1
装置及び材料
5.1.1
燃焼試験装置 図1に示すもの。
5.1.2
試験場所 試験場所は,標準状態の試験室とする。試験室が標準状態に保てない場合は,できるだ
け標準状態に近い場所で試験を行い,試験時の温度及び湿度を試験結果に付記する。試験開始時における
空気の動きが0.2m/sを下回り,試験の間,機械的装置を作動することによって影響を受けない場所とする。
試験場所は,試験が酸素濃度の低下に影響されないような空気量とする。
5.1.3
試験片支持枠 図2に示すステンレス鋼製のもので試験片を完全に保持できるもの(以下,支持枠
という。)。
5.1.4
試験片台 図3に示すもの。
5.1.5
マーカ糸 ナイロンフィラメント糸(直径0.09mm)。
5.1.6
バーナ JIS L 1091附属書4-A(規定)による。
5.1.7
ブラッシング装置 JIS L 1091附属書5-B(規定)による。ただし,ブラッシング面は,試験片支
持枠の内寸に相当する140×330mmとし,台車に加えられる荷重は4.2±0.05Nとする。
5.1.8
恒温乾燥器 規定の温度に調節できるもの。
5.1.9
デシケータ
5.1.10 燃料 JIS K 2240に規定された液化ガス2種4号(ブタン及びブチレンを主体とするもの)。
5.1.11 シリカゲル
5.1.12 計時装置 0.1秒又はそれ以上の精度をもつ適切な装置。
5.2
操作 試験片の大きさは,約400mm(たて)×200mm(よこ)とし,3枚採取する。試験片をデシ
ケータから取り出し,手早く支持枠にたるみのないように取り付け,ブラッシング装置に毛羽方向と反対
向きに3回通して試験片表面を毛羽立てた後,試験片台から支持枠を取り外し,試験装置に毛羽方向を下
にして垂直に保持する。
マーカ糸を所定の位置に100mm間隔に取り付ける。ただし,マーカ糸がたるまないよう,十分な張力
を与える。
試験に先立ち,炎の長さは水平状態のバーナ先端から,20mmとする。試験片の下端から50mm上部の
表面に,火炎の先端5mmを0.5秒間接炎させる。
接炎から表面フラッシュの先端が100mm, 200mm, 300mmの各位置に伝ぱし,マーカ糸が切断するまで
に要した時間を秒単位で1/10秒まで記録する。
6. 記録 5.による試験の結果について,マーカ糸取付位置100mm, 200mm, 300mmまでの火炎伝ぱ時間(3
枚の測定値中の最短のもの)を記録する。
また,4.の注(1)の洗濯方法によって処理を行った場合は,その条件を付記する。
なお,着火した火炎が自然消火して,表面フラッシュが発生しなかったり,試験中に表面に着火して生
地本体が燃焼を開始したような場合には,試験報告書にその旨記載する。
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図1 燃焼試験装置の例
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図2 試験片支持枠
図3 試験片台
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JIS 原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
軍 司 敏 博
大妻女子大学
(委員)
佐 藤 倭 敏
財団法人日本化学繊維検査協会
立 石 譲 二
通商産業省生活産業局繊維課
香 月 比呂子
製品評価技術センター北関東支所
竹 内 謙 二
社団法人繊維評価技術協議会
市 川 駿
社団法人日本アパレル産業協会
小代田 寛 之
日本ニット工業組合連合会
太 田 克 海
財団法人日本防炎協会
北 川 正 明
日本紡績協会
太 田 美津子
国民生活センター
高 野 富士子
主婦連合会
田 中 雅 子
消費科学連合会
齋 藤 有 常
日本百貨店協会
(関係者)
菅 原 昭 栄
通商産業省工業技術院標準部
橋 本 進
財団法人日本規格協会
(事務局)
神 田 春 夫
社団法人繊維評価技術協議会