L 1915 : 1998
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
L 1915 : 1998
ふとんの水分移動特性試験方法
Test methods of humidity transfer characteristics of FUTON
序文 ふとんの評価試験方法を体系的に整備するために,1996年にJIS L 1911(ふとんの保温性試験方法)
が,1998年にJIS L 1914(ふとんの弾力性試験方法)がそれぞれ制定されたのに引き続き,この規格が制
定された。
1. 適用範囲 この規格は,寝具として用いるふとんの水分移動特性を評価する試験方法について規定す
る。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS L 0212 繊維製品用語(寝具・床敷物・室内装飾品等)
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0212によるほか,次による。
a) ふとんの水分移動特性 人体から出た水分がふとんの内部を移動して環境に放散していく性能で,吸
湿性,透湿性,放湿性の総称。
b) ふとんの吸湿性 ふとんの水分移動特性のうち,ふとんが水分を吸う性能。
c) ふとんの透湿性 ふとんの水分移動特性のうち,水分がふとんを透過する性能。
d) ふとんの放湿性 ふとんの水分移動特性のうち,水分がふとんから放散する性能。
4. 種類 試験の種類は,次による。
a) 吸湿性,透湿性試験法 ふとんの吸湿性,透湿性を試験する方法。
b) 放湿性試験法 ふとんの放湿性を試験する方法。
5. 試験場所の標準状態 試験室は,温度20±2℃,湿度 (65±2) %とし,かつ,無風(0.1m/s以下)とす
る。
6. 原理 ふとんの水分移動特性試験は,ふとん試料に供給される水分量とふとん試料に吸収される水分
量を測定する方法及び,その差からふとん試料を透過する水分量を求める方法を用いる。また,吸湿した
ふとん試料から水分が放散する時間を測定する方法を用いる。
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7. 装置 試験装置は,水槽とその上部に設置された試料ケースと,それらの質量を測定する2台の精密
な質量計(1)と,データの収録装置によって構成する。水槽と試料ケースの間は互いに質量変化の影響を及
ぼさないように柔軟なプラスチック製フィルム(2)で緩みを付けて囲い,水槽と試料ケースを各々独立した
支持枠によって各々の質量計に載せ,試料の質量変化と蒸留水の質量変化を測定できるようにする。試料
ケースの底面は金網で構成する(図1)。
注(1) ひょう量20kg,感量0.1g又は同等以上のものとする。
(2) ポリエチレン,塩化ビニル樹脂,ポリ塩化ビニリデンなどのフィルムとする。
図1 ふとんの水分移動特性試験装置
8. 試料 試験に供する試料は,ふとんから,寸法450mm×450mm (±5mm) の試料を切り取る。ただし,
ふとんの充てん物の材質が羽毛の場合は、ふとんと同一の側生地を用いて作製した寸法450mm×450mm
(±5mm) の袋状の側に羽毛をふとんと同じ密度で入れたものを試料とする。試料は十分に乾燥した後,標
準状態に24時間以上放置してから試験を行う。
9. 方法
a) 吸湿性,透湿性試験方法
1) 測定 標準状態の試験室内に水分移動特性試験装置を設置し,試験装置の水槽に室温と同じ温度の
蒸留水約5lを注ぎ,試験機の試料ケースに試料を静かに設置し,質量計のゼロ点を調整して質量変
化の測定を開始する。その後,72時間の試料の質量変化と蒸留水の質量変化を測定記録する。
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2) 計算 次式によって,吸湿性及び透湿性を計算することとし,JIS Z 8401によって有効数字3けた
に丸める。
5
202
.0
1
1
×
=A
Q
5
202
.0
1
2
×
=B
C
Q
ここに,
Q1: 吸湿性 (g/m2)
Q2: 透湿性 (g/m2h)
A: 図2に示す平衡した質量 (g)
B
C: 図3に示す質量変化の勾配 (g/h)
Bは12時間以上とする。
0.202 5: 試料の面積 (m2)
図2 試料の吸湿量変化
図3 試料の透湿量変化
b) 放湿性試験方法
1) 測定 吸湿性,透湿性試験において水分を吸湿した試料を,標準状態の試験室内の水分移動特性試
験機に設置したままで,水槽からの水分の蒸発を遮断して,試料の質量変化W4 (g) を測定記録する。
2) 計算 1)で測定したグラフから時定数 (h) を求めて,放湿性Q3を評価する数値 (h) とする。
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Q3=T
ここに, Q3: 放湿性 (h)
T: 図4に示す時定数 (h)
図4 試料の質量変化
10. 記録 次の項目を記録する。
a) 試験室の条件 温度,湿度
b) 試料 試料の名称,充てん物の材質,充てん量,側生地の材質,寸法
c) 測定結果 ふとんの吸湿性 (g/m2),ふとんの透湿性 (g/m2h),ふとんの放湿性 (h)
“ふとんの水分移動特性試験方法”のJIS原案作成委員会構成表
氏名
所属
(委員長)
川 島 美 勝
横浜国立大学大学院
(委員)
大 平 通 泰
日本睡眠環境学会
高 橋 和 夫
通商産業省生活産業局繊維課
小 川 一 男
通商産業省生活産業局繊維企画官付
高 橋 和 夫
通商産業省製品評価技術センター
宮 崎 正 浩
工業技術院標準部消費生活規格課
黒 木 勝 也
財団法人日本規格協会技術部
伊 原 健 吾
財団法人日本染色検査協会
湯 村 崇 男
日本化学繊維協会
大 賀 茂 幸
株式会社ダルマックス
井 上 久 嘉
株式会社報徳
草 田 善一郎
三陽羽毛株式会社
高 野 富士子
主婦連合会
川 又 幸 子
全国地域婦人団体連絡協議会
伊 藤 康 江
消費科学連合会
斉 藤 有 常
日本百貨店協会
池 谷 公 男
日本チェーンストア協会
蒲 谷 守 啓
日本寝具製造卸組合連合会
駒 野 幸 一
全日本寝具寝装品協会
(事務局)
大 出 広
全日本寝具寝装品協会