サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

L 1912 : 1997  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生大臣が制定した日本工

業規格である。 

JIS L 1912には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) 衝撃耐水性・細菌ろ過効率・細菌バリアー性(乾式法)及び細菌バリアー性(湿式

法)の試験方法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 1912 : 1997 

医療用不織布試験方法 

Test methods for nonwoven fabrics of medical use 

1. 適用範囲 この規格は,医療の目的で使用される不織布に関する試験方法について規定する。 

2. 引用規格 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 7721 引張試験機 

JIS H 4170 高純度アルミニウムはく 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0557 化学分析用の水 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0208 繊維用語−試験部門 

JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法 

JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法 

JIS L 1093 繊維製品の縫目強さ試験方法 

JIS L 1094 織物及び編物の帯電性試験方法 

JIS L 1096 一般織物試験方法 

JIS L 1099 繊維製品の透湿度試験方法 

JIS L 1906 一般長繊維不織布試験方法 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS P 8148 紙及び板紙の拡散照明方式による白色度試験方法(ISO白色度) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0105及びJIS L 0208によるほか,次のとおりとす

る。 

a) 湿式不織布:湿式ウェブから作られた不織布。 

b) 乾式不織布:乾式ウェブから作られた不織布。 

c) 短繊維不織布:短繊維からなる不織布。 

d) 長繊維不織布:長繊維からなる不織布。 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 項目 試験の項目は,次のとおりとする。 

a) 厚さ 

b) 単位面積当たりの質量 

c) 水分率 

d) 引張強さ及び伸び率 

e) 引裂強さ 

f) 

破裂強さ 

g) 摩耗強さ 

h) 剛軟度 

i) 

縫目強さ 

j) 

滑脱抵抗力 

k) 脂肪分 

l) 

吸水性 

m) 通気性 

n) 帯電性 

o) pH 

p) 光学的性質 

q) 燃焼性 

r) はっ水度 

s) 

耐水度 

t) 

透湿度 

u) 耐食塩水性 

v) はつ(撥)アルコール性 

w) 汗に対する染色堅ろう度 

x) 摩擦に対する染色堅ろう度 

y) 蛍光 

z) 蒸発残留物 

5. 共通的な条件 

5.1 

試験場所 試験場所は,JIS L 0105の4.1(試験場所)による。 

5.2 

温度・湿度の測定 温度・湿度の測定は,JIS L 0105の4.2(温度及び湿度)による。 

5.3 

試料又は試験片 試料又は試験片は,試験の目的によって,JIS L 0105の4.3(試料又は試験片)に

規定する標準状態又は絶乾状態とする。 

5.4 

試料及び試験片の採取及び準備 試料及び試験片の採取及び準備は,JIS L 0105の5.3(布状の試料

及びその試験片)による。ただし,個々の試験回数は,実際の資料の幅(0.1mまで測定した値)に各試験

で規定する幅1m当たりの試験回数を乗じ,JIS Z 8401によって整数に丸めた値とする。長さ方向の試験

回数は,受渡当事者間の協定による。 

なお,たて方向は,不織布の製造方向(機械方向)をいい,よこ方向は,たて方向に対して直角の方向

(幅方向)をいう。 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 方法 

6.1 

厚さ 厚さの試験は,次のとおり行う。 

a) 厚さ測定器 厚さ測定器は,厚さを0.01mmまで測定できるもので,二つの円形水平板(上側円形水

平板をプレッサーフートといい,下側円形水平板をレファレンスプレートという。)をスタンドに取り

付けた構造のもので,二つの円形水平板は,次のとおりとする。 

1) プレッサーフートは,上側円形水平板の水平面に対して垂直に動かすことができ,面積が約2500mm2

であること。 

2) レファレンスプレートは,プレッサーフートより50mm以上大きい直径で,表面が平滑なものであ

ること。 

b) 手順 手順は,次のとおり行う。 

1) 試料から2 500mm2以上の大きさの試験片を,10枚採取する。 

2) 厚さ測定器の上側円形水平板に0.5kPaの圧力をかけ,0点を調整する。 

3) 厚さ測定器を用いて,標準状態で試験片に0.5kPaの圧力を10秒間かけて,厚さを0.01mmまで測

定する。 

4) 試験片10枚の平均値を求め,JIS Z 8401によって有効数字2けたに丸める。ただし,有効数字2け

たが小数点以下2けたを超えるときは,小数点以下2けたに丸める。 

6.2 

単位面積当たりの質量 単位面積当たりの質量の試験は,次のとおり行う。 

a) 器具 器具は,次のとおりとする。 

1) 試験片作製器具 次のいずれかの器具を用いる。 

1.1) 

打抜き型 試験片を50 000mm2以上の面積に切断できるもの。 

1.2) 

テンプレートとかみそり刃 テンプレートは,型の部分が50 000mm2以上の面積(例えば,250×

200mm)をもつもの。 

1.3) 

鋼製定規とかみそり刃 鋼製定規は,最小目盛が1mmのもの。 

2) はかり 試験片の質量を0.1%の精度で測定できるもの。 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試料から50 000mm2以上の大きさの試験片を,打抜き型又はテンプレートとかみそり刃を用いて3

枚以上採取する。ただし,試料から必要な大きさの試験片が採取できないときは,可能な大きさの

長方形に切断し,鋼製定規で寸法を測定して面積を求める。 

2) 標準状態における試験片の質量を測定する。 

3) 単位面積当たりの質量を次の式によって算出し,平均値を求め,JIS Z 8401によって有効数字3け

たに丸める。 

S

m

ms=

ここに, 

ms: 単位面積当たりの質量 (g/m2) 

m: 試験片の質量の平均値 (g) 

S: 試験片の面積 (m2) 

6.3 

水分率 水分率の試験方法は,JIS L 1096の6.9(水分率)による。 

6.4 

引張強さ及び伸び率 

6.4.1 

標準時 標準時の引張強さ及び伸び率の試験は,次のとおり行う。 

a) 装置 荷重とつかみ間隔を自動記録できる装置の付いた定速伸長形引張試験機で,JIS B 7721に規定

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

する精度があるもの。 

備考 定速伸長形引張試験機は,当分の間,引張強さが従来単位によって表示されたものを使用して

もよい。 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試料から幅が50±0.5mmで,つかみ間隔を200mmにできる長さ(例えば,300mm)(1)の試験片を,

試料の耳から100mm以上離れた位置で,かつ,均等に離れた位置から,たて方向及びよこ方向に

それぞれ5枚採取する。 

注(1) 受渡当事者間の協定によって,幅50mm以下,つかみ間隔を200mm以下にしてもよい。この場

合,記録にその旨を記載する。 

2) 試験片を初荷重(2)で引張試験機につかみ間隔200±1mmで取り付ける。 

注(2) 初荷重は,試験片を手でたるみが生じない程度に引っ張った状態とする。 

3) 100±10mm/min(3)の引張速度で,試験片が切断するまで荷重を加える。 

注(3) 受渡当事者間の協定によって100mm/min以外の引張速度にしてもよい。この場合,記録にその

旨を記載する。 

4) 試験片の最大荷重時の強さを0.1Nまで測定するとともに,最大荷重時の伸びを1mmまで測定し,

この伸びから伸び率を求める。 

備考 引張強さが従来単位で表示された引張試験機を用いた場合,引張強さは,1kgf=9.806 65Nで

SI単位に換算し,JIS Z 8401によって小数点以下一けたに丸める。 

5) 引張強さ及び伸び率の平均値を,たて方向及びよこ方向のそれぞれについて求め,引張強さはJIS Z 

8401によって小数点以下一けたに丸め,伸び率は0.5%の単位に丸める。 

6.4.2 

湿潤時 湿潤時の引張強さ及び伸び率の試験は,次のとおり行う。 

a) 装置 6.4.1のa)と同じ。 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試験片を6.4.1のb)の1)に従って採取する。 

2) 試験片を水 (20±2℃)中にそれが自重で沈下するまで放置するか,又は1時間以上水中に沈めてお

く。ぬれにくい不織布の場合には,水(4)1l当たり1gの非イオン界面活性剤を含む溶液に1時間以上

浸せきする。この場合,試験前に十分水洗しなければならない。 

注(4) JIS K 0557に規定する水を用いる。 

3) 浸せき液から取り出したら,速やかに6.4.1のb)の2)〜5)に従って引張強さ及び伸び率を求める。 

6.5 

引裂強さ 

6.5.1 

試験の種類 引裂強さの試験は,次の3方法とし,これらの中から適切な方法を選び,用いた方法

を記録に付記する。 

a) トラペゾイド法 

b) シングルタング法 

c) ペンジュラム法 

備考1. 引裂強さにおいて,“たて方向の引裂強さ”は不織布のたて方向に引き裂く場合をいい,“よ

こ方向の引裂強さ”は不織布のよこ方向に引き裂く場合をいう。 

2. 長さ方向に引き裂かれない場合など,引き裂かれた状態が異常な場合は,その旨を記録に付

記する。 

3. 引張試験機は,当分の間,引裂強さが従来単位によって表示されたものを使用してもよい。

background image

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この場合,引裂強さは,1kgf=9.806 65NでSI単位に換算し,JIS Z 8401によって小数点以

下一けたに丸める。 

参考 トラペゾイド法は方向性のある不織布に適し,シングルタング法は方向性のない不織布の試験

に適し,ペンジュラム法は簡易法で,試験に要する時間が短いという特徴がある。 

6.5.2 

トラペゾイド法 トラペゾイド法は,以下の装置を用い,手順どおりに行う。 

a) 装置 この試験に使用する装置は,以下のとおりとする。 

1) 引張試験機 荷重とつかみ間隔を自動記録できる装置の付いた定速伸長形引張試験機又は定速緊張

形引張試験機で,JIS B 7721に規定する精度があるもの。 

2) テンプレート 図1に示すもの。 

図1 テンプレート 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試料からテンプレートを用い,50×230mmの試験片(5)を,たて方向及びよこ方向にそれぞれ5枚採

取し,試験片上に図1に示す位置に等脚台形の印を付け,この印の短辺の中央に,短辺と直角に10mm

の切れ目を入れる。 

注(5) 試験片は,受渡当事者間の協定によって,この規定以外の寸法でもよい。この場合,記録にそ

の旨を記載する。 

2) 試験片の全幅を十分つかめるつかみ具をもつ引張試験機を用い,試験片のつかみ間隔を100±1mm

として,台形の短片は張り,長片は緩めて印に沿ってつかみ具に取り付ける。 

3) 引き裂くときに示す最大荷重が引張試験機の最大目盛の10〜90%の範囲に入るように,引張試験機

の最大目盛を選択する。 

4) 引張速度は100±10mm/minとし,引き裂くときに示す最大荷重を0.1Nまで測定し,これを引裂強

さとし,たて方向の引裂強さ及びよこ方向の引裂強さの平均値をそれぞれ求め,JIS Z 8401によっ

て小数点以下一けたに丸める。 

6.5.3 

シングルタング法 シングルタング法は,JIS L 1906の4.4(引裂強さ)の(2)(シングルタング法)

による。ただし,試験片は,JIS L 1906の4.4の(2)によって調整した試料から,たて方向及びよこ方向に

それぞれ5枚採取する。 

6.5.4 

ペンジュラム法 ペンジュラム法は,JIS L 1906の4.4の(3)(ペンジュラム法)による。ただし,

試験片は,JIS L 1906の4.4の(3)によって調整した試料から,たて方向及びよこ方向にそれぞれ5枚採取

する。 

6.6 

破裂強さ 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.6.1 

試験の種類 破裂強さの試験は次の2方法とし,これらの中から適切な方法を選び,用いた方法を

記録に付記する。 

a) ミューレン形法 

b) 定速伸張形法 

参考 ミューレン形法は,一般に広く採用されている方法で,定速伸張形法は,ミューレン形法によ

って試験できない厚地の試料に用いる方法である。 

6.6.2 

ミューレン形法 JIS L 1096の6.16.1[A法(ミューレン形法)]による。この場合,試料及び試験

機の検定は,次のとおりとする。 

a) 試験片は,3枚採取する。 

b) 試験機の検定は,標準アルミニウムを用いて補正を行う。標準アルミニウムは,JIS H 4170に規定す

るはくの標準寸法が0.1mmのもので,かつ,破裂強さが1MPa以上で破裂強さ既知のもの。 

備考 圧力を確認する計器は,当分の間,圧力が従来単位によって表示されたものを使用してもよい。

この場合,圧力は,1kgf/cm2=98.066 5kPaの換算率でSI単位に換算し,JIS Z 8401によって小

数点以下1けたに丸める。さらに,試験機の検定には,破裂強さが10.20kgf/cm2以上で破裂強

さ既知のものを用いる。 

6.6.3 

定速伸長形法 JIS L 1096の6.16.2[B法(定速伸長形法)]による。この場合,試験片は,3枚採

取する。 

備考 定速伸長形試験機は,当分の間,破裂強さが従来単位によって表示されたものを使用してもよ

い。この場合,破裂強さは,1kgf=9.806 65Nの換算率でSI単位に換算し,JIS Z 8401によっ

て小数点以下1けたに丸める。 

6.7 

摩耗強さ 

6.7.1 

試験の種類 摩耗強さの試験は,摩耗による試料の減量,外観変化及び擦切れまでの回数を測定す

る方法を採用し,2方法の中から適切な方法を選び,用いた方法を記録に付記する。 

a) テーバ形法 

b) ユニバーサル形法 

参考 テーバ形法は,不織布の表面が硬くても柔らかくてもよく,一般に広く採用されている方法で

あり,摩耗による減量及び外観変化による方法があり,ユニバーサル形法は,不織布の表面が

比較的硬い試料に適し,毛羽の発生が多い試料には適さない。試料の摩耗による擦切れまでの

回数による方法である。 

6.7.2 

テーバ形法 JIS L 1096の6.17.3[C法(テーバ形法)]による。判定は摩耗後の減量又は外観変化

を見る方法とする。試験片,摩耗輪,摩耗回数及び判定は,次のとおりとする。 

a) 試験片 3枚採取する。 

b) 摩耗輪 No. CS-10を用いる。 

c) 摩耗回数 100回 

d) 判定 次の方法で判定を行い,使用した方法を記録に付記する。 

1) 摩耗後の減量を調べる方法。摩耗した後の減量 (g) を量り,3回の平均値で表す(小数点以下一け

たまで)。 

2) 摩耗による外観変化を見る方法。付図1の限度写真と比較して等級付けを行って,その平均値を0.5

級単位に丸めて表す。 

備考 外観変化の等級は,試験後の試験片と付図1の各級の写真と比較し,限度以内にある最高等級

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

で表す。ただし,2級の限度見本を超えて外観変化を生じた試験片の判定は,1級とする。 

6.7.3 

ユニバーサル形法 JIS L 1096の6.17.1[A法(ユニバーサル形法)]の(1)[A-1法(平面法)]に

よる。この場合,試験片は3枚採取する。 

備考 押圧荷重及び空気圧を確認する計器は,当分の間,押圧荷重又は空気圧が従来単位によって表

示されたものを使用してもよい。この場合,押圧荷重は0.454kgf=4.45Nとし,空気圧は,1kgf/cm2

=98.066 5kPaの換算率でSI単位に換算し,JIS Z 8401によって小数点以下一けたに丸める(記

録に付記する単位及び数値は,SI単位及び数値とする。)。 

6.8 

剛軟度 

6.8.1 

試験の種類 剛軟度の試験は,次の2方法とし,これらの中から適切な方法を選び,用いた方法を

記録に付記する。 

a) 41.5°カンチレバー法 

b) ハンドルオメータ法 

備考 41.5°カンチレバー法は,一般的であり,やや厚く硬い不織布に適し,ハンドルオメータ法は,

薄くて柔らかい不織布に適している。 

6.8.2 

41.5°カンチレバー法 

a) 41.5°カンチレバー試験機 41.5°カンチレバー試験機は,図2に示す構造で,次のとおりとする。 

1) プラットホームは,幅40±2mm,水平台からの高さ150mm以上とする。 

2) プラットホームの両側にあるプラットホーム支えは,プラットホームの端の位置から水平面に対し

て41.5°の角度で直線の印 (L1,L2) があること。 

3) プラットホーム又はガイドの前面の端から10±1mmの位置に,マークDがあること。 

4) 試験片の粘着を避けるために,プラットホームの表面は,ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) の

ような滑りやすい材料でコーティング又は被覆されていること。 

5) 鋼製定規は,幅25±1mm,長さ350±1mm,厚さ3.5mm,質量250±10gのもので,目盛がmm単

位で正確に付けられ,滑らないように下側にゴムがついているもの。 

background image

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 41.5°カンチレバー試験機 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試料から (250±1) × (250±1) mmの試験片を,たて方向及びよこ方向からそれぞれ6枚採取する

(6)(7)。 

なお,試験片は,試料の端から50mm以上離れた位置から採取すること。また,試験片は,たて

方向に45。の角度で採取してもよい。 

注(6) カールしたり,ねじれたりしやすい試料は,試験片を採取する前に調整を行う。また,試験片

がカールしたりねじれている場合には,数時間軽く押さえて,試験を行うのに支障がないよう

に十分平坦にしなければならない。 

(7) 生産管理を目的とした試験の場合,試験片の採取枚数は,たて方向及びよこ方向からそれぞれ

3枚でもよい。 

2) 標準状態における試験片の質量を測定し,6.2のb)の3)によって単位面積当たりの質量を算出する。 

3) 41.5°カンチレバー形試験機を水平に置き,試験片の一端をプラットホームの前端に合わせて置き,

鋼製定規の0点をマークDに合わせた状態で,鋼製定規を試験片の上に載せる。 

備考 41.5°カンチレバー形試験機は,鋼製定規の目盛を見やすくするために,鋼製定規の0点が測

定者の目の前にくるようにする。 

4) 適当な方法によって,鋼製定規と試験片を一緒に斜面の方向に緩やかに一定速度(8)で押し出す。 

注(8) モータによって一定速度にできる装置を使用してもよい。 

参考 この操作によって,試験片は,自重によって曲がり落ちてくる。 

5) 試験片がL1とL2を通る面に接触する(9)まで鋼製定規を移動し,8±2秒間放置した後,試験片の突

き出た長さを1mmまで鋼製定規から読み取る。 

注(9) 試験機の片側に鏡を置き,この鏡でL1とL2を通る面に試験片の端が接触したかどうかを確認す

background image

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。 

6) 裏面についても3)〜5)の操作を繰り返し,試験片の突き出た長さを測定する。 

7) 突き出た長さの半分の長さを曲げ長さとし,4個の測定値の平均値を算出する。さらに,たて方向

及びよこ方向それぞれ6枚の試験片の曲げ長さの平均値を求め,JIS Z 8401によって整数に丸める。 

c) 計数 次の式によって,たて方向及びよこ方向それぞれの曲げの硬さを計算する。 

G=m×C3×10−3 

ここに, G: 曲げ硬さ (mN・cm) 
 

m: 試験片の単位面積当たりの質量 (g/m2) 

C: 全平均の曲げ長さ (cm) 

備考 この式において,9.81m/s2の加速度は,10m/s2に丸める。 

6.8.3 

ハンドルオメータ法 ハンドルオメータ法は,JIS L 1096の6.19.5[E法(ハンドルオメータ法)]

による。この場合,試料の幅当たり3枚採取する。 

6.9 

縫目強さ 縫目強さの試験方法は,JIS L 1093の6.1(グラブ法)による。 

6.10 滑脱抵抗力 滑脱抵抗力の試験は,JIS L 1096の6.21(滑脱抵抗力)の縫目滑脱法(B法)による。 

6.11 脂肪分 脂肪分の試験方法は,JIS L 1096の6.35(油脂分)のB法(エーテル抽出法)による。 

6.12 吸水性 

6.12.1 試験の種類 吸水性の試験方法には,吸水時間,吸水量及び吸水速度の3方法とし,これらの中か

ら適切な方法を選び,用いた方法を記録に付記する。 

a) 吸水時間 

b) 吸水量 

c) 吸水速度 

6.12.2 吸水時間 この試験は,試料が完全に水(10)中でぬれるまでの時間を計るものとする。試験片は幅

76±1mmで,重さ5±0.1gになるように,たて方向の長さを決める。この試験片を,図3に示す開口部の

ある試験かご(11)の中に緩く巻いて入れ,この試験かごを横にして,室温の水槽に水面上25±1mmの高さ

から静かに落とし,試験片が完全にぬれるまでの時間を計る。この試験を5回繰り返し,その時間及び平

均値を記録する。 

注(10) 水温はJIS K 0050-1991によって,標準温度20±2℃と規定し,それ以外は付記する。 

(11) 試験かごは,高さ80±1mm,直径50±1mm,重さ3±0.1gのかごで,例えば経線0.5mmのステ

ンレスワイヤで作り,底辺の一方だけ閉じた構造とする。メッシュの大きさは,約20mm角と

し,全体にバランスが取れているものとする。 

図3 試験かご 

background image

10 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.12.3 吸水量 この試験は,試料が一定時間水中に浸せきした後の吸水量を量るものとする。試験片 (100

±1) × (100±1) mmを5個採取し,1個の試験片の重さが1g未満の場合には,1gになるまで試験片を重

ねる。この試験片を0.01gの精度をもつカバー付きのひょう(秤)量ガラスで重さを量る。この試験片を,

ステンレス金網(12)に縁をクリップで止め,室温の水槽に水面下20mmに斜めに入れて気泡の出ないように

する。60±1秒後に試験片と金網を取り出し,一端のクリップを残して他のクリップを外し,垂直に120

±3秒間つるし,水分を切った後金網から試験片を外し,ひょう量ガラスに入れて重さを量る。これを5

回繰り返す。 

吸水能力WA (%) は,下記の式で算出し,測定値及び吸水量を記録する。 

100

×

=

K

K

N

A

M

M

M

W

ここに, WA: 吸水能力 (%) 
 

Mk: 5回の最初の重さの平均値 (g) 

MN: 試験後の重さの平均値 (g) 

注(12) 金網は少なくとも120×120mmのステンレスワイヤの金網で作られ,2mmの間隔をもつ網とす

る。 

6.12.4 吸水速度 毛細現象による試料の吸水速度を測定するもので,両方向から試験を行う。 

試験片幅30±1mm,長さ250±1mmで,たて方向及びよこ方向それぞれ5枚を採取する。図4に示すよ

うに,試験片の一方の端末から,5±1mm内側で,約5±1mmの孔を2個あける。この孔のあいた側を下

にして,図5に示す測定器の水平レバーに垂直に取り付け,試験片を垂直にするために2個の孔にガラス

棒(直径約4〜5mm×長さ30mm)を差し込む。試験片と目盛の付いたスケールを平行にして,試験片の

下面がスケールの下端から15±1mm下になるように取り付ける。スケールの下端が,ちょうど水面に着

くまで試験片を下げる(試験片の下端は,水面下15±1mmになる。)。 

この時点から,10秒,30秒,60秒,場合によって300秒後の毛細現象による水の吸上げ高さ (mm) を

測る。試験片1個に対して両側から試験を行い,たて方向及びよこ方向それぞれ10回測る。 

図4 試験片 

図5 測定器(例) 

6.13 通気性 通気性の試験は,フラジール形法とガーレ形法の2方法があり,これらの中から適切な方

法を選び用いた方法を記録に付記する。 

11 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) フラジール形法 JIS L 1906の4.8(通気性)の(1)(フラジール形法)による。 

b) ガーレ形法 JIS L 1906の4.8の(2)(ガーレ形法)による。 

6.14 帯電性 帯電性の試験は,次の2方法とし,これらの中から適切な方法を選び,用いた方法を記録

に付記する。ただし,試験条件としては,温度20±2℃,相対湿度 (65±2) %の試験室で行う。 

a) 摩擦帯電圧測定法 JIS L 1094の5.2[B法(摩擦帯電圧測定法)]による。 

b) 半減期測定法 JIS L 1094の5.1[A法(半減期測定法)]による。 

6.15 pH pHの試験は,JIS L 1096の6.40(抽出液のpH)による。 

6.16 光学的性質 光学的性質の試験は,不織布で裏当てした不織布の不透明度試験方法による。不織布

で裏当てされた不織布の不透明度は,黒色筒で裏当てされた1枚の不織布の視感立体角反射率 (R0) と,

反射率が変化しないように十分に重ねた同じ不織布束の上に置いたその不織布の固有視感立体角反射率 

(R∞) との比率 (%) で表す。 

a) 装置及び薬品類 装置及び薬品類は,次のとおりとする。 

1) 測光器 測光器は,JIS P 8148-1993の3.1(測光器)で規定している測光器と同等とする。 

2) 常用標準白色面 常用標準白色面は,JIS Z 8722の4.3.4(常用標準白色面)に規定するものを用い

る。 

3) 管理用標準白色面 管理用標準白色面は,2)常用標準白色面と同じ物を用いる。 

4) 標準白色面 標準白色面は,JIS Z 8722の4.3.6(標準白色面)に規定するものを用いる。 

備考1. 標準白色面は,常用標準白色面及び管理用標準白色面の目盛を定めるのに用いる。 

2. ISO 2469 : 1977に規定するISO参考標準白色面レベル2は,標準白色面として使用できる。 

3. ISO 2469 : 1977に規定するISO参考標準白色面レベル3は,標準白色面として使用してもよ

い。 

5) 黒色筒 黒色筒は,視感反射率0.5%以下の黒色筒又は黒色箱で,反射率が既知のものを用いる。 

6) 洗剤 洗剤は,蛍光増白剤を含まない無色の界面活性剤を蒸留水で薄めたものを用いる。 

7) ブラシ ブラシは,柔らかい合成繊維の毛をもつものを用いる。 

8) デシケーター デシケーターは,JIS R 3503に規定するものを用いる。この場合,乾燥剤には活性

アルミナ又はシリカゲルを用いる。 

9) ろ紙 ろ紙は,JIS P 3801に規定する4種のものを用いる。 

b) 試験片 試験片は,汚れ,しみ,しわ,不純物など測定に邪魔になる箇所を除き,75×150mmの試験

片を少なくとも10枚以上採取し,試験片の視感立体角反射率が裏当てにする同一の試験束で,変化の

認められないだけの枚数を用意する。裏当てにする試験片は,測定する試験片と同じ面を上にして重

ね,試験片の表と裏を別々に測定できるようにする。試験片の上下に保護シートを当て,光,熱から

保護する。 

試験片を標準状態におく。 

c) 手順 次のとおり行う。 

1) 常用標準白色面及び管理用標準白色面の管理 これらの標準白色面は,次の方法で管理する。 

1.1) 

常用標準白色面及び管理用標準白色面を蒸留水ですすいだ後,洗剤をかけてブラシで洗う。蒸留水

で十分にすすいだ後,水滴をろ紙で吸い取り,デシケーター内で乾燥する。 

1.2) 

洗浄した常用標準白色面及び管理用標準白色面の白色度又は分光立体角反射率を,定期的に標準白

色面で測光器の目盛合せを行った後で測定し,測定値と目盛定め値の間に差がないことを確認する。 

1.3) 

常用標準白色面の白色度又は分光立体角反射率を1日に1回,管理用標準白色面で測光器の目盛合

12 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

せを行った後に測定し,測定値と目盛定め値の間に差がないことを確認する。 

1.4) 

測定値と目盛定め値の間に差がある場合は,常用標準白色面及び管理用標準白色面を洗浄した後で,

標準白色面で測光器の目盛合せを行った後に,常用標準白色面及び管理用標準白色面を測定する。

それでも差がある場合は,目盛定め値を測定値に変更する。 

1.5) 

標準白色面は,定期的に新しいものに交換する。 

2) 手順 次のとおり行う。 

2.1) 

黒色筒及び常用標準白色面を用いて,測光器の目盛合せを行う。 

2.2) 

試験片束の上下にある保護シートを除き,5枚の試験片の表面をそれぞれ同じ試験片束を裏当てに

して,固有視感立体角反射率 (R∞) を小数点以下一けたまで測定する。 

なお,試験片は裏当てにする試験片束の一部として使うこともできる。 

2.3) 

測定した5枚の試験片について,1枚ずつ測定位置に黒色筒を裏当てにして視感立体角反射率 (R0) 

を測定する。 

2.4) 

同一試験片を用いて,同じ要領で裏面を測定する。 

d) 計算 試験片の表,裏それぞれについて固有視感立体角反射率 (R∞) 及び視感立体角反射率 (R0) の平

均値を計算し,JIS Z 8401によって,小数点以下二けたに丸める。 

不織布の不透明度 (%) を次の式で求め,JIS Z 8401によって,小数点以下一けたに丸める。 

100

(%)

=

R

R

不透明度

ここに, 

0

R: 視感立体角反射率 (R0) の平均値 

R: 固有視感立体角反射率 (R∞) の平均値 

6.17 燃焼性 燃焼性の試験は,JIS L 1091の6.3[C法(燃焼速度試験)]による。 

6.18 はっ水度 はっ水度の試験は,JIS L 1092の5.2[はっ水度試験(スプレー試験)]による。 

6.19 耐水度 耐水度の試験は,JIS L 1092の5.1(耐水度試験)A法(低水圧)の(a)(静水圧法)による。 

6.20 透湿度 透湿度の試験は,JIS L 1099の4.1.1[塩化カルシウム法(A-1法)]による。 

6.21 耐食塩水性 耐食塩水性の試験は,食塩水の透過度によって不織布のバリアー材としての性能を評

価する試験とする。 

a) 試験装置 試験装置は,図6に示す構造で,次のとおりとする。 

1) メーソンジャー 図6.1に示すように,例えばガラス製で内容積1 125cm3で,片方に直径63.5cmの

開口部とし,ふたとパッキングで固定されていて,反対側に制止弁があるもの。 

2) 透明なガラス板又はプラスチック板 1枚 幅80cm,長さ80cm以上 

3) リング状スタンド 

4) 鏡 

5) 食塩水 0.9%(全溶液に対して塩分の重量比)の食塩水で20±2℃の温度のもの。 

6) ゴム製パッキング メーソンジャーによるが,上記の場合,外径67mm,内径56mm。 

7) ポリテトラフルオロエチレン製パッキング メーソンジャーによるが,上記の場合,外径68mm,

内径56mm。 

8) ストップウォッチ 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試料を直径65mmで5枚採取する。 

2) メーソンジャーの制止弁を閉じて約510mlの食塩水を入れる。メーソンジャーを反転したとき,水

background image

13 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

位115mmになるように食塩水の量を事前に調べておく。 

3) 試料をゴム製パッキングとポリテトラフルオロエチレン製パッキングの間に挟んで,ふたをしっか

り閉める。 

4) ふたにガラス板又はプラスチック板を重ねる。 

5) メーソンジャーと板を接触したまま,メーソンジャーを逆転してリング状スタンドに載せる。この

場合,メーソンジャーがリング状スタンドの中心にくるように置く。 

食塩水が115mmの高さになるように液量を調節する。ストップウォッチで時間を計る。 

6) 制止弁を開ける。 

7) 板と試料の間で水滴の凝固が見られる場合は,漏れとみなさない。 

8) 食塩水が検体を透過する時間をスタンドの下部に設置した鏡を使用して観察し,漏れ出す時間をス

トップウォッチで計る。60分間経過しても漏れが見られない場合は,漏れなしとする。 

図6 耐食塩水性試験 

図6.1 メーソンジャー 

6.22 はつ(撥)アルコール性 はつアルコール性の試験は,不織布がアルコール及びアルコール水溶液

によってぬれたり,貫通時の抵抗値を測るものとする。 

a) 装置 装置は,図7に示す構造で,次のとおりとする。 

1) 透明ガラス又はプラスチック板 

2) 鏡 

3) 試験中に試料を照らすランプ 

4) 図7に示す装置 

background image

14 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図7 はつアルコール性試験装置 

b) 試薬及び材料 試薬及び材料は,次のとおりとする。 

1) 試薬用メタノール,エタノール又はイソプロパノール 

2) 蒸留水 

3) 表1による溶液の準備 

表1 試験溶液 

はつアルコール度 

重量比によるアルコールと水との割合 (%) 

アルコール 

水 (H2O)  

 0 

  0 

100 

 1 

 10 

 90 

 2 

 20 

 80 

 3 

 30 

 70 

 4 

 40 

 60 

 5 

 50 

 50 

 6 

 60 

 40 

 7 

 70 

 30 

 8 

 80 

 20 

 9 

 90 

 10 

10 

100 

  0 

備考 アルコールやアルコール水溶液は有毒性で,濃度によっ

ては燃えやすい。メタノールは特に毒性で,エタノール
又はイソプロパノールが使用できないときにだけ使用
する。 

これらの使用時には,安全めがねや保護手袋を使用し

なければならない。 

試験には,火気が厳禁である。 

c) 手順 次のとおり行う。 

試料から,20×20cmの試験片を5枚採取する。 

試験片を,図7に示されているように,平滑で水平に置かれた透明ガラス又はプラスチック板の上

に置く。試験片の上から,ピペットから約直径5mm又は0.05cm3相当の液滴を3か所以上に滴下し,

5分後に試験片を貫通したかを観察する。 

試験液は,表1のはつアルコール度0から始める。貫通していない場合は,更にはつアルコール度

15 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1で試験を行う。以下,貫通するまで試験を行う。 

d) 結果 試験液を滴下して,5分後に試験片を貫通しなかったときの表1のはつアルコール度の最も高

い数字をそのときのはつアルコール度とし,平均のはつアルコール度と個々のはつアルコール度を報

告する。 

6.23 汗に対する染色堅ろう度 汗に対する染色堅ろう度の試験は,JIS L 0848による。 

6.24 摩擦に対する染色堅ろう度 摩擦に対する染色堅ろう度の試験は,JIS L 0849による。ただし,摩

擦試験機II形使用のものとする。 

6.25 蛍光 蛍光の試験は,視覚による白度を高めたり,製造上の欠陥を補う目的で蛍光増白剤を使用し

たり,機械油,頭髪油などによる汚染をその蛍光によって試験するものとする。 

a) 試験装置 試験装置は,次のとおりとする。 

1) 紫外線ランプ 長波長 (3.65〜3.66μm) のもの。 

2) 暗室又は暗箱 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) 試料 (20×20cm) を5枚採取する。 

2) 暗室の中で紫外線ランプと試料の間隔を約20cmに保って,試料の照射面の著しい蛍光(13)の有無を

調べる。やむを得ず暗箱を用いる場合には,遮光に注意するとともに眼の保護に心掛ける。 

注(13) “著しい蛍光”とは,試料に紫外線を照射しながら試料の上層から順次はがしながら標準品(14)

に比較して強い蛍光を発するものをいう。 

(14) 標準品とは,ビストリアニルアミノスチルベンジスルホン酸誘導体(15)(カラーインデックス,

C. I. フルオロセントブライトナー24)7mgを採取し水500mlに溶かし,その溶液を5ml分採取

し,0.1gの塩化ナトリウムを加え,水で薄めて50mlとし,この溶液中にろ紙(16) (JIS P 3801) 8

×15cmを時々反転しながら1時間浸した後,取り出し,ろ紙上で風乾する。 

(15) ビストリアニルアミノスチルベンジンスルホン酸誘導体は,例えば,化成品工業協会製蛍光増

白剤標品をいう。 

(16) ろ紙は,JIS P 3801に規定したものであれば,種類を問わない。市販では,例えば,東洋ろ紙

No.51をいう。 

参考1. 原料中に存在し本質的に蛍光を発する混在物が,製造過程で除去されずに残存し,そのため

紫外線下で小斑点,小粒状をなして発光することがある。 

2. 綿状パルプは,材料自体がもつかすかな白光を発することがあり,蛍光と見誤ることがある。 

3. 防水加工に必要な薬剤などから,わずかに蛍光を発することがある。 

4. 参考1.〜3.は,いずれもこの試験で追及する蛍光増白剤の蛍光でもなければ汚染による蛍光

でもない。 

6.26 蒸発残留物 蒸発残留物の試験は,不織布に含まれる残留物を溶出物試験によって算出する方法と

する。 

a) 試験液の調整 試料を約1cm2の大きさに裁断した後,その5.0gを1 000mlのフラスコに正確に量り

入れ,水500mlを加え,還流冷却器をつけて30分間緩やかに煮沸し,その抽出液を冷却後,ガラス

ろ過器を用いてろ過し,この液を試験液とする。別に,水についても同様な方法で空試験液を調整す

る。 

b) 手順 次のとおり行う。 

試験液200mlを採取し,蒸発濃縮し,はかり瓶に入れ,105℃で恒量になるまで乾燥し,残留物を

16 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

量る。同様の方法で,空試験液についても行い,3回の平均値の差 (mg) を蒸発残留物とし,JIS Z 8401

によって小数点以下一けたに丸める。 

background image

17 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 テーバ形法の外観変化判定用限度写真 

background image

18 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

19 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) 衝撃耐水性・細菌ろ過効率・細菌バリアー性(乾式法) 

及び細菌バリアー性(湿式法)の試験方法 

この附属書(参考)は,本体で規定する以外の不織布の試験方法を参考として補足するものであり,規定

の一部ではない。 

1. 衝撃耐水性 衝撃耐水性の試験は,本体6.18(はっ水度)及び本体6.19(耐水度)では水の貫通しに

くい場合でも,衝撃耐水性で一定量の水を短時間落下させて試験する場合に貫通することもあるので,

AATCC Method 42-1994で規定されている方法で,下図試験台の45°傾斜した面に試料とろ紙を重ねてお

き,60.96cmの高さから蒸留水を落下させ,試料を通して,ろ紙に吸い取られた水の量を量る。 

a) 装置 装置は,以下のとおりとする。 

1) 試験台 附属書図1のように,45°に傾斜した面をもち,上部に漏斗及びノズルを支える支柱を立

てている。 

2) 漏斗及びノズル 附属書図2のように,直径152.4mmの漏斗と直径55.7mmに1mm孔25個のノズ

ルがゴム管で連結されている。 

3) おもり 0.453 6kg,1個。 

4) 試験水 蒸留水 500ml。 

5) ろ紙 22.9×15.2cm。 

background image

20 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図1 衝撃耐水圧試験器の全体図 

附属書図2 ノズル部分の拡大図 

b) 試験片 試験片は,33×17.8cmとし,3枚採取する。 

c) 手順 次のとおり行う。 

ろ紙の質量を正確に測定し(0.1gまで測定),試験台の45°傾斜面にろ紙を,さらにその上に試験

片を,それぞれ長手方向をそろえて,上部は試験片とろ紙とを傾斜面にしっかりと取り付け,反対側

は0.453 6kgのおもりで引っ張る。 

蒸留水(1)500ml(水温27±1℃)を漏斗に入れて,その孔から落下させる。 

終了後,ろ紙の質量を測定し(0.1gまで),その増加分(水分)を計算し,3回の平均値で5gを超

えれば単に5+と記録する。 

注(1) 蒸留水の代わりに,着色した生理食塩水を使用してもよい。 

2. 細菌ろ過効率 細菌ろ過効率の試験は,空気中の細菌が不織布を通してろ過される程度を試験する方

法で,医療用マスク(ひだ付きマスク,パウチ形マスク)に適用する。 

a) 試験装置 試験装置は,附属書図3に示す構造で,次のとおりとする。 

1) バクテリア懸濁液供給装置 

2) シカゴネブライザ 

3) フィルター 

4) エアロゾルチャンバー 

5) アンダーセンサンプラー(6段,微生物用) 

21 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) 流量計 

7) 吸引ポンプ 

8) コンプレッサー 

9) 圧力計 

10) コンデンサー 

11) シャーレ 

12) コロニー計数器 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)を使用し,アンダーセンサンプラーでバクテリアを捕集し

たとき,その総コロニー数が2 200±500個になるようにバクテリア懸濁液を作る。 

2) シャーレにトリプトソイ寒天培地を27ml流し込み,固化する。 

3) トリプトソイ寒天培地の入ったシャーレを附属書図4のアンダーセンサンプラー拡大図に示すよう

に,第1段〜第6段に各々セットする。 

4) 試料 (15×15cm) をアンダーセンサンプラーとエアロゾルチャンバーの間に挟みセットする。 

5) ネブライザの圧力を103.4kPaに調節する。 

6) 装置全体は,バクテリア懸濁液供給装置からネブライザに供給されたバクテリア懸濁液を,コンプ

レッサーの圧縮空気によってエアロゾル化すると同時に,吸引ポンプによって,エアロゾルチャン

バー,アンダーセンサンプラー内の空気流量を28.3l/minの割合で吸引する。 

7) 装置全体を作動したとき,バクテリア懸濁液のエアロゾルの平均粒子径が2.7〜3.3μmとなるよう調

整する。 

8) 1分間装置全体を作動させる。試料を挟まないコントロールも同様に操作する。 

9) コントロールは3試料ごとに1回行う。 

10) アンダーセンサンプラーから取り出したシャーレを37±2℃で48時間培養する。 

11) 培養後,第1段〜第2段のシャーレのコロニーはすべて計数する。第3段〜第6段のシャーレのコ

ロニーは,アンダーセンの換算表を用いてコロニー数を求める。 

12) 細菌捕集効率 (%) は,次の式で計算する。 

100

×

=

A

B

A

BFE

ここに, BFE: 細菌捕集効率 (%) 
 

A: コントロールの総コロニー数 

B: 試料をセットしたときの総コロニー数 

background image

22 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図3 細菌ろ過効率試験装置 

附属書図4 細菌ろ過試験装置のアンダーセンサンプラー内部拡大図 

3. 細菌バリアー性(乾式法) 細菌バリアー性(乾式法)の試験は,空気中で細菌を付けた微粒子が不

織布を貫通する程度を測る試験法である。 

a) 試験装置 試験装置は,附属書図5に示す構造で,次のとおりとする。 

1) 試験機 40×40cmで10mmの厚さの大理石板に下記ステンレス製の試験容器を取り付けることが

できて,バイブレーター(2)で振動できる構造になっている。 

注(2) バイブレーターは,Erkalaite OYフィンランドで入手できる。 

2) 試験容器 直径106.5mm,高さ60mmのステンレス製で,底部には90mmのシャーレが設置でき,

background image

23 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

シャーレの真上に試験布を取り付けて試験布の上に接するように直径27mm,長さ60mmのピスト

ンが設置されている。 

3) コンプレッサー 

4) シャーレ 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) Bacillus subtilisの懸濁液にタルク200g (95%<15μm) を混ぜて汚染タルク(3)を作る。 

注(3) 汚染タルクは,Medikontroll AB, Swedenで購入できる。 

2) 不織布を20×20cmに裁断して使用する。 

3) 上記試料とステンレス容器を滅菌する。 

4) シャーレにcolombia寒天培地を充てんする。 

5) ピストンを除き,ピストン孔から各々に0.5gの汚染タルクを入れる。ただし,6個のうちの1個に

は,コントロールとして汚染タルクは入れない。 

6) ステンレスの容器をシール材で密封する。 

7) バイブレーターを150l/minで30分間作動させる。 

8) 汚染タルクの入ったシャーレを35℃で24時間培養する。 

9) 10回のテスト結果を平均する。 

附属書図5 細菌バリアー性(乾式)試験器 

background image

24 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図6 細菌バリアー性(乾式)試験器の試験容器 

4. 細菌バリアー性(湿式法) 細菌バリアー性(湿式法)にはいろいろな方法があり,細菌を使用しな

い場合(人工血液など)と細菌を使用する場合に分けられる。一般に試料から貫通するか又はしないかの

判定で,定量的な判定はされない。 

4.1 

湿潤時の細菌透過性試験法 この方法はLaufmanらが提案したもので,試料をハンモック状につっ

て,そこに細菌を滴下し,荷重をかけて,試料が引っ張られた状態での細菌の透過性を測定する方法であ

る。 

a) 試験装置 試験装置は,附属書図7に示す構造で,次のとおりとする。 

1) 試験台 25×50cmの土台に6個の支柱が,附属書図7及び附属書図8に示すように立てられている。

支柱の高さは5cmである。 

附属書図7 Laufmanら提案の試験台 

附属書図8 試験時の断面図 

2) おもり 直径5cmで,200g,500g及び2kgの3個とし,高さで調節する。 

3) ピペット 

4) ストップウォッチ 

25 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5) ローダックプレート(φ5.5cm,24cm2の容器で寒天培地が凸面になっているもの。) 

b) 試料 25×60cmに裁断する。試験枚数は試験回数によるが,一つの試験条件で3回,試験条件が荷重 

(200g,500g,2kg),時間(5分,15分,30分)の各々3条件を行えば最大9回になる。 

c) 手順 次のとおり行う。 

試料を試験台の支柱にハンモック状にかけ,各支柱の先端には試料を固定しておくが,4個の支柱

の真中では試料が2.54cmの垂れ下がりを形成するように取り付ける。使用細菌はSerratia marcescens

の1ml当たり106個の菌懸濁液を作り,その0.5mlを試料の2か所の垂れ下がり部分にそれぞれピペ

ットで注ぐ。 

おもりは200g,500g及び2kgとし,試験時間も5分,15分,30分とし,それぞれ条件を変更して

試験を行う。ただし,試料の片側だけおもりを載せ,他の側におもりを載せない。 

試験終了後,直ちにローダックプレートを試料の透過裏面に当てて,貫通した細菌を培地に移し,

35℃で24時間培養する。 

細菌の透過の有無を判定する。 

4.2 

機械的な荷重下での湿潤時の細菌バリアー性試験 この方法は偏心カムを用いて試料から細菌が透

過するのを見る試験である。 

a) 試験装置 試験装置は,附属書図9に示す構造で,次のとおりとする。 

1) 検体を押さえるため250gのおもりのついた偏心カム 

2) 60回/min回転するタイマー付ターンテーブル 

3) 直径14cmのシャーレ 

b) 手順 次のとおり行う。 

1) ポリエチレンフィルムを20×20cm,測定すべき不織布を直径15cm,ポリエステル布を直径12.5cm

に裁断し,それぞれ1枚ずつ滅菌用パックに入れて滅菌する。 

2) シャーレにColumbia寒天培地を充てんする。 

3) シャーレの真上に検体とポリエステル布を重ねて覆せ,Enterococcus faecalisの懸濁液1mlを注ぎ,

さらにポリエチレンフィルムで完全に覆い輪ゴムで完封する。 

4) 検体と汚染されたポリエステル布へ,ポリテトラフルオロエチレン製のフィンガーを介し,0.1Nの

荷重をかけた状態で偏心カムは5.48回/minで,ターンテーブルは60回/minで10分間作動させ

る。 

5) テストは,コントロール1個を含め合計8回実施する。 

6) コントロールとの差,透過率を%で表す。 

7) 試験報告書には,汚染されたポリエステル布の付着生菌数を記載しなければならない。 

background image

26 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図9 細菌バリアー性試験器(湿式) 

4.3 

防護衣料の人工血液の透過性試験方法 この試験方法は試料を人工血液の透過の有無を調べる方法

で,ASTM F 1670-95で制定された。 

a) 試験装置 試験装置は,附属書図10に示す構造で,次のとおりとする。 

1) 試験台 附属書図11は,セルの組立図の詳細を示している。セル中に試料が挿入されている。 

background image

27 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図10 人工血液の透過性試験方法の試験装置全体図 

附属書図11 セルの組立図 

2) 厚み計 精度 0.02mm 

3) コンプレッサー 13.8±1.38kPa 

4) ストップウォッチ 

5) はかり 精度 0.001g 

6) 容器 1mlの精度で水を量れる容器 

b) 人工血液 人工血液は,次のとおり調合する。 

1) 純粋蒸留水  (1l,pH7.0±0.5) 蒸留水は,5分間煮沸し室温 (20±1℃) になるまで放置する。 

2) 増粘剤 5.0g 

赤色染料 10.0g,余分な油分を事前に取り除いておく。 

増粘剤を蒸留水に入れて,45分間混ぜる。赤色染料を加えて15分間混ぜる。表面張力が0.042±

0.002N/mになるように調整する。 

c) 試料 試料は75×75mmを3個とし,防護衣料の採取場所によって,縫製部分やフィルムとの複合製

品の場合には,セルから試験液が漏れやすいので,試験液の通過部分57mmは完全に密閉したりして

試験に支障がないようにする。 

d) 手順 次のとおり行う。 

A法 セル内に補助スクリーンを使用しない。 
B法 セル内に補助スクリーンを使用する。 

1) 各試料の厚みを0.02mmまで測定する。 

2) 各試料の単位面積当たりの質量を1g/m2まで測定する。 

3) 余分の試料片面に人工血液を滴下して,あらかじめ透過が見られるか調べる。 

4) 試料によってひずみを生じやすい場合には,補助スクリーンを使用する(B法)。 

伸びやすい又は伸縮しやすい材料の場合に補助スクリーンを使用する。 

5) セルを図示するように組み立てる。パッキングは,漏れ防止のためにポリテトラフルオロエチレン

28 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

製が望ましい。 

6) セルを13.6N・mの力で装置に取り付ける。 

7) ドレンバルブを閉じる。 

8) 60mlの人工血液をセルの上部から注ぐ。 

9) 5分間観察する。透過しないことを確認する。 

10) 圧縮空気ラインをセルに連結する。 

11) 13.8kPaになるまで,3.5kPa/secの速度で加圧する。 

12) 13.8±1.38kPaで1分間放置する。試料を通して人工血液が透過したかどうかを観察する。 

13) 加圧を止めてセルバルブを解放する。 

14) この時点で人工血液が透過しなければ,更に54分間そのまま試料を観察する。 

15) 54分後にドレンバルブを開ける。 

16) 人工血液が試料を透過した場合には,その時間を記録する。 

e) 記録 

1) 試料の厚みと試験後の厚み。 

2) 試料の単位面積当たりの質量と試験後の単位面積当たりの質量。 

3) 補助スクリーンの使用の有無。 

4) 人工血液の透過の有無。 

4.4 

防護衣料の,Phi-X174 bacteriophageを用いた透過性試験方法 この試験方法は,4.3の人工血液使

用による試験方法と試験装置は全く同じであり,セルも同一である。ASTM F 1671-95で制定されており,

通常前述の4.3の人工血液を用いた試験方法で透過が見られない場合にこの試験を実施する。 

人工血液の代わりに,Phi-X174 bacteriophage懸濁液を使用した場合,透過の有無は,試験後の試料の透

過面をブイヨン培地で洗い出し,大腸菌を含む寒天培地と混合すると,菌の透過部分にplaque(溶菌斑)

ができることから判断する。 

関連国際規格: 

ISO 2471 : 1977 Paper and board−Determination of opacity (paper backing)−Diffuse reflectance 

metbod 

ISO 9073-1 : 1989 Textiles−Test methods for nonwovens−Part 1 : Determination of mass per unit 

area 

ISO 9073-2 : 1995 Textiles−Test methods for nonwovens−Part 2 : Determination of thickness 

ISO 9073-3 : 1989 Textiles−Test methods for nonwovens−Part 3 : Determination of tensile strength 

and elongation 

ISO 9073-4 : 1989 Textiles−Test methods for nonwovens−Part 4 : Determination of tear resistance 

ISO/DIS 9073-6 Textiles−Test methods for nonwovens−Part 6 : Absorption 

ISO 9073-7 : 1995 Textiles−Test methods for nonwovens−Part 7 : Determination of bending length 

ISO 9092 : 1988 Textiles−Nonwovens−Definition 

29 

L 1912 : 1997  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

小 林 寛 伊 

関東逓信病院 

(委員) 

山 本 庸 幸 

通商産業省生活産業局 

関   成 孝 

通商産業省生活産業局 

矢 野 周 作 

厚生省薬務局 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

高 橋 孝 一 

通商産業省製品評価技術センター 

中 村 晃 忠 

国立衛生試験所 

大久保   憲 

NTT東海総合病院 

佐 藤 倭 敏 

財団法人日本化学繊維検査協会 

井 口 耕 一 

財団法人日本紡績検査協会 

金 子 紀 市 

イワツキ株式会社 

樺 田   守 

大衛株式会社 

湯 村 崇 男 

日本化学繊維協会 

小 林 啓 二 

三井石油化学工業株式会社 

小 西 康 夫 

川本産業株式会社 

浅 原 智 彦 

ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社 

本 下 洋 次 

株式会社ホギメディカル 

小 西 武 四 

株式会社クラレ 

大 郷 清 和 

旭化成工業株式会社 

山 本 修 二 

デュポン株式会社 

田 淵 正 大 

日本バイリーン株式会社 

矢井田   修 

日本不織布連合会,京都女子大学 

吉 村 輝 夫 

日本不織布連合会 

(事務局) 

西 川 文子良 

日本不織布振興会 

(文責 西 川 文子良)