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L 1084:2009  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験場所 ························································································································· 2 

5 試料の採取及び準備 ·········································································································· 2 

6 試験の種類 ······················································································································ 2 

7 数値の丸め方 ··················································································································· 2 

8 試験方法 ························································································································· 3 

8.1 幅 ······························································································································· 3 

8.2 長さ ···························································································································· 3 

8.3 質量 ···························································································································· 3 

8.4 厚さ ···························································································································· 3 

8.5 植毛強さ ······················································································································ 3 

8.6 引裂強さ ······················································································································ 5 

8.7 剛軟度 ························································································································· 5 

8.8 耐洗濯性 ······················································································································ 7 

8.9 耐寒性 ························································································································· 8 

8.10 染色堅ろう度 ··············································································································· 9 

8.11 寸法変化率 ·················································································································· 9 

8.12 通気性 ······················································································································· 10 

9 試験報告書 ····················································································································· 11 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人繊維評価

技術協議会(JTETC)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS L 1084:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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フロック加工生地試験方法 

Testing methods for flocked fabrics 

序文 

この規格は,1969年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に

行われたが,その後,引用規格の改正に伴う整合化,従来単位の併記の削除,用語の見直し等試験の実態

に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,織物,編物などの全面にフロック加工をした生地(以下,生地という。)の試験方法につい

て規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 1501 メタノール 

JIS K 1521 パークロロエチレン(テトラクロルエチレン) 

JIS K 2201 工業ガソリン 

JIS K 3302 固形洗濯石けん 

JIS K 3303 粉末洗濯石けん 

JIS K 3371 洗濯用合成洗剤 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0207 繊維用語(染色加工部門) 

JIS L 0208 繊維用語−試験部門 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS L 0841 日光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0843 キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0860 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 1096 一般織物試験方法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS R 6253 耐水研磨紙 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0105,JIS L 0207及びJIS L 0208による。 

試験場所 

試験場所は,JIS L 0105の5.1(試験場所)による。 

試料の採取及び準備 

試料の採取及び準備は,JIS L 0105の6.3(布状の試料及びその試験片)又は6.4[製品(縫製品)状の

試料の試験片]による。 

試験の種類 

試験の種類は,次による。 

a) 幅 

b) 長さ 

c) 質量 

d) 厚さ 

e) 植毛強さ 

1) A法(摩擦試験機法) 

2) B法(KI形摩擦試験機法) 

f) 

引裂強さ 

1) A法(ペンジュラム法) 

2) B法(シングルタング法) 

g) 剛軟度 

1) A法(45°カンチレバ法) 

2) B法(ハートループ法) 

3) C法(ドレープ法) 

h) 耐洗濯性 

1) 家庭洗濯法 

2) ドライクリーニング法 

i) 

耐寒性 

j) 

染色堅ろう度 

k) 寸法変化率 

1) A法(石けん液浸漬法) 

2) B法(低温ワッシャ法) 

l) 

通気性 

数値の丸め方 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験結果の数値の丸め方は,JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)による。ただし,個々の試験の種類に

規定されている場合を除く。 

試験方法 

8.1 

幅 

生地を平らな台の上に置き,不自然なしわ及び張力を除き,異なる5か所以上について両耳の不完全な

フロック加工部分を除いた全幅を置き尺で測り,その平均値 (cm) を整数位に丸める。 

8.2 

長さ 

生地を平らな台の上に置き,不自然なしわ及び張力を除き,置き尺又は検尺装置にかけて全長 (m) を小

数点以下1けたまで測る。 

8.3 

質量 

箇条5の試料から試験片3枚以上を採取し,それぞれ水分平衡の状態によって質量 (g) を量り,単位面

積当たりの質量 (g/m2) を求め,その平均値を整数位に丸める。ただし,試験片の大きさを試験報告書に

記載する。 

8.4 

厚さ 

箇条5の試料から5か所以上において一定面積1) をもつ厚さ測定器を用い,一定時間2) 及び一定圧力3) 

のもとで厚さ (mm) を測り,その平均値を小数点以下2けたに丸める。測定面積及び圧力を試験報告書に

記載する。 

注1) 一定面積とは,10 mm2,40 mm2,50 mm2などの測定子の単位面積をいう。 

2) 一定時間とは,加圧下で厚さが落ち着くまでの時間をいう。通常,衣料用生地では10秒が望ま

しい。 

3) 衣料用生地では2 kPaが適切であるが,生地の状態によって,例えば,0.7 kPa,5 kPaなどの圧

力をかけてもよい。 

8.5 

植毛強さ 

8.5.1 

試験片の作製 

試料から,決められた大きさに,たて方向及びよこ方向にそれぞれ5枚採取し,次のいずれかの状態で

試験を行う。 

8.5.2 

試験片の状態 

試験片は,次による状態に調整して試験する。 

a) 乾燥試験 試験片をJIS L 0105の5.1.1(標準状態)において調整した状態。 

b) 湿潤試験 試験片を水中に15分間浸せきした後,水がしたたり落ちない程度のぬれた状態。 

なお,湿潤状態の測定中には,500回ごとに約2 mLの水を試験片又は綿布の表面に滴下して,絶えず湿

潤状態に保つ。 

8.5.3 

植毛強さ試験方法 

試験は,試験片の接着剤層の一部が露出するまでの摩擦回数を計り,それぞれ5回の平均値を整数位に

丸める。 

a) A法(摩擦試験機法) 

1) A-1法(エッジ法) 

1.1) 1.5 R法 図1に示すJIS L 0849に規定する摩擦試験機Ⅱ形(学振形)を用い,JIS L 0803に規定

する綿布(かなきん)3-1号を2枚重ねて弧面上に取り付ける。次に,8.5.2で調整した20 mm×

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

60 mmの試験片を曲率半径1.5 mmの摩擦子4) に取り付け,全荷重3.92 Nで綿布上を30回/分往

復の速度で摩擦する。綿布は,1 000回ごとに取り替える。 

注4) JIS L 0849に規定する摩擦試験機II型(学振形)の摩擦子の曲率半径を1.5 mmに改良し

たもの。 

1.2) 45 R法 図1に示す摩擦試験機の摩擦子の曲率半径45 mm,全荷重4.90 N,試験片の大きさは20 

mm×70 mmとし,その他は,1.1)の1.5 R法に準じる。 

2) A-2法(フラット法) 図1に示す摩擦試験機を用いて,8.5.2で調整した30 mm×220 mmの試験片

を弧面上に取り付ける。摩擦子に,JIS R 6253に規定するCw-C-P800耐水研磨紙を取り付け,全荷

重4.90 Nで試験片上を30回/分往復の速度で摩擦する。伸縮性の甚だしい試験片には,JIS L 0803

に規定する綿布(かなきん)3-1号を裏の当て布とする。摩擦子に取り付けた耐水研磨紙は,500回

ごとに取り替える。ただし,その他の研磨紙,綿布(かなきん)3-1号を使用した場合及び4.90 N

以外の荷重の場合は,試験報告書に記載する。 

単位 mm 

図1−摩擦試験機の一例 

b) B法(KI形摩擦試験機法) 

1) B-1法(エッジ法) 8.5.2で調整した15 mm×80 mmの試験片を,図2に示すKI形摩擦試験機の金

属ブレード5) に取り付ける。次に,往復する試験機台上にJIS L 0803に規定する綿布(かなきん)

3-1号を取り付け,全荷重6.86 Nで綿布上を125回/分±2回/分往復の速度で摩擦する。 

注5) 金属ブレードは,JIS G 4401に規定するSK105を用い,幅15 mm,厚さ3.0 mmで角を落

とさず,硬質クロムめっき仕上げをしたもの。 

2) B-2法(フラット法) 8.5.2で調整した25 mm×120 mmの試験片を,図2に示すKI形摩擦試験機

の台上に取り付ける。全荷重10 Nで金属ブレード5) と同質の厚さ2.0 mmの金属ブレードによって,

125回/分±2回/分往復の速度で摩擦する。 

注記 植毛強さの表示の別法として,8.5.3によって所定回数の摩擦を行った後,その外観を観察

し,接着剤層の露出しないもの,接着剤層の一部露出したもの,又は基布面の露出したも

のに区分して表示する方法がある。所定の回数とは,100回,500回,1 000回など,加工

生地の種類によって選定する。選定した回数及び選択した乾燥試験又は湿潤試験の方法を

試験報告書に記載するのがよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2−KI形摩擦試験機の一例 

8.6 

引裂強さ 

8.6.1 

A法(ペンジュラム法) 

箇条5の試料から63 mm×100 mmの試験片を,たて方向6) 及びよこ方向にそれぞれ5枚以上採取し,

エレメンドルフ形引裂試験機を用い,試験片の両つかみの中央で直角に20 mmの切れ目を入れ,残りの

43 mmが引き裂かれたときに示す最大荷重 (N) を量り,たて方向及びよこ方向の引裂強さのそれぞれの平

均値を小数点以下2けたに丸める。ただし,引き裂かれた状態が斜めの場合は,試験報告書に記載する。 

注6) たて方向の引裂強さとは,たて糸を切断した場合をいう。 

8.6.2 

B法(シングルタング法) 

箇条5の試料から50 mm×250 mmの試験片を,たて方向及びよこ方向にそれぞれ5枚以上採取し,短

辺の中央に辺と直角に100 mmの切れ目を入れ,自記記録装置付引張試験機を用い,幅50 mm以上のつか

みを用いて,試験片のつかみ間の距離を100 mmとし,各舌片を上下のつかみに挟む。引張速度を150 

mm/minとし,引き裂くときに示す最大荷重 (N) を量り,たて方向6) 及びよこ方向の引裂強さのそれぞれ

の平均値を小数点以下1けたに丸める。 

8.7 剛軟度 

8.7.1 

A法(45°カンチレバ法) 

箇条5の試料から20 mm×約150 mmの試験片を,たて方向及びよこ方向にそれぞれ5枚以上採取し,

図3のような一端が45°の斜面をもつ表面が滑らかな水平台の上に,短辺をスケール基線に合わせて置く。

適切な方法によって試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて試験片の一端の中央点が斜面Aと接したとき,

他端の位置をスケールによって読む。剛軟度は試験片の移動した長さ(mm)で示される。1枚の試験片ごと

に表裏を測定し,たて方向及びよこ方向の表裏を合わせたそれぞれの平均値を整数位に丸める。 

図3−カンチレバ形試験機の一例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.7.2 

B法(ハートループ法) 

箇条5の試料から20 mm×250 mmの試験片を,たて方向及びよこ方向にそれぞれ10枚以上採取する。

図4のように水平棒のつかみに試験片をハートループ状に取り付け,試験片の有効長が200 mmとなるよ

うにする。次に,1分間経過してから水平棒の頂部とループの最下点との距離L(mm)を,試験片の表裏に

ついて測る。剛軟度はLで示され,たて方向及びよこ方向のそれぞれの平均値を整数位に丸める。 

図4−ハートループ試験機の一例 

8.7.3 

C法(ドレープ法) 

箇条5の試料から,直径254 mmの円形試験片を3枚以上採取し,図5のようなドレープテスタの直径

127 mmの試料台の上に置き,試料台を3回上下に振動させた後1分間放置して,そのときのドレープ形

状面積(垂直投影面積)を試験片の表裏について測り,その平均値を小数点以下3けたに丸める。 

1

2

1

S

S

S

A

D

=

ここに, 

D: ドレープ係数 

A: 試験片のドレープ形状面積(垂直投影面積)(mm2) 

S1: 試料台の面積 (mm2) 

S2: 試験片の面積 (mm2) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図5−ドレープテスタの一例 

8.8 

耐洗濯性 

耐洗濯性は,家庭洗濯法及びドライクリーニング法の2種類とする。洗濯試験を繰り返し5回行った後

の試料を軽くブラッシングした後,表1によって判定する。 

表1−判定基準 

等級 

試験片の状態 

植毛パイルの脱落又は外観の変化若しくは生地の風合の変化が目立たないもの 

植毛パイルの脱落又は外観の変化若しくは生地の風合の変化がやや目立つもの 

植毛パイルの脱落又は外観の変化若しくは生地の風合の変化が甚だしく目立つもの 

8.8.1 

試験片の作製 

箇条5の試料から,家庭洗濯法及びドライクリーニング法のA法(ウォッシュシリンダ法)は,約500 mm

×500 mm(400 mm×400 mmより小さくないこと。)の試験片を2枚採取し,植毛面を外側にし,四辺を

それぞれ約30 mm折り曲げ,折り曲げ部分から10 mmのところを縫い合わせる。 

ドライクリーニングのB法(洗濯試験機法)は,140 mm×50 mmの試験片を2枚採取し,植毛面を外

側にして二つ折 (70 mm×50 mm) にし,折り曲げ部分と,2側端の端から10 mmのところを縫い合わせる。 

8.8.2 

家庭洗濯法 

洗濯機7) に,約40 ℃の温水で試験片を覆うのに十分な量(約60 L)を入れる。同時にJIS K 3371に規

定する第1種弱アルカリ性合成洗剤を1 g/Lの割合になるように入れて,洗剤を溶解させる。この洗濯液

中に,2枚の試験片と負荷布8) とを含めた質量が1.4 kgになるようにして投入し,運転を開始する。15分

間処理した後運転を止め,新しい約40 ℃の温水に替え,5分間すすいだ後運転を止める。再び新しい約

40 ℃の温水に替え,引き続き10分間すすぐ。水を排除した後,試験片を取り出し,絞らずそのまま常温

でつり下げて乾燥する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注7) 洗濯機は,JIS C 9606に規定しているもの。 

8) 負荷布は,500 mm×500 mmの大きさの,のり抜き精練過酸化漂白及び無のり仕上げした白綿

布(かなきん)3-1号の周辺を縁取りしたもの。白綿布の生機は,表2による。 

表2−白綿布の生機 

用糸 

繊度(tex) 

密度(本/500 mm) 

たて 

よこ 

たて 

よこ 

綿糸 

20 

16 

1 410±20 

1 350±20 

8.8.3 

ドライクリーニング法 

ドライクリーニング法は,次による。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているとしても,安全及び健康に対する

適切な処置を取らなければならない。パークロロエチレンは,吸引などによって人体に悪影響

を及ぼすおそれがあり,工業ガソリンは,取扱い不備によって引火などのおそれがあるので注

意して扱う必要がある。 

a) A法(ウォッシュシリンダ法) 

1) A-1法(パークロロエチレン法) JIS L 1096の8.64.4 b) 10.1.1)(洗濯装置)に規定するウォッシュ

シリンダに,約30 ℃のJIS K 1521に規定するパークロロエチレン[JIS L 0860に規定する非イオ

ン界面活性剤 (1 wt/vol %),陰イオン界面活性剤 (1 wt/vol %) 及び0.1 vol %の水を含む。]を約4 L

入れ,その中に試験片2枚と負荷布8) とを含めた質量が,約0.5 kgとなるように調整して投入し,

密閉して回転軸に取り付け,45回/分±2回/分の速度で15分間処理した後,乾燥布の間に挟み,

軽く押し付けて液を除き常温で乾燥する。他の溶液を用いた場合は,試験報告書に記載する。 

2) A-2法(石油系法) 8.8.3 a) 1)のA-1法(パークロロエチレン法)と同様の方法による。ただし,試

験液の溶剤は,パークロロエチレンだけを,JIS K 2201に規定する5号(クリーニングソルベント)

に替えたものとする。 

b) B法(洗濯試験機法) 

1) B-1法(パークロロエチレン法) JIS L 0844に規定する洗濯試験機を用い,所定の試験瓶中に約30 ℃

のJIS K 1521に規定するパークロロエチレン[JIS L 0860に規定する非イオン界面活性剤 (1 

wt/vol %),陰イオン界面活性剤 (1 wt/vol %) 及び0.1 vol %の水を含む。]200 mL及びステンレス鋼

球25個ずつを,100 mm×100 mmのJIS L 0803に規定する綿布(かなきん)3-1号の袋2個に入れ

たものを試験機に入れ,30 ℃±2 ℃に調整する。試験片を標準試験瓶中に入れ,密閉して回転軸に

取り付け,40回/分±2回/分の速度で30分間操作した後,乾燥布の間に挟み,軽く押し付けて液

を除き,常温で乾燥する。 

2) B-2法(石油系法) 8.8.3 b) 1)のB-1法(パークロロエチレン法)と同様の方法による。ただし,試

験液の溶剤は,パークロロエチレンだけを,JIS K 2201に規定する5号(クリーニングソルベント)

に替えたものとする。 

8.9 

耐寒性 

箇条5の試料から,100 mm×100 mmの大きさに試験片を採取し,−20 ℃±2 ℃に設定できる低温恒温

装置又はJIS K 1501に規定するメタノール1部及び水3部の混合液を用い,ドライアイスで冷却し,−20 ℃

±2 ℃に保たれた低温槽中で,20分間放置直後における試験片の硬化及び折り曲げによるき裂の有無を調

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L 1084:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

べる。規定温度以外の場合は,試験条件を試験報告書に記載する。 

8.10 染色堅ろう度 

染色堅ろう度は,次による。ただし,試験の種類及び条件を試験報告書に記載する。 

a) 洗濯堅ろう度 JIS L 0844による。 

b) 汗堅ろう度 JIS L 0848による。 

c) 摩擦堅ろう度 JIS L 0849による。 

d) 耐光堅ろう度 JIS L 0841,JIS L 0842及びJIS L 0843による。 

e) ドライクリーニング堅ろう度 JIS L 0860による。 

注記 汚染の判定は,添付白布に付着したパイルを除去した後に行う。 

8.11 寸法変化率 

寸法変化率は,次のA法(石けん液浸漬法)及びB法(低温ワッシャ法)の2種類とする。 

a) A法(石けん液浸漬法) 

1) 試験片の作製 箇条5の試料から,約300 mm×300 mmの試験片を2枚採取し,四辺を約25 mm折

り曲げ,折り目から10 mmの所を縫い合わせる。図6のように中央に200 mm×200 mmの正方形を

描いて測定面とする。次に,測定面の各四辺の長さ及び対応する二辺の中点を結び,その長さを

mm単位まで測定して測定基準長とする。 

注記1 各交点に相当する場所に,規定の間隔で点を打つことによって,測定基準長とすること

ができる。 

2) 操作 試験片をそれぞれJIS K 3302に規定する無添剤固形洗濯石けんの0.5 %を含む50 ℃±2 ℃

の水溶液(浴比1:50)の中に20分間浸せきする。次に,50 ℃±2 ℃の温水で20分間水洗した後,

遠心脱水機にかけるか又は軽く押さえて水を切り,紙又は布の間に挟み,押さえて脱水し水平に置

いた金網,すだれ又はこれに類するものの上で自然乾燥する。 

単位 mm 

単位 mm 

図6−A法(石けん液浸漬法) 

図7−B法(低温ワッシャ法) 

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L 1084:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) B法(低温ワッシャ法) 

1) 試験片の作製 箇条5の試料から,約500 mm×500 mmの試験片を2枚採取し,四辺を約25 mm折

り曲げ,折り目から10 mmのところを縫い合わせる。図7のように400 mm×400 mmの正方形を描

いて測定面とする。次に,測定面の各四辺の長さ及び対応する二辺の中点を結び,その長さをmm

単位まで測定して測定基準長とする。 

注記2 各交点に相当する場所に,規定の間隔で点を打つことによって,測定基準長とすること

ができる。 

2) 操作 洗濯機7) に約40 ℃の温水を試験片が覆われるのに十分な量を入れ,試験片と負荷布8) とを

含めて1.4 kgになるように投入し,同時にJIS K 3303に規定する無添剤の粉末洗濯石けんを約0.1 %

溶液になるように加えて運転を開始する。15分間処理した後,運転を止め,新しい約40 ℃の温水

と替えて引き続き5分間処理する。再び,新しい約40 ℃の温水で10分間すすぐ。水を排除した後

試験片を取り出し,遠心脱水機にかけて水分を除去し,水平に置いた金網,すだれなどの上で自然

乾燥させる。 

c) 測定 試験片を平らな台の上に置き,不自然なしわ及び張力を除いて,たて方向及びよこ方向,それ

ぞれ3線の長さを測定し,それぞれ3線の平均値を求め,次の式によって寸法変化率を算出し,たて

方向及びよこ方向,それぞれ2枚の平均値を小数点以下1けたに丸める。 

100

Δ

×

=

L

L

L

L

ʼ

ここに, 

ΔL: 寸法変化率 (%) 

L: 処理前の長さ (mm) 

Lʼ: 処理後の長さ (mm) 

8.12 通気性 

箇条5の試料から,約200 mm×200 mmの試験片を5枚採取し,図8のようなフラジール形試験機を用

い円筒の一端に試験片を取り付けた後,加減抵抗器によって傾斜形気圧計が水柱125 Paの圧力を示すよう

に吸込みファン及び空気孔の種類を調整し,そのときの垂直形気圧計の示す圧力を測る。測定した圧力と

使用した空気孔の種類とから,試験機に附属の換算表によって試験片を通過する空気量 (cm3/cm2・s) を求

める。測定は5回とし,その平均値を小数点以下1けたに丸める。 

図8−フラジール形試験機の一例 

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L 1084:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験報告書 

試験報告書は,次の事項を記載する。 

a) 試験年月日 

b) 規格番号 

c) 試験の種類 

d) 試験条件 

注記 標準状態以外の試験条件,規定されている条件以外等で試験したときにその条件を記述する。 

e) 試験結果 

参考文献 摩擦強さ JIS L 1096の8.17.1[A法(ユニバーサル形法)]又は8.17.3[C法(テーパ形法)] 

引張強さ及び伸び率 JIS L 1096の8.12.1 a)[A法(ストリップ法)] 

伸長弾性率 JIS L 1096の8.13(伸長弾性率) 

保温率 JIS L 1096の8.28(保温性) 

破裂強さ JIS L 1096の8.16(破裂強さ) 

混用率 JIS L 1030-1 繊維製品の混用率試験方法−第1部:繊維鑑別 

JIS L 1030-2 繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率 

JIS C 9606 電気洗濯機 

JIS G 4401 炭素工具鋼鋼材