L 1075:2013
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験の種類 ······················································································································ 1
5 試験場所························································································································· 2
6 試料・試験片の採取及び準備 ······························································································ 2
7 試験方法························································································································· 2
7.1 A法(ユニバーサル形試験機法) ······················································································ 2
7.2 B法(定速伸長形引張試験機法) ······················································································ 4
7.3 C法[摩擦試験機II形(学振形)法] ··············································································· 4
8 試験報告書 ······················································································································ 5
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人繊維
評価技術協議会(JTETC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS L 1075:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
L 1075:2013
織物及び編物のパイル保持性試験方法
Testing methods for pile retention of woven and knitted fabrics
序文
この規格は,1983年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,2007年に
行われたが,その後の試験方法の実態に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,パイル織物及びパイル編物のパイル保持性試験方法について規定する。ただし,ループパ
イル編物及び敷物は除く。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
JIS L 0208 繊維用語−試験部門
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法
JIS R 6253 耐水研磨紙
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0208による。
4
試験の種類
試験の種類は,次による。
a) A法(ユニバーサル形試験機法) この方法は,別珍,コール天,ビロードなどの織物及びカットパ
イル編物に適用することができる。
b) B法(定速伸長形引張試験機法) この方法は,ループパイル織物に適用することができる。
c) C法[摩擦試験機II形(学振形)法] この方法は,シヤリング(shearing)加工を施した織物に適
用することができる。
2
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試験場所
JIS L 0105の5.1(試験場所)によって試験を行う。
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試料・試験片の採取及び準備
試料は,パイル織物及びパイル編物ともに端末から1 000 mm以上,両耳端から全幅の1/10以上離れた
部分から採取する。試験片は,試料のたて方向及びよこ方向,又はウェール方向及びコース方向の異なる
箇所から採取し,標準状態の試験室又は装置内に4時間以上放置し,試験を行う。
7
試験方法
7.1
A法(ユニバーサル形試験機法)
7.1.1
装置及び材料
装置及び材料は,次による。
7.1.1.1
ユニバーサル形試験機 ユニバーサル形試験機は,JIS L 1096の8.19.1[A法(ユニバーサル形
法)]に規定するもので,摩擦速度は,毎分125回±5回,摩擦回数100回につき試験片が1回転するもの。
7.1.1.2
摩擦台 摩擦台は,図1に示す黄銅製のつば付き円すい(錘)台で,ユニバーサル形試験機に取
り付けができるもの。
単位 mm
図1−摩擦台
7.1.1.3
金属輪 金属輪は,図2に示す黄銅製で,摩擦台にはめ込むことができるもの。ただし,受渡当
事者間の協定によって金属輪の寸法が異なるものを用いることができる。
単位 mm
図2−金属輪
7.1.1.4
合成ゴム板 合成ゴム板は,図3に示す円板のもの。
3
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単位 mm
図3−合成ゴム板
7.1.1.5
耐水研磨紙 耐水研磨紙は,JIS R 6253による。
7.1.2
操作
操作は,次による。
a) 箇条6の試料から約80 mm×80 mmの試験片a及び隣接して直径15 mm又は22 mmの円形試験片b
をそれぞれ3枚ずつ採取する。
b) 試験機に装着された平面摩耗用の円形の台に図4に示すように上面に摩擦台(7.1.1.2)を取り付ける。
c) 摩擦台上に合成ゴム板(7.1.1.4)を敷き,その上に試験片aのパイル面を下にして合成ゴム板上に置
き,金属輪(7.1.1.3)でしわのないように固く止め,次に7.1.1.5に規定するCw-C-P400,Cw-C-P600
又はCw-C-P800のいずれかの耐水研磨紙を上部の押圧板に取り付ける。
摩擦台の直径が18 mmの場合は質量20 g,直径が25 mmの場合は,質量40 gのおもりの下で試験
片aを多方向に500回摩擦する。ただし,摩擦回数について,受渡当事者間の協定によるときは,こ
の限りでない。
d) 摩擦台上から試験片aを取り外し,試験片bと同じ大きさの円形に摩擦部分を切り取り,パイルの残
留質量を量る。パイル保持率は,次の式によって算出し,3回の平均値をJIS Z 8401の規則B(四捨
五入法)によって小数点以下1桁に丸める。
100
1
k
×
m
m
P=
ここに,
Pk: パイル保持率(%)
m: 試験片bのパイル質量(g)
m1: 試験後に試験片aを試験片bの大きさに切り取ったもの
のパイルの残留質量(g)
図4−摩擦台の取付方法の例
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7.2
B法(定速伸長形引張試験機法)
7.2.1
装置
装置は,定速伸長形引張試験機とする。定速伸長形引張試験機は,試験片を伸長し,固定つかみ具及び
定速移動つかみ具を備え,切断に至るまでの荷重及び伸びを読み取り記録できるもの。
7.2.2
操作
操作は,次による。
a) 箇条6の試料から約250 mm×50 mmの試験片をたて糸に長さ方向が平行になるように10枚採取する。
b) 定速伸長形引張試験機(7.2.1)を用い,図5に示すように二つ折りにした試験片の中央部付近のパイ
ル糸1本のパイルを上部つかみに取り付けたクリップで挟み,試験片に初荷重を加えた後,つかみ間
隔を約100 mmとして他端を下部つかみでつかむ。
なお,初荷重とは,試験片が伸長せず,不自然なしわなどがなくなる程度の荷重をいう。
c) 引張速度は300 mm/min±20 mm/minで,試験片50 mm間のパイル糸のパイルが消えるまで引き抜い
たときの最大荷重を1 mNの単位まで測定し,10回の平均値をJIS Z 8401の規則B(四捨五入法)に
よって有効数字2桁に丸める。
図5−試験片の取付方法の例
7.3
C法[摩擦試験機II形(学振形)法]
7.3.1
装置及び材料
装置及び材料は,次による。
7.3.1.1
摩擦試験機II形 摩擦試験機II形は,JIS L 0849の8.1.2[摩擦試験機II形(学振形)]による。
7.3.1.2
耐水研磨紙 耐水研磨紙は,7.1.1.5による。
7.3.1.3
綿布 綿布は,JIS L 0803による。
7.3.2
操作
操作は,次による。
a) 箇条6の試料から約230 mm×30 mmの試験片a及び隣接して15 mm×10 mmの試験片bを,たて糸
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に長さ方向が平行になるようにそれぞれ5枚ずつ採取する。
b) 図6に示すように試験機の試験片台上に,7.3.1.3 に規定する単一繊維布・綿3-1号の綿布2枚を重ね
て敷き,その上に試験片aのパイル面を上にして置き,両端を固く止める。
c) 質量200 gの摩擦子の先端に7.1.1.5 に規定するCw-C-P180の耐水研磨紙を取り付け,試験片台を
120 mm水平往復運動することによって,試験片a上100 mmの間を毎分30往復の速度で100往復摩
擦する。
d) 試験片台上から試験片aを取り外し,摩擦された部分の中央部から15 mm×10 mmの大きさにたて糸
に長さ方向が平行になるように切り取り,パイルの残留質量を量る。パイル保持率は,7.1.2 d) の式
によって算出し,5回の平均値をJIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下1桁に丸め
る。
単位mm
図6−摩擦試験機II形
8
試験報告書
試験報告書は,次の事項を記載する。
a) 試験年月日
b) 規格番号
c) 試験の種類
d) 試験条件(試験場所の温度及び湿度)
e) 試験結果