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L 1066:2004  

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人繊維評価

技術協議会(JTETC)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS L 1066:1963は改正され,この規格に置き換えられる。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

L 1066:2004  

(2) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 試料又は試験片の採取及び準備 ·························································································· 1 

5. 試験条件 ························································································································ 2 

6. 種類 ······························································································································ 2 

7. 試験方法 ························································································································ 2 

8. 染色堅ろう度 ·················································································································· 3 

9. 試験報告書 ····················································································································· 3 

日本産業規格          JIS 

L 1066:2004 

ウレタン衣料生地試験方法 

Testing methods for polyurethane foam laminated fabrics 

1. 適用範囲 この規格は,ウレタン衣料生地(以下,生地という)の試験方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7512 鋼製巻尺 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS B 7522 繊維製巻尺 

JIS B 7721 引張・圧縮試験機―力計測系の校正・検証方法 

JIS K 1521 パークロロエチレン(テトラクロルエチレン) 

JIS K 3302 固形洗濯石けん 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0860 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 1018 ニット生地試験方法  

JIS L 1096 一般織物試験方法 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) ウレタン衣料生地 基布(ニット生地,織物又は不織布)にポリウレタンフォームをラミネートした

もの。 

4. 試料又は試験片の採取及び準備 JIS L 0105の5.3によって試料を採取する。また,試験に用いる試

験片は,試験前にJIS L 0105の4.3(1)によって標準状態にしておく。 

5. 試験条件 JIS L 0105の4.1及び4.2によって標準状態の試験場所で試験を行う。試験場所が標準状態

に保てない場合は,できる限り標準状態に近い場所で試験を行い,試験時の温度及び湿度を試験報告書に

記載する。 

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6. 種類 試験の種類は,次による。 

a) 幅 

b) 長さ  

c) 寸法変化率  

1) 浸透浸せき法  

2) 石けん液浸せき法  

d) はく離強さ  

1) 石けん液法  

2) パークロロエチレン法  

e) 染色堅ろう度  

1) 耐光堅ろう度  

2) 洗濯堅ろう度  

3) ドライクリーニング堅ろう度  

7. 試験方法 試験方法は,次による。 

a) 幅 生地を平らな台の上に置き,不自然なしわ及び張力を除いて,異なる5か所以上について全幅(1) 

(cm)をスケール(2)で測り,その平均値を算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。 

注(1) 全幅とは,両端にある不完全な部分を除いた幅をいう。 

(2) JIS B 7516に規定する金属製直尺,JIS B 7512に規定する鋼製巻尺又はこれらと同等以上の精

度をもつもの。 

備考 測定箇所は,通常,長さ50 mにつき5か所とする。 

b) 長さ 生地を平らな台の上に置き,不自然なしわ及び張力を除いて,繊維製巻尺(3)を用いて全長(m)

を小数点以下2けたまで測る。 

注(3) JIS B 7522に規定する繊維製巻尺又はこれらと同等以上の精度をもつもの。 

備考1. 両端末の不完全な部分は除く。 

2. 検尺装置による場合は,置尺を基準とする。 

c) 寸法変化率 試験片は折りたたまず,毛繊維が50 %以上混用のものは1)で,それ以外のものは2)で処

理した後,試験片を乾燥布の間に挟み軽く押えて液を除き,65 ℃±5 ℃の恒温乾燥機で乾燥し,1時

間以上放置する。 

寸法変化率の測定はJIS L 1096に,計算はJIS L 1018による。 

1) 浸透浸せき法 試験片を非イオン系界面活性剤0.05 %を含む25 ℃±2 ℃の水溶液中に30分間浸せ

きし,十分に浸透させる。 

2) 石けん液浸せき法 試験片をJIS K 3302に規定の無添剤(1種)のもの0.5 %を含む40 ℃±2 ℃の水

溶液中に20分間浸せきする(浴比50:1)。次に,試験片を取り出して,40 ℃±2 ℃の温水で20分

間水洗する。 

d) はく離強さ 試料のたて及びよこ両方向から,約16×4 cmの試験片をそれぞれ6枚ずつ切りとり,1)

又は2)で処理したものについて,たて及びよこ両方向に各15×2.5 cmの試験片をつくる。さらに試験

片の長さの方向に辺から5 cmを正確にはく離し,自記記録装置付低速伸張形引張試験機(4)を用い,つ

かみ間隔を5 cm,引張速度を10 cm/minとして5 cmはく離する。計算は極大値(N)及び極小値(N)をそ

れぞれ3個とり,その平均値を算出し,たて及びよこ両方向のそれぞれ6個の平均値を求める(整数位

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まで)。 

注(4) 試験機の検証を行う場合は,JIS B 7721に規定する方法を参考とする。 

備考1. 6回の測定値のうち,すべてが完全にはく離した場合はその平均値をとる。 

2. 6回の測定値のうち,完全にはく離したもの及び途中まではく離しフォームで切断した場合

は,それらの平均値をとる。 

3. 6回の測定値のうち,完全にはく離したもの,途中まではく離したもの及びフォームで切断

した場合は,フォームで切断したものを除いた平均値をとる。 

4. 6回の測定値のすべてがフォームで切断した場合は,その平均値をとりその旨を付記する。 

1) 石けん液法 洗濯試験機(5)を用い標準ガラス試験瓶中にJIS K 3302に規定の無添剤(1種)のもの

0.5 %を含む約40 ℃の試験液300 ml及びステンレス鋼球20個を入れ,40 ℃±2 ℃に調節した後試

験片3枚を入れ,密閉して試験機回転軸に取り付け,42 r/min±2 r/minの速度で30分間操作する。

次に冷却することなく直ちに試験瓶から試験片を取り出し,40 ℃±2 ℃の温水300 mlで1分間洗

い,さらに常温水で1分間洗った後乾燥布の間に挟み,軽く押し付けて液を除き,65 ℃±5 ℃の恒

温乾燥機で乾燥する。 

注(5) 洗濯試験機は,JIS L 0844の5.a)に規定する試験機とする。 

2) パークロロエチレン法 洗濯試験機(5)を用い標準ガラス試験瓶中に約30 ℃のパークロロエチレン

(6)300 ml及びステンレス鋼球20個を入れ,30 ℃±2 ℃に調整した試験片3枚を入れ,密閉して試

験機回転軸に取り付け,42 r/min±2 r/minの速度で30分間操作した後乾燥布の間に挟み,軽く押し

付けて液を除き,65 ℃±5 ℃の恒温乾燥機で乾燥する。この操作を再度繰り返す。 

注(6) パークロロエチレンは,JIS K 1521による。 

8. 染色堅ろう度 染色堅ろう度は,次による。 

a) 耐光堅ろう度 JIS L 0842による。 

b) 洗濯堅ろう度 JIS L 0844を用い,毛繊維が50 %以上混用のものはA−1法を,それ以外のものはA

−2法による。 

c) ドライクリーニング堅ろう度 JIS L 0860による。 

9. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験の種類 

b) 試験の結果 

c) 試験条件