L 1057:2012
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験場所························································································································· 1
5 試験の種類 ······················································································································ 1
6 器具及び装置 ··················································································································· 2
7 試料の採取及び試験片の作製 ······························································································ 2
7.1 試料の採取及び準備 ······································································································· 2
7.2 試験片の作製 ················································································································ 2
7.3 処理前の測定 ················································································································ 2
8 試験方法························································································································· 2
8.1 A法(乾熱法) ············································································································· 2
8.2 B法(蒸熱法) ·············································································································· 3
9 処理後の測定 ··················································································································· 3
10 計算 ····························································································································· 3
11 試験報告書 ···················································································································· 4
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人繊維評価
技術協議会(JTETC)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS L 1057:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
L 1057:2012
織物及び編物のアイロン寸法変化率試験方法
Testing methods for dimensional change by
ironing of woven and knitted fabrics
序文
この規格は,1981年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2006年に
行われたが,その後の我が国の使用実態及び関連規格の改正に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,織物及び編物にアイロンがけをしたときに生じる寸法変化の度合いを評価するための試験
方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 9203 電気アイロン
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
JIS L 0208 繊維用語−試験部門
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0105及びJIS L 0208による。
4
試験場所
箇条7及び箇条9は,JIS L 0105の5.1(試験場所)によって試験を実施する。ただし,箇条8は除く。
5
試験の種類
種類は,次の4種類とする。
a) A法(乾熱法)
1) A-1法(乾熱アイロン法)
2) A-2法(霧吹アイロン法)
b) B法(蒸熱法)
1) B-1法(蒸熱アイロン法)
2
L 1057:2012
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2) B-2法(蒸熱浮かしアイロン法)
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器具及び装置
器具及び装置は,次による。
a) ドライアイロン JIS C 9203に規定する機能をもつ自動温度調節器付のドライアイロン。
b) スチームアイロン 蒸気発生装置と接続し,規定の蒸気圧で蒸気を噴出できるもの。
7
試料の採取及び試験片の作製
7.1
試料の採取及び準備
JIS L 0105の6.3(布状の試料及びその試験片)又は6.4[製品(縫製品)状の試料の試験片]によって
試料を採取及び準備する。
7.2
試験片の作製
採取した試料から約150 mm×150 mmの試験片を,織物にあってはたて糸方向に,編物にあってはウェ
ール方向に3枚採取し,図1に示すように,試験片の中央部に織物にあってはたて糸方向又はよこ糸方向,
編物にあっては,ウェール方向又はコース方向に一辺が約80 mmの正方形になるように2対の印を付ける。
更に,それぞれの印の間の中央に印を付け,合計9か所の測定点とする。
単位 mm
図1−試験片マーキング
(点だけのマーキング)
7.3
処理前の測定
試験片ごとにたて糸方向又はウェール方向3か所の測長区間の長さを測る。よこ糸方向又はコース方向
についても同様に測る。
8
試験方法
8.1
A法(乾熱法)
8.1.1
A-1法(乾熱アイロン法)
3
L 1057:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試験片をアイロン台上に置き,掛面中央部を所定の温度に加熱したドライアイロンで,約2.9 kPaの圧力
をかけながら,試験片のよこ糸方向又はコース方向に1秒間約100 mmの速度で3往復させる。往復距離
は,アイロン掛面の長さに約150 mmを加えたものとする。
所定の温度とは,通常,繊維の種類によって次のものとし,繊維が混用されている場合は,低い方の温
度を用いる。
− 綿,麻 ························································································ 180 ℃
− 毛,レーヨン,キュプラ,ポリノジック ··········································· 160 ℃
− ポリエステル(PET,PTT,PBT),ビニロン ······································ 140 ℃
− 絹,アセテート,トリアセテート,ナイロン,アクリル······················· 120 ℃
− アクリル系,ポリクラール,ポリウレタン,プロミックス,ポリ乳酸 ····· 100 ℃
8.1.2
A-2法(霧吹アイロン法)
試験片全体が均一に湿るように水を噴霧した後試験片をアイロン台上に置き,掛面中央部を所定の温度
に加熱したドライアイロンで,約2.9 kPaの圧力をかけながら,試験片のよこ糸方向又はコース方向に1
秒間約100 mmの速度で3往復させる。往復距離は,8.1.1のA-1法と同様とする。
8.2
B法(蒸熱法)
8.2.1
B-1法(蒸熱アイロン法)
試験片を吸引装置付アイロン台上に置き,196 kPaの蒸気圧に設定したスチームアイロンで約2.9 kPaの
圧力をかけ,かつ,蒸気を吹かし,同時に吸引しながら試験片のよこ糸方向又はコース方向に1秒間約100
mmの速度で3往復させる。往復距離は,8.1.1のA-1法と同様とする。
8.2.2
B-2法(蒸熱浮かしアイロン法)
試験片を吸引装置付アイロン台上に置き,196 kPaの蒸気圧に設定したスチームアイロンを試験片上で,
その表面から約10 mm浮かした状態で,15秒間蒸気を吹かし,同時に吸引する。
9
処理後の測定
試験片を平らな台の上に置き不自然なしわ又は張力を除いて,たて糸方向又はウェール方向3か所の測
長区間の長さを測る。よこ糸方向又はコース方向についても同様に測る。
10 計算
試験片ごとに,処理前と処理後とのたて糸方向又はウェール方向3か所の測定区間の長さの平均値を小
数点以下1桁まで求め,次の式で寸法変化率(%)を小数点以下1桁まで求める。3枚の試験片の寸法変
化率から平均値を算出しJIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下1桁まで表す。よこ糸方
向又はコース方向についても同様に算出する。ただし,試験片3枚のいずれか一方向の寸法変化率におい
て,最大値,最小値の範囲が0.6以上の場合は,更に2枚の試験を行い,合計5枚の寸法変化率の平均値
をJIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下1桁まで表す。
100
1
1
2
×
−
∆
L
L
L
L=
ここに,
∆L: 寸法変化率(%)
L1: 処理前の長さ(mm)
L2: 処理後の長さ(mm)
4
L 1057:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
11 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試験年月日
b) 規格番号
c) 試験の種類(A法の場合アイロン温度も記載する)
d) 試験条件(試験場所の温度及び湿度)
e) 試験結果
例 年月日 JIS L 1057 A-1法(乾熱アイロン法) 160 ℃ 19 ℃ 67 %RH
たて −1.5 %, よこ −1.2 %
参考文献 JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法