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L 1021-8:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 装置······························································································································· 2 

6 試験片の調製及び試験条件 ································································································· 3 

7 試料及び試験片 ················································································································ 3 

8 手順······························································································································· 3 

8.1 一般事項 ······················································································································ 3 

8.2 カットパイルの場合 ······································································································· 4 

8.3 ループパイルの場合 ······································································································· 4 

8.4 パイルが複数の異なる形状などから構成されている場合 ························································ 4 

8.5 試験点数 ······················································································································ 4 

9 試験結果の表し方 ············································································································· 5 

10 試験報告書 ···················································································································· 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本カーペッ

ト工業組合(JCMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を

改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で

ある。これによって,JIS L 1021-8:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS L 1021の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS L 1021-1 第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

JIS L 1021-2 第2部:く(矩)形の繊維製床敷物の寸法測定方法 

JIS L 1021-3 第3部:厚さの測定方法 

JIS L 1021-4 第4部:質量の測定方法 

JIS L 1021-5 第5部:単位長さ及び単位面積当たりのパイル数測定方法 

JIS L 1021-6 第6部:静的荷重による厚さ減少試験方法 

JIS L 1021-7 第7部:動的荷重による厚さ減少試験方法 

JIS L 1021-8 第8部:パイル糸の引抜き強さ試験方法 

JIS L 1021-9 第9部:剝離強さ試験方法 

JIS L 1021-10 第10部:水及び熱の影響による寸法変化の試験方法 

JIS L 1021-11 第11部:摩耗強さ試験方法 

JIS L 1021-12 第12部:ベッターマンドラム試験機及びヘキサポッドタンブラー試験機による外観変

化の作製方法 

JIS L 1021-13 第13部:外観変化の評価方法 

JIS L 1021-14 第14部:改良形ベッターマンドラム試験機によるカットエッジの機械的損傷試験方法 

JIS L 1021-15 第15部:ファイバーバインド試験方法 

JIS L 1021-16 第16部:帯電性−歩行試験方法 

JIS L 1021-17 第17部:電気抵抗測定方法 

JIS L 1021-18 第18部:汚れ試験方法 

JIS L 1021-19 第19部:クリーニング試験方法 

日本産業規格          JIS 

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繊維製床敷物試験方法− 

第8部:パイル糸の引抜き強さ試験方法 

Textile floor coverings-Part 8: Determination of tuft withdrawal force 

序文 

この規格は,2012年に第2版として発行されたISO 4919を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,カットパイル又はループパイルをもつ全ての繊維製床敷物に適用可能なパイル糸の引抜強

さ試験方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 4919:2012,Carpets−Determination of tuft withdrawal force(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

注記 対応国際規格:ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing 

JIS L 0212-1 繊維製品用語(衣料を除く繊維製品)−第1部:繊維製床敷物 

注記 対応国際規格:ISO 2424,Textile floor coverings−Vocabulary 

JIS L 1021-1 繊維製床敷物試験方法−第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 1957,Machine-made textile floor coverings−Selection and cutting of 

specimens for physical tests 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0212-1によるほか,次による。 

3.1 

タフト(tuft) 

I形,J形,U形若しくはW形の形状,又は基部中のバックステッチ若しくは結び目も含めた連続した

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糸。その脚は,繊維製床敷物のパイルを形成する。 

3.2 

ループ(loop) 

基部の中のタフト糸又は繊維を固定しているところの連続する最も低い2点間のタフト糸又は繊維を一

続きにした部分。 

原理 

タフトの場合は一つのタフトの一端を挟み,ループの場合は一つのループにフックを引っ掛けて,それ

らを引き抜く過程で生じる力を記録し,繊維製床敷物の構造におけるタフト又はループを保持する結合に

滑りが生じるときの力を測定する。 

装置 

5.1 

引張試験機 使用範囲に適合したもので,±5 %の精度をもつ装置(通常は,10 N,20 N,50 N及び

100 Nの測定範囲が必要である。)を用いる。 

定速伸長形(CRE),定速荷重形(CRL)又は定速緊張形(CRT)の試験機(CRE試験機が最も一般的で

ある。)を使用する。いずれの場合も,引抜き試験における最大引抜き強さに到達するまでの平均時間が5 

秒間〜10秒間となるように,又はCRE試験機及びCRT試験機の場合は,100 mm/minとなるように,引張

速度を調整する。この調整のために,ローディング機構と試験片との間にスプリングを装着してもよい。 

試験機は,繊維製床敷物の試験片をベースプレートにクランプする機構を備える。この試験片クランプ

の寸法は60 mm×60 mm以上とし,タフト又はループパイルを引き抜く方向に対して垂直な平面をもち,

試験中,試験片クランプの平面部分は,試験片と接触していなければならない。また,この試験片クラン

プは,引き抜かれるタフト又はループの周囲に半径12 mm以上の切抜きがあり,切抜き部分の外側の平面

部分で試験片を押さえ付ける。また,タフトの一端を挟んだカットパイル用又は一つのループに引っ掛け

たループパイル用フックの位置決めを容易にするために,試験用クランプには細い通り道を切り抜いても

よい(図1参照)。カットパイルカーペットの場合,タフトの一端を選択してグリップするための適切な

方法を用意する[例えば,固定用かん(鉗)子など]。ループパイルカーペットの場合,適切なフックを用

いる(例えば,編み機のベラ針)。 

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 1 

ローディング機構 

スプリング(必要な場合) 

カットパイル用グリップ又はループパイル用フック 

ベースプレート 

繊維製床敷物の試験片 

試験片クランプ 

図1−試験片の固定状態の例 

試験片の調製及び試験条件 

試験片の調製及び試験条件は,JIS L 0105の5.1.1(標準状態)による。 

試料及び試験片 

試料は,JIS L 1021-1によって,当該繊維製床敷物を代表する箇所を幅方向に沿って,5枚以上採取する。

採取した試料は,箇条6に規定する条件下で24時間以上調製する。試験片(どの試料からも一つだけ採取

する。)は,試験機に固定するのに都合のよい大きさでよいが,どの試験片も10個以上のタフトを引き抜

くことができる大きさとする。 

なお,試験片の端から,及び先に引き抜いたタフトの位置から25 mm以内のタフトを引き抜いてはなら

ない。また,先に引き抜いたタフトと連続している糸を引き抜いてはならない。 

手順 

8.1 

一般事項 

試験は,箇条6に規定する試験条件で実施する。 

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8.2 

カットパイルの場合 

一つのタフトの一端を選定し,カットパイル用グリップで挟む。このとき,試験片の裏側を少し曲げれ

ば,タフトの間隔が広がり,タフトの選定が容易になる。箇条5に規定するように試験片クランプで試験

片を確実に固定し,カットパイル用グリップをローディング機構に取り付ける。引張試験機を使用して垂

直方向に完全に引き抜く。完全に一つのタフトだけが引き抜かれたことを確認し,引抜き時の最大の力(N)

を記録する。ただし,隣接するタフトからの余分な繊維又はタフトの一部だけが引き抜かれた場合,その

結果は無効とし,試験結果には含めない。 

繊維製床敷物の構造によっては,一つのタフトの脚の選定が不可能な場合もある。例えば,一つの穴(又

は孔)から2本以上の脚が出ている細かいゲージのカーペット,ニードリング製品,細かいぬき(緯)糸

密度をもつベロア製品などである。この場合は,試験が行える最低の本数のタフトを選定し,これらを挟

んでもよい。ただし,1回の引抜き試験のタフトはそれ限りとなるので,必要な試験点数に注意する。ま

た,一つの穴(又は孔)から2本のタフトの脚が出ている場合,2本の脚を一括して挟んでもよい。この

場合,次の式によって,パイル糸引抜き強さに換算する。 

F=0.66F'−1.7 

ここに, 

F: パイル糸引抜き強さ(N) 

F': 2本の脚を同時に引き抜いた場合(2本挟み)の最大の力(N) 

試験結果には,この式によって,2本挟みの測定値を換算したことを付記する。 

タフトが二つ以上の穴(又は孔)から選定された場合,又はタフト全体が引き抜かれなかった場合,そ

の結果は無効とする。 

8.3 

ループパイルの場合 

適切なループを選定し,ループの先端にループパイル用フックを引っ掛ける。ループパイル用フックを

ローディング機構に取り付ける。ループパイル用フックが繊維製床敷物の試験片に対して垂直に引っ張れ

るように試験片を固定し,引張試験機を使用する。引っ張ったループの一端が滑ったとき,直ちに引張試

験機を停止する。一つのループだけが引っ張られたことを確認し,このときの最大の力(N)を記録する。

ただし,この方法が困難なときは,引き抜くループに隣接する2本のループの先端をあらかじめ切断して

引き抜きを行い,ループが抜けるときの最大の力(N)を記録してもよい。この場合,試験報告書に隣接

するループの先端を切断したことを付記する。 

8.4 

パイルが複数の異なる形状などから構成されている場合 

カットパイル及びループパイルの両方がある試験片の場合,又は異なる繊度(番手)の糸,異なる繊維

の糸若しくは異なる形状の糸からなる試験片の場合,これらはそれぞれ区別して試験し,試験するタフト

及びループが同じ構造をもつ部分に囲まれている場合だけ試験する。場合によっては,糸に見かけ上の物

理的な違いが認められなくても,現実的かつ統計的に大きな違いが確認できる場合もある。この場合は,

試験結果を区別して記録する。 

パターン化された製品,例えば,クロスオーバータフテッドカーペットの場合,パターン内に現れる位

置及び/又はタフトの色によって識別する。完全に切断されたカットパイル又は完全に切断されていない

ループパイルが同一試験片で混在する場合は,それぞれを区別して試験する。 

8.5 

試験点数 

試験点数は,有効な試験点数が20本以上とし,採取した各試験片から同数程度のタフト又はループにつ

いて試験を行う。また,タフトが引き抜かれる前に切断した場合は,このときの最大の力(N)を記録し,

試験結果には“切断”を付記する。また,この結果は,有効試験点数とするが,計算は別々に行う。 

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試験結果の表し方 

“切断”した結果を除き,パイルの引抜き強さの平均値(N)を算出し,変動係数(%)を求める。ま

た,“切断”した結果の平均値を算出する。異なる種類のパイル又は異なる糸を分けて試験をした場合,こ

れを記載する。 

10 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格番号 

b) 試験実施日 

c) 使用した引張試験機の種類(定速伸長形,定速荷重形又は定速緊張形) 

d) 試験を行ったタフト又はループの数 

e) パイル引抜き強さの平均値及び変動係数。パイル糸が切断したときは切断力の平均値。試料に構造の

異なる部分がある場合,及び異なる種類の部分がある場合(8.4参照)はその旨。試験片がカットパイ

ルで,2本挟みを行った場合,換算した旨を付記する。試験片がループパイルで,隣接する2本のル

ープの先端を切断した場合は,その旨を付記する。 

f) 

必要があれば,引き抜かれた多くのタフトの形状及びタフト1本の詳細な形状が分かる図,写真など。 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS L 1021-8:2020 繊維製床敷物試験方法−第8部:パイル糸の引抜き強さ試験
方法 

ISO 4919:2012,Carpets−Determination of tuft withdrawal force 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及び
その内容 

(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

3.1 タフト 

3.1 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISではこの規格の利用者の理解を助けるため
に“基部中のバックステッチ若しくは結び目も
含めた”という表現を追加。技術的差異はない。 

− 

5 装置 

5.1 引張試験機 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは我が国の実情に合わせて,CRE試験機
及びCRT試験機の場合の引張速度について規
定を追加。 

− 

7 試料及び
試験片 

試験片の採取及び調製方法
を規定 

JISとほぼ同じ。 

変更 

対応国際規格では,試験片の端又は前に引き抜
いた全てのタフトから25 mm以上の距離をあ
けられる大きさとなっているが,我が国の試験
片の大きさの実情に合わないため規定内容を
変更した。 

実質的差異はない。 

8 手順 

8.2 カットパイルの場合の
試験手順を記載 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは2本挟みの換算式を追加している。 

− 

8.3 ループパイルの場合の
試験手順を記載 

変更 

JISではこの試験方法が困難な場合の,追加試
験を規定した。 

− 

8.5 採取する際の試験点数
及びその記録方法を記載 

変更 

実質的差異はない。 

− 

10 試験報
告書 

10 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,カットパイルの場合の2本挟み,及
びループパイルの場合の隣接ループを切断し
たか否かの付記について規定を追加している。 

我が国の実情に合わせて
規定内容を追加した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4919:2012,MOD 

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注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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