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L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 原理······························································································································· 2 

5 A法−ベッターマンドラム試験方法 ····················································································· 2 

5.1 装置 ···························································································································· 2 

5.2 調製及び試験の温湿度条件 ······························································································ 4 

5.3 試験片の採取及び準備 ···································································································· 4 

5.4 手順 ···························································································································· 4 

6 B法−ヘキサポッド試験方法 ······························································································ 5 

6.1 装置 ···························································································································· 5 

6.2 調製及び試験の温湿度条件 ······························································································ 8 

6.3 試験片の採取及び準備 ···································································································· 8 

6.4 手順 ···························································································································· 8 

7 試験報告書 ······················································································································ 9 

L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本カーペッ

ト工業組合(JCMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を

改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で

ある。これによって,JIS L 1021-12:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS L 1021の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS L 1021-1 第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

JIS L 1021-2 第2部:く(矩)形の繊維製床敷物の寸法測定方法 

JIS L 1021-3 第3部:厚さの測定方法 

JIS L 1021-4 第4部:質量の測定方法 

JIS L 1021-5 第5部:単位長さ及び単位面積当たりのパイル数測定方法 

JIS L 1021-6 第6部:静的荷重による厚さ減少試験方法 

JIS L 1021-7 第7部:動的荷重による厚さ減少試験方法 

JIS L 1021-8 第8部:パイル糸の引抜き強さ試験方法 

JIS L 1021-9 第9部:剝離強さ試験方法 

JIS L 1021-10 第10部:水及び熱の影響による寸法変化の試験方法 

JIS L 1021-11 第11部:摩耗強さ試験方法 

JIS L 1021-12 第12部:ベッターマンドラム試験機及びヘキサポッドタンブラー試験機による外観変

化の作製方法 

JIS L 1021-13 第13部:外観変化の評価方法 

JIS L 1021-14 第14部:改良形ベッターマンドラム試験機によるカットエッジの機械的損傷試験方法 

JIS L 1021-15 第15部:ファイバーバインド試験方法 

JIS L 1021-16 第16部:帯電性−歩行試験方法 

JIS L 1021-17 第17部:電気抵抗測定方法 

JIS L 1021-18 第18部:汚れ試験方法 

JIS L 1021-19 第19部:クリーニング試験方法 

日本産業規格          JIS 

L 1021-12:2020 

(ISO 10361:2015) 

繊維製床敷物試験方法− 

第12部:ベッターマンドラム試験機及び 

ヘキサポッドタンブラー試験機による 

外観変化の作製方法 

Textile floor coverings-Part 12: Production of changes in appearance by 

means of Vettermann drum and hexapod tumbler tester 

序文 

この規格は,2015年に第3版として発行されたISO 10361を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,全ての種類の繊維製床敷物の外観(表面構造及び色)に変化を生じさせるために,ベッタ

ーマンドラム試験機又はヘキサポッドタンブラー試験機による機械的作用を利用する方法について規定す

る。ただし,機械的作用以外によって発生するピリング又は色の変化は含まない。また,これらのドラム

試験機によって生じた外観変化を,適切な判定基準によって等級判定する方法も規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 10361:2015,Textile floor coverings−Production of changes in appearance by means of 

Vettermann drum and hexapod tumbler tester(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ 

注記 対応国際規格:ISO 7619-1,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of indentation 

hardness−Part 1: Durometer method (Shore hardness) 

JIS K 7215 プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 868,Plastics and ebonite−Determination of indentation hardness by means of 

a durometer (Shore hardness) 

L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

注記 対応国際規格:ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing 

JIS L 0212-1 繊維製品用語(衣料を除く繊維製品)−第1部:繊維製床敷物 

注記 対応国際規格:ISO 2424,Textile floor coverings−Vocabulary 

JIS L 1021-1 繊維製床敷物試験方法−第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 1957,Machine-made textile floor coverings−Selection and cutting of 

specimens for physical tests 

JIS L 1021-13 繊維製床敷物試験方法−第13部:外観変化の評価方法 

注記 対応国際規格:ISO 9405,Textile floor coverings−Assessment of changes in appearance 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0212-1による。 

原理 

繊維製床敷物の試験片を固定した回転するドラム内に,突起の付いた鋼球又はヘキサポッドを入れ,そ

れを不規則に転がすことによって,試験片に跡をつける(機械的な損傷を与える。)。 

試験後,試験片の外観を,適切な判定基準によって等級判定する。 

注記 適切な判定基準として,JIS L 1021-13が挙げられる。 

A法−ベッターマンドラム試験方法 

5.1 

装置 

5.1.1 

ベッターマンドラム試験機 次の寸法の金属製ドラムをもつ装置(図1参照)。 

− ドラムの内径:730 mm±10 mm 

− ドラムの内側の奥行き:270 mm±5 mm 

− 有効奥行き1):240 mm±7 mm 

− ドラムの板厚:8 mm±0.5 mm 

ドラムは,16 rpm±1 rpmの速度で回転し,5分間ごとに反転する。ただし,回転方向が変わるとき,約

1秒間停止する。ドラム装置には,回転回数計数器及びドラムの内側の両端に,試験片を固定するための4

枚の試験片固定板(厚さ:15 mm±1 mm)がある。 

試験中に試験片から脱落したパイル繊維は,真空掃除機によって取り除かれる。図1にドラムの断面図

を示す。 

長さ2 320 mm,幅270 mm,厚さ1.5 mmの寸法で,20 ℃における密度が1.1 g/cm3〜1.3 g/cm3の加硫し

た繊維製のバッキングシートを,固定せずにドラムの内側の作用面に敷く。 

このシートは,常にドラムの内側に置いておく。 

注1) 有効奥行きとは,試験片が鋼球によって作用を受ける幅を意味する。 

5.1.2 

鋼球 14個の円柱状のゴム製突起物が球上に等間隔で取り付けられたもの。この突起物は,取り

替えが可能で,鋼球の表面にねじ込み式で取り付けられる構造とする(図2参照)。 

− 鋼球の直径:120 mm±0.2 mm 

− 鋼球表面上の突起物固定のための平面部分間の距離:118 mm±0.1 mm 

− 突起物を装着していないときの鋼球の質量:6 800 g±100 g 

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L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

− 14個の突起物を装着しているときの鋼球の質量:7 600 g±100 g 

突起物は,明るい灰色の天然ゴム板で,これにねじを一体成形した金属製底板を貼り合わせたもの。 

突起物の仕様: 

− 金属板の厚さ:3 mm 

− 直径:40 mm±0.5 mm 

− 高さ(固定ねじの長さを含まない高さ):15 mm±0.5 mm 

− ねじ:M8 

− 突起物の硬さ:デュロメータ硬さA(48±3)。ただし,JIS K 6253-3によって測定し,3秒後の読み

値から決定する。 

試験終了後(20 000回転後)に向かい合っているゴム製突起物を順次2個ずつ新品に取り替える。これ

は,最も長期間使用したものから順次,取り替えるものとする。ゴム製突起物は,18 ℃〜23 ℃の暗所に保

管し,保管期間は18か月以下とする。 

注記 ベッターマンドラム試験機の交換用のゴム製突起物は,TFI Charlottenburger Allee 41 52068 

Aachen, Germany (postmaster@ tri-online.de) から入手できる。この情報は,この規格の利用者の

便宜を図るものであって,製品を推奨するものではない。 

5.1.3 

直立形真空掃除機 吸込口の幅が,試験片の幅以上の大きさをもつもの。 

単位 mm 

 1 脱落繊維の吸引方向 

2 ゴム製突起物 
3 鋼球 
4 加硫した繊維製のバッキングシート 
5 金属製ドラム 
6 真空掃除機 
 

図1−ベッターマンドラム試験機 

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L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

単位 mm 

図2−鋼球 

5.2 

調製及び試験の温湿度条件 

試験片の調製及び試験は,JIS L 0105の5.1.1(標準状態)による。 

5.3 

試験片の採取及び準備 

5.3.1 

採取 

JIS L 1021-1によって,試料を代表する部分から試験片を採取する。試験片を採取する前に,パイルの

毛並みの向きを試験片の裏面に矢印で記入しておく。 

色及び柄は,外観保持性に大きな影響を与えるため,試験片を採取するときに注意する。 

5.3.2 

数及び寸法 

ドラムの内側に並べるのに十分な枚数の試験片を採取する。試験片は,生産方向に対して平行に450 mm

以上,生産方向に対して直角に265 mmの大きさとする。比較のため,同等な寸法及び場所の試験片を1

枚採取する。 

生産管理のために試験を行う場合,繊維も仕上げ剤も移らないのであれば,試験片を,同様な厚さの異

なる試料から五つまで採取して,同時に試験してもよい。 

5.3.3 

準備 

試験片及び比較用の試験片は,5.4に規定するように直立形真空掃除機(5.1.3)を用いて掃除し,使用面

を上にして,平らに,1枚ずつ置き,24時間以上調製する。 

なお,試験中に試験片の端部にほつれが発生した場合,試験片の端部に粘着テープを貼る。 

5.4 

手順 

ドラム(5.1.1)の中に,試験片の使用面がドラムの中心を向くようにして,その両側端部をドラムの円

弧状に合わせて試験片を固定する。試験片の端部が試験片固定板の中央付近になる位置に試験片を動かし,

確実に固定する。 

必要であれば,フォームバッキングのない繊維製床敷物については,ドラムの中に試験片を固定する前

L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

にアンダーレイを敷き,その上に試験片を敷いて試験を行ってもよい。 

試験結果は,試験片と試験に使用したアンダーレイとの組合せに限定され,他のアンダーレイとの組合

せには適合しない。したがって,使用したアンダーレイについて,材質,単位面積当たりの質量,及び厚

さを付記することが望ましい。 

鋼球及びその突起物が清潔であるかを確認し,汚さないようにする。必要に応じて,清潔なティシュ及

びエタノールで汚れを拭き取り,ドラム内に鋼球を置く。回転回数計数器を長時間試験用(過酷な摩耗状

況下における長期間の使用を模擬),又は短時間試験用(使用を開始して間もない時期の外観変化又は比較

的過酷な摩耗が少ない状況を模擬)に設定する。その後,試験を開始する。 

注記 この規格の改正前は,長時間試験用は22 000回,短時間試験用は5 000回と規定していた。 

次のことに注意する。 

− 規定する場合を除き,試験にアンダーレイを用いない。 

− ベッターマンドラム試験は,毎回,パイルの毛並みの向きに対して逆目に始める。 

− 真空掃除機は,試験中に,試験片の使用面を直接触れないようにする。 

長時間試験の後は,直立形真空掃除機(5.1.3)によって,試験片を掃除する。掃除は,試験片の長さ方

向に対して平行に前後に4回ずつ行い,試験片全体に清掃が行き渡るように行い,最後の1回はパイルの

毛並みの向きに合わせて掃除する。 

試験片を,使用面を上にして,平らに,1枚ずつ置き,24時間以上調製する。適切な判定基準によって

等級判定を行う。 

試験の途中で等級判定を行ってもよい。その場合は,試験片を掃除してから最終判定のときと同じよう

に行う。ただし,試験片の再調製は行わず,速やかに等級判定する。 

B法−ヘキサポッド試験方法 

6.1 

装置 

6.1.1 

ヘキサポッドタンブラー試験機 次の寸法のプラスチック製ドラムをもつ装置。 

− 内径:305 mm±1 mm 

− 板厚:約8 mm 

− 内側の奥行き:210 mm±1 mm 

ドラムは,35 rpm±2 rpmの速度で回転し,15分間ごとに反転する。ただし,回転方向が変わるとき,

約1秒間停止する。ドラム装置は,回転回数計数器を備えており,ドラムベース及び蓋には,試験片の裏

面に敷くポリエチレン製シート(6.1.2)との接触を保つために,ドラムの内壁面に突き当てる溝がある。

図3は,蓋を外したドラムの図である。図4にドラムの断面図を示す。 

6.1.2 

試験片の裏面に敷くポリエチレン製シート シートの寸法は,長さ950 mm,幅215 mm,厚さ2 mm

とする。 

6.1.3 

ヘキサポッド 50 mmの軟鋼製の立方体の各面に25 mmのわん(碗)状の部品を接合したもの。

突起物を装着し,ヘキサポッドを平面上に置いたとき,平面にヘキサポッドの金属部分が接触しないよう

に,わん(碗)状の部品の外側は丸みがある(図5参照)。 

ねじの付いた金属板が裏面に貼り合わせてある脱着可能なポリウレタン製の突起物をヘキサポッドの各

面の中央にねじ止めする。 

− 突起物の直径:40 mm±1 mm 

− 突起物の高さ:15 mm±1 mm 

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L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

− 突起物先端の半径:15 mm±1 mm 

− 裏面の金属板の厚さ:3 mm±0.25 mm 

− JIS K 7215によって,測定したゴムのデュロメータ硬さ:HDA(92.5±7.5) 

− 6個の突起物を装着したヘキサポッドの質量:3.8 kg±0.1 kg 

上記の,高さ,直径,硬さの物理的特性は,400 000回転ごとに確認する。突起部分の物理的特性が,上

記のいずれかの特性に適合しなくなった場合,その突起物は交換する。 

上記にかかわらず,突起物は使用2年ごとに交換する。 

注記 ヘキサポッドタンブラー試験機の新品の突起物は,WIRA Instrumentation Ltd, 3 Water Lane, 

Bradford BD1 2JL, UKから入手できる。この情報は,この規格の利用者の便宜を図るものであ

って,製品を推奨するものではない。 

6.1.4 

両面粘着テープ 幅50 mm 

6.1.5 

真空掃除機 吸込口の幅は,試験片の幅以上の大きさをもつもの。 

図3−ヘキサポッドタンブラー試験機 

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L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

単位 mm 

 1 プラスチック製ドラム 

2 試験片の裏面に敷くポリエチレン製シート 
3 ヘキサポッド 
 

図4−ヘキサポッドタンブラー断面図 

単位 mm 

 1 ポリウレタン製の突起物 

図5−ヘキサポッド 

6.1.6 

く(矩)形の清掃用フレーム 中央に試験片が入る940 mm×200 mmの大きさの開口部があって,

試験片と似た材質及び同程度の厚さをもち,大きさが1 000 mm×300 mmのもので,裏面に硬いバッキン

グシート板を貼り合わせたもの。 

L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

6.2 

調製及び試験の温湿度条件 

試験片の調製及び試験は,JIS L 0105の5.1.1による。 

6.3 

試験片の採取及び準備 

6.3.1 

採取 

JIS L 1021-1によって,試料を代表する部分から試験片を採取する。試験片を採取する前に,パイルの

毛並みの向きを試験片の裏面に矢印で記入しておく。 

色及び柄は,外観保持性に大きな影響を与えるため,試験片を採取するときに注意する。 

6.3.2 

数及び寸法 

470 mm×200 mmの大きさの試験片を2枚採取する。また,比較のため,同等な寸法及び場所の試験片

を1枚採取する。 

繊維も仕上げ剤も移動しないのであれば,試験片を,同様な厚さの異なる試料から二つまで採取して,

同時に試験してもよい。この場合,試験片の間が5 mm〜10 mmあくように切断し,その隙間を含めた全

長が940 mmとなるようにする。ただし,両試験片とも,ドラムの回転方向に対してパイルの毛並みの向

きが一致するようにし,反対方向にセットしてはならない。また,必ず切断した端部は適切にほつれ止め

を施す。 

6.3.3 

準備 

試験片の裏面に敷くポリエチレン製シート(6.1.2)の両側端及び両端末から約5 mmあけて両面粘着テ

ープ(6.1.4)を貼り付け,確実に貼り付くようにしっかりと押さえつける。複数の試験片を同時に試験す

る場合は,各試験片のつなぎ目にも両面粘着テープを貼り付ける。試験片を使用面を上にして設置する。

このとき,試験片の裏面に敷くポリエチレン製シートは,ドラム(6.1.1)に密着するように曲げて入れ,

端末部から5 mm,各試験片間には5 mm〜10 mmの間隔をあけ,パイルが重ならないようにする。さらに,

各試験片が円滑に置けるかを確認する。必要であれば長さを調整する。 

必要であれば,フォームバッキングのない繊維製床敷物については,上記のように,ポリエチレン製シ

ートの上にアンダーレイを敷き,アンダーレイの上に試験片を固定してもよい。このとき,再度,両面テ

ープをアンダーレイの端部に貼付して試験片を貼り付ける。 

この場合,試験結果は,試験片と試験に使用したアンダーレイとの組合せに限定し,他のアンダーレイ

との組合せには適合しない。したがって,使用したアンダーレイについて,材質,単位面積当たりの質量,

及び厚さを付記することが望ましい。 

試験片は,6.4に規定するように真空掃除機(6.1.5)を用いて掃除し,使用面を上にして,水平の状態で

1枚ずつ置き,24時間以上調製する。 

6.4 

手順 

試験片の裏面に敷くポリエチレン製シート(6.1.2)に試験片を固定し,ドラム(6.1.1)内に設置する。

これによって,試験片はドラムの内側の円周に沿って円滑に設置され,ドラムの溝に確実に固定される。 

ヘキサポッド(6.1.3)の突起物を洗浄し,汚れが付着していないことを確認する。必要に応じて,清潔

なティシュ及び適切な溶剤で汚れを拭きとる。ヘキサポッドをドラム内に置き,蓋を閉じる。 

回転回数を2 000回(試験時間は約1時間)に設定し,試験を開始する。 

15分ごとに試験方向を反転させる(14分30秒間回転させ,30秒間停止する。)。2 000回終了後,試験

片を取り出してく(矩)形の清掃用フレーム(6.1.6)の中央の開口部にはめ込む。真空掃除機(6.1.5)を

使用し,2 000回転ごとに,抜け落ちた繊維を残らず取り除く。試験片の長さ方向に沿って,前後に4回以

上,全体を清掃する。最後の1回は,パイルの毛並みの向きに沿って掃除する。 

L 1021-12:2020 (ISO 10361:2015) 

試験片をドラムに戻し,過酷な摩耗状況下における長期間の使用を模擬した長時間試験でも,使用を開

始して間もない時期の外観変化又は比較的摩耗が少ない状況を模擬した短時間試験でも,上記の手順を繰

り返す。 

注記 この規格の改正前は,長時間試験は12 000回,短時間試験は4 000回と規定していた。 

上記のように,試験片に対して最後の清掃をする。 

試験片を,使用面を上にして,平らに,1枚ずつ置き,24時間以上調製する。適切な判定基準によって

等級判定を行う。 

試験の途中で等級判定を行ってもよい。その場合は,試験片を掃除してから最終判定のときと同じよう

に行う。ただし,試験片の再調製は行わず,速やかに等級判定する。 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記入する。 

a) この規格番号及び箇条番号 

b) 試料の明細を,JIS L 0212-1によって記載する。 

c) 実施した試験方法(A法又はB法) 

d) ドラム又はタンブラーの回転回数 

e) アンダーレイを用いたか否か。用いた場合はアンダーレイの詳細 

f) 

適用した判定基準があれば,その報告の箇条の内容 

g) 使用した真空掃除機の種類 

h) JIS L 1021-13による外観変化の等級の中央値及び最も激しい変化を示した点 

i) 

試験後の試験片に関する特記事項 

j) 

標準的な手順と相違があれば,それに関する内容の詳細